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ground up

1 :ななしぐも :2008/02/04(月) 23:11
少し長いです。
でも他の板に立てるほど自信は無いのでこちらに…。

℃-ute中心ちょっとたまにバトルもの。
基本的に矢島さん視点萩原さん贔屓。

でもやじうめなんだよ、とか言って。

大体の流れはできているので順調に進むと思うので週に一回更新があるかないか…

よろしくです。
2 :ななしぐも :2008/02/04(月) 23:11
最初は序章のような一章なのでカプ色薄めであまり楽しくないかも…。
3 :一章 初めての逃走 :2008/02/04(月) 23:13
maimi.




「最近、事件多いなぁ」

ここは少しだけ小さな組織。
少数精鋭、みんな仲良しの子会社だ。
付近の事件を速やかに解決して戻る。

「えりー?何やってんの出動だよー!」
「ごめん舞美ー!今行くよー!」

私たちはその中でも年下の部隊で、先輩達のようなニュースになるような大きな事件は無い。
それでもいつも命がけの任務。

「みんな揃った?」

5人で目を合わせ、うなずく。

「「「「「℃-ute!!」」」」」

「えりか!」
「舞美!」
「早貴!」
「愛理!」
「栞菜!」

「5人揃って」
「「「「「弾けるぞぉい!!」」」」」
4 :一章 初めての逃走 :2008/02/04(月) 23:14


5 :一章 初めての逃走 :2008/02/04(月) 23:15
「…で、次どこだって?」

掛け声が終わると、なっきぃがこっちを見て場所を促した。

「えーっと…大人に頼るな!」
「聞いてこなかったんだね…」

無線で連絡を取りながら呆れたように声を出すなっきぃ。

「あはは。舞美はバカだからなぁ」
「ひどいよえり!」

笑いながら応答を待つ。
命がけといっても気楽なもんだ。
まああたしたちの任務がそんなに大きなモノじゃないからなんだろうけど…。

「ラッキー♪その先500m行ったところだって」
「おぉ近いじゃん!」

無線を切って現場に走る。
私はこの瞬間が好きだ。
戦いが始まる前の緊張感漂う疾走感。



「みーたん!速いって!」



…まあ気持ちよすぎてみんなを追いてっちゃうんだけど…。
6 :一章 初めての逃走 :2008/02/04(月) 23:15
「そろそろかな?」
「おっ、あれじゃない?」

一番目の良い栞菜が真っ先に異常を発見した。
慌ててそこに目をやると、真っ黒な煙が上がっていた。

「火事?」
「中に居る人がいないか確認、あと原因探しだね!」

パパッと指示を出すと、それぞれに走りだす。
付き合いが長いからこの辺はしっかりしたものです。
みんなが散るのを確認したあたしは誰よりも先に火の中に飛び込んだ。

「誰か居ませんか!?」

くっ…火のまわりが速い…っ!!
中で探し回るのは諦めたほうがいいか…。

「誰か残ってる人はいませんかー!!」

さっきよりも声を絞り出す。
その瞬間に目の前の柱が崩れてくる。
慌てて避けたけど、この建物が限界なことを知った。
戻るために後ろから追いかけてきていたえりを振り返る。

「…えり、もう出よう」
「これ以上は無理そうだね」
7 :一章 初めての逃走 :2008/02/04(月) 23:16
建物から出ると、なっきぃが待っていた。

「愛理と栞菜が裏側を調べに行ったよ。なっきぃはここで不審人物がいないか見張ってました」
「ありがとなっきぃ。それで何かあった?」
「ううん、表っ側はなんにも…」




ドン




「「うっひゃああああああああああああああああああああ!!!!!!?」」




急に聞こえた奇声に出てきたところを振り返る。
8 :一章 初めての逃走 :2008/02/04(月) 23:16
さっきの爆発音は愛理の好きな爆弾だ。
本人曰く便利だから使ってるらしい…怖っ。
っていうか建物崩れてきてるし…。



「ちょっと千聖!小規模だから強いのは来ないって言ってたじゃん!何?あの爆弾!」
「舞だってそうだよねーとか言って納得してたくせに!」
「だってフジモトさんも小規模だって言ったんだもん!」
「じゃあ千聖のせいじゃないじゃん!」



崩れた建物から転がるように出てきたのは、小さなかわいらしい二人組。
思わぬ風貌にその場に居たみんなの時が止まった。
でもそんなことは関係が無いのか、二人はあたしたちを見て焦りだした。

「やっべ、顔見られた」
「逃げるよ千聖!」
「しまった、重要参考人!捕まえて!!」

えりとなっきぃより先に我に返って指示を出す。
9 :一章 初めての逃走 :2008/02/04(月) 23:17
その言葉に慌てて二人を追いかけていこうとするも、ちょこまかと逃げてなかなかつかまらない。

「このぉ!ちょこまかと!!」
「わぁ!?」

えりが怒ってショートカットの男の子みたいな子に飛び掛った。
右手を掴めたみたいでやった!と思った瞬間油断した。

「千聖!」

もう片方の女の子が叫ぶと、丸い小さな玉を取り出した。

「えい!」
「痛っ!?」

つかまった子がえりの腕を思いっきり噛んだ。
その瞬間もくもくと煙が湧き出し、あっというまに何も見えなくなった。

「嘘!?なにこれ!!」
「しまった!煙幕!!」

慌てて煙を払うけど、そのときにはもうえりとなっきぃと私しか残っていなかった。
10 :一章 初めての逃走 :2008/02/04(月) 23:18





…つまり、逃げられた。




11 :一章 初めての逃走 :2008/02/04(月) 23:18
「やられた〜っ、あんな小さな子達にしてやられるなんて!」

我に返ったなっきぃがいち早く悔しさを見せる。
どうでもいい話だけどなっきぃも実は同じサイズだよ?

「くぅっ、まさか逃げられるなんて…」

なっきぃに続いてえりも不機嫌をむき出しにして地団駄を踏んだ。
とにかく物証だけでも無いかと付近を捜索する。
顔を上げると、愛理と栞菜が戻ってきていた。

「うぅ…逃げられた」
「犯人みたいなのを見つけたんだけど捕まえられなかった…」

しょぼしょぼと帰ってきた二人は、簡潔に経過を述べた。

「愛理、爆弾まで投げてたよね」
「だって怖かったんだもん!」

思い出すだけでもムカムカすると、愛理はあっちであったことを話してくれた。
っていうかやっぱり愛理の爆弾だったんかい。
12 :一章 初めての逃走 :2008/02/04(月) 23:19
「うろうろ何か探してる子達がいたからね、話しかけたの」
「それでなぜか男の子みたいな方の子が攻撃してきたんだよね」
「そう!それでついやり返したの」

栞菜のフォローにうんうんと頷く愛理。
だから"つい"で爆弾を投げるな。

「で、爆弾投げたら見失ったと…」
「ご、ごめん…」
「いやいいよ。こっちも逃げられたから」
「あ、そっちに来てたんだ」

こちらの状況も簡潔に話す。
横を見るとなっきぃが首をかしげていた。
なんか変なとこあったかな、と思ったけどそれとは関係なかった。


「あのさ、私あのショートカットの子見たことある気がする…」
「まじで!?」


全員でなっきぃに詰め寄ると、なっきぃに近いって怒られた。
とりあえず離れて続きを促す。

「小さな頃だけどね。たぶんハローで一番最初に話したのあの子だったと思う」
「少なくとも片方は元ハローの子ってことか…」
13 :一章 初めての逃走 :2008/02/04(月) 23:19
それなら調べれば何か出てくるかもしれない。
無線を一番慣れたダイヤルに繋ぐ。

『ハロー?』
「桃、調べ物頼んでいい?」
『またぁ?こっちも暇じゃないんですけどー』
「食堂のソフトクリーム1個でどうだ」
『ストロベリーパフェ』
「…お願い」
『おっけーまかせて♪』

無線を切ると、みんながこっちを見ていた。

「今日は残念ながら任務失敗だけど、次こそ捕まえようね」

みんな凄く悔しそうだった。
14 :ななしぐも :2008/02/04(月) 23:20
ノ<隠すっす!
15 :ななしぐも :2008/02/04(月) 23:21
・)ノ<どーもこーもないっしゅよ
16 :ななしぐも :2008/02/04(月) 23:22
ミ サッ
17 :ななしいくさん :2008/02/05(火) 00:17
楽しそうなお話ですね
続き待ってます
18 :一章 掴み :2008/02/07(木) 11:53
ぶらぶらと訓練室に向かうと、愛理となっきぃがトレーニングをしていた。

「あ、舞美ちゃん」

嬉しそうにぶんぶんと手を振ってくれる愛理はとても可愛かった。

「みーたんもトレーニング?」

なっきぃは武器を下げるとこちらを振り向いて笑ってくれた。

「二人とも朝早いね。えりなんてまだ寝てたよ?」
「だって悔しかったんだもん」
「次こそは逃がさないかんね」

やる気まんまんでこぶしをあわせる二人。
いいけどあんまし張り切りすぎるなよー?
ま、人のことはいえないんだけどね。

失敗なんて今まで色々あったけど、犯人かもしれないのを逃がすなんて初めてだ。
次こそは捕まえて理由を聞きださなくちゃ。
19 :一章 掴み :2008/02/07(木) 11:54


eri.


朝起きたらとりあえず舞美がいないか確認しに行く。
いない。
トレーニングかな。
とりあえずご飯食べよう。

「あ、えりかちゃん」
「おっ、栞菜だ」

まるで計ったかのようにまったく同じタイミングで食堂の前のドアで遭遇したあたし達。
運命かと思ったけどあたしの運命の人は舞美であってほしいので考えるのをやめた。

「…なんか失礼なこと考えられてる気がする」
「気のせいだよー」

トレーを持って並んでいると、後ろからよく知った人がきた。

「おはよう、とゆいたい」
「おはようまぁ」
「おはよー」

朝ごはんを確保して椅子に座る。
あとの二人も当然のように付近に座った。

「まあさ」
「ん?」
「どうかな、何か見つかった?」

昨日の話。
逃げていった二人の片方をなっきぃが見たことあると言ったことから、監査であるBerryz工房に調査を頼んだんだ。
まあさは残念そうに眉をしかめると、首を横に振った。

「せめて名前とか顔写真とか無いの?」
「無いねー」

まったりと枝豆を口にしながら笑顔で言う。
そしたらあっちも素晴らしい笑顔で言い返してくれた。

「じゃあ無理」
「そこをなんとか」

まあ物証も無いから確かに無理そうだけどねぇ。


20 :一章 掴み :2008/02/07(木) 11:54


maimi.


ザッ カチャ

「はい」
『そちら℃-ute?出動だよ』
「了解です」

無線にノイズが入り、ボタンを押すと出動命令がかかった。
待ちに待った出動。
あの子達がいますように!

『じゃあよろしく』

簡潔に述べられた説明。
そのまま愛理となっきぃに伝える。
それと同時にえりと栞菜に緊急信号を送る。

「また火事?」
「そう、それも今度は2件同時」
「じゃあ分担するの?」
「そうなるね」

どっちになにがあるかわからない。
メンバー選びは慎重にいかないと。
と、いっても場所は近いんだけど…。

「妥当な線でえりとなっきーと愛理。あたしと栞菜でいいかな」
「わかった。じゃあ私たちはB地点のほうに行くね」
「うん、結構近いから何かあったらすぐ連絡して」
「了解」

いつもの号令を済ませ足早に目的地へ向かう。
栞菜の手を引っ掴み、強引に走る。

「いたたたた!痛いって舞美ちゃん!」
「ごめん、今度は逃がしたくないんだ!」
「気持ちはわかるけど…いだだだ」
21 :一章 掴み :2008/02/07(木) 11:56
現場では一つの家から火が燃え盛っていた。
既に突入できる状態じゃない。

「栞菜、裏まわるよ!」

言ってまず自ら裏に行くと、案の定そこには小さな人影が。



「げっ!?」
「見っつけたぁー!!」



走ってきた勢いそのままにうろたえる相手へジャンプ!
胴の部分に喰らいつくようにしがみつく。

「栞菜!ロープ!!」
「ちょっと待ってて!っつーか舞美ちゃん強引!」

背中の道具からロープを取り出す栞菜。

「くっそ、放せぇー!!!」
「そうは行くか!」

えりと同じ目に合わないように片手で口を押さえる。
強引に腕を極めて栞菜にロープを促した。

「痛い痛い痛い!!」
「でないと逃げるでしょ!」

ロープでぐるぐるにして脇に抱える。

「よしっ、もう一つの現場に行こう」

我ながらかなりスムーズに行った。
あたし天才?



「…舞美ちゃんは強引なんだよ…」



なぜか栞菜に疲れた顔をされた。
22 :一章 掴み :2008/02/07(木) 11:56


eri.


現場では火が既に沈下していた。
黒こげの家には誰かが住んでいた気配は無かった。

「空き家かな?」

表の警備をなっきぃに任せ、愛理と二人で黒こげの家に入り込んだ。
中は狭く、ところどころ焼け落ちていた。
ゆっくりと、でも心持ち早く中を進んでいく。
ひとつ、ドアが焼け落ちていない部屋が奥にあった。

「愛理、行くよ」
「うん」

勢いをつけて開けると、そこにはなにやらごそごそと探し物をしていた様子の例の小さい子の姿があった。
相手もこちらに気付いて素早く姿勢を変える。
…が、愛理を見て驚いた。

「嘘!?爆弾のやつだ!」
「今度は逃がさないかんね!」

逸る愛理に相手を任せて、自分をしっかりと出口を塞ぐ。
まあ確かにあの爆弾はトラウマになるよね。
でも逃がしはしないよ〜。

「…うぅ」

じりじりと後退する敵。
と、急にピタリと止まってくるりと背中を向けた。




「「!?」」
「知ってた?火事の後の壁ってもろいんだよー!」



23 :一章 掴み :2008/02/07(木) 11:57
そう言い残すと、思いっきり壁にぶち当たっていった。
火事でスカスカになっていた壁はいとも簡単に崩れ、部屋を抜けられてしまった。

「待って!」
「待てって言われて待つやつなんていません!」

慌てて追いかけると、丁度なっきぃがいる辺りに向かっていった。

「なっきぃ!そっちいった!」
「よっし!」
「う!?3人とかついてない!…でも捕まるわけにはいかないんだよー!」
「わっ!!?」

捕まえようと構えるなっきぃに、なぜか女の子はそのまま突っ込んでいった。
避けるものだと思っていたので軽くうろたえるなっきぃ。
タックルされてそのまま二人揃って床に転がった。

「いたたた…」
「痛い…って待て!」
「うわぁ!?」

痛みをこらえてなんとか足を掴んだなっきぃ、ナイス!
けど女の子はまだ抵抗しようとする。

「放してよ〜!!」




「そこまでだ!!」




まるで歌舞伎役者のように横から参上した栞菜。
後から追いかけてきた舞美。
舞美の手にはこないだのショートカットの子がロープでぐるぐるにされていた。
24 :一章 掴み :2008/02/07(木) 11:57
「くっ、千聖!」
「抵抗を止めて大人しくお縄につきなさい!」

時代劇みたいだよ舞美。
…舞美はバカだからなぁ。
女の子は抵抗を諦めて大人しく手を縄で巻かれていた。
舞美は女の子の横にショートカットの子を並べると、顔をしっかり見た。

あ、そうだ写真撮っとこう。

舞美が尋問してる後ろから携帯でパシャパシャ写真を撮る。
はい、笑って笑ってー。

「さあ吐きなさい。あなたたちの目的はなに?」
「ここ最近の火事、あなたたちの仕業だとわかってるんです」

なっきぃと舞美が尋問を始めると、女の子達は顔を見合わせた。

「どうする千聖ぉ」
「どうするも何も逃げないと、舞」
「この状況から逃げられると思ってんの?」
「お も って ん の !?」
「ちょっとえり黙ってて」
「あはははは!!!!」
「栞菜も笑わないで黙ってようねー」

軽く投げやりな舞美に追い詰められながらも、女の子達はあまり焦っているわけではなさそうだった。
なんだろう、まるで追い詰められてるわけじゃないような…。
25 :一章 掴み :2008/02/07(木) 11:58
そう思ってじっと見ていると、女の子が急にニヤリと顔をゆがめた。


「よし、行くぞ千聖」
「おっけ」


しまった!と思った瞬間にはもう煙でいっぱいだった。
何が起こったのか全然わからなかった。

「みんな!大丈夫!?」
「げほっ、なんとか…」
「あ、いない!」
「あー…逃げられたー…」
「うぅ、今回は逃がさないって思ったのにぃ〜」

口々に逃げられたことを思う。
なんてことだろう、ロープで縛ってまでいたのに逃げられた。

どうやら私たちは同じ人間に2度も逃げられてしまったらしい。
26 :ななしぐも :2008/02/07(木) 12:00
ここの梅さんは基本的に空気よまない子です。

Σリl|;´∀`l|

>>17さん
ありがとうございます!
期待に添えられるかどうかはわかりませんがこれからも読んでやってくれると嬉しいです。
27 :ななしぐも :2008/02/07(木) 12:01
(o・D・)ノ<隠れましゅ
28 :ななしぐも :2008/02/07(木) 12:01
Σリl|;´∀`l|<でも嘘なんだよぉぉぉぉ
29 :一章 友人の情報 :2008/02/10(日) 22:27
maimi.


あれからしばらくが過ぎた。
あの後事件は起こらず、えりの写真をベリの子達が調べることをただひたすら待っていた。
火事は空き家ばかりが狙われていたらしいけど、それでもあれは悪戯の域を超えた行為だ。
彼女達が探していたものはなんだったんだろう。
あの後、被害のあった家を探索したけど何もわからず終いだった。
悔しさにみんなでトレーニングに明け暮れることになった。
そんなとき、今日はベリからやっと連絡が入った。
一体何がわかったんだろう。
℃-uteのみんなを引き連れて、ベリの会議室に入る。

「舞美ちゃん、全員連れてきた?」
「うん、それで桃たちは何についてわかったの?」
「まぁまぁ、がっつかないでとりあえず座りなよ」

適当な場所に座らされると、桃はスクリーンを引っ張り出した。
スクリーンに映し出されたのはあの2人組の改まった顔写真。
でもそれはかなり古い物のようで、小さな二人は更に小さく写っていた。
ショートカットだった子は髪の茶色い写真が映っている。

「あ、これ…」
「そう、ハロー!プロジェクト加入時の写真。やっぱり二人ともハローの子だったみたい」
「そうだったんだ」

映し出された映像には、二人の能力なども記載されていた。
30 :一章 友人の情報 :2008/02/10(日) 22:28
「こっちの子は岡井千聖。愛理と同じ年だね。変な方向に力強いパワフルな戦闘能力と、人懐っこい顔で先輩達と仲が良かったらしいよ」
「あ、やっぱり私この子知ってる」

なっきぃは見たことがあるって言ってたっけ。

「なかさきちゃんだけじゃなくてみんな知ってるはずだよ?この子達加入後しばらくは私たちと同じ訓練受けてたんだから」
「そうなの?」
「うん、あの頃Kidsが集められてたでしょ?初期のKidsは十五人。そのうちの二人だよ」

まったく覚えが無い…わけではないかもしれない。
思い出そうとするけど、私はあの頃そんなに年下の子達とは絡まなかったから覚えてないだけなのかも。

「んでこっちの子は萩原舞。Kidsでは一番の年下だったみたい。この子の能力はまだこの頃未知だったみたいでどう成長してるかはわかんない」
「そっか…」

あの縄抜けについてわからないかな、と思ったけどやっぱりそう簡単には行かないみたい。
それでもこれだけわかったのなら大したものだ。

「ありがと、桃」
「いえいえ、ストロベリーパフェよろしく」
「って言ってもあんただけの協力じゃないでしょ?」
「バレた?まあ差し入れでも今度持ってきてよ」
「了解」

軽く拳を合わせて挨拶する。
桃との協力ももう慣れたものだ。
31 :一章 友人の情報 :2008/02/10(日) 22:28
「あ、あともう一つ」
「ん?」
「この子達が破壊してった空き家なんだけど、元の持ち主が全員行方不明なんだ」
「へぇ」
「でも気になるのが持ち主の一致する条件が元ハローの人っていうことなんだ」
「なんか凄くハローの関係強くない?この事件」
「実はそうみたいだね」

思ったよりも重い事件なのかも。
私たちで大丈夫だろうか。

「舞美、うちらで大丈夫かな」
「えり、あたしも同じこと思ってた」

顔を見合わせて唸る。
正直、小さくまとまるような事件では無かったみたい。

「でもあの子達が気になるよ」
「そうだね…」

あんな小さな子たちがなぜあんな犯罪紛いのことをしてるのか。
元Kidsのあの子たちに何があったのか。
あたし達はちゃんと知ってなきゃいけないような気がする。
32 :一章 友人の情報 :2008/02/10(日) 22:28
「とりあえず、次の事件に備えてよう。しばらくはこのまま」
「うん」

不安そうなえりの手を握って頷かせると、逆に安心した。
うちらは大丈夫。
みんなでこれからのことを話し合おうとベリの会議室を出て行く。


ザザッ


無線が音を立てた。
無言でみんな顔を見合わせた。

「はい、こちら℃-ute」
『出動お願いします。場所は…』

きた!

「みんな、なんとしても今回は捕らえるよ!」
「「「「うん!」」」」
33 :ななしぐも :2008/02/10(日) 22:30
ル ’ー’リ<あたしは仕事の出来る女なんだよ

今回は短い部分なので早めの更新です。
一章の黒幕はバレバレですがまあ一章なので勘弁してください;;
34 :ななしぐも :2008/02/10(日) 22:31
从;´∇`从<もともと出番少ないのに一章は名前も出てこないもんにー!
35 :ななしぐも :2008/02/10(日) 22:32
从o゚ー゚从<ベリーズはほとんど桃しか出ないからねぇ
州*‘ -‘リ<ベリーズも好きらしいのにね
36 :一章 進展 :2008/02/15(金) 19:23
maimi.


もはや慣れっこになってしまった事件の爪あと。
既に火は消えている。
家は脆く、慎重に中に押し入る。

「民間人は…いない」

表の警備はなっきぃ。
裏の警備は愛理に任せてある。
3人で少し広めの家を動く。

カタン

すぐ隣の部屋から音がした。
無言で顔を見合わせると、一気に突入する。



バタン

ゴン

「〜っ!?」



なんか、間抜けな音がした。
気にせずに相手を探そうとする。

「舞美、下。下見て」
「痛そ…」
「あちゃあ〜…」

下を見ると、目を回している岡井千聖が倒れていた。
37 :一章 進展 :2008/02/15(金) 19:23


38 :一章 進展 :2008/02/15(金) 19:24
今回は念のため手錠の上に更にロープを巻き、足のほうも固定しておいた。
気絶していたので施設まで運んでもおいた。

「あ、起きた」

なっきぃの言葉にショートカットの子を見る。
彼女は思いっきりこちらを睨んでいる。

「縄を解け!」
「それは無理な話だなあ」

なんか悪役みたいだよ舞美、とか言う声が聞こえたけど無視無視。
身動きのとれない彼女のために自ら動いて目線を合わせにいった。
真正面から曇りの無い目で睨まれる。

「まず、目的を話してもらおうか」
「私だって知らないよ!だって千聖命令に従っただけだもん!」

むっ、反抗的だなあ。

「じゃあその命令を出したのは誰?」
39 :一章 進展 :2008/02/15(金) 19:24
「…」

今度はだんまりか!
お姉さんさすがに切れちゃうよ〜。

「待って舞美ちゃん」
「お?なっきぃ」
「ね、君。私に見覚えない?」

あたしの横に並んでショートカットの子の目をじっと見つめた。

「そんなはず…あ、れ?」
「見覚え、あるでしょ?」

なっきぃがにっこりと笑うと、岡井千聖は毒気を抜かれたように顔を唖然とさせた。

「早貴ちゃん?」
「そうだよ、千聖ちゃん」

もう一度なっきぃが笑うと、岡井千聖は顔を真っ赤にさせた。
ほんとに知り合いだったようだ。
やっぱり桃たちの調べは正しかった。
岡井千聖は真っ赤にした顔でなっきぃに笑いかけた。
どうやら安心してくれたみたい。

「お?お?これは良い雰囲気で…」
「えり、空気よめ」
「舞美ちゃんに言われちゃお終いだ」

みんなの茶化しになっきぃまで真っ赤になった。
いやぁ、初々しいねぇ。
40 :一章 進展 :2008/02/15(金) 19:25



「あ、そうだ。もう一人の子は?えーっと…萩原舞ちゃんだっけ」



愛理が思い出したように岡井千聖に話しかけた。
萩原舞の話をした途端、顔が険しくなった。

「舞の話なんかしたくない」
「あんなに息ぴったりだったのに?」

ツーカーの仲のようだったけど。
そういうと、岡井千聖は憤怒を露わにして話はじめた。

「舞は千聖を裏切ったんだ。藤本さんに取り入って千聖を裏切り者にしたてあげたんだ!
 ずっと一緒に居た千聖より藤本さんを選んだんだよ!?
 …ずっと藤本さんに憧れてたの知ってるくせに、裏切ったんだ…」

その行為が相当ショックだったらしい。
もう目には涙も滲んでいる。

「じゃあなんであんたはあそこで火事を起こしてたの?」
「だって他に何をすればいいかわからないよ。だから藤本さんに迎えに来てもらえたらいいな…って…」

段々と尻すぼみになっていく岡井千聖。
どんなに強力だって小さな女の子なんだ。
41 :一章 進展 :2008/02/15(金) 19:26



…しょうがないか。



「岡井千聖。しばらく℃-uteであんたを雇っていいかな」



「舞美…」

みんなの顔を見回すと、凄く優しい顔をしていた。
良かった、みんな同じ思いだ。
こんな小さく怯えている子を一人になんてしておけない。
放っておけるような酷い人なんてここにはいない。

「いいの…?」
「うん、だって放っておけないし」
「でも千聖、悪い事してたんだよ?」
「悪いことって自覚があるなら大丈夫!なんとかなるさあ」

近くに寄って肩を抱く。
堪えきれなくなった涙が、服の上に落ちていく。
腕の中で震える姿は、完全に子どもだった。
この子を見つけたのがあたしたちでほんと良かった。
42 :ななしぐも :2008/02/15(金) 19:28
やっとこさ次回はちょーっとだけやじうめ分が…。

リl|*´∀`l|人从・ゥ・从
43 :ななしぐも :2008/02/15(金) 19:29
川*^∇^)||<でもうちらの出番がないんだよ!(にこにこ
44 :ななしぐも :2008/02/15(金) 19:30
川´・_・リ<…。
45 :一章 ひっかかる :2008/02/19(火) 23:39
maimi.


千聖が来て数日が経った。
社員じゃないから一人で暮らさせるわけにはいかないから今のところはなっきぃと同じ部屋に住ませている。
もうみんなともだいぶ打ち解けたみたい。
なにより、ずっと笑うようになった。
こないだなんか凄い変顔してたし…。

ザザッ

「あ、事件」
「なにそれ?」
「無線だよ」

千聖にちらりと無線を見せてから電波をとる。

「はーい?」
『出動です。℃-uteは準備してください』
「了解です」

みんなに緊急信号を送る。
それにも千聖は興味深々に覗き込んでいる。

「千聖は信号受信するやつが無いから絶対誰かの傍に居てね」
「うん。わかった」
46 :一章 ひっかかる :2008/02/19(火) 23:40
二人で待機していると、バタバタと足音が聞こえてくる。

「この会議室に集合してから出動。ほんでみんな揃ったら号令かけて出発だよ」
「あいあいさー!」

千聖と二人で笑って顔を見合わせると、ドアが思いっきり開いた。

「間に合った!!」
「セーフ!」
「よーし、後はなっきぃとえり…」
「お待たせしました!!」
「あー、疲れた…」

なだれ込むようにみんな入ってきた。

「みーたん、全員揃ったよ」

なっきぃが切れた息を整えつつ報告する。


「じゃあ今日はこのメンバーで出発!行くぞ〜?」
47 :一章 ひっかかる :2008/02/19(火) 23:40


「「「「℃-ute!!」」」」
「きゅ、きゅーとぉ?」


「えりか!」
「舞美!」
「早貴!」
「愛理!」
「…ち、千聖ぉ!」
「栞菜!」


「6人揃って」
「「「「弾けるぞぉい!!」」」」
「ぞーい?」

軽くハイタッチをいなして出撃準備をする。
千聖もなんとか参加してくれたみたいだ。
うん、良いことだ。
なんだか楽しそうだしこれはこれで良しっ!

「じゃあみんな、D地区に出動!」
「「「「「はい!」」」」」

48 :一章 ひっかかる :2008/02/19(火) 23:40



49 :一章 ひっかかる :2008/02/19(火) 23:41
走って現場につく。
今回は火事ではなかった。
それどころかD地区は人の居そうな場所じゃない。

「ここは…崖?」
「人、居ないし…」
「油断しちゃダメだよ」

現場は何が起こるかわかんないんだから。
気を引き締めていかなきゃ。

「なんで呼び出されたの?」
「確か人民救助…」
「じゃあ崖下に人がいるかも!?」

慌ててなっきぃが崖下を覗きこむけど、何もなかったのか首を横に振った。

「…ガセ?」


…ためしに辺りを散策してもなにも起こらない。


「…なんかあるとしたらやっぱり崖下?」
「だよねぇ」

崖のほうをちらりと見ると、なんだか寒かった。
危ないよね…。

「私がもう一度崖下を確認するからみんなは後ろを…」
50 :一章 ひっかかる :2008/02/19(火) 23:42





「舞美危ない!!!!」




51 :一章 ひっかかる :2008/02/19(火) 23:42


え。


しゃがんだ瞬間思いっきり重力に逆らう感覚がして、地面に上げられた。
そして引っ張った手の感覚が沈んだ気がした。

「えりかちゃん!」

栞菜の声に意識がハッとなる。

「えり!?」

目線を崖の方に戻すと、えりの姿が見えなかった。




え、落ちた?




まるで後頭部を殴られたような感覚がする。
52 :一章 ひっかかる :2008/02/19(火) 23:43
いつ死ぬかもわからない仕事だけど、死ぬはずないってタカをくくってたんだ。






「えりぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーー!!!!」






自分の脳裏が寒くなる。
もう目の前が真っ暗だ。
自分で立つ気力も無い。

ザザッ

無線の音がする。
動けないあたしの代わりに誰かが無線をとってくれた。

「…はい」
53 :一章 ひっかかる :2008/02/19(火) 23:43




『あ、その声はなっきぃ?あたし生きてるからね!』



54 :一章 ひっかかる :2008/02/19(火) 23:44
「え、…えりかちゃん!?」
『やー、もうだめかと思った』

音だけが耳に響く。
何も考えられない。

「えりかちゃん生きてるって!」
「良かった…!」
「さっすがえりかちゃん!」

口々に喋るメンバー。


あたしは…。



あたしはえりのこと…。




「舞美ちゃん!」




「え…」
55 :一章 ひっかかる :2008/02/19(火) 23:44
「聞こえてた!?えりかちゃん生きてるよ!!」

栞菜に覗き込まれてやっと世界が色を取り戻す。
言葉が脳を通ってやっと理解ができた。



「…はぁー…」



長い溜息をつくと、体全身が活動を始めたように熱くなった。

「まぎらわしいよバカえりー…」

立ち上がって崖下を覗く。
残念ながらえりは見えない。
岩肌がごつごつしていて横穴や段差があるのかもわからない。
なっきぃから無線を受け取って連絡を取る。

「えり今どうなってんの?」
『おぉ!舞美ー!舞美のために生きてるよあたし!!』
「いいから答えてっての」

赤くなる顔を誤魔化して無線に怒号を送る。
でも舞い上がっちゃってるえりには関係無いみたい。
56 :一章 ひっかかる :2008/02/19(火) 23:45
『たぶんそこから見えないと思う』
「まっすぐ落ちたわけじゃないんだ?」
『今ね、横穴の中にいる』
「横穴?」

恐る恐るギリギリまで首を伸ばして覗き込むけど、残念ながら見えなかった。
横穴って言ってもここから見えないほどのところじゃかなり下のほうだと思う。

「なんで生きてんの?」
『ひどい舞美…』
「違う違う!単純に不思議に思ってるだけだから!」

危うくもう一回崖下にダイブしそうなえりの声に慌てて訂正を入れる。
あんな思い二度としたくないしお願いだから止めてね。
っていうかあたしを助けて飛び込むなんてほんとバカだよ…。

『まあそこは色々事情があるんだけど…』
「ん?」
『とりあえず舞美、今日はみんなに解散命令出していいよ』
「ってえりどうやって登ってくる気?」

えりの無茶な話に思わず突っ込む。
みんなが帰っちゃったらどうやって帰ってくる気なんだろう…。
57 :一章 ひっかかる :2008/02/19(火) 23:45
『いいから、すぐ帰ってくるから』
「でも」
『夜になって帰ってこなかったらまた来て』

自信満々で言い切られてしまったらどうしようもない。
えりが不安がったりしてないことは声色からわかるし、これ以上何も起きないというのならここにいる必要は確

かにない。
それにしても…。

「なんでそんな大丈夫って言い切れんの?」
『…』
「えり?」
『アテはあるから』
「待ちなさい。なんだ今の間は」

怪しい。
絶対に何かを隠してる。
えりは嘘をつくのが全然上手くないからすぐわかる。
本人曰く、あたしに嘘つくのが嫌だからなんだとか…。

『とにかく!絶対帰ってくるから!』
「…ほんと?」

えりはすぐ前言撤回するし。
それにさっきだって助かってなかったら大変だったんだぞ?
正直えりの約束はあまり当てにならない。
58 :一章 ひっかかる :2008/02/19(火) 23:46



『お願い、今回だけはどうしても…』



でも、えりは大事なことはちゃんとわかってる子だ。
ここまで言うならちゃんとなにかしらの理由があるんだろうけど…。
今回は事が事だ。

「…だめ」
『頼むよ舞美ぃ…』

半分泣きそうなえりの声。
組織的にはぜんぜんよろしくないことなんだけど…。



…もう、ほんとえりに弱いなぁあたし…。



まあ今回はえりに助けられてたわけだし、大目に見よう。

「…今回だけだからね」
『…!』
「ちゃんと帰ってくるんだよ」
『ありがとう舞美!』

あっちで見えないっていうのにおおはしゃぎで喜んでるえりの姿が見えるようだ。
59 :一章 ひっかかる :2008/02/19(火) 23:46

「…はぁ」

ほんとにしょうがない。
とにかく全員いるかしっかり確かめて戻ることにしよう。

「えりかちゃんなんだって?」
「先に戻っとけって」
「えぇ?大丈夫なの?」
「なんかね、大丈夫だって」

正直、えりが何を考えてるのか一切わからない。
あたしに隠し事をするえりなんて少ししか見たことないし…。
ただえりは嘘ついてまで悪いことをするような人じゃないし、嘘をついて他人を守るほど器用じゃない。

「わっかんないなあ」

なんとなくえりのいない帰路は長く感じた。
みんなの話もほとんど耳に入っていなかった。
でもえりが死んでなくて本当に良かったと心から思った。
60 :ななしぐも :2008/02/19(火) 23:49
州・v・)<空気だなあ…

そろそろ少し乗り込んできた感じです。
まあ次かその次くらいに出番あるかもですよ鈴木さん。

(o・D・)<まだなんでしゅか

萩原さんまだなんです。
61 :ななしぐも :2008/02/19(火) 23:50
从・ゥ・从
62 :ななしぐも :2008/02/19(火) 23:51
ノk|‘3‘)
63 :一章 pain :2008/02/26(火) 22:48
chisato.


あの後、えりかちゃんはちゃんと帰ってきた。
普通に元気にただいまーって笑いながら。
私は喜んで迎えたし、みんなも笑ってた。
でも舞美ちゃんは笑ってたけどなんだか複雑そうだった。

「大丈夫かな」

そう呟いて、あのときみんなに言えなかった重大な秘密を思い出した。

「ねえ、舞…」

そう呟いて隣を見て、止まる。
そうだ、今千聖の隣に舞はいない。
右を見れば絶対に舞が居た。
でも舞を思い出すのは今の自分にはかなりヘビーな行いだった。

「…っ」

唇を噛む。
64 :一章 pain :2008/02/26(火) 22:48
舞のことを考えるとお腹の中が熱くなった。
正直どうしていいか全然わからない。


舞を守るのは千聖だった。


そして千聖をフォローするのはいつだって舞だった。


その舞が裏切ったんだ。





-岡井、なんだよこれ





心に残る憧れの人の言葉。
大好きな尊敬する人の冷たい言葉。
65 :一章 pain :2008/02/26(火) 22:49

-お前がやったんだって?

目の前には荒らされた藤本さんの部屋。
知らないことだったからとにかく謝って誤解を解こうと思った。
でも次の言葉に我を忘れた。

-萩原がお前の仕業だと言っていたんだよ

舞…が?
そう思った瞬間、すぐ横を振り返った。
でもそこに舞は居なくて、その人の後ろに暗い目でこっちを見つめる影を見つけた。
叫んでも叫んでも舞は返事をしない。

-おっけー!任せて千聖!!

そんな思い出が頭を回るほど致命傷だった。
ずっと一緒だった舞が自分を裏切った。
舞のためなら命だって張れると思っていた自分だから尚更信じたくなかった。
気づけば自分は走ってあの建物から走り去っていた。
戻れば藤本さんにヤラレル。



-千聖、次どうしよっか



どんなに辛い時だってその言葉と右手に繋がる存在があれば頑張れた。
泣きそうな自分の隣で一切泣こうとしない舞がいれば頑張ろうと思えた。
66 :一章 pain :2008/02/26(火) 22:50

「くっそ…」

一つ、壁を殴りつける。
どうしようもない苛立ちと悲しみ。


えりかちゃんが落ちるとき、私だけが気づけたこと。


また舞は千聖の居場所を奪おうっていうの?
千聖は舞に何かした?
些細な喧嘩だって今まで仲直りしてきたじゃないか。

「なんなんだよ!もう!」
「うわっ!?」

苛立ちまかせに叫ぶと、なっきぃが居た。
昔は早貴ちゃんって呼んでたけどみんなはなっきぃって呼んでるみたいだから自分もそう呼ぶことにしたんだ。
なっきぃは壁に向かって拳を突き出していた姿勢を見て眉を諌めた。

「そんなことしてたら手がボロボロになっちゃうよ」

握っていた手を優しく包んでくれる柔らかい手。
舞とは違う柔らかさを持つ暖かい手。

-そうだよ、千聖ちゃん

あの言葉と笑顔に凄く救われた。
だから今度は彼女達の力になりたいと思った。
居場所が欲しいから、みんなについていくことにした。


そうだ、もう舞が居なくたっていいんだ。

67 :一章 pain :2008/02/26(火) 22:50
私にはみんながいる。
舞に遠慮なんかしない。
舞がそういうつもりなら、とことんみんなを守るまでだ。

「なっきぃ、話があるんだけど」
「なに?」
「えりかちゃんが落ちたときのことなんだけど…」

息を呑んで一回深呼吸する。
舞のことは気にするな。
これでみんなに舞がどう思われたって千聖には関係ない。

「あの日、どうやってえりかちゃんが落ちたか覚えてる?」
「…確か縄が崖下から舞美ちゃんの腕に絡んできたんだよね」
「そう、そしてそれを無理矢理引っ張ったえりかちゃんが落ちた…」

そこが問題なんだ。
あんなに縄の扱いに長けた人間を、千聖は一人しか知らない。
そしてあんな崖なのに悪戯のような罠で扱おうとする大胆な人。



「あれはたぶん舞の仕業だ」



なっきぃが息を呑む音が聞こえた。
68 :一章 pain :2008/02/26(火) 22:51

「機械的な動きをした縄だったから本人が居たのかどうかはわからないけど、舞だよあれは」

縄の扱いについて舞の知識は一級品だった。
ロープでぐるぐる巻きにされた日も、手だけ縛られた舞は自分の指の関節を外して無理矢理ロープを抜け出したんだ。
だから二人なら怖いものは無かったんだ。
千聖は守るし、舞はフォローする。

「…そっか」
「うん。舞だね、確実に」
「それで、千聖はどうするの?」

そう言われて、すごくお腹が熱くなった。
もう居場所を失いたくない。

「…舞は千聖が捕まえる」
「それでいいの?千聖は…」
「舞は悲しまないよ」

舞はいつだって泣かなかった。
舞が泣いていたのを見たことなんて一回も無かった。

「舞は千聖のことなんかで泣かない。舞はああ見えて全然しっかりものなんだ」
「…」
「私は舞を、敵として扱う」
「なんか悲しいね…」

つらそうな顔をしてくれるなっきぃ。
それだけで十分だった。
一緒に泣いてくれる、一緒に苦しみを感じてくれる。
そんな仲間と出会わせてくれたことだけを舞に感謝した。
69 :ななしぐも :2008/02/26(火) 22:54
リ ・一・リ<独白だ。

千聖楽しいよ千聖。
でも矛盾多いんだよーorz
次は今までほとんど空気だった愛理の独白です。
70 :ななしぐも :2008/02/26(火) 22:55
ノk|‘−‘)<一番空気だかんな。
71 :ななしぐも :2008/02/26(火) 22:56
从・ゥ・;从 シュジンコウナノニナァ
72 :一章 elekto :2008/03/03(月) 23:23
airi.


「舞美ちゃん、怒ってるの?」
「…なんでもない」

あからさまにえりかちゃんを気にする舞美ちゃん。
怒ってるわけではないかもしれないけど、何か思ってることぐらい丸わかりだよ。
こんなとき何もできない自分が辛い。


歯がゆい経験は何も今回限りじゃない。


前にも一度あったんだ。
今日膝から崩れていく舞美ちゃんを見て、思い出したことがいっぱいある。
人間はなんてたくさんのものを忘れていくんだろう。
そしてなんで辛い記憶を全部閉じ込めてしまうんだろう。


それは私にとって大事な記憶の欠片。


誰かに聞いて欲しかった。
誰かに慰めて欲しかった。


本来ならいつも頼りがいのある舞美ちゃんのところに行くんだけど、今日ばかりは無理そうだ。
こんなとき頼れるのは大事な親友。
73 :一章 elekto :2008/03/03(月) 23:23
「栞菜」

私の声に気づいた彼女は小走りに近寄ってきてくれた。

「ちょっと話いい?」
「いいよ」

栞菜は即答してくれた。
この微妙な空気の中、栞菜もどう行動していいかわからなかったんだろう。
無理なく私のうしろについてきてくれた。

誰にも聞かれないように自分の部屋に来ると、とりあえず栞菜に座ってもらった。
これから話すことは場合によっては行動に支障をきたすかもしれない。
それでも誰かに自分の苦しみを和らげてほしかった。
ごめんね、栞菜。

「で、どうしたの?」
「うん、あのね。思い出したことがあるんだ」
74 :一章 elekto :2008/03/03(月) 23:24
舞美ちゃんが崩れ落ちたとき、私は小さい頃の記憶を引き出した。
それは大事な記憶。



「私、舞ちゃんを知ってる」



その言葉にはっとなる栞菜。
そりゃそうだよね、私だって驚いたんだから。

「萩原舞もハローだったなら知ってる可能性はあったもんね…」
「うん」

ただ、あまりにも変わりすぎててわからなかったっていうのもあるかもしれない…。
だって昔のあの子は…。

75 :一章 elekto :2008/03/03(月) 23:24



76 :一章 elekto :2008/03/03(月) 23:25
そのとき私はまだ小さかった。
Kidsが2グループに分けられて先輩の手伝いをさせられたときがあった。
私はたった4人のほうに分けられ、そのとき舞ちゃんが一緒だったのだ。
ベリの茉麻とりぃちゃんと4人で楽しかった。
舞ちゃんはいつも誰かの後ろにくっついてもぞもぞしてて可愛かった。
傍に誰かがいないと落ち着かないみたいで必ず誰かに引っ付いてた。

ある日、舞ちゃんがなかなか仕事が上手くいかなくて大泣きしていたんだ。
茉麻もりぃちゃんも別でやっていることがあって、その場にいたのは私だけ。



-舞、やっぱり一番年下なんてやだ…



こんなに大人数の中で一番年下であったことがないし気持ちがわからない。
それになんて言葉をかけていいかもわからない。
ただ泣きじゃくる舞ちゃんを見ながら私はただ立っているだけだった。



-はやくおっきくなりたい



今思い出せば舌ったらずな声は相変わらずだったな、とか度胸が据わってるままだとかそんなことまでわかる。
どうして忘れていたのかな。
ボロボロと大きな涙を流す舞ちゃんを眺めてた。
あの可愛かった小さな舞ちゃん。
77 :一章 elekto :2008/03/03(月) 23:25



78 :一章 elekto :2008/03/03(月) 23:26
「…ふーん、そんなことがあったんだねぇ」
「ごめんね、Kidsの話はヤだった?」

栞菜は℃-uteとベリで唯一Kids出身じゃない。
それでもみんなと打ち解けてるし問題は無いんだけど、どうしてもたまに気にしてしまう。
だって私ならきっと耐えられない。

「ううん、愛理の知らない頃を知れるのは嬉しいよ」

そういって笑う栞菜は最高にかっこいい。
だから私はついつい栞菜に頼ってしまうんだ。

「ごめんね、変な話して」
「それで愛理はどう思うの?」
「あ…」

そう、それが言いたかった。
私の記憶では舞ちゃんはほんとに小さかった。
愛理ちゃんと慕ってくれる姿はほんとに可愛かった。
それに空気よめないし悪戯が過ぎるけど悪い事するような子じゃなかった。



「私、舞ちゃんはそこまで酷いことを出来る子じゃないと思う…」



千聖の言っていたことはほんとだと思う。
でも、私は舞ちゃんを疑いきれない。
79 :一章 elekto :2008/03/03(月) 23:26
「…舞ちゃんと話したい」
「真相を知りたいね」

ずっと一緒にいた千聖の言うことのほうが正しいかもしれない。
理由も無い。
けど、それでも信じたい思いがあった。

「もし次舞ちゃんと会ったとき、私はどうすればいいのかな…」

きっと千聖と舞ちゃんの激突は避けられない。
千聖は知り合ってわかったけどかなり熱い性格だ。
たぶん舞ちゃんが平然としてる限り、ガチンコで舞ちゃんにふっかけると思う。



そのとき、私は…?



今はただ、悩んで見守るしか思いつかなかった。
栞菜はそんなあたしの気持ちを察してくれたのか、何も言わずにただ傍に居てくれた。
80 :ななしぐも :2008/03/03(月) 23:29
(o・D・)<出番まだー?

愛理の思い出です。
色々無理設定だとか勘弁してくださいorz
うぅぅ…けど愛理も栞菜もみんなみんな良い子なんですorz
だからこそ書きにくい!(まて
81 :ななしぐも :2008/03/03(月) 23:29
州・v・)
82 :ななしぐも :2008/03/03(月) 23:29
リ+・一・リ
83 :一章 弾 :2008/03/09(日) 22:08
maimi.


えりが無事に帰ってきた。
相変わらずえりは笑ってる。
あたしは正直わからない。


えり、えりになにがあったの?


突然えりが消えるなんてことがあったら…。
あたしはどうなるんだろう。



-舞美、ごめん



さっぱりとした声が記憶に滲む。
ダメだ、今思い出すべきことじゃない。
記憶を無理矢理頭から追い出し、えりの部屋に向かう。
そろそろシャワーからあがったとこだろう。
84 :一章 弾 :2008/03/09(日) 22:09
「えり」

ドアを開けると、パジャマでぐいぐいと水を飲んでるえりがいた。

「お、舞美ー!なに?夜這い?」
「えり」

ふざけるえりに強い口調で詰め寄る。
笑っていた顔が一転して困り顔に変わる。

「舞美、さっきのことなら言えないって…」
「なんで?」
「…舞美」
「ねぇ、なんで隠すの?任務としても、親友としても、えりのことを聞き出したい」

正直な気持ち。
それでもえりは気まずそうな顔をやめない。
えりのこんな顔見たくない。
でも、知りたいよ…!

「えり…お願い…」

すがるように服を掴んでえりの胸に額を押し当てる。
みっともないけどどうしてか知りたくてしょうがないんだ。
安心させてほしい。
ほんとになんでかすっごい不安なんだよ。



えりが、あの子みたいに消えそうで、嫌なんだ。


85 :一章 弾 :2008/03/09(日) 22:10




ザザッ



86 :一章 弾 :2008/03/09(日) 22:10
世の中ってなんてタイミング悪くできているんだろう。
あまりの情けなさに唇を噛む私の代わりにえりが応対する。

「はい、℃-uteです」
『出動です』

今日ばかりは元気に笑って走る余裕は無さそうだった。
87 :一章 弾 :2008/03/09(日) 22:10



88 :一章 弾 :2008/03/09(日) 22:12
現場につく。
それは最近お馴染みになりつつあった火事現場だった。

「…舞」

千聖が困った顔でビルを見上げる。
それは廃ビルだった。
上のほうから順に燃えていっている。
一般人がいる気配はなさそうだし、急ぐ必要はない。

「一応中に人がいないか確認しよう」

心なしかみんなの返事も頼りなかった。
だめだ、あたしがしっかりしないから…。

「よーっし、頑張るよぉー!」

元気に声を張り上げてくれるえり。
こんなときでもあたしをフォローしてくれようとする。
その優しさが今は少しだけ痛い。
でも頑張らなきゃ。

「うん、みんなよろしく」

小さなビルだし周りに気配もない。
今日は外の見張りもいらないだろう。
89 :一章 弾 :2008/03/09(日) 22:14
全員で中に入る。
火は下までまわってきていないけど、かなり熱かった。
視界はかなり悪い。

「みんな、気をつけて」

先頭を急ぎ足で歩く。
でも慎重にかつまわりに気を配る。
上から崩れてきているのならいつビルが崩壊するかもわからない。
いくら火のまわりが遅そうでも急いで調べなければ。
途中にあった2階への階段は使い物にならない状態だった。
爆風で壊れたんだろうか…。
階段より奥に部屋を見つける。
調べられるのはここぐらいか。


ゆっくり開いた。
焦げ臭い匂いがする。



「…!」



人影がある。
煙で視界が悪くて誰かわからない。
90 :一章 弾 :2008/03/09(日) 22:17
「誰!?」

叫んでも返事は返ってこない。
どうやら倒れてるみたいだ。
助けないと!
急いで走り寄る。


「…う…ぐぅ…」


小さく呻き声が聞こえた。
意外と広い部屋だ…。
ぼんやりと人影がシルエットを作り始めた。
小さい。
もしかして一般人…
91 :一章 弾 :2008/03/09(日) 22:17


…違う!一般人なんかじゃない!


92 :一章 弾 :2008/03/09(日) 22:18
それは先ほど千聖が呟いた人物だった。

「舞!!」

叫んで走り寄る千聖。
よく見ると体には擦り傷がたくさんある。
背中は見えないけど血が出ているんだろう。
ドアから彼女の場所まで血を引きずった跡があった。
どういった状況かはわからないけど、敵といえど怪我人は助けないと。
そう思って抱えようとした瞬間に、強い力で撥ね退けられた。


「わっ!?」
「…んぐっ…!」


撥ね退けたのは意外にも倒れていた本人だった。
反動で背中を打ちつけたらしい。
肩で息をしながらこっちを睨んでる。

「…んはっ…はぁ…」

そして、視線を逸らした。
でも逸らした先には…。
93 :一章 弾 :2008/03/09(日) 22:18




「舞…!」



「…ち…さと…」



94 :一章 弾 :2008/03/09(日) 22:21
なんて皮肉な再会。
二人とも何を言えばいいのかわからないのか、黙ってお互いを見つめている。
千聖なんか文句とか色々言いたいことがあったろうに。
怪我だらけの元相棒に面食らって何も言えないんだろう。
…でもあまり時間がない。
出来ることならこのまま二人を納得行くまで話させてあげたいけどそうもいかない。
慌てて舞ちゃんを介抱しようと再度手をのばす。

「や…だっ…!」
「大人しくしなさい!」

どこにそんな体力があったのか、舞ちゃんはあたしを突き飛ばした。

「…いたっ…!?」
95 :一章 弾 :2008/03/09(日) 22:22
舞ちゃんは渾身の力でみんなを振り切って外に逃げようとした。




ドッ




ドア付近で意外な人物がそれを阻止する。
荒々しく子どもの腹を殴ったのは、愛理だった。
96 :一章 弾 :2008/03/09(日) 22:23
「…ごめん、話…したかったから」

泣きそうな顔で倒れた相手に謝る愛理。
あたしたちは安堵の息を漏らした。
とにかく倒れた舞ちゃんを担ぎ上ようとする。
ぐったりと力の抜けた様は完全にただの子どもだった。



突然、あたしの横で風が切れた。



それは突然で、でも前触れはあったのかもしれない。
手から舞ちゃんの重みが無くなる。





「ごめんみんな!」





一瞬で舞ちゃんを担ぎ上げて外へ飛び出した。

「えりかちゃん!?」

いち早く栞菜が追いかけようとする。
97 :一章 弾 :2008/03/09(日) 22:25
けどそれと同時に天井が崩れてきた。
予想以上に火のまわりが早い!?
このままじゃあ建物が崩れる!

「くっ…全員とにかく逃げて!」

指示を出すとみんな弾けるように外に駆け出す。
私も追いかけるけど、頭はぐるぐるなままだ。

えり。


えり。



えり!



どうして…?




外に出たとき、えりの姿も、舞ちゃんの姿も無かった。
98 :ななしぐも :2008/03/09(日) 22:28
今回ギャグのギャの字も無いです。
それならそれでもう少し緊迫感など出せればいいのですが…。
そしてわかりやすいほどの伏線祭り(笑

orz
99 :ななしぐも :2008/03/09(日) 22:30
今回の空気組

ノk|‘−‘)
ノソ*^ o゚)
100 :ななしぐも :2008/03/09(日) 22:31
ノk|‘−‘)<いつか仕返ししてやるかんな。
ノソ;^ o゚)<現場には居るのになあ。

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