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続飼育支部

84 :僕は道重さんを知りたい :2012/02/25(土) 01:54
 公園から自転車に乗って帰ってきた。自宅に戻ったのは、中澤さんを途中まで送った零時過ぎ。誰もいない、と思った自転車置き場に黒髪の少女がいる。少女だと思ったが、よく見ると童顔の成人女性だ。化粧をしている。薄暗い電灯の下、薄紅色のグロスがキラキラと光を発しているように見えて、思わず目をそらしたくなった。「あなたですか」「は?」「中澤さんの男って」「違いますよ」男なんているはずないじゃないか。イライラする。幼い思考のまま成人した女性と話すのはつらいものだ。しかし夜も更けて帰りが遅くなったら、誰かにこの子が襲われてしまうかもしれない。ここは冷静に送り届けよう。それが紳士というものだ。「君、家どこなの。時間遅いし近くまで送るよ」「大丈夫です」「そう言われても心配だよ」「大丈夫ですったら!」「名前も教えてくれない人にそんなふうに拒否られるのは心外だ」ハッと目を開くと「ごめんなさい」と素直に謝ってくれた。案外いい人なのかもしれない。「すみません、突然話しかけたのはこちらなのに」うん、ちょっと勢いでここまできただけなのかもしれない。「私、道重といいます」「えっ」「えっ?」「ああ、いや」そうか、この子か。「今日は遅いから帰ったほうがいい。今度はちゃんど太陽が空にある時間に」「そうですね、何やってんだろ私」「恋してる女性は何をしでかすかわからないと昔から言われてるし」「そうなんですか?」「そうだね、結婚した男はよくそういうことを言うね」笑った、二人して笑った。僕は道重さんの気持ちを知りたいと思った。

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