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長めのお話

1 :CPヲタ :2006/05/22(月) 22:37

注意
・りしゃみや痛い系
・全編通して甘さ控えめ
・りしゃみやが主役、桃キャプが準主役。
・ももちが勝手に目立つ。
・ゆりちなその他は登場未定。



そんな話を載せるので生暖かく見守ってやってください。
379 :CPヲタ :2008/12/13(土) 09:17


話が進みますといっておきながら進まないw
というか更新遅すぎですんません。
今日はちょっと甘めのお話です。


378>>麻人さん
レスあっとうございます。
泣くなんて最高の褒め言葉っす!
りしゃみやは本当に切ないのが似合いすぎて困ります。
でも時々甘目が見たくなるのは人の業というものでしょうかw
自分の中でも殿堂入りする勢いでベストカップルです(エ


では今日の更新。
上でも言ったとおり甘め。
しかし短めで。


380 :CPヲタ :2008/12/13(土) 09:17




381 :痛みの向こうで :2008/12/13(土) 09:18

朝は涼しい。
特に始発という時間はいつも見えないものがたくさんあって。
まだ出ていない太陽というのも新鮮な気がした。
そんな中、雅は一人梨沙子の家へと向かっていた。

電車を降りて改札を出る。
駅に着く頃には少し人が増えていた。
キョロキョロと周りを見回して、梨沙子を見つける。
人が少ないからか顔を隠すための帽子しか被っていなかった。

「みや。」

にこりと零された笑顔はいつもどおりで。
雅は何故かほっとした。
電話の向こうで泣いていた梨沙子の声が今も離れない。
あんなに泣かせたことは初めだった。
もしかしたら今までも影で泣いていたのかもしれないと思って。
雅は胸が痛くなった。

382 :痛みの向こうで :2008/12/13(土) 09:18

「迎え、来なくても良かったのに。」
「だって来てくれるんなら迎えぐらいしたなぁって。」

人の多くないフロアをゆっくりと歩く。自然、隣を歩く配置になった。
梨沙子の表情は変わらない。穏やかな顔だった。
ふと思う。
いつから梨沙子はこんなに大人しい顔をするようになったのだろう。
雅の知っている梨沙子は子供で。
感情の起伏が激しくて、すぐ拗ねて、すぐ泣く。
それでも雅のためになると物凄く優しくて、我慢強くなる。
そんな梨沙子が大好きだった。
真っ直ぐに自分を好きと表現してくれる梨沙子とは違い雅は言えないかった。
言えなかったがそれがずっと胸の中にある気持ちだった。
子供の梨沙子が消えたとしたらきっと雅のせいだった。

「あたしんちで、いい?」
「……いいよ。」

違和感無く伸びてきた手を取って繋ぐ。
久しぶりに感じた梨沙子の手はそれでも変わらなかった。
段々と日が昇って、温かい陽光が降り注ぎ始める。
それに連れて人も多くなって来ていた。
駅前は雑踏と呼べるほどに人が増えてきていた。
学生や社会人、それによく分からない人。
色んな人にぶつからない様に足を動かす。

383 :痛みの向こうで :2008/12/13(土) 09:19

―梨沙子の町。

別に来たのは初めてではない。
だが今まで感じたことの無い関心を雅は感じた。
この時間帯が初めてだからだろうか。
朝というのは他のどんな時間より特別な気がする。
始まりの時間だからなと雅は一人思った。

「ねぇ。」
「うん?」

声にあわせて隣を歩いていた梨沙子が雅の方を向く。
建物の間から昇ってきた太陽が切り取られた光を振り掛ける。
綺麗だった。キラキラした光が梨沙子の髪を透かす。
白光が輪郭をぼやけさせ、曖昧にする。
ちょっと怖くなって雅はきゅっと梨沙子の手に力を入れた。

384 :痛みの向こうで :2008/12/13(土) 09:19

「うちもさ、好きなんだよ。」

何を言いたいかなど、忘れてしまった。
綺麗過ぎる光景を見ると人の脳は勝手にフリーズしてしまう。
眩しいものを見たときに視界が真っ白になるように。
頭の中だって梨沙子一色で、他のことは全て消えてしまったのだ。
だからこの時出た言葉は雅が梨沙子に一番伝えたかったことに違いない。

「え?」

たおやかに上がっていた口角がそのまま固まる。
何を言われたか分からないという風に首が傾げられる。
そんな梨沙子に雅の口は再び同じ文句を繰り返していた。

「梨沙子が好きなんだよ。」

「こんな時間に、始発で来ちゃうくらいに。」とくすりと笑いながら言う。
梨沙子は雅が好きでバカみたいと言った。
雅だって梨沙子がバカみたいに好きだ。
泣いている梨沙子が放っておけなくて家に来るほどには。

385 :痛みの向こうで :2008/12/13(土) 09:20

雅は梨沙子が戻ってきていると感じた。
記憶まで戻ってきているかはわからない。
しかし梨沙子の性質が前に戻ってきているのは事実。
でなければ雅のことを好きでバカみたいなんて言わない。
だって記憶をなくした梨沙子はそんな事を思うはずないくらい、雅に対して興味が無かったのだから。

「初めてだね、みやがそんなこと言ってくれるの。」

くしゃっと梨沙子の顔が歪んだ。
朝日に照らされたそれは、それさえ神々しくさせた。
ああ、そうかもしれないと今更ながらに雅は思う。
好きだなんて言ったこと無かったかもしれない。
恥ずかしかったし、梨沙子は雅のことを何でも分かっていてくれたから。
雅は言う必要を感じなかったのだ。
そんな言葉がするりと出たのは朝という時間に全てが浄化されたからかもしれない。
ただ好きだと思った。恥ずかしいとか、どうでもよくなった。

386 :痛みの向こうで :2008/12/13(土) 09:20

梨沙子の家までの道は今までにないくらい清々しい。
隣には赤くなって黙り込んだ梨沙子がいる。
朝の風はまだ何にも汚されていなくて、とても爽やかに感じた。
繋いだ手はそのままに雅は機嫌よく歩を進めたのだ。




++++

387 :CPヲタ :2008/12/13(土) 09:20




388 :CPヲタ :2008/12/13(土) 09:22


甘さが続かないw
短い、短い。
久しぶりの更新なのにこの短さですみませんorz


389 :CPヲタ :2008/12/13(土) 09:22




390 :麻人 :2008/12/14(日) 14:39


更新お疲れさまです♪
はぁ、なんか、りーちゃんと雅ちゃんが手つないでるだけで嬉しいですw素直になった雅ちゃん可愛いなぁw
りーちゃんの、忠犬ハチ公ばりの雅ちゃんへの不変の愛も相変わらず素敵です。
391 :ななしいくさん :2009/02/05(木) 00:01
期待してます
392 :CPヲタ :2009/03/02(月) 20:04

遅くなりスンマセンorz
最後が近づくと筆が遅くなるたちです。
ええ、つまり優柔不断です。

390>>麻人さん
大変お待たせしました。
自分もりしゃみやが手を繋いでるだけで嬉しいっすw
りーちゃんは犬に生まれれば忠犬ハチ公は越えたことでしょう。
あの慕いっぷりは中々できません。

391>>ななしいくさん
お待たせしました。
期待に応えられればいいのですが。


では今日の更新です。
相変わらず短めです。

393 :CPヲタ :2009/03/02(月) 20:04




394 :痛みの向こうで :2009/03/02(月) 20:05

++++



「ももさ、思うんだよね。」

唐突に言葉を発する。
何てことはない空気。
何ら変わりないいつもの部屋。
しかしそこに込められたものに気づかないほど鈍くは無かった。

「何が?」

雑誌片手に問い返す。
あえて普通に返したのは唯一の佐紀の抵抗だろうか。
出してきたオレンジジュースが机の上で温くなっていく。
時計の音が聞こえるくらい静かな部屋には二人しかいない。
ふと他のメンバーが何をしているのかが気になった。
395 :痛みの向こうで :2009/03/02(月) 20:06

「りーちゃんさ、そろそろ思い出すんじゃないかって。」
「……何で?」

梨沙子の件に首を突っ込まないようにしようと言ったのは桃子だ。
それなのに、その桃子が話すものは未だに事件についてが多い。
いつもはきっちりと線引きしてしまうのに珍しい。
桃子がそうできない何かがこの件に隠れている。
そんな気が少し前からしていた。

開いていた雑誌を閉じる。
ちらりと視線を動かせば桃子はベッドの上にいた。
クッションも抱き込んでちょっとやそっとじゃ、離れない体勢だ。
その図々しさは少し感心してしまうほどである。

「んー、勘?」
「勘で物言わないでよ。」

にっこり笑って首を傾げる桃子は仕事仕様だ。
何で今そうするかが分からなくて素っ気無い声が出た。
こうやって誤魔化す時は碌な事がないことを佐紀は知っている。
すっと桃子の目が細くなる。
一緒に佐紀の部屋の空気も冷えた気がした。
396 :痛みの向こうで :2009/03/02(月) 20:07

「ももの勘は当たるんだよ?」
「……知ってる。」

非常に認めたくないがそうなのだ。
ぎゅっと一度唇を結んで、それから佐紀は諦めたように言葉を発した。
桃子はある種動物的な勘で物事を当ててしまうときがある。
場が読める性格にその能力が着くと手がつけられない。
佐紀には理解できないくらい先読みが出来てしまうのだ。

ふっと桃子の顔が緩む。
仕事用の顔から穏やかな余り見せない表情になった。
来ると佐紀は心の中で身構える。

「ももね、たぶんりーちゃんと一緒に恋してた。」

にこと可愛らしい笑みと共に零されたのは、やはり爆弾だった。
梨沙子に構う様子が佐紀の脳裏に蘇る。
あの時感じた違和感は気のせいではなかった。
雑誌を机の上において、くるりとベッドの方に体を向ける。
どういうことよと佐紀は視線だけで問い返す。
すると桃子はふわりとまた笑みだけで佐紀をかわす。
397 :痛みの向こうで :2009/03/02(月) 20:08

「ももは、りーちゃんに自分を重ねてた。」

その笑顔が見たことのないもので。
見たことが無いくらい綺麗に形作られた笑顔で。
佐紀は何も言えなくなった。

「もも……。」

泣きそうな気がした。
桃子が言う本心は佐紀には酷く重いもので。
ずっと一緒にいた分、分かってしまうものもあると佐紀はこの時初めて気づいた。
そんな佐紀ににこっと桃子は微笑む。
それさえ、今の佐紀には涙の素にしかならない。

「りーちゃんにはね、離れて欲しくなかった。」

好きな人と離れるのは辛いから、そう言って桃子は笑う。
そう佐紀は知っていた。
桃子が誰を好きだったか、知っていた。
幼すぎて他の誰もが恋さえ知らなかった時期に。
桃子は確かに一人恋をしていたのだ。
もう一緒にいることはできないあの子と。
失くしてしまった遠い恋。
398 :痛みの向こうで :2009/03/02(月) 20:08

『恋なんて、もうしない。』

そう言ったのは何時のことだったろうか。
ただ泣く桃子を只管に慰めたのは、何時だっただろう。
何も出来なくて、そして理解も出来なかったあの頃の自分。
あれから桃子は更にアイドルになった。

「りーちゃんにね、もう一回教えて貰った。」

ふわり、桃子の瞳が細められる。
それだけでどれ程嬉しかったのかが伝わってくる。
ああ、梨沙子は凄いことをしたんだなと心の中で呟いた。
真っ直ぐな想いで、梨沙子は自分に出来ないことをしてみせる。
それが佐紀には少し羨ましくて、眩しかった。

「恋っていうのがどんなに大変で、でもどれだけ良いものか。」

「ね、佐紀ちゃん?」という問いにただ頷く。
そう、あの頃理解できなかった感情を佐紀は梨沙子を通して見つめた。
正しくは梨沙子と雅、また桃子を通して。
399 :痛みの向こうで :2009/03/02(月) 20:09

梨沙子は雅が好きだった。
たったそれだけで記憶まで失くしてしまった。
未だに理解は出来ない。
理解は出来ないが、そういう事もあると思えるほどには成長していた。

「梨沙子は、本当にみやが好きだからね。」
「そうだね。」

出てきた言葉はやはり其れだけだった。
梨沙子は雅が好きで、それだけだ。
そしてそんな真っ直ぐな梨沙子が桃子の瞳にはとても綺麗だったのだろう。
桃子にも佐紀にもできない。
だから桃子は梨沙子を異常に思えるほど可愛がった。
自分と同じ風にならないように手を回した。

「ももが梨沙子に甘い訳が分かった気がする。」

苦笑と共に桃子に告げる。
すると桃子はううんと頭を振った。
抱えたクッションに顎を乗せる。
すっと細められた瞳は、今度は穏やかな色をしていた。
400 :痛みの向こうで :2009/03/02(月) 20:10

「ももは梨沙子に甘いって訳じゃないよ。」
「甘いでしょ?」

ううんともう一度桃子が頭を振った。
同時に昔から変わらない黒髪がぱさぱさと揺れる。
困ったような笑顔がその顔には張り付いていた。

「ももは知ってて、止められなかったわけだし。」
「それは仕方ないでしょ。」
「でも、止められなかった。梨沙子に傷つけちゃった。」

だから甘いわけじゃない。
そう言う桃子に、それが甘いんだってと何度めか分からない溜息を佐紀は吐く。
不思議そうに首を傾げた桃子が妙に印象的だった。



++++

401 :CPヲタ :2009/03/02(月) 20:10




402 :CPヲタ :2009/03/02(月) 20:11


今度はもうちょっと早く更新したいです。はい。
嘘臭いですがw

では終わりまでもう少しです。
またお会いしましょう。

403 :麻人 :2009/04/18(土) 13:00

更新お疲れさまです!もうちょっとで最終回ですか。結末が楽しみですが、一方で終わりを寂しくも思います。ほんと、このお話のファンなんでw

最後まで応援してます。
404 :CPヲタ :2009/08/03(月) 12:45

やっぱり早くはなりませんでした。
悩み悩んでの結末です。
ただ受け入れてもらえたら嬉しく思います。

403>>麻人さん
お待たせしました。
ずっとお付き合い頂き本当にありがとうございます。
唐突な最後ですが、胸に留めてもらえたら幸いです。


では最終回です。

405 :CPヲタ :2009/08/03(月) 12:46




406 :痛みの向こうで :2009/08/03(月) 12:47
++++


梨沙子の家に着いて、然程する事もなく雅は挨拶をして二階に上がった。
勝手知ったるとまでは行かないがそれでも何度か訪れている。
その足に迷いは無かった。
部屋のドアを開けて以前と変わっていない間取りを眺める。
変わらない配置に何故か酷くほっとしている雅がいた。

飲み物を取りに行った梨沙子が後ろから顔を出す。
その手にはお盆があってコップに麦茶が入れられていた。
梨沙子に押し込まれるようにして雅は部屋の中へと進んだ

「ねぇ、みや。」

コップを雅の前に置きながら梨沙子が尋ねる。
雅は心の中で一度深呼吸する。
何を言われても答える覚悟でここに来た。
自分に梨沙子を手放す気はないのだ。
ならばそれを示さなければならない。
407 :痛みの向こうで :2009/08/03(月) 12:47

「なに、梨沙子。」

珍しく対面に向かい合うようにして座る。
常に隣に寄り添う形で座っていたから違和感があった。
それと同時に雅はまだこの梨沙子は自分の恋人ではないのだと思い出す。
甘えるようにくっ付いてきた彼女ではない。
ここにいる梨沙子は自分の記憶を取り戻そうとしている梨沙子だ。

梨沙子が自分を好きなことを知っている。
雅も梨沙子が好きなことを伝えた。
普通ならば恋人という括りに入ってもいい関係だ。
だが今の二人がそうなるにはもう一つ越えないといけない山があった。

「この傷、つけたの……あたしなんでしょ?」

そっと梨沙子の手が動いてわき腹を服の上から撫でる。
傷を辿るようにゆっくりとその手は動いた。思わず雅は顔をしかめる。
何について聞かれるかなど分かっていた筈なのに、苦しかった。
カランと氷の溶ける音がして雅は視線を俯かせた。
408 :痛みの向こうで :2009/08/03(月) 12:48

「違うよ、それをつけたのはうち。」

好きだったから、愛してたから傷つけた。
なんてそんな事を言うつもりはない。
その感情を確かに持っていたとしても雅は梨沙子を傷つけた。
変わらぬ事実に雅は何も言えなくなってしまう。

刃を持ち出したのは梨沙子だったのかもしれない。
だがそれを梨沙子に突き刺したのは間違いなく自分だ。
そしてそこまで追い詰めたのも雅に他ならない。
気づかなかった、知らなかったで通せる話ではないのだ。

「あたしね、夢を見たの。」

唐突に梨沙子が言った。
顔を俯かせていた雅は梨沙子を見る。
そこにいたのは少し怖いくらい真剣な顔をした梨沙子だった。
409 :痛みの向こうで :2009/08/03(月) 12:48

「みやを好きな夢。」
「うちを、好きな夢?」

告げられた言葉はすとんと入ってくる。
なんとなくそれだけで内容が分かってしまった。
涙の理由もきっとこの夢に違いない。
そんな確信めいた何かが雅の中にあった。

「みやを好きになって、段々怖くなる夢。」

好きになるが綺麗ごとじゃないと知った。
独占欲も嫉妬も知った。
何より好きという気持ちが憎しみを生むと知った。

「本当に、夢だと良かったのに。」

最後に雅へ刃を向けてその夢は終わった。
その瞬間に梨沙子は思ってしまったのだ。
忘れていた記憶はこれだったのではないかと。
梨沙子には否定する術がなかった。
410 :痛みの向こうで :2009/08/03(月) 12:49

ぽろりと一粒梨沙子の頬を雫が伝う。
電話越しに見た涙だった。
それが今は現実として雅の目の前にある。
どうしていいかわからなくて、それでも泣いて欲しくなくて。
雅は梨沙子をただ抱きしめた。

「ごめん。」
「なんで、みやが謝るの?」
「ごめん、梨沙子。」

不思議そうな声にそれでも雅は謝った。
梨沙子に何もかも教えたのは雅だ。
好きも嫌いも、人に刃を握らせる感情まで。
相手が雅でさえなかったら、梨沙子はもっと幸せな恋ができたかもしれない。
こんな、泣くような恋をさせたかったわけじゃない。

―ももに怒られるな。

ふと場違いに年上の同僚を思い出して、笑いたくなった。
桃子は梨沙子に過保護でこんなに泣かせたと知ったら本気で怒られるかもしれない。
だがそれこそ今の自分には相応しいような気が雅にはした。
411 :痛みの向こうで :2009/08/03(月) 12:49

「ねぇ、梨沙子。一回離れてみようか。」

自分の口から出た言葉に雅自身が驚いた。
離れたくなくてこの場に来たつもりだった。
それなのに口から出たのは正反対の言葉だった。
だがそれも仕方ないかもしれない。
雅は自分が梨沙子を如何に傷つけてしまったかを知ったのだから。

―離れた方が、いいのかも。

全て一緒にいすぎた事が原因だ。
少なくとも梨沙子の中で整理が付くまでそうするべきなのかもしれない。

「やだ。」

そっと放そうとした腕を梨沙子に掴まえられる。
儚い力で握られた手は振りほどくには容易い。
しかし雅にはそうすることができなかった。
412 :痛みの向こうで :2009/08/03(月) 12:50

「離れないでよ、みや。」

真剣な瞳が雅を見つめる。
潤んだそれは雅にとって何よりの弱点だった。
泣かれると何も言えなくなる。

「梨沙子……。」
「もう一人はいや。」

掴まれた腕を逆に引き寄せられて胸に顔を埋められる。
ひっくと大きな嗚咽が響いて雅は再び背に手を回した。
震える身体に愛しさが募る。
――どうしても自分はこの少女から離れられないらしい。
雅は一人苦笑した。

「みやがすき、みやだからすき、だから離れないで。」
「うちだって離れたくないよ。」

嗚咽交じりで聞き取りにくい言葉は雅の耳に確りと伝わった。
余りにも幼い声音に雅も囁くように返す。
離れたくない、好きだから。
それが二人の中の結論だった。



++++

413 :痛みの向こうで :2009/08/03(月) 12:51




414 :痛みの向こうで :2009/08/03(月) 12:51




――どんなに傷つけ合っても好きな人がいる。



415 :痛みの向こうで :2009/08/03(月) 12:51

「ももの言うとおりだったでしょ?」
「あー、はいはい。そうですね。」

ばっちりと桃子がウインクを決めてみせる。
佐紀はそれを呆れた風にそれでも笑顔で見つめていた。
大方が桃子の予想通りだった。
でも重要なのはそこじゃなくて、きっとあの二人が笑っていることなんだと思う。
佐紀は小さくおめでとうと呟いた。
416 :痛みの向こうで :2009/08/03(月) 12:52




――どんなに離れようとしても離れられない人がいる。



417 :痛みの向こうで :2009/08/03(月) 12:52

「まー、なんだかんだで収まるとこに収まった感じ?」
「当然だよ。梨沙子、みやのこと好きだもん。」

はぁと大きなため息を吐いて千奈美が大げさに肩を竦める。
友理奈はその隣で楽しそうに笑っていた。
なるようになった二人に自然と笑顔が零れて、顔を寄せ合って笑う。
好きな人が隣にいるのはそれだけで幸せなことだ。
418 :痛みの向こうで :2009/08/03(月) 12:53




――痛みの向こうで、



419 :痛みの向こうで :2009/08/03(月) 12:53


「みやも大人になったし、これで少しは安心かな。」

それでも梨沙子が泣きそうなときには側に駆け寄る準備はしてある。
茉麻にとって梨沙子が可愛いベイビーなのに変わりはないのだから。
今度泣かせたら、一発殴ってやろうか。
なんてアイドルらしからぬ考えが浮んだ。

420 :痛みの向こうで :2009/08/03(月) 12:53




――見つけたのはあなたでした。



421 :痛みの向こうで :2009/08/03(月) 12:54




「「大好きっ!」」




痛みの向こうで 終

422 :CPヲタ :2009/08/03(月) 12:55




423 :CPヲタ :2009/08/03(月) 12:55




424 :CPヲタ :2009/08/03(月) 13:00

長い間、お付き合い頂き本当にありがとうございました。
これでこのお話は終わりです。
最後に笑い会えるりしゃみやが見えたなら、自分の企みは成功でしょうw
書き始めたのが三年前かと思うと酷く遠くに思えます。
りしゃみや好きはさっぱり変わっていませんがw
とりあえず一言。

ベリーズ最高!!

ではまたどこかでお会いするかもしれません。
この作品を応援してくださった皆さんに感謝します。
ありがとうございました。

425 :CPヲタ :2009/08/03(月) 13:00




426 :CPヲタ :2009/08/03(月) 13:01


一応

427 :CPヲタ :2009/08/03(月) 13:01


隠します

428 :名無し飼育 :2009/08/06(木) 09:04
完結おめでとうございます
ずっと読んでましたがりしゃみや大好きっ
新作を期待して待ってます!!

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