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だから、そういうこと

174 :名無し飼育さん :2014/08/02(土) 01:44


 戯れのキスはいつの間にか噛み付き貪るような深いものに変わっていた
 咽返るような暑い室内で咽返るようなキスを繰り返す

 
 それからの記憶は曖昧だった
 何度も遥に手を伸ばしそれをせがんだ気がするし
 熱にほだされながらもその手に応えてくれたような気がする
 
175 :名無し飼育さん :2014/08/02(土) 01:45


 ぼんやりと浮上する意識
 ゆっくりと瞼を持ち上げた

 目の前に現れる遥の寝顔
 枕に顔を押し付けるようにして眠っている
 そのせいで頬が押しつぶされ、唇が拗ねたように尖っていた
 さっきまで自分を夢中にさせたのは本当にこの人なんだろうか
 あまりにも幼い寝顔に夢だったんじゃないかと不安になる

 だけどまだ引かない汗が、生ぬるい室内が夢じゃないと物語っているようで
 彩花は身体を小さく震わせた


「くどぅー」


 小さな声で眠る彼女の名を呼ぶ 
 もちろん起きる気配など全くなく、彩花はそっと遥の髪の毛に指を絡めた
 頭皮にはまだ汗が浮かんでおりじっとりと温かい

 全部の指を髪の毛に差し入れる
 手のひら全部で遥の体温を感じた

「…ん」

 与えられた体温に遥が身を捩る
 眉毛がぴくりと動き、眉間に皺がよった

176 :名無し飼育さん :2014/08/02(土) 01:47


「…あっつ」

 掠れた声とともに持ち上げられる瞼
 長いまつげが邪魔をして遥の瞳がどこを向いているのかは分からない
 

「和田さん…?」

「うん」


 頭に違和感を感じたのか遥は自分のてをそこに持っていきもぞもぞと動かす


「和田さん、ハル、汗…」

「うん」


 違和感の原因を遥は指で絡めとる
 暑さがなくなって満足したのか遥は彩花の手を絡めたまま再び目を閉じた


「今、朝ですか?」

「違うよ。たぶん夜中」

「よかった」


 鼻から抜けるような息を吐き出す
 遥は枕に顔を擦り付ける


177 :名無し飼育さん :2014/08/02(土) 01:49


「まだ一緒に寝れますね」

「…うん」


 遥の指先が彩花の手の甲を優しく叩く
 こっちにおいで、と言われているような気がして
 彩花は遥のとなりにぴったりと寄り添った

 閉じられたはずの瞼が再びゆっくりと持ち上がる
 長いまつげの隙間からでもはっきりと見える、優しい眼差し
 それから尖った八重歯が2本


「ずっとずっとこうしていたいですね」


 もしかしたら寝言だったのかもしれない
 言い終わるのが早かったか眠りに落ちるのが早かったか
 遥は深い寝息を立てている




「ずーっとこのままでいようね」




 明日も明後日もその先もずっと






 
 どうしようもなく可愛くて、愛しさに胸が締め付けられて
 彩花は繋がれた手を頬に押し付け瞼を閉じた


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