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おとなのむすめしょうせつ。

1 :名無飼育さん :2008/12/15(月) 00:42
             @
             ヽ|/
     ∞     ノノハヽ
      `ヽ   (・ 。.・ 从
           O┬O )
           ◎┴し'-◎ ≡
3 :部屋とYシャツと俺と妹 :2008/12/15(月) 00:44
「ねえねえお兄ちゃん遊ぼうよぉ」
そう言いながらドアを蹴って部屋に入ってくるのは我が妹。
別にやましい事をしていた訳じゃないが
プライベートに土足で踏み込まれたようであんまり良い気分じゃない。
「ノックくらいしろよ」
「したもーん。お兄ちゃんが気づかなかっただけでしょ」
そう言いながら妹のまどかは俺のステレオに近づき
ヘッドホンのジャックを引っこ抜く。その瞬間、
爆音で聞いていた音楽が狭い部屋中に鳴り響く。

「やめろよ。またお隣に怒られるだろ」
「じゃあさ、一緒に聞こうよそれ」
まどかがニヤニヤしている。
「今日どこ行ってたの?お兄ちゃんのくせにバイト以外で外出するなんて
よっぽど大事な用だったの?」
「うるせえ」
「さっきのアイドルの曲買って来たんでしょ?」
「消えろ」
「アマゾンに無いようなマニアックな曲なの?」
無視してまたヘッドホンを耳に付けようとする俺の手をまどかが掴む。
「離せよ」
「やーだ」
まどかの手が俺の手に絡みつく。
俺は反射的にまどかの手を振りほどいた。
その拍子にまどかがどんどり打って床に倒れこむ。
「あ…わりい」
「いたたた…今日なんだか変だよお兄ちゃん」
悲しげに俺を見るまどかの目が潤んでいた。
4 :部屋とYシャツと俺と妹 :2008/12/15(月) 00:44
俺達は早くに両親を交通事故で亡くしそれからふたりで
手と手を合わせて一生懸命生きてきた。
それなのに今日はその妹の手を拒否してしまった。
理由はある。だがそれはとてもじゃないがまどかには言えなかった。
今日の真野ちゃんの握手の感触を消したくないなんて。

両親を失いそれからは残された遺産をなんとか働くまで
残そうと爪に火を灯すような生活をしていた。
貧乏。俺たちにはそんな言葉がお似合いだった。
今はバイトもしていて以前よりは服や音楽や食べ物に
気を使えるようになった。CDも買うようになった。
そして俺の前に現れたのが真野ちゃんだった。
お金持ちの令嬢。自分とは住む世界が違う存在。
分かっていても俺は真野ちゃんに惚れた。恋をした。
真野ちゃんの温かく柔らかな手のぬくもりはきっと明日には
都会に降る雪のように消えてしまうだろう。
それならそれでもいい。今日だけは真野ちゃんの歌を聞いて
真野ちゃんの顔を思い出して真野ちゃんの感触を味わうのだ。
5 :部屋とYシャツと俺と妹 :2008/12/15(月) 00:44
「まどか、もう自分の部屋に戻れ」
床に伏せたまま起き上がらないまどかを足先でツンツンする。
まどかは何も答えない。あ、ヘッドホン付けてた。
外してみて驚いた。まどかが小さく呻いていたのだ。
「お、おい」
肩を掴んで仰向けにすると苦しそうに汗をかいている。
「ま、まさか古傷が!」
言い忘れていたが交通事故で両親を失った時、
運悪くまどかも居てその時、足を捻挫していたのだ。
「お…お兄ちゃん駄目…起こして」
まどかが俺に向けて手を伸ばす。俺はその手を握った。
真野ちゃんの事なんて忘れて。
「引っ張るぞ」と俺が言った瞬間だった。
逆に引っ張られ体制を崩した俺は妹の上に倒れ込んだ。
6 :部屋とYシャツと俺と妹 :2008/12/15(月) 00:45
「な、何すんだよ…まど…」
「ねえお兄ちゃんいかないで。まどかの知らないところに」
泣いていた。きっと怖かったのだ。
唯一の肉親である俺が知らないところで変わっていき
やがて自分から離れて行くんじゃないかって。
俺はそっとまどかの髪を撫でた。
「ごめん…言うよ。俺…今日…真野ちゃんのイベントに」
「わかってる」
そう言ってまどかは俺の背中に腕をまわし抱きしめた。
「お兄ちゃんの事はまどかが一番知ってるんだから」
「ごめん」
「謝らないで。ねえ真野ちゃんの握手はどうだったの?」
「…え?そりゃもう」
思いだしてついニヤニヤする俺に妹から
「スケベ」というキツイ一言と冷たい視線を頂いた。
7 :部屋とYシャツと俺と妹 :2008/12/15(月) 00:45
「真野ちゃんはピアノ弾くしきっときれいな手なんでしょ?それに比べて…」
まどかは悲しそうに自分の手を見た。
冷たい水仕事でしもやけになって赤く腫れていた。
「カサカサでこんなの女の子の手じゃないよね」
自虐的になる妹と口を俺は口で塞いだ。

「ん、おにい…」
「真野ちゃんの握手も確かに良かったよ。でも俺は…
お前のその手が一番好きなんだよ!」
俺はぎゅっとまどかの手を握った。
「お兄ちゃん…手の柔らかさじゃ勝てないけど…」
まどかは俺の手を胸のほうに導いた。
「お、おい」
「キスしてきたのお兄ちゃんでしょ?いいよ…触って」
8 :部屋とYシャツと俺と妹 :2008/12/15(月) 00:45
実は俺は玄人素人問わず完全に童貞であって何が言いたいかと言うと
こういうシチュエーションは苦手なのであってきっと妹の生意気な
おっぱいは真野ちゃんの手の柔らかさなんで忘れてしまうような
柔らかさで俺はもう限界だった。

「まどかああああああ」
俺は遠慮無くまどかの胸に触れた。思ったより硬い。
この年頃の子のおっぱいはパンパンに張って柔らかくないと
2ちゃんねるで聞いたがここまで硬いとは。
「ねえ…直接触ってみて」
俺は誘われるがままに手を服の中に入れた。
そこにはラララソソソが入っていた。

「うえ?なんでこんなところにラララソソソがあんの?」
「えへへ。お兄ちゃんの後、つけちゃった」
「もしかして今日のイベントの様子…」
「うん。握手のあとにやにやって笑い過ぎだよ。
だからいつまで経っても童貞なんだよ。気持ち悪い」
気持ち悪い。そう罵られた瞬間、俺のちんちんからドドドと出た。
9 :部屋とYシャツと俺と妹 :2008/12/15(月) 00:45
おわり
10 :部屋とYシャツと俺と妹 :2008/12/15(月) 00:46
ごめん今の無し
11 :青春の終わり :2008/12/15(月) 23:51
青春の終わり
12 :青春の終わり :2008/12/15(月) 23:51
寺の後継ぎとして生まれた僕だったが実際のところ
普通の子供と変わりはなかった。
別に坊主にする必要は無かったし同級生と同じように
勉強もせずに遊び呆けていた。
年ごろになって色気付いた僕は恋をした。
それまで甘やかされて育てられた僕だったが
初めて思い通りにならない事が起こった。
どんなに足掻いても僕は大好きな彼女に触れる事すら出来ないのだ。
よっちぃ。

抑えきれない衝動を抑える気なんて全くなかった。
金で女の身体を買った。恥ずかしい事だとは思わなかった。
僕はよっちぃを忘れようと他の女を求めた。駄目だった。
そうすればそうするほどよっちぃで胸がいっぱいになるのだ。
13 :青春の終わり :2008/12/15(月) 23:51
月日が流れた。
僕は大学生となり後継ぎとなるために修行する事になった。
周囲は当然長男である僕が後を継ぐものだと思っていた。
だが僕はNOと言った。
坊主なんかにはならない。それが僕の答えだった。
「どうしてだ?何があった?」
祖父は困った顔で僕に聞いてきたが僕の気持は変わらない。

「ねえお兄ちゃんお寺どうすんのよ?」
妹が血相を変えて僕の部屋に飛び込んできた。
「ノックくらいしろよ」
「したいけど障子破れちゃうじゃん」
「ああ、そうだな」
これだから寺なんて嫌なのだ。鍵もかけられない。
「お兄ちゃんが後を継がなきゃ大変な事になるんだよ」
わかってる。これは僕や家族だけの問題じゃない。
檀家や宗派など考えただけで嫌になるほどの人が関わってるのだ。
しかしだからと言って僕は気持を曲げる気はない。
妹にそう言った。妹は大きなため息を吐いてから呟いた。
「そんなにイベントが大切なの?」
「な、なんでお前…」
14 :青春の終わり :2008/12/15(月) 23:52
よっちぃへの思いが爆発し横道に逸れた結果
僕はアイドルのイベントにはまってしまった。
DVDを買うだけでかわいい巨乳のアイドルが握手してくれる上に
写真まで撮らせてくれるのだ。
いつかよっちぃと握手する時に戸惑わないように
女の子に自分を慣らせておくのだ。
問題はそのイベントは土日が主なのだ。

もし住職になってしまったら土日は忙しくなってしまう。
法事は土日に行われる事が多い。
もしよっちぃのイベントと重なってしまえば終わりだ。
それに気づいた時、土日祝日が休みになるサラリーマンに
なるべきじゃないかと思ったのだ。
15 :青春の終わり :2008/12/15(月) 23:52
「お兄ちゃん見損なったよ。私、お兄ちゃんの事信じてたのに…」
妹の眼には涙がにじんでいた。
僕は直視出来なかった。
「おじいちゃんみたいに立派な住職になるって言ってたじゃない!
そのために今まで不犯を…セックスしないで童貞を貫いてきたんでしょ!」
「くそぅ!お前に何がわかる!」
「きゃー」
かっとなって僕は妹を押し倒した。
「童貞じゃないってのを証明してやるよ。お前の身体で」
「ちょ…やめてお兄ちゃん…冗談でしょ…」
僕は袈裟を脱ぎ棄て丸裸となった。
妹は僕の下半身を見てにやにやしている。
「どうしたの?そんなちんちんで何が出来るの…」
「くっ。お前の身体がガキ過ぎて駄目なんだよ馬鹿」
そう言った瞬間僕ははっと気づいた。
自分がいつの間にか巨乳好きになっている事に。
16 :青春の終わり :2008/12/15(月) 23:52
「俺…もうよっちぃの事…」
薄々は気づいていた。よっちぃで抜けなくなっている自分に。
巨乳アイドルDVDか2次元萌え漫画でしか抜けない自分に。
涙が勝手に出てきた。あれだけ好きだったよっちぃはもう
巨乳アイドル以下の存在になっていたのだ。

もう僕の青春時代は終わったのかも知れない。いや終わった。
もうよっちぃのために土日を空けておく必要はないのだ。
「なあやっぱ住職になるよ…決めたよ」
「お兄ちゃん…」
巨乳アイドルイベントも行けなくなるだろう。
でももう充分だ。充分僕はイベントに行った。

「お兄ちゃん。これ良かったら見てみて」
妹はそっと何かを差し出した。DVDだった。
「ポッシボー?Aチーム?」
「そのはしもんって子いいでしょ?」
「ああ…嫌いじゃない。でももうイベントは…」
妹はにやにやして何かを差し出した。紙だった。
「12月の石丸電機イベント?ポッシボーが連日?なんだこれ?」
「平日でも会えるアイドル。それがポッシボーよ」
妹はじゃあねと言って部屋から去った。
はしもんか。新しい青春時代が始まる。僕はそんな気がした。
17 :青春の終わり :2008/12/15(月) 23:52
おわり
18 :名無し募集中。。。 :2008/12/21(日) 20:33
ちょっとウケたw
19 :居候 :2009/03/09(月) 20:45
居候
20 :居候 :2009/03/09(月) 20:46
会社をクビになった。
色々探してみたのだが自分好みのまともな就職先が
見つからないので仕方なく派遣社員をしていたが
それさえクビになってしまった。
住み込みの仕事だったので仕事と同時に家まで失ってしまい
僕は実家に帰るかホームレスになるかという状況に追い込まれた。
だがしかし僕はそのどちらも選ばなかった。
なんとか古くからの知り合いに頭をさげてしばらくの間
住まわせて貰う事にしたのだ。

飯島君は僕と同い年で大学で知り合った。
はっきり言って要領が悪く頭も良くない人間で人の好さだけが
唯一のとりえと言って良い男だ。
しばらく会ってなかったので初日の夜は飯島君の部屋で
鍋をつつきながら現在の状況や大学時代の話をした。
「へえ、課長になったんだ?」
「うん。まあ同期にはもっと早くなった人も居るし」
大した事無さそうに言う飯島君だったが彼が出世するなんて
想像も出来なかった。どうせ大した会社じゃないんだろと思ったら
僕が知っているくらいの会社だったので2度驚いた。
そう言えば飯島君にはさほど興味がなかったので
話は聞いていたので勤め先までは覚えてなかった。
21 :居候 :2009/03/09(月) 20:46
飯島君は僕と同じハロプロヲタだった。
当たり前の事だがどちらも最初はコンサにたまに行く程度の
ヲタだったが僕はどんどんハロプロにはまっていった。
終いには有休を使ってコンサに行ったりそれを使い果たしたら
仮病を使ってでもイベントに行くようになった。
そして社会的信用を失い会社を首になった。

見ると飯島君の部屋にはそれらしき形跡はなく
ハロプロなんてもう興味を失っているようだった。
当たり前だ。普通の人間は毎日仕事に追われて忙しいのに
アイドルなんかに構ってる時間なんて無い。
22 :居候 :2009/03/09(月) 20:46
鍋を食べ終わり、飯島君は手早く皿を洗って戻ってきた。
僕は「この部屋には何も無いね」と言った。
飯島君は「そうだね」と素っ気なく言った。
目の前に置かれたインスタントのコーヒーの匂いを嗅いで
いつもの癖で懐から煙草を取り出そうとしたがなかった。
生憎お金がなくてここ1ヵ月切らしていたのだ。
飯島君は煙草は吸わないのだろうか?
もし仮に吸うのなら1本欲しいのだが。
コタツの上には灰皿なんて気の利いたものはなかった。
壁は眩しいほどに真っ白でポスターなんて1枚もなく
猫のカレンダーがテレビの横にかけてあるだけだった。

「この家って家賃いくら?」
「派遣社員をひとり雇えないくらいだよ」
「そうか。えっと今は部長だっけ」
「課長だよ。まあ来年にはそうなってるかも知れないけどね」
僕は羨ましかった。僕と同じか下くらいの存在だった彼が
人生で一定の成功を収めようとしている事が。
もちろん出世が人生で最も大切な事ではないと分かっているけれど
僕には得られなかったそれを飯島君が得ている事が
僕にはただ羨ましくて仕方なかった。
テレビには里田が映っていた。
「里田売れちゃったね」
「そうだね。売れるとは思わなかったよね」
僕には飯島君が里田のように見えた。
23 :居候 :2009/03/09(月) 20:47
「ねえ、どうすれば飯島君みたいになれるかな」
「君がかい?」
うん。僕は真剣な面持ちでうなずいた。
僕は変わりたかった。腐った人生を変えたかった。

飯島君はわかった教えてあげる。と言って慣れた手つきで
リモコンを操作してDVDを再生し始めた。
途中から再生されたそれには安倍なつみが映っていた。
「なに、これ?」
「天使だよ」
なっちの肌の感じから察するにどうやら最近のDVDらしかった。
24 :居候 :2009/03/09(月) 20:47
「なっちと本当に出会ってから僕は変わった」
なっちの事を思うと辛い事も楽しくなるしなっちの事を思うと元気になれる
なっちの事を思うと自然と笑顔になれるし仕事も成功するんだ。
飯島君は熱っぽく語った。
「ははっ。もしかして宝くじに当たったりするのかい?」
「もちろん。今のところ最前が二桁くらいかな?」
「そいつはお宝だな」
「そうだろ。良い物を見せてあげるよ」
さっと飯島君は立ち上がり壁に手をやるとファサっと
音がして壁紙が捲れて落ちた。

「…なっち?」
「ああ。よく考えると隠す必要はなかったね」
壁一面になっちのポスターやら写真が貼られていた。
そのどれもが絵にかいたような笑顔で僕は少しめまいがした。
「驚いたかい?」
「うん。壁が白すぎると思ってたんだ」
「わかるかい。なっちには白が似合うからね」
僕は何も言わずにコーヒーをすすった。
なっちがテレビの中で知らない曲を歌っている。
僕はもうなっちにはそれほど興味はなかったけれど
愛しき人よそばにきてというサビの歌を真剣に聞いた。
横で飯島君が泣いて聞いているのが目に入らないように。
25 :居候 :2009/03/09(月) 20:47
「君は本当になっちが好きだな」
DVDのエンドロールが終わって泣きやんだ飯島君に言った。
「なっちは人生に大切な全てを僕に与えてくれたんだ」
「でも彼女居ないんだろ」
痛いところを突いてやったつもりだった。
まさかなっちが彼女だとか馬鹿な事は言わないだろう。
飯島君はにやりと笑った。そして次の瞬間音を立てて壁が裂けた。
「こら!居ないのはお兄ちゃんでしょ!」
「恵美!なんでここに!」
「恵美ちゃんもっと言ってあげて」
「童貞のくせにお兄ちゃん生意気よ!」
わけがわからなかった。どうして壁紙を破って妹が出てくるのか。
そもそもどうしてここに僕の妹が居るのか。
26 :居候 :2009/03/09(月) 20:48
「もしかしてお前、飯島君と付き合ってんのか?」
「だったら何?お兄ちゃんに関係ないでしょ?」
関係なくはない。もしふたりが結婚したら飯島君と
兄弟になってしまう。そしてこの家に居候しにくくなる。
「黙れ恵美!」
僕は恵美を押し倒した。
悲鳴をあげようとする恵美の口を押さえつける。
「お前を飯島君の目の前でムチャクチャにすれば
飯島君はお前を捨てるし僕だって童貞を捨てられる!」
そうなれば飯島君は彼女がいなくなるから
僕は飯島君に負けないで済む。
「助けて飯島君!お願い!」
「いや、でも…なっち以外の女の人に触るわけには…」
なんだ飯島君も童貞だったのか。
僕は妹から離れ飯島君とがっちり握手した。

27 :居候 :2009/03/09(月) 20:48
おわり
28 :居候 :2009/03/09(月) 20:48
>>18
ちょっとか
29 :あっきゃん :2009/07/14(火) 04:46
あっきゃん
30 :あっきゃん :2009/07/14(火) 04:46
田舎から出て来て僕は小さな印刷会社に勤め始めた。
給料は安いし仕事も面白いとは言えなかったが右も左も
わからない田舎者の僕を受け入れてくれたこの会社には
感謝しても感謝しきれない。
仕事は週5日。基本的に土日は休みだ。
仕事を始めた最初の時期は日々の仕事に疲れ果てて
土日は泥のように眠って過ごしたが仕事に慣れて来た今では
先輩と遊びに出掛ける事が多くなってきた。
先輩の御手洗は飲む打つ買うなんでもする遊び人で
僕はせっかく頑張って得た給料の殆どを御手洗との遊びで
使い果たしていた。

「おい、長次郎明日どうだ?」
僕はちょっと無理っすと答えた。
予定はないがそれ以上にお金がないのだ。
僕がそう言うと御手洗は3千円くらいあるだろと言った。
確かにそのくらいはありますけど。じゃあ決定だな。
何をするんですか。決まってるだろ女だよ。
え?3千円で?安いっすね。馬鹿。そんな安くねえよあっきゃんは。
あっきゃん?なんすか?いいから行くぞ。明日難波な。
御手洗は強引に明日の僕の予定を決めてしまった。
31 :あっきゃん :2009/07/14(火) 04:47
僕が予定の5分前に本屋の前に着くと御手洗はもう待っていた。
「今日はオシャレっすね」
「当たり前だ。あっきゃんだぞ」
僕はまだあっきゃんとは何か教えて貰ってはいない。
御手洗は高卒で今の会社に勤めたので僕よりも4年くらい
長く印刷業界で働いている。
元々僕は本好きで本が友達みたいな人生だった。
なので御手洗のような人間と関わる事になるとは想像もしなかった。
彼はせわしなく煙草を吸っている。
僕はなんとなく本屋の自動ドアに貼ってあるビラを見た。
ポッシボーの秋山ゆりかサイン会と書いてあった。しかも今日だ。
やっと僕はあっきゃんが何者なのか理解した。

「あっきゃんベーですか」
僕が御手洗に言うと御手洗はなぜか舌打ちした。
何が気に障ったのか僕にはわからなかった。
僕はそのビラを見た。酷い解像度のカラーコピーだ。
あっきゃんと思わしき水着を着た女の写真があるが
これではかわいいのかどうかもわからない。
僕は御手洗が不機嫌なのではなく緊張している事のだと
ようやく気付いた。
「あっきゃんはかわいいんですか」
御手洗はあっきゃんだぞ?と言ってはにかんだ。
どうやらかわいいらしい。
32 :あっきゃん :2009/07/14(火) 04:47
しばらくして店は開き僕らはまだ準備の整っていない店内を
走るように歩きレジであっきゃんべーをくださいと言った。
店員は淡々とイベント内容を説明してくれた。
そして3千円と引き換えにイベント参加券をくれた。
御手洗は近くのたこ焼き屋でたこ焼きを買い僕にくれた。
そしてあっきゃんについて話し始めた。
なんでも初恋の人に似ているらしい。

それからしばらくしてイベントが始まった。
御手洗は俺が先にあっきゃんとするからお前は見とけと言った。
僕はわかったと言ったけどよくわからなかった。
まあ御手洗の真似をして適当に話せばいいだろう。
それにしても知りもしない女の子と何を話せばいいのだろう。
ファンですと言えばいいかも知れないが3千円も払うんだから
ファンに決まってるし逆にファンじゃないけど来たと言ったほうが
正しいし話も弾むかも知れない。
33 :あっきゃん :2009/07/14(火) 04:48
そうこう言っている内に列は進みあっきゃんとやらが見えてきた。
中肉中背の切れ長の目をした黒髪の女。
僕は御手洗の初恋の人がどんな顔なのか知った。
御手洗と話そうと思ったが御手洗は僕が後ろに並んでいる事を
すっかり忘れているようだ。あっきゃんとやらを睨むように見ている。
御手洗の番になり彼は小走りであっきゃんの前へ駆け寄った。
そしてあっきゃんに向かい独り言をいや本当にそんな感じだったのだ。
彼はあっきゃんに電車の話をし始めたのだ。
彼が電車好きなのは知っていたし僕も時々その相手もした。
だがそれをあっきゃんとやらにするとは思わなかった。

あっきゃんは椅子に座り写真集にサインをしながら
その電車の話を聞き流している。時々相槌を打つのだがそれが酷い。
へー。あーそうなんだ。知らなかった。
僕は御手洗に連れられて何度か行ったキャバクラを思い出した。
心のこもっていない対応に僕は怒りすら感じた。
御手洗は素人童貞で博打で借金を作るような馬鹿だけど
仕事はちゃんとするしこのイベントを楽しみにしていたのは
僕にだって伝わってきた。なのにこの対応はなんだ。
僕はあっきゃんをギャフンと言わせなければならないと思った。
34 :あっきゃん :2009/07/14(火) 04:48
そしてイベントが終わった。御手洗は放心している。
嬉しいのか悲しいのかは僕には判断出来なかった。
僕らは無言で近くの金竜と言うラーメン屋に入った。
「どうだった?」
僕の質問に彼は答えないで麺を啜った。
「僕の感想を言ってもいい?」
彼は答えなかった。でも僕は自分の意見を述べた。
「もっと楽しいものかなと思ってたよ。なんだあの対応は」
「あっきゃんだぞ?」
彼にはあれが当然の対応らしかった。
「話なんて聞いてないじゃないか」
「あっきゃんに何を求めているんだ」
「御手洗さああっきゃんとやらに言ってたじゃん。
俺の事どう思うって?その時あっきゃんがなんて答えた?」
「あーはいはい好きですよー。だろ?」
「御手洗はそれでいいの?」
「あっきゃんだぞ?何度も言わせるなよ」
彼はそう言って席を立った。そしてご飯をおかわりした。
僕はなんだか納得できなかった。
35 :あっきゃん :2009/07/14(火) 04:48
僕はあっきゃんを許せなかった。
出すつもりはなかったけど御手洗の前に小さな録音機を置いた。
「なにこれ」
「僕とあっきゃんの会話を録音したんだ。本当は君とあっきゃんの
会話を録音してあとで恥ずかしがらせるつもりだったけど録音レベルが」
「いいから聞かせろよ」
再生して聞こえてきたのはあっきゃんのこんにちはの声。
そして沈黙だった。
「もっと喋れよ」
「喋ったさ。まあ聞けよ」

質問ですけど…あっきゃんはオナニーは好きですか?
あ、好きですよ。
どのくらい好きなんですか、あ、どこが好きとか
お豆が好きで放っておいたらいくらでも…

あっきゃんが何も考えずに即答している事に目をつけて
普通なら答えない質問をしたのだ。
我ながら良い作戦だったと思う。
御手洗は興奮した面持ちでこの音源を聞いていたかと
思ったが案外冷静だった。
36 :あっきゃん :2009/07/14(火) 04:49
「これ、あっきゃんおはぎと聞き間違えてるな」
僕は最初に戻してもう一度音源を聞いたが確かに僕の
訛りのせいかおはぎに聞こえる。
「あっきゃんはオナニーなんてしないんだよ馬鹿…
でもありがとうな」
御手洗はそう言って僕に微笑んでくれた。

家に帰ってあっきゃんの写真集を見たが思いのほか
いやらしい写真集で僕は音源を聞きながらあっきゃんの
手の感触を思い出してみた。少しだけあっきゃんを好きになった。


おわ
37 :名無飼育さん :2009/07/14(火) 06:01
すばらしい・・・
38 :涙のソルティドッグ :2009/08/04(火) 01:55
涙のソルティドッグ
39 :涙のソルティドッグ :2009/08/04(火) 01:57
いきつけのバーでいつものようにひとりで飲んでいると
小太りの男が重いドアを開けて入ってきた。
見なれない顔だ。男は席をひとつ空けた横に座った。
そして何か強いのをくれと言った。男は汗をかいている。

店長はそれではウィスキーはどうでしょうか?と提案した。
この店はこの店長がひとりで経営している小さい店だ。
大した酒は無いし雰囲気も安っぽいがいつも空いているし
値段が財布に優しいので僕はたびたび訪れる。
常連と言ってもいいかも知れない。
男はその前に水をくれないか。あとウィスキーは苦手だと言った。
店長はそれでは先に軽い飲み物はどうでしょうか。
ソルティドッグは1杯目にいいですよと言いながら準備を始めた。
おいおい強いのが飲みたいってのは無視かよと思ったが
男がそれでいいと言ったので店長はいつものようにゆっくりと
それでいて手際よく作業を始めた。
40 :涙のソルティドッグ :2009/08/04(火) 01:57
店長の作るソルティドッグは美味しい。
家で作ってみても同じ味にはならない。
なぜ美味しいのか聞いてみた事が何度かあるがグラスの縁に付ける
塩がいい塩だとか搾りたてのグレープフルーツジュースだからねと
いつも答えが違う。
「お久しぶりですね。高木さん」
店長がそう言いながらグラスを差し出す。
どうやら僕が知らないだけでこの店には何度か来た事があるらしい。
バーテンダーとは恐ろしいもので2度もお店にくれば名前を覚えてしまう。
高木さんはしばらくソルティドッグを眺めてから口に運んだ。
何も言わないで一息でほとんど飲み干した後でもう1杯と言った。
店長は笑みを浮かべてグラスを差し出した。ソルティドッグだった。
手際が良すぎる。店長はこの男がおかわりすると知っていたのだ。
41 :涙のソルティドッグ :2009/08/04(火) 01:57
僕は角瓶の白をハイボールにして貰い口にした。
本当はソルティドッグを飲みたくなっていたのだが
この男の真似をしているようで嫌だったのだ。
「どうして店長のソルティドッグは旨いんだろうな」
男の呟きは誰に向けてのものなのかわからなかった。
店長が何も言わないので僕は「塩が良い塩らしいです」と言った。
バーでは見知らぬ者同士で会話になる事がままある。
「そういや昔、店長が言ってたな。塩が良いか…お塩…」
高木さんのその言葉を聞いた瞬間はっと気付いた。
最近は見なかったが昔この人を見た事がある。
ハロプロのコンサート会場で。

「安倍さんの時、以来ですよね。ソルティドッグを飲むのは」
安倍さん?まさか?
「ああ、あの時は心底あの男を憎んだよ。俺のなっちをってさ」
高木さんは一気飲みをするようにグラスを逆さに向けて飲んだ。
グラスの縁のお塩が身体の中に入っていく。
42 :涙のソルティドッグ :2009/08/04(火) 01:57
「でも…全ては終わったんだ。今日やっとね」
今日?店長のほうを見ると「彼は逮捕されたよ」と素っ気なく言った。
僕はまさかと思って携帯でテレビを見てみた。
逮捕の文字が躍っていた。
目を疑ったがNHKで報道されているから本当なのだろう。
事の経緯はよくわからないが彼は逮捕されてしまったのだ。
「やっと飲めるよ。店長のソルティドッグを」
高木さんの安堵の顔。まるで今日釈放されたかのような顔だった。

「あの…高木さん失礼ですがいまでもなっちの事が?」
僕の問いかけに高木さんは笑った。
「いやあの頃とは違うね。娘を見ているような感じというかね。
そうなったからあの事件を過去のものとして受け入れられたのかも知れない」
高木さんはそう言って遠くを見つめた。
年月は色々なものを変えてしまう。僕だってそうだ。
あれだけ好きだった娘はもう応援していない。
43 :涙のソルティドッグ :2009/08/04(火) 01:58
「それじゃ私からのサービスです。どうぞ」
僕と高木さんの目の前に琥珀色の液体の入ったグラスが出てきた。
「ウィスキー?本当に苦手なんだけど」
そう言いながら高木さんはストレートで出されたグラスを傾けた。
「悪くない。いやむしろ良い。なんですかこれは」
「これは国産ウィスキーの金字塔でその15年物です。高価なんで
ほんの少ししかお出し出来ませんが。若いのはもっと尖った味ですが
年月を経て熟成すればこうなります。銘柄は山崎15年です」
「山崎か…会長だからって俺の愛キュンを…」
男はまた遠い目をした。
僕はそういやハロコンで見た覚えがあるなと気付いた。
僕はもう1杯無料の山崎をくれといったがあいにく店長は
グラスを磨くのに忙しくて無視されてしまった。
44 :涙のソルティドッグ :2009/08/04(火) 01:59
つづ
45 :名無飼育さん :2009/10/19(月) 05:39
山アwww
46 :12年 :2009/11/17(火) 22:42
12年
47 :12年 :2009/11/17(火) 22:43
お酒を飲んでいて思うのは時の流れとは偉大だなという事だ。
どの銘柄のウイスキーでもいい少し高いが12年物を飲んでみよう。
その芳醇さ、深い味わいの素晴らしさを味わえば
私の言いたい事がわかって貰えると思う。

マスターは私が熱く語っているのを無視するような涼しげな顔で
聞き流しグラスを白い布で拭いていた。
もちろん聞いているのはわかっているがそれでもマスターの
軽く歪んだ口元が私の顔を真っ赤にさせた。
「ねえマスター聞いてるの?」
そりゃマスターは私の何倍もお酒の事は知っているだろう。
だが少しくらい酔っ払いの言葉に耳を傾けてほしい。
マスターは私の空になったグラスに黙って水を注ぐ。
あんたは飲み過ぎだ。と言いたいのだ。
48 :12年 :2009/11/17(火) 22:43
「内山さんはバランタインの12年物がお好きでしたね」
私はそうだよ。今は違うけど。と答えた。
最近はもうちょっと時を経た17年物を飲むようになったが
バーに通い始めた頃はいつもバランタインの12年だった。
「お口直しにお水をどうぞ」
マスターに言われるままに水を口に含む。甘い。
どうやら私は飲み過ぎていたようだ。

「ここに通うようになって何年くらいだっけ?」
「そうですね。確かダブルユーがまだあった頃ですね」
そうだ。若かったころの私は静かなこのバーで酔っては
ロボキッスをかけろと騒いだ。
「懐かしいな」
「はい。今では辻ちゃんもお母さんですからね。失礼」
49 :12年 :2009/11/17(火) 22:43
マスターは他の客を相手している。
その間私の脳裏に懐かしいあの頃が思い出される。
もしあのままダブルユーが続いていたら私の人生は
どうなっていたのだろうか?
今では解散したダブルユーと加護ちゃんは捨てて
ライトな辻ちゃんファンをしている。
それとなっちも案外いいなと思っているのは秘密だ。

「内山さん。お待たせしました」
コトリと音を立てて私の前に琥珀色の液体が入った
ショットグラスが置かれる。
「これは?」
「長い間、通って頂いたお礼です。どうぞ」
琥珀色だがその色だけでなんというウイスキーか
当てられるほど私はまだウイスキーに詳しくはない。
グラスに鼻を近づけてみるがやはりわからない。
仕方ないのでその琥珀色の液体を口に含む。
美味い。少し酔ってはいたがこのウイスキーが美味いのは
充分にわかった。バランタイン17年より美味しいかも知れない。
50 :12年 :2009/11/17(火) 22:44
「なんですかこれは」
「内山さんが好きな、いや好きだったバランタイン12年です」
マスターはにやにやしている。
「そうか…やっぱり12年も美味いな」
「若いウイスキーには若い良さがあります。
まあウイスキーで12年と言えばそこそこ良い年ですが」
マスターはそう言いながら一枚のCDを出した。
「これは?」
「クッキンアイドルのまいんちゃん。10年物です。
今、ちょっと曲を流しますね」
酔ったのだろうか?急に酔いがまわったように
私の頬は自分でもわかるほど熱を帯びていた。
「良いでしょう。私オススメのアイドルです。
そうですね。ウイスキーで言うとこれでしょうか」
マスターは余市10年と書かれたボトルをカウンターに置いた。
日本が誇るシングルモルト。ニッカが作りだした傑作だ。
「1杯貰えますか?」
「ええ。たまにはシングルモルトも良いもんですよ」
「うむ…若いまだまだ荒っぽい味だ。だがそれがいいな」

私はバーを出るとクッキンアイドルと何度も呟きながら
ふらふらと妻が待つ家へ向かって歩いた。
51 :12年 :2009/11/17(火) 22:44
おわ
52 :名無飼育さん :2009/12/06(日) 06:23
>「そうですね。確かダブルユーがまだあった頃ですね」
ここで微かにワッラタ

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