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続・愛するトメっち

1 :雪ぐま :2004/05/24(月) 06:14
またまた、お話の途中で引っ越しとあいなりました。
(うっかりしてて、1000レス埋める前に容量がいっぱいになったようです)
また雪版でお世話になります。

前々スレ、こちらです↓。
『記憶より彼方で』『かわいいあの子』『ジェラシー』『愛するトメっち』
http://mseek.nendo.net/snow/1070181553.html

前スレ、こちらです。
『続・愛するトメっち〜溺れて人魚〜』
http://m-seek.on.arena.ne.jp/cgi-bin/test/read.cgi/mirage/1074691719/

初めてご覧になっていただいた方、前々スレ>>406からお読みくださいませ。

それでは『続・愛するトメっち〜溺れて人魚〜』、続きでございます。
472 :名無飼育さん :2008/01/13(日) 21:55
そうだ、こちらでは
「梨華」ではなく「トメちゃん」だったんだw
雪ぐまさんの小説はどれも
登場人物がそれぞれ考え、生きてるので
(471さんも書かれてますが)引き込まれます。
更新ありがとう。
473 :名無飼育さん :2008/01/14(月) 04:06
最近娘小説に嵌って毎日寝不足ぎみのロムラーです
まだ「記憶〜」〜「愛トメ」までしか読んでませんが
雪ぐまさんの作品にひとめぼれしました!
これから又続きを読みにいきますが、ここも楽しみです♪
雪ぐまさんの小説は本当に癒されますねー大好きです。
474 :名無飼育さん :2008/01/15(火) 01:22
二年程前からHPで拝見させて頂いてました

最近、ここにあると分かり読み始めました

もう涙が止まりません

いしよし、あやみき、ごまこん…

この3CPはHPで、自分には最高のCPだと決まりました

後藤さんと紺野さんが1番辛くて、何回見ても涙が止まりません

475 :名無飼育さん :2008/01/16(水) 02:09
ついに続きが!!!
待ってたかいがありました。
ありがとうございます。
476 :名無飼育さん :2008/03/15(土) 22:25
待ちますよ
477 :名無飼育さん :2008/04/07(月) 14:41
I love トメっち
478 :名無飼育さん :2008/04/07(月) 14:44
I love よっすぃ〜
479 :名無飼育さん :2008/04/08(火) 03:44
I love 雪ぐま too ☆
480 :雪ぐま :2008/04/24(木) 01:05
471> 名無飼育さん
すごい、こんなに更新間隔が空いているのに
リアルタイムでお読みいただけて感激です。ありがとうございます。

472> 名無飼育さん
そうそう、私も忘れそうになりますw>トメちゃん
ぼちぼちですがトメちゃんたちを生かし続けられるよう頑張ります。

473> 名無飼育さん
娘.小説の世界へようこそ〜♪ 寝不足になる気持ち、わかります。
数々の名作に負けないよう雪ぐまも頑張りますので、どうぞよろしく☆

474> 名無飼育さん
ごっちんと紺ちゃんの組み合わせはロマンチックですよね。
悲恋も似合ってしまうのですが…。大切に読んでいただき、とても嬉しいです。

475> 名無飼育さん
えへへ、お待たせしました。し過ぎですよねw
完結目指して頑張ります〜。

476> 名無飼育さん
はい、頑張ります。

477、478、479> 名無飼育さん
I love you too ☆

ではでは、久々の更新にまいります〜。
481 :& ◆l0d.zqFWQU :2008/04/24(木) 01:07


「トメちゃん、こっち!」

暗闇の中、華奢な指先が私の手をとって走る。
ざわめきをくぐり抜けて大広間をすべり出ると
廊下には煌々と月明かりが届いていた。

まっすぐに伸びる、長い長い廊下。
窓の影がぽつぽつと床に落ちて、まるで大きな十字架みたい。
思いがけない明るさに真希ちゃんは一瞬立ち止まり、
でも、迷いを振り切るように再び私の手をギュッと握って駆け出した。

十字架の影を踏みながら、手を引かれるままに走る。
連れてこられたのは廊下の一番端にある、簡素なドアの前だった。
482 :溺れて人魚 :2008/04/24(木) 01:07
周囲に人影がないことを確かめて、そっとそのドアを開けた真希ちゃん。
再びかたくドアを閉め、闇の中で胸元からペンライトを取り出す。
カチリと灯をつけると、ベッドと机だけの、
やけに素っ気ない空間がボウッと浮かび上がった。

あれっ、なんだか、ここだけ綾小路家のお屋敷じゃないみたい。
でも、物置ってわけでもなさそうだし……。
不思議そうな顔をした私に、真希ちゃんがボソリと呟く。

「ここ、紺野が使ってた部屋」

へぇ……。
思わずキョロキョロする。
なるほど、メイドさんのお部屋だからこういう感じなのね。

よく見ると、私の部屋よりはふかふかの絨毯が敷かれてるみたいだけど、
でもシャンデリアが煌めくあの大広間とは比べ物にならない。
483 :溺れて人魚 :2008/04/24(木) 01:08

 『私の場合、真希様とおつきあいできていることが奇跡なので』

また、いつかの紺ちゃんの言葉を思い出した。
絵本の中のお城のようなこのお屋敷で紺ちゃんは、
パーティーの準備をしたり、お料理を運んだり、ドレスの整理をしたり。
毎日毎日、真希ちゃんと綾小路のご家族に尽くしながら、
殺風景なこの部屋で暮らしていたんだね。

もしかしたら真希ちゃんと愛し合った夜も、
朝までにはやわらかなベッドを抜け出して、この部屋に戻ってきてた。
夢のような時間と、この部屋の落差。
それはきっといつも、いつだって、
紺ちゃんに“立場の違い”ってやつを意識させちゃったんだろうな。

 『私、わざと真希様を控室にひとりにしたんです……
  決して逃げられてはいけなかった……
  だけど、逃げてほしいと、心のどこかで思っていた……』

覚悟しながら揺れてた紺ちゃんの心。
その結果の、今………
484 :溺れて人魚 :2008/04/24(木) 01:09

「トメちゃん、ごめん急いでもらえる?」
「あっ、ごめんごめん!」

そうだ、脱出作戦の真っ最中だった!
あれこれ考え込んでる場合じゃなかったわ。
慌てて、わたわたとドレスを脱ぐ。

すでにタキシードを脱いで待ってた真希ちゃんは
ベッドのシーツをまくりあげて、隠してあったジーンズや財布を取り出した。
そしてふと、何かを思い出したようにそっと枕を撫でて……

ああ、紺ちゃんのこと、考えてるのかな。
どことなく思い詰めた横顔に、また、胸がざわめく。

「……ねぇ、真希ちゃん、もし紺ちゃんに会えなかったらどうするの?」
「え?……そしたら、帰ってくるよ」
「ほんと?」
「うん、だって、仕方ないじゃん」

ほにゃっと笑う、でもどこか痛々しい笑顔。
逃がして、いいのよね? 
私たち、間違ってないよね?
家のために引き裂かれた恋人たち。
囚われの身のお姫様を救うような、そんな気持ちでいるけれど、
私たちの理屈では手に負えないなにかに立ち向かってるみたいで、不安で。
485 :溺れて人魚 :2008/04/24(木) 01:10

「あのね真希ちゃん、ひとみちゃんが一緒についてくって」
「えっ? いいよ、そんな」
「女の子一人じゃ危ないよ。私もそう思うな」
「……そう、かな?」
「うん、かえって邪魔かもしれないけど」
「そんな邪魔だなんて……」

でも、よしこには迷惑かけてばっかで……。
困ったように、口の中でもぞもぞと呟く。
その声を無視して私は、真希ちゃんが着ていたタキシードを身に着けた。
目元を隠すマスクをつけて、わざとくるりと回ってみせる。

「ジャジャーン☆ どう? 似合う?」
「あはは、似合う似合う」

思いのほか長引く停電に、大広間のざわめきが不安を増してきた。
メイドさんたちが廊下をどたばたと走り回る音も聞こえてくる。

さあ、もう迷ってるヒマはないよね。
私たちは同じ黒マントを羽織り、
再びそっとドアを開けて駆け出した。
目指すは、裏庭。
486 :溺れて人魚 :2008/04/24(木) 01:11

「トメちゃん、もし途中で誰かに会っちゃったら……」
「うん、わかってる!真希ちゃんのふりして広間のほうに逃げるから!」

途中、何度かメイドさんたちの影を見かけてドキッとしたけど、
ラッキーなことに私たちには気づかないようだった。
なかなか電気がつかないことに、かなり慌てているらしい。

「やった、行けそうじゃない?」
「ラッキー☆」

無事に勝手口から裏庭に出て、月明かりに目を凝らす。
だだっ広い空間のかなり先に、予定どおり待ち構えてる人影。
大きな樹の陰に隠れてた亜弥ちゃんと美貴ちゃんが
私たちに気づいてブンブンと手を振り、塀にはしごをかけた。

よし、あそこまで全力ダッシュね。
すばやく真希ちゃんと目を見交わす。
そして、走り出そうとしたその時……
487 :溺れて人魚 :2008/04/24(木) 01:14

ピカッ!

ふいに真後ろから懐中電灯の灯りが私たちを射抜いた。

「お嬢さん、どこ行かはるんですか?」

しまった、見つかったわ……
とっさに私は懐中電灯の灯りから逃れるように身を翻す。
ところが懐中電灯は私の動きに惑わされず、
本物の真希ちゃんを照らしたまま微動だにしなかった。

「ははっ、誤摩化されまへんでぇ〜」

どうして!?
思わず、振り返る。
そして私は、そこにいたタキシード姿の人影に目を見開いた。
488 :溺れて人魚 :2008/04/24(木) 01:15

「………えっ?」

て、寺田さん???
どうしてここにいるの!?!?!?

意外なヒトの登場にビックリ仰天、
ガチンと固まって動けなくなった私。
寺田さんはチラリと視線を寄越して、やれやれというように細い眉を上げた。

「ワシ、ずっと大広間におったんやけどなー」
「うそ……」
「やっぱ石川さん、気づいてへんかったんやなあ。まぁ、しゃあないけど」

 “王子様”とのダンスに夢中やもんなァ。

ライオンのような金髪頭が、おかしげに揺れる。
でもその笑みはすぐに消えて、鋭い視線が真希ちゃんをとらえた。

「まぁ、こんなことやろと思てましたわ、お嬢さん」
「………………………………」
「さて、戻ってもらいましょか」

真希ちゃんが悔しげに唇を噛み、寺田さんを睨みつける。
おお、コワ。寺田さんはそんなふうにおどけて、
でもちっとも笑ってない目が、真希ちゃんをジッと見据えていた。
絶対に逃がしまへんで。その目がそう言っている。
489 :溺れて人魚 :2008/04/24(木) 01:16

どうして寺田さんがここにいるのか、
なぜ真希ちゃんを連れ戻そうとするのか、
全然、状況がわからない。

でも、これはマズいわ。
私はとっさにパチンと手を合わせた。

「寺田さん、お願い!見逃して!」

思い切ってすこし歩み寄り、
お願いします!一生のお願い!と頭を下げる。
こっちを見て、と思った。
なんとかこっちに意識を向けて、真希ちゃんを逃がしたい。
だけど寺田さんは真希ちゃんから目を離さなかった。

「石川さんのゆーことやから、聞いてあげたいけどなぁ」
「ちょ、ちょっと抜けるだけですよ」
「ちょっとで済む用事やないやろ。なぁ?」
「と、友達に会いにいくんです。それだけですから」
「ははっ、ほんまに友達やったらかまへんのやけどなぁ」

言葉に詰まる。
ああ、知ってるんだ寺田さん、真希ちゃんと紺ちゃんのこと。
どうして真希ちゃんがパーティーを抜け出そうとしてるのか
きっと全部わかってるんだ……どうしよう…………
490 :溺れて人魚 :2008/04/24(木) 01:17

「……もういいよ、トメちゃん、ありがと」

真希ちゃんが哀しげに肩をすくめて、ふうっとため息をついた。

「どうやらあたし、ホントに神様に見放されちゃったらしいね」

 他の誰があたしを逃がしても、あなたは逃がせない。
 そうでしょ? 寺田さん。

「その通りです、お嬢さん」

静かな声で、寺田さんが答える。
今夜のパーティーでお嬢さんを逃がさないことが、
今後、御家のさまざまなイベントを任されるための
唯一最大の条件ですから。

「うちの仕事なんかなんで欲しいわけ? ほんと意味ないよ?」
「お嬢さんにとってはそうかもしれませんが」
「くだらない。見栄の張り合いばっかじゃん」
「そこで甘い汁を吸う虫ケラもいるってわけですよ」

寺田さんがニヤリと笑い、真希ちゃんがグッと詰まった。
まったく挑発にのらない飄々とした笑みが
月明かりの下で底知れぬ気配を漂わせる。
491 :溺れて人魚 :2008/04/24(木) 01:18

この人、なんだか怖い。
ああ、前にもこんなふうに思ったことがある。
そうだ、それはお見合いの時。
軽い素振りで気持ちを揺さぶってきた。隙なく切り込んできた。
見た目ほどカンタンな男の人じゃないって、ゾッとした。

真希ちゃんもそう感じたのだろう。苦しげに俯く。
かすかな諦めが横顔に漂う。
ぴんと張りつめた空気に胸が痛くなる。
寺田さんは、ジッと見ている。
まるで真希ちゃんが、完全にすべてを諦めるのを待っているかのように。
逃げ場をなくした小さな鳥が、ほどなく落ちてくるのを待ってるかのように。

だけど、真希ちゃんは震える声で、まだ呻いた。
まるで最後の賭けのように。
492 :溺れて人魚 :2008/04/24(木) 01:19

「………見逃して、もらえませんか。なんでもします」

往生際の悪い小鳥に、寺田さんがかすかに眉をあげる。

「なんでもって、アンタ」
「お金ならあげる、全部。あたしのぶん、全部」
「全部ってな……」

これやからお嬢ちゃんは……。
やれやれと肩をすくめて苦笑する。
自分で稼いだ金でもないくせに、いい気なもんやなぁ。

真希ちゃんの頬にサッと朱がさす。
悔しげにうつむき、それでもまだ真希ちゃんは頭を下げた。

「………なんでもします」
「ははっ、ストリップせぇっちゅーたらするのん?」
「ちょっ、寺田さんっ」
「………そういうのでいいの?」

えっ?
そう思った次の瞬間、
真希ちゃんがふわりと黒マントを外して地面に落としていた。
そしてあっと思う間もなくシャツから腕を抜き、
キャミソールごと軽々と脱ぎ捨てて……
493 :溺れて人魚 :2008/04/24(木) 01:20

「ま、真希ちゃんっ!!!!!」

あわてて駆け寄って、地面に散らばった服を拾う。
見上げると、懐中電灯の眩しい灯りに照らされて、
あまりにも美しい真希ちゃんの肩のラインが目に飛び込んできた。

ごくんと唾を飲み込む。
その肌が、あまりにも白く発光していて。
堂々と胸を張った姿が、きれいに割れた腹筋が、あまりにも、きれいで……

「ブラも取る?」

挑発的にそんなふうに言う、その瞳が妙に澄んでいた。
まるで心のないサイボーグのように、ただジッと寺田さんを見据えている。
寺田さんは苦々しげに口元を歪ませて、ギロリと真希ちゃんを睨みかえした。
そして小さく舌打ちすると、
半裸の真希ちゃんを照らしていた懐中電灯を足元に向けた。

「………なんで、そんなに逃げたいのん?」

月明かりのなか、真希ちゃんはジッと動かぬままだった。
たたみかけるように寺田さんが続ける。
494 :溺れて人魚 :2008/04/24(木) 01:21

「恋なんて、いっときのことやで? 失くすもののこと考えんの?」
「………………………………」
「あんたを育ててくれた親のこととか、考えんの?」 

その言葉に、真希ちゃんの頬がかすかに歪む。

「……紺野が、あたしの家族ですから」

静かに響いたその一言に、どれほどの意味があるのか私にはわからない。
この大きなお屋敷の中で、二人がどんな時間を過ごしていたのか知らない。

ただ、その声の色からわかるのは、
真希ちゃんが、あの控えめなメイドさんを、
ただひとりの家族と思うほど大切にしてること。
本物の家族よりも必要としてること。
495 :溺れて人魚 :2008/04/24(木) 01:22

「ほやけど、会ってどうするのん?」
「……………………」
「この先、どうやって生きていくのん?」
「……………………」
「あんたみたいな世間知らずのお嬢ちゃんに何ができ……」

その時、唐突にパッとお屋敷のあかりがついた。
豪奢な窓から溢れ出した光はまるでサーチライト。
その眩しさに寺田さんが一瞬、まばたきをして手をかざす。
機を逃さず、真希ちゃんがすばやく身を翻した。

「あっ、待てや!」

慌てて、寺田さんが追いかける。
そのとき突然、茂みの中から黒い影が走り出てきて、
寺田さんの脇腹にどかーん!とタックルをぶちかました。

「うおっ!」
「ひとみちゃん!」

そうか、隠れてずっとチャンスをうかがってたのね!
不意を突かれて思いっきり芝生に転がった寺田さんを尻目に、
ひとみちゃんは私の手から真希ちゃんの服をかすめとる。
そして、間髪入れずに真希ちゃんの後を追った。
一瞬だけ、私と目を見交わして。

「トメっち、あと、頼む!」
496 :溺れて人魚 :2008/04/24(木) 01:23

その瞬間、どうして自分があんなに大胆になれたのか、
あとから考えてもちっともわからない。
OK!まかせて!
返事をする代わりに私は、もう無我夢中で、
庭に転がった寺田さんの腰にしがみついていたのだ。

「ちょっ…、おいっ!!!」

じたばた暴れる寺田さんを、全体重をかけて必死で押さえ込む。
どうしても真希ちゃんを紺ちゃんに会わせてあげたかった。
なんとかうまく逃げてほしかった。
寺田さんの言ってることは正論かもしれない。
またつかまって連れ戻されるのがオチかも。だけど。

「おい、離せって!!!」
「離しませんっ!!!!」

もがく寺田さんを必死で押さえつけながら振り返ると、
真希ちゃんがギシギシとはしごを登ってく姿が見えた。
その後に続くジーンズ姿のひとみちゃん。
そしてまるでバリケードのように立ちはだかって、
こちらを睨んでる亜弥ちゃんたちの姿。
497 :溺れて人魚 :2008/04/24(木) 01:24

「あー、ホンマに行ってまう!ちょっ、石川さん離してって!!!」
「離しませんっ!!!!」
「違うって!待てって!わかったから!あー、もー!!!」

寺田さんが強引に身体をひねって、内ポケットから何かを取り出した。
なによ! なにする気ッ!?
反射的にその腕をつかまえようとして私は、ピタッと動きを止めた。
寺田さんが取り出したのは……ちょっと悪趣味な、
えっ、それってもしかして、お財布……?

「おいっ、 これ持ってけや!」

いきなりポーンと放り投げる。
とっさに受け取った亜弥ちゃんが、手の中を見て目を丸くする。
これ、お財布じゃん? いいの???
塀の上の真希ちゃんも、驚いたように寺田さんを見る。

「たいして入っとらんけど持ってき!邪魔にはならんやろ!」

どうして……。
思わず、寺田さんを見上げる。
金髪頭が私を見下ろして、ニヤリと笑った。
498 :溺れて人魚 :2008/04/24(木) 01:25

「いッや〜、青春やねぇ〜。久々にシビれたわ〜!」

ガクッ!
なんなのこの人、やっぱよくわかんない!
グッと親指を立ててみせた姿に思わずガックシ。
でも、ひとみちゃんたちは、とたんに気が抜けたように笑って。

「ありがとう!いつか返します!」
「あんたけっこうイイヤツだね、オッサン!」
「オッ……」

絶句する寺田さんの目の前で、
真希ちゃんとひとみちゃんがひらりひらりと塀の向こうに消えていく。
一瞬振り返った真希ちゃんの目はすこし潤んで、
いつものあたたかい光を取り戻していたように見えた。
499 :溺れて人魚 :2008/04/24(木) 01:25

良かった……。
ほ〜っと力が抜けて息をつく。
あーあ、どない言い訳しよ…と、
寺田さんが情けない声をあげて天をあおいだ。

「つーか、あんたの“カレシ”、口悪いなぁ〜」
「ご、ごめんなさい……」
「まぁ、ええわ。こんなぴったし抱きついてもろてるし〜♪」

キャーッ!そうだった!!!!!
ぎゅうっとしがみついてた身体を、慌ててドーンと突き飛ばす。
大げさに芝生に転がって寺田さんは、高らかに大笑いした。
500 :雪ぐま :2008/04/24(木) 01:27


本日はここまでといたします。
コメント歓迎ですが、ネタバレに気をつけてくださいね♪
501 :名無し飼育 :2008/04/24(木) 03:25
更新ありがとうございます!
ドキドキしながら読ませていただきました
雪ぐまさん大好きです♪
502 :シュン :2008/04/25(金) 00:33
更新お疲れ様です。
これからの展開が楽しみです。
なんだかんだでオッサンが少し好きになりました。
503 :名無飼育さん :2008/04/25(金) 09:15
あードキドキしたーw
オッサン含め、出てくるみんなが愛しいです。
504 :510-16 :2008/05/27(火) 21:30
あー!更新されてる!!

HPで初めて癒しのメソッドを読んで以来、雪ぐまさんの書かれる文章が大好きです!
数年前までよしごまヲタだったのに、すっかりいしよしに染まってしまいましたw
505 :名無飼育さん :2008/09/26(金) 00:24
待ち続けてもいいですか?
506 :名無飼育さん :2009/01/19(月) 08:15
Happy birthday to トメっち
Hurrah for our トメっち & ひとみちゃん
507 :名無飼育さん :2009/05/26(火) 21:06
待ちます!
508 :名無飼育さん :2009/05/26(火) 23:41
ageんなって
509 :名無飼育さん :2010/01/06(水) 17:01
まだ待つよー
510 :名無飼育さん :2010/02/03(水) 11:42
ごっちんのお母さん
ご冥福をお祈りいたします。
511 :名無飼育さん :2010/11/26(金) 23:24
待ってます。
でも、雪ぐまさんハロプロには
興味がなくなってしまったのでしょうか…?
512 :みんつ :2010/12/01(水) 17:13
すいません。みんつと言うものです。

これだけの大作が終わってしまうのは、
とてももったいないと思います。

そこでつたない文章ですが私に
書かせていただけませんか?
513 :読者 :2010/12/01(水) 22:17
>>512
やめてください
514 :名無飼育さん :2010/12/01(水) 22:21
放置スレのリサイクルは禁止されているはず
というか作者さんがここで放置・放棄宣言していないし
していたとしても賛成しかねる
515 :名無飼育さん :2010/12/02(木) 01:56
>>512
阻止
516 :名無飼育さん :2010/12/15(水) 08:44
作者サン、まだブログ続けていらしてるし
信じて待ちたいです。
517 :名無飼育さん :2012/09/30(日) 16:12
もうダメなんですかね…
518 :名無飼育さん :2015/01/08(木) 22:02
あー続きが気になる

誰でもいいから完結させてくれ!!
519 :名無飼育さん :2015/05/17(日) 02:21
久しぶりに見て、あぁそっか完結してなかったんだった……と思い出した
雪ぐまさん、何してるんだろう
520 :名無飼育さん :2015/07/02(木) 01:18
更新お疲れ様です
千奈美のブログが元になってるんですかね?
読んでてなんだか感動しちゃいました
521 :名無飼育さん :2015/10/24(土) 21:07
続きを書いてもらえるなら誰でもいいよ

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