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1 :名無飼育さん :2014/01/15(水) 20:58

はじめまして。
初飼育。緊張してます。
よろしくお願いします。

みやももです。
61 :名無飼育さん :2014/06/28(土) 17:39

「佐紀ちゃんどーした?酔ってるの?」
「これで?」
佐紀ちゃんが、ペットボトルを手に取って私に見せる。
「うん、ジュースでできあがっちゃったのかなぁーって」
必死に考えた冗談で、私は逃げ道を探す。佐紀ちゃんの真意を探る。

「そういえば、最近よくももの夢も見る」
「ゆめ?」

突然戻った、夢の話。
「ももに話があって。もものこと探してたり、追いかけてたり、やっと捕まえるんだけど、目の前にしたら言いたかったこと忘れちゃうの」

そんな感じの何回か見てるんだ、って。佐紀ちゃんはそう言って俯いた。
沈黙が続く。こんなに静かだと、鳴り止まない鼓動が佐紀ちゃんに聞こえてしまいそうな気がして、余計焦る。

言いたいこと。
目の前にしたら、言えないこと。
私たちが、今まで言えなかったこと。

「ね、お酒、飲もっか」
「えっ?」
「ももが、その方がいいなら」

微笑まれて。優しく。でもちょっと、からかうような視線。
また答えられずにいると、佐紀ちゃんが体を寄せた。後ずさりしかけた自分の体を留める。
真正面から、佐紀ちゃんを見た。

「からかってる?」
「そんなわけないでしょ」
62 :名無飼育さん :2014/06/28(土) 17:41

先に目を閉じたのは私だった。
とてもそのまま見つめ合うことが出来なかったから。

佐紀ちゃんの唇を感じた。佐紀ちゃんの匂いに包まれた。
パニックになりそうになる。加減も出来ず、力いっぱい佐紀ちゃんを抱きしめると、
「もも」と、いつもの優しい声が聞こえた。

私たちは、今までで一番近くにいる。
全然イヤじゃなくて、むしろ私は、こうしたいと思ってたのかもしれない。そんな風に思って、怖くなる。

佐紀ちゃん。私たち、これから先どうしたらいいの?
離れられなくなっちゃったら、離れたくないって思っちゃったらどうするの?

「佐紀ちゃん…」
「ん?」
「も…いっかい」
「なに?」
「名前、もう一回呼んで」
「……もも」

吐息と声が耳に染みる。
頭の中が佐紀ちゃんでいっぱいになる。何も考えられなくなる。
力が抜けた。だからもう一度、力を込めた。

距離がどこにもなくなるまで。
私は佐紀ちゃんを抱きしめた。
私たちは、強く、強く、抱きしめあった。




思い出した
夢で、ももに言いたかったこと

体を離すと、佐紀ちゃんが、そう言って、私に微笑んだ。
63 :名無飼育さん :2014/06/28(土) 17:42


64 :名無飼育さん :2014/06/28(土) 17:44


65 :名無飼育さん :2014/06/28(土) 17:45

66 :名無飼育さん :2014/06/29(日) 00:40
お姉さんズ!
もっとこの二人のお話も読んでみたいです!
67 :名無飼育さん :2014/10/18(土) 12:45

>>66
お姉さんズ好きなんですー。
機会があればまた書きたいです。ありがとうございました!

68 :名無飼育さん :2014/10/18(土) 12:57

秋ツアー初日おめでとうございます。
とっっっても短いみやももです。
性描写含みます。特に幸せなお話ではありません。
それでもよろしければ。
69 :名無飼育さん :2014/10/18(土) 12:59


『背中にXXX』

70 :名無飼育さん :2014/10/18(土) 13:02

誰もが綺麗って羨む背中に、何度も唇押し当てて、軽く歯を立てる。
強く、強く、吸い付いて、痕を残したくなる衝動。苛立ちに似た感情。
遊び半分に噛みつくだけじゃ、本当は足りない。


浅く途切れた吐息。甘く喘ぐ声。みやの指が逃げ場を探し、諦め、シーツを握った。
体を起こして、みやの太ももに触れる。そっと、ゆっくり、撫で上げる。過敏になった体は、震える。
何も言わなくても、両足は左右に開いていく。
待ちわびているのが分かる。

「どれくらい?」
耳に唇を当てて問いかける。
「えっ…」
「どれくらい濡らしてるの?」
「やっ…」
「確かめてほしい?」
「っ……」
「ほしくないの?」

無言は肯定。それでも強要するのは、言葉にしてほしいからじゃない。
みやが本当は言葉にしたがっているのを知っているからだ。

「ねえ、みや」
「……しい」
「ちゃんと言って。確かめてほしい?」
「もう…ゆ、びが、ほし…」

71 :名無飼育さん :2014/10/18(土) 13:04

たかが、指一本。
繋がりはそれだけで、それでも、熱は混ざり合ってく。
揺り動かすほど、絡みついて、絡まって、この感覚がなんなのか分からない。分からないのに、夢中になってる。

意識が遠退きそうで。熱に浮かされて。
夢中なのは、この名前のない関係?付随するバカみたいな背徳感?

それとも、


「きもちいい?」
「あっ…ももっ」

こんな風に分かり切ったことを聞くのは、私の声に反応してほしいだけなのかもしれない。
指がきつく締めつけられる。

「いいよ、みや」
「あっ、も、あぁっん!!」


脱力した体。背中にキスを落とて、そのまま頭を乗せた。感じる鼓動。心臓はこの辺り。
浮かんだ言葉は、独占欲だった。

72 :名無飼育さん :2014/10/18(土) 13:05



73 :名無飼育さん :2014/10/18(土) 13:05

74 :名無飼育さん :2014/10/18(土) 13:06

75 :名無飼育さん :2014/10/21(火) 18:10
いい・・・。としか言えない。

新作待ってました!ありがとうございます^^
76 :名無飼育さん :2014/10/25(土) 00:10
凄く良かったです!最近ベリ少ないから嬉しい
77 :名無飼育さん :2014/10/25(土) 20:53

>>75
待っててくださった方がいたとは!嬉しいですー。
ありがとうございます!

>>76
今は減ってしまうのは仕方ない時期かもしれませんね。しかし!しかし!みやももは永遠!
ありがとうございます!
78 :名無飼育さん :2014/10/25(土) 21:01

また書いてしまいました。
前回のみやももの、みやバージョン。
補足しますと、同じシーンではありません。
蛇足御免。短文御免。
79 :名無飼育さん :2014/10/25(土) 21:02
80 :名無飼育さん :2014/10/25(土) 21:03

始まりは決まって、探るようなキスだと思う。いつもそれがもどかしい。
ももの腕を掴む。足りなくて、苛立つ。
押し倒されて、深いキスをしても、やっぱり足りない。
いつからか、ずっと足りないでいる。


うつ伏せにしようとするから、抵抗した。ももは最近こうしたがることが多い。
「その方が、みや、感じるでしょ?」
からかうような声。その笑顔はももらしい。らしいから、直感的にウソだと思った。
ウソっていうか、本心を隠してる。そんな感じ。

ももは、きっと。顔を見たくないんだと思う。目を合わせたくないんだと思う。
だったら、じゃあ。腕取って、引き寄せて、正面から抱きしめる。
これなら、ほら、見えなくていいでしょ?

「なにも出来ないんだけど」
「……すこしだけ」

81 :名無飼育さん :2014/10/25(土) 21:07

聞いてみたくなる。
うしろめたいの?って。
ももが女だから?私も女だから?恋人でもないから?好きでもないから?

それとも、


背中に回した手のひら。強く爪を立てたら、ももが息を詰めた。
「みや?」
ダメなことぐらい分かってる。

残ったらいいのに。痕とか傷とか、そういうのじゃなくて。
残らないもの。残せないもの。形にならないから、ほしくなる。

ほしい、って。いつも言わせたがるくせに。ずるい。ももは、ずるい。
なおさら力が入った。

「ね、ちょっと、みや」
本気なわけない。力を緩めると、ももの体が少し離れた。

頬を撫でる。首を撫でる。ももが視線を外す。手のひらを下ろしてく。心臓は、この辺り。
そこへキスをした。
まだ口にしたことない言葉が、頭に浮かんだ。

82 :名無飼育さん :2014/10/25(土) 21:08

83 :名無飼育さん :2014/10/25(土) 21:09
84 :名無飼育さん :2014/10/25(土) 21:11

もうこれはほんとに終わり。続きませんー。
85 :名無飼育さん :2014/10/29(水) 20:23

良かったです!続いてください(>_<)
86 :名無飼育さん :2015/05/29(金) 21:00

>>85
遅レス申し訳ありません!
そして、本当に続かないんです。ごめんなさい。許してにゃん。
コメントありがとうございました!
87 :名無飼育さん :2015/05/29(金) 21:06
諸事情により、更新。
ちなももです。

『Can't stop』
88 :名無飼育さん :2015/05/29(金) 21:10
シャワーから戻るとももがベッドで寝ていた。
MCの打ち合わせしようって、ももから言い出したのに。

しょーがないか。そっとベッドの端に腰掛ける。
最近は私でさえ寝不足続き。ももはベリーズの仕事の合間に一人の仕事もこなしてる。疲労もピークなんだと思う。

それでも、一時期より顔色はましになった。ももは元々色白だから、疲れが溜まると幽霊みたく青白くなっていく。
うん、今日はそこまでじゃない。

穏やかな寝顔。
見慣れた横顔。
黙ってれば綺麗なのに。あと、変な髪型じゃなければ。

ふと手が伸びる。そして、止まる。
いつも。いつも、この手はももに触れない。
こんなに近くにいても。

ヘンなの。
躊躇する自分に、少しだけ笑う。
これがももじゃなければ、簡単に頭を撫でられる。

お疲れ様って、労う気持ちはある。
テレビでももを見る度に、頑張れって思う。
本当は尊敬だってしてる。口に出さないだけ。

口に出せたら良かった、そう思う時もあるけど。
でも、私に意地を張らせるのは、こいつだ。
必要以上に絡んで、苛立たせる。

特にこの頃、
89 :名無飼育さん :2015/05/29(金) 21:12


「何見てるの?」
「えっ?」
ももが、ニヤつきながら目を開ける。

「やっぱり見てた」
「なに?ウソ寝?」
「寝てたの。でも、気配がして。頭撫でてくれるのかと思って待ってたのに」
「バカ?」
「眠り姫に王子様のキスでもよかったけど?」

ももはこういう冗談を、この頃、よく言う。
ニヤニヤしてるけど、こっちは全く笑えない。

「桃子さん、あなた頭大丈夫?」
「千奈美こそいい加減素直になったら?」

ほら、もう一回寝てあげる。
ももが、仰向けになって目を閉じた。薄い唇が緩んで、笑っているのが分かる。

イライラする。バカバカしいし。
何より嫌なのが、ももの狙いがよく分からないからだ。

「あーそっか。分かった。もも、本当はしてほしいんでしょ?」
「そうだって言ったら、どうするの、千奈美」

ももが真っ直ぐに私を見て答えた。
どくっ、て。大きく、脈打つ。

からかわれてる。そう思うと、無性に腹が立って仕方がない。

90 :名無飼育さん :2015/05/29(金) 21:16
気づいたら、私は、ももの顔の横に手をついていて。
その時、ももは一瞬怯んで、私はそれが分かったから、すぐに唇を押し当てた。

いつの間にか、キスは押し付けるだけじゃなくなってた。服を引っ張られて、我に返った。ももが苦しそうに、息をつく。
徐々に頭が働いて、自分のしたことを自覚するけど、ここで焦ったら私の負けな気がした。

「何してるの、うちら」
「ちーちゃんがしたかったこと?」
「はあ?まだそういうこと言うわけ?」
「千奈美、私のこと、好き?」
「はあっ?」
「何それ?」
「何が?」
「好きでもないのに、押し倒してるの?」
私は慌てて体を起こす。

「ももがじゃん」
「私が、何?」
「だってももが…」
「キスしたの、千奈美でしょ」

にらみ合う。
ももが大げさにため息をついた。
うんざりなのは、こっちの方。

「私のせいみたく言わないでよ。ももだって嫌がらなかったくせに」
「何それ?」
「だから、さっきから何なのそれ?」
「分からないの?」
「分かるわけないじゃん」

ももが起き上がった。
と思ったら、あっという間に顔が近づいてきて、唇がくっついて、離れてった。

「分かった?」
ももが笑う。でも、いつものからかう感じじゃない。

「分かんないよ…」

91 :名無飼育さん :2015/05/29(金) 21:18
そんなわけないじゃん。だって、絶対そんなわけない。
気のせい。勘違い。ありえない。何回否定してきたと思ってんの。

何でももなの?
何で?いつから?
いつから、ももは。
いつから、私は。
何で、こいつのことなんか。

大きく息を吸って、吐いた。
ムカつく。ほんと、ムカつく。
ももの肩を掴んで、ゆっくり押し倒す。

「何?」
「分かんないの?」
「うん、分からない」

唇を寄せると、ももが目を閉じた。私も閉じる。
三回目。やっと、ももの唇は柔らかい、そんな風に感じる余裕があった。

離れると、驚くほどの至近距離でももの睫毛が揺れる。
ももの目に私が映ってる。
でも今、自分がどんな顔をしてるのか見えるわけないし、想像もつかない。

「怖い?」
「え?」
「私は、少し怖い…」
そう言って、ももが目を逸らした。

「……やめる?」
情けないくらい声が掠れた。
ももの手が私の背中に回って、弱々しく服を掴んだ。

「…やだ」
微かに聞こえた声。
私は何故か泣きそうになって、ごまかすようにももを力一杯抱きしめた。

鼻先でシャンプーの香りがした。恐る恐る、その髪を撫でる。
なんか痛い。なんか苦しい。
この力を緩めたら、もう止まらないのは分かってる。
それでも私は体を離して、ももに、四度目のキスをする。
92 :名無飼育さん :2015/05/29(金) 21:19


93 :名無飼育さん :2015/05/29(金) 21:20
94 :名無飼育さん :2015/05/29(金) 21:22
終わり、なのですが、続きがあります。
なるべく早めに更新する予定です。
95 :名無飼育さん :2015/05/30(土) 18:54
ちなももの続き。

『Can't stop lovin' you』

96 :名無飼育さん :2015/05/30(土) 18:56
DVDの表紙を見せると、思いっ切り呆れたという顔をされた。

「また?」
「またじゃないから!この前は、2だし、その前は1。1、2って観たんだから、3も観なきゃ!」
「はいはい。付き合えばいーんでしょ、分かりました」

上から物を言う。
べつに頼んでませんけど!って思うけど、ここは我慢。一応言って良いことと悪いことの区別ぐらいは私にもつく。
ていうか、前だったら、相手はももだし、言っちゃまずいことでも、言いたければ言ってた。
でも、私はあれから調子が出ない。

あれから。
“あれ”とは、あれ、である。
あれから私たちがどうなったのかというと、よく分からない。一見何も変わってない。
ただ、オフが重なると、ももはうちに来る。

何をしていいか分からなくて、お気に入りの映画を観せる。
うちでご飯を食べたり、外に食べに行ったり。
いつも通りおしゃべりをする。話すことは前と変わらない。

もやもやして。普通こんなもやもやが続くの気持ち悪くて耐えられないけど、はっきりさせるのが怖かった。
怖い?うん、たぶん、怖い。
97 :名無飼育さん :2015/05/30(土) 18:58
だって、はっきりさせるって何を?

取り返しのつかないことをした。
そうなのかもしれない。そうじゃないのかもしれない。
で?
取り返せないとどうなる?
もし取り返せたとしたら、どうするの?

自分で自分が分からない。
ももも何考えてるかちっとも分からない。
悩んでるのは私だけなわけ?そう思うと、今度はイライラしてくる。

「なんか結構シビアな話だね」
「まあ…」

なんだかんだももはちゃんと映画を観てる。
私は、映画を観てる最中に話すの好きじゃないから、てきとーに返す。
でもそれは言い訳で、本当は集中してない。

ぜっっったいいわざと。
いつの間にか、床に着いてるももの指が、私の指にちょっとだけくっついてて、私は気になって、気になって、しょうがない。
小学生か!って思うけど、離せば離したで何か言われる気がして、動かせない。

わざとに決まってる。
ももは、私をからうのが好きで。私の反応を見て、いつも笑ってる。
そうだ、だから、やっぱり、あの日もからかわれたんだ。
ぜっっったいそうだ。
そう思うと、ちくり、どこかが痛んで、私は途方に暮れる。

「ちょっと」
「いいじゃん」

ももが、大して空いてもいない距離を詰めてきた。
私は逃げ腰になるけど、ももが画面から目を離さずに、もう一回「いいじゃん」と言う。その声がいつもより低い。
拒否出来なくて黙ると、調子に乗って寄りかかってきた。諦めて、もう反応しないことにした。
98 :名無飼育さん :2015/05/30(土) 19:01
ラストシーン。ももは泣いてる。
声立てないように、鼻をすすらないように。気をつけてるけど、バレバレ。
私は初めて、この映画で泣けなかった。

興味ないエンドロールを眺める。
無言でティッシュを渡す。ももの涙が引くのを待つ。
次はどうしよう。何を話そう。今更、何を話したらいいか分からなくなるなんて。
ケンカじゃないのに。一緒にいると、窮屈な気がして、苦しくて。

どうしたら元に戻れる?
考えるけど、きっと元通りにはならない。
それはなんとなく分かってた。

「もうちょっと肉付けたら?」

落ち着いたのか、ももが私の二の腕を掴みながら言う。
人が悩んでるのに、ほんと無神経な奴。

「ももがくれたらちょうどいいかもねー」
「ちょっと、何それ?」
「そのまんま」
「ガリガリよりはよくない?触り心地あんまりよくないし」
「じゃあ離れたら?」

ももが体を離して、私を見る。
そーゆーこと言う?目にはそう書いてある。
それはこっちのセリフだし。
無言のまま、しばらく目を合わす。

「ね、ちーちゃん」

次に向けてきたのは、作り物の笑顔。
その顔は嫌い。やな予感がする。

「キス、しよっか」
「は?」

袖を引っ張られる。
縮まる距離。ももの唇がすぐそこにあった。
99 :名無飼育さん :2015/05/30(土) 19:06
「ちょ、ちょっと待ってよ」
「何で?」
「何でって」
「やなの?」
「やだよ!」

思わず大声になる。
表情のない顔。
傷ついてるのが分かる。傷ついてること、隠してるのが分かる。傷つけたのは私?そりゃそうかもしれないけど…

「帰る」
「は?」
「ごめんね。なんか、色々」
「ちょっと!何でそうなるの?」

完全にシカト。ももはさっさと手荷物をしまうと、立ち上がった。
ベリーズはみんな頑固だけど、シャッターを下ろしたももはより一層頑固だし意地っ張り。そして、めんどくさい。

そうだ。こいつは、めんどくさい。本当に、本当に、めんどくさいんだ。
ていうか、なんで私がこいつのことでこんなに悩まなきゃいけないの!?

「あーーー!もーーー!めんどくさいっ!」

何かが切れた。
100 :名無飼育さん :2015/05/30(土) 19:07
悲鳴みたく大声上げると、ももがびっくりして体を停止させた。
その隙に、がっちり腕を取る。

ももなんか。

勝手だし。思わせぶりな態度で振り回すし。本心言わないし。自己中だし。しつこいし。うるさいし。うるさいのは私もだけど、でも、うるさいし。

最初から苦手だった。
話した瞬間に、苦手なタイプだって思った。
ケンカする程仲が良い?
ケンカ出来ない程、仲が悪かったし、嫌いだったこともある。
今だって嫌いなとこも、苦手なとこもたくさんある。

だから、もものことなんか。

「何なの!?私だけが悪いわけ!?」
「何が?」
「何がじゃないじゃん。言いたいことあるなら、言えばいーでしょ?何なの、その態度」
「べつに」

すっとぼける。
あーもー本当に腹が立つ。
こーゆーところも大嫌い。
101 :名無飼育さん :2015/05/30(土) 19:10
なのにいつから?
あんなにうざいと思ってた部分が尊敬に変わっていった。
ももの努力を理解出来るようになっていった。
仕事の相談をしたら、驚くほど真剣に聞いてくれた。

いつの間にかすっごく近くにいて、ビジネスとか言って、プライベートでは全然仲良くありませんなんて振りしながら、私はももを頼りにしてるし、本当はこの関係をとても大事に思ってる。
でも、私はビジネスを強調し続けた。

ももがくっついてくると、イヤでイヤでしょーがなくて。
他の人には何とも思わないのに、ももだけがイヤで。
こんなにムカついたり、腹が立ったりするのはももにだけ。

もも、だけ。
その理由を考えたくなかった。
だってありえない。
浮かんだ可能性は、その度に否定した。
ビジネスって言葉を利用してた。隠したいことが本当はあった。

「あーそう。あーそうですか。じゃあ、こっちから言わせてもらいますけどね」
「べつに言わなくていいけど」
「うるさい!聞け!」

にらみ合う。この前と一緒だ。
あの時はどうしたっけ?
キスした。それ以上のこともした。

またキスしたらいい?
そしたら元通り?
違う。元にはもう戻らない。
本当は分かってたのに。ちゃんと話さなきゃいけないこと。


神様。
勇気をください。
あぁ、そっか。想いよ、届け、だ。
102 :名無飼育さん :2015/05/30(土) 19:11
「もも、この前、怖いって言ったよね?」

ももは答えない。
でも、表情が少し変わったのは分かった。

「私だって、同じなのに…」

まただ。悲しいわけじゃないのに、涙腺が緩む。
何でだろう。何で泣きたくなろんだろう。
泣くわけにはいかなくて。
ももの肩に頭を乗せて、顔を隠す。

「私だって…怖いよ、やっぱり…」

怖い。けど、この先を続けなきゃ、何にも始まらない。
私は顔を隠したまま、ももの手を掴んだ。抵抗はなかった。


言わなきゃいけないことがある。


103 :名無飼育さん :2015/05/30(土) 19:15
「ごめん」

先に口を開いたのは、ももだった。

「え?」

思わず、顔を上げる。
ももから無表情が消えてた。

「千奈美、全然目合わせてくれなくて。最初は照れてるんだと思ってたんだけど」

俯いて、ももが話し出す。

「ほんと素っ気なくて。その内、もしかしたら避けられてるのかもと思って。もしかしたら、後悔してるのかも、とか。なかったことにしたいのかもとか。しつこくするの今日で最後にしようと思ったんだけど、怖くて…確かめるのも、怖くて」

身に覚えはある。
それは!とか、だって!とか、飲み込んで、私は深呼吸した。

「笑わない?」
「え?何?」
「ぜっっったい、絶対笑わないでよ」
「う、うん」

顔が熱い。胸もどくどくうるさい。

「あれから、ずっともものこと考えてるし… した…ことも頭から離れなくて、どうしていいか分かんなかったの!照れてるとか、そんな次元じゃなかったの」
「そんなの、私だってそうだよ」
「ももは普通だったじゃん」
「私まで避けたら、どうしようもないでしょ?普通にしようと思って頑張ってただけだよ」

ちょっと怒ってるような、でも悲しそうな顔。
ごめん。謝るのと同時。無意識に出た手が、ももを引き寄せてる。
ももが素直に私に体を預けた。体中に、想いが広がる。

「…きだよ、もも」

振り絞った声はあまりに小さくて聞こえなかったかもしれない。
そう思ったけど。

でも、

「私も、すき」

ももも、そう言ってくれた。
104 :名無飼育さん :2015/05/30(土) 19:17
鼻がつんとする。きっとバレてる。なんか泣きそうなこと。
でも、べつにいい。
ももを抱きしめる。ももの手が、私の背中に回る。
知らなかった。幸せだと、こんな風に泣きたくなるのか。

「やじゃない」
「え?」
「さっきは急だったから、やだって言っただけだから」

数秒の沈黙。
ももがゆっくり、顔を上げた。
今まで見たことないような、恥ずかしげな顔。たぶん、私も顔が赤いと思う。

あと少し。鼻先が触れる。ちょっとだけ見つめ合う。私はももの頬に手を添える。

私たちはキスをする。
くっついて、離れて。それを繰り返して。
まだ恥ずかしくて。途中から笑っちゃって。おかしくて、恥ずかしくて、笑いながら抱きしめ合った。

「勘違いじゃない?」
「え?」
「私たち両思い?」
「うん」
「夢じゃない?」
「つねってあげようか?」
「ちょっと!そういう時は―――」

そして、また。私はももにキスをした。
何度も。何度も。
きっと、これからも。何度も。
105 :名無飼育さん :2015/05/30(土) 19:19
106 :名無飼育さん :2015/05/30(土) 19:21


『愛さずにはいられない』終
107 :名無飼育さん :2015/05/30(土) 19:23

ありがとうございました。

108 :名無飼育さん :2015/05/31(日) 03:00
素敵なちなももをありがとうございます。
悲しいわけじゃないのに泣きたくなる感覚、とても共感します。
あれってなんなんですかね。
109 :名無飼育さん :2015/05/31(日) 15:40
おぉぉ更新ありがとうございます
ちなももよいです
不器用で愛おしい
110 :名無飼育さん :2015/05/31(日) 21:48
ちなももかわいかったです。かわいい。
めんどくさいももさんのリアリティはんぱない!

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