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砂糖をあなたに

1 :名無飼育さん :2018/08/06(月) 21:05
砂糖は麻薬だそうだ。
ゆっくりゆっくり効いていく遅効性の毒。

最初の印象が悪いなら、ゆっくり私の存在をあの人に貯めていく。
時間をかければ、人への想いは変わる。
変わったその時に毒が貯まっていればいるほど、あの人は私から逃げられなくなると信じて。
2 :一話 :2018/08/06(月) 21:08
初めての後輩ということで、とても楽しみにしてたのだ。
なのに、新しく入ってきた彼女は苦手なタイプだった。
しかも、歌も上手くてダンスもできて手が全くかからない。
あまり関わろうとしなかったのはしょうがないのかもしれない。

最初はそこまで苦手とは思ってなかった。
しかし、まだそこまで仲良くなってないのに先輩たちに抱きつきにいったのを見て引いてしまった。
その手のスキンシップに慣れない私には、なんだコイツ!?って感じだった。
なのに、その私にまで抱きついてきたのでもう無理だ!ってなってしまったのは当然のことだった。

それ以降、小田が近寄れば警戒心が湧き、名前を呼ばれると背筋がぞわっとし、目が合うと逃げ出したくなった。
苦手だからだと思っていたけれど今思えばそれは、小田の色気に当てられてたのかもしれない。
3 :一話 :2018/08/06(月) 21:10
こっちは苦手だ苦手だと言っていたのに、小田は「石田さんのこと、好きです」とか言うからどうしたらいいのかよくわからなかった。

小田が、鈴木さんやどぅー、はるなんと仲良くなって何人かで遊ぶようになってようやく小田に慣れていった。
さらに何故かファンの方たちから『だーさく』と呼ばれ、小田とのコンビが人気になったおかげで二人セットにされることも増えた。
嫌でも小田と一緒にいる時間が増えるにつれ、小田のいいところが見えてくるようになったのだと思う。
苦手だったのが嘘のように、一緒にいて楽しい人になった。
そうなると今度は、小田が『私は女子に嫌われる女子で、石田さんはその嫌う女子なんですよ』って言うのにモヤモヤするようになった。
あれだけ、苦手だと言っていたのだから無理もないのだけれど。

はるなんや譜久村さんに相談したら、二人とも
「あゆみんが、小田にデレるしかないでしょ。」
と言われてしまった。

ちょっとずつ嫌いではないと伝えるようにしたら、なんか小田の押しが強くなってきた気がする。
不快に思うほどではないけど、ふと気がつくとすごく懐に入られているような?

最近、こんなに小田のこと好きだったっけ?と考えている。
4 :一話 :2018/08/08(水) 00:16


                            一話終



        
5 :二話 :2018/08/08(水) 00:20


梨沙ちゃんと映画みて、ご飯を食べに行く。
最近のお休みの過ごし方。
梨沙ちゃんは本当にいい子で、素直に一緒にいて楽しいと言える。どこかの誰かとは大違いだ。



「いやー、ほんっと面白かったねー!梨沙ちゃんと一緒に見れて良かった!!」


「そんなに喜んでいただけると私も嬉しいです。石田さんと一緒だと、語り合えてすごく楽しいですし。また行きましょうね!」


さっきまで見ていた映画の話をしながらきゃっきゃしながら歩いていく。



6 :二話 :2018/08/08(水) 00:21

雰囲気のいいお店の前で梨沙ちゃんが立ち止まる。

「あ、ここです。石田さんもお好きそうなカレーがあるんですよ。」


「わぁ、なんかお店の雰囲気もいいね。」


「でしょう。お気に入りのお店なんです。」

いい感じのお店にわくわくしていると、梨沙ちゃんも自慢気にしてる。



梨沙ちゃんが連れて行ってくれたお店のカレーはとっても美味しかった。

7 :二話 :2018/08/08(水) 00:22


梨沙ちゃんが連れて行ってくれたお店のカレーはとっても美味しかった。


「あ〜、美味しい。このカレー、作れるかなぁ。」


お腹一杯になって、へらへらしながら背もたれにもたれる。


「ふふ。お口に合って良かったです。
でも、ちょっと量が多かったですかね?」


「ん?なんで?」


「この間、小田さんに聞いたんですけど、石田さんお腹が膨れて幸せな時はその体勢になるんですって。
 で、ちょっと落ち着いてから食べ始めるのが可愛いのって言ってらっしゃいましたよ。」


「・・・小田ぁ!!」

仲良しですね〜って梨沙ちゃんはにこにこしてるけど、なんかもう恥ずかしい。
小田にクセを知られてるのも、それを人に言われてるのも恥ずかしい。

美味しいし小田も好きそうなカレーだから、小田を連れてきてやってもいいなとか思ったけど、却下だ!却下!

本当に小田はカンに触るやつだ!!



8 :二話 :2018/08/08(水) 00:24


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二話 終

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9 :三話 :2018/08/10(金) 23:04


愛されている人は、キラキラしたものを持っている。

それは私にしか見えないようで、人に言ってもピンとこないようだった。
そのキラキラしたものは、色んな色や形をしていて綺麗で見て楽しかった。
特に石田さんのそれが今まで見てきた中で一番好きだと思った。ずっと見ていた。

そして石田さんを見ているうちに、豊富な表情や一生懸命なところにどんどんと惹かれていった。
いつの間にやら、石田さんを好きになっていた。




10 :三話 :2018/08/10(金) 23:06


しかし、大きな問題があった。

石田さんはどうやら私のことが苦手らしい。

それも、ちょっとではなく盛大に。
もともと、同年代の女の子に好かれにくい自覚はあったが、流石に好きになった人からそう思われてしまうのはへこむ。

スキンシップのつもりで抱きついたのが拍車をかけてしまったらしく、近寄ると警戒されるまでになってしまった。


しばらくは、これ以上近寄ると嫌われるかなどうかなとフラフラ近づいたり離れたりと石田さんとの距離に迷っていた。
そんな時、生田さんに「小田だけじゃなくて、実はあゆみちゃんも小田のこと気にしとーよね。」と言われてハッとした。

無関心でないのならそれでいい。
好意でも悪意でも嫌悪感でも、私に関心があるのならそれはチャンスだ。
むしろ元が悪ければ、それが好意に変わった時に最初から好意をもたれた時よりももっと良く思われるはずだ。
真面目な石田さんのことだから、一生懸命にお仕事を頑張っていればそのうち必ず認めてくれる。
認めてくれた時に石田さんの心をどれだけ小田が占めているかで、好意の跳ね上がり方は変わる。
ならば、とことん気になる存在になってやろう。石田さんに私の存在を少しずつ貯めていこう。
それとわからないように、ゆっくりこっそりと。


砂糖が麻薬とは誰も思わない。
でも麻薬のようなものだという説がある。
そんな砂糖のようにゆっくりゆっくり石田さんを侵食していこう。




気がつけば砂糖漬けの石田さんができあがってたりして。
めちゃくちゃ甘いんだろうなぁ。
ふふ。石田さん、覚悟しておいてください。
私、本当に欲しいものはどれだけかけても手に入れるので。

11 :三話 :2018/08/10(金) 23:07
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                            三話 終

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12 :四話 :2018/08/14(火) 23:30


石田さんは、しっかりしているようで放っては置けない時がある。


ある時、ずぶ濡れで石田さんが仕事場に来たことがあった。
聞くと、雨が降るのは知ってたけど家を出るときは降ってなかったから傘を持ってこなかったせいで濡れネズミになったと。
傘を持つということが好きではないらしい。

それ以来、雨が降る日は石田さんと駅で会えるような時間に行くようにしていた。
ちゃんと石田さんと会えることはあまりなかったけど、上手く会えた日のほとんどは石田さんと一つの傘で歩いていく。
たった数分だけど大切で幸せな時間。
しかし失敗してしまうこともたまにあって、これはとことんうまくいかなかった話。


13 :四話 :2018/08/14(火) 23:34


「石田さん!!何やってんですか!風邪ひきますよ!!」


電車を降りると案の定、雨が降っていた。
それも、どしゃ降りに凄い風。

いつもより少し長目に待ってみるも、石田さんは来ない。

こんな強い雨風だしさすがに今日は傘を持ってきてるかなと思って駅から出ようとした時、横を駆け抜けて行った人がいた。
あー、あの人傘忘れたんだ大変だなぁと眺めたら、どこか見覚えのある後ろ姿。


   って、石田さんじゃん!!


慌てて追いかけて傘の中にいれた。


「え?あ、小田?おはよう。」

「石田さん……、おはようございます。じゃなくて、傘どうしたんですか?今日ぐらい……」

「いやー、こんな降るとは思わなくて、持ってこなかった。」


小田が来てくれて助かったよと、けらけら笑う。


「もう、石田さんだと気づいて慌てて走ってきたんですからね。っきゃあ!」

「わ、わっ!……あっはっはっはっは!!」


突然ふいた風に傘がひっくり返った。
石田さんは何が面白いのか爆笑してる。


「もう!なんで笑ってるんですかー!」




14 :四話 :2018/08/14(火) 23:38


石田さんを濡れネズミにしないようにと思ってたのに、何故か二人してびしょびしょになってしまった。

控え室に着くと、先に来てた三人に驚かれた。

そして、
譜久村さんにタオルでわしゃわしゃ拭かれ、
生田さんにはケラケラ笑われ、
飯窪さんにはバシャバシャ写真を撮られてしまった。
その間、石田さんはずっと笑っていて仕事前なのにテンションが壊れていた。


全くもって思った通りにならなかったけど、石田さんが笑ってるからいいかなぁ。ちょっと笑いすぎだけど……


「あっはっはっ!!」


いや、本当に笑いすぎです。石田さん、大丈夫?


15 :四話 :2018/08/14(火) 23:39
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                            四話 終

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16 :五話 :2018/08/16(木) 19:44


「んぅ…」


狭い座席で寝返りを打った小田の頭が、石田の肩に落ち着く。
前までならあまりいい気はしなかったのだが、今はなぜだか可愛いなと思う自分がいる。

舞台が終わり髪も戻して通常モードになったはずなのに、油断をするとすぐにスネフェル様が出てくる。

見慣れているはずの小田に愛しさを感じるなんてそうとしか考えられない。

ファラオの墓の再演が決まって配役が発表された時は小田とかよって笑っていたのに、稽古が進むにつれどんどんと小田が気になっていった。


17 :五話 :2018/08/16(木) 19:51


ふと目を覚ました。
肩にはまだ小田の頭がある。
思わず撫でようとしたら、気配がして手をひっこめる。


「あれ、あゆみんまだ起きてた?」


前の座席から携帯を手にした飯窪が顔をだしていた。


「なに?」


思ったより低い声が出て焦ったが、飯窪は特に気にならなかったのか


「いや〜。はーちんからテスト頑張ったんでご褒美下さい!だーさくさんとか!って言われたから、仲良く寝てるのでも送ろうかなと思って。」


と悪びれもせず目的を教えてくれる。


「いや、なに堂々と盗撮しようとしたのを告白してんのよ。」

「ほらほら、可愛い後輩へのご褒美なんだから協力してよ。」

「なに言ってんの。」


飯窪に早く寝ろと言わんばかりに手を振られ、少し機嫌の悪そうな声が出る。
18 :五話 :2018/08/16(木) 19:53


「しょうがないな。まぁ、いっか。さっきのあゆみん、いい顔してたし。」

「なにがしょうがないだ…って、は?いつ?」


わりとあっさり引いた飯窪にホッとするも続く言葉に引っかかる。


「ん?小田氏がもたれてきたら、なんか愛しさ爆発って感じの顔してたよ。尾形が喜びそうな感じの。てなわけで、可愛い後輩にご褒美あげることにするわ。」

「はっ!?ちょっ……」

「もう送った!」

「送ったじゃない!!」


止めようとしたが遅く、送信済みの画面を見せられる。


「じゃぁ、お邪魔虫の飯窪さんは寝るねー。お好きなだけ、小田と仲良くね♪」


楽しそうに人をぶんまわして去る飯窪。


「仲良くねって、そんなんじゃないのに……」

可愛いと思ってしまったのは事実なので反論の声は小さくなる。

19 :五話 :2018/08/16(木) 19:57


モゾモゾ


うるさかったのか寝づらかったのか、小田が頭を動かす。
さっきよりも、近い上にいつの間にか左腕を抱きしめられている。


「おいこら、抱き枕じゃないんだぞ。」


そっと腕を抜こうとするも、ぐずり出したので諦めることにする。
起こしても別に何もいいことないしと自分を納得させ。
布団代わりにしている上着をかけなおしてやると、心なしか嬉しそうに見える。やっぱり、可愛いなと思う。


(寝顔、可愛いなぁ)


と思っているとメールがきた。


『やっぱり、小田が可愛いんじゃない?前までだったらさっさと小田から距離とってたじゃん。』


寝るはずの飯窪から送られてきたメールは見なかったことにする。
あまり考えすぎるのも、しゃくで自分も寝ることにした。

20 :五話 :2018/08/16(木) 19:58


悪夢を見た。


少し大人になった小田と自分。
スネフェルとナイルのようにイチャイチャしている。


起きてすぐ小田から離れたのはしょうがないことだと思う。


(はるなんのバカヤロー!)

21 :五話 :2018/08/16(木) 19:59
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                            五話 終

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22 :六話 :2018/08/17(金) 23:40


ちょっとした待機時間。

譜久村さんと飯窪さんが、

「『手持ちブタさん』だねー。」

「そうですね。微妙な時間すぎて『手持ちブタさん』ですねー。」


と言葉遊びをしている。


「『手持ちブタさん』、はるなんのは黒色だね!」

「うっ。ブタさんまで黒ですか。いいんです。私のブタさん、可愛いんで。」


ん?近くでフリの確認をしていた石田さんが不思議な顔をした。
……もしかして、石田さん『手持ちぶさた』をわかってない?



23 :六話 :2018/08/17(金) 23:41


その日の夕方、石田さんを探して控え室の前を通ると


「ねぇ、ねぇ。『手持ちぶさた』?『手持ちブタさん』?どっち?」

「んー、どっちだろ?『手持ちブタさん』かなぁ。」


と聞こえてきた。
ちらっとドアの隙間から覗くと、あかねちんとちぃちゃんが真面目な顔をして衣装を着替えもせず話し込んでいた。


「やっぱり『手持ちブタさん』かな!『手持ちブタさん』のほうが可愛いもん!」


ちぃちゃんが突っ込み処満載の結論を出してきた。


「違うよ!『手持ちぶさた』だよー!!譜久村さんと飯窪さんのおふざけに惑わされないでー!!」


たまらず、バァン!とドアを開けて叫んだ。


「えぇ!?『手持ちブタさん』じゃないんですか!?」

「『手持ちブタさん』の、ほうが可愛いのに!!」


ちぃちゃん、そういう問題じゃないから。
可愛いは正義だけど、これは違うから。
って、石田さんまで何びっくりした顔をしてるんですか。


私が見ているのに気づいた石田さんは、そっと目をそらす。
あぁ、やっぱり分かってなかったんですね。
思わず暖かい目で見てしまう。

24 :六話 :2018/08/17(金) 23:42


石田さんの隣にそっと座る。


「手持ちブタさん。」


ピクリと石田さんの肩が動く。


「ちぃちゃんたちが言うと可愛いですよねー。」

「……。そうね。」

「小田は、石田さんが言うのも可愛いと思うんですよねー。」

「バカにしてる?」

「いえいえ、まさか。可愛いだろうなぁと思っただけですよ。」


あ、拗ねた。
石田さんの唇が尖ってる。
そろそろ頃合いかな。


「石田さん、もう差し入れのアイス食べました?」

「まだ。」


じゃーん!


石田さんの目の前にアイスクリームを二つ差し出す。


「だと思って、石田さんのも取ってきました!一緒に食べましょう。」

「あ、ありがとう。」


ここで、素直にお礼を言えるとこが石田さんだよなぁと思う。
美味しいものを食べてすぐ機嫌が治る石田さんが可愛い。

今日は、石田さんの拗ねた顔も見れてラッキーな日でした。

25 :六話 :2018/08/17(金) 23:43
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                            六話 終

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