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ぼくときみのこと。

1 :竜斗 :2008/12/29(月) 16:02

懲りずに戻ってきてしまいました。
相変わらず田亀時々藤道ところによりモテ田。


亀更新ですがよろしければお付き合いください。



176 :distance of the eye :2009/07/27(月) 00:31

「あ。今、目逸らした」
「逸らしとらん、そんなに痛いならコンタクト外せばいいやろ」

不満気に唇を尖らす絵里の鞄からコンタクトケースを取り出して渡す。
何やらぶつぶつと文句を言いつつ、慣れた手付きでコンタクトを外す絵里。
そっちの方が痛そうだな、と思いながられいなは黙ってその様子を眺めていた。
一分もかからず外し終えたそれを丁寧にケースにしまい、ふーっと息を吐き出した絵里が背凭れに身体を預ける。

「…はー、痛かったぁ」
「もう大丈夫と?」
「うん、大丈夫だけどぉ…」

痛みの原因は取り除いたのだが、絵里の唇は尖ったまま。
理由が解らないれいなは首を傾げる。
すると絵里はケースをしまった鞄を足元に置き、徐にれいなに顔を近付けた。

「っ、な…!」

驚いて反射的に仰け反ったれいなの腕を捕まえた絵里は、更にれいなとの距離を詰める。

177 :distance of the eye :2009/07/27(月) 00:31

どちらかが少しでも動けば唇が触れる距離まで近付いた絵里のアヒル口が、ようやくふにゃりと緩んだ。

「…な、なん?」
「見えた」
「は?」
「コンタクト外すと、れーなの顔ぼやけちゃうんだもん。でもこれくらいならちゃんと見える」

絵里が嬉しそうに目を細めて笑う。
間近でそれを見せられたれいなは耳まで熱くなるのを感じたけれど、首に絡められた絵里の腕により逃げることは不可能だった。
その体勢でしばらく沈黙が続いた後、絵里が微かに照れたような笑い声を洩らした。

「…なんかさぁ」
「…なんよ」
「なんか、どきどきしてきた」

はにかんで目を閉じた絵里に、自然とれいなの唇が重なる。
れいなが絵里の腰に腕を回すと、首に絡んでいた絵里の腕に力が込められた。


178 :distance of the eye :2009/07/27(月) 00:32


( ・e・)<…すみません、ここバスの中なんですけど。
川 'ー')<まぁ仲良くていいやんか。
( ・e・)<そういう問題じゃ…。

ノノ*^ー^)<うへへぇ。



179 :distance of the eye :2009/07/27(月) 00:32


おわり。


180 :_ :2009/07/27(月) 00:33


181 :_ :2009/07/27(月) 00:33


182 :名無飼育さん :2009/07/31(金) 14:57
お待ちしてましたッ><
183 :とうふよう :2009/08/24(月) 23:04
次作も期待してます!
184 :竜斗 :2009/09/01(火) 11:23

185 :竜斗 :2009/09/01(火) 11:30


182名無飼育様
かなり間が空いてしまってすみませんでした。


とうふよう様
書きかけはたくさんあるんですが…最後まで書けるよう頑張ります。


186 :竜斗 :2009/09/01(火) 11:32

いつものS田中さんとM亀井さんのエロです。
苦手な方はスルーしてください。

187 :竜斗 :2009/09/01(火) 11:32


I want you/田亀


188 :I want you :2009/09/01(火) 11:33


「うへへへぇ」
「…絵里、きもい」

ベッドの上で壁に寄り掛かっている絵里は、傍で携帯を弄っているれいなを見つめてにやけっ放しだった。
別々の仕事が続いた一週間、久し振りに会えてしかも今は二人きりなのだから仕方ない。
普段はれいながかまってくれないと拗ねるけれど、今日は一緒にいれるだけで嬉しかったので何を言われても平気だ。

「れーな、れーな」
「なん」
「うへへ、おいでぇ」

両手を広げた絵里に、れいなはぷいっとそっぽを向く。
めげずに何度も甘えた声で名前を呼ぶと、溜め息を吐いたれいなは携帯をしまって渋々絵里の前まで移動してきた。

189 :I want you :2009/09/01(火) 11:34

膝立ちのれいなの腰に抱き付いて、ぐりぐりと額を押し付ける。
くすぐったさで身を捩るれいなに軽く頭を叩かれた。

「いたーい」
「絵里が悪か」
「むぅ」
「……」
「……」
「……」
「……ん」

睨み合い、もとい見つめ合った後に自然と重なる唇。
薄く唇を開いて、れいなの舌を誘い込む。
口内で自ら積極的に絡め、一週間振りの感触を味わう。
透明な糸を引いて唇が離れると、荒い呼吸が静かな部屋に響いた。

「れーなぁ…」

れいなのシャツの袖を摘まんで上目遣い。
こうすればれいなは何も言わなくても解ってくれる。
伸びてきた手が絵里のパジャマのボタンに掛かり、一つずつ丁寧に外していく。
ボタンが外れていくにつれ、速くなる心拍数。
風呂上がりで下には何も着けていなかったので、すぐに素肌が露になった。
次にくるのは、れいなの手の感触。
しかし、それを感じることはできなかった。

190 :I want you :2009/09/01(火) 11:35

「…れーな?」

痺れを切らした絵里が呼び掛けるが、れいなの手は降ろされたまま。
首を傾げてれいなを見つめると、にひひと悪戯っ子な笑みを浮かべた。
こういう表情をする時のれいなは、大抵何かを企んでいる。

「なぁ、絵里」
「んー?」
「一人で、してみぃ」
「………ふぇ?」

思わず間の抜けた声が出た。
一人で、何をしろと言うのだろうか。
今の状況とれいなの表情。
少ない知識をかき集め総合して辿り着いた答えに、絵里は「ええぇ!?」と驚きと戸惑いの混ざった声を上げた。

「絵里が自分でしてるとこ、見たいと」
「なっ、な…」
「嫌ならいいけん、もうせんけどー」

ひらひら手を振って、れいなは絵里との間に一人分の間を作った。
れいなの発言に唖然としていた絵里は、慌てて距離を詰めようとする。
が、両肩を掴まれ簡単に元の位置に押し戻されてしまった。

「れ、れーなぁ…」
「絵里が嫌ならもう寝るったい」
「…うー」

191 :I want you :2009/09/01(火) 11:36

きっと絵里が拒否したら、れいなは本当に寝てしまうだろう。
キスの余韻はまだ残っていて、昂る気持ちと疼く身体は解放されることを望んでいる。
このまま寝るなど、不可能だ。
最後の抵抗にれいなを軽く睨んでみたが、にっと白い歯を見せられた。

観念した絵里はパジャマの裾を握り、大きく深呼吸をした。
おずおずと、すでに開かれている上着の隙間から覗く胸に自身の手で触れる。
毎日最低でも一度は身体を洗う際に自分で触るところは、その度にれいなから与えられるような刺激など感じはしない。
それは今も同じだった。
いつもれいながするように指に力を入れてみるが、ただ触っているという感覚しかなかった。
熱くなるのは顔のみで、それも羞恥心からくる物である。

「……れーなぁ」

ただ恥ずかしいだけの行為に、助けを求めてれいなに視線を送る。
絵里の前で胡座をかき、黙って絵里を見ているれいな。
真っ直ぐ絵里に向けられている、れいなの瞳。

192 :I want you :2009/09/01(火) 11:37

れいなに、見られている。

そう自覚した瞬間、ぞくりと身体が震えた。
全く何も感じなかったはずなのに、触れている胸から熱が全身に回り始め、吐き出す息が熱を帯びる。

「……っ、…は、ぁ」
「気持ち良くなってきたと?」
「ん…はぁ、ん…み、ないでぇ…」

見られて感じている自分が恥ずかしくて、絵里はぎゅっと目を閉じる。
視界を閉ざしても、身体に刺さるれいなの視線。
しかも視覚をなくした身体は触覚と聴覚が余計に働いて、聞こえる自分の荒い呼吸とれいなの息遣いに更に刺激が強くなる。
まるでれいなに触れられているような、そんな錯覚に陥ってしまう。

「絵里、下脱いで」

耳元で囁かれて目を開けると、すぐ近くにあるれいなの意地悪な顔。
言われるがままに胸から離した手で履いているパジャマのズボンと下着を下ろしていく。
力が入らない所為で上手く脱ぐことができない絵里を見て、れいなが膝辺りで止まっていたそれをするりと抜き取り床に投げ捨てた。

193 :I want you :2009/09/01(火) 11:38

「じゃ、続きどうぞ」

また少し距離を取って座ったれいなが絵里に続きを促す。
荒くなった呼吸を抑えながられいなを見つめても、笑顔を返されるだけ。
これ以上はという躊躇いと、熱を持って疼く身体。
後者に勝る余裕など、最早残されていなかった。

閉じていた足を僅かに開き、隙間から手を滑り込ませる。
指先を触れさせたそこはぬるぬるとした液で濡れていて、少し指を動かしただけで厭らしい音をたてた。

「っあ、あ……っ、ん…」

我慢しようとしても声が洩れる。
そこをなぞる指は止まることなく動き続け、絵里は膝を擦り合わせて唇を噛む。

「れぇ…な……ふ、ぅ…あ」
「……」
「んっ…れーなぁ、ぁ…」

無意識にれいなの名前を呼んだ。
完全に力が入らなくなった身体を壁に凭れ掛からせ、そこをなぞっていた指をゆっくりと自身の中へ侵入させていく。
初めて自分で触れた中は想像よりも遥かに熱く、絵里の意思とは無関係に指を締め付けてくる。
大きくなっていく声と、そこから響く音。

194 :I want you :2009/09/01(火) 11:39

「んぅ、っ、あ…あ…っ」
「……」
「はぁっ、はぁ…ぁ、う…」
「…んー」

絵里の行為を見つめていたれいなは、一つ唸って絵里に近寄ると両手を伸ばして足に触れさせた。
ようやくれいながしてくれると思い安心したのだが、その手は閉じていた絵里の膝を掴むと勢いよく足を開かせた。

「きゃっ!れーな!」
「これでちゃんと見えると」
「やぁっ、だめ、見ちゃだめっ…!」

耳まで真っ赤に染めた絵里が首を横に振る。
だがそれでも絵里の指の動きは止まらず、しっかりと絵里の膝を押さえているれいなの手は離されない。

「あ、ぅーっ…れーな…あっ」
「れいなにはSになるとか言っとったくせに。今度取材があったら、夜はMになるんですって教えてあげた方がよかとね」
「ち、がっ……んっ、ん、ぁ…」

れいなは笑い声を噛み殺し、言葉で攻め立てる。
反論しようにも引き攣った喉はまともな言葉を発せられない。
それにれいなに煽られて快感が増しているのも事実だった。

195 :I want you :2009/09/01(火) 11:41

「ん、んぁ、あ…っ、れ…な…」

いつもならばとっくに限界を迎えていてもいい頃なのだが、今日はなかなか天辺に辿り着けない。
確かに身体は感じているのに、何か物足りなさがある。
自分の弱い部分は自分が一番良く知っているけれど、どんなに強くしてみてもあと一歩というところまででその先に進めなかった。
れいなの手じゃない、それだけで。

「は、…もぉ、や……れーなぁっ」
「何が嫌なん?」
「…絵里っ、れーな、みたいに、できな、い…」

息も絶え絶えにそう告げてそこから指を抜くと、どろっと溢れた液が太股を伝ってシーツに染みを作った。
濡れたままの手でれいなの右手を掴み、その場所に押し当てる。
それでも動かされる気配のない手に耐えきれなくなった絵里は、

「ねぇ、お願い…れーながしてっ…」

震える声で懇願した。
恥ずかしさともどかしさで零れた涙。

196 :I want you :2009/09/01(火) 11:42

やっと重い腰を上げたれいなの顔が近付いてきて、唇が頬に流れる涙を拭う。
その感触に一瞬気を緩めた時、見計らったかのようにれいなの指が絵里の中に入ってきた。

「っ!ふぁ…あ!」

先程までとは比べ物にならないくらいの甲高い嬌声が上がる。
もしかしたら絵里よりも絵里の身体を知っているのかもしれない、れいなの指。
絵里の弱い部分の手前で焦らすように止まっていた二本の指先が、その箇所を強く擦った。

「れっ、な……あぁ―――!」

自分でしていた時はどうやってもだめだったのに、れいなが触れたらあっという間だった。
待ち望んでいた感覚に意識が飛びそうになり、目の前にある華奢な身体に力加減など忘れて思い切りしがみ付いた。
爪先まで痺れている両足は力が抜けず、太股でれいなの腰辺りを締め付ける。
苦しいのかれいなが小さく呻いたけれど、自分でも力のコントロールができない為、ただ身体の熱が冷めるのを待つしかなかった。


197 :I want you :2009/09/01(火) 11:42

しばらくして震えが治まり、脱力した両足はれいなを解放してだらりと投げ出された。
体重をれいなに預け、長く息を吐き出す。

「絵里」

れいなの声に顔を上げる。
霞んだ視界に映ったれいなは、未だに意地悪な笑みを浮かべていた。
戸惑いと焦り、そして僅かな期待。

「まさかもう終わりじゃないやろ?」
「へ?な、にが?………ぁ!」

絵里が聞き返すと、返事の代わりに中に入ったままだった指が動き出した。
突然の刺激に驚き逃げようとしたけれど、まだ身体は絵里の言うことを聞ける状態ではない。

「やっ、待って!…もぉ、む、りぃ、…んん!」
「なん言っとぉ、絵里が離してくれんのやろ?」
「ふぁ、あ!…んっ…!」

一度達して敏感になっている身体に再び快感を与えられ、言葉とは裏腹に反応してしまう。
こうなると逆らえない絵里は、れいなに身を任せるしかなかった。
胸の先に舌を這わされ、指が動く度に跳ねる身体が背後にある壁にぶつかり、絵里が痛みで顔を歪ませる。

198 :I want you :2009/09/01(火) 11:44

「れぇな…背中、痛いっ」
「あ、ごめん」

そう訴えるとれいなは「ついでに」と肘で引っ掛かっていたパジャマの上着を脱がし、絵里の背に手を当てて支えながらそっとベッドに横たわらせた。
冷たいシーツは火照った身体にとても心地好い。

覆い被さってきたれいなの首に腕を回してキスをねだる。
舌を絡ませ目を閉じて、れいなの指を感じた。

「んっ、ぅ!…はっ、あ……ん、ふぅ、んん…!」
「…はぁ……絵里」
「れーなっ……え、り…も、だめ、ぇ……ぁ、あ!」

びくびくと痙攣して仰け反る身体、真っ白になる頭。
意識を手放す直前、遠くかられいなが呼んでいる気がした。




199 :I want you :2009/09/01(火) 11:44


ふと目を覚まして横を向くと、隣に寝転んでいたれいなが柔らかく微笑んだ。
涙の跡を拭う手に頬を擦り寄せる。

「大丈夫と?」
「……んぅ」

だるい身体を持ち上げ、れいなの上に伸し掛かった。
「ぐぇ」と聞こえた声は無視して、首筋に額を押し付ける。
髪を梳く手と背中に回された腕の暖かさに、また意識が遠退いていく。

「絵里、寝ると?」
「んー……れーなぁ?」
「なん?」
「…ぎゅーって、して」
「はいはい」

両腕できつく抱き締められ、頬に唇が触れる。
終わった後のれいなは、特に優しい。
だから散々好きにされた分甘えてやろうと思ったのだが、襲ってくる睡魔に勝てそうもなかった。

「絵里?」
「……」
「…おやすみ」


ふわふわとした夢の世界。
そこでも絵里はれいなの腕に抱かれ、幸せと温もりに包まれていた。




200 :I want you :2009/09/01(火) 11:44


おわり。


201 :_ :2009/09/01(火) 11:45

202 :_ :2009/09/01(火) 11:45

203 :名無飼育さん :2009/09/02(水) 01:39
キタキタキタ━━(゚∀゚)━━!!!
もう本当にお腹いっぱいですごちそう様ですw

取材を楽しみにしてるからね、れいなさんww
204 :竜斗 :2009/11/19(木) 00:38


203名無飼育様
かなり調子に乗ってしまいました。
エロを書くとどうしてもれいなさんが℃Sになってしまいます。

从´ヮ`)<言うと絵里が怒るけん、やっぱり内緒っちゃん。ってオチでw


205 :竜斗 :2009/11/19(木) 00:41

諸事情で遅くなりましたがれいなさん二十歳の誕生日おめでとうございます!
というこてでれな誕を1つ。



二十三時十一分の受信メール/田亀


206 :二十三時十一分の受信メール :2009/11/19(木) 00:42

十一月十一日。
今日はれいなの二十歳の誕生日である。
夜中、日付が変わったと同時に届くメール。
メンバーや友人達からのお祝いメールだった。
一通ずつ丁寧に読んでいき、ひっきりなしに鳴っていた着信音が止んで全てを読み終えた時にはすでに一時を過ぎていた。
次の日も仕事があるので、もう寝なければいけない時間。
けれどれいなは携帯を見つめて着信を待っていた。
まだ、絵里からのメールが届いていない。
それからしばらく待ってはみたものの、携帯は静かなまま。

「……なん、あほ絵里」

少し、いや、かなり寂しかったけれど。
携帯のディスプレイに表示された時刻が二時になったので、れいなは携帯を枕元に投げ捨て布団を被った。



207 :二十三時十一分の受信メール :2009/11/19(木) 00:43



朝早くれいなの携帯に届いた一通のメール、差出人は愛。

『今日は必ず9時ぴったりに楽屋にくること!早くくるのもダメ!』

その内容にれいなは首を傾げてどういうことかと返信をしたが、愛からの返事はなかった。
集合時間は十時なので遅刻になる心配はない。
しかしどうしても時間指定の理由が気になり、他のメンバーにも愛からメールが届いているかを確認するためにメールを送った。

一時間後、結果として誰からも返事はなかった。
メンバー全員で何か企んでいるのだろうと察したが、どうせ仕事には行かなければならないのだからと指定時間の少し前に到着した楽屋前。

「あと一分やけど…入ったらいかんよな」

意外と律儀なれいなはドアの前で時間になるのを待っていた。
ドアに耳を付けて中の様子を窺ったが、物音一つしない。
普段ならば廊下まで騒ぎ声が洩れているというのに。

208 :二十三時十一分の受信メール :2009/11/19(木) 00:43

「……騙されたと?」

実は場所が変更されてましたとか、まさかそんな苛めなんて。
だんだん不安になりながらも、携帯の時計が九時を示したのでドアノブに手を掛ける。
本当に誰もいなかったら洒落にならんと思いつつ、内心どきどきしながら思い切ってドアを開いた、瞬間―――


「ハッピーバースデー!!」


愛の声と共にたくさんのクラッカー音、それからメンバー達の声。
突然のことでれいなはリアクションもできず、ただ目を丸くして立ち尽くしていた。

「田中さん!誕生日おめでとーございまーす!」
「おめでとう、田中っち」
「ついにれいなも大人の仲間入りなの」
「ほらほら、そんなとこ突っ立っとらんでこっちおいでや」

愛佳とジュンジュンに腕を引っ張られ、強制的に楽屋の真ん中に連行される。
そこにある机の上には、『HAPPY BIRTHDAY REINA』と書かれた板チョコが乗ったショートケーキ。

「本番は夜にやるやよ、そん時はもっとおっきいケーキと料理たくさん用意するがし」


―――あぁ、れいなの誕生日…。


209 :二十三時十一分の受信メール :2009/11/19(木) 00:44

楽しそうに笑う愛が、ケーキが乗った皿をれいなに手渡す。
ようやく現状を理解したれいなが周囲を見回すと、みんな笑顔でれいなを見つめていた。

「…あ、…ありがと」

なんだか恥ずかしくなって、下を向いてぽつりと呟いた。
途端、しーんと静まり返った楽屋。
怪訝に思って顔を上げると、

「田中さん照れちゃってる、かわいいー!」
「それは反則やよー」
「抱き締めてイイデスカ?」

一斉にれいなに群がってくるメンバー達。
里沙やリンリンが止めてくれた隙に逃げようと一歩引いた時、後ろからがしっと腕を掴まれた。
振り返った先には、いつものふにゃふにゃな笑顔を浮かべた絵里。
すっかり忘れてしまっていたが、顔を見た瞬間絵里だけがメールを送ってこなかったことを思い出した。
少し苛立ったれいなは、わざと険しい表情を造って軽く絵里を睨む。

「れーなぁ」
「……なん」
「うへへ、お誕生日おめでとぉ」
「…おぅ」
「ん?なんかご機嫌ななめ?」

その理由が自分にあると思っていない絵里はきょとんとしてれいなを見つめる。

210 :二十三時十一分の受信メール :2009/11/19(木) 00:46

本当に忘れているのか、もしくは送ったつもりになっているのか。
絵里を見る限り後者の可能性の方が高いか、とれいなは溜め息を吐く。
一応確認を取ってみようと「なぁ絵里、夜にメー」まで言ったところで、

「あー!あのねっ、プレゼントはね、あとでみんなで渡そうって愛ちゃんが!」
「…そうなん。で、絵里からメ」
「れーなれーな!早くケーキ食べないと時間なくなっちゃうよ!」
「……」


―――めっちゃ動揺しとぉやん…。


明らかにおかしい。
れいなが口を閉じて絵里の目を見つめると、僅かだが笑っている口元が引きつった。
嘘を吐くのが下手なくせに、やけに必死に何かを隠そうとしている。
問い詰めれば確実にボロが出るだろうが、せっかくの誕生日に怒るのも嫌なので今回は見逃してやることにした。


211 :二十三時十一分の受信メール :2009/11/19(木) 00:47

「絵里も食べるやろ?」
「ふぇ?」
「ケーキ」
「あ、う、うんっ」

メールの話になった途端慌て始めたので、きっとそれ関係のことなのだろう。
今日一日待って、それでも言わなければ白状させよう。

嬉しそうにれいなのケーキを食べている絵里の横顔を眺めながら、れいなは心の中でそう決めた。





212 :二十三時十一分の受信メール :2009/11/19(木) 00:47

213 :二十三時十一分の受信メール :2009/11/19(木) 00:48

「では改めまして、れいな二十歳の誕生日おめでとー!」

仕事が終わり、時刻は午後十時を回ろうかというところ。
グラスを掲げた愛に続き、他のメンバー達も一斉にそれぞれのグラスを持ち上げた。
ホテルで頼んでおいた豪勢な食事がテーブルいっぱいに並べられている。
未成年は当然ジュースだが、成人したメンバーはチューハイ系のアルコール。

「ほら、れいなも飲むやよー!」
「愛ちゃん!ちゃんとやらないとこぼすから!」

隣で里沙が心配そうに見守る中、飲む前からテンションが上がっている愛がれいなのグラスに淡いピンクの液体をそそぐ。
匂いを嗅いでみると、どうやらピーチ系のチューハイのようだ。
なぜか愛が目を輝かせてれいながそれを飲むのを待っているので、グラスに口を付け少量を口に含んでみる。

「どうや?」
「…なんか、普通のジュースやね」
「やろ?おいしいか?」
「うん」
「じゃーどんどん飲むやよー」
「愛ちゃん!だからこぼすってば!」

214 :二十三時十一分の受信メール :2009/11/19(木) 00:49

酔っ払いのように絡んでくる愛に苦笑しつつ、アルコールとその場の雰囲気もあってかれいなもだんだん気分が高揚してくる。
他のメンバー達が代わる代わるれいなの隣にやってきて、おめでとうの言葉と一緒にプレゼントを渡してくれていた。
愛佳との間に割り込み、長々とれいなの隣に居座っていた小春の肩にぽんと誰かの手が置かれる。

「はい、こうたーい」
「えー!」
「また後で代わるから、ね?」
「…はーい」

小春を立たせて代わりに隣に座ったのは、さゆみ。
綺麗にラッピングされた箱をれいなに手渡す。

「はい、二十歳おめでとう」
「ありがと」
「これでまた同い年なの」
「そうやね」

ほわりと笑うさゆみにれいなも笑顔を返す。
二人とも二十歳ということで、来年の成人式の話で少し盛り上がって話し込んでいた。
数十分ほど経った頃、ふと周囲を見回したさゆみがれいなに向けて首を傾げる。

215 :二十三時十一分の受信メール :2009/11/19(木) 00:50

「ねぇ、絵里は?」

さゆみの問い掛けにれいなも部屋の中を見渡してみる。
しかし、どこにも絵里の姿は見当たらない。
朝の絵里の態度を思い出したれいなは、この状況も相まってまた苛立ってしまう。

「…さぁ」
「そういえば今日なんかおかしかったよね」
「絵里はいつもおかしいっちゃん」
「なになにー?喧嘩でもしちゃった?」
「…しとらん」

朝以来大した会話をしていないのだから、喧嘩のしようがなかった。
なんとなく絵里はれいなを避けていて、必要最低限しか接触してこない。
絵里の行動の意味が全く理解できなかったれいなも意地になり、絵里から話しかけてくるまで無視を決め込んでいたのだ。

「誕生日に喧嘩なんてしてもしょうがないの」
「やけん、しとらん言うとろうが」

苛々が募り、口調がきつくなる。
そんなれいなに八つ当たりされたさゆみが肩を竦めて笑う。
むすっとしたれいなが眉間に皺を寄せた時、携帯がメールの受信を知らせた。

『お誕生日おめでとー!』

216 :二十三時十一分の受信メール :2009/11/19(木) 00:51

開いてみると絵里から、その一行だけ。
なんだ今更、ご機嫌取りのつもりか。
れいなは携帯を閉じようとしたが、その後に空白の行が続いているのに気付いた。
下へスクロールさせていくと、そこにはもう一行。

『廊下にきて』

考える間もなく身体が動いていた。
呼び止めるさゆみの声に振り返りもせず、部屋のドアを開けて廊下へ出る。
きょろきょろと左右に首を振って絵里の姿を探すと、少し先の曲がり角近くの壁に寄り掛かっているのをみつけた。
れいなに気付いた絵里が曲がり角の向こうに姿を消したので、慌てて後を追いかける。

「おいっ、絵―――っ!」

角を曲がってすぐ、待ち伏せしていた絵里の胸に飛び込む形になった。
そのままぎゅーっと抱き締められ、身動きができない。

「っ絵里、離さんか!」
「んー…」
「マジで苦し、って…!」

本気で息が苦しくて、絵里の腕を叩いてそう訴える。
僅かに力が緩んだ隙を見て素早く腕の中から抜け出した。
乱れた呼吸を整えていると、今度は控えめにれいなの服の袖を掴む絵里の手。

217 :二十三時十一分の受信メール :2009/11/19(木) 00:52

「れーな、メール気付いた?」
「…気付いたからきたんやろ」
「そーじゃなくてぇ」
「は?なんよ、他になんかあると?」

ポケットから携帯を取り出し、さっき届いたメールを確認する。
『お誕生日おめでとー!』と『廊下にきて』以外には何も書かれていない。
絵文字もなければ、タイトルも無題。
文字を隠す機能なんてないはずだし、とれいなは隠されているらしい何かをみつける為に画面を睨む。

「わかんない?」
「…絵里、もしかして夜にメールすんの忘れてたと?」

悩むれいなをにやにやと見ている絵里に腹が立ち、絵里の質問を無視して逆に質問を返した。
見逃してやろうとは思っていたが、やはり心のどこかにそのことが引っ掛かってすっきりしない。
忘れていたならそれはそれで絵里だから仕方ないと諦められる。
しかし、絵里は首を横に振って「忘れるわけないじゃん」と少し怒ったような表情になった。

「じゃあなんで送ってこなかったと?それに絵里が送ってきた時間、もうすぐ誕生日終わりっちゃん」
「自分の胸に聞いてみれば」
「はぁ?」

218 :二十三時十一分の受信メール :2009/11/19(木) 00:55

れいなの言葉に唇を尖らせた絵里は完全に拗ねてしまったようだ。
自分の胸に聞けと言われても心当たりはなく、まずどこで絵里の機嫌を損ねたのかも解らない。
困惑するれいなを上目遣いで窺っていた絵里が、ぽつりと言葉を洩らした。

「……時間」
「時間?」
「メール送った、時間」

視線を携帯に落とすと、メールの受信時間は二十三時十一分。
だがそれだけのヒントでは答えが見えない。

「…分からん」
「去年の絵里の誕生日」


―――時間と、去年の………あ。


ばっと顔を上げると、ますます尖っていた絵里の唇。
ようやく理解したれいなは俯いてしまった絵里の手を取って下から顔を覗き込む。
長い髪が邪魔をして、絵里の表情は見えない。

219 :二十三時十一分の受信メール :2009/11/19(木) 00:55

「…ごめん、今分かったと」
「……」
「あん時はれいなが悪かった、ごめん」
「……」
「絵里…」

去年の絵里の誕生日、しっかり準備はしていたのに寝過ごしてしまったれいな。
メールでは誕生日に合わせたと誤魔化したけれど、ライブのトークでその話題を出した後に罪悪感が湧いてきてぶっきらぼうに事実を伝えた。
絵里はその時多少怒った素振りを見せたが、それほど気にしていないと思っていた。
だが、れいなが思っていた以上に絵里は傷ついていたのだろうか。

「許してくれないと?」
「……」

押し黙ったままの絵里に自業自得のれいなは強く出ることができない。
気まずい空気が流れる中絵里が鼻を啜る音が聞こえ、れいなはどうしようもなくて泣きそうになる。
唇を噛んだれいなの手を、繋いでいた絵里の手が握り返してきた。

「絵里?」
「………ちゅーしてくれたら、許してあげる」

か細い声がれいなに届く。
戸惑う暇などあるわけがない。
220 :二十三時十一分の受信メール :2009/11/19(木) 00:57

手を離して絵里を抱き寄せ、片方の手で顔にかかっている髪をどかした。
見えたのは、緩んだ口元。

「……は?」
「ちゅーしてくれないと許してあげないよ?」
「なっ、泣いてたんじゃなかと!?」

顔を上げた絵里は泣いた形跡など一切なかった。
見事に絵里の演技に騙されたれいなは思わず大きな声を出す。
ふにゃりと笑った絵里の腕が首に回され、近付いた絵里の鼻先が触れた。

「絵里ちゃん別に泣いてませんけどぉ」
「このっ…」
「んー?」

言い返すことができないれいなの完敗だった。
悔しかったので勝ち誇った笑みを浮かべる唇に乱暴に自分のをぶつける。
それでも絵里は満足そうにれいなの首筋に額を押し付けた。

「うへへぇ」
「…ったく、朝おかしいとは思ったっちゃけど」
「去年のお返しー」
「やけど携帯だと十一時やなくて二十三時やけん、分かりにくいっちゃん」
「だってぇ、午前中に送りたかったけど撮影してたから」
「まぁそうやね」
221 :二十三時十一分の受信メール :2009/11/19(木) 00:57

「それにれーなだって、夜中じゃ十二じゃなくてゼロだし」
「はいはい、すいませんでした」

ぽんぽんと頭を叩いて顔を向けた絵里に優しく唇を寄せた。

「お酒の味がする」
「愛ちゃんに飲まされたけんね。そろそろ戻らんと、愛ちゃんが暴走するっちゃん」
「んぅ…あとでれーなのとこ行くから、二人になったらプレゼントあげるね」
「なんくれると?」
「ないしょ」
「楽しみにしてます」
「れーな、二十歳おめでと」

頭がくらくらするのも頬が熱いのも、きっとアルコールが回った所為。
絵里の頬も微かに紅く染まっている。

ぼんやりする意識の中、もう一度だけと言って唇を重ねた。




222 :二十三時十一分の受信メール :2009/11/19(木) 00:58


おわり。


223 :_ :2009/11/19(木) 00:58

224 :_ :2009/11/19(木) 00:58

225 :とうふよう :2009/11/22(日) 18:38
待ってましたあ.+(´^ω^`)+.
れいなおめでとう!
もうれなえりおめでとう!←
演技派な亀井さん最高です(・∀・)ww

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