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空気を読まずに、れなえり・まこあい・ごまこん2

1 :石川県民 :2010/05/12(水) 00:25

 なんかスレッドが大きすぎたみたいです。
新設しました。レス2から、1の続きになります。
 それではどーぞ。
2 :【doll〜後編〜】 :2010/05/12(水) 00:25


 ――どれくらい、そうしていたのだろう。
 一台の白いバンが近付き、わたし達の前で停止した。
 それを見上げると、助手席から美貴さんが下りてきて、それに続くように後ろから数人の男性が下りてきた。
「亀、あんたが一緒だったんだ」
 少し驚いたように言う美貴さん。

 男性たちはわたしかられいなを剥がし、バンの後方に積み込んだ。
「亀。もう帰りなよ」
「嫌です! わたしも連れて行って!」

 ――このまま、れいなに会えなくなのるの嫌!!

「お願い、します……」
 子どものように、ひっくひっく、と泣きながら美貴さんの服を掴んでわたしは頼み込む。
「お願い。一緒に連れて行って……くださぃ……」
 最後の方はもう、言葉にならなかった。

 頭に、美貴さんの吐く息を感じた。
「分かったよ。一緒に乗りな」
 バンの後方ドアを開け、促す美貴さん。泣いてたから視界がぼやけてたけれど、なんとか乗り込んだ。――そこには横たわったまま目を閉じているれいなの姿があった。
「れい――」
 呼びかけようとしたところでバンは発進した。


3 :【doll〜後編〜】 :2010/05/12(水) 00:26


 れいなの体は、停止スイッチを押したのに、時折、ビクンと体が動くことがあった。美貴さん曰く、
「停止スイッチがちゃんと働いてない」
らしい。
「れいな、分かる? わたしだよ、絵里だよ」
 時折声をかけてみるも、反応は無く、ただ手足が意味なく動いたりするだけだった。
「亀、止めときな。停止の制御が上手く機能せず、暴走するかもしれないから」
と、美貴さんに制された。
 バンは淀みなく走っている。そして、大きな門を通過した。


 ――外からしか見たこと無かったけれど、広い面積を持つ、HP研究所。わたしはそこに、初めて入った。


 れいなは用意されていた担架に移され、奥の『緊急処置室』と書かれたドアに運ばれていく。
 白衣を着た小太りの男性に、美貴さんは報告する。
「――はい。停止スイッチを押したにも関わらず、手足が動いたりします」
 美貴さんの報告に男性は頭を掻き毟り、
「止むを得ない、もし手におえない暴走が始まったら処分しても構わん!」
 その言葉にわたしの体は大きく震えた。
 去っていこうとする男性の白衣を掴む。その男性は振り返ってわたしを見た。
「壊し、ちゃうんですか……?」
「君い……」
「お願い! れいなを壊さないで!!」
 ぼろぼろと、涙は止めど無く溢れる。
「大切な、人なの――!」

 たとえ人じゃなくても! わたしにとってれいなは大切な存在なの!!


 焼けるように熱い指も。
 甘い吐息も。
 心地良い心音も。
 全部「れいな」が与えてくれたもの。


「お願い! 壊さないで――!」


4 :【doll〜後編〜】 :2010/05/12(水) 00:26


 白衣を掴みながら、泣き崩れるわたしに、そっと手が添えられる。見上げると、そこには美貴さんがいた。
「亀、離しな。れいなは壊さないから」
 その科白に、手の力が抜ける。白衣はするりと手の中から出ていった。
「チーフ、ここは私が。さ、亀、ちょっと移動しようか」

 美貴さんに手を引かれ、歩いていく。自販機の隣に備え付けられたソファに座らされる。
「……美貴さん、さっきの本当ですか……?」
 チャリンと、自販機に小銭を入れる美貴さんを仰いで尋ねる。
「ん? なにが?」
「れいなを……壊さないって……」
 紙カップがコトンと落ちてきて、液体が注がれる音がする。
「本当だよ。――れいなを壊させないために美貴がいるんだし」
「え……」
「美貴のバンドのヴォーカルは仮の姿。本当はこの研究所の所員だよ」
 驚きに目を丸くすると。
 美貴さんは温かいカフェオレを差し出した。
「飲みな。少しは落ち着くから」
「はい……」
 ずず、と熱いカフェオレを啜る。そんなわたしの横に美貴さんは座った。

「ね、亀。――れいなは何処まで話した?」
「……自分が人間じゃない、ってことだけです……」
 それじゃ何も話してないんだな、そう美貴さんは一人ごちる。
「――亀。今から美貴が話すことが真実だよ。――受け入れられる?」
「――はい」
 れいなのことなら、全て受け入れる心構えは出来ていた――。


5 :【doll〜後編〜】 :2010/05/12(水) 00:27


 TYPE06型07号――――。それがれいなの本名だった。
「れいなは厳密に言うとアンドロイドじゃないんだ。脳はAI、機械脳だけど、体は生身の人間と同じ細胞だよ。だからクローンでもない」
 そこで言葉を切ったかと思うと、美貴さんは話しを続けた。
「アンドロイドとクローンの中間、が正しいかな。美貴たちはれいなのような存在を【doll】と呼んでいる」
「ドール……」
 わたしが呟くと、美貴さんは頷いた。
「そう。より人間に近いロボットを、と考え抜いたら、れいなのようなドールの存在に辿り着いた」
 れいな以外でも何体かドールはいるんだよ、と美貴さんは付け加えた。
「ただ最初から、ドール製作は順調だったわけじゃないんだ。胎児のときに死んでしまったり、成長してもなんらかの障害を持ってたりしていた。――その中で、れいなは普通の人間と変わらない、健康なドールとして初めて成功した例なんだ。貴重な存在なんだよ。――だから、美貴という監視役が付けられた」
 バグが出ても、すぐに処理できるように。と美貴さんは話す。
「れいなはドールたちの施設で過ごし、一人立ちしてからは音楽一辺倒だった。――それを亀、あんたが変えてくれた」

 え? わたし?

 疑問顔でいると、美貴さんは優しく笑っていた。
「亀と出会ってから、れいなはますます人間らしくなった。――そして小さなバグも起こりやすくなった」
 この意味、分かる? と美貴さんは尋ねるが、さっぱり分からず、小さく「いいえ」と答えた。
「れいなが亀といる時にだけ起こるバグってこと。――本当はバグなんかじゃないけれど、初めての感情に、れいなの脳は『それ』をバグと認識した」
 『それ』の見当がつかず、ただ美貴さんを見つめ、答えを促した。
 美貴さんは笑いながら答えた。

「――恋心、だよ」


6 :【doll〜後編〜】 :2010/05/12(水) 00:27


 あまりの返答に口を開けぽかんとしていると。「なんて顔してんだ」と美貴さんに額を小突かれた。
「れいなは本当に人間らしくなったよ。よく笑い、よく怒り、よく照れるようになった。――まるで本物の人間のようにね」
 笑いながらそこまで言うと、美貴さんは真面目な顔になった。
「亀、これからもれいなを宜しく頼んでいいかな?」
 深々と頭を下げる美貴さんに、わたしは慌てる。
「そ、そんな、わたしこそっ! ……わたしこそ、れいなの側にいて良いんですか?」
「れいなには亀じゃなきゃダメなんだ」
 頭を上げた美貴さんは、真剣な表情そのものだった。
 すっ、と立ち上がる美貴さん。
「そろそろ処置も終わったと思うし、れいなのところへ行こうか。バグが起きたら脳の感情媒体の容量を大きく処置するよう頼んだから、もう亀といても、バグは起こらないと思うよ」
 わたしも続いてソファから立った。
「亀には、れいなに色々教えてあげてほしいんだ――。美貴たちじゃ教えれないことを」
「……はい!」
 わたしは力強く返事した。


7 :【doll〜後編〜】 :2010/05/12(水) 00:28


 れいなのいる『特別病室』に入る。そこにはれいなが頭にいくつかの電極を付けて眠っていた。
「……れいな」
 名前を呼んでも返事が無い。れいなは昏々と眠り続けている。
「脳の容量を大きくしたから、体がそれに耐えれるよう、力を溜めているんだ」
 隣にいた美貴さんが説明してくれた。
「――多分、数日間は目を覚まさないだろうね」
と、付け加えた。
「あの、美貴さん。――わたし、れいなが起きるまでここに来ていいですか?」
「うん。出入り用のパス、作ってあげるから、毎日来ればいいよ」
「ありがとうございます!」
 わたしは深く、礼をした。
「じゃあ、れいなのこと、宜しく頼むね」
 ぽん、とわたしの頭に手を置いて、美貴さんは去って行った。


 ――それから2日間、れいなは眠り込んだままだった。


8 :【doll〜後編〜】 :2010/05/12(水) 00:28


 ――守衛さんにも顔を覚えられた3日目のこと。
 今日もわたしはれいなの側で椅子に座っていた。れいなは相変わらず眠り続けている。
「……れいな」
 堪らなくなって、れいなの頬に触れる。すべすべした頬は確かに温かみを帯びていて、死んではいないことが分かる。
 耳元に唇を寄せる。
「ね、れいな……起きたらまたキスして、わたしを抱いてね……」
 最後の方は言葉にならなかった。き、聞こえてないと分かっていても、言うのは恥ずかしかった。
 顔が熱い。一人恥ずかしさに耐えていると。


 ――ぱちり、とれいなが目を覚ました。
 まるで数日間眠っていたのが嘘みたいに。


「……絵里?」
 掠れた声でわたしを呼ぶ。起き上がろうとするから慌てて手で介助した。
「……水、ほしか」
 側のミニ冷蔵庫に入れてあったミネラルウォーターを手渡す。ぱき、とキャップを捻り、ごっごっ、と水をボトルの半分ほど飲み込んだ。
 ――そして、ようやく気付いたように。
「なんで絵里がここにおると?」
率直な質問を言った。

「れいなの側にいれるように、美貴さんにパス作ってもらったんだよ」
 ほら、と首から下げた識別パスを見せる。
 それでも、胡散臭げにわたしを見るれいな。
「……絵里はあたしのこと聞いたと?」
「うん。全部」
「あたしは人間じゃなか。ドールたい」
「うん、聞いたよ」
 はあ、と大きくれいなは息を吐いた。
「――あたしはいつ処分されるか分からん身たい。だから他に新しい恋人を見つけ――」
 わたしは言葉を遮るかのように、れいなの頭を強く抱き締めた。
「処分、させないから」
「絵里――?」
「わたしがれいなを、守るから」

 傷一つ、付けさせないもの。そう心に強く誓った。

「……はっ、絵里は強かとね」
 抱いている頭から聞こえた声は、少し涙声だった。


9 :【doll〜後編〜】 :2010/05/12(水) 00:28


「ね、れいな。わたしも聞いていい?」
 頭を抱いたまま、質問する。
「なにっちゃ?」
「どうして、わたしを選んでくれたの?」
 そっと頭を腕から離すと、れいなの目はぱちくりしていた。と、思ったら、少し赤い顔をして口を手で覆った。
「あー……絵里が初めてライブに来てくれたこと、覚えとると?」
「うん」
「一目惚れやったけん。ステージの上から何度も絵里を見てたと」
 おかげで2曲目の頭出しトチるし、なんて恥ずかしそうに言うれいな。
「そう思ってたら、さゆが絵里を連れて楽屋に来たし。――ドールのあたしが言うのもなんだけど、運命だと思ったばい」
「運命だよ」
「――え?」
「わたしもれいなに一目惚れしたもん。――いいじゃない、ドールのれいなにも運命があったって。人間じゃなくたっていいの。ドールでもいい。わたしはれいなが好き」
「絵里……」

 れいなはぺりぺりと、頭の電極を外す。
 そしてわたしの腰に手を回して抱き付いた。
「ありがと、絵里。ばり好いとぉ」
「うん……」
 わたしはれいなの頭を、そっと撫でた。


10 :【doll〜後編〜】 :2010/05/12(水) 00:29


 ――抱き付いたれいなの頭を撫でていると。

 ――ん? え?

 れいなの手が服の中に入ってもぞもぞ動いている。
「れ、れいな?」
「ん?」
 不思議そうな顔のまま、わたしのブラのホックを外すれいな。
「な、なにしてるの?」
「んー、快気祝い?」
 ――はい?
「絵里がほしか。――ダメと?」
 愛らしい子猫の目で尋ねるれいな。

 う。……ズルい。そんな顔されちゃ断れないじゃない……。

「この体勢だとつらか。絵里、ベッドに乗りんしゃい」
 そう言って引っ張り、わたしをベッドに乗せるれいな。ちょうど、わたしの両膝がれいなの両足を跨ぐ形となった。
「んっ」
 早速キスされる。すぐに舌が入り込んで来て、わたしの口腔を舐め回す。

 ……ぴちゃ、ちゅ、くちゃ。

 静かな病室に水音が響く。
 れいなを感じるのは久し振りだったし、すぐにわたしはれいなの虜になってしまう――。

 二人が唇を離すと、太い糸で繋がっている、と思ったらそれはあっけなく切れた。
「ふうっ」
 れいなの唇が鎖骨へと移動する。そこが弱いわたしは、簡単に声を漏らしてしまう。
 舌で舐められ。歯で齧られ。唇で吸われ。
「あ……あ……」
 ――ものすごくゾクゾクする。

 堪らなくなって、れいなの肩に抱き付いた。


11 :【doll〜後編〜】 :2010/05/12(水) 00:29


「ぁ、んっ」
 今度は胸をいじられる。全体をやわやわと揉んだり、強く揉んだり。また、胸の先端も、押し潰されたり、撫でられたり、摘まれたりと、れいなの指は自在に動く。
「ゃあ……」
 れいなの首筋に息をかける形となる。
「……絵里の吐息、ばり熱かと。感じてくれとるっさね」
「だって……れいなが触っているんだもん……」
 きゅっ、と胸の先端を強く摘まれた。
「あっ!」
「あんまり可愛いこと言うさね。我慢できんたい」
 ……れいなの息も、熱い。
 わたしはますます力を込め、れいなに抱き付く。そして囁いた。
「……いいよ、我慢しなくたって」
「――っ。絵里!」

 本当に、我慢のリミットが切れたみたいで、胸を触っていた両手は急いで下に行き、
「ふあっ!」
 下着の中に手を入れられた。


12 :【doll〜後編〜】 :2010/05/12(水) 00:30


 そのまま下着はズリ下ろされて。
「ふぅ! うんっ」
 右手はナカを、左手は敏感な先端をと、両手を使って触られる。
 ぬぷり、と充分に潤ったソコはれいなの2本の指を、難なく受け入れた。
「あ、ふ……」
 ぐちゅり、ぬちゅり、と入っていく指。左手は敏感な先端をイジったままで。
「んう! あ……」
 入った指はゆっくりと動き始めた。
「ふっ、あっ、」
 れいなの首筋に熱い息をかけるわたし。
 そんなわたしに、れいなは優しく囁いた。
「――絵里、自分で動くと、もっと気持ち良かとよ」
「え……」

 一瞬、言葉の意味が分からなかったけれど。
 今のこの状況、羞恥心なんてどっか行ったわたしは、れいなの言葉をすんなりと受け入れた。
 力の入らない両膝を頑張って立たせる。そして自分でがくがくと動き出した。
 れいなも、わたしのぎこちないリズムに合わせて、指を出し入れしてくれる。
「あ、あんっ!」

 ――れいなをもっと強く感じる、感じたい。

「ふあ! あっ。れ、れいなぁ……」
 自分で動くのも、もう限界で。腰の動きを止めると、れいなは察してくれたみたいで、指の動きを早くした。左手は敏感な先端を、ぎゅうっと摘む。
「あっ。ああ……!」
 ぎゅう、とナカが締まった。どくどくと脈打つソコ。


「はぁ……あ……」
 ずりゅり、と抜かれるれいなの指。
 それでもわたしは、れいなの両肩を抱き締め続けた――。


13 :【doll〜後編〜】 :2010/05/12(水) 00:30


 ――二人、仲良くベッドに横たわる。
「絵里、今日は早かったとね」
「だって……久し振りだったんだもん……」
 拗ねた口調で言うと、優しく頬を撫でられた。
「3日振りだったばい。そんなにあたしが欲しかったと?」
「うん……」
 れいなが、目を覚ましてくれたことも大きな要因だったし。
「絵里。あたしがまたバンドに復帰したら、見に来てくれると?」
「うん、絶対に行くよ」
 あ、そうだ。
「あのね、れいな。この間、れいなに似合いそうなシャツを古着屋で見つけたの。退院したら、一緒に見に行こうよ」
「ん。よかよ、約束するけん」

 ――こうやって、なんでもない会話が出来ることがとても嬉しかった。


 ――たとえれいなが人間じゃなくても。わたしのこの想いは変わらない――。

「そう言えば、美貴さんが言ってたよ。れいなの脳がわたしへの恋心でバグを起こしたって」
「そうと? うわ、なんかばり恥ずかしかとね」
 顔を赤くさせて頬を掻くれいな。
 そのれいなの手を、きゅ、と握った。
「美貴さんは恋心って言ってたけど、ちょっと違うんだ」
「え――?」
「それはね――」

 わたしとだけに起こる、れいなのバグ。


 ――それはね、愛、って言うんだよ、れいな。


14 :【doll】 :2010/05/12(水) 00:31


  【doll】了。



15 :Special Thanks :2010/05/12(水) 00:31


 Ryu−to SAMA

 &You.


16 :石川県民 :2010/05/12(水) 00:32


 本編に入れられなかった小ネタを一つ投下。


17 :【doll〜小ネタ〜】 :2010/05/12(水) 00:33


Q.どうして田中さんは、あんなにエッチに詳しいのですか?

A.数年前のこと……。

从’v’)>れいな、コレ貸してあげる。

从´ワ`)>……なんですか、コレ?

从’v’)>エッチのハウツー本とDVD。

Σ从;´ワ`)>なっ!? いらんですたい、こんなの!

从’v’)>れいなも年頃だし知っておいたほうがいいよ。
     ま・知識はあって損はないぞ。

从;´ワ`)>はぁ……(しぶしぶ受け取る)

〜数日後〜

从´ワ`)>美貴ねぇ、お返しするっちゃ。

从’v’)>早いなー、もう返すのか。

从´ワ`)>こんなイカガワしいもの、ずっと部屋には置けんたい。じゃ。
     (その場を去るれいな。目の下にはクマが)

从’v’)>(……熟読したな、アイツ)


 ――というわけです。


18 :石川県民 :2010/05/12(水) 00:35


 これで【doll】は本当に終了です。

 ……なんか色々とすみません……。
 しかも新スレ立てた最初に書いたのがエロって……_| ̄|○

 最初は某様の御HPの美麗イラストを見て、「ギター弾くれいなさん格好良くね?」みたいな発想から思い浮かんだ話なのに、前書き通り、エロくなってしまいました………orz
 こんな話を飼育に載せても良かったのか、今でも疑問です。
 あ・某様の御HPは健全なので、あしからず。


19 :石川県民〜予告〜 :2010/05/12(水) 00:36


 次は順番で行くとまこあいです。
 今度は健全なものが書きたい。健! 全! なものが!!
 まだ全然決まっていないので、短編になるか、長編になるのかも分かりません。
 再び土に潜ります。すくすくと育つまで、しばらくお待ちくださいませ。


20 :石川県民 :2010/05/12(水) 00:37


 隠しの意味も込めて。
 それでは。 拝。


21 :名無し飼育さん :2010/05/14(金) 21:00
はじめまして。
以前から石川県民さんの小説読んでいました。
石川県民さんの書くれなえりは素敵過ぎます。
アンリアルなのにやたらリアリティのあるふたり。
言葉使いや性格が上手く描写されていて美しいです。
またれなえりも書いてください。
楽しみにしてます。
22 :石川県民 :2010/05/24(月) 00:51


 ぴょっこり雑草のような芽を出したところで出現の石川県民でございます。
 先ずは返レスをば。

21>名無飼育さん様。
 美麗なご感想をいただきありがとうございます。
 ここまで褒めていただき赤面物です。
 一応スレタイ通りの順番で、れなえり→まこあい→ごまこん、とループしているので、次のれなえりはしばしお待ち下さいませ。


 さて今回は。
 ヤンデレに挑戦してみました。
 流血行為有り。見るのは自己責任でお願いします。


23 :all=grant :2010/05/24(月) 00:52


 ――あの子の『全て』が欲しかった――。


24 :all=grant :2010/05/24(月) 00:52


 あーしと笑い合ってる時も。
 あさ美ちゃんと喋っている時も。
 ガキさんと相談している時も。
 後輩を励ましている時も。

 その全てを独占したかった。
 あーしだけを見て。あーしだけと話して。あーしだけを勇気づけて。


 それが無理なら。
 全てを欲することができないのなら。

 いっそこの手で――っ。


25 :all=grant :2010/05/24(月) 00:53


「……ちゃん、――ちゃん!」
 はっと、我に返る。椅子に座っていたあーしは、あの子を見上げる形となる。
「どうしたのさ? ぼーっとしちゃって」
 無垢な、心配げな表情であーしの顔を見る。
「もしかして疲れてた?」
「あ、あぁ、ほうやね」
 最近仕事忙しかったしねー、なんて、あーしの適当な相槌を気にかけている。

 鳴呼、そんな純粋な心で接しないで。
 あーしの汚い心が見透かされてしまいそうやさかい。

「今日、お泊りする予定だったけど……疲れてるなら別の日でも良いよ?」
 純真な瞳であーしを案じている。
「いや、大丈夫やさかい。一緒にあーしんちに帰ろう」
 自分の荷物を持って、椅子から立ち上がった。


26 :all=grant :2010/05/24(月) 00:53


 ――。
 マンションに帰り、先にあーしがお風呂を使って、その次にあの子が使う。
 シャワーを使う音を聞きながら、リビングで、普段は開かない戸棚を、音も無く開けた。
 中に入っていたのは、皮の鞘に入った大振りなナイフ。――昔、お父さんがキャンプで使った、サバイバルナイフ。
 あの子を独占したいという気持ちが湧き上がってきた初期に、実家に帰った時、こっそり持ち出してきた物だ。
 適当な紙を押し当て、切れ味を確かめる。――ナイフは紙を事も無く、すっ、と切り裂いた。
 ナイフを鞘に収め、静かに寝室へと持っていった。


 二人ともお風呂を終え、一緒に作ったカレーライスを向かい合って食べる。
 その最中、ふと、切り出した。
「ほーいや、今日仕事の途中でいなくなったけど、どうしたんやよ?」

 ――こんな言葉で束縛したくないのに、どうしても聞いてしまう。

「んー、田中ちゃんからちょっと相談事をね」
「そうなんや……」

 ――心が、焼ける。胸がチリチリする。
 あーしの知らないところで、知らない事をしないで――! そう叫びたくなる。
 この子は、あーしだけのもんやないのに……。


27 :all=grant :2010/05/24(月) 00:53


 二人して寝る前に軽くストレッチをして。
「じゃ、おやすみ〜」
なんて言って、あの子は先にベッドに入る。
 あーしも小さく、おやすみ、と言って続いて一緒のベッドに入った。



 カチ、コチ。
 普段なら気にならない時計の音がやけに耳に響く。
 隣では、すー、すー、と穏やかな寝息が聞こえた。

 ……もう、大丈夫やろうか。


 ベッドの下に隠しておいたサバイバルナイフを手探りで見つける。
 それを握り締め、あーしはゆっくり体を起こした。

 寝ているあの子にシーツの上から、馬乗りになると、眠りが浅かったらしく、ぱちりと目が開いた。
 豆電球の灯りの下で二人、数瞬見つめ合う。
「……どうしたの? 眠れないの?」
「ほうやない」
 皮製の鞘からサバイバルナイフの刃を抜き出す。鞘はベッドの下に落とした。


28 :all=grant :2010/05/24(月) 00:54


 ぴたり、サバイバルナイフをあの子の喉元に当て、あーしは言う。
「なあ、全部、ちょうだい」

 眼も、口も、耳も、体全てを。

 掌で触れる。瞼に、口に、耳に、手足に、心臓に。
「――全てが、あーしは欲しいんやよ」

 声だけじゃ足りない。あーしの手を引く腕だけじゃ足りない。あーしに向ける笑顔だけじゃ足りない。
 他の人に渡したくない。他の人と共有したくない。――この子をあーしだけのものにしたい。



「いいよ」
 あの子は、あっさり言った。
「全部欲しいならあげるよ。――むしろ、全部を所有してよ」
 ――全てを、貴女のものにして――そう言って、あの子はあーしの頬に触れた。軽く撫でてくれた。


 鳴呼、何故こんな時もこの子は優しいのだろう。


29 :all=grant :2010/05/24(月) 00:54


 ざくり。


30 :all=grant :2010/05/24(月) 00:55


 暗くても分かる、鮮やかな血が、壊れた蛇口の水のように勢い良く噴き出していく。

 シーツがあの子の血で染まっていくのを見ながら。

 この子と溶け合いたい。――そう思った時、腕が自然と動いた。
 躊躇いもなく、自分の喉を切り裂いた。



 ぷしゅ、と缶ジュースを開けるような音と共に流れ出したあーしの血。
 それが、あの子の血と混ざった。

「――――。」

 あの子が口を動かしてなにか言ったが、それは声にならなかった。
 よく聞こう、と思って顔を近付けると、あの子は、目を開けたまま事切れていた。

 そ、っとその瞼を指で閉じる。

 あーしは、しゅうしゅうと流れる血を気に関せず、あの子に、覆い被さる形で、声にならない声で言った。



「これで、全部あーしのもんやで。――麻琴」



31 :all=grant :2010/05/24(月) 00:55


* * * * *


32 :all=grant :2010/05/24(月) 00:56


 ――あの子の全てを『受け入れ』たかった――。


33 :all=grant :2010/05/24(月) 00:56


 あの子と笑い合ってる時も。
 あさ美ちゃんと喋っている時も。
 里沙ちゃんと相談している時も。
 後輩を励ましている時も。

 感じる、視線。
 向かなくたって分かる。
 心の声が、ざわめきに負けないくらいに強くあたしに響く。

 わたしだけを見て。わたしだけと話して。わたしだけを勇気づけて――って。


それが無理なら。
 全てを受け入れることが出来ないのなら――。
 いっそあの子の手にかかって――っ。


34 :all=grant :2010/05/24(月) 00:56


「……ちゃん、――ちゃん!」
 呼びかけると、我に返ったように、あたしを見上げるあの子。
「もう終わったよ、帰ろう?」
 そう言っても、あの子はあたしを見上げたままだ。
「どうしたのさ? ぼーっとしちゃって」
 いつものあの子らしくない、その状態に心配になる。
「もしかして疲れてた?」
「あ、あぁ、ほうやね」
 ようやく返事してくれた。そっか。
 最近仕事忙しかったしねー、なんて言うと、小さく、うん、と返事が返ってきた。

 ……なんだろ。いつもと違う。もしかして、相当疲れているのかな。
「今日、お泊りする予定だったけど……疲れてるなら別の日でも良いよ?」
 彼女の健康を気にして口にした言葉だったけれど、あの子は頭を横に振った。
「いや、大丈夫やさかい。一緒にあーしんちに帰ろう」
 そう言って、自分の荷物を持ち、椅子から立ち上がった。


35 :all=grant :2010/05/24(月) 00:57


 ――。

 一緒にあの子の家に帰って。先にお風呂を使ってもらってから、入れ替わりにあたしが入る。
 シャワーを浴び、体を洗って湯船に入る。……変だ。
 いつもならリビングから聞こえるテレビや音楽の音が全く聞こえない。
 あの子がお風呂から上がった時、なにか決意したような雰囲気だった。――それが仕事のことなのかプライベートのことなのか、あたしには判断が付きかねる。

「……そっとしといた方が良いのかも……」
 ちゃぷん、湯を鳴らしながら、あたしは呟いた。



 一緒にキッチンに立って作ったカレーライス。
 それを向い合わせになりながら、頬張っていると。
「ほーいや、今日仕事の途中でいなくなったけど、どうしたんやよ?」
なんて聞かれた。
「んー、田中ちゃんからちょっと相談事をね」
 あたしが何気なく返答すると、あの子は。
「そうなんや……」
 と言って黙ってしまった。

 ……あたしなにか地雷踏んだのかな?

 黙って待っていても、あの子からはなんのアクションも起こらない。ただ、難しい顔をして、静かにカレーを食べていた。


36 :all=grant :2010/05/24(月) 00:57


 二人して寝る前に軽くストレッチをして。
「じゃ、おやすみ〜」
と気軽に言って、先にベッドに入る。
 あの子も、おやすみ、と言って続いて一緒のベッドに入ってきた。



 ――ちょうど夢と現実の間を泳いでいる頃だった。
 とさり、という音と、体に感じる重みで、ぱちりと目が開いた。

 そこにはあたしに馬乗りになって、真剣な表情のあの子がいた。
 豆電球の灯りの下で二人、数瞬見つめ合う。
「……どうしたの? 眠れないの?」
 そう聞いたら。
「ほうやない」
 と否定され、なにかからキラリと煌く物を抜き出す。なにかはベッドの下に落とされた。


37 :all=grant :2010/05/24(月) 00:58


 ぴたり、と喉元に当てられて、それが大振りのナイフだということに気付く。あの子は真剣な表情を崩さずに言う。
「なあ、全部、ちょうだい」

 ――それが、なにを意味するのか悟った。
 眼を、口を、耳を、体全てを。

 掌で触れられる。瞼に、口に、耳に、手足に、心臓に。
「――全てが、あーしは欲しいんやよ」


 触れられ、言われ。納得する。

 そっか。そういうことだったんだ。



 あたしは全てを受け入れたかった。
 この子は全てを欲していた。

 ――それなら。

「いいよ」
 あたしはあっさり言った。
「全部欲しいならあげるよ。――むしろ、全部を所有してよ」
 ――全てを、貴女のものにして――そう言って、あたしはあの子の頬に触れた。軽く撫でてあげる。

 間違ってないよ、そういう意味も込めて撫で続ける。

 途端、あの子は泣きそうな表情を見せた。――やだな、そんな顔、させたくないのに。
 撫でていた手を取られ、ゆっくりと下ろされる。

 そして、あの子は無表情になった。


38 :all=grant :2010/05/24(月) 00:58


 ざくり。


39 :all=grant :2010/05/24(月) 00:59


 勢い良く切られ、血が噴き出す。トマトジュースみたいだな、なんてぼんやり他人事のように思った。
 流れる血に比例して、思考が薄まっていく。
 ――どれだけ流れたのだろう。
 それは、数秒のように思えたし、数十分にも感じられた。


 そして、あの子は無表情のまま、自分の喉を切り裂いた。途端に勢い良く流れ出すあの子の血。
 それはあの子の体を伝い、シーツへと染み込んでいく。

 あたしの血とあの子の血が混ざる。

 あたしはそれを見、微笑んだ――つもりだった。
 最後の力を振り絞って、あの子に告げる。だけど、それは喉から空気が漏れ、ちゃんとした言葉にならなかった。
 それでも口にし、あの子が顔を近付けたところであたしの意識は途切れた。



「――やっとあたしたち繋がったね、愛ちゃん」


 了。


40 :石川県民 :2010/05/24(月) 01:00


 お粗末様でした。
 ヤンデレと病んでるの違いも分からないのに、書いてよかったのかしら。

 じゃあ次はごまこんだな! と期待された方には申し訳ありませんが、この話は、ちょっと長めのまこあいを考えている時に突発的に思い付いた話なので、今度もまこあいです。それがないと、ごまこんに結び付かないので。。。

 もう一度土に潜り直します。
 それでは。 拝。


41 :るーく。 :2010/06/10(木) 00:26
久しぶりに読みました。
遅くなっちゃったけど、doll面白かったです。
次回のまこあい楽しみにしています!!
42 :石川県民 :2011/07/01(金) 03:05

 とりあえず生存報告をば。今見て、一年も放置してたのかと、けっこうビビりました。
 考えてたまこあいとごまこんはにっちもさっちもいかなくなったので、短編のれなえりをば。
 ……こうやって予告を裏切りまくって、すみません。もう予告するのは止めますね。
 気の向くまま書いていこうと思います。

>41 るーく。様
 久しぶりでありがとうございます。
 dollはエロがメインでしたが、面白かったというご意見をいただきまして恐縮です。

 みなさま、期待せずにお読みくださいませ。
 それではどーぞ。


43 :満天の星が流れても :2011/07/01(金) 03:06


「11時に電話するね」と言っていたあの子からの電話を、あたしは今11時を30分も過ぎても待っている。
 元々時間にルーズなあの子。――それとも仕事が押しているのか、そう思案すると、こちらから電話するのも憚られる。……それにこちらから電話すると「わたしの声、早く聞きたかったの?」なんて浮かれた声で調子にも乗るし。

 ……あと15分で明日になる、そう思っていたら、あの子専用の着信音が鳴った。
「もしもし、絵里?」ワンコールでそう切り出したのは惚れた弱みか。
『れいな? やっと仕事終わったよ〜』
 声が疲れた様子だったので、「お疲れ様」と言っておく。
『れいなはツアー中でしょ? そっちこそ疲れてない?』

 絵里の声を聞いたら、疲れが吹き飛んだ。――なんて、死んでも言えない。だから、「あたしは大丈夫やけん」とだけ返した。


44 :満天の星が流れても :2011/07/01(金) 03:06


『ねぇ、れいな』
 なにかを含んだような声。
『ベランダでもいいから、ちょっと外に出れない?』
「? 別によかとーよ」
 疑問に思いながらもカラカラとベランダの窓を開けて外に出る。途端、むわっとした梅雨独特の湿気と熱気に包まれた。
「出たけん。なにがあるとーよ?」
『星、見える?』
 そう言われ、空を仰ぎ見る。地方のここは星が鮮明に見え、北斗七星まで見えた。
「星、ばりあると」
『わたしもね、星を見てるの。こっちじゃあんまり見えないけれど、二つ三つは見えるの』
「それがどうしたとよ?」
 そう聞き返すと、『乙女心が分かってない〜』なんて不満をぶつけられた。


45 :満天の星が流れても :2011/07/01(金) 03:07


『違う場所にいるけど、同じ星を見てるんだよ。星でれいなと繋がってるの』
「――っ!」


 カウンターパンチを受けた気分。力無くベランダにしゃがみ込む。顔がものすごく熱い。
『れいな、今照れてるでしょ』
 うるさか、そう言うと意地悪そうに電話越しで絵里が『きひひ』と笑った。

 ――同じ星を見て、そして同じ気持ちで通じ合っている。

「……絵里、今度会えるのはいつと?」
素直に、言葉が出た。
『えーっと……来月の二週目かな』ぱらぱらとスケジュール帳を繰る音が微かに聞こえる。
「じゃあ……それまでは……ほ、星で繋がってるけんね」
恥ずかしさを堪えて告げると『そうだよ〜』なんてのんきな声が返ってきた。

『でも、電話やメールもちゃんとしてね』
 なんて釘を刺されたけれど、絵里が電話する時は必ず遅れる。……まあ……こっちからしても良いけど。


46 :満天の星が流れても :2011/07/01(金) 03:07


 お互い、明日は朝から仕事だから電話はここで打ち切ることにした。
『じゃあね、れいな。好きだよ』
「あたしもやけん、おやすみ」
 これで切ろうとしたら、『れいなもちゃんと言って!』と怒られた。
 ……未だ恥ずかしいけれど。
「す、好いとーよ絵里」
 これで満足したのか、『おやすみ、れいな』と絵里が言った――から油断したのが間違いだった。
『ちゅっ♪』

 ――!! 不意打ちだった。
 それで電話は切れた。

 あたしは熱い顔のまま、へなへなとベランダにしゃがみこむ。足腰に力が入らなかった。
 ……このケータイはなんでこんなにクリアに聞こえるのか文句を言いたくなった。

 再び夜空を仰ぎ見る。都会では見れないくらいの星が瞬いている。
 星に願いを伝えたくなった。


 この満天の星が全て流れ落ちてもいいから、少しでも早く、絵里に会えますように――と。


47 :石川県民 :2011/07/01(金) 03:15

 終了です。
 短ッと思われたでしょうが、それは書いた本人が一番思ってます。

 亀井さんはご卒業されましたが、それでれなえりは別れた、とは思っていません。
 亀井さんと田中さんは遠距離恋愛になったんだ! ……と、このアホは考えております。
 それはそれで『萌え』なんで。

 また思いついたら書いてゆきたいと思いますので、気長にお持ちくださいませ。

 それでは。 拝。
48 :名無飼育さん :2011/07/15(金) 11:54
4年振りに飼育に来てみたら懐かしい作者さんの名前を見つけてテンションが上がりました。
まだれなえり書いてくださってることに感謝です。
読んでみたらやはりキュンキュンしまくり萌えまくりで…
エロもおいしく頂きました。ごちそうさまです。
自分も同様、遠距離に萌えてる性質なのでこれからもれなえりよろしくです。
作者さんのペースでがんばってください。いつまででも待ってますので。
49 :石川県民 :2011/07/24(日) 23:10
 ひょっこり登場。ども、石川県民です。

 先ずは返レスをば。
>48 名無飼育さんサマ。
 書き込みありがとうございます!レスをいただけると、書く気が沸きます♪
 キュンキュン萌えまくりは感謝です。拙い文ですが、れなえり分は補給できましたでしょうか?

 ……いろんな方のレスを戴き、確信したこと。それは、
 れなえりは正義だ! ということです。
 これからも書いていきたいと思います。


 今回もショートショートです。
 ウォーキング中に出くわし、思いついた話です。
 それではどーぞ。
50 :刹那い花火 :2011/07/24(日) 23:10


 ひゅ〜……ドーン……

 花火が上がる度に上がる歓声。あたしの周りは花火の音以外にも人が溢れかえっているので騒々しい。
 あたし以外は、カップルや友だち、親子連れが楽しそうに歓声を上げたり、お喋りしている。
 一人なのは、きっと、あたしだけ。退屈な目で上がる花火を見ていた。

 ――去年の今日、あたしは絵里と花火を見ていた。


51 :刹那い花火 :2011/07/24(日) 23:11


 去年は浴衣姿の絵里に手を引かれ、少しでも近くで、という理由で人ゴミの中をジグザグに歩いた。
“あ、れいな、こっち空いてるよ”
 浴衣姿の絵里はとてもキレイで。髪を上げてたから見えるうなじにドキッともした。――まあ二つとも言ってやらなかったけれど。
 花火が上がる度嬉しそうな表情を見せる絵里。
“今のキレイだったね”
とはしゃぐ絵里に「そうやけんね」と適当な相槌を打っていた。
 絵里の右手はあたしの左手に。絵里は左手に持ったチョコバナナを時折、思い出したように食べていた。
“ほら、チョコが口のハシに付いとるばい”
 指で拭ってやると、“むー”と唸った。――どっちが年上なんだか、そう思いつつも、やっぱり可愛いと思ってしまっていた。

 適当なところに腰を下ろし、二人して花火に見入る。時々、絵里を盗み見るとキラキラ輝く瞳で花火に見入っていた。……あたしは、花火に半分、残り半分は絵里を見ていた。もちろん気づかれないように。

 大玉が連続で打ち上げられる。それはとても爽快で、二人して“お〜”と声を上げた。


52 :刹那い花火 :2011/07/24(日) 23:11


 今度はヤケのように連続で小玉が弾き咲いた。
 ドパンドパンドパパパパン!!

 夜空の花が名残惜しそうに光を垂らした。
 これで終了したらしい。人波がさーっと引いていく。あたしたちはそれを見送って、周りに人がいなくなってもその場所を離れずに座っていた。
“楽しかったね、れいな”
“そうやけんね”
 握られていた左手が、きゅ、強く握られた。

“れいな、来年も一緒に見ようね”


 ――その先は覚えていない。多分、ああ、とか、うん、とか生返事を返したように思う。


53 :刹那い花火 :2011/07/24(日) 23:11


 その、来年の今日。
 隣には絵里がいない。
「自分から約束しといて……」
あたしの呟きは、歓声の中で溶け消えた。

 絵里のいない花火。それはとてもつまらなかった。
 去年はあんなに目移りするほどの屋台も、今年は色褪せて見え、なにも買う気がおきなかった。
 ……帰ろう。

 あたしは踵を返し、歓声を背に、人波に逆らって歩いていく。
 魅力の無い花火大会。
 あたしがまた歓声を上げるには。
 きっとあの子が隣にいるときだ。

 ――絵里、ずっと約束忘れんけんね。

 了。


54 :石川県民 :2011/07/24(日) 23:13

 終了です。

 引越しの現実逃避からの文のため、お許しくださいませ。

 それでは。 拝。
55 :名無飼育さん :2011/08/01(月) 05:59
こんばんは。
最近になって娘。にハマり、れなえりにハマり、
石川県民さまの「舞い落ちる刹那の中で」を読み号泣した者です。
石川県民さまの文章が大好きで、このスレもニヨニヨしながら読んでいます(キモ)

私も現在、れなえり長編をひとつ書いています。愛ちゃん卒業までには載せられるように努力中です。。。
作者さまも、体調には気をつけて、ご自分のペースで執筆頑張ってください!

最後に一言。
石川県民さまとれなえりが大好きだー!!w
56 : :2011/08/19(金) 00:49
久しぶりにきてみたらなんと!!
新作れなえり2つもきてたー(≧▽≦)

いやー、やっぱり石川県民さんが書かれるれなえりは素晴らしいですね。

私もまたなにか書いてみようかな??と思いました。
書き途中のものが何個かあるんで…w
57 :石川県民 :2011/12/11(日) 01:31


ども、お久しぶりです。近況報告をば。

 結婚しました。

ですので、石川県からI知県へと移りました。
ですが、HNは変えません、今さら? って感じですし、石川県大好きっ子なので。

 アイ ラブ 地元。

??I知県といえど、駅も遠く、徒歩3分で小さいけれど美味しいパン屋さんと、その隣にヤのつくご職業の方の事務所がある、まあ閑静な住宅街です。適度に田舎なので落ち着きます。


58 :石川県民 :2011/12/11(日) 01:32


 では返レスをば。
>55名無飼育さんサマ。
 レスありがとうございます。あの長ったらしい『舞い落ちる〜』を読んでいただき光栄です。……実はこの数年の間にちまちまと話を書き足しておりました。3ページのつもりが5ページ、10ページ……と。いったい、いつ終わるねん、と。誰かに見せるわけでもないので、ただの自己満足ですが。ラブラブ度と切なさ度をUPさせて、悦に浸る……そんな感じです。
 れなえり長編に思いきり食らいつきました。出来上がった時は、お名前を教えていただけると嬉しいです。ご自身を無理なさらないようにしてくださいませ。

>56栗サマ。
 お久しぶりです。レスありがとうございます。
 時々ふらっとれなえりの神が下りてくるのです。ですので、ふらっと覗けば、ふらっと書いてあるかもしれません。
 ストックがあるのでしたらば、是非書いてくださいませ! それが石川県民の活力源になりますから!!?

 今回はちょっとヨロヨロに酔いながら書いたEROです。苦手な方はリターン!!
59 :寒い夜だから。 :2011/12/11(日) 01:33
 ――寒いのに、熱かった。
「れ……れいな、もっと激しく……!!」
 恋人の要求に従って、彼女の中に挿れいていた指を、更に激しくかき混ぜる。
「あっ……ふあ……」
「絵里、気持ち良かとーと?」
「ぅ、うん……!」
 それなら良かった、と思い、絵里の中の、奥のざらざら部分を激しく擦る。
「あ……! それ、らめっ」
「ばってん絵里、ばり気持ち良さそーたい」

 蕩けた表情。蕩けた部分。――全てが愛おしい。

 ちらり、窓の外を見る。寒波が荒れ狂い、木々が踏ん張りながら体制を整えている。時折見せる、白い欠片が激しく窓ガラスを叩きつける。
 エアコンはつけているものの、『丁度良い温度』にしか設定していない。

 熱いのは――絵里の中。


60 :寒い夜だから。 :2011/12/11(日) 01:33


 ――このまま二人、抱き合って、溶け混ざらないかな、なんて不可能なことを考えている。
 そうすれば、暑いのも寒いのも共有できるのに。……なーんてね。


「れ、れーなぁ」
「ん? なんとね?」
「キス……してよぉ」
 絵里の要求に早速答える。開いた唇に、唇で答え、ぬるりと舌を潜入させる。
「ん……ふあ……」
息継ぎさせた後に再び唇を重ねる。絵里の秘部に挿れた指を再び動かし、しっちゃかめっちゃかに暴れさせた。
「ん! んー!!」
 上も下も塞がれ、絵里は苦しそうだった――半分だけ。
 残り半分は悦楽に溺れている感じ。


61 :寒い夜だから。 :2011/12/11(日) 01:33


 ――絵里がこんな風にあたしを激しく求めるようになったのは、娘。を卒業してからだった。
 隣にはいつも絵里がふんにゃりした笑顔で笑っている昔と違って――今はお互いのスケジュールを調整しつつ、なんとか会えることができる日々。
 ……だから、だろうか。絵里は会えた時の鬱憤を晴らすかのように、激しくなる。それも、特に――――

「れ、れいな……なにか考え事してない……?」
「ん? そんなことなかとーよ」
「でも……」
「あたしはいつも絵里のことしか考えてなかとーよ」
 そう言い放って絵里の弱い部分も強烈にこする。
「あっ! だめ、それ!!」

 きゅう、と締め付けられる指。がくがく震える体。どうやら頂点に達したらしい。


62 :寒い夜だから。 :2011/12/11(日) 01:34


 指を中から抜き、脱力しきった体を両腕で抱き締める。絵里はぽわぽわした表情だったけれど、あたしの背中に両腕を回してくれた。
 お互いしばらくそうしていたら。
「ノド……渇いちゃった」
 絵里がナイトテーブルに手を伸ばす。絵里の手が届く前に、ひょいとミネラルウォーターのペットを攫い、絵里に渡した。
「ん」
「……ありがと」
 途中で攫われたのが機嫌を斜めにしたのか、憮然とした表情で、フタを開け、中の水を飲む。
 こくり、こくり、と静かに飲む音。
「あたしも欲しかと」
 そう言うと絵里は、ペットボトルから口を離し、あたしに差し出す。
「あ。間接キスたいね」
と。冗談で言ったら。
 ぼふ、と顔面に枕が飛んできた。バランスを崩しかけるが、なんとか耐える。水も無事なことに、こぼすことはなかった。
「絵里、今のはあぶなかと」
「だって……れいなが面白がるから……」

 そんなところまで可愛い、と思ってしまったあたしは、きっと重度の絵里中毒に違いない。

「すまんたい、ばってん水は飲ませてもらうばい、あたしもノド渇いてるけんね」
絵里の承諾を聞く前に、水を口に含む。――水分が体中を潤してくれる。残っていた水を空にして、空いたペットボトルをナイトテーブルに置く。
 でも。

「……れいな?」
 再び絵里を横たえる。――あたしの心の中を潤してくれるのは絵里だけだったから。
「あたしはまだ渇いとるけん」
「……え? れーな?」
「ばり、絵里に渇いてるたい」
 それだけ言って。絵里の許可も取らずに首筋に吸い付く。左首のほうを軽く噛んでから、強く吸い付く。吸って吸って吸いつくすと、絵里の首に赤い華が咲いた。――絵里が自分のもののように思えて、少し誇らしくなった。
「ちょっ、れいな、そんな見えるトコ……」
「コンシーラーで隠せば良かと」
 あたしは唇を鎖骨部分に移し、舐めたり甘噛みしたりして絵里を堪能する。
「んあっ、あ……」
 弱い部分を攻撃されて、絵里はもどかしそうに体を揺する。ぎゅ、と頭を抱えられた。

 絵里が、感じてくれていることが嬉しい。


63 :寒い夜だから。 :2011/12/11(日) 01:34


「は……ぁ……」
 幾度目かの快楽を与え、もうあたしのことしか考えられないようにする。
「絵里、上になって、自分で体動いてみんしゃい」
「ぅん……」
 騎乗位の形になって、絵里は残りの力を振り絞るかのように、自分で動く。

 ずっちゃ、ぐっちゃ、と卑猥な音が部屋に響く。
「ん……ふあ……っ!!」

 今夜で幾度目かの絶頂に達し、ふにゃりとあたしに倒れ込む絵里。――絵里の一番熱い部分はまだ、どくどくと脈を打っていた。

 今夜はこれで打ち止めかな、と思って倒れ込む絵里をなるべく優しく包み込んだ。熱い部分に挿れていた指を優しくゆっくりと引き抜く。
 指は充分過ぎるくらい濡れていて、舐めたかったけれど、絵里が怒るので、勿体ないと思いながらティッシュで拭う。


64 :寒い夜だから。 :2011/12/11(日) 01:35


 ベッドの中、しばらく絵里を抱きしめていると。
「れーな……ごめんね?」
「ん? なにがっちゃ?」
「……明日は朝イチでお仕事でしょ?」
 ――ああ、そんなことか。
「大丈夫やけん。今から寝ても、充分間に合うたい」
 ――それよりも。
「絵里のほうこそ良かと? モヤモヤしたもの、吐き出された?」

 ――そう、絵里は、仕事でミスしたり、落ち込んだりすると、あたしを激しく欲してくるようになったのだ。

「……うん。……ごめんね、れーな」
「ん? なにがっちゃ?」
「なんか……れーなをストレスのはけ口にしてる……」
 きゅ、と更に丸まった身体。
 特に気にしていない、そういう意思表示のつもりで、更に絵里の体を抱きしめる。
「別によかとよ。絵里の想い、全部吐き出してくれる方が嬉しいっちゃ」
 恐る恐る、あたしを上目使いで見つめる絵里。
「……本当?」
「当たり前っちゃ。他の人にぶつけるより、あたしにぶつけてほしか。――全部、受け止めやるけん」
 そう言ったら、絵里はあたしの胸に顔を寄せた。
「……ありがと、れいな」

 その後に。『大好き、れーな』と言われ。
 また欲望に火が付いた。

 ごろん、と絵里を下にして、押さえつける。
「え? れーな??」
「すまんちゃ、また絵里が欲しくなったばい」
「ちょ、れーな!? ……あんっ」


 ――欲望に対する火はまだ止まらない――



Fin.
65 :石川県民 :2011/12/11(日) 01:38
 終了でーす!

 本当はまこあいで健全なものが書きたかったのですが、どーにもこーにも纏まらず。

 まあ、呑兵衛の戯言として受け取ってくださいませ。ませ。

  それでは、またいつか! 拝。
66 :名無し募集中。。。 :2011/12/11(日) 01:40
ご結婚、おめでとうございます。
67 :名無飼育さん :2011/12/13(火) 21:11
久々に覗いたら更新されていて嬉しい驚きでした。
しかもれなえり。しかもエ(ry
そして、ご結婚おめでとうございます。
まこあいは同じ立場に立った今、旬のCPでしょうか。
私はいまだにれなえり・まこあい・ごまこん、大好物なので(w
気長にお待ちしています。
68 :名無飼育さん :2011/12/13(火) 22:04
ご結婚おめでとうございます
まこあいを何年でも気長にお待ちしております
69 :雪月花 :2011/12/14(水) 01:16
>>55でコメントを残した雪月花と申します。
まずはご結婚おめでとうございます!末永く、お幸せに。。。

石川県民さまのれなえりは良いですね!見習わなくては…
という感じで水板に長編を連載中です。
完全に『舞い落ちる〜』やその他の素晴らしい作品に影響を受けまくってしょうもない駄文になっていますが…

寒くなりますが、体調には気をつけてまた更新して下さると嬉しいです。
えっちぃ作品もお待ちしておりますよw
70 :石川県民 :2012/08/25(土) 14:55



 にょきっと登場、お久しぶりです、石川県民です。
石川県民は、HNのくせに、金沢弁と能登弁と越前弁が混ざった言葉を話しますが、約一年の間に、尾張弁も多少混ざるようになりました。ですが同時に旦那にも金沢弁が多少うつりました。この夫婦の共通弁はなんじゃろか。


71 :石川県民 :2012/08/25(土) 14:56


では返レスをば。
>66 名無し募集中。。。サマ
 ありがとうございます。この夫婦には、『趣味部屋』というのがあるのですが、そこに石川県民のギター4つとアンプ等諸々が、そして旦那のガンプラ作成机と部品諸々があるのですが、掃除する度、掃除機で部品を吸い込まないか心配です。ていうかはよハマーン様の機体を作っておくれ。

>67 名無飼育さんサマ
 ありがとうございます。気長に待ってくださる、とのことですが、ここまで遅くなってはさすがに呆れられたかなーとちょっとひやひやしてます。
 今回はれなえりではございません、ゴメンナサイ。
 れなえりで書きたいのはあるのですが……R-18のハメ撮(以下自主規制)なので、書いていいのかどーやら、と良心と欲望が戦っております。

>68 名無飼育さんサマ
 ありがとうございます。
 とことん待っていただけたようですが、ショボくてスミマセン。

>69 雪月花サマ
 ありがとうございます。
 ひいいいいいっ!!あんな駄作に影響されてはいけません! もっと! 他の素晴らしい方のをご参考ください!!
 また、HNを教えていただき、ありがとうございました(ぺこり) おかげで素晴らしい小説を読むことができました。


 今回は(私的に)メインのカプのお話です。
 それではどーぞ。


72 :何万回言っても足りないコトバ :2012/08/25(土) 14:57


 今日は雲が数個浮かぶだけの快晴。天気が良いと、それだけで嬉しくなる。
 家を出て、すぐ近くのバス停へと駆け足で近づく。それだけで別にバスが早く来るわけじゃあないけれど、あたしはいつも早く会いたい気持ちを抑えきれずに走っちゃうんだ。
 やって来たバスにお金を入れて、右側の席に座る。――あの子のいる建物が見える、右側の席があたしの特等席。

 目的地について、先ずはすぐそばの花屋へ。
「や、小川ちゃん。毎日来てくれてありがとね」
 すっかり顔なじみになった花屋さんに声をかけられる。そりゃあ、毎日行けば顔と名前くらい覚えられる。
「今日はガーベラはどう? いいやつ仕入れてきたんだけど」
「あ、じゃあそれで小さな花束をお願いします」
「あいよっ」
 ――ここの店員さんは愛想が良い。きっとあの子のいる建物の中の人たちの分まで、笑顔で、元気良くしているのだろうな。
 5分くらいで出来上がった花束に、お金を払ってお礼を言って、店を出る。

 そして、あたしは花束を持ってまた駆け出す。あの子のいる部屋へ。『××総合病院』という重苦しい鉄看板がはめられた、今は全開の扉を突き走って。


73 :何万回言っても足りないコトバ :2012/08/25(土) 14:57


 6Fまでエレベーターで行き、奥がナースステーションになっている受付に顔を出す。
「すみませーん、小川ですけどー」
「今日もいらっしゃい。毎日ご苦労様ねぇ」
「いえいえ、そんなぁ」
ぶんぶん手を振る。――好きな子に会いにいくんだもの、全然苦労じゃないよ。
「……今日も様子は変わらないから、夕方の面会時刻終了までいても大丈夫よ」
「……。」
 一瞬言葉が途切れた。――でも、
「そうですかぁ、じゃあお言葉に甘えちゃいますねぇ!」

 ――シリアスはあたしには似合わない。だから気づかない様子で笑顔を向けて、あの子のもとに小走りで向かった。

 向かう途中、考えた。あたしにシリアスは似合わない、って確か誰かに言われた科白だった。
 あさ美ちゃんだっけ?――違う。
 じゃあガキさん?――でもない。

 目的の部屋の前に到着。コンコン、と一応ノックするけれど当然反応が無い。気にせず引き戸の取っ手に手を掛けた瞬間――。


『麻琴にシリアスは似合わんがし』

 あ、そっか。

 引き戸を引いて、中に入る。
「犯人はお前だ、愛ちゃん!」

 ――眠っている愛ちゃんにズバリ言ったものの、当然反応は無かった。


74 :何万回言っても足りないコトバ :2012/08/25(土) 14:58


「愛ちゃーん、今日はガーベラの花束だよー」
 寝ている部屋主に断りも無く、あたしは入っていく。花瓶には、昨日買った百合の花が、やや萎れて、それでも綺麗に咲いていた。
「花瓶の花、取り替えてくるね」
花瓶を持ち上げ、そう言っても、愛ちゃんは変わらず眠っている。

 ――そう、もう一年は愛ちゃんは眠り続けたままだ。

 共同洗面所で、百合を捨て、水を入れ替えガーベラを入れる。
 ふと、思う。――なんでこうなっちゃったんだろう。
 思わずにいられない。けれど、愛ちゃんの前ではたとえ眠っていたとしても、あたしはこの思いを口に出さないし、思わないようにもしている。
 部屋に戻ると、機嫌の良い陽光が、部屋を照らしている。花瓶を元の位置に戻し、ベッド傍の椅子に腰掛けたら、眩しさに軽く目を細めた。
「愛ちゃんさ、覚えてる? お弁当、愛ちゃんがオカズ担当であたしがオニギリ担当でこんな天気に二人でピクニックに行ったこと」
 愛ちゃんは眠り続けたままだ。
「愛ちゃんのオカズ、すげー豪華だったよね。エビフライにタコさんウィンナーに鶏のから揚げにブリの照り焼きって。もう即、嫁にいける! って感じだったよね」
 ……それに比べてあたしのは。
「塩むすびに海苔を貼っただけ。今思うと、梅干しくらい入れろよ! って感じでさ」
 しかも、混ぜ方が悪かったのか、『……麻琴……塩の塊があるんやけど』って言われて、差し出された部分を齧ってみると、ザリ、というオニギリからではありえない音が聞こえ、口の中が塩辛くなった。
「でも愛ちゃん、全部食べてくれたよね」
 あの時は『ごめんね、ごめんね!』って謝ってたばかりだったけれど。
「今思うとさ、ありがとう、っていうべきだったよね」
 この一年で伸びた愛ちゃんの髪。その長い前髪を、額からさらりと落とす。それでも愛ちゃんからの反応は無い。
 ふと、窓の外を見る。晴れ渡った空は青一色で、雲なんか欠片もない。
 ――あの日と大違いだ。
 胸から込み上げるものがあって、思わず視界が歪む。
 生まれたばかりの涙を乱暴にこすり、あたしは椅子から立ち上がる。
「ちょっと、トイレに行ってくるね」
 返事が無いことなんて、分かりきっているのに、そう断って部屋を出た。


 もちろん、トイレなんかに用は無くって。洗面台で、蛇口を勢いよく捻り、出てきた水でざぶざぶと乱暴に顔を洗う。
 前髪が水を含み、水滴をしたたらせる。つい、蛇口を締めるのも忘れ、その勢いよく出ている水をぼんやりと見ていた。

 ――これくらいに激しい雨だったな。


75 :何万回言っても足りないコトバ :2012/08/25(土) 14:58


 一年と少し前。この地域を台風が直撃した。
 唸りあげる風と、激しい雨。そんな中であたしと愛ちゃんは風にも雨にも負けないような言い争いをしていた。
 理由はなんだったけ。覚えてないけれど、確かあたしが悪かったんだと思う。
『麻琴のあほんだらぁ!』
『なによ、愛ちゃんは独占欲が強すぎだよ!』
 そう言い返すと、愛ちゃんは目に大粒の涙を溜めた。
『もう知らん! 麻琴なんか大嫌いやざ!!』
あたしに背を向け、駆け出す。
『ちょ、愛ちゃ――!』

 追いかける隙なんてなかった。
 だって愛ちゃんは、車道に出た瞬間、車に撥ね飛ばされたんだから。
 突如、響き渡るブレーキ音。愛ちゃんを撥ねた車は、空の黒雲とは対称的な真っ赤なポルシェだった。
 数秒間、空を飛び、重力に引かれ地面に落ちた愛ちゃんに駆け寄る。
『愛ちゃん! 愛ちゃん!?』
 返事はない。肩を揺さぶっても、頬を叩いても、愛ちゃんの目は開くことはなかった。


 大嫌い。


 ――それが愛ちゃんの最後の言葉だった。


76 :何万回言っても足りないコトバ :2012/08/25(土) 14:58


 蛇口を締め、ハンカチで顔を適当に拭う。そして愛ちゃんのいる病室へと戻った。
 戻っても、部屋も愛ちゃんも変化はなくって。あたしは再びベッド傍の椅子に座り直す。
 シーツを少しまくり、愛ちゃんの手を取り出し、その手を両手の平で包む。
「ねえ、愛ちゃん」
 軽く、手に額を当てる。
「大好きだよ」
 もちろん返答はない。分かりきっているけれど、あたしは言葉を続ける。
「たとえ愛ちゃんがあたしを嫌いでも。……あたしは愛ちゃんが大好きだよ」

 一年と少し前。『ヘタレの代名詞』だなんて嬉しくない称号を持っていたあたしは、愛ちゃんに「好き」という言葉すらなかなか言えなかった。――それが愛ちゃんを不安にさせていたと、薄々気づいていたけれど。

「あたしは、愛ちゃんが大好きだよ」
 何十回、何百回、何千回、ううん、何万回言っても足りないコトバ。
「大好きだよ」

 ――『大好き』と言う度に、愛ちゃんの最後の言葉が胸に刺さり、苦しくなるけれど。
 でもきっと、愛ちゃんはそれ以上に苦しかったんだと思う。

「愛ちゃんが、大好き」
 言葉が、包んだ手を通して愛ちゃんに伝わってほしい。
「大好きだよ、愛ちゃん」
 だからあたしは、何度も同じ言葉を紡ぐ。
「大好きだよ……」


 そうやって、あたしは面会時刻ギリギリまで、愛ちゃんの手を離すことをしなかった。


77 :何万回言っても足りないコトバ :2012/08/25(土) 14:59


 控え目なノックと共に、やって来た看護師さんに面会時刻終了が告げられる。
 看護師さんにへらへらとした笑顔を向けて、頭を下げて病室から出た。
 それからエレベーターで1階まで下りて。顔馴染みになった看護師さんや守衛さんに挨拶して、弱冷房の病院から、もわっと熱気のある外へと出る。
 空を見上げると、白い雲が点在し、明日も晴れそうだった。

 明日は何の花を持っていこう……

 そう考えながら、あたしはバス停まで歩いていった。


78 :石川県民 :2012/08/25(土) 14:59


 終了です。
「ほんのりと泣ける話が読みたい」と思い、書いたわけですが、自分の書いた話で泣けるわけねぇ、と途中で気づいたブツです。このバカは何回学習したら気がすむのでしょうか。

 次回はれなえりにしようと思っております。
 飲んで酔ってたらERO、素面なら普通の話、と考えております。

 それではまたお会いできますように……。


  拝。


79 :名無飼育さん :2012/08/29(水) 19:58
うわぁ、切ない…
作者さんが書き足しているという名作「舞い落ちる〜」ですが、完成したらどんな形でもいいので、公開していただけたら嬉しいです。
しがない一読者にも切なさのお裾分けをどうかお願いします…!
80 :石川県民 :2012/11/08(木) 00:07
 のこのこ戻ってきた石川県民です。しるぶぷれ。
〉79 名無飼育さんサマ。
ありがとうございます。……本当に良いんですか?やっちゃいましたよ?

というわけで。
迷作『舞い落ちる刹那の中で』を10頁ほど書き足した『完全版』出来上がりました。
わざわざ新スレ立てるのもアレなんで、こちらもメールのみの配信となります。
それで、たいへん申し訳ございませんが、いくつかの【約束】を守っていただきたく思います。

【約束】
1.Wordで添付してお送りしますので、Wordを開ける方。
2.今回の宛先は普段使いのメルアドですので、他のメールと混合しないため、タイトルに『田亀一丁』とお書きください。
3.ハンドルネームを教えてください。
4.これが一番重要なのですが、本文の中で一筆お願い致します。
『私は無断で本作を掲載しません』と。
わざわざ必要か? と思われるかもしれませんが、オリジナルを黄板に載せた時、やられましたので。ちょっとグレました。
5.申し訳ございませんが、無断転載防止の為、ホームページやブログをお持ちの方はアドレスをご記載くださいませ。

以上をお守りいただける方のみ、今回のMAILに書いたアドレスへメールしてくださいませ。
ただ現在、マイパソがネットに繋がっていない為、今日から数日後に配送させていただきます。あらかじめご了承くださいませ。
(今はスマホからの打ち込みですが……ああ長文が打ちづらい!)
というわけで。支離滅裂な文かもしれませんが、御応募お待ちしてます♪

  拝。
81 :石川県民 :2012/11/11(日) 16:39


 ご機嫌麗しゅう、石川県民です。
 引っ越しをしました。引っ越し祝いにテレビをくれた弟に「スマホがあるじゃん。なんでそんなにパソコンをネットに繋げたいのさ」と言われました。seekの更新に…なんて言えない……。


 では、今回のお話です。先日、血液検査で肝臓の数値がヤバかったので、普通のお話です。
 田中さんの誕生日に間に合って良かったー! それではどーぞ。


82 :サトリスプレー :2012/11/11(日) 16:40


 カチ……カチ……カチリ。
「ふにゃ〜あ、あ」
 ついあくびも出てしまう。目尻を擦り、涙を拭う。
「くそ、ここも売り切れやけん」
さっきから眺めているパソコンのモニタに、思わず悪態をつく。『戻る』ボタンを押して、再び検索ページを睨む。
 ずっと、こればっかり。

 普段使いしている化粧液が切れて、近くの専門店も撤退した為に、パソコンをいじりながら同じ品を探しているわけだけれども。
「くそ……さゆに恩を売っても良いから頼んでおくべきだったけん」
 ネットの海にちょっと溺れかけています。

 あっぷあっぷしながら格闘して1時間20分経過。――ようやく。
「お……あったばい」
 日を跨ぎ、ディスプレイの光が目にきつくなった頃。やっと目当ての品が見つかった。
 確認もそこそこに、買い物カゴに入れる。
 しぱしぱした目で早々にパソコンを切り、そのままベッドにダイブ。

「明後日には届くから、もうよか……ぐぅ」
簡単に眠りの世界に誘われた。



 ――それから。
 注文した品が届き、早速箱を開ける……と。
「……なん? これ……」
 見かけは目当てのスプレータイプの化粧液に見える。けれど、ボトルに大きく書かれた文字は。
『サトリスプレー』
 その横に、商品名よりやや小さめに、『気になるアノ人の心を覗いちゃおう!』と書いてある。


83 :サトリスプレー :2012/11/11(日) 16:40


 ボトルを見ても、商品名と宣伝文句以外は、使用方法しか書かれていない。
「……間違えたと」
 もう一度溺れかけながらサイトまで行って交換してもらうのは困難というか、無理な気がして仕方ない。

 どっか、と座り、ボトルを顔の高さまで掲げて改めて文字を読む。
『ご使用方法――心を覗きたい方の胸にスプレーを一吹きしてください。しばらくするとその方から思っていることが文字として現れアナタにだけ見えます。思っていることが円状に現れ、外側に出てきた言葉より中心に近い言葉がより心の内を表しています。』
「はぁ」
 呆れ、以外に感想が出てこない。
 いつから日本はそこまで技術が進んだのか。あまりニュースを観ないから分からないけれど。
「害があるもんやなかとね?」
そう思ったら、小さく、だけれどはっきりと『人体に影響はございません』と書いてある。
 これをどうしようか考えていると、今日の仕事の時間に合わせたタイマーが鳴った。
「ま・仕方なか」
 深く考えずにボトルをバッグに放り入れ、仕事に向かった。


84 :サトリスプレー :2012/11/11(日) 16:41


「おはようござ――ってさゆだけか」
楽屋に入ると、さゆが一人、いつものように鏡を見ていた。
「おはよーれいな」
せめて鏡から目を離せよ、とも思うがいつものことなので気にせずバッグを机に置く。
 ケータイでもいじるか、そう思ってバッグを開けると、ふと今日届いたあのスプレーが目に映る。

 ……まさかね。
 ……んなわけなかと。

 そう思いつつも、好奇心が勝ってしまい、スプレーを取り出し、鏡を見つめているさゆに――。

 ――プシュッ。

「なに? れいな?」
 流石に鏡から目を離してこっちをみる。
 そんな間に、あたしの目の前では、もくもく、という感じで言葉が浮き出してくる。
『なんかれいなが変』とか、
『ま・いつものことか』とか、
『藤本さんどうしてるかなぁ』とか浮かんでくる。

「……さゆ、これ……」
文字を指さして言ってみるものの。
「? なにかあるの?」
 本当にさゆには見えないらしい。
 信じられない、そう思いながら見ていると。文字は出てくるのを止め、ボトルに書いてあるとおり、円状に浮き上がり、止まった。

 えっと、確か、中心の言葉が本心なんだっけ?


85 :サトリスプレー :2012/11/11(日) 16:41


 真ん中の言葉を読んでみる。
『今日もさゆが一番可愛い♪』
 …………。
 娘。のリーダーだけど。
 あほだ、コイツ。


86 :サトリスプレー :2012/11/11(日) 16:41


 軽い頭痛を感じながらも「なんでもなか」と手を振ってごまかす。
 そんな事をしていたら。
「「おはようございまーす」」
 佐藤と工藤が一緒に入ってきた。

 ちょうどよか。

 近づき、笑顔の工藤に。

 プシュッ。

「えっ!?」
スプレーを吹きかけられ驚いた表情。まあ当たり前か。
 その間も文字は浮き出し――。
『なんだろう、今の』とか、
『田中さん、なんでしょうか?』とかが浮かんでくる。
 そして、中心の文字は。
『今日もがんばろう!』だった。
 ……。
「あの、田中さん?」
不思議顔の工藤を。

 はぐっ。

「工藤は良い子やけん……」
抱き締めた。
「え!? なにこの嬉しい状況!?」
 慌てる工藤と、
「あ! どぅーズルイ!」
 騒ぐ佐藤。


 だからあたしは気付かなかった。
 この喧噪の中で、さゆのところから、
『カシャリ♪』
という音がしたことを。


87 :サトリスプレー :2012/11/11(日) 16:42


 そして夜。
 前々から今日は絵里の家に泊まる予定だったから、一人タクシーで向かう。
 近くで下してもらい、絵里のいるマンションへ。チャイムを鳴らす。……合鍵は持っているけれど、どうせ絵里はいるんだろうし。
 絵里はすぐにドアを開け、笑顔で、
「おかえり、れーな」
と言った。
 最初はこっ恥ずかしかったこの科白も、
「はいはい。ただいま」
なんて、今では軽く受け流せられるようになった。
「今日はカレーだよー」
と鼻歌混じりでキッチンに向かう絵里。そんな姿を見ながらあたしはリビングに荷物を置いた。


 カレーとサラダを前にして。二人で
「「いただきます」」
と手を合わせる。
「あのね、今日のはさゆに教えてもらったやつなの」
と笑顔で言う絵里。

 ……さゆに?

 覚悟してスプーンで一すくい。口に入れると。
「キツ……」
強烈に舌を刺激する。予想以上に辛かった。

 ――結局あたしは、食べている間に水を3杯飲んだ。……なんかお腹がたぽたぽする。


88 :サトリスプレー :2012/11/11(日) 16:42


 ソファに座り、テレビを観ながらくつろぐ。すると洗い物を終えた絵里が、やっぱり笑顔で隣に座った。
「ね、れいな」
「なん?」
「あのね、今日さゆからメールがあったんだけど」
「うん」
「これ、なーに?」
 そう言ってあたしにケータイを見せる。
 そこには。
「あ」
 あたしが工藤を抱き締めている写メだった。

 ……なるほど、絵里がずっと笑顔だったのは……怒っていたからか。


89 :サトリスプレー :2012/11/11(日) 16:42


「と、特に意味はなかと」
 やましいことなんて無いのに、声が上ずる。
「でも結構長い間、抱き締めてたって書いてあったよ?」
 メールの文面をあたしに見せる。タイトルは『れいなが浮気―』という余計なことだった。
「べ、別にメンバー同士のスキンシップやけん」
 そう言うと、絵里は笑顔を引っ込めてアヒル口で眉間にシワを寄せる。
「でも絵里にはこういうこと、あまりしてくれなかったよね」
「あの頃からは……あたしも少し変わったけんね」
「それでもれいなはこういう事、しないタイプじゃない。可愛い後輩が出来たら簡単にしちゃうの?」

 むか。

「さっきからなんね、揚げ足とってばかりで」
 いらいら、いらいら。
 長くない堪忍袋の緒が切れかける。
「そこまで言われる筋合いはなか! なん? あたしがしちゃいけんと!?」
 つい、口調も荒くなる。乱暴に頭を掻き、そっぽを向く。
「そうじゃないけど……でも……」
 絵里の声が小さくなる。――顔を見なくても分かる。絵里はきっと俯いている。
「そうじゃないならなん? わけ分からんばい」
 絵里は無言のままだ。


90 :サトリスプレー :2012/11/11(日) 16:42


 ああ本当になんだろう? せっかく絵里の家に来たのに、喧嘩して。
 進歩しない、あたしたち。
 本当に、絵里の気持ちが分からない。

 ……ん? 気持ちが分からない?

 思いつき、バッグに手を伸ばす。
 例のスプレーを取り出し、振り向くと、絵里はまだ俯いたままだった。

 ――プシュッ。

 胸元に、吹きかける。絵里はそれでも動かない。
 けれど関係なく、文字が現れ始めた。
 すると――。

『れいなを怒らせちゃった』
『ごめんなさい、れいな』
『でもれいなに甘えたい』
『私だってれいなに抱き締められたいよ』
なんて、言葉が浮かんでくる。


91 :サトリスプレー :2012/11/11(日) 16:43


 そして中心の言葉は。

『れいな大好き』

 目を見張る。手が力なく下り、からん、とスプレーが音を立てて落ちる。

 ……あほだ、コイツ。
 あたしの事しか考えてないなんて、さゆよりあほだ。
 でも。
 道具を使わないと絵里の想いに気づかないあたしはもっとあほだ。
「悪かったばい……」
 ゆっくり、抱き締める。絵里は素直に腕の中に入った。
 絵里は泣いてない。けれど心は泣いてる。
「あたしが、悪かったけん。絵里を不安にさせてばっかりで……」
 あたしの服を掴んでくれた。あたしは自然に頭を撫でる。


「れいながこうしてくれるの、久しぶりだね」
 機嫌を直してくれたのか、声が軽くなる。しばらくすると、腕から顔を上げ、あたしを見つめる。
「ねえ、さっきは何をしたの?
「あ、それは――」
スプレーを落とした床を見る――あるはずのスプレーが影も形も無かった。


92 :サトリスプレー :2012/11/11(日) 16:43


 販売していたはずのサイトは見つからず、検索エンジンで商品名を入力しても、なにもヒットしなかった。
「なんだったと……」
 思わず呟く。狐につままれる、ってこういう感じだろうか。

 でも。

「れいな、一緒に行こー!」
「おう、分かったばい」

 絵里への気持ちは変わらない。そして、きっと絵里も。

 あたしはパソコンの電源を切り、絵里の手を取って部屋を出た。



 終。

93 :石川県民 :2012/11/11(日) 16:44


 終了です。
 れなえりはEROばっか書いてたような気がするので、たまにはこんな話でも良いんじゃないかと思ってみたり。

 さて次は……。
11月と12月は田亀祭りを開催したいため、田亀を続けたいと思います。
 と言っても白紙ですが!
ですので、『こんな田亀が読んでみたい』というご要望がございましたらば、ちらりと書いていただけると嬉しいです。
それでは!ご応募お待ちしております。


 拝。
94 :雪月花 :2012/11/29(木) 18:40
更新おつです!PROXY規制中なので遅くなってしまいましたが…
れなえりいいなーwずっとイチャイチャしてれば良いんだこの人たちw
田亀祭りも楽しみです!自分もちょこちょこ頑張ります!
95 :石川県民 :2012/12/03(月) 14:58

 生活の疲れをまーちゃんを見ることで癒されていた石川県民です。
なのに田中さんの卒業発表。何年も娘。さんのファンはやっていますが、いまだにメンバーの卒業には慣れません。orz

それでは返レスをば。
>94 雪月花さま。
コメントありがとうございます。
そうです、れなえりはイチャコラしてれば世界は平和ですw
祭りと言っておきながら、今回もしょーもないものですが。お口に合えば宜しいのですが…。

 それでは更新です。


96 :猫の見る先 :2012/12/03(月) 14:59


 ――猫には霊が見えるらしい。だって、その証拠になにもないところを見つめてる――よく言われる話だ。
 残念ながら、わたしは猫を飼っていない。……まあ、猫みたいな恋人はいるけれど。


97 :猫の見る先 :2012/12/03(月) 14:59


 その日は朝かられいなの様子がおかしかった。
「……り、絵里」
いつもわたしを揺り起こしてくれる、小さな優しい手。
「絵里も今日は朝からっちゃろ? はよ起き……」
れいなの言葉が止まる。ようやく、わたしは布団から出てれいなを見る。
「おはよぉ、れいなぁ」
 れいなは壁を見ている。わたしも振り返る。――特になにもない。
「どうしたのぉ」
「ん、別になんでもなか。ほら、朝ご飯食べると」
 れいなは部屋を出て行った。
 待っててくれてもいいのにぃ、そう思いながらわたしもベッドを出る。ついでにメガネを掛けて、れいなが見ていた壁を見る。
 やっぱり何もなかった。


98 :猫の見る先 :2012/12/03(月) 15:00


 リビングで一緒に朝食を摂ってるときもおかしい。

 れいなが顔を向ける先には、ニュースが映っているテレビ。……けれど視線はテレビのやや上。
「……どうしたの?」
 思い切って聞いてみる。――けれど、
「や、なんでもなかと」
って、あっけなく視線を齧っているトーストに向ける。

 さっきまでれいなが見ていたテレビの上辺りを見ても、特になにかがあるわけじゃない。
 ……なんか、怖いよ。

「ごちそーさま。あたし、先に行くけんね」
 トーストを半分残して、れいなは立ち上がった。


99 :猫の見る先 :2012/12/03(月) 15:00


 今日は一人で雑誌の撮影。
 撮影の合間の休憩時間に携帯電話を見ると、さゆからメールが入っていた。
 タイトルは、
『なにかあった?』。
 早速本文を読んでみる――。
『今日のれいなはおかしいの。なんかぼんやりしてると思ったら深刻な顔になったりしてるの。絵里、れいなと喧嘩した?』

 ……なにもないから、こっちも困ってるんですけど。

『喧嘩はしてないよ。ね……れいなが壁を見てたりしてる?』
 そう返信する。
 すると、向こうも休憩なのか、待ち時間なのか、すぐにメールが返ってきた。
『なにそれ? 絵里、大丈夫?』

 大丈夫じゃないのはれいななんだってば。

 続きには、
『「絵里んちに……いや、でも……」とか呟いたりしてるの。気持ち悪いよー(>_<)』

 ご丁寧に顔文字まで添えてくれちゃって。
 ていうか、れいな……わたしの家がなに!? 怖いんですけど!?

 どう返信するか悩んでいると、
「亀井さーん、撮影準備オッケーでーす」
 タイムアップ。
 心にしこりを感じたまま、携帯電話をかばんに放り入れた。


100 :猫の見る先 :2012/12/03(月) 15:00


 撮影を終え、片付けをしていると、携帯電話のメール受信光に気付く。
 さゆからかな、そう思ってメールを開けると、
「へ?」思わず声が出る。
『今日も絵里んち、行ってよかと?』
れいなからだった。……娘。を卒業してからの連日なんて珍しい、っていうか初めて? かも。
 もちろん、断る理由なんて無いから、
『うへへ♪ 来て来て!』
と返す。

 純粋にれいなが来てくれるのが嬉しい、ってことと、今日の不思議な態度をはっきりさせるためにも、わたしはれいなを呼ぶことにした。


 ……呼ばなければ良かった、なんて後で思うことになるなんて露知らず……。



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