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アクアマリンの城

1 :あおてん :2013/06/17(月) 19:45
二運以来約一年ぶりに自スレを立てました。
ラベンダーのまりんちゃんをメインに
気が向いた時に短編を書いていきたいと思います。
やすみよ等も書くかもしれません。
389 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:42
...

真冬となると日が沈む時刻も早まる。
空は漆黒で塗り込められたように暗く、触れる外気は身を切るように冷たい。

そんな中……無数に浮かび上がる、温かな色を宿した光球。
ライトアップされた木々が、街路全域をキラキラと照らし出している。
390 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:43
「すっごい綺麗だね、茉凜……ん?」

隣の茉凜に視線を向けると……
茉凜はイルミネーションを見ているようで、実はそうではなかった。

視界に入る人達はカップルが大半で、彼らは寒さを凌ぐように身を寄せ合い、
イルミネーションの織り成す幻想的な光景に見惚れている。
私は正直、馬鹿なんじゃないのかと思ったりもするんだけど……
そんなカップル達を、茉凜はただじっと見つめていた。
まるで、茉凜の時間だけ止まっているかのように。
391 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:45
「茉凜どうしたの? カップルなんて珍しくもなんともないじゃん」

「……皆楽しそうだな、って思って……」

「まあ、そうだろうね」

でも、と茉凜は一度言葉を区切る。

「……幸せそうに見えても、本当のところは当人同士にしか分からないんだよね」

「あーなんか昔そんな歌あったよね」

そう言って茶化してはみるものの、茉凜の考えている事はなんとなく理解できる気がした。
392 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:46
きっと、茉凜はイルミネーションに囲まれた事で、少しセンチメンタルになっている。
特に茉凜のように感受性の強い子は、あらゆる存在に対して様々な思いを巡らせてしまうんだろう。

「親しい人と綺麗なものを見ても、やっぱり心の中では、寂しいと感じる人もいるのかな……って、
ふと……そんな事を思ったというか……」

「確かに」

いかにも茉凜らしい哲学的な思考。
茉凜の言う通り、これだけ多くの人達と同じ景色を眺めていても、
全く同じ感覚を共有できるわけじゃない。
今この場に居合わせている人達も、やがてそれぞれの場所に帰る。
全ての孤独を埋められるわけじゃない。

……似たような思考が、きっと今茉凜の中で溢れ返っているんだろう。
浮かんでは消える水泡のように。
393 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:46
私は一度ゆっくりと深呼吸した。
そして次の瞬間には、わざと高いトーンではしゃいだ声を上げる。

「まーりーん、写真撮ろう!」

「……え、何いきなり……」

戸惑う茉凜を余所に、私はたまたま近くにいた女性にスマホを手渡す。

「すみませーん、これでツリーをバックに写真撮ってもらえませんか?」

そして彼女の了承を得ると、茉凜の肩をぐっと抱き寄せた。

「え、ちょっと……」

「ほら、茉凜も笑って」

私が笑顔を作るように促すと、茉凜も遠慮がちに口角を上げた。
394 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:47
...

世界はまるで万華鏡のよう。
少しでも傾いたら、まるで違う世界となる。
……悲しみをはらんだ瞳で世界を見つめたら、きっとそんな想いで溢れてしまう。
だから、笑っていて欲しいと思った。
少し視点を変えてみるだけで、きっと世界を彩る色彩も変わるから。
395 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:48

茉凜は自分の事を闇そのものだって言うけど、私はそうは思わない。
茉凜がふとした際に見せる控えめな笑顔は、ほのかな光が灯ったかのよう。
イルミネーションのような華美なものとはまた違う。
風が吹けば消えてしまいそうな……蝋燭の炎のように、儚く淡い笑顔。
けれど、温かい気持ちにさせてくれる……それは確かに光だった。

私は茉凜のそんな表情に心を持っていかれる時がある。
いつまでも見ていたい、そんな気持ちにさせられる。

だから、少しでも長く笑って欲しい。
そして私も今、最高の笑顔を浮かべられたらいい。
そう祈りながら、ただ彼女がシャッターを切るのを待った。
396 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:48
...

「じゃあ、後で連絡するねー」

写真を撮ってくれた彼女は、私に向かって大きく手を振りながら歩き去って行った。
そして彼女に対し、私も満面の笑みで手を振り返す。

そんな私達のやりとりを、茉凜は怪訝な表情で見つめていた。

「え……あの人、岡田の知り合いだったの?」

「違う違う。ガチで初対面だよ。
彼女、私のスマホとおんなじ機種で意気投合しちゃってさ。さっき連絡先交換してきた」

「……。さすが……」

茉凜は最初言葉を失っていたようだけど、かろうじてその一言を絞り出した。
感心していたのか、呆れていたのか判別はできない。
397 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:49
「……本当、岡田は凄いよね。
私も岡田みたいな性格に生まれてたらな……正直、ちょっと羨ましい。
岡田は……何もかもが私とは違うから……」

「……ふふ。何それ。何言ってんの?」

茉凜の言葉には、一体どのような感情が含まれているんだろう。
きっと茉凜は私の事を真っ直ぐに捉えてくれている。
けど、正直素直に喜べる気がしない。
今この瞬間、上手く笑顔を形作れているかどうかさえ自信がない。
それじゃまるで……
茉凜と私がお互い対岸にいる、相容れない存在同士だと言っているように聞こえてしまう。

「茉凜が私みたいなキャラしてたら、それもう茉凜じゃないじゃん」
398 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:49
茉凜は元々口数が少ない子。
それでも発する言葉はどこか鋭さがあって、私の心を締め付ける。

何だか今夜の茉凜は危うげで、一人にはしておけない。
……ううん、私が茉凜から離れがたくなってる。

“岡田は私とは違う”
……茉凜の言葉に私は今、寂しいと感じている。
少しでも心の距離を縮めたいと、焦ってしまう自分がいる。

だからなのか……気付けば、私は思い切ってこんな提案をしていた。
399 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:50
「ねえ茉凜、今日泊まっていってもいい?」

予想通り、茉凜は虚を突かれたように目を瞬かせる。

「え……私は別にいいけど……岡田のおうちの方は……」

「平気平気」

茉凜の言葉を耳にするやいなや、私は端末を操作し家に連絡を入れる。

コール音が繰り返される前に、母は素早く電話に出てくれた。

「あ、お母さん? 私今日帰らないから、夜ご飯いらない。
茉凜のとこに泊まるから。うん……大丈夫だよ。……」
400 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:50

「……どうだった?」

短い通話を終えた後、おそるおそる、といった風に茉凜が私の顔を覗き込む。

そんな彼女に向かって、私はこれ以上ないほどの笑顔を見せた。

「OKもらえたよ」

すると茉凜もまた、どこか安堵したように目を細め、微笑んでくれた……気がした。
401 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:51
...

お風呂から上がると、茉凜はベッドに腰掛け、ぼんやりと視線を宙に漂わせていた。
私はそのまま部屋を横切り、彼女の元へと歩いていく。
そして隣にそっと腰を下ろすと、同じシャンプーの匂いがふわりと鼻をくすぐった。

そこでようやく、茉凜は私に眼差しを向けてくれる。
402 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:52
「茉凜、お風呂ありがと」

「ああ、うん……」

「今日は疲れたよね? ごめんね、強引に押し掛けちゃって」

ただでさえ人ごみが苦手な茉凜は、著しく体力を消耗しているはず。

「ううん……正直、岡田がいてくれて助かってる。
自分から誘っておいて変かもしれないけど……
綺麗なものを見た後に一人きりでいたら、また色々と不安になって、
余計な事を考えちゃってただろうから……。
こんな気持ち、岡田は理解できないって言うかな……」

それは祭りの後の静けさ、とでも言うのだろうか。
茉凜の思考には、共感できるものがあった。
その事実にいくらか安堵する。
私にも、茉凜と共有できる感覚があるんだって。
403 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:52
「そんな事ないよ。私も友達と馬鹿騒ぎした後、落ちたくなる時だってあるもん。
真っ暗な部屋で一人っきり、不安で眠れなくてずっと膝を抱えてる日もあるし」

「……意外」

茉凜は心底驚いたように目を丸くしている。

それもそうか。
思えば、私は今までこんな事を茉凜に打ち明けた事はなかった。

私にだって、行き詰まって言いようのない孤独や不安に襲われる時はある。
……ただ、きっと茉凜の方が何倍も、何十倍もその傾向が強いんだと思う。
404 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:53
「でも、今は茉凜といるから平気。穏やかな気持ちで朝を迎えられそう」

茉凜に微笑みかけると、彼女もまた顔を綻ばせた。

「……私も今夜は気持ち良く眠れそう……。
岡田の太もも、柔らかくて気持ちがいいから」

そう言って、意味ありげに私の膝の上に視線を落とす茉凜。

これはつまり、遠回しに膝枕をして欲しいと言ってるの?

「まったく。しょうがないなぁ……ほら」

自分の膝を軽く叩くと、茉凜は体勢を変え、素直に太ももに頭を乗せてくる。
長い髪が膝の上に散らばり、確かな重みが加わる。
その重みと温もりを、私は純粋に嬉しく思った。
405 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:54
...

どのくらいの時間が経ったのだろう。
茉凜の整った寝顔を見下ろしながら、今度は自分が様々な思考を巡らせている。

楽屋では、茉凜が私に膝枕を要求するのは日常茶飯事なんだけど……
今夜の茉凜は、いつにも増して人の温もりを欲しがっている気がした。
ううん、人の温もりというより……人との繋がりを求めていたのかもしれない。
406 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:54

「ねえ……茉凜は……一体何にそんなに怯えてるの……?」

誰にともなく、ぽつりと呟いた言葉。
だけど茉凜の耳は聞き洩らす事なくそれを拾っていた。

そして、次にその唇から放たれた言葉が、私の心を鷲掴みにした。

「……私は生きて行く事が怖い。
でも、岡田の事は怖くないよ」

「……っ」

一瞬、息を忘れてしまいそうになった。
時に茉凜の言葉は、深く、弾丸のように私の胸を撃ち抜く。
407 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:55
繊細な感性の持ち主で、生きる事自体に理由のない恐れを抱いている茉凜。

人々の視線を集める事に喜びを持つ一方で、時々急に訳の分からない不安感に苛まれる茉凜。

自分が周囲にどんなに影響を与えているか自覚する度に、プレッシャーを感じている茉凜。

そんな茉凜だから、私はきっと……。
408 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:55
「茉凜……」

私は自分の中に生じた衝動に従い、そっと茉凜の髪を撫でた。
今だけでも……私がここにいる事が、茉凜の癒しに繋がればいいと願いながら。

茉凜の心にかかる負担を少しでも減らしてあげたい。

茉凜の事、助けてあげるよ。
守ってあげる。

ううん。
私に守らせて。

具体的にどうすればいいのかなんて分からない。
きっと私は茉凜の抱えたもの全てを共有する事はできない。
それでも、そっと寄り添って支えたい気持ちが自然と込み上げてくる。
409 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:56
「怖くない……岡田の事は怖くないよ」

茉凜は瞳を閉じたまま、うわごとのようにそう囁く。

『岡田は……私とは何もかもが違うから……』

そう言って、自分を異端だと決めつけて、一定の線引きをしていた茉凜。
いつも何かを抱え込んでいる事は明白なのに、肝心な事はほとんど打ち明けてくれない……
そんな茉凜に対し、もどかしさを持て余す自分がいたのも事実。

何でも話せるからといって真の親友になれるとは限らないし、
同い年だからこそ、話せない事だってあるのにね。

でも。
茉凜はたった今私に、奥深くに押し込めていた心の片鱗を見せてくれた。
それだけで、私は救われた気がした。
410 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:56
ねえ、茉凜。

引っ込み思案な茉凜が、イルミネーションを一緒に見る相手に、
私を選んで誘ってくれるぐらいには……
私は茉凜にとって近しい存在なんだって、そう思ってもいいんだよね?

「うん、そうだよ……怖くない」

茉凜の心に直接訴えるように、言葉を重ねる。
411 :kaleidoscope :2013/12/15(日) 18:57
この世界は変幻自在で、不安定で、万華鏡のような世界。
複雑で、一瞬でも目を離せば、取り残されそうになる時もある。
だからこそ、茉凜はこんなにも苦しんでいるんだと思う。
それでも私は茉凜と寄り添って、これからも一緒に進んで行きたいと、強く願う。

「きっと守るよ……茉凜の事」

私の声が届いているのかは分からない。
だけど、安堵を滲ませたような茉凜の寝顔がきっと答えなのだろうと信じ、
私はもう一度だけ、彼女の髪を優しく撫でた。
412 :あおてん :2013/12/15(日) 18:59
最近熱いおかまりんです。
これでラべメンコンプですね。
最近判明したのですが、「茉凛」ではなく正確には「茉凜」のようです。
書いててつくづく実感しましたが、私はまりんちゃんの繊細な心が大好きです。
413 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:37
※今回は飼育でも三番煎じ?なノベルゲーム形式です。
ちなみにどの選択肢を選んでもラストは同じです。
れなまりんになるか、うおまりんになるか、おかまりんな展開になるかはあなた次第。
414 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:38
ふと、一年前の自分の姿を思い起こしてみる。
19歳と20歳の境界線を彷徨っていたかつての私。
大人でも、子供でもない……
そんな自分がどこか曖昧で不安定な存在に感じ、
得体の知れない憂欝に襲われる事があった。

けれども、21歳の誕生日を明日に控えている私に、以前ほどの不安は無い。

私の心は今、とても穏やかでいられる。
ここしばらくは、四度目のツアーに向けて覚える事も多く、
目の回るような忙しさではあるけれど……
それは音楽活動が軌道に乗っているという、確固たる証拠でもある。


闇雲に進むべき路を模索していた、一年前の自分とは一味も二味も違う。
私の中には今、確かな揺るぎない目標があって……溢れんばかりの意欲だってある。
それに、たくさんの大切な出会いを経験して、少しだけ強くなれた気がする。
415 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:39
...

今日も無事、リハを完遂する事ができた。
椅子に腰を据えながら、視界が反転するほどにのけ反る。

「……〜っ」

体の節々を限界まで伸ばし、リフレッシュする。
今日という日が充実していた事に感謝しながら。

不意に、窓の外に視線が吸い寄せられた。
窓枠いっぱいに占領していた薄紅色は、もう既に影を潜めていた。
春の嵐で、大方散ってしまった桜……。
その一方で……仙台の桜は、東京の数日遅れで見頃を迎えるのだろう。

一年前の私は、仙台で桜を見ていた。
そして、カメラの前で語った。
いつか世界に出てみたいと。

あの当時は、果てしない夢物語に聞こえただろう。
けれど、サンフランシスコのライヴを経験し、
“私には心強い仲間がいるのだ”と実感できる今、
新たな予感に心を躍らせている自分がいる。
もしかしたら、いずれそれは現実になり得るのかもしれないと。
こうして仲間と共に密度の濃い一日一日を重ねていく事が、たまらなく心地良い。
416 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:40
...

そんな時。
私を形成する世界に、闖入者が現れた。

「まーりーん」

上下逆さまの世界の中、田中さんがひょっこりと顔を出したのだ。
正確には、体を反り返らせている私を、田中さんが覗き込んで来た。

「っ!」

鼻先が触れ合いそうなほどの距離に、私は思わず硬直してしまう。
彼女の髪の毛先が、微かに私の頬をくすぐっている。
けれど田中さんは、そんな事気にも留めていないようだった。

「茉凜、この後空いとう?」
「え、あ……」

反射的にパチパチと目を瞬かせるも、咄嗟の事だからか、言葉が出て来ない。
何しろ、田中さんからこうしてお誘いを受ける事自体が稀なのだ。
動揺しないわけがない。
一体どうしたというのだろう。
417 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:41
「ていうか、何も予定ないやろ。分かっとーよ」
「へっ!?」

必死に考えを巡らせる私に痺れを切らしたのだろうか。
田中さんが断定的な口調で言い切った。

「……確かに予定はない、です……」
「それじゃあ勿論れいなに付き合ってくれるやろ? うん、決定!」
「えっ、ちょ、田中さ……!?」

一気に捲し立てる田中さんは、私が口を挟む隙さえ与えなかった。
彼女は傍から離れるやいなや、すかさず私のバッグを手に取り、それを押し付けてくる。

「ほら、鞄持って。おかまりや姉さんも外で待ちようし」

慌てて姿勢を正し、訳も分からず周囲を見回すと、室内には既に岡田や姉さんの姿は無かった。

「い、いつの間に……」
418 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:42
言われるがまま、私がバッグを肩にかけたのを確認すると、
田中さんはそのまま私の腕を取り、スタジオの外へと足を向けた。

「あ、あの、どこへ……」
「すぐに分かるし!」

私の問いに対し、答えになっていない答えが返って来る。

これはもう拉致に近い……
内心、そんな事を思いながらも、私は田中さんに導かれるまま、歩みを進めた。
419 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:42
...

「あー茉凜、やっと来た」

外に出るなり私を出迎えたのは、待ちくたびれたかのような姉さんの声。

「ほら、早く行こうよ。時は金なりなんだからぁ」

更には岡田に似つかわしくない格言が、その口から聞こえた気がしたけれど、気のせいだろうか。

「私待ちなの……?」
「そうだよ。だってこれからの時間は茉凜が主役だから」
「??」

言葉の意図が分からない。
助けを求めるように田中さんを見れば、彼女もまた不可思議な言葉を継ぐ。

「えーっと。候補に挙がっとうのは、パンケーキに、ボーリングに、カラオケやったっけ?
実際これから行動に移すとなると、結構ハードかもしれんね」

指折り数えながら、いくつかの名詞を挙げる田中さんに、私はしきりに首を傾げるしかなかった。

「あの、何の話ですか?」
「ん? これかられいな達が皆で遊ぶプランの事を話しようっちゃけど」

……そんな約束をしただろうか。
記憶を辿ってみても、思い当たる事がない。

「……それ、初耳なんですが……」
「そりゃそうやろ。だって今茉凜には初めて言ったもん」

田中さんの言葉に思わず安堵する。
よかった。
もしも私が約束を忘れていたとなれば、何とお詫びしていいか分からない。
420 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:43
「てか、いくら鈍い茉凜でもそろそろ分かるやろ。あと数時間で4月10日やん。
実は姉さんとおかまりで、『れいな達が真っ先に茉凜の誕生日をお祝いしよう』
って水面下で話進めとったところ」

「……田中さん……」

正直、言われるまで全く予測できなかった。

まさかこんな計らいがあったなんて……。
喜びと驚きの感情が綯い交ぜになって、言葉に詰まってしまう。
421 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:44
「あ、でもちょっと待って」

手で制しつつ、田中さんは自分の腕時計を見やる。

「うーん……時間逆算しても、やっぱさすがに全部は行けそうにないっちゃね」

確かに……カラオケはともかくとして、それ以外は営業時間の問題もある。
全て回るにしても、じっくり楽しむ事はできないだろう。

「じゃあ、さっき挙げたやつの中から、茉凜が今一番行きたい場所を一つ選んで」
「わ、私がですか……?」
「そりゃ茉凜が主役やもん。選択権は茉凜に委ねるけん」
「は、はぁ」

少し荷が重いけれど、せっかくこう言ってくれているのだから、きちんと考えた上で選ぼう。

「……では……お言葉に甘えて」

選択肢
Aパンケーキ>>422
Bボーリング>>423
Cカラオケ>>424
422 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:46
丁度皆もお腹が空いているとの事で、私達は今流行りのパンケーキ屋さんを訪れた。
私自身、糖分が不足していたのか、甘い物が欲しくて仕方がなかったのだ。

生クリームは苦手だけど、このお店の生クリームはむつこくなくて……
気付けば、私は黙々とパンケーキを食していた。

現在繰り広げられている光景は、大きなパンケーキを四人でつつき合うという、微笑ましい(?)もの。
皆が皆、パンケーキに夢中かと思いきや……この二人に関しては少々特殊だった。

「は〜、おいしっ。
バースデーケーキがパンケーキってのも良くない?
ある意味新鮮だよねぇ」

「ちょっと、おかまり食い過ぎ。
メインの苺は茉凜に残しておいてあげな。
ていうか、食べるか喋るかどっちかにしろ」

次から次へとパンケーキを口の中に押し込みながらも、際限なく喋り続ける岡田……
そしてそれを嗜める姉さん、という図が出来上がってしまっている。
果たしてちゃんと味わえているのだろうか。

「……別にいいよ、岡田。ちょっとくらい、私の分食べても」
「マジ? 茉凜やさし〜い!」

満面の笑みとは、この事を言うのだろう。
こんな風に派手に喜ばれたら、こちらもつられてしまいそうだ。

「おかまり、普通そこは遠慮するやろ……。
でもま、ここ数日くらいはケーキを食べ続ける事になるやろうし、
茉凜はその都度おかまりから苺貰っとき」
「ふふ、そうですね……」

田中さんの悪戯なウィンクを受け、私も自然と頷き返した。

「ええ〜田中さ〜ん! それはちょっと〜」

「ああっもう。食べてる時もそうでない時も、おかまりは騒がしい……」

岡田の猫なで声に、姉さんのぼやきが重なる。

……女三人寄ればかしましい、と言うけれど、四人ならばどうなるのだろう。
そんな素朴な疑問も、この賑やかな空間にすぐさま掻き消されていった。>>425
423 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:47
私はボーリングの球を手に、呆然と立ち尽くしていた。

私と姉さん、岡田と田中さんでペアを編成したまでは良かった。
ただ、戦力に差があり過ぎた。
確かに岡田は球技に自信があると言っていたけど……。
まさか、二人がこんなに強いだなんて。

「よっしゃスペア!!」
「やりましたね田中さーん!」

辺りを憚らない、二人分の歓声が鼓膜を打つ。
岡田はどさくさにまぎれ、田中さんに抱きついていた。

「……はぁ」

……今から投球する私の眼前で、士気を下げるような事をするのはやめて欲しい。

そんな時、姉さんが傍らに歩み寄り、そっと耳打ちしてきた。

「羨ましい?」
「な……何が?」

ぎょっとして姉さんを見れば、その顔には不敵な笑みが浮かんでいる。

「茉凜が頑張ったら、私も同じ事してあげるよ」
「……。私がプレッシャーに弱いの知ってて……」

ぼそりと恨み節を炸裂させても、姉さんは飄々とした態度を崩さなかった。

「やる前から戦意喪失してる茉凜には、目の前にニンジンぶら下げる必要があるなと思って」
「……私は馬か……?」

口ではそう言いつつも……いつの間にか、自身のモチベーションが引き上げられているのを自覚する。
私も案外単純なのかもしれない。

「ほら、頑張って、茉凜」
「う、うん……」

姉さんの力強い言葉に、私はこくりと頷いた。

そして肝心の勝敗は……神のみぞ知る。>>425
424 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:48
私達がやって来たのは、スタイリッシュな雰囲気を醸し出したカラオケ店。
田中さんはこのお店の常連らしく、つつがなく手続きを済ませ、先頭を切って部屋に案内してくれた。
けれど……。

「もー今日は好きなだけ歌いーよ。ア二ソンでもラップでも何でも」

田中さんは傍観者を決め込むかのように、隅のソファーに腰を下ろす。

「え、田中さん歌わないんですか?」
「ええ〜私田中さんの歌も聴きたいですよ」

心底残念そうに、眉毛をハの字にさせる岡田と姉さん。
それは私もまったく同じ気持ちだ。
せっかくカラオケに来たのだし、プライベートでも田中さんの歌声を聴きたい。

「じゃあ……田中さん、デュエットしていただけますか」

私の申し出に、田中さんは猫のように目を見開く。
そして次の瞬間には、照れの色を宿しつつも悪戯っぽく微笑んだ。

「いきなりれいなを指名? いいけど、れいな高いけんね」

冗談交じりな言葉と共に、私と同じようにマイクを握ってくれる田中さん。

それから、私は文字通りマイクを放さなかった。
……そういえば、こうしてカラオケに来るのは久し振りだ。
次にこうしてメンバーで来られるのは、大分先になるのかもしれない。
だからこそ、悔いのない時を過ごしたかった。
私はここぞとばかりに田中さんにデュエットをねだり、限られた時間を存分に堪能したのだった。>>425
425 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:49
...

その後。
田中さんの提案で、私達は近場の公園に足を伸ばし、季節外れの花火をする事になった。
田中さんいわく、「家で余っとった去年の花火を持って来たけん」との事。
まさか春真っ盛りなこの季節に、花火を楽しめるとは思わなかった。

去年の物とはいえ保存状態も良かったようで、湿気っている様子はない。
問題なく着火する事ができる。

私は隅のベンチで腰を下ろし、手元の花火を見つめていた。

「あ……」

けれど、鮮やかな光もすぐに色を失い、闇にかき消える。
それがどこか寂しくて、次の花火を取り出そうとする。

……寂しい?
何故寂しいのだろう。

零時はもう目前。
私は今まさに、大好きな皆と誕生日を迎えようとしているのに。
どうしてこの場に相応しくない感情が生じるのだろう。
426 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:50
まとまらない思考に戸惑いを覚えた時だった。

「っ!?」

突如、視界がブラックアウトした。
何かが私の両目を覆っているのだ。
思わず声を上げそうになったのだけど、直前で飲み込む。
耳に馴染みのある、忍び笑いが聞こえたからだ。
そしてこの感触も温もりも、私はよく知っている。

選択肢
A「田中さん?」>>427
B「岡田?」>>430
C「姉さん?」>>433
427 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:51
「田中さん?」

彼女を呼ぶと、すんなりその両手が外された。

「あーバレた?」
「ふふ……手の大きさですぐ分かりますよ」

田中さんは私の隣にちょこんと座り、小さく苦笑する。

「せっかく皆おるのに、そんな隅っこでやらんでも……。
けど、ある意味好都合やったかも」
「え?」

その言葉の意味を訊ねようとした瞬間……
すっと何かが目の前に差し出された。

「せっかくやし、一番に手渡したかったけん」
428 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:51
おそるおそる手に取ると……それは、手書きメッセージ入りのフォトアルバムだった。
目に飛び込んで来るのは、ステージに凜然と立つ私達の写真。
そして素に近い部分が垣間見える、楽屋や地方でのオフショット。
ラベンダーがデビューしてから、これまでの軌跡がそこかしこに刻まれている。

「これは……」
「れいならしくないプレゼントって思った?」

少し困ったように笑う田中さん。
確かに、思いも及ばなかったこのプレゼントに、驚いている自分がいた。

「……この前のラジオ収録の時、れいな言ったやん?
『人生って今後誰と出会うかも分からんし、誰とバイバイするかも分からんし』……みたいな事。
あの時の自分の発言思い出して、れいなちょっと怖くなったと。
だけん、ちゃんと形に残る物を贈りたいって思った。
何があっても……これからも茉凜が、ラベンダーを強く意識してくれるように」

虚飾のない真っ直ぐな言葉が、私に突き刺さる。
ラベンダーという居場所が私にとってかけがえのないものだからこそ、彼女の気持ちが深く胸に響く。
429 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:53
「ねえ茉凜。
茉凜の存在を知る事ができたのは、れいなの人生においても大きな意味を持っとうよ」
「え……」

「誕生日は、大事な人を祝うだけじゃなくて、その人が生まれて来た事を感謝する日って、茉凜が教えてくれた。
れいなをこんな気持ちにさせてくれるのは、他の誰でもない茉凜やけん」

田中さんは一度言葉を区切り、大きく息を吐いた。
心なしか、その頬が赤く染まっている。
そんな彼女を見つめるだけで、じわりと目頭が熱くなっていく。

「……誕生日やし、特別大サービスやけんね。
れいながここまで言う事なんて、普通なら絶対ありえんし」

「そう、ですね……勿体ないお言葉、ありがとうございます」

いつの間にか、温かな想いが満ち潮のようにかさを増して、そして溢れた。
その雫を拭おうにも……何かが右腕を阻んでいる。

確かめる為に、そこへ視線を落とす。
見れば、私の腕に田中さんの腕が絡んでいた。

「ふふ、茉凜は去年のサプライズでも泣いとったね」

どうやら私の涙は、しっかり田中さんに目撃されていたらしい。

「……すみません、お見苦しいところを……」
「いいやん、泣いたって。別に悲しくて泣いとうわけやないやろ?」
「……はい……幸せだから、です」

滲む視界の中、田中さんが優しく微笑んでいるのが分かる。
それはきっと錯覚じゃない。

「茉凜が幸せな気持ちで誕生日を迎えられて良かった。誕生日、おめでとう」
「っ……ありがとう、ございます……」>>436
430 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:53
「岡田?」
「あったりー!」

予想通り、ハイテンションな声がすぐ傍で響く。
正直、キンキンと耳が痛い。

「……。あの、岡田?」

けれども、彼女の手は私を解放する様子を見せない。

「当たったんだから、離して欲しいんだけど……。
……ねえ、ちょっと、おか……っ!?」

抗議をしようと後ろに首を捻ったまさにその時、一瞬だけ視界が開ける。
だけどそれも束の間の事で、また何かが私の視界を……いや、頭部ごと覆った。

「おめでとー! また一足先に茉凜がお姉さんになったね!」

甲高い、やたらと陽気な声が頭上から降って来る。

……どうやら、私は岡田に何かを頭に被せられたらしい。
手探りで頭周りに触れると、それは帽子の“つば”である事が分かった。
431 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:54
「これ、どうしたの……?」
「どうしたのって、バースデープレゼントに決まってるじゃん」
「えっ……? あ、ありがとう」

お礼を言ったはいいけれど、このままでは帽子のデザインを確認する事ができない。
何故なら、岡田が帽子の上から私の頭を撫でくり回しているから。

「うーん、可愛い。
ふっふーん。私のセンスがいい事がまた証明されちゃった!」

今の私が目視できるのは、帽子の隙間から覗く岡田の笑顔だけだ。それにしても……プレゼントしてもらったのは私の方なのに、どうして岡田はこれほどまでに楽しそうなんだろう。

「岡田、何をそんなにヘラヘラしてるの?」
「は!? ヘラヘラって、茉凜にはそんな風に見えるの?」

岡田は心外だとでも言うように、ぷくっと頬を膨らませた。
……このリアクションに関しては、あえて触れないでおこうと思う。

「じ、自覚ないんだ……凄い締まりのない顔してたよ」
「あー。そういう事言うんだぁ。へえー……」

岡田はすっと瞳を細め、口元にニヤけた笑みを湛える。
こういう時の岡田は、きっと碌な事を考えていない。
そして、その予感は見事的中してしまう。
432 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:56
「じゃあ、特別にSな私を見せてあげよっか?」

私の頬に手を添え、芝居がかった調子で私の顔を覗き込む岡田。
……どう考えても、Sになりきれていないと思うけれど。

「……遠慮しとく。ていうか、気色悪い発言やめて……」

振り払わない程度に岡田の手を掴んで外すと、彼女は大袈裟に肩を落として見せた。

「ひ、ひどい。茉凜の方がよっぽどドSじゃん」

私はただ単に、正論を言っただけなのに。

「まあいっか。茉凜が毒吐くのって主に私に対してだけだもんね。
これは喜ぶべき事だよね!」
「……。岡田って、やっぱりMなんじゃないの」

はたから見れば、不毛なやりとりに感じるのだろう。
それでも、こうして軽口を叩き合える関係はとても貴重で、心地が良いものだと思う。
同い年だからだとか、そんな単純な理由じゃなく。
岡田だから、思った事を口にできるのだ。>>436
433 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:57
「……姉さん?」
「ふふっ、さすが」

目隠しをしていた手を離すと、姉さんはゆったりとした所作で、私の隣に腰を下ろした。

「姉さんは花火やらないの?」
「うん、ちょっと茉凜に言っておきたい事があって」

……何だろう。
もしかしてお説教だろうかと、一瞬、身構えてしまう。
しかし彼女の紡いだ言葉は予想外のものだった。

「……あのさ。去年はごめんね」
「え?」

頭の中が疑問符でいっぱいになる。
私は姉さんに謝られるような事をされただろうか。

「ほら、去年の春ツアーで福岡に行った時の事。
田中さん達の誘い断って、私だけ別行動したでしょ。
あの時、田中さんとおかまりが茉凜の誕生祝いしたって後で聞いて、すっげー後悔した」
434 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:58
そういえば……。
ライヴ終了後、田中さんと彼女の先輩、そして岡田とカラオケに行った際、
姉さんだけはそのお誘いを辞退したのだった。
確かに当時の私は、少し寂しい感覚を覚えたけれど……。

「その事が、ぶっちゃけずっと気になっててさ……
だから、今年はちゃんと祝いたかったんだよね」

思いもよらない彼女の告白に、ただただ目を丸くするしかない。

「……姉さん、そんな事気にしてたの?」
「そんな事、じゃないよ。私なりにずっと気にしてたんだから」

姉さんは自由奔放に見えて、周りに気を遣う人だ。
だからこそ、これまでずっと内に溜め込んで、気に病んでいたのだろう。
ならば、私が姉さんを解放してあげなければ。

「昔の事なんて気にする必要ない……。
今こうして姉さんがお祝いしてくれて……私、充分過ぎるくらい嬉しいもん。
それでいいじゃない」
「……茉凜はいいんだ?」
「いいの!」

私の必死の訴えが通じたのか、姉さんの表情が若干柔らかくなった印象を受けた。

「そっか……ありがと。茉凜がそう言ってくれて良かった」

姉さんは胸に手を当てて、肺に溜め込んだ息を放出する。

「はぁー。なんか、やっと胸のつかえが取れた気がするよ」

彼女が浮かべるのは、あらゆる重圧から解き放たれたかのような、無垢な表情。
その円らな瞳を見つめると、思わず笑みが零れた。
435 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 00:59
「姉さん、可愛い。姉さんと私、一瞬どっちが年上か分からなくなったくらい」
「……言うようになったね、茉凜も」

いつもは堂々としていて頼り甲斐のある姉さんが、今は何故か、私と年の変わらない女の子に見える。
そんな彼女に視線を奪われていたせいか……

「あ、そうだ。はい、これ。ハッピーバースデー」
「?」

彼女の言葉の意味を噛み砕くのに、少し時間を要した。

視線を落とすと、私の手には、古めかしい一枚のCDが。

「こ、これ……!」

それはまさしく、私が探し求めていた物だった。
発売直後に廃盤になってしまったせいで、現在ほとんど出回っていないCD。
手に入れるには相当苦労したはずだ。

「姉さん……一体どうやって見つけ出したの?」
「それは秘密」

そう言って余裕の表情を浮かべる彼女は、既にいつもの姉さんに戻っていた。
だけど、あの時一瞬だけ現れたあどけない表情が、私を捕えて放さない。

「姉さん、ありがとう……。
今年の姉さんの誕生日は、一緒にお祝いしようね」
「……うん。楽しみにしてるよ」>>436
436 :Birthday wishes :2014/04/10(木) 01:00
...
先刻感じた寂しさが嘘のよう。
今はただ、私を包み込む多幸感に、一種の戦慄すら覚えて……。
だけど、そんな畏怖の感情さえ、隣り合った温もりが打ち消してくれた。

この出会いは、神様からの恵みなんだと、心からそう思える。
一人では心もとなくても。
彼女達となら、これからもきっと高みを目指せる。
見知らぬこれからの時を、臆する事なく迎え入れる事ができる。

敬愛できる人達がすぐ傍にいる……
その事実が、私という存在を支えてくれるから。
きっと私達だけにしか辿れない路が、描けない未来があるのだと、そう信じさせてくれる。

この先に待つ数々の幸運を希いながら、天を仰ぎ見た。
いつもは仄暗いはずの東京の夜空には、ぼんやりと浮かび上がる一等星があった。
静謐で、けれど確かにそこに在る優しい光を浴びて、安らぎの吐息が零れる。
それは、まるで私達の行く先を指し示しているかのようだった。
私達は……これからも光のあたる世界の下で、輝く事ができるのだと。
437 :あおてん :2014/04/10(木) 01:12
大好きな茉凜さんを自分の創作意欲を満たす為に利用したくない、
好き勝手に書きたくないと小説の更新をストップしていましたが、
誕生日に何かしたいという気持ちを止められませんでした。
信念のない人間と思われるでしょうが、私はこういう方法でしか自分の想いを表現できないようです。

茉凜さん、21歳のお誕生日おめでとうございます。
あなたがいなければ、今の私はありませんでした。
438 :あおてん :2015/04/10(金) 00:50
容量がいっぱいなので水板に新スレを立てました。

この海を抱きしめて
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