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続飼育支部

199 :Pop Cooooorn !! :2012/11/02(金) 02:08
秋も深まる文化祭の季節。私たちのクラス企画は喫茶店に決定。
喫茶店を選ぶクラスが多いから生徒会での抽選になったけど、なんとかクリアできた。
みずきちゃんの提案でなぜかうさ耳をつけたまま接客することに。
恥ずかしいけど、みずきちゃんはノリノリで友達とはしゃいでる。
あの日から、二人の距離と、私とクラスメイトの距離もぐんと縮まったのだけど。
……それでも輪の中に入ってみずきちゃんに甘えるのはためらってしまう。
弾けられればいいのになぁ。輪に入ってさ、一緒に。
まじめなのかな。自分では負けず嫌いだと思ってるけど。
だって、クラスメイトの中で一番にみずきちゃんのこと思ってるからね!
みずきちゃんにだって絶対それ伝わってるもん!!

――文化祭当日。
「ちょっとぉ、みずきちゃん何コレ! なんで私のだけこんな、こんな服装なの!?」
「ふふふ、飯窪先輩のお友達に頼んでつくってもらったの」
みずきちゃんが持ってきたのはメイド服。しかも他の人が穿いたら超ミニになっちゃいそうな……。
石田亜佑美サイズ。身長150センチクラスの私にしか似合わない、ように見える。
低身長の子はクラスにもいるけど、役割はバラバラに振り分けられたから。
「だってみずきも一緒にやるんだから、あゆみちゃんにも可愛い格好してもらいたかったの」
「いや、あの……はい」
ちょっと私、なんで返事しちゃってるの!? そりゃ嬉しいけど、嬉しいけどぉ。
「けど! どうせ他の子には見えないんじゃ?」
私たち二人は接客係ではなく、後ろでスイーツをお皿に盛りつける係。
だから、エプロンと三角巾とマスクだけは必須で服装は特にこだわらないってことになってる。
みずきちゃん、私が接客しないって言ってたら残念そうな顔してたからなぁ。
だからって、だからって!
「……うん、いけない?」
「いけなくないです!」
「でしょ?」
みずきちゃんの顔が妖しくにんまりと笑ったように見えた。
「二人きりの時だけだからね!」
強く主張すると、いいよ、と簡単にOKされてしまう。
なぜか、それをさびしく感じる。なんでだろう。みずきちゃんには抵抗してほしかったのに。
200 :Pop Cooooorn !! :2012/11/02(金) 02:08
 
201 :Pop Cooooorn !! :2012/11/02(金) 02:08
みずきちゃんも先輩のお友達特製らしい服装だけど、ロングスカートのメイド服だ。
ご丁寧に三角巾にはうさ耳らしきピンクの布がついている。
私のにもついてるけれど。
はぁ……。溜息がこぼれ落ちる。
マスクもご丁寧にデコってあるものだった。いくらかかったんだろう、これ。
そんなことを考えたいぐらい地味な作業が延々と続く。
何かの拍子にみずきちゃんを見ると、真剣な表情で黙々と作業していた。
さっきまでの可愛い格好がどうの、と熱弁してたみずきちゃんはどこにいっちゃったんだろう。
さみしいな。
かまってよ、みずきちゃん。
二人きりだったら甘えられるかなって思ったから、この係に二人で立候補したのに。
わざわざ同じ組にしてもらったのに。みずきちゃん人気高いから。
「譜久村さん、石田さん。上がっていいよ」
次の組の子たちが来て、時間より早く作業から解放できた。

他のクラスとの共同控室で、着替え直す。
マスクをとって、ぷはーっと大きく深呼吸。
「みずき、作業に集中してて全然話せなくて全然あゆみちゃんの格好見れなかった」
ごめんね、あゆみちゃん。
真剣に謝る姿が、いつもと違う服装だからかよけいにドキドキする。
あの時と同じみたい。あの日と同じみたい。
なんでだろう。クラスメイトでちょっと仲良くなって、それで隣に居てほしくて甘えたくて。
でも、ただの友情だもん。恋愛とか意味わかんないし。
喧嘩してもないのに、謝られるからかな。
ううん、違う。だってみずきちゃんが思ってることって私とあんまり変わらない。
だからドキドキするんだ。
「あゆみちゃんは、嫌だったでしょ? みずきがああいう恰好させちゃって……」
202 :Pop Cooooorn !! :2012/11/02(金) 02:09
みずきちゃんは途中で口を閉ざし背を向けて、着替えはじめる。
やだ……もっとドキドキする。私も着替えればいいのに、早く早く、手を動かさなきゃ。
みずきちゃんの背中のホックが外れる。
白いインナーと、とろけそうなぐらいやわらかそうな白い肌が露出する。
やだ。思わず視線をそらしてしまう。
いつものみずきちゃんじゃないみたいで。私の知らないみずきちゃんが居そうで。
怖い。
「やだ、みずきちゃん、あゆみにかまってよ」
声が震える。ううん、私の唇が震えてる。
コツコツと歩く音が聞こえ「いいの?」とみずきちゃんの声が耳元でした。
囁くように息を吹きかけられる感じで、私の身体はビクッと跳ねた。
「みずき、嫌われたかなって勘違いしてた」
違うんだよね?
確認するようなみずきちゃんの小さな声が、私の身体に大きく響く。
「そんな、そんなわけないじゃん。私の一番はみずきちゃんだよ!!」
声に出すと、案外勇気が湧いてくるようで、みずきちゃんの顔をしっかりと見つめながら言えた。
「……よかったぁ」
それからのみずきちゃんはすごかった。
ずっと私のことを考えすぎてたらしい。
ウサ耳嫌だったかなと悩んでいたこと。
クラスメイトにたくさん話しかけられて、私のことを構えなくなって悶々としてたことを教えてくれた。
「なーんだ。お互い、小さなことで悩んでたんだね」
二人してうんうんと頷く。
みずきのほうがあゆみちゃん不足で! なーんて言われたら本当に嬉しい。
ふふふ。私だってみずきちゃん不足だったもん! て返したら、ぱぁっと子どもみたいに顔を輝かせる。

「一つだけいい? なんでさっき目をそらしてたの?」
「え……だ、だって。それは……みずきちゃんの身体が、ていうか!」
恥ずかしいぞこれは……言いたくないかも。
ドキドキしてたなんて、伝えられないよ。
「え? なぁに?」
かまわれて幸せなんだけど、いつか、本気のみずきちゃんに食べられちゃうのは私のほうかもしれない。
……それでも友情って言えるのかなぁ?

 END.

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