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生ガキ試食中

1 :ゐくま :2011/10/16(日) 18:53
はじめまして。ゐくまと申します。

基本は生ガキメイン。
他つらつらとガキさん絡みで書いていく予定です。
84 :好きスキすき :2012/02/13(月) 17:13

「生田、ちょっとどっか行かない?」


待ち時間が余って暇をしていたメンバー。
何人かは楽屋から出ていったり、寝てたり。
えりなはその間にもじっと新垣さんを見つめてたから、そんなに暇じゃなかったけど、新垣さんに誘われたら行くしかない。
行く場所なんて撮影中だからたかがしれてるけど。
それでも新垣さんに誘われたことが嬉しくて、楽屋から出た時にはもう顔のにやつきがMAXになっていた。
左腕にべったりくっついて歩き出したえりなに新垣さんはいつもみたく眉を八の字に下げて笑った。


「もぉー、歩きにくいんだけどー」
「離れたくないんですぅー、んふふ」


また今日も「くっつきすぎてごめんなさい」ってメールしなくちゃいけないかもしれない。
でもくっついてる間は幸せだからそれでいい。えりな幸せ。
85 :好きスキすき :2012/02/13(月) 17:14

くっつくたびにわかる新垣さんのすべすべな肌が好き。
くっつくたびに微かに香る新垣さんの甘い匂いが好き。
もう最近じゃ年下の同期二人からは「ファンの域を越えて変態じゃん」なんて言われるようになった。
それでも仕方ない。好きなんだもん。


しばらく歩いていたら後ろから大きい声で「にぃーがぁきさぁぁん」と呼ぶ声が聞こえた。
振り向こうとした頃には時すでに遅し。
新垣さんの右側に優樹ちゃんがくっついてた。


「えへへ、新垣さん見ぃつけた」
「何ー、今かくれんぼしてる覚えはないよー」
「でも探してたんです」


優樹ちゃんが嬉しそうにくっつきながらぴょんぴょん跳び跳ねる。
そんな優樹ちゃんを落ち着かせるように、ハイハイとあしらいながら頭を撫でる新垣さん。
86 :好きスキすき :2012/02/13(月) 17:15

むくむくと沸き上がる嫉妬心。
さっきまで天国だったのに、一気に地獄に落とされた気分になった。

優樹ちゃんも新垣さんが好きだと言っていた。
可愛い、憧れ、とも言っていた。
だから去年あった舞台で出来た“新垣さんを応援する会”に誘ったこともあった。
でもこうやって新垣さんにくっついてたり、新垣さんに頭を撫でられてたりするのを見ると、なんか寂しくなって構ってほしくなって、ついそれを邪魔してしまう。

今日も新垣さんを横からぎゅっと抱き締めて優樹ちゃんに対抗してしまった。


「今の新垣さんは、えりなのものなの」
「えー?」
「だから離してよう」
「ふふふ、嫌ですぅ」


えりながどれだけ真剣に言ってるのか、天然な優樹ちゃんにはいつも伝わらない。
それどころか反対側から同じようにぎゅっとしてくる。
負けたくなくて力を込めてこっち側に引っ張ると同じように引っ張る。
87 :好きスキすき :2012/02/13(月) 17:16
優樹ちゃんには何をしても効かない。
それはここ数ヶ月で学んだけど、何もしないままでいるのは嫌で、つい長々と対抗してしまう。
これ優樹ちゃんの作戦じゃないとね?

新垣さんもどちらかといえば優樹ちゃんの方を向いて、笑ってた。
いつも新垣さんはえりなをおちょくってくるから、たぶんそれなんだろうけど、やっぱり寂しかった。


えりなだって抱きついてるのに。
えりなだって見てほしいのに。

88 :好きスキすき :2012/02/13(月) 17:16

こんなに新垣さんのこと、好きなのに。

89 :好きスキすき :2012/02/13(月) 17:17

もともと緩い涙腺が緩みそうになって新垣さんの肩に額を擦りつけると、えりなの頭に新垣さんの手が降りてきた。
ぽんぽんと優しく叩かれると、どうしようもなく好きが溢れちゃって。
気持ち悪がられてもうざがられてもいいから、もっともっと近くにいたくなっちゃって。
優樹ちゃんがいるはずの右腕まで巻き込んでぎゅぅうっと抱き締めた。

するとそんなえりなに気付いたのか「まーちゃんくどぅが待ってるので帰ります」と言って優樹ちゃんはその場から去って行った。


「いーくた」


新垣さんは低く優しい声で呼んだ。
出てきそうだった涙はなんとか留まってくれたから、ゆっくり顔をあげる。
新垣さんは優しく笑ってまた頭をぽんぽんと叩いた。
90 :好きスキすき :2012/02/13(月) 17:18


「あはは、目真っ赤」


新垣さんはそう言ってえりなの目元を撫でた。
するとさっきまで我慢していた分の涙が導かれるかのように自然と出てくる。
もう悲しくないのに、もう寂しくないのに。
新垣さんの笑顔を見ると、心臓が掴まれたようにぎゅってなって。


「もう可愛いなぁ」
「ふぇっ?」


いきなりそんなこと言われてびっくりしてすっとんきょうな声が出る。
それにも笑って頭を撫でる新垣さん。
恥ずかしくなって俯いたら、頭にある手が離れてえりなの腰に巻き付いた。
そのままさっきえりながしたようにぎゅっと抱き締められる。

一瞬何が起こってるかわからなくてそのままでいると、新垣さんが耳元でつぶやいた。


「こんなくっつかなくても、離れたりしないから」


ぽつり。
新垣さんの洋服に、えりなの涙が染みていった。
91 :好きスキすき :2012/02/13(月) 17:19

抱き締められるだけでお腹いっぱいなのに、そんなこと言われたらもっともっとほしくなってしまう。
でも反応することは出来なくて、ずっと固まったままだった。

すぅ、と息の吸う感覚がして少しだけ身をよじると、新垣さんは離れていった。
また少しだけ寂しくなって眉をひそめて新垣さんを見つめる。
そしたら新垣さんはにっこり笑ってえりなの腕を引っ張った。


「ほら、行くよ」
「えっ?行くって…」
「楽屋。そろそろ生田の出番でしょ」


えりながすっかり忘れていたことを言い当てて新垣さんはまた腕を引っ張った。
そのままされるがままになってついていく。
しばらくしたら我慢出来なくなってまた左腕にべったりくっついた。


今日も再確認する。えりなは新垣さんが好き。
ずっと推していくのはもちろん変わらないけど、


「暑苦しいなぁー」
「冬だからいいじゃないですかぁー」


心の奥にある特別な想いもきっと、変わらないんだろうなと思った。




終わり
92 :ゐくま :2012/02/13(月) 17:28
>>83-91
最近新垣さんにべったりなキモヲタ生田に軽くジェラシーなゐくまです。
今回はもう生田はキモヲタ通り越して恋してると思うんだ!とゆう勝手な解釈から()

>>80
レスありがとうございます。
にやにやしていただけて嬉しいです。にやにや()

>>81
レスありがとうございます。
キモヲタすぎですよねwそんな彼女がいとおしいものです。
93 :名無飼育さん :2012/02/13(月) 21:20
生ガキ最高!ゐくまさんの生ガキ最高!
にやにやが止まりません!w
94 :名無飼育さん :2012/02/14(火) 11:31
えりぽんキャワ!
95 :名無飼育さん :2012/02/14(火) 19:19
キモヲタ生田さんは恋慕の情を抱いていると思われます
この小説でも、リアルでもw
96 :名無飼育さん :2012/02/15(水) 05:22
最近の生田ちゃんは恋する乙女ですねw
ゐくまさんの生ガキ本当に最高!
97 :ゐくま :2012/05/04(金) 10:28

更新します。
98 :happiness for you. :2012/05/04(金) 10:31

ガキさゆ【happiness for you.】
99 :happiness for you. :2012/05/04(金) 10:31



「今日、新垣さんどうかしたんですか」


目の前にやってきた後輩はさぞ心配そうな面持ちで私に聞いてきた。
さぁ?眠いんじゃないの?と軽く返す私に何度も何度も聞いてくる後輩。
しまいには同期に道重さんに触らないで!なんて言われちゃって。
でも負けじと、えりなは新垣さんの情報が聞きたいんです!とか聖にはカンケーない!とか言い返して同期と張り合う。
なんだか面倒なことになりそうだったので、私は二人の後輩に気付かれないようにそっと楽屋を出た。

楽屋のうるささとは対照的に静かな廊下。
ヒールがたてるカツカツ、という音がやけに耳につく。
私は息をふぅと吐いて、壁に寄りかかった。
目をつぶると思い浮かぶ一人の人物。
記憶の中のその人は笑顔で。
でも現実のその人はきっと笑顔じゃない。
目をあけてため息をつくと、その人は消えていった。
100 :happiness for you. :2012/05/04(金) 10:34

確かに後輩の言ってることは私自身気になっていることだった。
朝からなんとなく元気なさげで、返ってくる返事もどこかふわふわとしていて。
彼女らしくない、地に足が着いてないような、そんな雰囲気を放っていた。
別の楽屋にいるれいなに話そうかと思ったけど、れいなはこういう話するような人じゃない。決して悪い意味じゃなく。
同じく別の楽屋にいる愛佳にも…と思ったのだけど、後輩に言うのはなんだか彼女に悪い気がしてやめた。
結局一人でお得意の人間観察をしていたら、彼女のことが大好きな後輩に聞かれた、という事だ。


約10年一緒にいる彼女の変化を、気付かない訳がない。
そして今の立場からして彼女のことを支えてあげるのは私だ、と思っている。
でも全く見当がつかないのだ。
仕事のことで悩んでるなら、なんとなくわかる。
些細な変化でも、気付いてあげられるのに。
101 :happiness for you. :2012/05/04(金) 10:35

もしお家のことや、何かプライベート的なことなら深くはつっこまない方がいいかな、とは思うんだけど。
それでも支えてあげたかった。頼りになりたかった。
弱音を吐かない彼女だから、さゆみが支えてあげないといけない。
そんな使命感が勝手に私の中で渦巻く。


「そういえば、ガキさんどこにいるんだろ」


ずっと見ていない彼女の姿。
いつの間にか楽屋から消えていた。

最後に見た焦点の合っていないような目をした彼女を思い出して、壁から背を離し歩き出す。
私の足が勝手に動いていた。
見つからないかもしれないけど、お仕事始まる前に元気になってほしいから。
102 :happiness for you. :2012/05/04(金) 10:36


ヒールの音も気にならないくらい必死だった。
走ってはいないけど、鼓動は急速に速まっている。

――右に曲がる。左に曲がる。
きっと仕事前にはそんなに遠くにはいかないはず。

――部屋を覗く。死角を覗く。
早く会いたかった。姿を見たかった。
なぜだかわからないけど、凄く胸が締め付けられて。

――引き返す。別の場所を探す。
ぐるぐると会社中を歩き回って、行く人行く人に挨拶をして。

自動販売機のコーナーに差し掛かった時、
いつもより小さく見える彼女の姿を見つけた。


私から見える彼女の横顔は涙で濡れていて。
やっぱりどこか焦点の合っていないような目で一点を見つめていた。


また胸が締め付けられる。
ああ、どうして彼女はこんなにも、―――
103 :happiness for you. :2012/05/04(金) 10:37

「ガキさん、」


静かに近づいて呼びかける。
ぴくっと体を跳ねて、焦るように頬を拭う彼女。

気付かれたくないんだろうな、自分の弱っている姿を。
そのことに少し寂しくなって、でも近づいて。
座っている彼女の隣に腰をおろした。


「探したんですよ。急にいなくなっちゃうから」
「あー…ごめんね」
「いやいいんです。ガキさんの行動範囲はさゆみが口出しすることじゃないし」


ただ心配で、と目を見て言うとまた、ごめんね、と謝られた。
謝らなくていいから、思いの丈を吐き出してほしい。
もどかしい気持ちになりながら、頭を回転させて口を開く。


「何かありました?」
「うーん…まぁちょっと」
「ちょっと?」
「…時々、あるじゃない。気分が乗らないなー、とか。そんな感じ」


五月病かなあ、なんて弱々しく笑う彼女に私は何も言ってあげられなかった。
まだまだ五月は先ですよ、ぐらい返せたら彼女の気持ちも少しは晴れたかもしれないのに。
104 :happiness for you. :2012/05/04(金) 10:38


「でも大丈夫だよ。お仕事までにはなんとかする」
「そう言ったって…」
「だぁいじょうぶ。もう少しで整理がつきそうだから、さ」


何の、とは言わなかった。
やっぱり先走った五月病じゃない。
何かがあったからこうして悲しい顔をしてる。

些細な言葉の片隅にある引っ掛かりに気付くことを、彼女は知ってるだろうか。
きっと知ってるはず。
だって彼女も私のことを、充分にわかってくれているから――
105 :happiness for you. :2012/05/04(金) 10:39


「…さゆみん?」


急に手を取った私に、戸惑いの視線を投げかける彼女。
私は前を向いて、少し深呼吸してから言葉を音にした。


「じゃあ早く元気になるように、悲しみ半分こしましょ」
「さゆみん…」
「ガキさんが早くさゆみの話聞いてくれるように」


ふふっと笑って彼女の方を向いたら、何か言いたげな目でこちらを見られて。
それでもにっこり笑って返したら、弱々しいけれど、少しだけいつもの彼女の笑顔が見れた。


「ごめんね、さゆみん…ありがとう」
「――…いいえ」

106 :happiness for you. :2012/05/04(金) 10:40
最後まで何かは話してくれなかったけど、そんなもどかしさはどこかへ消えた。


何も言わなくてもわかっちゃうあなたの同期には敵わないけれど、

あなたが、少しでも楽になれたら。
あなたが、少しでも笑顔になってくれたら。

それだけで、私の役目は果たせた、と思う。
それだけで、私も喜ぶことができる、と思う。


静かな空間に、暖かな手のひら。
弱々しく握られる彼女の指たち。

彼女の横顔はもう濡れていなかった。
少しだけホッとしたような顔をして。


あなたが卒業するその日まで、あなたが幸せでありますように――
その横顔を見つめたまま、握った手に力を込めて、そう強く願った。


107 :ゐくま :2012/05/04(金) 10:47
>>98-106
お久しぶりです。仕事の関係でバタバタしていたゐくまです。
さゆみんのガキさん思いな所が大好きです。

>>93-96
まとめて失礼します。レスありがとうございます。
恋する生田は若干うざいですけど可愛いもんですねw
108 :名無飼育さん :2012/05/05(土) 10:42
ハロプロTIMEのこの話面白かったですね
生田もガキさん大好きだけど実はさゆもガキさん大好きなんですよね
109 :名無飼育さん :2012/05/07(月) 09:57
気の置けない仲間でありながら、先輩後輩の関係である感じがいいですよね。
110 :ゐくま :2012/06/24(日) 10:58

更新します。
111 :ゐくま :2012/06/24(日) 10:59

鞘ガキ【好きな先輩】
112 :ゐくま :2012/06/24(日) 11:00



仕事が終わって事務所の廊下を一人で歩いていると、偶然にも新垣さんに会った。


「あ、鞘師だー」
「こんにちは、新垣さん」


にこにこと花が咲くような笑顔で私を見る新垣さん。
私たちのリーダーだったころの新垣さんとはまた違った、“一人の女性”としての可愛らしさがあった。

どうやら髪を切ったらしい。肩まであった栗色の髪の毛は、耳あたりまで短くなっていた。
そう言えばえりぽんが楽屋でフクちゃんと騒いでいた気がする。


「ひとりなの?」
「はい。ちょっと会社の方に呼ばれて」
「あー、忙しいんだねぇ」


お疲れさま、と頭を撫でてくれる。
久しぶりの感覚に頬が緩んだ。

新垣さんがこれから暇?と聞いてきたので頷くと、じゃあ食事していかない?と言われたので二つ返事でOKした。
嬉しい。先輩とご飯に行くなんてもう随分になるな。

そのまま事務所にあるカフェでお茶することをした。

113 :ゐくま :2012/06/24(日) 11:01
* * * * * * * * *
114 :ゐくま :2012/06/24(日) 11:03



新垣さんはこの前に卒業したばかり。
メンバーはそれに慣れ始めたばかり。
でも私は慣れる慣れないの前に覚えること、求められるものが多すぎて、なんとなく流れていってしまった。
でもこうやって随分会っていない時に会うと、“ああ、もう同じグループじゃないんだ”と実感する。
こうやって顔を合わせることより、テレビで見ることの方が多いなんて。
せっかく距離が近付いたのに、なんだかまた離れた気がして寂しくなった。

高橋さんも新垣さんも光井さんも、
一年前は一緒にステージに立っていたのに。
なんだか不思議だ。


テキトーに注文した私と新垣さんは、近くの席についた。
115 :ゐくま :2012/06/24(日) 11:04

「髪、切ったんですね」
「うん。思いきってバッサリ」
「似合ってます、うふふ」


少し頬を染めてありがと、とお礼を言う新垣さん。
メンバーでいる時はお母さんみたいだったのに、今の新垣さんは本当に一人の女性。
女性というか、なんというか。実年齢よりも若くみえる。
はるなんやフクちゃんの方が大人にみえなくもない。
でもそんな風に言ったら失礼だから、それは心にしまっておく。


注文したものがきて、いただきますをして食べ始める。
おやつにはぴったりな時間帯だったから頼んだのはデザート。
私はガトーショコラとサイダー。
新垣さんはイチゴのムースとアイスティー。
スプーンでムースを口に運び、口元でモグモグする新垣さんはやっぱり小動物みたいだ。
見た目は変わっても、食べ方は変わってないらしい。
116 :ゐくま :2012/06/24(日) 11:05
ふっくらした頬っぺたが普段よりぷくぷくして、突っつきたくなる。
前にテレビ番組で引っ張らせてもらったけど、ふにふにでやわやわだった。
遠慮がちに触る私に痛くないからおもいっきり引っ張っていいよ、と笑って言ってくれたのを覚えてる。
結局テレビでは使われなかったけど、今ではいい思い出だ。


「最近どう?みんな元気?」
「はい。みんな頑張ってると思います」
「あはは、鞘師らしーね」


何が私らしいのかわからずに困惑の目線を注いでいると、気にしなくていいよ、と苦笑された。
はて?また失言をしてしまっただろうか。


「さゆみん大丈夫?」
「あっ、道重さんですか?んー…」

117 :ゐくま :2012/06/24(日) 11:06
私から見てわかる範囲では一生懸命まとめようとしてる、としか言いようがない。
でもこの前フクちゃんに言われたのは道重さんは無理してるかもしれない、ということ。
『だから聖たちがしっかりしなきゃ!』と目を輝かせていたのを忘れてはいない。

その事をそのまま伝えると、新垣さんは眉を下げてそっか、と呟いた。
新垣さん気にかけてたから心配なんだろうな。
私たち9期メンバーに色々と言ってくれてたのは、道重さんの負担を少なくするためだと思う。
だからそれに応えようと私たちも頑張っている。


「そっかー。…鞘師は大丈夫?」
「えっ」


自分に質問がくると思ってなかったからちょっと変な声が出た。
そんな私にも優しく笑って答えを待っていてくれる。
色々と思考を巡らせて気持ちを落ち着かせる。
118 :ゐくま :2012/06/24(日) 11:07

どういう意味の「大丈夫」なんだろうか。
んー今は特に何も………あっ。


「だいじょぶですけど」
「けど?」
「……寂しい、です」


なんだか恥ずかしくて俯ける。
寂しいなんて子供じみてること、新垣さんは聞きたいわけじゃなかったかもしれないのに。
頬に熱が集まって、口が乾く。
恥ずかしいだけでこんな風になるんだ。一つ学んだ身体の変化。


「さやし」


俯いた私に届く、柔らかな音。
私は恥ずかしさを頬に残しながらも、顔を上げた。
119 :ゐくま :2012/06/24(日) 11:08

「寂しいなら、いつでも言っておいでって言ったじゃん」


にこり、右に首を傾げて笑う。
さらさらな短い髪が揺れ、頬にかかる。

胸がとくんと動く。
乾いた唇が、空気を求めて隙間を作った。


見とれている私を不思議に思ったのか新垣さんはきょとんとした顔をしてもう一度「さやし?」と呼んだ。
顔がさらに熱くなってきて、あわててサイダーを飲み込む。
そんな私を見て新垣さんはあははと笑った。

私の中で一段落して、新垣さんと目線を合わせると、また優しい笑みで私を見てくれた。
120 :ゐくま :2012/06/24(日) 11:09


「鞘師にはたくさんいるよ。鞘師を見てくれる人が」


力強い言葉。心地よいアルトの音。
その柔らかな音にきゅ、と掴まれる何か。


「私もずっと見てるしね」


細められた瞳、揺れる睫毛。
熱くなるのは頬だけではなかった。


「まあ、そうゆー問題じゃないか」


新垣さんはそう言ってから、アイスティーのストローを手に取り、かき混ぜ始めた。
からからと氷のぶつかる音がする。

音は涼しいのに私は熱くなるばかりで。
新たに熱くなった目頭と、それによって出てきそうな鼻水を抑えるのに必死だった。
こんなところで涙を流すなんて嫌だった。私泣き方が変だし、鼻水いっぱい出てくるし。
それに新垣さんに迷惑かけちゃう。
あまり泣かないはずなのに、こんなことで目頭が熱くなるのはなぜなのか。そんなに辛かった?自分が思ってるほど心は疲れていたのかな。
121 :ゐくま :2012/06/24(日) 11:11

とりあえず落ち着かせるために、またサイダーを喉に流す。
しゅわしゅわした感覚が、口の中で弾けた。
ふぅ、と息を吐いてまた息を吸い込む。そして思っていることを伝えた。



「…あ、ありがとうございます」


急にお礼を言った私に、新垣さんはまたきょとんとした顔をして、それからすぐに笑顔で頷いてくれた。

伝わっただろうか、私の感謝の気持ち。
いつもポーカーフェイスとか、上っ面だけとか思われるから不安だった。
でも新垣さんはまた優しく笑って、


「だいじょうぶ。信じてるよ、鞘師のこと」


そう言って頭を撫でてくれた。

そこですとんと落ちる何か。安心する心。
自然と私も笑顔になってた。
122 :ゐくま :2012/06/24(日) 11:12

こんなに好きな先輩が見てくれているんだから、信じてくれているんだから。
私は期待に応えたい。もっと見てもらいたい。

また頑張れるような、そんな気がする。


それからちょっとして新垣さんの方がお仕事で行かなきゃいけなくなり、さよならした。
会社の前でまた頭を撫でて、「いつでも連絡してね」という言葉をくれた。


新垣さんの言葉が、笑顔が、空気が。
暖かくて柔らかくて、少しだけ懐かしく感じた、そんな一日…――



終わり
123 :ゐくま :2012/06/24(日) 11:20
>>111-122 鞘師がガキさんのことを好きと聞いて。これ書いたの6月上旬です。なぜこうなった。
そしてタイトルを入れ忘れた。
最近生ガキが食えなくなってきました。生田ごめんよ。

>>108 >>109
まとめて失礼します。レスありがとうございました。
さゆみんの心遣いが素敵ですよね。
124 :名無飼育さん :2012/06/25(月) 08:44
生ガキも鞘ガキも大好きなんで嬉しいッス!
ガキさんショートいい!色もいい!
また時間が出来た時でいいので更新お待ちしております。
125 :ゐくま :2012/08/06(月) 15:06

更新します。
126 :夏休み :2012/08/06(月) 15:07

10期【夏休み】
127 :夏休み :2012/08/06(月) 15:08


ジリジリと暑い夏に、冷えた炭酸とかき氷。
目の前にはエメラルドグリーンの海が広がっている。その美しさに春菜は思わずため息をついた。

128 :夏休み :2012/08/06(月) 15:09

夏休み真っ只中、仲良し四人で沖縄に遊びにきた。
もちろん親も同伴で来ているが、行動するにあたっては自由。
四人でいたり、二人に分かれたり、一人で歩いたり。
都会では感じられないゆっくりとした時間の中、四人はきゃっきゃきゃっきゃとはしゃいでいた。

沖縄旅行三日目の今日は海。
はしゃぐ中学一年生コンビに紛れ、負けじとはしゃぐ高校一年生。それをビーチパラソルから見守る最年長。
春菜の心はすっかり親気分だ。


「あゆみんやめてよー」
「だーいし最悪ー」
「くどぅーがかけたんでしょー!!」
「きゃー!!」「うわぁー!!」


水泳が得意な遥は優樹を連れて深い所までやってきたのだが、それを追いかけた亜佑美はカナヅチで浅い所で立ち止まった。
そんな亜佑美をからかって遥が水かけをしたところ、亜佑美の負けず嫌いが発動し、半端ない量を二人に浴びせさてたらしい。
129 :夏休み :2012/08/06(月) 15:11

一方春菜はそんな三人を見て笑いつつ、一人かき氷を食べている。
チョコレート味はなかったので文字数が似ているブルーハワイ。
しゃりしゃりと音を立てていたが、あまりにもまったりと食べるので、ブルーハワイ水と化していた。
それを見て特に焦る訳でもなく、すすっとお茶のように飲んでしまった。
と、その時、遠くから子供たちの声が。


「はるなん助けてー!!」
「はるなんも水かけよー!!」
「飯窪ちゃんもおいでよー!」


優樹は水をかけられながら、亜佑美は水をかけながら、遥はそれを避けながら、春菜を呼んだ。
春菜はゆっくりと立ち上がり、パラソルから出て砂浜を歩く。
せかす三人の声も聞かず非常にマイペースに。
でもこの声がこれからもずっと聞けたらいいな、と春菜は微笑むのだった。


130 :夏休み :2012/08/06(月) 15:12

ハo´ 。`ル<飯窪ちゃん遅いー!
ノハ*゚ ゥ ゚)<ごめーん

終わり
131 :ゐくま :2012/08/06(月) 15:16
>>126-130 小ネタ失礼しました。最近10期が好きです。

>>124 レスありがとうございます。
ショートいいですよね!
時間が出来たら生ガキも書こうと思ってます。
132 :名無飼育さん :2012/08/08(水) 12:32
素敵な夏の一コマですね。
10期が仲良さそうなお話が読めてうれしいです。
133 :名無飼育さん :2012/08/09(木) 05:36
だーちゃんって年の割に子供っぽいですよねー末っ子でしたっけ?
10期のキャラがまんまで読みやすかったです!
またいろんな組み合わせでも書いて下さい。

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