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空気読まずに、れなえり・まこあい・後紺

1 :石川県民 :2008/04/09(水) 15:55

 ほとんどの方、はじめまして。ある方々は、たいへんお久しぶりです。

 石川県民と申します。
 二年ほど前に、こちら飼育でスレを作らせていただきました。

 以前、蜜柑……じゃない、未完のままでスレを放置するという大悪罪を何度か犯してしまい、
この度反省をして戻ってまいりました。
 書きかけだった話をちゃんと完結させて、UPさせたいと思っております。
 また当時、個人のHPを持ってる作者サマに押し付けた、飼育では未発表だった話も何個か載せます。

 てめえ、今更ノコノコ戻ってくるなよ、って話ですが、どうぞ生温かい目で見ていただければ幸いと存じます。

 ちなみに石川県民の中では、娘。さんがたが二年前で色々止まっておりますが、それもご了承くださいませ。

 それではスタート。
531 :【doll〜前編〜】 :2010/05/10(月) 15:10


「れいな、一気! 一気!」
否応無く美貴さんの声が飛ぶ。その言葉に、れいなは苦く笑ってから――グラスを煽った。
 ぐびり、ぐびり、と喉に流しこまれるウーロンハイ。だ、大丈夫かな。
 タン! と置かれた空のグラス。美貴さんとさゆはおろか、ベースやドラムの人も、喝采を上げる。
 ぐらり、と揺れるれいなの頭。慌てて支えようとするけれど、杞憂に終わった。一度大きく揺れただけで、その後は特に変化はなかった。
「大丈夫?」
それでも一応声をかけると、こっちを見た。わたしの顔を見て――ニヤリと笑った。
 顔が近付いてくる。な、なんなの!? つい目を閉じると、耳元で言われた。
「絵里、ライブ中、ずっとあたしのこと見とったでしょ」
 心臓が跳ね上がる。バレてたなんて――!
 気付いとったけん、そしてその姿勢のまま言われる。
「あたしも絵里のこと見とったけん」
 囁かれた言葉に顔が熱くなる、骨抜きになる。――もうタコそのもの。

 それってどういう意味? なんて聞けなくて、ただ体中を真っ赤にしながらふにゃふにゃしていると、顔が離れる気配がしたので、目を開ける。れいながにこにこ顔で言った。
「な、明後日ここから近くの貸しスタジオで練習するけん。良かったら見に来んと?」
「う、うん!」
 喜んで、とばかりに何度も強く頷いた。

 ――その後、ケー番とアドレス交換したところで、打ち上げはお開きになった。れいなに見られてる、そう思うとケータイの操作すら、なかなか上手くいかなかった。

532 :【doll〜前編〜】 :2010/05/10(月) 15:10


 ――その明後日。つまり今日。

 わたしに気付いてくれたギターを担いだれいなが手を大きく振る。わたしは小走りで近付いた。
「ご、ごめんね、ちょっと迷った……」
「気にすることないっちゃ、この辺り入り組んどるけん」
 れいなは扉を開けて、わたしを中へと促す。
「他のメンバーはもう入っとるっちゃ」
 中に入ると、カラオケルームみたいになっていて。カウンターがあり、その奥に個室が数個あって、各部屋から音が少し漏れ聞こえていた。
「いっちゃん奥の部屋やけん」
 れいなが先導して、わたしが後をついていく。奥の部屋へと着く。今度はれいなが先に入っていった。途端に聞こえるベースのビビーンて音。
「はいはい、飾りチョッパー入れる前に、リズム隊はリズムを整えて」
 美貴さんの声もする。……今日はさゆ、いないのかなぁ?
「待たせたと」
「お邪魔します」
 わたしも中に入る。中は簡素で、椅子は脇に数脚あるだけだった。数個のアンプにコードがいくつか繋がれていて、白一色の壁と、部屋の天井隅には監視カメラがあった。
「お。れいなのお姫様が来たね」
 意地悪そうに笑う美貴さん。お、お姫様? って、わたし?
「れいな、ずっとそわそわしてたもんね」とドラムの人。
「そーそー。待合席にいる間ずっと小刻みに動いてたし」とはベースの人。
「その内、『外で待っとるけん! 美貴ねぇたちは先に部屋行っとってと』て言ってギター担いだまま外に出ちゃったし」とは美貴さん。
「え、絵里の前でそんなことバラさんでも良かとやろ!」
 真っ赤になって怒るれいな。を、けらけら笑うメンバーの人たち。わたしは……顔が耳まで熱くなっていた。きっとれいなと同じくらいに赤い。

 ……待ち望んでたのは、わたしだけじゃなかったんだ……。

「さ、さっさと練習するっちゃ! 絵里はその辺に好きなように座ってたらよか」
「う、うん」わたしは素直に頷いた。
 れいなは慌てたようにカバーからギターを引き出す。
「あれ〜? 練習できなかったのは誰のせいだっけ?」と美貴さんが追い討ちをかける。
「うぐ……」
 顔を真っ赤にさせたまま、言葉につまるれいな。……なんか、可愛い。

 れいながギターとアンプをコードで繋げて練習本番。
 a――――♪
 キリの良いところで、美貴さんが、
「れいな、ちょっと走ってる」とか、
「今のところ音程上げよっか?」とか、丹念に言ったり聞いたりする。
 ――みんな、一生懸命に調整する。
 美貴さんのこの仕事が、れいなが居酒屋で言っていたバンドマスターってことなのかな。

 時間も忘れて、みんなの練習風景を見る。――こうやって音楽が出来上がっていくんだ。

533 :【doll〜前編〜】 :2010/05/10(月) 15:11


「荒いけど一応形になったし、休憩にしよっか」
 美貴さんのその一言で、場の雰囲気から緊張が解けた。時計を見ると、もう2時間も経っていた。
 早速伸びをするドラムさん。あ゛―、なんて言っている。
 指をぱきぱき鳴らすベースさん。今日中に形になって良かったね、なんて美貴さんに話し掛けている。
 れいなは……ギターを肩から下ろして、「ちょっと外の空気吸ってくるばい」と言って歩き始めた。……と思ったら。わたしの前まで来て、
「良かったら、絵里も一緒にどうと?」
なんて聞いてきた。
「うん。行く」
 二つ返事で即答した。

 自分で肩を揉みながら通路を歩いていくれいな、とその後を歩くわたし。
「う〜さすがに肩が凝ったけん」
「2時間、通しだったもんね」
そう言うと、れいなは気付いたように慌ててわたしの方に体を向けた。
「絵里、ヒマだったり、つまらなかったと?」
不安そうなその声色と表情に、つい微笑が漏れる。
「ううん、全然。すっごい楽しいよ」
「……本トに?」
まだ不安顔のれいな。
「うん。音楽ってこうして出来上がっていくんだなあ、って思って見惚れちゃった」
 笑ってみせたら、ようやくれいなの不安顔も消えた。

 とん、と廊下の壁に肩をつける。
「一個一個、丁寧に仕上げていくんだね。それって凄いことだよね、それをれいなたちはやっているんだもん。それにれいなの真剣な表情、格好良かったよ」
 最近の流行りの歌は知っていても、一つのアーティストに興味を持ったりすることが無かったわたしとしては、れいなたちがしていることは、凄く新鮮に映った。
「……ありがと、絵里」
 れいなは、つ、と壁に手を触れ、わたしと向き合う。
 数瞬の間見詰め合い――。


 ――近付いてくるれいなの顔を、拒むことなく自然に受け入れ、目を閉じた。

534 :【doll〜前編〜】 :2010/05/10(月) 15:11


 数秒の間、唇を触れ合わせて。ゆっくりと離れる気配を感じ、目を開けた。
「絵里、ばり可愛か」
 そこには、期待のこもった眼差しでわたしを見るれいなの姿があった。
「ね、れいなのこと好いとぉ?」
「――うん」
素直に返事する。
「あたしと付き合わんと?」
れいなも素直に聞いてくる。
「うん……」
 小さく返事すると、二度目のキスが下りてきた。

 ちゅっ。

 と、軽いキスをされ。
「絵里、ありがと。ばり嬉しかと」
 体全身を使って、抱き締められた。
 だからわたしも、全身を使って抱き締め返す。
「わたしもだよ……。すごい、嬉しい……」

 一目惚れって本当にあったんだ、とか、なんでわたしを選んでくれたんだろう、とか、思うことは沢山あったけれど。
 今はただ、心地良いこの体温を逃したくないな、と思った。


 ――1分近く抱き締め合ったままでいると、れいなの唇が、わたしの耳に寄ってきた。
「絵里。今夜――ウチに来んと?」
 ぎゅ、と抱き締めている腕が、更に力を入れられる。それは震えを抑えているかのように見えた。
「うん。……行く」
 そう言って、れいなの背中を泣いた子どもをあやすかのように、撫でた。

535 :【doll〜前編〜】 :2010/05/10(月) 15:11


 ――――。

 がさがさと、途中で寄ったコンビニで買った飲み物とお菓子が、歩くたびに微かに音を鳴らす。

 ガチャ。電子キーでドアはあっけなく開かれた。
「入って。一人暮らしやけん、遠慮せんでよかと」
「……お邪魔しまーす」
 それでもつい、言ってしまうのはわたしの癖だった。
 ドアを開けてすぐに見えるのは、あまり使ってなさそうなキッチン。――れいな、ご飯とかどうしてるのだろう。
 キッチンに直結したフローリングの部屋。れいなはその部屋の灯りをつけた。

 左には一人用のベッド。壁には数着のジャケットが掛かっている。右には――CDの詰まった棚と、その下に散乱しているギター雑誌、隅にはギタースタンドとアンプが鎮座していた。
 れいなは慣れた手つきで肩に掛けていたギターをカバーから取り外し、スタンドに立たせる。
 それから、クッションを一つ、投げて寄越した。
「さ、座って」
「うん」
 ベランダ窓の近くにあったミニテーブルにコンビニの袋を置き、その近くにれいなが投げて寄越したクッションを敷いて座った。
 れいなは、早速とばかりにコンビニ袋を漁って、コーラを取り出す。ついでにわたしのオレンジジュースも。こっちは投げられず、普通に手渡された。
「んじゃ、乾杯」
 こつ、とぶつけられたペットボトルと紙パック。れいながボトルを捻ると、ぷしゅ、といい音がした。
 蒸気を上げながら開いたペットボトルを数口、飲むれいな。――飲んでから。
「絵里、緊張してると?」
と聞かれた。
 心の中を見透かされたようで、どきん、と心臓が跳ねた。
「う、うん。……ちょっとだけ」
 付属のストローを慎重に破る。――動揺を悟られないために。ぷす、と刺してジュースを少しだけ啜る。
 ちらり、とれいなを見ると、なんだか愉快そうだった。

536 :【doll〜前編〜】 :2010/05/10(月) 15:12


 ぷくく、と声を押し殺しきれなかった笑いがれいなの口から漏れた。
「な、なによう、れいな……」
「いや、すまんちゃ……あまりにも、」
 手がわたしの頭に乗せられる。そして――撫でられた。
「絵里、可愛すぎるっちゃ」
 なでなで、そんな擬音がつくように撫でられる。
「緊張してる姿も、ばり可愛か」
「子ども扱いしないでよぉ……」
 年下のれいなに、頭を撫でられるのは、気持ち良かったけれど、余計なプライドがそれを非難した。
「子ども扱いじゃなかと。絵里の全部が可愛いってことばい」
 撫でていた手が、流れるように、すっ、と頬に添えられた。
「絵里、可愛い。ばり好いとお」
 顔が寄せられる。――3度目のキスも、わたしは静かに受け入れた。

 ただ、1回目や2回目と違って、何度も角度を変えられ、4度、5度と、キスされる。
 ――もう何回キスしたのか分からなくなる程された後、
「ね、絵里、唇開いて欲しか」
耳元でそう囁かれる。わたしは素直に小さく開けた。

537 :【doll〜前編〜】 :2010/05/10(月) 15:12


 今度のキスは今までと違っていた。唇に唇が触れられた、と思った瞬間、れいなの舌が侵入してきたのだった。
 こんなキス、初めてで、戸惑う。――その戸惑いを消すかのように、れいなの手の平がわたしの頭を優しく撫でた。
 舌先で、ちょん、とわたしの舌に触れると、歯列の裏側をなぞられる。
「んっ」
思わず声を漏らすと、目聡くれいなの舌は、わたしの舌を絡め取った。
 ねっとりと絡めて、外され、口蓋をなぞられ。れいなの舌はわたしを蹂躙していく。――口腔内のことだけじゃなくて、思考も、心も、れいなに絡め取られていく。
 くちゅ、ちゅ、と淫靡な音が部屋に響く。
 いつの間にか指はお互い絡め合っていた。

 もう、頭がぼーっとして何も考えられなくなったところで、れいなのキスは終わった。
 余韻に浸っていると、
「絵里、良かと?」
 真摯な眼差しで問われた。
 なにが良いのか、すでにわたしも理解していたから、小さく、うん、と頷いた。
「ベッドに、行こう。フローリングだと絵里が痛か」
 手を引かれ、立ち上がる。もう既に足に力は入ってなかった。

 崩れ落ちるようにベッドに寝転がるわたし。れいなは両手をついて、わたしに覆い被さった。
「絵里、本トに良かと?」
「――うん。……ただ、その……」
 言い淀むわたしを、じっと待ち続けるれいな。うぅ、顔に熱が集中する。
「……は、初めてだから……優しくしてほしい……」
 顔を真っ赤にして、告げると。
 れいなは優しい眼差しで見つめていた。
「あたしも初めてやけん。だから、絵里の気持ち良いところ、嫌なところ、教えてほしか」
「うん……っ」

538 :【doll〜前編〜】 :2010/05/10(月) 15:13


 ぷち、ぷち、と外されていくボタン。ひ、人に(それも好きな人に)服を脱がされるのって、こんなに恥ずかしいんだ……!
「絵里、顔真っ赤。可愛か」
 シャツのボタンを全部外され、背中に手を伸ばされた、と思ったら。プチとブラのホックも外された。
「絵里、一回起きて」
のろのろと、それでも素直に体を起こす。シャツとブラが腕から外され、ぽとりとベッド下に捨てられた。
 せっかくだから、とスカートにも手を掛けられる。そして下着も。両方とも、やっぱりベッド下に落とされた。
「ばり綺麗たい」
 そのまま、また押し倒されそうになるけれど、腕を使って抵抗する。
「れいなも脱いでよぉ」
 切なく懇願すると、れいなは、ああそうっちゃね、とあっけなく応えてくれた。
 れいなは荒々しく自分のTシャツを剥ぎ取り、ズボンも脱ぐ。

 二人とも生まれたままの姿になると、今度は素直に押し倒された。

「ふあっ」
 素肌と素肌の触れ合いが気持ち良くて、つい声が出る。れいなも同じなのか、気持ち良かと、と呟きながらわたしの背や腕を撫ぜる。
「絵里、嫌だったり、痛かったら素直に言ってほしか」
そう言ってれいなはわたしの頬に軽く口付けた。
「……うん」
 れいなの手が脇腹を滑る。ぞくぞくしたけど、それは心地良いものだった。もう片方の手はわたしの手と指を絡ませ合っている。
 れいなの頭が移動して、わたしの首に口付けをする。んっ、と思わず声を漏らし、反ると、柔らかく噛まれた。
 指を絡ませ合っていた手が離れ、わたしの肌の上を滑っていく。腕の付け根まで来て――鎖骨を撫ぞられた。
「あっ!」
一段と大きな声が出る。
「絵里はここが弱かと?」
「う、うん」

 ――友だちに、ふざけ半分面白半分で触られても、体をすくめてしまうのに、今、この状況で敏感になってしまっているのも、無理はなかった。

「そっか」
 そう一言だけ言って、れいなの頭が鎖骨に移動する。
 はむ、と噛まれ、舌で撫ぜられる。
「ひゃ、あっ」
 脇腹を撫でていた手も、もう片方の鎖骨に移動していて。撫でられたり、爪を立てられたりする。
「あっ、だめっ! れいな! 声が出ちゃうよぉ……」
 そう言うと、れいなは頭を上げ、わたしの耳元で囁いた。
「この部屋、防音やけん。だから思いっきり声を出してよか」
 そして。耳を舐められた。
「んうっ」
 ぴちゃぴちゃと、いやらしい音が鼓膜を直撃する。れいなの両手は鎖骨をいじったままだ。
「ふっ、あ……れいなぁ……」
 初めての快感に、体に力が入らなくて。時折、びくっ、びくっ、と反応するだけ。

539 :【doll〜前編〜】 :2010/05/10(月) 15:13


 四肢に力が入らない。頭も中が霞掛かって上手く考えが纏まらない。
「絵里、触ってもないのに、もう尖ってると」
 いつの間にか、れいなの顔は耳を離れ、両手も鎖骨から胸へと移動している。
「感じてくれとるっちゃね。嬉しか」
 そう言って、胸の先端をぺろりと舐め上げた。
「あっ!」
 脳に電撃が走る。――それくらいの衝動だった。
 れいなの手がやわやわと下から揉み上げる。それに追従するかのように舌が先端を吸った。
「はあんっ! れいなぁ……!」
 弱々しく言ってみても、れいなは聞いてくれない。下から揉んだまま、先端を吸う、舐める、噛む。
 その度にびくびくと反応する自分の体。ああ、もう思考回路なんてどっか行っちゃった。

 ようやくれいなが顔を上げた。にやり、と笑われ、手が頬に添えられる。
「絵里」
「……なに……?」
ぎりぎり搾り出せた声。
「気付いてないかもしれないけれど、今、ばりエロい表情してるばい」
「……そんなこと……」

 ないよ、と言い切れなかった。――れいなが与える快感に、すでに頭が回らなくなっていたから。

 頬を優しく撫でられる。
「絵里。――下、よかと?」
 下、の意味にすぐには気付けなかったけれど。れいなの真剣な表情に合点がいった。
「うん……」
 顔を赤くして、わたしは頷いた。

540 :【doll〜前編〜】 :2010/05/10(月) 15:14


 する――と流れた手は下に向かっていった。

 クチュ。

 自分でも聞こえるくらいの音。
「すご……ばり濡れとお」
「わ、わざわざ言わなくていいよ……っ」
「ばってん、ほら……」

 れいなが指を動かす度に鳴る、くちゅくちゅ、という音。
「絵里があたしに感じてくれとった証拠たい」
 指先でぐるぐる回されて。それだけなのに、自分じゃコントロールできないものが溢れ出てきそうだった。
「だ、だって……」
「だって?」
「れいなのこと、大好きなんだもん。こうなって当たり前だよぉ……」
「――っ!」
 突然、噛みつかれたようにキスされた。何度も角度を変えて。ふあ、と呼吸をしたら、舌をねじこまれ、口腔を蹂躙される。

 ぴちゃ、ぷちゅ、くちゅ、ちゅぷ。

 上からも下からも淫靡な音が奏でられる。
 唇がようやく離される。けれどわたしたちは太い糸で繋がっていた。れいなが体を起こすと、糸はぷつりと切れた。
「絵里……」
「……なに?」
「あんまり可愛いこと言うんじゃなか。抑えきれなくなるっちゃ」
「……いいよ、抑えなくたって。れいなの好きにしてよ」
「そうはあかんばい。『優しくする』と約束したと」

 ――律儀だな、れいなって。でもそんなところも、いとおしかった。

541 :【doll〜前編〜】 :2010/05/10(月) 15:14


「恥ずかしかもしれんけん。ばってん、我慢してほしか」
 そう言うとれいなの頭はするすると下へと下りていく。……なんだろう、とぼんやり考えていると。
「――あっ!」
 体の中で、一番敏感な部分を、く、口に含まれた。
 転がされ、吸われ、甘噛みされて。
「ひやぁ、あっああ!」
 一段と大きな声が出てしまう。自分の声が、耳を塞ぎたいくらいの嬌声。
 ――れいなにされてることも、自分の声も、自分の体の反応も、全てが恥ずかしい。反射的に股を閉じようとしたけれど、れいなの頭を挟みこむ形になるだけだった。
「れいな……や、やだぁ……」
「なんでと? 絵里の声、さっきより甘くなっとるけん」
 ソコで喋らないで! そう言いたかったけれど、言葉は形にならず、「はあっ!」と吐息になるだけだった。

 先端だけじゃなく、れいなの指の先が入っている周囲も舐め上げられる。
「ふあ……は、ぁん……」
 もう言葉を発することもできない。ただ快楽に身を捩るだけだった。

542 :【doll〜前編〜】 :2010/05/10(月) 15:14


「――絵里。挿れてよかと?」
 息も絶え絶え、目も虚ろになりかけのわたしに、丁寧にも顔を上げ耳元で聞いてくるれいな。
「……っ……」
 答えることもできず、ただ首を縦に振った。
「痛かったら、言って」
 それだけ言うと、れいなは片方の手をわたしの背中に回し、肩を掴んだ。

 くちゅ、ぬぷ。

「うぅ、ふ……」
 充分に潤いきったソコはれいなの細い指を抵抗なく受け入れた。
「……絵里の中、ばり熱くて、湿ってて、柔らかいっちゃ」
 そんなこと言わないで! そう意思表示するため、ぶんぶんと首を横に振った。れいなには伝わらなかったようで、平然と、
「動かすばい」
とだけ言った。

 ずっ、くちゃ。

「ん! ひあっ」
 ナカがれいなの指に絡みついていくのが、自分でも分かる。
「ぁあっ。やっ!」
 さっきまでとは、比べものにならないくらいの快感に、声を抑えることなんて出来ず、ただ自分の前にあるれいなの華奢な体に抱き付いた。
「絵里の声、可愛い。もっと聞かせてほしか」
 そう言ってれいなは挿れている指を2本に増やした。
「んあ……ら、め……っ」
 掻き混ぜられたり、激しく突かれたり。指本体は動かさずに先端だけでくすぐるように。
 れいなのテクは多彩で、わたしはただそれに翻弄されるしかなかった。

543 :【doll〜前編〜】 :2010/05/10(月) 15:15


 ――コリ。
「ん! そこ!」
 流されるままのわたしだったけれど、れいなの指がそこに触れた途端、口から自己主張を発した。
「ここ? 気持ち良かと?」
「ぅ、うん」
 奥の上の部分に敏感な場所があった。そこを擦られると、全身がビクビク震えた。
「分かったばい」
 れいなはそこを重心的に突いてくれた。

 ……ず、ぐちゅっ。

「ひあ……クる、なんかキちゃうよぉ……」
「うん。イってもよかよ」

 はあ、と吐き出されるれいなの吐息も熱い。……れいなも興奮、してるんだ。
「れいなぁ……」
 キス、したかった。
 だから舌でれいなの唇に触れた。れいなは察してくれたらしく、唇を重ねてくれた。――お互いに相手を貪るかのように激しいキスをする。舌を絡ませ合いながら、唇を離した。
 れいなの指は止まることなく動いている。
「ふ、んっ、あ……!」

 体中に電気が走るような衝撃。
「ああー!」
 ビクンビクンとお腹の下が収斂する気配がする。
 どくどくと、脈打つ内部。
 頭の中は真っ白になった。

544 :【doll〜前編〜】 :2010/05/10(月) 15:15


 激しい疲労感に、全身が動かない。まだ体に電気が残っているような感じ。
「……理、絵里」
 重い瞼を無理矢理上げると、そこには心配そうなれいなの顔が。
「ふにゃあ……れいなぁ……」
「絵里、大丈夫と? 辛くなかった?」
 さっきまでの荒々しさは消えて、今のれいなはわたしを気遣ってくれている。
 全身の力を振り絞って腕を上げ、れいなの頬に触れる。
「気持ち、良かったよ」
 ぼっ、とれいなの顔に火が灯った。
「そ、それなら良かったばい」
 赤い顔でうろたえるれいなは可愛かった。だからわたしは笑顔が零れた。
「……なんね? 絵里」
「んーん。なんかさっきまでのれいなとは別人だなーと思って」
 くすくす笑うわたしに、れいなは硬直していたかと思うと。
 す――と艶めいて頬を撫でられた。眼は獲物を前にしたライオンのよう。
「別人かどうか、もう一回試してみると?」
 今度はわたしが、顔に火を灯らせる側だった。
「え、遠慮するよ……」
 ……正直、体がもたないだろうし。

「遠慮することはなかとよー?」
 ライオンの眼から戻っても、れいなはわたしをからかうかのように誘う。
「も、もう無理だってば!」
 赤い顔で抵抗すると、れいなは、じゃあ、と言ってわたしの肩を抱いた。
「今日はもう泊まりんしゃい。良かとやろ?」
「う、うん。じゃあ洋服……」
 ベッド下に手を伸ばすと、れいなにそれを遮られた。
「もう今日はしないから、このままで寝よ。絵里の肌、気持ち良か」
 ……確かに。わたしもれいなの体温が気持ち良いのは事実だった。

 シーツを被せられ、二人で抱き合う。お互いの素肌の感触が気持ち良い。

 さっきまであった疲労感が再び押し寄せてきて、うつらうつらとわたしは舟を漕ぐ。
 夢うつつに感じるれいなの感触。手が伸びて、わたしの髪を梳く気配がする。
「絵里、可愛か。ばり好いとぉ」
そう囁くれいなの声。

 ――夢と現実の間で、これは現実だといいな、と思いながら意識を手放した。

545 :【doll〜前編〜】 :2010/05/10(月) 15:16


 ――――。

 ぱちり、と目が覚めた。
 今、何時だろう、そう思いながら癖で枕元のケータイに手を伸ばすが、みつからない。
 あれ……なんで……。
 そこまで考え、意識が覚醒した。
 そうだ! 昨日はれいなの家に!
 慌てて飛び起きる。――と、下腹部に鈍痛が走った。
「……っ」
「絵里、起きたと?」
 隣にはれいなが微笑みながらわたしを見上げていた。
「お、おはよ。れいな、今、何時か分かる?」
「んー? 7時ちょい前」
 壁掛け時計を見て、れいなは答える。
「絵里は講義、まだ後でしょ?」
「あ、うん。今日は午後からだけだし」
 そう答えると、体を引っ張られ、わたしは再びベッドに横たわる形になった。
「あたしも、バイトの時間まで、まだ余裕あるけん。もうちょっとこうしてたか」
 ぎゅ、と優しく抱き締められる。――とくんとくんと聞こえるれいなの心音が気持ち良い。
「バイトって、れいなはなにしてるの?」
「ん。CDショップの店員」

 CD屋かぁ。確かにれいなにはお似合いかも。

「今度、行ってもいい?」
「よかよ、いつでも来んしゃい。あたしも絵里がバイトしてるコンビニ行くばい」
「うん。待ってるね」

 ――そんな他愛もない話をしていると小一時間が過ぎていった。


「……名残惜しいけれど、そろそろ時間たい」
「そ、だね……」
 二人してのろのろと立ち上がり、昨日ベッドの下に落とした洋服を着ていく。……なんだか寂しいなぁ……
「絵里」
「?」
 振り向いたら、抱き寄せられ――キスされた。
 数秒後の後、唇が離される。
「また、会いたか。連絡するけん」
「うん……! わたしも連絡するよ。だから……」
 恥ずかしくて俯いたまま、れいなの耳元で言った。

 もう一回、キスして……。

 ちらり、とれいなを見ると、れいなは嬉しさを隠し切れない様子だった。
「絵里、可愛いすぎるっちゃ」
 抱き締められ、また唇が落とされる。――次に会うときまで、この感触は忘れないようにしようと心に刻んだ。

546 :【doll〜前編〜】 :2010/05/10(月) 15:16


 ――それから数日は。
 お互いの都合が合わず、会えることができなかった。それでも電話やメールは頻繁にしていた。
 ――ある日のこと。
 れいなから、今日も会えない、とすまなさそうな電話をもらってから、わたしはケータイを閉じ、大学の堅い椅子から立ち上がる。
 わざわざ自分のマンションに帰るのも面倒なので、そのままバイト先のコンビニへと向かう。今日はさゆと一緒だから、退屈しないだろうな、と思った。
 大学から、直接コンビニへと向かうには、HP研究所の前の道を歩かないといけない。特に気にも止めず、ぽくぽくと歩いていった。

 ――すると。
 HP研究所の門の前にれいながいた。――そして美貴さんも。一瞬、声をかけようかと思ったけれど、れいなたちは白衣を着た大人たちに取り囲まれ、声をかけづらい雰囲気だった。思わず近くにある電柱の陰に隠れる。
 大人たちは、れいなについて何か話しているようだった。
 ――風に流れて、会話が聞こえてくる。


「……脳内回路が焼き切れそうだと自己申告してましたが……」
「……確かにエラーが起きてたが、小さなバグだ。本来なら気付かないほどの……」
「……取り敢えず試験は続行だ。なにか異変が起きたら、すぐに報告してくれ……」
「……分かりました……」これは、美貴さんの声だった。
「……なにせこいつは特別性だからな。重要な実験体だ……」そう言った人は、れいなの背中を軽くぽんと押した。
「……藤本、お前は重要な監視役だ。れいなにバグが起きたら場合によっては非常停止スイッチを押しても構わん……」
「……はい……」


 そこまで言うと、大人たちは門の中へと入り、れいなと美貴さんは、わたしがいる逆の方向の道を歩いていった。


 わたしは電柱を背にして、ずるずると、その場にへたりこんだ。今聞いた会話が信じられなかった。
 脳が必死に今の会話を整理する。――何度整理しても、結論は一つしか思い浮かばなかった。
 つまり、れいなは――。



 れいなは、人間じゃなかった。

547 :【doll〜前編〜】 :2010/05/10(月) 15:17


【doll〜前編〜】了。
【doll〜中編〜】に続く。

548 :石川県民 :2010/05/10(月) 15:17


 「エロいw」と言う評価がいただければ本望です。

 それではまた明日。 拝。

549 :石川県民 :2010/05/11(火) 18:59


 えー今回の中編は本当にエロばっかりです。
 なにせ……

ノノ*^―^)>3回もありまーす!

从;´ワ`)>だから絵里! 回数は言わんでよかと!


 ……というわけですので、充分に周囲にご注意ください。
 それではどーぞ。
550 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:00


 小さなライブハウスの中の小さな小さな楽屋。そこで今日もトリの6thは出番待ちをしていた。
 今回もわたしは、さゆと一緒に来ていて、さゆの言う『恋人の権限』を使って楽屋に入らせてもらっていた。
 ちなみにさゆは、見てるこっちの方が恥ずかしくなるくらい、美貴さんとイチャイチャしてる。だから見ない。
 わたしの視線は他の方へと向けられている――楽譜を見ながら、ホットドックを齧っているれいなに。

 ――アンドロイドのエネルギー供給って色々あって、腰にあるソケットから供給するタイプや、口から液体燃料を供給するタイプがあるって聞いたけど……アンドロイドがホットドックを食べれるなんて聞いたことない。あ・前回、居酒屋で打ち上げしたときも普通に食べてたっけ。それにアルコールも。
 やっぱりれいながアンドロイドって嘘じゃないかなあ。きっとわたしの聞き間違いだ。

 そんなことを考えていると、当のれいなはホットドックを食べ終え、唇についたケチャップをぺろりと舐め上げていた。

 ――どう見ても、人間の仕草じゃないの。
 そんなことを考えていると。
「なん? 絵里、まだ付いとると?」
 れいながこっちを向いて、口の回りを手の甲で拭う。
「あ、ううん。そうじゃないの」
 ぶんぶんと手を振って否定する。……まさか、れいなのこと人間かどうか疑ってる、なんて言えないし。

「――じゃあ、」
 人差し指で顎を持ち上げられる。目の前のれいなはイジワルそうな笑み。
「――あたしに見惚れとったと?」
 ぼっ、と顔が熱くなる。
 た、確かにそうとも取れるけど! でも、でも、そうじゃなくてっ。

 顔を赤くさせたまま、ただぱくぱくと口を開け閉めさせるわたしを、れいなはイジワルな笑みのまま、けれど優しくわたしの頭を撫でた。
「――今度、絵里の家に行って良かと? あたしは明後日なら大丈夫やけん」
 明後日――必死に頭の中でスケジュールを確認する。
「わたしは夜の9時までバイトだから……その後なら、いいよ」
「ん。りょーかい」

 そこで先頭に歌っていたバンドが戻ってきた。
「絵里―そろそろ場所の確保しよー」
 イチャつきから終わったさゆがほてほてと近付いてきた。
「じゃ、絵里。また後で」
「う、うん」
 さゆに手を引かれ楽屋を出る。ドアの近くで振り返ると、れいなは優しい顔でこっちを見ていた。


551 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:00


 次のバンドが終わるまで、さゆと一緒に壁に凭れかかっていて。バンドが去ると同時に、前方へと走り寄った。
 さゆはスタンドマイクの中央を、わたしはセカンドマイクが置いてある中心を確保することが出来た。
 まだかな、まだかな。
 さっきからワクワクが止まらない。――さっきまであんなにれいなと居たのに、もうわたしはれいなに飢えていた。

 出て来た――!

 ドラムさんはスティックを、ベースさんはベースを、そしてれいなはギターを持って出て来た。最後に出て来た美貴さんだけは手ぶらだった。
 瞬間、上がる歓声。
 歓声に負けないように「れいなー!」と叫ぶと、目の前のれいなは気付いてくれたらしく、微笑んでくれた。

「こんばんはー!6thでーす!! それでは最初の1曲目。Are you ready?」
「「「「「YEAHHHHH!!」」」」」」
 ギュイーン!

 いきなり始まった、れいなのギターソロ。
 ギターを弾くれいなの表情は真剣そのもの。――わたしにも見せることのないその表情も好きだった。

 ――♪

 流れ出したメロディ、それを歌い上げる美貴さん。
 でもわたしの目はれいなに釘付け。

 ――ステージ上でギターを弾くれいなは、文句なく格好良かった。


552 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:00


 ――ライブから2日後。
 わたしは、バイト先のコンビニで働いていた。お客さんが少なくなったスキをみて、お菓子の補充、品出しをしていた。スナック菓子を前出しして後ろから補充をしていく。すると、
「絵里」
 後ろから声をかけられた。振り向くと――、
「……え?」
 キャミの上に半袖パーカーを羽織っているれいなの姿がそこにあった。
「売り上げに貢献に来たけん。それにあと10分で終わりっちゃろ?」
 時計を見上げると、確かに今は8時50分を指していた。
「だから一緒に帰ろ」
「う、うん!」
 迎えにきてくれたことがとても嬉しかった。
「絵里は飲み物、オレンジジュースで良かと?」
 れいなはチョコレート菓子とスナック菓子をひょいひょいと摘んで、ジュース棚に向かう。
「うん」
 ……わたしの好きな物、覚えてくれたんだ……そんな些細なことでも、ほっこりと心は温かくなった。

 自分の飲み物も決め、会計を済ませたれいながこっちにやって来る。
「終わるまで、雑誌でも立ち読みさせてもらうっちゃ」
「分かった。待っててね!」

 交代の人がやって来て、レジの確認をする。わたしもレジに入り集計に回った。
 ――このたった10分が、こんなにも時計の針の進みが遅いと感じたことは無かった。


553 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:01


 ――がちゃり。
「ごめんね、散らかってるけど……。わたしも一人暮らしだから気楽にしていいよ」
「おー、これが絵里の部屋か」
 興味津々にれいなは中を覗く。
「女の子の部屋たいね」
 スイッチを点けた部屋を見たれいなは、そう感想を述べた。確かにれいなの部屋よりは、ぬいぐるみがあったりカーテンの色が明るかったりするけれど、自分じゃよく分からなかった。
「これ、大学の教科書? 難しそうっちゃ」
 勉強机の上に放り出してあった教科書を手にとって、パラパラめくるれいな。

 ――なにもかもが、れいなには新鮮に見えたみたい。

 れいなは、きょろきょろと一通り部屋の中を見た、と思ったら。
 今度はごんごん、と壁を叩き始めた。
「れいな、何してるの?」
「んー。絵里んちの壁、薄かとね」
「そうかな? 別に普通だと思うよ」
 ……まあ確かに、時々隣の部屋から微かに音楽が漏れ聞こえることもあるけれど、充分に許容範囲だし。
 ふーん、と言いながられいなは壁から離れた。

 買ってきたお菓子とジュースを開けて食べる。今日のれいなの飲み物はサイダーだった。
「れいなは好きな飲み物ってないの?」
「特に無かと。その日の気分で選んでるっちゃ」
「へぇ」
「あ・でも、あたしのイメージカラーは水色たい」

 い、イメージカラー?

 疑問符をいっぱい浮かべた顔をしていると、れいなは苦笑いしながら答えた。
「6thを結成した時に、美貴ねぇが提案したと。固定キャラになればお客に分かりやすい、って。だからあたし、ライブの時は、水色の服ばっかり着てると」

 あ。確かに、初めて行ったライブでは水色の襟シャツだったし、おとついも濃い水色のTシャツだったっけ。

「でも、なんかいいなぁ。なんか、仲間意識、強まりそうじゃない」
「そうだけど、たまには違う色も着たかと」
 苦笑いのまま、れいなは答えた。


554 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:01


 ――お菓子も尽き欠けた頃。
「――絵里」
 れいながにじり寄ってきて、顔を近付ける。だからわたしも自然に目を閉じた。
「んっ」
 れいなの唇は、最後に食べたチョコレートの味がした……。
 触れるだけの長いキスが終わり。
「ベッド……行こう?」
「ん。分かったと」
 れいなは素直に応じてくれた。

 ベッドに転がるように入り、わたしは自分で服を脱ぎ始めた。――今日はバイト帰りだからTシャツとジーンズという簡単な格好だったし、……そ、それに、れいなに服を脱がせられるのも恥ずかしかったし。
 れいなは、半袖パーカー、キャミ、ブラだけ取って、わたしを組み敷いた。下は脱がないの? と聞いたら、
「こっちの方が征服欲がそそられると」
というトンデモナイ答えが返ってきた。

 ず、ずるいよ。そう言おうとした瞬間に、鎖骨を噛まれ、
「ふぁっ」
と声が出て、反論は出来なかった。

 ちゅ、ちゅ、と胸・みぞおち・脇腹に唇が降ってくる。
「あ、あ……」
 それだけで、ぞくぞくした。
 胸の先端にもキスが降ってくる。
「んんっ」
 思わず声を出しながら、軽くのけ反る。と――。
 れいなの顔がわたしの顔の正面にあった。
「絵里。あんまり声を出すと聞こえるっちゃ」
「……え?」
 ゴンゴン、と壁を叩くれいな。

 えっと……つまり……。

 ――あ!
 だかられいな、来た時に最初、壁を叩いてたんだ!


 慌てて口を手で抑える。……もう遅いかもしれないけれど。


555 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:01


「それ、いつまで持つかとね」
 れいなが口角を上げ、イジワルな笑みを浮かべる。
 胸の先端を舐められる、もう片方は、指が弾いたり、摘んだりしていた。
「んっ……ぅ!」
 必死で声を抑える。
 噛まれ、舌で転がされる。意識が飛んでいきそうだったけれど、なんとか保つ。
 最後にちゅーっ、と吸われ、唇が離れた。ほっ、と一息つくと、れいなが耳元までやって来て、囁いた。
「我慢してる絵里、ばり可愛か」
 ――湿った声でそんなこと囁かれるなんて反則だ。思わず力が抜ける。と。
「んうっ!」
 もう片方を、指で強く摘まれた。
 そ、そうだった。まだ気を抜いちゃいけないんだった……!

 ちゅっ、と軽く耳朶にキスされ、れいなの頭はまた下りていく。
 胸にあった手はそのままで、れいなは脇腹を舐め上げた。
「んーっ」
 声にならないものが唇から漏れる。
「絵里の味がするっちゃ」
 わ、わたしの味? ……えーっと…………あ!
「そ、それ汗だよぅ……汚いよ……」
 バイト先で商品を棚から下ろす時に汗をかいちゃったんだ!
「なんで? 汚くなか。甘いと」
 ぺろぺろなめるれいな。わたしの恥ずかしさゲージはぐんぐんと上昇する。
「だ、だめだってば……んっ」
 弱々しい声で反論することしかできない。
「ひゃぁ」
 お、おヘソも舐められた。――もう、体をゾクゾク震わせることしか出来なかった。


556 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:02


「下はどうと?」
 わたしの両足を割って、体を滑り込ませるれいな。そのまま頭を下ろしていく。
 ――下なんて、見なくたって、潤っているのが分かる。それをれいなに見られるのは2回目だとしても恥ずかしかった。
「わお。絵里は感じやすかとね」
 それは触っているのがれいなだから、なんて言えるはずもなくて。わたしは抵抗のつもりで、目をぎゅっと閉じた。
「ばり尖ってると」
 ちゅう、とそれを吸われる。
「んう!」
 れいなの唇は休むことなく、舐めたり噛んだりする。舌でこねくり回されたときは、思わず声が出そうになった。
 はっ、はあ、と感じるれいなの吐息。その息を感じるせいで、余計にわたしは濡れた。

 ……すっごく熱い。れいなの息……。

 ぼんやりと、頭の片隅でそう思った。


 れいなの唇が離れたところで、乱れた息を整える。もうソコへの攻めはしないだろう……と思っていたら。
「ふぇ? れいな? あっ!」
 皮を剥かれ、ふぅーと息をかけられた。――さっきまでとは段違いの攻撃。そして、口に含まれた。
「んー! ンんぅー!」
 必死に両手で声を抑えるものの、全てを抑えるのは無理だった。もう理性じゃなくて本能が、声を出せと命令していた。
 噛まれ、舐められ、転がされ。
 ぞくぞくと足元から電流が走り出す。
 ――もう、限界だった。
「んんんー!!」
 びくん・びくん、と両足と下腹部が痙攣した。


557 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:02


 ――わたしの動きで、達したことに気付いたのだろう。れいなは顔をわたしの正面まで上げた。
 ああ、もう何も考えられない。くたり、と口に当てていた両手を投げ出した。
 そんなわたしを見て、れいなは。
「絵里、まだ終わってなかと」

 ――はい?

 投げ出した両手を頭上で組ませ、れいなはそれを自分の片手できつく掴む。
「声を我慢してた絵里も可愛かったけれど、やっぱ声、出してほしかと」
 もう片方の手が、達したばかりのソコにあてがわれる。
「え!? れいな、ちょっと待って――」
「待てんばい」
 ぬぷり、指を挿れられた。
「ひあ!」
 達したばかりで、全身が敏感になっているというのに、よりによって一番敏感な部分に指が入る。声を抑えたくても、両手をきつく捕まえられている。

 ずちゅ、くちゅ、と飲み込まれていくれいなの指。
「あ、はあん!」
「切なか声出して……指1本じゃ足りんと?」
「ち、ちが……」
 ぬちゅり、2本目も挿れられた。
「ふあ!」
「初めての時はキスしてたからよく分からんかったけん。絵里のイく時の顔、見せてほしか。あと声も聞かせてほしかと」
 ぷちゅ、ずちゅ、と音を出しながら出し入れされる、れいなの指。
「は、やめ……うぅん! はあ!!」
 れいなに翻弄されながらも、ちらり、と壁を見る。ここ、学生マンションだから、お隣さんも同じ学校なのに!

 くちゅ、ぐちゅ、とれいなの手は休まることが無い。
「ふうっ、うん! あぁ……!」
「声、聞こえたほうが良かとかもね。そしたら絵里に悪い虫がつかんばい」
「あん! はあ!!」
 なんて不条理な、なんて思っても、言葉は声にならない。


 数日前まであった疑問が、頭に湧き上がる。
 食欲だって、せ、性欲だってあって、人間らしいヤキモチめいたことまで言うれいなが、アンドロイドなわけ、無い。



 ――そこまで考えたところで。
「ひっ!」
 れいなの指がわたしの弱いところを突いた。
「あっ、だめ! れいな……もうっ」
「ん。よかよ」
 びくびくんっ!
「あ゛……!」


 ――結局。声が嗄れるまでイカされた。


558 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:03


「絵里〜、そろそろ機嫌直してほしかぁ」
 布団虫になっているわたしを、シーツ越しにぽふぽふ叩くれいな。
 ――この体勢のまま、優に10分は過ぎていた。
「馬鹿れいななんて知らないもん」
 シーツの中から抗議の声を上げるわたし。

 馬鹿! れいなの馬鹿!! 絶対にマンション中に聞こえたよ! それに恥ずかしかったし、ノドが痛いし、……あそこもひりひりするし!

「……絵里。やり過ぎたっちゃ、悪かったばい」
 突然、神妙な声になったれいなに、さすがに拗ね過ぎたかな、と思って頭を出す。
「コレ上げるから許してほしか」
 ぴらり、と差し出されたのは一枚の紙。――ただの紙じゃない、ライブチケットだ。
「これって……」
 受け取り、しげしげとよく見る。いつもれいな達が使っているライブハウスじゃない。『ライブハウス Hello!』……どこかで聞いたことある……――懸命に記憶の糸を手繰り寄せる。
 あ! 以前さゆが言ってたんだっけ。


559 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:03


 あれはわたしがれいなと出会う前。バイトの休憩中、さゆに美貴さんとのノロケ話を聞かされてた時だった。
“……でね、そのライブハウスは地元のインディーズにとっては、登竜門的存在なんだって。美貴さんはいつかHello!でライブするのが夢だって言ってたの……”


「いつも使うハコとは規模が違うとこばい。絵里に来てほしいっちゃ」
「……れいな達がここで演奏するの?」
「そうやけん」
「……トリで?」
「いきなりそれは無理やけん。5組中3組目たい」
「でもこれって……」
 貴重なんでしょ? 観客チケットも、ものの数分でソールドアウトするってさゆに聞いたし。
 れいなとチケット、交互に見る。――しかもこれ、一番前のプラチナチケットじゃない。
「絵里がよか。あたしは絵里に来てほしか」
「れいな……」
 バンドマンならではのお詫びに、心が温かくなった。

 がばり! シーツをめくり、れいなに抱き付く。
「ありがとうれいな! 絶対に行くからね!」
「わっぷ。……絵里! 服! 服!!」
「あ」
 そう言えば、わたし裸のままだったっけ。
「……うへへ」
照れ隠しに笑うと、れいなは全く、といった表情になった。
「ほれ。また襲われたくなかったら、早く服着んしゃい」
 Tシャツとジーンズを一緒くたに、ぼす、と渡された。

 それでもわたしの頬は、緩んだままだった。


560 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:04


 ――Hello!でのライブ当日。
 わたしは長蛇の列に並んでいた。……違う、『わたし達は』だ。
「ここの楽屋って聞いた話じゃ、本当にスタッフオンリーらしいの。ライブ前の美貴さんに会えないのはつまんないの」
 わたしの横にはさゆが当然のように並んでいる。きっと美貴さんから、当然のようにチケットを貰ったのだろう。

 お互い、チケットを貰った当日、見せ合って席場所を確認した。さゆもプラチナチケットだったけれど、チケットは『プラチナ東』と『プラチナ西』に分かれていて、わたしは西、さゆは東だった。
 6thが出るまで、お喋り出来なくてつまらないね、なんて二人で愚痴ったりもした。

 席は6組に分かれていて。
 先ずは最前列の『プラチナ東』と『プラチナ西』。
 その後ろが『特A』。
 さらにその後ろが『A』。
 そしてそこからホール後ろまでが東側が『B』、西側が『C』となっているらしかった。
(byさゆ情報)


 観客入場の時間になり、列はのろのろと動き出す。先の人たちを見ていると、チケットと引き換えに名刺二枚分の大きさの、首からかけるパスを受け取っていた。
 それに倣って、わたしもチケットをパスと交換した。……本当はれいながくれた物だから、取って置きたかったんだけどな。

 中に入ると、観客席の前のホールで飲み物や軽食が売られている。ちょっとしたお祭りみたい。
 それから今日出演するバンドの生写真も! 凄い、プロ並みの扱いじゃない!
 ……れいなの写真もあるのかな、と、つつつ、と近付くと、
「あれは違法行為で撮られた写真だから買っちゃダメなの」
とさゆに腕を引っ張られた。

 客席内はもう人が溢れていた。特にBとCの枠は。その二つを分けるような細い通路を進んでいく。
 A、特Aと進んで行くうちに、人は少なくなる。程よい感じに人がいる。
 さゆと手を振って別れ、プラチナ西の枠に着いた。そこはまだ人が数名、いる程度だった。
 開演時間が近くなり、人はどんどん増えていく。プラチナ席も例外ではなかった。

 ――開演。ヴィーとブザーが鳴り、一組目のバンドマンたちが出て来る。
 ワッと沸く観衆。
 ――そして長い夜が始まった――。


561 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:04


 ――空気が熱い。
 ――地面が躍動する。

 今までれいな目当てでしかライブハウスに来たことしか無かったわたしには、Hello!の空間はまさに異次元だった。
 すごい、音楽って、こんなに心臓に響くものだったんだ。

 一組目はパンク、二組目はロック音楽だった。どちらも、観客に媚びることのない、純粋な音楽。
「ありがとう!」
 二組目のバンドが演奏を終え、ヴォーカルが礼を言って去って行く。
 ――次は、れいな達の出番!


 大丈夫かな、気圧されてないかな……そんな心配していたけど――それは杞憂に終わった。
 6thは今までとは違う空気を纏って出て来た。例えるなら、独特のオーラを。ぞくり、と背筋に電流が走る。見てるこっちが気圧されてしまいそうだった。
 それは、わたしだけじゃなく、他の観客も同じだったみたいで。会場にどよめきが走る。
 わたしは、れいな、と叫びたかったけれど、そんなことを軽軽しくできない雰囲気だった。

 ジャーン! ドラムのシンバルが鳴らされる。そこから怒涛のように、ギターとベースがドドドド! と音を掻き響かせた。
「――――!」
 ヴォーカルの美貴さんが叫ぶように歌う。

 ワアッ!
 気圧されていた観客たちも我に返ったように歓声を上げた。


562 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:05


 さっきまでのバンドたちとは違う空気感。
 空気の密度が濃い。ノドがカラカラになる感じ。
 竜巻のように、観客を巻き込んでいく雰囲気。
 両足で踏ん張らないと、倒れそうな威圧感。
 そして、どこまでも惹きこまれて行く音楽。

 れいなを見上げると、汗をかきながら、一生懸命演奏をしている。――まるで別世界の人みたい。


 わたしは歓声を上げるでもなく、雰囲気に飲み込まれ、両目から涙を流していた……。


563 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:05


 6thの演奏が終わり、引っ込んでいくれいな達。
 4組目のバンドが出る前に、わたしはハンカチで両目の涙を拭った。

 そろそろ出て来る頃かな、と思っていたら。ヴヴヴ、とバイブにしていたポケットの中のケータイが受信を知らせた。
 こんな時に誰だろう、そう思ってケータイを引っ張り出すと。
「――え?」
 それは、れいなからのメールだった。
 急いでメールを開く。きっと楽屋に引っ込んだすぐに打ったに違いないメール。それは、
『トイレに来て』
という簡素なものだった。

 なにかあったのかな? わたしは枠から出て、通路を小走りで進む。
 ホールから出、トイレまで駆けていくと。
「れいな?」
 トイレ前にれいながいた。
「どうしたの? れいな。あ・演奏すごかったよ」
 歩きながら近付く。と。
「絵里」
 手首を掴まれた。

 へ? なに?

 れいなの行動の意味が分からなくて、されるがままにしていると、れいなはわたしをずんずん引っ張ってカチャリとドアを開けトイレに入り、そして個室に入って行って鍵を閉めた。
「れい――んッ」
 名前を呼ぼうとしたら、噛みつくようにキスされた。そして、舌をねじ込まれる。
「ふっ、ん……」
 れいなの舌は荒々しくわたしの口腔を攻めていく。
 ――どうしよう。れいなの行動の意味が分からない。
 ぼうっ、としかける頭をなんとか回転させ、両腕でれいなの体を押す。結構あっさりとれいなは離れてくれた。
「ど……どうしたの、れいな……」
「絵里」
 抱き付かれた。れいなの顔はわたしの首筋に埋もれている。
「今日の他のバンドたち、すごか。今までの対バンとは比べもんにならんたい」
「う、うん」
 それは、素人のわたしでも分かったことだった。
「あたし、負けんように渾身の力で演奏したと」
「うん。今日の6thもれいなも、いつもよりすごかったよ」
「だから――」
 首筋から離れ、耳元で囁かれた。
「興奮が冷めん。昂ぶったままっちゃ。――静めてほしか」


564 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:05


 えっと、それって……。

 れいなの言葉の意味を咀嚼していると。
「ひゃあ」
 服の中に手を入れられた。そのままするすると登っていくれいなの手。

 つまり、そういうこと!?

「れ、れいな、ここトイレだよ!?」
「そうやけんね」
「ひ、人が来たら……」
「個室で鍵を閉めたから大丈夫たい」
「声が出ちゃ……」
「演奏音で掻き消されるっちゃ」
 た、確かに4組目の演奏が始まって、トイレの中でも響いてくる。顔を近付け合わないと、会話が出来ないくらいに。
 それでも反論の言葉を探していると――
「んっ」
胸を揉まれた。いつの間にかブラの中に入っていたれいなの手は、やわやわと揉みしだく。
「だ、だめだってば……れいなぁ……」
「でも絵里の声、甘くなっとるばい」
「……だって……」
 だって、れいなの手、すごく熱い。さっきまですごい演奏でギターを弾いていた指だと思うと、背中がぞくぞくする。
 胸を揉んでいた手がすっぽりと抜かれる。
「あ……」
 止めるのかな、そう思うと寂しいと感じている自分がいたのは、何故なんだろう。
 けれど、れいなは、
「絵里、後ろ向いて壁に手をついて」
と囁いた。


565 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:06


 わけが分からないまま、それでも素直に後ろを向いて壁に手をつく。
「ぁ、」
 再びれいなの手が服とスカートの中に侵入する。一方は胸を、もう一方は腿を撫でている。
「んっ」
 れいなが背中に唇を寄せる。それも何度も。寄せる度に小さく反る体。……布越しがもどかしい……。

「んあっ」
 少しだけずらされたブラとショーツに、れいなの指が入り込む。左手は胸の先端を、右手はアソコに這う。
 はあ、はあっ、と口で荒い息を吐きながら、れいなを感じる。
 れいなの指で回されたり、浅く出し入れされて、アソコから腿に液が伝った。

 ――その時。
 カチャリ、とドアの開く音がした。
 え? と思っていると、どうやら4組目のバンドも終了したらしく、あたりはザワザワと雑音が聞こえてきた。
『もー、さっきの××最悪〜。あんなの子どもの発表会レベルじゃん』
『ていうか一つ前の6thが良過ぎたんだよ。メジャーデビューするって噂ホントかな?』
『あ、それマジありえる』
 ドア一枚越しに感じる人の気配。
 今、その6thのメンバーがいて、わたしとコンナコトしているなんてバレたらどうしよう……!

(れ、れいな、れいな!)
(ん? なにっちゃ)
 小声で話すわたしに合わせて、れいなも小声で聞いてきた。
(人! 人が来たよ!)
(あー。そうっさね)
 指の動きを速めるれいな。
(んんんーっ!)
 必死に声を押し殺す。


566 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:06


 な、なんで? 逆でしょ! 普通は止めるものじゃない!

 視線で抵抗の意思を示すと、れいなは耳元で言った。
「恥ずかしがってる絵里、ばり可愛か。ソソられるたい」
「……!」
絶句するしかなかった。
 更に指を奥に入れ、動きを速めるれいな。
「あ……は……っ」

『ねー? 今なんか聞こえなかった?』
『えー気のせいじゃない?』

 漏れた声を聞かれ、慌てて口を閉じる。
(絵里、興奮してると?)
 小声で聞くれいな。
(ち、ちがっ……)
 否定してみても。
(ばってん、絵里のナカぐちょぐちょたい)
 確かに、腿に伝う液は二筋、三筋と増えていた。はあ、とれいなの熱い息が首筋に当る。
(こーゆーシチュエーションも良かとね。絵里の新しい部分が見れたばい)
(違うってば!)
 こんな、人に見られそうな場所で興奮するクセなんて無いよ!
(……そろそろあたしも限界たい。イかせるけんね)
 れいなの左手は胸の先端を強く摘む。右手は指を二本に増やして、奥へ、激しく出し入れされた。
(ん゛ん゛ん゛―!!)
 キュウ、とナカが締まる。
 その後にびくんびくんと脈打つのが自分でも分かる。

 ……トイレで達してしまった自分に軽い自己嫌悪が走った……。


567 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:07


 トリのバンドの演奏時刻が近くなり、人が去って、再び二人きりになったトイレの中で。
「はあ……あ……はぁ」
 わたしは荒い息を吐いていた。腰に力が入らず、壁に沿ってへたり込む。
 れいなを見ると、わたしのナカから抜いた指をしげしげと見つめ――、
「えっ!?」
驚いて声を出す。れいなが、ぺろりとその指を舐めたからだ。
「ちょ、ちょっとれいな、汚いってば!」
 羞恥心で顔を真っ赤にしながら制するものの。
「汚くなか。絵里の濃い味がするっちゃ」
 全く意に介されなかった。
 ぺろぺろと舐めるれいなを呆然と見つめることしか出来ないわたし。

 ――舐めきって満足したのか。れいなは濡れてない左手をわたしに差し出した。
「ほら、絵里立つばい」
 素直に差し出された手を握って、よろよろとなんとか立ち上がった。
 あう……下着がべとべとする……。

「れいな……落ち着いた?」
 トイレでする理由になったことを尋ねると。
「ん。治まったっちゃ。絵里、ありがと」
 満開の笑顔で返された。

 ……ずるいなぁ。こんな笑顔見せられちゃ、許しちゃうじゃない。

「トリの演奏、もう始まっとるっちゃ。絵里、席に戻ると?」
「ううん、いいよ」
 正直、戻る気力なんてないし。
 れいなは? と尋ねようと思ったら、ぎゅ、と抱き締められた。
「あたしも後で楽屋に戻るばい。――今は絵里とこうしてたか」
「……うん、そうだね……」
 わたしも抱き締め返す。れいなの体温が心地良い。

 トイレにいても聞こえる演奏。それをBGMにしながら、わたし達は抱き締め合った――。


568 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:07


 ――Hello!でのライブの数日後。

 わたしは、自分のマンションから離れた、普段は行かないCDショップに来ていた。
 中へ入る。煌煌と灯りが点いた店内は広く、清潔なイメージだった。通路を歩いて目当ての人を捜す。
 ――いた!

「すみませーん。××の新譜はどこですかー?」
「はい、こちらですっちゃ」

 目当ての人は接客中だった、歩いて近付く。
 探していたCDを見つけ、嬉しそうなお客さんの後ろに近付くと、――れいなはわたしに気付いたようだった。
 嬉しそうにレジに向かうお客さんを尻目に、れいなは近付いてきてくれた。
「絵里、来てくれたとね」
 れいなの笑顔に、心がトロケる。
「うん。わたしも、売り上げに貢献しにきたよ」
「そんじゃ欲しいCDがあると?」
 ううん、と首を横に振る。
「れいなに選んでもらおうと思って。ね・オススメの物ってある?」
 オススメとね……、しばし思案顔のれいな。

 思いついたらしく、着いて来てほしか、と言って歩き出した。その後を追う。
 れいなの取り出したCDは、女性のシンガーソングライターの物だった。
「こん人のはサードまで出てるけれど、個人的にはこっちのセカンドの方がオススメっちゃ」
 差し出され、受け取る。れいなは、
「あとは……」
と言いながら歩き出す。CDを持ったまま慌てて付いていく。
 ――次に着いた先には、壁に大きく『インディーズ』と紙が貼られていた。
 れいなはその中からも、一枚抜き取る。
「これは歌も良いけど、ギターテクがすごか。来年、メジャーデビューするらしいけん」
 そう言って、手渡された。
 ――手の中にある、二枚のCD。
「どっちもオススメたい」
 れいなは満足そうな顔をしている。――それなら。
「じゃあこの二枚、買うね」
 れいなは驚いた表情を見せた。
「絵里、無理して買うことなかとよ? それに一枚でも別に良かと?」
「だって、どっちもれいなのオススメなんでしょ?」
 まぁ……そうやけん、とポリポリと首を掻くれいな。
 れいな、分かってないなぁ。

 ――好きな人の好きな音楽を買うのが乙女心じゃないですか。


569 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:07


 CD二枚を持ってレジに向かう。
 するとれいなは、慌てて先回りしてレジの人と交代をする。
 ピ、ピッとバーコードを読み取る。
「良かったら、メンバーズカードも作ってほしか」
「うん。いいよ」
 ――今日から、ここでしかCD買わないつもりだし。
 カードの裏に名前を書いて、れいなに渡す。れいなはそれを読み取り器に差し込み、しばらくしてからわたしに返した。
「これで今日のポイント、入ったばい」
「ありがとう」
 受け取り、大切に財布の中に仕舞った。

「あと――」
 台の向こうから体を伸ばし、わたしに小声で言った。
「今日は5時で上がりたい。――だから今夜あたしんチに来てほしか」
 小声だけど、熱を帯びた声だった。
 それが何を意味するのか数秒後、理解した。
「……うん」
 熱い顔でわたしは頷いた。


570 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:08


 ――自分のマンションに帰る前に、軽くウィンドウショッピングをすることにした。あまりこの辺り、通らないしね。
 雑貨屋や、シルバーアクセショップを覗いていく。特に欲しい物は無かったけれど、こうやって眺めているだけでも楽しかった。
 一軒の古着屋が目に入る。何ともなしに覗いてみると――。
「……わぁ」
 ショーウィンドーに飾られた、一枚のシャツに目が行く。程よく色落ちして、ターコイズ色のそのシャツは、きっとれいなにぴったりだった。
 しげしげと眺めてみる。――うん、厚めの生地だから縫製もしっかりしているし、目立った汚れやほつれは見当たらない。
 値段を見てみる。…………残念、財布の中より高い金額が書かれている。

 ――今度のバイトのお給料が入ったら、れいなにプレゼントしよう、と心に誓った。



 ――マンションに戻り。早速、買ったばかりの、れいなオススメのCDの封を開ける。
 先ずはシンガーソングライターの方から。その人もギター弾きらしく、ギターを抱えた女性の写真がジャケットだった。
 コンポに入れ、再生を押す。

 〜〜♪

 最近、この女性がTVで歌っているところを見たことはあるけれど、れいなの勧めたCDは聞いたことのない歌ばかりだった。
 純粋に歌への想いが込められた歌詞。――確かに、最近聞く曲より、れいなが勧めた方が、歌への愛を感じた。



 次に、もう一枚のCDをセットする。

 ――!♪

 突然鳴り響く、重厚な音。叫ぶように歌うヴォーカル。
 これは、魂の音楽だ。
 ……れいな達の音楽に共通する部分がある、かも。

 ――曲が終わっても、ギターの音が耳に残っていた――。


571 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:09


 れいなの住むマンションはバイト先のCD屋から徒歩15分。それを考えて、17:30に着くようにした。
 チャイムを鳴らすと、れいなはもう帰っていたらしく、急いで鍵を開けられた。
「今、電話しようと思ってたところだっちゃ。来てくれて、良かったばい」

 わたしがれいなに呼ばれて、来ないわけ、無いじゃない。

 そう言いたかったけれど。恥ずかしさで、それはノドの奥に引っ込んだ。


 二度目のれいなの部屋。前と変わったところは無い。……あ、散乱していたギター雑誌が少しだけ整頓されている。
 今回も、クッションを投げ渡される。それに腰を下ろすと、れいなもそうした。
「悪いっちゃね、呼び出して」
「ううん、全然そんなことないよ」
 れいなに会えたらわたしも嬉しいし。
「そうだ、CD二枚とも聞いたよ。れいなが選ぶとセンス良いね」
「そ? 気に入ってもらえたら良かったばい」

「ね、れいな達はCD出さないの?」
 自費製作してるアマチュアバンドなんて沢山いるんだし、れいな達のレベルなら、出ててもおかしくなかった。
「そういう話が上ることはあると。ばってん、美貴ねぇが『まだ時期が早い』って断ってるっちゃ」
 れいなは難しい顔をして答えた。
「そうなんだ……ねえプロデビューするって噂、本当?」
 ――あ、あの、Hello!のトイレで聞こえた話題を振ってみる。
 するとれいなは、笑い出した。
「それはガセネタばい。あたしらの今のレベルでデビューできる程、甘くなかと」
 そうかなあ、充分に通用すると思うけれど。
 そう告げると、
「それは絵里の贔屓目ばい」
と軽く笑われた。


 れいなと話していると話題が尽きない。時間は刻々と過ぎていった――。


572 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:09


 ――夜もふけて。

 ふと、話題が途切れた。
 お互い、見つめ合う。

 れいながハイハイの形で近寄って、耳元で囁いた。
「絵里、ベッド行かんと?」
「……うん」

 れいなの近付いてきた顔で、目を閉じかける。
 あ! そうだ。
「むが?」
 唇を手で制する。不思議そうなれいなの表情が近くにあった。
「……今日はれいなも服、全部脱いでよぉ」
 真っ赤になった顔で懇願すると、れいなは照れたように頭を掻き、
「分かったけん」
約束してくれた。

 れいなに背を向けて、ぷち、ぷちりとボタンを外していく。れいながシャツをがばりと脱いだ音が後ろから聞こえる。

 ……こ、これも充分に恥ずかしいかも……。

 下着も全部外し、いざ振り向こうと思ったら。
「あ……」
 れいなに後ろから抱き締められた。れいなの体温を背中で感じる。
「やっぱ絵里は綺麗たい」
「そんなこと……」
ないよ、と言おうとしたら、背中にキスされた。
「あっ」
 軽く仰け反る。

 そのまま倒れるように二人してベッドの上に落ちる。それでもれいなの唇は休むことなく背中にキスを降り注いだ。
「はぁ、あぁ!」


573 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:09


 いつの間にか胸に回された両手。全体を揉んだり、先端を転がすようにと、自由自在に動いている。
「ん、んあっ」
 抑えきれない声が口から出る。

 ――それでも。
「れ、れいなぁ」
 必死に振り向き、れいなの顔を見る。
「どうしたと?」
 れいなにばかり主導権を握られるのも何なので、行動に移す。
 れいなの正面を向き、
「貸して」
とだけ言った。
「ん?」
 通じなかったようで、れいなは首を傾げる。
「指、貸して」
 まだ理解し切れてない表情を無視して、れいなの右手を取った。
 その、細い指に唇を這わせる。
 甘噛みしたり、舐めたり。ぱくり、と口の中に入れ、ねっとりと指を舐め回す。――いつもれいなが、わたしにするみたいに。
 れいなは切ない表情でそれを見ていた。
「すごいゾクゾクすると……絵里の顔、エロか」
「……ほぉんなことないよぉ……」
れいなの指が口の中にあるから、上手く話せなかった。


574 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:10


「――絵里、もう充分たい」
 にゅぽん、と抜かれる指。
「今度はあたしは絵里を気持ち良くさせるばい」
 下へと流れていく指。
 くちゅくちゅと、入口を掻き混ぜられる。
「……んっ」
 ぶるり、と震える体。
「絵里も、あたしの指舐めて感じてくれとったと?」
 ――ちょっと、違う。指を舐めてる間、れいなの表情を見てたら感じてしまったのが、本当。
 でも、訂正するのも何なので、ただコクリと頷いた。

 ぬっ、にゅぷ……。

 少しずつ侵入するれいなの指。
「はっ、はあ……」
 気持ち良くて。でも、もどかしくて。

 ……早く、奥を触って欲しい……。

 でも、そんなこと言えなくて。せがむようにれいなにキスをした。
「む……ん……」
 くちゅり、と濡れた音を出す口の中。
 れいなが熱い息と共に、舌を侵入させてくる。――それと同時に下の指も、奥へ奥へと入ってくる。
「んあっ!」
 指からの快感に、思わず顔を離して声を上げる。
「絵里はココ、弱かとね」
 湿った声で嬉しそうに言うれいな。そのまま、指の抜き差しを始める。
 ……ずっ、くちゅり。
「あぁ!」
 淫靡な水音とわたしの嬌声が部屋に響く。


 ――れいなの指は、ライブの時も、こんな時も、わたしの脳に強く響く音を奏でる――。


575 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:10


 れいなは顔を下へとずらし、わたしの胸の谷間に顔を埋める。
 それだけじゃなく、ちろちろと舌を這わせたり、ちゅっとキスしたりする。

 下の指の速度が更に速まる。
「んん! ふあっ!」
 快感に耐え切れなくて、無意識にれいなの頭を抱いた。
 ぐちゅぐちゅと、規則正しく抜き差しされる指。
「あ……っ」
 達しそうになる寸前、れいなの髪に指を入れる。さらさらとしたれいなの髪。その感触も気持ち良かった。髪に入れた指が――。


 カツン、と堅いものに触れた。
 ――生身の人間には無い、人工物的なソレ。


 さっきまでの熱が、さあ――と引いていく。
 ……なに、これ……?

 胸に顔を埋めたまま、れいなが言った。
「……ソレは非常停止スイッチばい」

 ――――いやだ。

「あたしがおかしくなったら、押してほしか」

 ――――聞きたくないよ。



「んっあ……!」
 れいなの指がわたしの弱いところを擦り、達してしまった。


576 :【doll〜中編〜】 :2010/05/11(火) 19:11


【doll〜中編〜】了。
【doll〜後編〜】に続く。


577 :石川県民 :2010/05/11(火) 19:11


 書きたかったシチュ、『トイレの個室で……』が書けてスッキリ☆

从`ワ´)>……もしかしてまだ書きたいシチュがあると?

 まあ、一応は。ただ短編向きなので、これには書きません。
 あと、絵里りんが想像以上にエロくなったなぁ。……なんでだろ?

从`ワ´)>アンタのせいだろがー!

 だっ!(逃避!)
 皆様、明日が最終話です。

 それでは。 拝。


578 :石川県民 :2010/05/12(水) 00:18

 こっそりと、人がいなさそうな時間を見計らっての更新です。
 それではどうぞ。
579 :【doll〜後編〜】 :2010/05/12(水) 00:19


 ――行為の後、れいなはゆっくり顔を上げた。
 そして、穏やかな笑みを浮かべたまま、静かに言った。
「あたしが人間じゃないと、絵里は気付いとったでしょ……?」
 わたしはただ微かに頷いた。
「さっき絵里が触れたのが、非常停止スイッチやけん。あたし自身は押せないようになっとるっちゃ」
 静かな声のまま、れいなはそう言った。

 れいなは床に散らばった服を着る。
「明日は朝から講義ちゃろ? ウチに帰りんしゃい。送っていくばい」
 なにも言えないまま、わたしは頷くことしか出来なかった――。


580 :【doll〜後編〜】 :2010/05/12(水) 00:19


 二人で、電柱の明かりしかない道を力無く歩く。お喋りするわけでもなく、ただ静かに歩いていた。
 すると。
 ぴたり、れいなの足が止まった。
「れいな?」
 驚いてれいなの方を見ると、れいなの体は小刻みに痙攣していた。
「――くそ。思ったより早くバグが来たばい」

 ――バグ。それがなにを意味するのか分からなかった。

「――絵里。あたしのスイッチを切って」
 場所はさっきのとこたい、と告げるれいなに、ぶんぶん首を横に振った。
 ――だって、スイッチを押したら、れいなは停止しちゃうんでしょ!?

 れいなの痙攣は、大きくなっていった。
「もう、指一本動かせなか。絵里、切って」
 それでもわたしは首を横に振る。――嫌だよ。
「あたしがおかしくなる前に切って!」
 れいなの怒号が飛んだ。それに、びくりっ、と体が震えた。
「……絵里に切ってほしか。……頼むっちゃ」
 弱々しく懇願するその一言で。
 わたしはれいなの頭を両手で包み込んだ。

 れいなはわたしの腕の中、説明を続ける。
「停止スイッチを押したら、研究所に発信が届いて迎えの車が来るから……あたしはそれに乗せられる。せやけん、絵里は帰りんしゃい。そして――」
 れいなの言葉は続く。
「絵里は……絵里は、絵里の日常に戻ってほしか」


 ――それって、れいなのいない日常ってこと? 学校に行って、バイトして、さゆや他の友だちと遊んで――でもれいなのいないセカイ。
 そんなセカイに戻れってこと?
 ――いやだよ。れいながいないと、わたしのセカイは灰色のセカイだよ。


 それでも指は、れいなの髪の中に滑り込ませ、さっき触れた人工物のソレを見つける。
 ――カチリ。
 震える指で、ソレを押した。

 キュイーンと電子音がれいなから聞こえた。
 れいなは最後の力を振り絞るように呟いた。
「……もし、人間に生まれ変わることが出来るなら……絵里にまた、会いたか」
 そう言って、れいなの膝は力を無くし――れいなは倒れた。
 わたしは地面に倒れそうな体を必死に抱き締める。
 ――そして静かに泣いた。



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