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ベリーズ ほいく篇

13 :*12 :2009/06/26(金) 01:32
 また夏焼を呼び止める声がした。
 菅谷がこちらを睨みつけていた。ズボンに入れた手で股間を掻いている。
 夏焼はもぞもぞ蠢くその部分に気を取られたが、
「君は確か須藤くんの……。」
「1年の菅谷だ!」
「悪いけど後にしてくれないか、校長先生に呼ばれているんだ。」
「須藤さんの停学を解け。」
 夏焼は白々しく小首をかしげる。菅谷の表情は険しく、微動だにしなかった。
「僕に権限はないよ。菅谷君。」
 こう夏焼が告げた途端、菅谷は彼の胸倉に掴みかかった。
「いつまでシラ切れると思ってんだ!? スカしやがって!」
 菅谷に押され、夏焼は壁に叩きつけられた。
「須藤さん弄んで裏でコソコソ動き回りやがって。テメー何企んでやがんだよ!?」
「落ちついてくれ。」
 血走る相手の眼を、夏焼は見つめ返しながら諌めた。
 しかし、逆上させるばかりで
「ここじゃ先生が通るよ。」
「関係ねえよ。」
「君が須藤君のために暴力沙汰を起こしたら、彼は悲しむよ。」
 菅谷が躊躇を見せた。
 夏焼はすかさず近くのトイレを指す目配せをした。
 誘導されるように、菅谷は夏焼を掴んだままトイレへ入った。
 わずかに物音が聞こえる。
 数十秒後。夏焼が一人でトイレを出て来た。
「大将は厄介だが。そろそろ揺さぶりから決戦に入ってもいい頃合いかも知れないね。」
 呟いた夏焼は、何事もなかったかのように廊下を歩き始めた。
 
「……で? 俺に何の用?」
 ビロウドのソファに腰掛け、テーブルに足を組むと、熊井は切り出した。
 オドオドとした様子で対面の嗣永も腰掛ける。
「おい。ガキ、なに店のテーブルに足のせとんねん。しばくぞ。」
 カウンター越しからサングラスをかけた男が叱りつけて来た。
「あ。マスター俺焼きそばね。」
「話きけや。お前ベリ高やろ。オレの後輩……。」
「んで、なんだよ。さっさと言えよ。」
「あ、うん。」
「おい。」
 熊井と嗣永の間になかなか割って入れないもどかしさでマスターはイラついた。

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