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あたらしい朝

1 :もりずん :2011/06/15(水) 19:33
愛ガキでいきたいと思います
108 :秘密 :2011/07/18(月) 00:52
言うべきか、まだそっとしておくべきか。

携帯に視線をやって、思案する。

何て伝えたらいいんだろう。何て聞いたらいいんだろう。
言葉がうまく出てこない気がして、思わずため息がでる。

「とりあえず寝るか」
先延ばしにして答えがでるかなんて分からないけれど、とにかく吉澤先輩からの
電話の破壊力がものすごくて。
あたしはぐったりしてしまい、急に眠気がきた。

今日のところは休むことにした。
頭がクリアになれば、また違った見方が出来るかもしれないし。
109 :名無飼育さん :2011/07/19(火) 04:38
おおお…すっごい可愛い愛ガキ!
恋に落ちていく愛ちゃんの心情が綺麗で引き込まれました
110 :秘密 :2011/07/19(火) 21:29
寝て嫌なことを忘れるのはいつものことだけれど、今のあたしの心には
嫌なことではなくて、不安な気持ちがいっぱいだ。
そんな不安は一日寝たくらいですっきりするわけもなく、むしろ増長しているように思えた。

吉澤先輩は、「新垣がすきなのは多分高橋」とトンでも無いことを言って電話きった。
なんて無責任なんだ。

あたしは里沙ちゃんが好きで。里沙ちゃんも誰かが好きで。その誰かはあたしかも知れない。
でも違う誰かかも知れない。
もし違うだれかならば、その誰かにもっていかれないようにあたしは努力しないといけない。

どこを探したら答えがでてくるのは一目瞭然で。
本人に聞くしかないのだけれど、もしあたしじゃない別の誰かならば、あたしは今みたいに里沙ちゃんと
普通の友達としてやっていけるのだろうか。

.........うーーーーーーーー.......

ほら。ほら。
嵌って抜けることができない負のループ。思わずそばにあったクッションを
だき、もだえるあたし。
111 :秘密 :2011/07/19(火) 21:33
ただ唯一間違いないのは、また里沙ちゃんに会いたいという気持ち。
会ってきちんと顔を見て、話したり笑ったりしたい。

とりあえずは会えるようにお出かけでも誘おう。



112 :秘密 :2011/07/19(火) 21:42
夜、頃合いを見計らって里沙ちゃんに電話をした。

電話が苦手なあたしだけれど、今日は直接話したい気持ちが勝っていた。
メールで話が流れてしまうのが嫌だからだ。

〜♪〜♪〜♪

「もしもーし」
「りさちゃん?愛です」
「あー 愛ちゃーん どーしたのー?」
「あ、今電話してて平気?」
「うん、平気だよ」
「あのさ、今度一緒に出かけない?買い物したり、美味しいケーキ食べに行こうよ」
「行きたい行きたい行きたい!!!!!!!!」

思っていた以上にりさちゃんのテンションが高くて、あたしは舞い上がってしまう。
なんとか心を落ち着かせて、日にちと待ち合わせ場所を決めた。

「じゃ、そういうことで、今度の日曜日ね」
「うん、楽しみにしてるー」



楽しみすぎて眠れないじゃないか。
電話を切ったあたしは、携帯片手にしばらくにやにやしたままだった。

113 :秘密 :2011/07/19(火) 23:20
日曜日、いつもお昼すぎまで寝ているあたしだけれど、
その日は久しぶりにりさちゃんに会える嬉しさと緊張とでかなり早起きになる。

さて、なにを着ていこう。バッグやパンプスはどうしよう。

........なんだ、これじゃ完全にデート前の乙女じゃん。
ふふ........

自分で気づいておかしいやら照れくさいやら。
でも一番の想いはそんな気持ちにさせるりさちゃんに会えることが嬉しい。
そんなところだろうか。

待ち合わせ場所には絶対に5分前に着こう。
そう気合をいれて、お気に入りのシャドーとルージュを濃くなりすぎないように気をつけて、
さあ出かけよう。
114 :秘密 :2011/07/19(火) 23:50
待ち合わせの場所にはすでにりさちゃんが立っていた。

うー緊張する.........
あたしは親しい友人でさえ待ち合わせって緊張するのに、好きな人ならなおさらだ。

でも、姿が見えて、一気に顔がにやけているのも事実。
不審がられないよう、普通の笑顔にもどして声をかけた。

「りーさちゃん!!!!」
「あー愛ちゃーん!!!!」

今日一発目、彼女の笑顔はとんでもなく魅力的で、あたしはそれだけで卒倒しそうなぐらいに心拍数があがった。
軽く手を振ってくれて、それも親しさをこめた行為であると感じ、さらに嬉しくなる。

「ごめんね、誘っておきながら後から来ちゃった」
「うーん、全然!あたし、早く来すぎるのが悪い癖でさぁ?それよかどこから行く??」
「じゃー洋服見にあっちの通り行ってみよ」

そう言って、セレクトショップが並ぶ通りを指差した。
あたしがいつも見るお店もあるし、なんとなくりさちゃんも好きな感じのお店がある気がしたから。


115 :秘密 :2011/07/20(水) 21:20
洋服やアクセサリーを見ながら、たわいも無い話をする。
その、他愛も無い話がつきないことが嬉しかったりする。

気づいたら2時間が過ぎていて、いい具合に小腹が空いてきた。

「りさちゃーん、ちょっとおなか空かん??」
「そーだねー あ、あそこに美味しそうなパン屋さんがあるー」

りさちゃんが指差す方向には小さなパン屋があって、外からもたくさんの種類があるのが見える。

「ねーねー あそこのパン屋さんでパン買ってさ、どっか公園で食べようよ?」

そう言って首を傾げるりさちゃん。若干下から覗かれる体勢になって、彼女の
上目遣いに胸の奥がきゅんとなった。
「そやね」そう言って微笑み返すの精一杯。それくらい、気持ちが高ぶる。

116 :秘密 :2011/07/20(水) 21:36
沢山の種類のなかから、トマトとバジルが入ったフランスパンとチーズとくるみが入ったパン。
それからデザート代わりに小さなチョコクロワッサンと、真っ赤なベリーが載ったデニッシュを選ぶ。
それらをもって大きな樹が聳え立つ公園にいき、その大きな樹の傍のベンチに二人腰を下ろす。

「そーいえば、こうして会うのって久しぶりだったね」
そう言ってフランスパンにかぶりつくりさちゃん。

「そーやねー でも毎日メールとか電話してたやろ?だから久しぶりって感じしないやよ」
あたしもおんなじように、くるみのパンを頬張る。

「ホントだね。ね、そのパンおいし?」
そう聞いてくるりさちゃんがどうも可愛くて仕方ない。
この子はわざとやっているんだろうか?そう疑いたくなるくらいに、適格にあたしの心のツボをついてくる。

「美味しいやよ、食べる?」
そうやってパンをちぎって渡そうとすると、りさちゃんはあたしの手からそのままパクリと食べてしまった。
117 :秘密 :2011/07/20(水) 21:40
あたしは目をぱちくりさせ、りさちゃんがモグモグ口を動かすのをボーっと見つめるしか無い。
わかってる、きっと今のあたし顔が真っ赤。
急に顔が熱くなるのを感じた。

あーーーーーーーー無理.....................
ここで冷静になれといわれても無理。
ほんとは、ほんとは今すぐにでも抱きしめたい。そんな衝動に駆られて仕方ない。
でもまだりさちゃんの想いが100パーセント自分に向いてると確信が持てない今、そんな行動は
どうこの先に影響するかわからなくて、ぐっと堪える。
118 :秘密 :2011/07/20(水) 21:47
それでも、りさちゃんがデニッシュの真っ赤なベリーを頬張った瞬間、
あたしの「女友達」を装っていた冷静さのかけらはどこかへいってしまった。

そのベリーの艶やかさと、ベリーにかかっていたシロップのキラキラした具合がなんとも
胸に突き刺さる。そしてそれ頬張る愛しい人。

目の前にそんなひとがいて、あたしは思わずうつむいてしまった。
本当はずっと見ていたいけれど、これ以上見つめているとあまり胸が苦しくて、愛しくて涙が出てしまいそうだったから。
119 :秘密 :2011/07/20(水) 21:51
あたしはこんなに苦しい程目の前の人が好きなのに、その当人は甘いものに夢中だったりする。
それがちょっぴり寂しくて。
それでもそんなあたしに気づくりさちゃんの声があたしの複雑な心をおだやかにしてくれる。

「あいちゃん?どうしたの?美味しくない?」
「そうじゃなくて、そうじゃなくて.........」
「あんな、りさちゃん。りさちゃんは今、好きなひと、おる?」
思わずでてしまった、あたしが本当に知りたかったこと。

「すきなひと.......?」
「うん........」
「うん........いるよ、好きな人」

その言葉にあたしは顔を上げ、りさちゃんの顔を見る。


120 :秘密 :2011/07/20(水) 22:01
そこには、キラキラとしたオーラのりさちゃんが笑顔でいた。
これだ、吉澤先輩が言っていた、恋する顔ってやつだ。
あたしの心は一気に波立つ。これ以上聞くことは、今のあたしの恋の行方を決めてしまうから。
なんて切り出そうか迷うあたしを知ってか知らずか、りさちゃんがもう一度口を開いた。

「いるよ、好きな人。
 真面目で、努力家で、可愛くて、綺麗で。それに」
「それに?」
「訛りが可愛いひと...............だよ?」
やっぱり優しい眼をして、眼の前で微笑んでるりさちゃん。
吉澤先輩が言っていた通りのことをりさちゃんは教えてくれた。
さっきより幾分頬が紅いのは、恋心を打ち明けて照れているからだろう。
その笑顔は一体誰に向けられているのか、その眼の先に本当は誰を見ているのか。
それが知りたい。

何て言ったらいいのか分からなくて思案していると、意外な言葉が返ってきた。


自分の恋心を
121 :秘密 :2011/07/20(水) 22:21
「愛ちゃん?愛ちゃんって鈍感?」
「うぇっ???」
「鈍感。どんかーん!!!」

ぶすくれるりさちゃんは、やっぱり可愛い。
ていうか鈍感って。もう、あたしってことでいいってことか?!
吉澤先輩の言葉を思い出しながら、またしても言葉がでてこない。
そんなあたしに痺れを切らしたのか、りさちゃんはあたしのほっぺたを摘む。

「ここまでしても分からない?..........私の好きな人」
「えーと、その。えーと聞いてもえーか?」
「うん」
りさちゃんは?今更何をと言いたげな顔だったけれど。

「りさちゃんの周りに地方出身者は?」
「............もー 愛ちゃんだけだけど」

あたしはその言葉を聞いて、ひとつ深呼吸をする。
そしてりさちゃんの眼をしっかりと見つめ、言葉にする。
「あーし、りさちゃんのことが好き」
122 :秘密 :2011/07/20(水) 22:31
りさちゃんは、あたしのほっぺたと摘んでいた手をゆっくりと下ろし、
そして笑顔になった。
そして一言「おんなじだね」
そう言ってにっこり笑う。

その微笑みに胸が熱くなり、思わずギュッと腕の中に抱きしめる。

「愛ちゃんってさぁ。」
あたしの耳元から柔らかな声が聞こえて、思わず身をすくめそうになる。同時に嬉しさでいっぱいになった。

「愛ちゃんってさぁ、ホント鈍感だよねぇ」
半ばあきれながらりさちゃんが言うもんだから、あたしはその腕の力を緩め、りさちゃんの顔を見て反抗してみたくなった。

「さっきからさ、鈍感鈍感って言い過ぎや無い??」
「だってさぁ、私が毎日毎日電話とかメールとかしてんのに、全然気づかないんだもん」
「え、でも仲良いならメールくらいするやろ?」
「いくら女の子同士でも、メールならまだしも、電話はしないけどなー」
「そっかぁ.......あ」

思わず嬉しくなったあたしは、すこしりさちゃんに意地悪してみたくなった。

123 :秘密 :2011/07/20(水) 22:36
「ん?」
眼をくりくりさせてあたしの顔を覗くりさちゃんに、もう一度問いかける。

「あたし、りさちゃんの気持ち、聞いてないやよ」
「さっき言った!」
「おんなじだね?って?」
「そうだよ!」
「何がおんなじなの?」
思わずにやりとしてしまうあたしを、りさちゃんはちょっとにらみながら。
でも真っ赤にして。

たった一言。
小さな声で。

「すき.........だよ」










fin


124 :もりずん :2011/07/20(水) 22:44
109さん

初心者な上、その場の思いつきなものでうまく書けたか。すみません。
もうちょい修行・妄想して再度挑みます。
あと、誤字脱字も無いよう頑張ります
125 :I :2011/07/21(木) 00:21
思いつきで書かれているとは思えないくらい、胸がきゅんきゅんする文章です。
次回更新お待ちしております。
126 :名無飼育さん :2011/07/21(木) 11:58
愛ガキが初々しくて可愛い!
127 :もりずん :2011/07/21(木) 21:23
125さん もう少し練ってから書くといいんでしょうが。。でもコメントありがとうございます!!

126さん 甘可愛い愛ガキがすきなもので、こんな感じになりました
128 :もりずん :2011/07/21(木) 21:52
短めをひとつ
129 :もりずん :2011/07/21(木) 21:52
 
130 : :2011/07/21(木) 22:00
疲れたとき、悩んでいるとき、不安なとき。
考えたくないいろいろなことを考えてしまうとき、あーしはその重たい感情に押しつぶされそうになってしまって、眠れなくなってしまう。

眠ってしまえば、ひと時でも嫌な思いを忘れられるのだけれど、言うことを聞いてくれないあーしの身体はそれを許してはくれない。

そんな時はあの子に魔法をかけて貰おう。
優しくて甘い幸せな魔法。

大好きなあの子の番号に発信する。
131 : :2011/07/21(木) 22:13
「もしもし、愛ちゃん?」
「りさちゃー...........」
「どーしたのー?」
「なんでもない」
「そう.....?じゃあ、私の話聞いてくれる?」
「えーよー」

そこから嬉しそうにりさちゃんは何かを話していたんだけれど、あーしはその声があまりにも心地よくて、音楽を聴くみたいに声色だけに耳を傾けていた。

「ちょっとー?愛ちゃん聞いてるのー?」

そんな問いかけすらもあーしの気持ちを救ってくれるようで、まともに返事することすら忘れてしまう。
りさちゃんの声は柔らかな毛布みたいで、心も身体も温かくほぐれているような感覚に陥る。

あーしはりさちゃんの問いかけにまともに答えもせず、ひとつお願いをした。

「ねーりさちゃん、何か歌って?」
「えー?うたー?」
「そう、歌。」
「じゃあ、甘えた愛ちゃんにはねぇ............」

そう言って突然のリクエストにも関わらずりさちゃんは歌ってくれて。



それを電話越し気づいたりさちゃんの最後の「おやすみ
132 : :2011/07/21(木) 22:18
りさちゃんの優しく甘い声に、次第に意識が遠のいていく。
あしたはきっと叱られるんだろうな。その風に思いながらも、その歌に、声に感謝した。

ふわふわした意識のなかで、遠く「おやすみ」の声が聞こえた気がした。






133 : :2011/07/21(木) 22:18
おしまい
134 :名無飼育さん :2011/07/22(金) 22:43
 
135 :名無飼育さん :2011/07/22(金) 22:49
全くの創作のお話をまた一つ
136 :名無飼育さん :2011/07/22(金) 22:49
 
137 :カランコロン :2011/07/22(金) 22:54
大きなグラスにまあるい氷をひとつ浮かべ、いつもの飲みなれた梅酒を口に含む。
あぁ、もう何杯目だろうか。気づくと1杯目よりも濃くなっていて、次第に思考も視界も霞んでくる。

そういえば何であたしは一人でこんなに飲んでいるだろう。
隣にあの子がいれば深酒なんてしなくていいのに。
きっと今電話なんかしたら、一発でバレてしまって叱られてしまうんだろうなとぼんやり思いつつ。

どうしても声が聞きたくなって、あの子に電話する。
138 :カランコロン :2011/07/22(金) 23:01
「もしもーし、ガキさーん」
「あ、愛ちゃん。また飲んでるでしょ」
「だってぇ、ガキさんに会えんで寂しいんやもん」
「.............ごめん」

そうだ。
そうだった。大好きなりさちゃんが仕事で地方に行ってしまって、会えない寂しさを埋めるためにあたしは飲み始めたんだった。

「ていうかさぁ。まだ3日目だよ?」
「えー あと何日会えないんやぁ?」

あたしはブスくれながら、グラスの中の氷を人差し指でくるりと回す。
――カランコロン

「あと3日だけだから、いい子にして待っててくれる?」
「うーーーーーー じゃあさ、じゃあさ、帰ってきたらすぐうち来てやー」
「しょうがないなぁ」

そういうりさちゃんの声は心なしか嬉しそうだった。

「愛ちゃん?今何杯目?」
「もー分からん 氷がなぁ、キラキラして綺麗やよー」

そう言いながら再び回す。
――カランコロン

139 :カランコロン :2011/07/22(金) 23:05
「まーったく........もう飲んじゃだめだよ?」
「ふえーい!」
「あたし、飲んでる愛ちゃんは嫌いじゃないけど、心配になっちゃうからさ」
「......ごめん」
「わかったらよし!帰ったらさ、すぐ会いにいくね」

その声がとっても優しくて、あたしはにんまりしながら電話を切った。

あの子に会えるまであと3日。
我慢がまん。
そう言い聞かせてあたしはもう一度氷を回した。

――からん





140 :カランコロン :2011/07/24(日) 20:35
終わり
141 :宝物 :2011/07/26(火) 21:41
前述「秘密」のガキさん視点を。
142 :宝物 :2011/07/26(火) 21:41
 
143 :宝物 :2011/07/26(火) 21:43
そこそこ楽しい毎日だった。
そこそこ遣り甲斐のある毎日だった。
それでもあの日を境に、また一つ大切なものが増えたんだよ??
私の大切な大切なたからもの。
144 :宝物 :2011/07/26(火) 21:48
大学生になってからアルバイトを始めたのは、偶然入った素敵なカフェ。
オシャレな内装と、綺麗に並べられたティーポット。そして魔法にかけられたみたいに、幸せな気分にしてくれる紅茶。
それが気に入って、「アルバイト募集」の文字にすぐさま飛びついた私。

紅茶のことなんて全く知識が無くて、茶葉の種類や煎れ方や沢山の覚えるべき知識の量に驚いたけれど、
それでも感動したことに関する知識を習得するのはとても楽しくて、わくわくしっぱなしだった。

教えてくれる社員の方も、バイトの先輩も、みんなしっかり者だったし女性の割にさばさばしていて過ごしやすい環境でもあった。
145 :宝物 :2011/07/26(火) 21:58
ある時、先輩の吉澤さんにふと言われたんだ。

「そーいやさー、高校ん時の後輩でさ、新垣に似た奴がいたんだよね」
「へーどんな人ですか?」

何の脈絡もない、突然の発言にはへーと言うしかないわけで。

「すっげ真っ直ぐな奴でさー、努力家で。で、おちゃめなんだよな」
「ふーん」
「あ、興味ない感じ?」
「だって、私に似てるって言われても、あんまり良くわかんないんですけど」
「なんか雰囲気似てんだよ、あとね、訛ってるww」
「へー」
「そんなつれない返事すんなよ、今度ご飯いく約束してるから高橋も来なよ。絶対二人似てるから」

絶対に似てる。そんなこと言われたら、気にならなくも無い。
友達が増えるならそれも面白いかもしれない。そんな考えで、吉澤さんの一方的な思い込みによる
展開にのっかてみることにした。

146 :宝物 :2011/07/26(火) 22:03
数日後、吉澤さんに連れてかれた居酒屋にその子はいた。

高橋愛さん。
とっても綺麗な、とっても可愛い、それでいてどこか聞きなれない訛りのある話し方が特徴で、
でもそれは耳に優しくて関西弁みたいなキツイ感じはどこにも無く、むしろ好感が持てた。

私より少し年上な彼女。初対面は少し緊張するようで、少し表情が硬いような気がする。
少し酔っ払った吉澤さんが席をたった時、思い切って話しかけてみる。二人になって気まずいのもどうかと思うし。
147 :宝物 :2011/07/26(火) 22:10
「初対面って、緊張しますか?」
そう言うと、高橋さんは正直に返事した。

少し話すとくりくりした目とか、やっぱり訛る話し方とか、話すテンポとか。同じ女の子から見ても、キュートな人だった。
おまけにふんわりした笑顔がとっても可愛くて、私は目標としたい人だな。そんな風に思った。

吉澤さんは彼氏に呼び出しをされたらしく、先に帰宅することになったけれど、それでも私は高橋さんと話がしてみたいと思って思い切って誘う。

「ね、高橋さん。よかったらもう少し飲んでいかない? なんか楽しくて」

高橋さんは快くOKしてくれ、結局その日は日付は変わる頃までおしゃべりをした。
148 :宝物 :2011/07/28(木) 00:23
初対面でお互いに緊張していたのは、本当に最初の頃だけ。
お酒があったせいもあって、沢山の色々は話ができた。
それでも私は、高橋さん、、、いや愛ちゃんのころころ変わる表情や、私が思いもつかないような考え方や、
ちょっとかわいい訛った話し方に釘付けだった。

またどこかで会えたら楽しいだろうな。そんな思いもあって、軽い気持ちで私がバイトするお店のショップカードを差し出すと
愛ちゃんは喜んで受け取ってくれた。

149 :宝物 :2011/07/28(木) 22:15
吉澤さんもいるし、また3人で会えたらいい。
それでガールズトークに花咲かすんだ。きっと今日よりもっと楽しいだろうな。
150 :宝物 :2011/08/01(月) 21:24
愛ちゃんと再会したのは初めて会ってから、ほんの数日後だった。

知人へのお土産に、と、私がバイトするお店の紅茶を買いに来てくれた。私が働くカフェへは、そのついでに寄ってくれたようだった。

愛ちゃんはおススメの紅茶を美味しそうに飲んでくれて、私のアドバイスもすんなり受けいれてくれた。
お客様だから、余計に声はかけない。
でも、窓際の席に座る愛ちゃんは、なんだかとても綺麗だった。

おちゃめだとは確かに思うけれど、紅茶を味わうその横顔は、私が思っていた以上に凛としていて、とても綺麗だった。

つい、見とれてしまう。
あまりにも窓から見える風景と、お店のセンスが光るカップやポットと、それをまっすぐな気持ちで向かい、味わう愛ちゃんの姿が、あまりに画になりすぎていて。
それは、今まで見てきたどんなお客さまの姿よりも美しく見えた。
151 :宝物 :2011/08/03(水) 00:25
まるでどこかの絵画が突然そこに現れたように美しいその一角を、私は眼の奥に焼きついてしまうじゃないかと思うくらいに見つめていた。
不思議なくらい、吸い込まれるんじゃないかと思うくらいに見入る。

少し経ってレジに現れたのは、この前の様子となんら変わらない愛ちゃん。
さっきの窓際の人は、今目の前にいる人。それでも別人じゃないかと思うくらいにころころと雰囲気が変わる。

そこはこの前受けた印象と一緒だった。

愛ちゃんは「また来るかも」そう言ってお店をでた。

私は知らずにその後ろ姿を眼で追っていた。
152 :宝物 :2011/08/11(木) 22:49
―愛ちゃんって、綺麗だな・・・・・

ふっと細い、ため息にも似た息の流れとともに心にふわふわと湧く感情。
初めて黄金色の稲穂を見たときみたいな、不思議な気持ちがそこにある。
感動というか、癒しというか。キラキラしているその光景に眼が釘付けになったっけ。

今日の愛ちゃんの姿はまさにそれで。

ただただそこに佇んでいるだけなのに、なんだか輝きを見せていた。

そういえば、こんな感じしばらく無かったな・・・・・
最後、いつだったたっけ?

ふと考えた。
153 :宝物 :2011/08/29(月) 23:00
・・・・・・

しばらく考えた割には答えが出なくて、それよりも過去を遡ることに意味なんてないと思い至る。
大切なのは、今私が抱く感覚。ただそれに眼を向けてればいいことだ。

今日愛ちゃんを見ていてふつふつと湧き出てくるもの。それが何なのか、上手くことばにできなかったけれど、嫌な気持ちは一切なかった。
むしろ、心地よかった。

154 :名無飼育さん :2011/09/11(日) 02:03
愛ちゃんを例えるガキさんの言葉>>152
愛ちゃんがその風景の中に佇んでるイメージが綺麗に浮かびました…
結末は知ってるのにドキドキします
155 :宝物 :2011/09/18(日) 00:17
まだその気持ちの落ち着きどころがなんなのか、分かっているようで分かっていないのだけれど、その心地よさに
身を委ねていればそれでいい。
いつか答えが出るだろう、その日まで待てばいいのだ。

それまで思うがままに、私自身の気持ちを大切にしよう。そう思った。
156 :宝物 :2011/10/14(金) 21:19
さらに数日後、愛ちゃんが言葉通り、お客様としてまたやって来た。
先日買ってくれた紅茶を家で飲んでみたけれど、お店のほうが美味しいと言ってくれる。

愛ちゃんのオーダーした紅茶を、愛ちゃんの目の前で煎れる。
いつもやっていることなのに、どうも緊張するのは愛ちゃんがあの大きな眼で私を見ているからだ。

なんとか煎れてその場を去る。

・・・・・・美味しくできたかな・・・?

ちょっと不安にはなったけれど、遠くから見ていても愛ちゃんはいい表情で飲んでいるのが分かったから、
決してまずくはなかったんだろう。きちんとしたものが提供できて、すこしほっとする。

157 :宝物 :2011/10/14(金) 21:23
いつだって大切に、美味しく味わっていただきたい。そう思って煎れてはいるけれど。
知っている人の前では尚更だし、だからこそ余計に緊張してしまう。

愛ちゃんがお会計を済ませた後はなんだかいつも以上に労力を使った気がして、気が抜けてしまった。

でもまた会えたことが嬉しくて。わざわざ来てくれたことが嬉しくて。
その疲れも心地よい疲労感と変わっていった。

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