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fighting girls.

1 :ホワイ戸 :2008/02/23(土) 01:41

今よりちょっと先の未来。
東京の片隅に政府から特例で造られた施設がある。
周りは山や森に囲まれ、外部の者は容易に侵入できない土地に建つその施設は、選ばれた者しか入ることが出来ない。
ここは強人養成所。 外界を拒む乙女の園。

乙女の園とは聞こえはいいが、強人とつく養成所なので手厳しい十代二十代の女子が多い。
強い人間を育てるのは政府の考案だ。 精神・肉体的の強さを養っていくための施設。
しかも女だけの生活にいるので争いが耐えなく、一日に何人もの負傷者が続出している。
乙女達が住む場所は養成所に近い場所に建つ学生寮。
乙女達が今日も歩き慣れた寮から養成所への道を歩いていた。


30 :chapter2 :2008/03/08(土) 01:30

「ここでもそうや。 ずるいことする人間の方が対決成績ええがし」

愛がチラと里沙を見る。
里沙はその視線に気付いた。

今のはまこちぃにじゃなくて私に言ってる!

「なんでもかんでもずるしてると、いつか自分に帰ってくるよ」

麻琴はそう言うと黙々と作業を続けた。






4人の爆弾が完成した頃、周りの者も完成したらしくお喋りが盛んになっていた。

「は〜い静かに静かにっ! まだ完成してない人はいない〜?」

誰も手を上げない。 全員完成している。

「よし。 じゃあちゃんと爆発するか外に出てやってみましょう」

運ぶ時は気をつけるんだよ〜
村田講師がそう言うと皆丁寧に爆弾を抱えて外へ向かった。
向かった先は爆弾実習の時に毎度使われる塀に囲まれた実習場だった。
31 :chapter2 :2008/03/08(土) 01:30

「今回作ったのは手榴弾です。 ピックを外したらすぐ遠くに投げてにぇ〜」

まず先生がお手本として手榴弾を投げた。
地に落ちたそれは大きな衝撃と音を立てて辺りを焦げさせた。

「皆さんも授業で習ったと思いますが、手榴弾は地上戦によく用いられます。
 種類は音だけだったり光るだけだったり。 発炎筒も実は手榴弾だったりします。
 あとは爆発と同時に日が上がる物もあって使用用途も様々ですにぇ〜」

じゃあ今度はみんなで。
村田講師が生徒達の脇によけていった。

「みんなで一斉に投げるのは流石に物騒だから、グループの1番前の人から投げてくださいにぇ」

里沙たちのグループの最初の一人は絵里だった。

「成功してればいいなぁ〜」

絵里が大事そうに爆弾を握りながらそう言った。

「ちゃんと手順見て作ったんやから成功しとるわ。 失敗してる方がおかしいわ」
「え〜? でも先生は失敗もあるって言ってたしぃ〜」
「ええからはよ投げま。 あとつっかえるわ」
「はいはい」
32 :chapter2 :2008/03/08(土) 01:31

絵里が爆弾のピックを抜いてすぐに放り投げた。
村田講師と同じようにそれは地に落ちると爆発し、辺りは焦げた臭いがたちこめた。

「よかった〜成功してたぁ」
「当たり前や」

2番目は愛。 普通に投げて普通に終わった。

「面白い投げ方でやって欲しかったなぁ〜」

絵里がニヤニヤ笑いながら言うと愛は睨みを利かせた。

「終わってから言うな。 あーしに笑いを求めるな」
「お〜怖っ」

3番目は里沙。 1番2番と順調に成功してる分失敗しないか緊張していた。

「大丈夫だよガキさん! 一緒に作ったんだから」
「う、うん…」

里沙は手の中にあるあれを握ると意を決してピックを抜いて投げた。
爆弾が地に落ちる。







ぷすん。


遠くで気の抜ける音が聴こえた。
33 :chapter2 :2008/03/08(土) 01:31

「ん? 失敗かな? 大丈夫大丈夫。 減点しないから」

村田講師は滅多なことでは減点しない。 そこが生徒から慕われる部分なのだ。
しかし里沙の場合は本人が減点された方がマシだった。
なんで4人で同じく作ったのに爆発しないんだ!

「あー失敗してるぅ」

絵里の一言に里沙の心臓がちくりと痛む。

「作っとる最中に居眠りでもしとったん? 新垣さん」

麻琴には見えないように里沙にだけとびっきりの嫌味な微笑みを見せる愛。
思わず言い返そうとしたが成功した愛に言い返す言葉もなく睨むだけだった。

「だ、大丈夫だよガキさん! あたしも失敗してるかもしれないし! ねっ!」

麻琴が後ろから励ましの言葉をくれる。
そして里沙と愛の間を割って入るように前に出て爆弾を投げた。




爆弾は見事に爆発した。



34 :chapter2 :2008/03/08(土) 01:32




「…………」
後ろの里沙からの視線がとても痛い。
里沙が怖くて振り返ることが出来ない。

「もういいよまこっちゃん」

里沙が麻琴の腕を掴む。
恐る恐る振り返ると里沙は悲しそうに笑っていた。

「ガッ」
「みんなは成功した、私は失敗した、それだけのことじゃない」
「ガキさん…」
「大丈夫。 部屋に戻ってから、また…ね?」

寮に帰ってから泣く。 今は泣く場面じゃない。

とことん付き合ってあげましょうお嬢様。

麻琴は何も言わずに頷くと後ろに戻ろうとした。
その時、麻琴は見てしまった。

愛の手には、もうないはずの手榴弾があった。
一人一個のはずなのになんで…?

愛がピックを抜こうとした。

「その爆弾、何に使おうとしてんの?」
「っ!!」
35 :chapter2 :2008/03/08(土) 01:32

寸でのところで麻琴が愛の手を止めた。
他に気づかれていないという自信があったのだろう。 愛は驚きの表情だった。

「聞こえなかった? それ、何 に 使 お う と し て た の ?」

今まで見たことのない表情で愛を見る麻琴。
その迫力に、圧迫感に、愛はガクガクと震え始めた。
いつも笑っている表情しか見たことのない愛にとって、今の麻琴は恐怖の対象となった。

「あ、あ…」
「あ? 何?」

何も言えない。 何も見えない。
どうしてだろう、こんなに好きな人なのに、
やっと相手から触れてもらえたのに、
こんなに自分を見てもらえてるのに、

どうしてこんなにも、麻琴が怖いと感じるんだろう。

周囲がざわざわと騒いでいる。
何に騒いでいる?
わからない。
今この場にいるのは…誰?













36 :chapter2 :2008/03/08(土) 01:33














「良かったねぇ愛ちゃん。 退学は免れて」


「これで小川さんは愛ちゃんを忘れられない人に認定されたでしょ」


「それにしても不運だねぇ。 ここに残っても何も出来ないじゃん」


「聞いてる? ねぇ、絵里の話聞いてないでしょ」

37 :chapter2 :2008/03/08(土) 01:33




ずっと、愛は寮の自室の窓から外を見ていた。
いや、見えてるのだろうか?
あれから愛は何も話さず、何も聞かず、何も反応しなくなった。
同じ部屋に住む絵里だけが愛の、一方的な相手をしている。



「小川さんの言うとおりだね。 ずるいことしたら全部自分に帰ってきちゃった」

彼女の目には何が映ってるんだろう?
もしかしたら、あの日、小春日和の昼のときに見た二人の少女が彼女の中で見えているのかもしれない。





38 :  :2008/03/08(土) 01:34
chapter2 end.
39 :ホワイ戸 :2008/03/08(土) 01:35
テラ遅い更新で申し訳ないでぃーす。
これくらいの更新と思っていただければ幸いです。
では、厚かましいですがレスです。

>>16さん
まこがきでしたー!
とりあえずこの二人書いてて何か作れるのかわかりませんでしたけどなんとか形になった…かは謎ですが
書いてて面白かったです。難しかったですけど。

>>17さん
ピヨっと泣いてなきゃマコじゃないです。ピヨピヨ

>>18さん
いい雰囲気を保てれるように精進していきます。
今回の更新でぶち壊してるように思えてなりません。本当に精進します



読んでいただき有難う御座います。
皆様のレスがとても暖かくて涙がちょちょぎれそうになったのは本当ですよ。
ではまたの更新で会いましょう。
40 :ホワイ戸 :2008/03/08(土) 01:36
∬*´▽`)人( ・e・)<…    …>(’−’ 川(^ー^*bリリ
41 :名無飼育さん :2008/03/13(木) 23:08
歪んだまこあいも素敵ですw
むあた先生も素敵
42 :名無飼育さん :2008/03/19(水) 12:59
ウホッモテまこだぁv(`∀´v)更新お疲れ様ですm(_ _)m
哀さん黒いよw
でも乙女なのねんww
亀井はテキトーだし、ある意味哀さんより黒いですね。
続きゆるりと待ってます。
43 :chapter3 :2008/05/01(木) 21:40


毎日毎日麻琴と対決(という名の練習)をしているとわかってきたことがある。
麻琴は最初の攻撃を仕掛ける時、素早く間合いに入って鳩尾に拳をぶち込む不利をする。
素振りなのはこれが本当の対決ではないからだ。 本当に攻撃を加えると里沙が数日腹痛で苦しむことになるからだ。

最近、本当に最近になって里沙はその攻撃をかわせるようになった。
だが二度目の攻撃で食らいそうになってしまう。
しかし里沙にとって攻撃をかわせることが出来たのは大きな進歩だった。
今まで食らうことしか出来なかった里沙が初めてかわすことが出来たのだ。
初めて攻撃をかわすことが出来た時、二人は戦いをやめて喜び合った。


「今度は相手がどういう行動を取るか予想する力を身につけなきゃね」


1つクリアできれば次もクリアできる、ガキさんは頑張って教えればできる子なんだ。
44 :chapter3 :2008/05/01(木) 21:40

里沙が闘うことを、麻琴が教えることを、楽しく思えて来たそんな時。


「二人とも仲がよろしくて結構ですねぇ〜」


いつからいたのか絵里が講義に使っている施設の窓から腕を出して見ていた。
前から黙って見ていたのかもしれない。 二人は練習に熱中していたからわからない。


「何の用?」
「察しがいいねぇ小川さん」
「あれから今の今まで話し掛けようとしなかったら誰でも不審がる」


そうあれから、麻琴が愛の爆弾を見つけ、周囲の物から先生に見つかって大騒ぎになった時、
あれから絵里の姿を見えても愛の姿は見えない。
最初は寮で謹慎でもしていると思っていた。 あれから一ヶ月、彼女の姿を再び見た者はいない。

45 :chapter3 :2008/05/01(木) 21:40


「今日は小川さんに頼みがあってね」
「頼み?」


絵里と対峙する二人が尚更不審がった。

あの日から愛と絵里の印象が大きく変わった。
といっても、麻琴にとっては二人とは親しい仲ではない。
里沙も同様だが愛の印象が重なって悪くなった。
手下のような存在の絵里にも似たような印象になった。


「あんたに頼まれるような仲じゃない」
「うわ、きっついなぁ〜。 素がそれなの? 小川さん」
「あんたらに、だけ」
「ふ〜ん。 そうなんだぁ」

46 :chapter3 :2008/05/01(木) 21:41


絵里はふと考える。

彼女はとても優しい。
だが、どうやら自分ともう一人には優しさを見せないようだ。
相手が警戒している以上、何言っても無駄、というわけだ。
しかし、彼女はとても優しい。


「ま、いいけどね。 愛ちゃんねぇ、あの時起こったことがショックだったみたいで精神不安定…
 ていうか、なーんにも反応しなくなっちゃったんだぁ。 まるで生きるマリオネット、みたいな」

「…自業自得でしょ?」
「実はねぇ…愛ちゃん、小川さんのこと大好きなんだよぉ?」
「は?」
「いくら反応しない人でも、好きな人を見れば反応するでしょ?」
「だから会えって?」
「絵里もう限界なんだよねぇ、二人いるのに独りの気分が。 だから気が向いたら…」
「行かないからね」


頑として揺るがない麻琴に絵里は肩をすくませた。


「はい。 絵里の独り言終了。 じゃあね二人とも」

47 :chapter3 :2008/05/01(木) 21:41


絵里の姿が見えなくなると里沙が口を開いた。


「行かないの?」
「どこに?」
「高橋さんのとこ…」
「行かないよ。 行く理由がないもん」


それに、目の前の女の子に向かって爆弾を投げつけようとする人に何の感情を抱けというのだろう?


「まこっちゃんがそう言うんなら、私は強く言わない。 でも…」
「? どうしたの? ガキさんはあの人嫌いなのに」
「高橋さんがまこちぃのこと好きっていうの、思う節がある」

48 :chapter3 :2008/05/01(木) 21:42


最後に会った日、彼女は私のポジションは自分のポジションだったと言っていた。
別にまこちぃのことは嫌いだなんて一度も思ったことはないけど、
もし恋愛感情を抱いてるとしたら私の立ち位置はその人にとってとても羨ましいものだと思う。


「あたしはあの人のことなんてなんにも思ってないから会う必要ないよね?」
「そ、そうだけど…」
「はい! じゃあこの話は終了! 練習再開!」


練習を再開してからの里沙は麻琴の攻撃を全部食らってしまっていた。







49 :chapter3 :2008/05/01(木) 21:42








日が落ち、夜が深くなる時、絵里は愛の隣に座っていた。


「愛ちゃん、残念なお話です。 絵里、小川さんにフラれちゃったよ〜」

「……………」

「気が向いても愛ちゃんには会ってくれないみたい。 誘い方が悪かったのかなぁ?」

「……………」


無反応の愛に絵里は観念したように肩をすくませる。


「あーあ。 これじゃあ周りから見たら独り言か寝たきり老人を介護してる人みたいだなぁ」


ぐーっと背伸びをすると今日の二人のことを思い出す。


「あーそっか。 思いついちゃった」

「ごめんね愛ちゃん。 でもこれも愛ちゃんと絵里のためだから許して?」


「……………」









50 :chapter3 :2008/05/01(木) 21:42










翌日、麻琴が教室の席に座って教材を机の中にしまおうとすると、カサ…と違和感のある音が中から聞こえた。


「紙?」


それを取り出す。 二つ折りのルーズリーフが出てきた。
中を開くと可愛らしい文字で
『放課後、爆弾実習で使った場所で待っています。』
と、書かれていた。

どういう手紙なんだろう?
差出人の名前さえ書かれていない呼び出しの手紙。
怪しいという言葉が先に浮かんでしまう。
これがラブレターならまだいい。
しかしラブレターをルーズリーフで書くなんて乙女チックゼロな人かツンデレぐらいだろう。

呼び出し場所。 裏庭とか呼び出しに最適な場所を選ぶのが普通だが、
あの場所は開放しているかよくわからない場所に呼び出すなんておかしいにも程がある。

それに、あそこはあまりいい思い出はない。









51 :chapter3 :2008/05/01(木) 21:43










放課後。 麻琴は呼び出し通り実習場に行った。 といっても入り口の前だが。


「待ちましたよぉ小川さん」


そこには意外な人物…でもないが絵里の姿があった。


「中に入れないのは計算外でしたけどまぁいいっか。 それよりぃ…この場所、覚えてます?」
「……………」
「覚えてないとは… 言 わ せ な い よ !」
「っ!?」


突然絵里が麻琴に向かって拳を突き出して来た。
それをとっさに避けるが麻琴の左頬には横一線に赤い線が入っていた。

絵里の拳から釘がはみ出てるのが見えた。

52 :chapter3 :2008/05/01(木) 21:43


「…汚いぞ」
「あー…古い釘だからバイ菌あるかもねぇ…傷が化膿したら大変!」
「…そういう意味じゃない」
「あはっ! ポリシーに反するって? そういうの、超ウザーイ」


ワザと頭に血が上る言い方をする。
そうすればいくら彼女でも挑発に乗るだろう。


「自分のポリシーを他人に押し付けることが一番ウザイよねぇ」
「あたしはそんな挑発に乗らない。 あんたと戦う理由もない」
「アレ? 絵里、またフラれるの?」
「そういうこと」


麻琴が絵里に背後を見せる。


「っ!!!」


「ねぇ寝てたの? 授業で敵に背後を見せるな、必ずトドメを刺せって言ってたの」


苦痛に歪む麻琴の表情。
背中には先程の釘が刺さっていた。

53 :chapter3 :2008/05/01(木) 21:44


「平和ボケしてるんじゃないの? 最近は新垣さんにお熱で」
「あ…くっ、はな…せ…ぇ!」
「無理して動かない方がいいよ? 傷が大きくなっちゃう」
「絶対に…ッ、行かない!」
「話がわかるね小川さん。 でもその選択肢は削除♪」
「ぅあああああああ」


背中に更に激痛が走る。
絵里が手をねじって釘を操っている。

クスっと笑うと絵里は麻琴の耳元に口を近づけた。


「ねぇ、愛ちゃんと会ってよ。 会うだけだからさ」
「嫌…だ…ぁ」
「うんって頷けばこんな痛い思いしなくていいのにさ、なんで頑固になっちゃうのかなぁ?」
「くぅ…っ」
「誰だって痛いのは嫌なんだから、この辺で素直になっちゃってよ」
「嫌だっつってぇ、うぅうううう!」
「ふーん…」

54 :chapter3 :2008/05/01(木) 21:44


バタッと麻琴の体が倒れた。
絵里の手には血に濡れた釘。

絵里は倒れている麻琴の背中に足を乗せ、体重をかけた。


「ぁああああああああああ!!」
「だ か ら 早く頷けよ。 ただ会えって言ってるだけじゃん。 その後はなんもしねーって」
「…狂ってる!」
「は?」
「あんたらは…狂って、る!」
「絵里が狂ってる?」
「友達のためじゃない…自分、のためにこんなことして…ハァ、あんたらは…狂ってる!」
「はあ…もういいよ。 小川さん、眠ちゃって?」


絵里が麻琴の首の後ろを殴ると麻琴は意識を失った。
麻琴の体に手を入れると絵里はふらついたまま立ち上がった。


「あーあ。 寮まで運ぶの辛いわ」











55 :chapter3 :2008/05/01(木) 21:45












あれから麻琴の姿を見ていない。
里沙は施設内をくまなく探すが麻琴の姿はどこにもなかった。


「ちぇ、練習ないならそう言ってよ」


里沙が諦めて寮に向かって歩き出す。

麻琴の性格からしてみれば、今日の練習はないならないとちゃんと伝えてくれるはずだ。
今まで練習がないということはなかったから不思議と思わなかったが、
今日、絵里の突然の登場で全てが怪しく思える。

嫌な予感がする…

里沙は次に絵里の姿を追うために寮に向かった。






56 : :2008/05/01(木) 21:45
chapter3
57 : :2008/05/01(木) 21:46
...next 3-2 ?
58 :ホワイ戸 :2008/05/01(木) 21:46
久し振りの更新で申し訳ないです。
現実世界が超忙しかったんです。言い訳ですね、すみません。


そしてまたも厚かましいですがレスしたいと思います。
読んでくれている方、小説に感想をくれる方がいてくれて本当に有り難いことだと思っています。


>>41さん
歪んだまこあいとかむあた先生とか初めて書いたので
当初はビクビクしながらうpしてました。
マナーのある方々で良かったと思っています。

>>42さん
ウホッいいモテマコ(すみません;
高橋さんって気付かないうちに悪いことしてるタイプだと思ったのでこういう悪キャラに…
ちなみにあいえりの関係は某ネコ型ロボット漫画のジャイアンとスネオだと思っています。


また更新が早かったり遅かったりとあるかもしれないですが
更新していたら読んでいただきたいなと思っています。
ではまたの更新で会いましょう。
59 :名無飼育さん :2008/05/02(金) 23:27
更新きた!!
高橋さんとえりりんの関係が何気に気になります。

次回も期待して待ってます。
60 :名無し :2008/05/03(土) 22:13
うぉ〜続きが気になる展開にワクワクしています。
次回も楽しみにしていますよ
61 :名無飼育さん :2008/10/14(火) 04:26
62 :名無飼育さん :2008/10/14(火) 23:01

63 :chapter3-2 :2010/03/26(金) 18:10


とても長い間、眠りについたような錯覚だった。

口の中はカラカラに乾いて
冷や汗やら寝汗やら区別できない汗が流れ
背中がとても熱く、とても痛い。


「…っ?」


目を微かに開けると視界がぼやける。
痛みを必死に堪えながら、目の前をはっきりさせようと目を大きく開けた。


目が覚めるとそこは見慣れた宿舎の一室だった。


しかし違和感を拭えない。
麻琴はすぐに自分の、里沙とのシェアルームでないことに気付く。

ここはいったい誰の部屋なんだろうか…?

辺りを見渡そうと体を起こそうとするが、すぐに背中から激痛を感じた。
そういえば亀井絵里に怪我されたんだっけ。
麻琴が動かなければわからなかった痛みだ。
64 :chapter3-2 :2010/03/26(金) 18:11

とりあえず痛みをこらえて、この背中の傷をどうにかしたい。
医務室に行こうと立ち上がった時、麻琴は思わず身構えた。

誰かがいる気配はする。
しかしそれは動く気配を感じられない。
危険とか邪悪とか、そういうものも感じられない。

ひとつしかない窓の近くでベッドに座ったまま外を見続ける人がいた。
麻琴のことは興味がないのかずっと外を見ている。
授業が終わってから昼寝でもしていたのかパジャマ姿だ。

それにあの髪形、どこかで見たことがある。
ストレートで、触ると手からこぼれてしまう砂のような
サラサラとしそうな質感の髪の毛。

もしや…

麻琴はある人物の顔が浮かんだ。
気を失う前に会っていた絵里の要求に出てきた人物。


「…高橋……さん?」


恐る恐る呼びかけてみるが相手は一向に振り向いてくれない。

麻琴は最初、自分のことに気付いていないのかと思い、
彼女の視界に入ってみたが彼女の顔を見てその考えは撤回した。

65 :chapter3-2 :2010/03/26(金) 18:11


まるで生きていないかのように見えた。
無機質な感じは彼女のことだった。


思わず肩に触れてみた。 体温はちゃんとある。
愛の顔の前で手を振ってみたが、彼女は表情も振り払う手も出さなかった。


「なんなんだよコレ…」


亀井絵里がさせたかったことは今こうやって実行されている。
しかし彼女の目的の高橋愛は全く小川麻琴に反応しないではないか。


「どうしろと…?」


とりあえず背中の傷のことを考え、目の前の人物から離れて出口に向かった。
ドアを開けようとした時、部屋の外から話し声が聴こえた。






************






66 :chapter3-2 :2010/03/26(金) 18:12


「何してるの?」


小川麻琴をやっとのこと部屋に運んで、
実習場の前にあった小川真の血痕を洗い流してから
部屋の前で一息ついていたら今度は厄介な人物に声をかけられた。

幸運なことにこの道すがら、麻琴を運び入れるのも含め
誰にも声を掛けられなかったのに。
ある意味、運がない。


「見てわからないかなぁ? 座ってるんだよぉ」


見張る意味もあってね。
彼女の傷口は小さいが、あれだけの傷をぐちゃぐちゃに掻き回してしまえば
体の動作は遅くなるし、こちらの方も有利に対処できる。
ま、これも授業の受け売りなんだけど。


「まこちぃ知らない?」
「この廊下では見かけてないよぉ」


自分でも笑ってしまうほどの嘘つきだなあ。
思えば私の人生、嘘で固められてるな、と絵里は自笑し、ため息をついた。

67 :chapter3-2 :2010/03/26(金) 18:12


「なんかあったの?」


絵里が探し人・新垣里沙に聞くと一瞬固まった。
だが何かを決心したのか里沙は絵里をキッと見てから口を開いた。


「私たちいつもは放課後で対決の練習してるんだけど、
 いつもの場所にまこちぃが来なかったの。
 いつまで待っても来なかったから施設の方を探して…いなくて。
 で、具合悪いから先に帰っちゃったのかなあって思って
 自分達の部屋を見に行ってもいなかったから心配で…」

「そうなんだぁ… あ、医務室は?」


とりあえずこの厄介な虫を払いたい。
バレたら追求されるのがオチだし。

里沙は絵里の言うことに何も思わずに話を進める。


「あ、見に行ってない…行ってくる」
「うん。 見つかるといいね」


さて、医務室に行ってもあなたの大好きな小川麻琴ちゃんはいらっしゃるでしょうか?
落ち込んで医務室を出る里沙を想像して絵里は小さくククッと笑った。

68 :chapter3-2 :2010/03/26(金) 18:13


ドンッ!

「ぅあっ」


突然後ろから衝撃があった。

お目覚めですか。
でも出してあげないよ。
愛ちゃんが目覚めるまでは。
眠り姫はもう一人いるんだ。
絵里じゃダメなんだ。
君じゃないと。
小川麻琴じゃないとダメなんだよ、あの子は。
絵里がどんなに声をかけても目覚めてくれなかったんだもん。


ドンッ!ドンッ!


しつこく鳴る汚いノック。
ドアを開けないように絵里が耳を潜ませても愛の声は聞こえない。

ダメダメ。
ちゃんと起こしてよ。
愛ちゃんの世界には絵里はいないんだから。
いてもミクロの世界? それぐらいの価値しかないんだから。
愛ちゃんの全てが君なんだ。
69 :chapter3-2 :2010/03/26(金) 18:13

わかる? 絵里の気持が。
どんなに思っても彼女には届かないんだ。
彼女の世界は君で廻ってるんだから。
最初から太刀打ちできない相手をライバルにしちゃったから。
君は覚えてないんだろうね、初めて愛ちゃんと出会ったことを。
一方的にライバル宣言されてそのあとは対決もしないんだもん、
そりゃ忘れてると思う。

だから愛ちゃんは躍起になって君を目で追いかける。
君の視線の先はいつも新垣里沙がいた。
ねえ、知ってた? 絵里、これでも二人のこと羨ましいと思ってるんだ。
二人ともお互いを高めあって求めあって、成長してる感じ。
絵里達にはそんな青春ドラマよろしくな展開は想像できないしあり得ない。



ドンッ!!!



「あのさぁ…あんだけ痛い怪我してんのによくそんな力強くドア叩けるよね。
 それにここ一応絵里達の部屋なんだけどぉ…」


小さい隙間を開けて中を見ようとしたら絵里はドアに勢いよく弾かれた。
麻琴がわずかな隙間でも構わずドアを押してきたのだ。

70 :chapter3-2 :2010/03/26(金) 18:14


「ちょ、ちょっと…」
「高橋さんに会った! それだけでいいっつったのオメーだろ!!」
「で、その愛ちゃんは? 何か反応はあったわけぇ?」
「ない! とりあえず医務室に行かせろ!」
「え…なんでぇ!?」
「知らないよ! あたしじゃどうにもできないよ、医者じゃあるまいし!」


絵里が愕然としている。
どうやら予想と反して残酷な結果になったらしい。
ドアの前でそんなことをされては麻琴にとってはただの邪魔な物にしかならないのだが。

すると廊下の先からバタバタと騒がしい足音が聞こえた。
覗いてみると里沙だった。
絵里の部屋から首をちょこんと出すようにして顔を出している麻琴の姿を確認すると
今度は怒りを露わにしながら走ってきた。


「ま、まこちぃ!? ちょっと!どういうことぉ!?
 さっき言ってたのとまるで違う……って人の話聞けぇえい!!」


麻琴に劣らず絵里に向って怒る里沙。
当の絵里はいまだ動揺していて話を聞いていない。

71 :chapter3-2 :2010/03/26(金) 18:14


「ガキさん、お願いがあるんだけど…」
「ていうかまこちぃ! どういうことなの!?」
「こいつが復活してからとことん追求しよ。 あたし怪我してるんだ」
「え、どこどこどこ!?」
「ん。」


麻琴がゆっくりとした動作で背中を見せた。
着ているTシャツ一面にそこだけ赤い絵の具がばらまかれたかのように血が滲んでいた。


「ななななな、誰がっ!?」
「こいつ」


麻琴が絵里を見下した。
里沙はすぐに理解すると、血に濡れるのも構わずに麻琴の脇の下に手を入れて医務室へ向かおうとした。


「こんなのおかしいよ! なんで愛ちゃん起きないの!?」


やっと正気に戻ったのか絵里が立ち去ろうとしている二人に向かって怒鳴った。


「…ズルすると全部自分に返ってくるからだよ」


いつか麻琴が言っていた台詞を里沙が絵里に言い放った。
絵里はまたショックを受けたような表情をした。

72 :chapter3-2 :2010/03/26(金) 18:15


「だってだって…!」
「だったらなんで素直に頼まないの? 助けてほしいならなんで素直にそう言わないの!」
「絵里は…そんなっ」


「友達なんでしょ!?
 大事に思ってるなら素直に言ってくれれば、まこちぃもすぐに行ってくれたのに…
 こんな汚いことして…最低!!」


「っ………!!」


「いこ、まこちぃ…」
「…ぅ、うん」


里沙がこんなに怒ってるのを、麻琴は初めて見た。
あんなに怒られてる絵里を見るのも初めてだが…












73 :chapter3-2 :2010/03/26(金) 18:16


「さっきからうるさいんやけどあんたら」


ん?、と里沙と麻琴が歩みを止める。
この独特の訛った口調、久し振りに聞いた。
二人して後ろを振り返って見ると部屋の前には
呆然と何かを見て驚いている絵里と
明らかに機嫌の悪そうな高橋愛の姿があった。

絵里が二人の方を見る。
心底嬉しそうな笑顔だった。


「ぁ…愛ちゃん!!」


ガバッと立ち上がる絵里。
すぐに愛の前に立った。

残された二人は目を合わせた。
何が起きたのかわからない、ただ眠り姫が自力で眠りから覚めた。


「愛ちゃん!! ねぇ、絵里だよっ? わかる!?」


愛の肩を揺らして自分の存在を猛アピールする絵里。

それを見て、麻琴はやっと理解した。
自分のためじゃない、あの子は彼女のためにあたしを使ったんだ。
あたしがガキさんのために頑張るように、亀井絵里は高橋愛が大事だから頑張ってあたしを…
74 :chapter3-2 :2010/03/26(金) 18:16

絵里の真意はわかった。 だが麻琴には思う節があった。

もっと違うやり方があるだろうが。

だが、それが彼女の不器用なやり方なのかも。


「…絵里。 麻琴は…?」


この数週間見てきた色のない瞳とは違う、生きた輝きのある瞳がそこにはあった。


「あ…愛ちゃん!!」


思わず抱きしめてしまった絵里だが、目の前の彼女はぐいっと絵里を押しのけた。
そこが彼女らしいと言えばらしいのだが、今まで看てきた絵里にとっては寂しいと思ってしまう。


「さっきまで一緒にいてくれた記憶があるんやけど…なんやったんやろ…? 夢かなあ?」


やはり彼女が一番に大事と思ってしまうのは麻琴なのである。
思わず里沙が「亀井さん、かわいそう」と呟いている。 右に同じくである。

75 :chapter3-2 :2010/03/26(金) 18:17


「あ、あのね? 小川さんは今、ちょっとした怪我をしちゃってて今はぁ…」
「誰やぁ! んなことしたんは!! 絵里、はよ見つけぇ―」
「絵里、なんだけどぉ…」


絵里は二度痛感した。
ズルをしたら全部自分に返ってくる。


はたから見ていた二人は愛と絵里の再会のシーンを謎に思っていた。

なんなんだろぉ。
最初はお涙頂戴で始まって最後に、
「私を見守ってくれたのね? あなたは最高のパートナーよ!」
と、終わるのかと思ったら
当の本人は当たり前だがそれまでのことは覚えてなどおらず、
麻琴がいたことはちゃんと覚えてるという…


とりあえず顔を出した方がいいのか?
麻琴は自分の足で愛に近寄った。


「あっ! 麻琴っ!?」
「…おはようございます」
「夢やえんかった! 麻琴が近くにおった!!」


こんなに表情を出して喜んでいる愛を見たのは初めてだった。
いつもはすかした顔して他人を見下して歩く悪い優等生に見えた彼女が、
何かが変わったのか感情を表に出している。

76 :chapter3-2 :2010/03/26(金) 18:17


「愛ちゃん。 とりあえず今は小川さんを医務室に…」
「ほ、ほうやね! 怪我しとるんやろ? 大丈夫か?」
「大丈夫じゃないから医務室行ってくる…」


そう言うと麻琴は離れようとするが一旦振り返ってこう言った。

「後のことは亀井さんから事情聞いて」

そして亀井は痛めつけられろと心に思いながら近くに来ていた里沙にもたれかかった。


「ちょ、まこちぃ、重いよぅ」
「もう立ってるのも限界なんだってばぁ…あぁ〜眠くなってきたぁ」
「えっ!? は、早く行こう!?」





私がまこちぃを探し回っている間、何があったかはまこちぃが回復してからに聞こう。

私達には時間がたっぷりあるんだから。
77 : :2010/03/26(金) 18:18
chapter3-2 end.
78 :ホワイ戸 :2010/03/26(金) 18:20
すみませんすみません更新遅れてすみません
半端ないおそーい更新ですみませんんんん
次回どうなるかさえもわかっておりませんんん

とりあえず更新でした
79 :名無飼育さん :2010/04/02(金) 18:06
頑張れ!

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