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サイボーグJJ

1 :名無飼育さん :2008/06/29(日) 22:18
じゅん【純】

まじりけや偽りのないさま。
人柄や気持ちがすなおで、けがれたところがないさま。
371 :名無飼育さん :2008/09/07(日) 20:47
372 :名無飼育さん :2008/09/07(日) 20:49
レス返しです



>>350
かっこよかったですか。ありがとうございます。
部活における部長の存在はけっこう大きいと思います。
そういう雰囲気が伝わったなら嬉しいです。
373 :名無飼育さん :2008/09/13(土) 20:18
374 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:18
朝から強い雨だった。
UFA女子高等学校の卒業式の日がやってきた。
卒業式の日だったが―――夜はまだ明けていなかった。

小春と光井は、中国から届いたメールで、
リンリンが既に中国随一の名門大学に合格したことを知っていた。
念の為に滑り止めに受けた東大理Tにも軽く受かったらしい。
やはり彼女は並の頭脳ではなかった。

れいなは志望校に落ちた。
かろうじて卒業への単位は足りたので、二留することは避けられてた。
ていうか高校で二年も留年する人なんていないよねえ。
ネタ小説の中でもいないよねえ。普通はねえ。そうだよねえ亀井さん。

れいなは「流しの物理学者になるけん」という捨て台詞を残して学校から去った。
負け犬だった。遠吠えだった。
その日からぷつりと学校に来なくなり、この町からも姿を消した。

誰も探さなかった。
375 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:18
「リンリン!」
「おー! 小春さん!」
「ジュンジュン!」
「光井。ひさしぶり」

四人は式の会場となる体育館前で久しぶりの再開を果たした。
ようやく夜が明けてきた学校には、まだ一人の人影も見られない。
どうやらそこには四人しかいないようだった。

「びっくりしましたヨ」
リンリンはにやにやと笑いながら一通の手紙を取り出す。
そこには古めかしい文字で「果たし状」と書かれていた。

「まさか二人からこんなものが届けられるとはネ」
リンリンがそう言うと光井と小春は目を丸くした。
「え!? 果たし状?」
「そんなの送った覚えないよ!」
376 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:19
「リンリン、何の冗談を言ってるん?」
「果たし状を送ってきたのはそっちじゃない!」

今度は小春がカバンから手紙を取り出した。
そこには全く同じような字体で「果たし状」と書かれていた。
リンリンが中国に帰った後に送られて来た手紙だった。

そこには「卒業式の朝に体育館で待つ」と書かれていた。
もし物理部の心を引き継ぐ気があるのなら―――
その日その時その場所に自作のロボットを持参して来い。
勝負の方法は言わずともわかるであろう。
勝負だ。
逃げるなよ。

果たし状にはそう書かれていた。
377 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:19
今度はリンリンが持っていた手紙を広げた。
そこにはこういう内容のことが書かれていた。

我々は卒業式の日にジュンジュンを超えるロボットを作ってくる。
もしお前たちが物理部の心を忘れずに持っているのなら―――
その日その時その場所にジュンジュンを連れて体育館までやって来い。
勝負の方法は言わずともわかるであろう。
勝負だ。
逃げるなよ。

「この手紙が一ヶ月ほど前に届きまシタ。光井さんと小春さんの名前で」
「えー! なにそれー!」
「そんな手紙は出してなーい!」

だが四人が不思議な顔をしていたのもほんの数秒のことだった。
こんなことをしそうな人間はたった一人しかいない。
あいつだ。

四人は黙って頷きあいながら、体育館に向かった。
378 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:19
体育館は前日から卒業式の準備がされていた。
一面にパイプ椅子が並べられてるはずだった。
だが今はその中央が綺麗に片付けられており、ミニバスケのコートが作られていた。
コートの両端には見覚えのあるカゴが二つ。
コートの中央には5つのバレーボールが丁寧に並べられていた。

「やっぱり」

それを見た四人の顔には、あきれるような、嬉しいような、
そして懐かしいような複雑な笑みが浮かんだ。
あいつが真夜中に一人でこの準備をしたのだろう。

その情景を想像すると、笑みがもれずにはいられなかった。
379 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:19
「じゃ、あたし達も準備するから」
光井がそう言って小春と連れたってセンキョウの方へ消えた。
二人が製作したロボットを持ってくるのだろう。

「あの二人、どんなロボット作ったのかナ? ちょっと楽しみですネー」
「ジュンジュンよりも強かったりして!」
「アハハハハハ。それはナイそれはナイ。アハハハハハ」

リンリンの余裕の笑いは、5分後に雲散霧消することになる。
380 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:19
光井たちが作ったロボットは、体育館に入ってくるのに苦労した。
そのロボットはあまりにも大きかった。
身長は2m以上あった。
そして頭部が異常なまでに大きかった。
その頭部は―――小型の冷蔵庫くらいの大きさの巨大スライムだった。

「オー!」
「そのロボットは!」

ジュンジュンとリンリンが同時に叫んだ。
あの頭部は、間違いなくあの文化祭の時の巨大スライムだ。
頭から下の部分は異様にスレンダーだった。
頭と体のバランスが明らかにおかしい。
肌はマネキンのような奇妙な質感を持った肌だった。
381 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:20
さすがにリンリンも驚いた。
光井のコントローラー操作でスライムロボットは器用に歩いている。
2mを超えるスレンダーボディが闊歩する様はなかなか見ごたえがあった。
それにしても、まさかあのスライムを再利用するとは!

「名づけて!」
「出戻りサイボーグ・コンコン!」

それ以上は何も言うまい。
382 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:20
光井と小春がそう叫んだ瞬間、体育館の照明が落ちた。
カーテンを閉め切った体育館内は暗闇に包まれる。
だが四人は全く慌てなかった。
誰が照明を切ったのかはわかっていた。
四人がコートのところにいる以上、照明のスイッチをいじれるのはあいつしかいない。

「ふん! どうやら役者が揃ったようやね!」

カッ!とフットライトが閃き、体育館の舞台の上を照らす。
舞台の上には、当然のように流しの物理学者が立っていた。
古い西洋の甲冑のようなものを身に付けた小柄な物理学者が叫ぶ。

「サイボーグれいな! 見参!」

れいなは両足でしっかりと立っていた。
ジュンジュンに折られた大腿骨は完治したようだ。
383 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:20
れいなはとおー!と言いながら舞台から飛び降り、
カッシャンカッシャンと軽快なステップでコートに向かってくる。
どうやら甲冑は、卒コンの時の吉澤並の軽量化に成功したようだ。

れいなもただ遊んでいたわけではない。
リンリンとJJが帰国した後、れいなはすぐさま両者に果たし状を送った。
そしてれいなも密かにこの日のために甲冑に特殊な改良を加えていたのだ。
本気だった。リンリン達にも小春達にも勝負を譲る気はなかった。
勝つ。勝つ。絶対勝つ。

「お前ら! ルールはあの大会と同じやけん! 説明は必要ないやろね!」

JJ陣営とコンコン陣営が同時に頷く。
あの大会のルールなら今でもはっきりと覚えている。
多分一生忘れない。
384 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:20
「れいなが負けたら! お前らにはれいなの宝物をやる!」

れいなはそう言って後ろから大きなパネルを取り出した。
きらりちゃん等身大パネルだった。

いらねー

四人は心の中で一斉にそうつぶやいた。
そういえばいつの間にか物理準備室から消えていたが・・・・・
まだ捨てていなかったのかよ・・・・・・
385 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:20
「れいなが勝ったら! お前らにはれいなの言う通りにしてもらう!」
「ええええええー!」
「えええええええええええ!!」
「なにそれー!!」
「めっちゃ不公平な条件やないですか!」

そんな話は聞いていない。果たし状にも書いていない。
四人は大きなブーイングをあげた。
だがれいなはそれを完全に無視して話を続けた。
無視するのも無視されるのも慣れた感じの話し方だった。

「リンリン! ジュンジュン!」
「ハイ」「ハイ」
「お前らには日本に帰ってきてもらう!!」
「えええ!!」
「オー」

これには小春と光井も驚いた。
他人の人生を変えてしまおうというのか。
れいなにそんな権利などあるのだろうか。
だがれいなの目は「そんな権利がある」と信じて疑っていない目だった。
386 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:21
「小春! みっつぃー!」
「はい」「はい」
「お前らには流しの物理学者になってもらう!」
「は?」
「え?」

意味がよくわからないが、くどくどとした説明を聞いてみると、
どうやられいなの友達になって、
卒業後も学校の外で時々れいなと遊んで欲しいということを
遠まわしに言っているようだった。

絶対嫌です!と断固拒否しようとした小春を遮って、光井が言った。
「ええですよ。流しの物理学者でも友達でもなんでもなりましょう!」
売られた喧嘩は買う。光井は一歩も下がらなかった。

「ちょっとみっつぃー勝手に何言ってんのよ!『友達』の意味わかってんの!?」
「わかってるがな。勝ったらええねん」
「だけどさー、友達っていうのはちょっとさー」
「ええやん。今日くらいは堂々と勝負しようや」
387 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:21
「ちょっと待ってください。その条件は不公平デス」
不満を唱えたのは意外にもジュンジュンだった。

「私が負けたら、田中さんの言うこときいてもイイ。
 だから私が勝ったら、田中さんも私の言うことをきいてホシイ」

ジュンジュンの言うことは正論だった。
リンリン譲りの理路整然とした意見だった。
今は流れの物理学者に身をやつしているとはいえ、田中も元は物理部部長。
ジュンジュンの要求を断る理由はなかった。

「ええよ。あたしが負けたら何でも言うこときいたるけん」
「じゃあ、光井さんたちもそれでいいですカ?」
「ええで。あたしが負けたらなんでもジュンジュンの言うこときくわ」

表面上は安請け合いのオンパレードだった。
だが三者が三者とも真剣だった。
お遊びで冗談を言っている気は全くなかった。
この一瞬が人生において重要な瞬間だということを、本能で理解していた。
388 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:21
「あたしが勝ったら、田中さんには中国に来てもらいマス!」
「えー、それは嫌だー。なんか面倒くさいー」

ジュンジュンは田中を本気で蹴ろうかと思った。
また大腿骨を折ってやろうと思った。かろうじて耐えた。
蹴るのは試合が始まってからでもできる。ていうか蹴ろう。蹴る。そう思って耐えた。
ジュンジュンは小春と光井に向かって言った。

「あたしが勝ったら、二人にも中国に来てもらいますヨ」

行けるわけがない。理不尽な要求だった。だが光井は嬉しかった。
ジュンジュンが、田中や小春や光井を必要としていることが嬉しかった。

田中やジュンジュンの要求は、非常に我侭で理不尽で身勝手なものだったが、
それだけにより一層、真剣さや切実さを感じた。
理不尽でも構わない。理屈よりも大切なものがそこにある。
光井はそう感じた。

「ええやろう。行ったるわ。中国でも握手会でもどこでも行ったろうやないか」

ルールは決定した。
光井と小春からは特に要求は出さなかった。
戦いに勝利することで、二人の卒業生とジュンジュンへの餞とするつもりだった。
389 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:21
サイボーグJJとサイボーグれいな。そしてサイボーグコンコン。
三体のロボットがコートの隅に散った。

審判として笛を吹くのはリンリン。
光井はサイボーグコンコンのコントローラーを握る。
小春は持ってきた横断幕を広げた。


川´・_o・)<めざせ全国制覇! 勝つぞUFA女子高物理部!


小春は勿論、光井と二人で作ったサイボーグに勝ってほしいと思った。
だが物理部の一員として、一体誰を本気で応援しているのか、
小春にもよくわからなかった。
とにかく全員がベストを尽くして、本気で戦うことが大事なんだと思った。

あの夏のときのように。
390 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:21
「用意! はじめ!」

一切フェイントをかけることなく、リンリンは開始の笛を吹いた。

ジュンジュンは一切、手加減する気がなかった。
後のことなど考えず、最初からフルエネルギーで勝負をかけてきた。

「JJマックスパワー超伝導電磁石! オン!」

ジュンジュンの体内のコイルに強大な電力が蓄積されていく。
これでエネルギーを増幅してから、JJウルトラライトニングボルトを放つのが、
ジュンジュンの最強の攻撃パターンだった。

勿論、れいなや光井達もそれは知っていた。
391 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:21
サイボーグれいなはボールに向かって走りながら叫ぶ

「ミラクルアーマーリバース! オン!」

れいなの着ていた甲冑が不思議な色の輝きを放ち始める。
元々、ジュンジュンが着ていたミラクルワンピースはれいなが作ったものだった。
ミラクルアーマーはそのアップグレードバージョンとなる。
ワンピースの100倍のエネルギーを吸い込んで弾き返すことが可能だった。
ウルトラライトニングボルトですら吸い込んでしまおうという気らしい。

光井はサイボーグコンコンをカゴの下へと移動させながら叫ぶ。

「ドザペクト比率解除!!」

するとコンコンの輪郭がぐにゃりと溶けた。
スレンダーだったボディはみるみるうちにぼってりとしたスライム状になった。
2mを超えるボディは1mほどの高さになり、
体の周りを完全絶縁体である特殊スライムが覆い尽くした。
これでウルトラライトニングボルトを受け流すつもりだった。
392 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:22
リンリンはそんな二体のロボットの動きを、ニヤリと笑いながら見つめていた。
どうやらそう簡単には勝たせてくれないらしい。
いやいやいや。それでいい。そうこなくては。
それでこそUFA女子高等学校の物理部というものでしょう。

宇宙の真理を追い求める物理の道は、長く苦しい茨の道。
勝利などありはしない。
人が生き続ける限り、いや、宇宙が存在する限り、それは永遠に続く。

そう。
物理学者たるもの、この道を永遠に歩き続けなければならない。

でも一人で歩いていると、辛いし苦しいときもある。
一緒に歩いてくれる人がいればそれに越したことはない。
その場所が、たとえ中国であっても、日本であったとしても。

一緒に歩いてくれる友達がいるのなら。
それに越したことはない。

もしかしたらそれは、宇宙の真理よりも大切なものかもしれない―――
393 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:22
ジュンジュンにもわかっていた。
サイボーグれいなとサイボーグコンコンが、
JJウルトラライトニングボルト対策を立てていたことを。

だがジュンジュンに躊躇いはなかった。
細かい計算もなかった。
ただひたすら、自分の持っているエネルギーの全てをぶつけようと思った。
強く、強くそう思った。
ジュンジュンは自分の思いの全てを、あらん限りの叫びに託して解き放つ。

「JJウルトラライトニングボルト!! オーン!!」

両手から放たれた改良型ウルトラライトニングボルトは、
二匹の巨大な黄金の翼竜となって二体のサイボーグに襲い掛かった。
394 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:22
体育館は轟音を立てて跡形もなく吹き飛んだ。
395 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:22


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

  
396 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:23


やがて新しい春が来て―――


そして新しい夏がやってきた

 
397 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:23
2009女子高ロボットコンテストの南関東予選会場にれいなは来ていた。
前年度優勝高のUFA女子高等学校は他校の厳しいマークにあいながらも、
なんとか予選、そして準決勝を突破し、決勝戦へと駒を進めていた。

光井と小春は決勝戦に向けてロボットのメンテナンスに余念がなかった。
そこにあるのはサイボーグコンコンではなく―――
新型サイボーグのガキさん3号だった。

リンリンの手のかかったスライムを使ったロボットでは、
厳密な意味では自分達の代のロボットとは言えない―――
光井のこだわりが作り出した新型のロボットだった。

「おーい! みっつぃー! 調子どう? どう? どうよ?」
光井は下級生達に入念な指示を送る。

「なんね! みっつぃー! 無視すんな!」
決勝までの時間は残り少ない。

「おいコラ! みっつぃー!」
一分たりとも無駄にはできなかった。

「みっつぃー! れいなだよー!」
一分たりとも・・・・
398 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:23
「もう・・・・田中さん勘弁してくださいよ。忙しいのはわかるでしょ?」
「なんね! 友達になるっていうあの時の約束を忘れたんか!」
「友達じゃないでしょ! 流しの物理学者でしょ!」
「なんね。理屈こねてからに」

作業に没頭する光井に代わってれいなの相手をする小春だったが、
正直言って、この図々しいOGをもてあましていた。
れいなは浪人生なので今年の大会には参加できない。
女子高部門にも。大学生部門にも。
れいなはそれが悔しかった。

れいなの隣には大学生部門で全国大会出場を決めた、
東大物理サークルのメンバーのリンリンが座っていた。
それも少し気に入らなかった。

長い手がすうっと伸びてれいなの耳をつねる。
「うひぃ」
399 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:23
「田中、うるさい。みっつぃーの邪魔しちゃダメ」
耳をつねったのはジュンジュンだった。
バーカ、バーカと文句を言うれいなを無視して、
ジュンジュンはやたらとファスナーの多い前衛的なカバンからカメラを取り出す。
熱心に作業を続ける光井の姿をじっと映していた。

彼女もリンリンの友達として大学のサークルに出入りしていた。
だが高校のときのようにサイボーグとして出場するつもりはないらしい。

「あの時が最初で最後です」

リンリンが出場を打診したときにジュンジュンはそう言った。
もはやジュンジュンはサイボーグではなく普通の人間と変わらなかった。
それでいい。
リンリンもそう思った。
400 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:24
あの時の暑い夏は人生で一度しかない。
もう二度とやってこない。

リンリンはまぶしそうな表情で光井や小春を見つめる。
空調のあまり効いていない会場は、人の熱気ですごい暑さだった。
スパナを握る光井の顔からは滝のような汗がしたたる。
大きなうちわをパタパタと扇ぐ小春の背中も汗でびしょぬれだった。

リンリンはその姿に昔の自分を重ねた。
必死で汗を流す彼女達が心底うらやましかった。
そんなことをぼんやりと考えていたリンリンに、れいなは大きな声をかける。
「さあリンリン! そっちの端を持って!」
れいなは下級生の子から取り上げた横断幕をバッと広げる。


川´・_o・)<めざせ全国制覇! 勝つぞUFA女子高物理部!


小春が書いた落書きは消されずにそのまま残っていた。
ジュンジュンはそれを見て思わず苦笑いを浮かべた。
401 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:24
やがて休憩時間終了のベルが鳴った。

部長の小春を中心に円陣が組まれる。
差し出した小春の手に部員達の手が重ねられる。

「さあ、みんな! 全国大会にー・・・・・行くぞー!!」
「オー!!」
402 :12.さ け べ J J :2008/09/13(土) 20:24

 

そしてまた新たな物理部員たちによって新たな熱い夏が始まる。

 
 
403 :名無飼育さん :2008/09/13(土) 20:24
404 :名無飼育さん :2008/09/13(土) 20:25

 サ イ ボ ー グ J J



       完
405 :名無飼育さん :2008/09/13(土) 20:25
ご愛読ありがとうございました。
406 :誉ヲタ ◆buK1GCRkrc :2008/09/13(土) 20:25
この物語はこれにて完結です。
お付き合いいただいた読者の皆さんありがとうございました。
感想や疑問などがあればこのスレに直接書いてやってください。
407 :名無飼育さん :2008/09/13(土) 20:26
408 :名無飼育さん :2008/09/13(土) 20:26
409 :名無飼育さん :2008/09/13(土) 20:26
410 :名無飼育さん :2008/09/15(月) 04:13
面白かったです!
8期の3人がこんなに活躍している小説は初めてだったので
心躍りました
411 :東工大の回し者 sage :2008/09/15(月) 14:56
茨城県はイバラキケンなんですが、冗談なんだからわざとですよね。w

それより東京工業大学なんて世の中的には思い切りマイナーな
大学の名前を出していただいてありがとうございます。(感涙)
もしかして作者さんも東工大の回し者?
412 :東工大の回し者 :2008/09/15(月) 14:57
ごめんなさい。あげてしまいました。orz
413 :homare :2008/09/15(月) 22:07
レス返しです



>>410
ありがとうございます。
私もジュンリンを描いたのは初めてなので四苦八苦でした。
自信なかったんですが楽しんでいただけたようで嬉しいです。


>>411
最初は架空の街にするつもりだったんですが・・・・・
話のなりゆきでああなってしまいました。
東工大はマイナーじゃないと思いますよ。
私は回し者どころか全く無関係な人間ですけどね。


>>412
別にageても構わないですよ。
スレをageようがsageようが私はそういうことは全然気になりません。
414 :名無飼育さん :2008/10/27(月) 01:59
今更ながら超楽しかったです
作者さんの描く文章、歯切れがよくて大好物です
みんな可愛いよみんな
また何か描いて下さいませ
415 :homare :2008/10/27(月) 23:18
>>414
今更どころか読んでもらえてすっごい嬉しいですよ。

歯切れよく書くというのは、意識して頑張って書いているので、
指摘してもらえると非常に嬉しいです。
ちょっと油断するとすぐにくどい文章になってしまうんですけどね。

さくさくとテンポよく読んでもらえたならとても嬉しいです。
416 :はしゃげJJ :2012/09/09(日) 20:52

面白かった!
417 :はしゃげJJ :2012/09/09(日) 20:53
面白かった!
418 :はしゃげJJ :2012/09/09(日) 20:53

あのな人間はな生まれてから死ぬまで長い長い橋を作るんだよ

一日一日少しずつ・・・

たまには傷つき壊れ泣くときもある

しかしそこを作り直さなければ前には進めないんだよ

だから人間は失敗して失望し泥まみれになっても前だけ向いて走るんだよ

たまには寄り道して橋を適当に作るだろう

絶望し橋づくりを止めるだろう・・・

だが人はそ れをバネにし立ち上がる

そしてまた人は橋を作る

どうせなら自分だけの素晴らしい橋を作ろうと思う

そのためには何度も失敗して・・・

何度もぶつかって

誰かに助けてもらい

自分自身の経験で学んでいくんだよ

設計図なんてどこにもない

ただひたすらに自分の思い描く通りの橋を作る

人に誇れるような・・・

そして橋から落ち最期を迎えたとき・・・

その時見た橋がきれいだと思えれば最高の人生歩んだってことだ
419 : :2013/08/05(月) 16:47
おもろいねェ
420 :若い林 :2013/08/05(月) 16:51
感動

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