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好きなもの。

1 :CPヲタ :2008/10/05(日) 16:59


スレタイ通り好きなものを載せていくスレです。
相も変わらずりーちゃん中心。
りしゃみや、りしゃもも、その他りーちゃん絡み。
時々気分で他CPも書くかもしれない。

でも基本りーちゃんとベリキューな感じです。

では初めての方もまたか!の人もどうぞよろしくお願いします。


297 :―たった一つ― :2010/03/22(月) 11:17




君のこと。
ずっと見てきた、君のこと。
だから今が幸せだと思えるんだ。
笑ってられると思うんだ。



298 :―たった一つ― :2010/03/22(月) 11:17




―たった一つ―



299 :―たった一つ― :2010/03/22(月) 11:17

「ももー」
「はーい」

遠くから響いてきた声にあなたは答える。
きっと、何より可愛らしい笑顔なのは間違いない。
そう確信できるほどわたしはあなたを見てきたのだから。

―ももは、この頃人気者だ。
わたしの、恋人なんだけど。
わたしだけが独占できるかといえばそんなわけない。
何よりわたしたちはアイドルで、笑顔を見せる相手は全国にいる。
それは仕方ない事なのだ。

「なんだかなぁ」

わたしは遠くなる背中に呟く。
大人になれない自分が悔しくて、悲しい。
彼女が帰って来てくれることはわかっている。
いい加減なようで、そういう所は凄く誠実だから。
理解しているのに納得できないのは、きっとわたしが子供だからだ。
300 :―たった一つ― :2010/03/22(月) 11:18

じっとももの背中を見ていた。
何となく動けなくて、見えなくなっても見つめていた。
彼女が好きなのに素直になれない自分に少し呆れながら。
それでも好きと言う気持ちは真っ直ぐに彼女に向けられている。

「りっさこー!なぁに見てんの?」

後ろから声が聞こえて、まるで金縛りが解けた様に身体を動かす。
振り返るとそこにいたのはまだ衣装のままの千奈美だった。
更衣室に戻るでもなく、ぼんやりと立っていたから気になったのだろう。
わたしはももと一緒に最初に部屋を出たから。
並び的に千奈美が最後の方に部屋を出たんだろうなぁと思った。

「なんにも」

んーんと首を横に振って誤魔化す。
ももを見ていたなんて、ちょっと言いたくない。
それはわたしの余計なプライドみたいなものだった。
子供なわたしは未だにメンバーにもももが好きだと言えない。
たぶん、知ってはいると思うけどみんな優しいから何も言わないのだ。
301 :―たった一つ― :2010/03/22(月) 11:18

「そか、楽屋行かないの?」

お菓子があったりするんだなぁ、これがと明るい声で言われる。
千奈美は上手い。わたしの扱いが。
子供っぽい事をしても何も言わない。
そのまま受け止めてくれる。
いや、これはベリーズのメンバー全員に言えるのかもしれない。
みやもキャプテンも、まぁも。
みんな優しい。

「行く」

わたしは千奈美の言葉にすぐ頷いた。
お菓子も食べたいし、ここにいる事に大した意味も無い。
ちょっとした、そう言うなれば感傷でここに留まっていただけなのだ。

「え、ずるい!」
「よし。じゃ、競争ね」

唐突に走り出した。
千奈美の言葉が耳に届くまでの一瞬が開いてしまう。
そしてそれは競争にはとても不利だ。
だからわたしは声にした。ずるいと。
すると千奈美は可笑しそうに笑って、それでも待ってはくれなくて。
追いかけて慌てて走り出すしか方法はなかった。
302 :―たった一つ― :2010/03/22(月) 11:18




++++



303 :―たった一つ― :2010/03/22(月) 11:19

ももが部屋に戻ってきたのはお菓子を食べ終えたくらいだった。
小さな袋に入ったチョコレートはとても甘くて美味しい。
ドンドン食が進んで5つ貰ったのにもう1個しかない。

―ももに残してあげればよかったかなぁ。

なんて思ったけどもう遅い。
わたしにできる事は残りの一つを食べないように我慢する事くらいだ。
じっと大切に、でも溶かさないように気をつけながら握っていた。

「梨沙子、待っててくれたの?」

にこにこした笑顔でももが歩いてくる。
それだけでわたしの体温は少し上がった気がする。
だけど素直じゃないわたしは「別に」と素っ気無く答えて顔を逸らす。

ももに気にした様子はない。
わたしのこの対応はいつものことで。
だから少々冷たいくらいじゃ、何も感じなくなってるんだと思う。
ごめん、と小さな声で謝るけどきっと聞こえてない。
304 :―たった一つ― :2010/03/22(月) 11:19

「これ、ちぃから」

千奈美から貰ったチョコを一つ差し出す。
するとももは顔を輝かせて、独特な走り方で近寄ってきた。
甘いもので満面の笑みになるのはまさに女の子って感じがした。
ももは食べる事が好きだから更にかもしれない。

「うわぁ、残しといてくれたの?」
「うん、ごめん。一つしか残んなかった」

掌からももが袋を持っていく。
これでわたしの欲求と戦う時間も終わりだ。
嬉しそうに袋を開ける顔を見つめる。
幸せそうな表情は見てるこっちまで幸せになりそうで。
我慢してよかったなぁと素直に思えた。

「いいよ、1個残してくれただけでも」

にこにこ、ふわふわ。
ももは機嫌良さそうに笑う。
幸せそうな笑顔は嬉しいんだけど。
嬉しいはずなんだけど、何でかもやもやしたものがまた出てくる。
それを知られたくなくてわたしはそっと顔を逸らした。
305 :―たった一つ― :2010/03/22(月) 11:20

「梨沙子?」

きょとんとした顔でももがわたしを見つめる。
でも真っ直ぐから見ることなんて出来ない。
今のももの顔を見たら、もやもやした何かをそのまま彼女にぶつけてしまいそうで。
黙り込むことをわたしは選んだ。

「どうしたのさ」
「別に……」

なんて言えばいいか分からない。
だって、何を言いたいかわからない。
何にこんなにもやもやして、何がこんなに嫌なのか。
わたしには少しも分からない。
ううん、分からないんじゃなくて分かりたくない。
これを認めてしまったら子供過ぎる自分を認めることになるから。

「一つしか残して無くて、ごめん」

言葉を探して、結局出たのは同じ言葉だった。
それにももはまた不思議そうに首を傾げてわたしを見る。
306 :―たった一つ― :2010/03/22(月) 11:20

「それはいいって」
「でも、五個もあったのに」

千奈美から貰ったのは五個。
わたしが食べたのは四個。
そしてももの手にあるのは一個。
明らかに不公平だ。

「いいのに。でもそんなに気にするなら」
「なら?」

ももの手に合ったチョコが口に含まれる。
あ、と声が出たのは最後の1個だと思ってたからに違いない。
小さなお菓子は一口で彼女の口に吸い込まれた。
わたしはそれをただ見つめていた。

「梨沙子」

ももの顔が悪戯に笑う。
ぐいっといつもより強引に腕を引っ張られた。
ちゅっと柔らかく唇が重なり合う。
すぐに甘い味が口の中に広がった――チョコだ。
307 :―たった一つ― :2010/03/22(月) 11:21

「こうすれば、1個でも何個分にもなるよ?」
「……ばか」

すぐに柔らかい感触は離れて。
それでも私の中に温かくて甘いそれは残っていた。
顔が熱くなる。ももを見ると満足そうな顔だった。

「もぉはね、梨沙子がくれたらなんでも嬉しいよ」

わたしの恋人はずるい。
徹底的にわたしを甘やかして、駄目人間にするつもりに違いない。
にこにこ笑って、ももはそう言った。

「梨沙子が笑ってくれたら、もぉも嬉しいし」

ももの手がわたしの頬を撫でる。
それからそっとまたキスをされた。
少しだけある身長差を背伸びして、可愛いキスをいつもくれる。
308 :―たった一つ― :2010/03/22(月) 11:21

「梨沙子が嬉しそうだから、もぉも笑えるんだよ?」

知らなかったでしょ?と彼女は少し恥ずかしそうに笑った。
わたしも何だか恥ずかしくなる。
こんなにももはわたしを好きでいてくれるのに。
幸せをいっぱいくれるのに、何も返せない。
――せめてものお返しに好きと呟けば、彼女も幸せそうに笑ってくれた。


わたしの彼女は凄い人だ。
みんなの人気者で、優しくて、温かい。
それでも一番上手なのはわたしの扱いに違いない。
だって彼女の一言で嫌な気持ちなんて忘れてしまうのだから。
それは甘いチョコにも似た不思議な感覚だった。





―たった一つ―終

309 :CPヲタ :2010/03/22(月) 11:22




310 :CPヲタ :2010/03/22(月) 11:25

>>297-308
―たった一つ―
りしゃもも、リアル。
甘めで攻めてみた。

いや、こういうりしゃももが好きなんですよ。
結局両方がベタぼれっていう。
……ももち片思いでも全然いいけど。

ではまた妄想が溜まったときにお会いしましょう。

311 :CPヲタ :2010/03/22(月) 11:25




312 :CPヲタ :2010/04/04(日) 01:07


313 :―このはなさくや― :2010/04/04(日) 01:08




小さな花弁に雄大さを込めて。
舞う花びらに切なさを込めて。
刹那の時を咲き誇る。



314 :―このはなさくや― :2010/04/04(日) 01:08




―このはなさくや―



315 :―このはなさくや― :2010/04/04(日) 01:09

遠くから足音が響いてきた。
同じリズムで刻まれるそれは桃子のものである。
急いでいるらしいことが雅には何となく分かった。

「あれー、梨沙子は?」
「知らない」

予想した通り直ぐにドアが開けられる。
掛けられた声に雅は視線を動かさずに答えた。
かち、とケータイのボタンを押すと音がした。

「そっかぁ、プレゼント渡したかったんだけど」

ドアを開け中に入ってきた桃子は少し肩を落とした。
プレゼント――梨沙子の誕生日プレゼントである。
今日は記念すべき16回目のバースデーなのだ。
桃子以外のメンバーは朝来た時に既に渡していた。
だが時間ギリギリだった桃子はまだ渡していないのだ。
見ていたから知っている。
雅は桃子が急いでいる理由も、梨沙子の居場所を聞く理由も結局知っていた。
316 :―このはなさくや― :2010/04/04(日) 01:09

―さっさと渡せばいいじゃん。

少し呆れる。
梨沙子の鞄はまだある。
探せば直ぐにでも見つかりそうなのに。
そうしないのはきっと本気で探していないからだろうと雅は思った。

「……探しいかないの?」

戸口から歩いて桃子が雅の対面に座る。
そこで初めて雅はケータイから目線を外して桃子を見た。
早く渡したいならここに居るより行動した方が早いだろう。
そんな意味を込めてけしかける。
すると桃子はうふふふといつもの調子で笑って、小指で雅を指した。

「みやの側に居た方が見つかりそう」
「何それ」

意味が分からない。
雅は今度こそはっきり呆れた視線を桃子に向ける。
絶対、自分の側で待つよりも探しに行ったほうがよい。
梨沙子はそう動きが早い子ではないし、一箇所に止まる時間も長い。
どうせブラブラしている事だろうから同じようにすれば会う確立も高まるはずだ。
少なくとも雅はそう思った。
317 :―このはなさくや― :2010/04/04(日) 01:09

「だってこの後一緒に帰るんでしょ?」

まぁ、そうだけど。と雅は桃子の言葉に渋い顔で頷いた。
一緒に帰るというより少し寄り道をする約束をしていた。
いつもならこんなに甘やかさないのだがしょうがない。
なんたって今日は誕生日なのだから。

「だと思った。梨沙子今日機嫌良すぎだし」

桃子は自信たっぷりの顔で頷いた。
そう言われてしまうと雅は何も言えなくなってしまう。
確かに今日の梨沙子は誰の目から見ても浮かれていた。
それがたった一つの約束のおかげだと誰が思うだろう。
だが雅は知っていた。そして桃子も理解していた。
梨沙子の機嫌の良い悪いは雅に大きく左右されるのだ。

「みやぁー」

ばたんと荒々しく扉が開かれる。
入ってきたのは今話題に上っていた本人だった。
軽やかな足取りで雅の元へと走り寄る。
昔から変わらない姿だ。
318 :―このはなさくや― :2010/04/04(日) 01:10

―高校生なのにね。

雅から見える梨沙子は変わらない。
きっとメンバーから見た梨沙子もそう変わっていないはずだ。
容姿は確実に大人の階段を上っているけれど。
彼女の本質みたいなものは少しも損なわれていない。
甘えたで、子供みたいな笑顔を見せる仲間なのだ。

「梨沙子ってば遅い」
「ごめん、ごめんね」

そこまで待ったわけでもないが挨拶のようにそう口にする。
雅がポーズであれ怒ったような雰囲気を出せば梨沙子は直ぐに謝る。
日常良く見るシーンであるがシリアスになるには相手の顔が緩みすぎていた。
雅が本気で怒っていない事に気付いているのである。

「いいの、いいの。そんな待ってないんだし」

雅の内心を読んだかのように桃子がぱたぱたと手を振りながら答えた。
その顔は微笑んでいて、梨沙子に甘いことを露見させる。
僅かに開けてある窓から暖かな風が吹き込む。
春の匂いがした。
319 :―このはなさくや― :2010/04/04(日) 01:10

「ももが言うことじゃないでしょ」
「そういうの自分から言わないし?」

それより、と桃子は雅の視線をひらりとかわす。
二人のやり取りを笑顔のまま見つめていた梨沙子に向かい合う。
ポケットに手を入れて何かを探す。

「ん?なに、何?」

本当に機嫌が良い。
雅は心の中で苦笑しつつそう思った。
梨沙子は桃子をニコニコした笑顔で見つめて待っている。
期待と好奇心が半々になったような表情だった。

「梨沙子誕生日おめでとう、これプレゼントだからね」
「わぁ、ありがと!」

出てきたのは小さな箱だった。
ポケットに入れたまま探していたのだろうかと雅は少し呆れる。
きっと直ぐに渡したくて持ったままうろちょろしていたのだろう。
桃子らしい行動だった。
320 :―このはなさくや― :2010/04/04(日) 01:11

大切そうに梨沙子が箱を手に乗せる。
掴んだりしないで、掌に乗せている。
相変わらずな子だなぁと雅は思った。
昔から見てきた変わらない彼女に雅は近づいた。

「ほら、そろそろ行かないと遊べないよ?」

時計を見るとある程度の時間が過ぎていた。
今日の仕事が速く終わったとはいえ、一緒に遊べる時間は少ない。
まして遊んだ後帰る事も考えればそう遅くまでいられないのだ。

「ももだって、満足したでしょ」

プレゼント渡せたんだし。と告げれば大きく頷かれた。
純粋な笑顔は仕事のときに見るものとは少し違って。
本当に嬉しかったんだろうなと感じた。

321 :―このはなさくや― :2010/04/04(日) 01:11

数分後、雅と梨沙子は部屋に二人きりとなった。
桃子は自分の鞄を持ってさっさと出て行った。
“ごゆっくり”なんてにやけた顔で言っていて、雅は肩をすくめるだけで答えた。

「あれ、梨沙子。なんか付いてるよ?」

帰る準備をし始めた梨沙子。
雅はその後姿を見つめる。
そう時間のかかるものではないと知っているからだ。
手持ち無沙汰に眺めていたら梨沙子の後ろ髪に何かついていた。
薄い色をしたそれは花弁のようで、雅はそっと手を伸ばす。

「んー、とって?」
「はいはい」

甘えた声音に雅は苦笑を零す。
言われる前に自然とそうしていた自分に、だ。
困った事に梨沙子に対する行動は染み付いてしまっていた。
長年一緒に居たからそれも自然の事なのかもしれない。
322 :―このはなさくや― :2010/04/04(日) 01:12

―花びら、だよね?

優しく摘めば、すぐに取れた。
柔らかく手に馴染む。雅も見慣れたものだった。

「これ、桜?」

この時期、目にする薄紅のそれ。
雅は光に好かすようにして掲げる。
梨沙子も振り返って指の先にあるそれを確認した。

「さっきまで見てたからかな」
「さっきまでって、何処にいたわけ?」

あー、と少し考えたあと梨沙子は何でもないことのように言った。
雅は顔を顰める。
桜は確かにこの季節には咲き誇っている。
公園などに足を伸ばせば飢えられている所も多い。
だが梨沙子が“今”見に行くには外に行くしかないのだ。
323 :―このはなさくや― :2010/04/04(日) 01:12

―危ないじゃん。

さっきの様子からして、何もつけずに外へ行ったのだろう。
浮かれているとはいえ抜けているとしか言えない。
こういう事があると雅は更に梨沙子を放って置けなくなるのだ。

「んふふ、ひみつ」

だが梨沙子は雅の心配など知らぬ顔で微笑んだ。
楽しそうな笑顔に雅は何も言えなくなる。
準備を終えた梨沙子が鞄を肩に掛ける。

「みや、行こう?」
「あんま一人で出歩かないでよ」

言いたいことはまだある。
でも今日は梨沙子の誕生日なのだ。
どうせなら楽しいままに過ごして欲しい。
そんな気持ちで雅は言いたいことを一言に纏めた。
324 :―このはなさくや― :2010/04/04(日) 01:12

「なら一緒にいてよ」

きょとんとする。言葉を理解できなかった。
一拍間をおいてから漸く意味が頭の中に入ってくる。
同時に顔が段々と熱くなってきた。
昔から唐突にこの子はこういう事を言う。

「……考えとく」
「うん、ありがと!」

ぷいと顔を逸らし答える。
梨沙子は花が咲いたような笑顔を見せた。
――桜咲く。
それは昔から飛び切り良い事の知らせだった。
そして梨沙子にとても似合う花だと実や微意は思った。




―このはなさくや―終
325 :CPヲタ :2010/04/04(日) 01:13




326 :CPヲタ :2010/04/04(日) 01:16

>>313-324
―このはなさくや―
梨沙子16才おめでとう小説……のはず。
あっさり風味に仕上げてみました。
とりあえず、おめでとうの気持ちが伝わればいいかと。
むしろ、いい加減雅ちゃんは梨沙子と買い物に行ってあげたのだろうかw

そんな疑問を残しながらの更新でした。
明日東京に向かいます。
もはや緊張で胃が痛いですw
ではまた妄想が溜まったときにお会いしましょう。

327 :CPヲタ :2010/04/04(日) 01:17




328 :麻人 :2010/04/04(日) 16:51
りーちゃん生誕小説は絶対りしゃみやだと信じていましたwありがとうございます(´∀`)
329 :CPヲタ :2010/08/25(水) 00:07


久しぶりすぎて更新の仕方を忘れてるw
そんな感じですが、雅ちゃん生誕小説をうpしにきました!

328>>麻人さん
りーちゃんと雅ちゃんの誕生日には基本りしゃみやですw
予想はばっちり当たってます!
こちらこそレスありがとうございました。

では、どうぞ↓

330 :CPヲタ :2010/08/25(水) 00:08




331 :―なみのおと― :2010/08/25(水) 00:08




寄せては引いて。
また打ち寄せる。
その動きを見てるだけで、何だか悲しくなった。



332 :―なみのおと― :2010/08/25(水) 00:09




―なみのおと―



333 :―なみのおと― :2010/08/25(水) 00:09

梨沙子の家から海は近い。
学校に行くにも、遊びに行くにもいつでもそれを見ることが出来る。
小さい頃からこの町で育ってきた子供たちには当たり前すぎて意識されない。
当然梨沙子自身もその一人だったが、海が好きというのは感覚として持っていた。

海水浴が出来るわけでも無い海岸は人がいない。
いや、地元の子供ならば泳げない事も無いのだが観光客が来るような場所ではないのだ。
聞こえるのはただ波の音だけで梨沙子は瞳を閉じる。
音だけで、蒼い水面が脳裏に浮んでくる。
その感覚が昔から好きだった。

「あつ……」

小さく呟く。
汗が頬を伝っていった。
じーじーと蝉が鳴く。夏を代表するような声は耳に残った。

夏が、好きだった。
輝く季節に海の匂いが混ざるから。
余り活動的でない自分も楽しい気分になれた。
334 :―なみのおと― :2010/08/25(水) 00:09

「なんでかな」

だけれど今は少しもそんな気分が残っていない。
あるのは寂寥と、よく分からない何か。
夏とは微塵も縁の無いものだ。
――それが彼女と少しも関係していないといったら嘘になる。
脳裏に浮んだ姿に梨沙子は瞳を細める。
眩しい夏に、彼女は一際輝いて目が眩んでしまう。
夏は彼女の季節だった。それを梨沙子は知っていた。

水面が光を弾く。

なんとなく水に触れたくなって梨沙子は岩場を下りる。
サンダルを履いた足は不安定で少し怖かった。
ヒールで無いことだけが救いのように思える。
慎重に足を運んで、僅かに揺れる海面を覗く。
透き通る水が岩場の底を映していた。
そっとサンダルを隣に置き足を差し入れる。
直ぐにひんやりとした感覚が梨沙子の足を覆った。
335 :―なみのおと― :2010/08/25(水) 00:10

―気持ちいいなぁ。

夏の暑さは体力を際限なく奪っていく。
滲む汗は肌を伝い地面に落ちるか、服に吸い込まれる。
少し湿った感覚に、それでも家に帰る気にならなかったのは何故だろう。
梨沙子自身にも分からなかった。

「梨沙子!」

唐突に響いた声に顔を上げる。
とても聞きなれた、それでいて澄んだ声だった。
梨沙子の瞳が揺れる。彼女だった。

「みや」
「何してるの?こんなとこで」

梨沙子が苦労して下った岩場を身軽な動きで下りてくる。
運動神経の良い彼女――雅らしい動きだった。
まるで猫を思わせるしなやかさは夏の青空に良く映える。

身体を捻ったせいで水面が波立つ。
ちゃぷと涼しげな音が梨沙子の耳に届いた。
雅はそれを見て少しだけ顔を顰める。
何をそんなに心配しているんだろう、と梨沙子は不思議だった。
336 :―なみのおと― :2010/08/25(水) 00:10

「一人で海辺に近寄るのは危ないって言われてるでしょ?」

少しだけ怒ったような表情だった。
心配してくれるのは素直に嬉しい。
でもそんな小さい子みたいに扱われるのは気に入らない。
梨沙子は唇を突き出して不機嫌な顔を作った。

「だって暑かったんだもん」

本当は違う。
どちらかと言えば、輝く水面に引き寄せられてしまった。
きらきら輝く夏に引き寄せられてしまうように。
ただそれを彼女に素直に言う気にはならなくて、梨沙子は小さな嘘をついた。

「なに、それ」

呆れたように雅が溜息を吐く。
梨沙子はそれにぷいと拗ねた顔を見せることで答えた。
――幼いと雅はきっと思っている。
ただそれでも表情を変えることができなかった。
それが幼さの印だとも分かっていた。
337 :―なみのおと― :2010/08/25(水) 00:10

「とりあえずさ、危ないからこっち来なよ」
「やだ」

梨沙子の一言に雅は再び顔を顰めた。
聞き分けの無い子だと思われているかもしれない。
我がままだと思われているかもしれない。
どちらも怖い事だ。同時にそれが起こらないことを知っていた。

雅が梨沙子の腕を掴む。
夏の暑さに火照った肌はその手さえひんやりと感じさせた。
引っ張られる事により体勢が崩れ水面に波が立つ。
ぽすんと梨沙子の顔が雅の胸に埋まった。

「みや?」
「……梨沙子が水辺にいると危なっかしいんだって」

ぎゅっと回された腕に力が篭る。
ああ、心配させていたんだなと素直に思った。
夏の似合う彼女なのに触れた肌は冷めていて触れると心地よい。
段々と身体の力が抜けていくのが梨沙子にはわかった。
雅の腕は不思議だ。昔からこの手に包まれていると幸せになってしまう。
苛々していた事も嫌なことも全て流されてしまうのだ。
338 :―なみのおと― :2010/08/25(水) 00:11

「そんなこと、ないよ?」

雅の言葉に梨沙子は首を傾げた。
確かに彼女に比べたら自分の運動神経なんて心配されるものだろう。
それでも水辺に寄っただけで落ちるほど幼くも無いし、馬鹿でもない。
どうすれば危ないかなんて生きてきた年数分は知っているのだ。

「昔から」

梨沙子の言葉に雅は少しだけ言い辛そうに言葉を詰まらせた。
口下手な所のある雅は離していても単語選択しているかのように止まる時がある。
今がまさにその時だった。
岩場の段差分だけ雅を見上げる。
そしてその先の瞳に梨沙子は不安の影が過ぎるのを見てしまった。

「昔から、梨沙子が海に行ったら戻ってこなくなるんじゃないかって……思ってた」
「え?」

雅の腕の力が強くなる。
夏の暑さとまた違う熱――それはゆっくりと梨沙子に伝わった。
潮騒に煽られるように鼓動が早くなる。
最早足に残っていた海水は温くなっているようにさえ感じた。
339 :―なみのおと― :2010/08/25(水) 00:12

「だから、ヤなの」

再び胸に引き寄せられて顔が見えなくなる。
それでも耳元で響いた声は飛び切り幼く聞こえた。
梨沙子の前ではいつもお姉さんとしての姿しか見せない雅。
そんな彼女の今までで一番幼くて、それでいて真っ直ぐな感情が伝わってくる。

「梨沙子時々ぼーっと海見てるでしょ?」

特にこの季節、と告げられた言葉に目を丸くする。
雅が気付いていたとは梨沙子はちっとも思っていなかった。
夏に海を見てしまうのは癖のようなものだ。
夏は彼女の、雅の季節だ。彼女が一番眩しくなる。
一番憧れて、一番遠く感じる夏の彼女。
そんな彼女にこそ海は似合うと梨沙子は思っていた。
340 :―なみのおと― :2010/08/25(水) 00:12

「海が好きなんだなって、少し悔しかった」

きらきら舞う水しぶきの中にいる雅は何度見ても綺麗で。
それでいて見ていると息が詰まるくらい眩しいのだ。
眩しくて、眩しくて、梨沙子は夏に雅を見ることを止めたくなってしまう。
遠くて、近い――そんな感覚を梨沙子は海を見ることで抑えていた。
水辺に引き寄せられるのだって雅が如何に楽しそうに海で遊ぶかを知っているからだ。
自分がそうなれるとは思わない。
ただ海というものを通して間接的にでも彼女の事を感じていたかった。

「見てた」

だから梨沙子は素直にそれを肯定する。
海を見ていた。彼女に重ねて。
でも雅はそれを知らない。
――だからこんな勘違いをしているんだと梨沙子は思った。

「みやだと思って、見てた」

梨沙子にとって大事なのは昔から一つだけだ。
そしてずっと見ていたのも一つだけ。
それを正直に雅に告げる。
少しだけ恥ずかしかった。
341 :―なみのおと― :2010/08/25(水) 00:12

「え?」

きょとんとした声が耳に響く。
幾ら波の音が近くてもこれだけは聞き逃さない。
そういう変な自信が梨沙子にはあった。

「夏の海は、きらきら光ってて……みやみたい」
「り、梨沙子?」

腕の力が弱くなる。
久しぶりに雅の胸から顔を上げて、正面から見つめた。
そこにいたのは見たことの無い表情を浮かべた幼馴染だった。
こんなに驚いた顔を見るのは幼稚園の頃以来だろうか。
ふと今までの思い出が巻き戻される。そのどれでも雅は雅だった。
眩しくて、憧れる梨沙子の大切な人。
遠くて、切なくなる梨沙子の幼馴染。

「わたし、海が好きなんじゃないよ」

じりじりと夏の光が肌を焼く。
これは後で酷い事になると思ったが今は気にしていられなかった。
目の前にいる彼女だけが全てだった。
342 :―なみのおと― :2010/08/25(水) 00:13

「ずっと昔からみやだけが好き」

飛んでいった言葉は静かに染み込む。
波の雫が砂浜に染み込むように静かに、けれども確かに雅の胸に落ちていった。
寄せては返す波は気まぐれだ。
惹かれて、離されて、それでも追いかけて――波は海に戻っていく。
雅の自分と同じように早くなった鼓動を聞きながら梨沙子はそっと瞳を閉じた。
触れた唇は懐かしい海の味がした。




―なみのおと―終

343 :CPヲタ :2010/08/25(水) 00:13




344 :CPヲタ :2010/08/25(水) 00:18

>>331-342
―なみのおと―
誕生日の欠片も無いですが生誕小説です。
夏っぽさとりしゃみやぽさを出してみたかった。
けれどブランクにより出し切れなかった気もします。


とりあえず、この小説で一回更新を止めます。
何を今更な感があると思います。
ですが次の妄想は早くても年明けになるので無言で待たせるのは申し訳なさすぎると。
急な上に短い宣言で申し訳ありません。
では、また妄想が溜まったときに会いましょう。


345 :CPヲタ :2010/08/25(水) 00:18




346 :名無飼育さん :2011/09/19(月) 21:35
りしゃみや凄くよいです
作者さん気長に待ってますよ

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