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続飼育支部

284 :恋患いループ :2017/05/31(水) 00:34
金曜の昼休み、ちょっとした二つの噂が学校中を駆け巡っていた。
一つは月曜から三年女子を中心に囁かれている、才女で有名な山木さんが坂で見知らぬ女子と抱き合って泣いていたというもの。
もう一つは、昨日から一年生を中心に騒がれている嗣永先生が結婚したんじゃないかという噂だ。
指輪について特に説明もせず、女生徒からの結婚したの? という問いに否定せずごまかしたというのも騒ぎになった一因かもしれない。

一つ目の噂が山木さん自身の耳に届いたのは水曜、そして二つ目の噂が聞けたのは金曜になってからだった。
「先生、結婚したんだね」
同級生たちは教室でも廊下でも、先生結婚か、という話題で盛り上がっていた。
先生、可愛いからほっとく男はいないよ。
学校では泣き言を言ったことないから頼れる彼氏にいってたのかもね。
と、憶測と想像がわんわんと耳に入ってくるのだった。
きっと部室長屋でも、この話題で持ちきりだろう。
人にとってはおめでたい話題でも、たった一人には大きな失恋の痛みとなって襲いかかる。
泣きはらした目の山木梨沙は放課後、級友たちに放っておかれ、部室にも寄らず、繁華街の一角にあるゲームセンターへと一人で向かったのだった。
普段なら決して近よりもしないであろうその場所は低音と雑音に紛れ、泣いていようが誰にも気づかれない。
自販機の横にあるベンチに隠れるよう座り、涙が枯れるまで泣いた。
そうしてどのくらい時間が経ったであろうか。

「ぎさちゃん?」

舌ったらずだけど聞き覚えのある声に顔を上げると、いつもより眉を八の字にした梁川奈々美と見たことのないきれいなお姉さんが不思議そうな顔をして覗き込んでいた。

「山木さん! 大丈夫ですか? 怪我ですか? 病気ですか?」
「やなみん、それじゃあ救急だよ」
「救急が必要かもしれないじゃないですか!」

……だって大事な作戦会議の仲間ですから。
梁川ちゃんの発したその言葉は何よりも強く私の胸に残った。

「ただ一人で泣きたか……っひっく……」

梁川ちゃんに答えようとしたものの、喋ろうとしただけで先生の結婚を思い出し、また涙が溢れてきてしまった。

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