■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 最新50

dis-communication

1 :高津 :2012/12/02(日) 01:56
娘。現メンベースの鞘石とかの短編。

10年弱ぶりにスレ立て。どうぞよろしくですw
2 :dis-communication :2012/12/02(日) 01:57
「亜佑美ちゃん、今日はありがとね」
「いえいえ!こっちからお願いしたのに!ありがとうございました!」
「またねー」
「はい、また明日!」

そう言って鞘師さんは手をひらひらと振って背を向けた。
ふっと一息つく。

別に安心した、とかじゃない。
ただ、なんだか最近思うところがあるだけなんだ。

鞘師さんと話していると、私はなんだか最近難しくなる。
なんだかまーちゃんのような言い回しだけど、それ以外表現できないんだからしょうがない。

「どうしよ…」

何ともなくついて出た言葉にちょっと違和感。
口から出た言葉とはいえ、今の自分の中を表現したい言葉とはまた違ったからだ。

考えながらふとスタジオの中を見回すと、クリアファイルが落ちていた。

「あれ?」

これは私んじゃない。
鞘師さんのだ。

と、思った瞬間、ガチャリとドアが開いた。
3 :dis-communication :2012/12/02(日) 01:58
「ぅわすれものしたぁ!」
「鞘師さん」
「ファイル忘れちゃって!家で復習できんとこだった」
「よかったぁ。今連絡しなきゃないと思ってて」

なんて言うと、小首を傾げる鞘師さん。

「どしたんですか?」
「しなきゃないって何?」
「え?あれ?しなきゃないって使わないです?」
「使わん。うちも標準語かどうか分からんけど、他の人が使ってるのは聞いたことないかも」
「そっか…方言だったか…」

どうやら無意識に使っていたというか、まさかしなきゃないが方言だとは思ってなかった。
気づかずに使ってるの多いかもしれない。

「面白いね」
「方言ですか?」
「うちとか道重さんとか田中さんはちょっと言葉似てると思うけど、亜佑美ちゃんとこはたぶん全然違うよね?」
「あー、そうかも。私はたぶんまーちゃんと近い…のかな?わかんないですけど」
「いいなー。なんかこういうの調べるの楽しそう!」
「鞘師さん調べるとかなんか勉強好きですよね〜」
「うん、大好き。ンフフ」

あ、かわいい。
こういう顔見ると年相応なのかなって思ってしまう。

「あ、何?子供っぽいと思った?」
「イヤイヤ、そんなことないですよー?」
「嘘だ!嘘だぁ」
「いやいやいや、子供っぽいとは思ってないですよ」
「じゃあなんだよぅ」
「年相応でかわいいなって」

そういうと、絶句、とばかりにぽかんと口を開けたまま固まる鞘師さん。
そんな変なこと言ってないと思うけど。
4 :dis-communication :2012/12/02(日) 01:58
「嘘…」
「え、なんでそんな深刻な顔になってるんですか」
「だってあんまり亜佑美ちゃんがうちにかわいいとか言う感じの褒め言葉言うの珍しいから、なんか、嘘かと思った」
「えぇ!?ひどい!」

こっちがびっくりすると、鞘師さんはンフフと笑いながら、私の首に腕を回してきた。

「もー、どうしたんですかぁ」
「ンフフフ」

鞘師さんは二人のときはびっくりするぐらい甘えてくる。
同年代だと心を許してるのかな?
道重さんにはあんなに顔がこわばってるのに。

「あゆーみちゃぁん。ンフー」
「…鞘師さん猫みたいですよね」
「そう?そうかな?イヒヒ」

嬉しいのか。
なんだかよく分からない人だ。

それにしても…最近気づいたけど、鞘師さんってこんな目線上だったっけ?

「鞘師さん背伸びました?」
「うん、ちょびっとだけ伸びた」
「そっかぁ…いいですね」
「亜佑美ちゃんは?」
「私たぶんもう伸びませんよ」
「えー?でも、女の人は30歳ぐらいまで伸びるって聞いたことあるけど…」
「ホントに!?…あ、ホントにとか言っちゃった」

そういうと、鞘師さんがちょっと難しい顔をする。
いつも思うけれど、この人は表情と感情がうまく読み取れない。
ここで?というところで変な顔をしたりするから、なかなか難しかったりする。

「早く敬語なくなるといいのになぁ」
「私ですか?」
「うーん。先輩後輩とかはしっかりしなきゃいけないと思うんだけど…。田中さんとか道重さんとかは新垣さんにタメ口のときあったし」
「あぁー」
「もっと時間が過ぎればいいのにね」
5 :dis-communication :2012/12/02(日) 01:59
そういって、床に置いてるファイルを手にとろうと、首から腕が離れた。
不思議と名残惜しく感じてしまう。

こうやって見ると、鞘師さんはかわいい反面すごく大人な感じもする。
横顔がすごく綺麗だから。

鞘師さんは最近すごく大人っぽくなったように思う。
ふとしたときに大人な表情になるときがあって、…正直ドキッとしてしまう。

「亜佑美ちゃん」
「はっ、はい」
「なにーそんなびっくりしなくていいじゃん」
「すいません、ぼーっとしてて…」
「ふふ」

何か妙な間があって。

「帰ろ?」
「あっ、はい」

電気を消して、廊下に出て、スタッフさんに挨拶をして。
鞘師さんにレッスンを付き合ってもらったいつも通りの私たちの帰りの流れなのに。

何故か今日は特別感があった。
鞘師さんの隣がこんなに緊張するなんて。

短いはずの出口までがすごく長い。
早く終われ、早く出口まで辿りついて欲しい。

顔から耳にかけてなんだかチリチリする。熱い。


「じゃあまたね」
「はい…また」
「明日ね!おやすみ〜」
「おやすみなさい」

手を振ってまた別れると思った。
けど、急に耳元で


「亜佑美ちゃん、 すき」


瞬間手をぎゅっと握られて。
そのまま鞘師さんは走り出した。

私は何も考えられない頭でそれを見つめるしかなくて。


今度の一息は、とても熱く一息とはいえないほどの長さになった。


6 :dis-communication :2012/12/02(日) 02:01
おわり。

リハビリも兼ねてアップでした。
リハビリはまだまだ続く予定ですw
感覚を取り戻すのに時間かかりそうですがw

最近本当に鞘石が楽しくてしょうがない。
7 :名無飼育さん :2012/12/02(日) 22:42
お帰りなさい&新スレおめでとうございます!
思わせぶりな鞘師さんに翻弄され始める石田さんとかすげー続きが気になります!
自分は鞘石きっかけで、またseekを読むようになったので
書き手さんが帰ってきてくれる事はとても喜ばしいです!これからも期待しています。
8 :めぐる :2012/12/03(月) 02:07
「…あ」

亜佑美ちゃんに『しなきゃない』の意味を聞き損ねた。
それに気づいたのは家に着いてお風呂から上がったあとだった。

タオルで頭をがしがししながら今日の出来事を思い出す。

――私は今日すごいことをしでかしてしまったのだ。

亜佑美ちゃんに好き、とか…。


「…言っちゃった」

本当はもっとあっためておくつもりだった。
もっと秘めて、秘めて。大事にしてしまっておくつもりだったんだ。

でもそうはならなかった。

たぶんかわいいとか言われたのが決め手だったのかもしれない。
普段、鞘師さんはすごいとしか言わなくて、あんまり言われた記憶がない。

だから単純に嬉しかった。

それまであっためてた思いが、一気に熱を持った感じ。
9 :めぐる :2012/12/03(月) 02:08
お風呂入ったからかもしれないけど、顔の熱がいつまでも治まらないような錯覚を覚える。
あの顔を思い出してしまう。

『年相応でかわいいなって』

あの猫みたいにふにゃっとした笑い顔がたまらなく好きで。
ぷるっとした唇も好きで。

優しくて、なんだか甘えられる。

年上の後輩って最初はどうしようって思ったけど、こんなに夢中になるなんて思ってもみなかった。
それぐらい好き。

しかもまさかの同性。
道重さんに影響されすぎ?と思ったけど…影響されての気持ちがこんなに大きいはずないって思い直した。

この間は手が触れるだけど、心臓が飛び出すかと思った。
思春期の感受性は強いので、初恋は信用しないほうがいいみたいなことをどこかで聞いたことあるけど、嘘だと思った。

こんなに苦しいのに、こんなに愛おしいのに。
それをニセモノだなんて思いたくない。

「はぁ…」

ため息つきながらベッドにうつ伏せになる。

今日の朝のおはようございます!という元気なメールを眺めながら思う。
そういえば、あのあとメールしてない。
元々メールはあんまり得意じゃない方だけど。

「んーーっ、亜佑美ちゃーん…」

隠し撮りした寝顔の写真にキスする真似。
…なんだかうち、バカみたい。
10 :名無飼育さん :2012/12/03(月) 02:08

というか…そもそも良く考えたら、好きって言っただけだった。
返事ちょうだいとも言ってない。

自分の思いの丈を放出しただけだった。


「うわああ!どうしよううー!」

どうしよう、明日からどうしよう。
どうなっちゃうんだろう。

き、嫌われたりしないかな?
避けられたりしないかな…。

そうなることを想像したらすごく胸がぎゅうっと締め付けられる。

気持ちは本物だけど、謝らなきゃ。
とにかく謝ろう。
困らせたことは事実だし。


iPhoneを持つ手が震える。


"今日はごめんね。"


送るのにも息を呑んでしまう。
大丈夫。大丈夫。

ぷわっ、と送信が終わった音がする。

怖くてマナーモードにした上、iPhoneを伏せる。
返事しにくいだろうなって思ってた矢先、ぶぶっとiPhoneが鳴った。

「えっ…早い」

恐る恐る開いたメールには


"謝るようなことされてませんよ"


「えっ!?」

思わず大きい声が出ちゃって周囲を見回してしまう。
お母さんはもう寝てるはずなんだけど。たぶん。
11 :めぐる :2012/12/03(月) 02:09

"どういう意味?"


メールを打つ手も逸る。
怖いと思いつつも先を期待してしまう。

この感覚はなんていうんだろう。
どういう感情なんだろう。
うちにはきっとまだ分からない。
苦しい、それしか表現できない。

待ち時間が待ち遠しい。
ものの数分かもしれない。それなのにすごく…すごく長く感じる。


"だって鞘師さんの気持ちなんですよね?"


そうだよ!
だから言った。言ってしまった。
もういつもと同じに戻れないなんて分かってるんだ。


"そうだよ"


指先が冷たい。
気持ちが身体にも影響を出してる。

あまりの緊張にiPhoneを取り落としてしまう。

「もぉっ」

落としたところでまた、鳴る。
12 :めぐる :2012/12/03(月) 02:10


"だから、私嬉しいです"



「はっ?」

メールにはなんて書いてある?

「だ、から。私、嬉しいです…」


"どういう意味?"


また聞いてしまう。
返って来た答えが怖い。
だから、確認しないわけにはいかなかった。
まだ分からない。


"そのままの意味ですよ

また明日話しましょう!

中学生は早く寝なきゃいけないんですよ!"



「えっ、急に何この感じ」

亜佑美ちゃんお得意のシリアスなシーンで滑り芸ってこと?
それとも…て、照れ隠し?
13 :めぐる :2012/12/03(月) 02:10

「わかんない、わかんない!」

だからって電話できる勇気はない。
でもこの気持ちの置き所が分からない。
どうすればいいんだ!
でも勇気のない私は…


"分かりました。また明日聞くね。おやすみ"


なんともそっけないメールになってしまった。
そしてメールはすぐ返って来た。


"おやすみなさい、鞘師さん"


「なっ…」

なんとそっけない返事が返ってきたことだろう。

「なんだよー!どうしたらいいの!?」

また大きな声を出してしまった。
いや、だってこれはもうしょうがない。

思いを告げてスッキリしたつもりが、逆にもやもやしてしまった。
ん、もしかしたらこの人はうちを弄んでるのかもしれない。

やるな、石田亜佑美。

もう寝よう。
今日のことはもう考えずにぐっすり寝てしまうんだ、わたしは。


そして寝る前にもう1度亜佑美ちゃんの隠し撮り写真を見る。

「やっぱかわいい…」


明日何を聞かされるのかとか、もう何も考えられないままうちは寝てしまった。

きっと、明日が解決する。

きっと。
14 :高津 :2012/12/03(月) 02:13
更新です。

1つ1つ短編で書いていきたい感じです。
そして一部タイトル抜けがあり、失礼をば致しました。

そして感想がついてる!ありがとうございます!

>>7
もうホント長いことぶりで、お帰りなさいっていうのはくすぐったいですねw
リハビリ中なので、だらっとした感じになってしまいましたが、気になって頂けた様でなによりですw
ありがとうございますw
15 :名無飼育さん :2012/12/03(月) 10:13
とても気になる展開です〜!!
鞘石が大好きなので更新楽しみに待ってます。
16 :めしこ、相談に乗るのこと。 :2012/12/04(火) 01:19
「おはようー…」

朝一番にこの表情。
いつも元気なのに、何かあったんだなとすぐに分かった。

「ど、どうしたの?」
「うんー…」
「何かあった?悲しいこととか?」

への字口のあゆみんの目から涙が零れる。

「ちょ、ちょっとー。どうしたの本当に…。大丈夫?」
「うああーん!はるなーーん!」
「よしよし…聞くよ?」
「うぅ…」

ぐずぐずと鼻を啜りながら、あゆみんから聞いた言葉を総括すると…。
どうやら告白をされたということみたい。

泣いてる理由が分からないけど…。

「それは…なんというか…。でもなんで泣いちゃったの?」
「なんか…わかんない。告白されてから、1日経ってるのに、まだ気持ちに整理がつかなくって…」
「そっかぁ…」

少し泣き止み始めてきたあゆみんの頭を撫でる私。
とにかく話を少しそらしてあげなきゃ。

「うーん…そ、それじゃあさ、どんな人だったの?かっこよかった?」
「うん…かっこよくて、かわいい…」

かわいい?J系の人なのかな?
17 :めしこ、相談に乗るのこと。 :2012/12/04(火) 01:19
「どんな感じの人?」
「いつも見てるじゃん…」
「えっ!?私の知ってる人なの!?」

これは一大事だ。
スタッフさんかな、それとも事務所の方?
まさかまさかの、同業者の方…!?

「鞘師さん…」
「そっか…鞘師さ………鞘師さん!!????」

思わずいつも以上のキーの声が出てしまった。
えっと、私の方が整理できない!

お、落ち着け私。
それはなんというか…なおのこと話を真剣に聞かなきゃいけないよね。

「ごめん、私もちょっと慌てちゃってるけど、あゆみんはそれ以上だもんね…」
「ううん…」
「あゆみんは…鞘師さんのこと、す、好き、なの?」

そう聞くと、こくんと頷く。

「それはどっちの意味で?」
「…まだね、なんかわかんないの。でも…好きって言われて、嫌な気持ちはしないっていうか…嬉しかった」
「うん」
「ずっとね…考えてて、なんか、もやもやしてて。鞘師さん見ると」
「うん」
「一人でいるのもよく見るけど、誰かと一緒にいると結構甘えてるような気がすんの」
「あぁー…」

譜久村さんとかかな?
確かに鞘師さんはよく寝てるのも目撃するけど、特に譜久村さんにはくっついてるようなのもよく目撃する。

「こないだもまーちゃんとくっついてたりして…私、まーちゃんに嫉妬とかしちゃったのかなってあとから考えちゃって」
「うーん…」
「わかんないの、まだ。でも誰かと一緒にいるのを見るのも結構キツイ…」

私だっていっちょまえに恋愛しましたとか自信を持って言えるわけじゃないけど、これは結構重症な気がする。
18 :めしこ、相談に乗るのこと。 :2012/12/04(火) 01:20
「そっか…。それで、返事はしたの?」

ふるふると頭を振るあゆみん。
そうだよね。難しいよね。

「昨日ね、ごめんねってメールがきたの。謝るようなことしてないですって、鞘師さんの気持ちなんですよねって言った」
「うん」
「だから嬉しいですって。でもそういったけど、自分の中ではまだなんかヘンで怖くて、また明日話しましょうって強引に終わらせちゃった」

表情が痛々しくて見ていられなかった。
きっとたくさんの気持ちがあゆみんの中で巡ってるんだろう。

「とりあえず、落ち着こう。うん」
「うん…」
「それで、明日話しましょうってことは今日何か言わなきゃいけないってことだよね?」
「そう…」
「時間もないか…」

好きですって言われて、好きですって返さなくてはいけないわけでもないと思う。
シチュエーション的には鞘師さんの言い逃げみたいな感じだったようだし…。

でも、あゆみんのこの感じを見ると、もうきっと心の底では決まっているのかもしれない。
動揺してるだけ、慣れてないだけ、気持ちの整理がつかないとかそんな感じが混ざってしまってるんだろう。

「まず、あゆみんが今考えてるようなことを言ったらいいんじゃないかな?」
「今考えてることって…」
「さっきみたいなの。好きだけど鞘師さんと同じ好きか自分の中ではまだ分からないですって。でも嬉しかったですよって」
「それ…で、いいのかなぁ…」
「それしかないよ。だって付き合ってくださいって言われたわけではないんでしょ?」
「うん…」

少し俯き加減なあゆみんの背中を撫でながら、私も決意。
この子を支えてあげなくてはいけない。
あゆみんだってまだ高校生になったばかりだし、色々落ち着いてないと思うし。
頑張ろう、いいお姉さんにならなきゃ。
19 :めしこ、相談に乗るのこと。 :2012/12/04(火) 01:20
「あとはあゆみん次第だよ。お付き合い前提でもいいわけだし。友達からはじめませんか?的な!」
「ばか」
「うふふ」
「うふふじゃないよまったくもぉ」

ようやく笑顔が戻ってきた。
やっぱりあゆみんは笑ってる方がかわいらしい。

「あーあ、なんか羨ましいな」
「何が?」
「だって、なんか青春してるっていうか…青春ど真ん中だね」
「うまいこと言ってんじゃないよもー」

もうそろそろみんな来る時間かな?
よく考えたら私復習のつもりで早くきたけど、すっかり時間が過ぎてしまった。

「やばい、かも?」
「えっ」
「復習のつもりだったから…」
「えっ、嘘っ!超ごめん!」
「いいよ、大丈夫。頑張るから!」
「わかんなかったら聞いて!一緒にフォローし合おう?」
「ありがと〜。助かります、石田氏」
「いいんですよ飯窪氏。いつものことじゃあないか〜」

調子も戻ってきたし、みんな来ちゃうからもう着替えよう。
これからレッスンだ。

そしてまたあゆみんの頭をぽんぽんする。

「頑張ってね」
「…うん」

はにかむあゆみんがかわいい。
鞘師さん、こんなにかわいいあゆみんを泣かせたんだから、頑張ってくださいね。

もうきっと、あゆみんの気持ちは鞘師さんのところにありますよ。

たぶん、ね。
20 :高津 :2012/12/04(火) 01:22
更新です。
最近9期10期の映像ばっかり見てますw

>>15
ありがとうございます!頑張りますww
21 :名無飼育さん :2012/12/04(火) 02:54
うお!3日連続更新ひゃっっほーい♪( ´θ`)ノ
第三者が間に入るとより青春テイスト満載でドキわくが増しますね!
だーちゃん可愛いなあーもー。続きも楽しみにしてます。
22 :名無飼育さん :2012/12/04(火) 20:56
セリフが脳内再生できる箇所がたくさんあって、
ものすごい入り込んで読んでしまって、笑う所は声出して笑ってしまい、
周りに変な目で見られていますw
楽しみに待ってます〜〜!!
23 :ソボクなぎもん :2012/12/05(水) 18:21
「ハァー?何言ってんの?」
「だって、だって、なんかしゃやしさんがなんか、怖いんだもん…」
「鞘師さんが怖いわけないじゃん」
「だってぇ…」

ハルにはどうも分からん。
鞘師さんが怖いとこなんて想像できないんですけど。

鞘師さんはいつも優しいし、かわいいし、ダンスすげーし、歌もうまい。
完璧超人かと思う。

そんな鞘師さんが怖いとか…ありえない。

「まーちゃん誰か違う人と見間違えたとかじゃないの?」
「違うよ!だってしゃやしさんと後ろがおんなじのなんてあゆみんしかいないしょ!でもあゆみん髪茶色だし…」
「んー、まぁ確かに」

そう。
あゆみんは高校生になってから髪を茶色に染めた。
ハル的にはちょっと羨ましいなとか思うところもあるけど。

だから鞘師さんと見間違えるなんてのはないハズ。

「じゃあ確かめにいこ!」
「えっ、なんでだよ、いいよ」
「だってだって、なんかヤじゃん」
「ハァー?嫌だっての!自分で行きなよ!」
「まーちゃんはもう見たの!くどぅーも行かなきゃわかんないじゃん!」

なんだよもう。
つーか、ハルいつもまーちゃんに乗せられてね?というか無理やり引きずられてね?
24 :ソボクなぎもん :2012/12/05(水) 18:21
「さっきすぐサイダー飲んでたから絶対まだいるよ」
「なんで小声なんだよ…。てかさっきすぐってなんだよ…」
「いいの!これからしゃやしさんをりこうするの!」
「尾行だろ…」

結局謎の探偵ごっこに付き合わされることになってしまった。

とりあえず…ドアに隠れて鞘師さんを見たら…。
鞘師さんはサイダーを味わって飲んでた。

いつもどおりのかわいい顔の鞘師さんだった。

「なんだよまーちゃん、鞘師さんいつもどおりじゃん」
「さっきは怖かったんだもん…」
「うーん」

まーちゃんの考えることはよく分からん。

そうやって黙ってみてると、ソファーでサイダーを飲んでた鞘師さんと目があった気がした。
まーちゃんも同じだったのか、ピッとかいいながら隠れる。

「ちょっ、目ぇ合った!」
「どうしよどうしよ」
「覗いてたのばれたんじゃないの?もう…まーちゃんのせいだからね?」
「だってだって!」
「どうすんだよもう…」


「何をどうするって?お二人さん」


「ヒッ!」
「しゃやしさん…」

いつの間にか後ろに鞘師さんが立ってた。

…まーちゃんの言うとおりだった。
鞘師さん怖い。

なんか、ズウウンって感じ。
ハルとそんな身長変わらないのに、なんかすごい迫力がある。今日の鞘師さんは。
25 :ソボクなぎもん :2012/12/05(水) 18:22
「いやっ、あの、ホントなんでもないんスよ」
「なんでもないんす!」
「いやいや、覗いてたじゃんどう考えても。どうしたの?」

どうしたの?がこんなに怖いことなんてあったかってぐらい怖いんですけど、鞘師さん怖い!

「だって、しゃやしさん今日なんか怖くて!まーちゃん気になってたんです!」
「うわああ、まーちゃんブッ込みすぎだろ!すいませんすいません、まーちゃんがどうしてもって!」

「怖い?うちが?」

「はい!なんかね、さっきまーが鞘師さん見たときにね、怖い顔で紙ぐしゃーってしてゴミ箱にドシャン!て投げてたから。どうしたのかなーって」

その話さっき言ってなかっただろ!
とは口に出せず、とりあえずまーちゃんを引きずり上げて立ち上がった。

「そんな顔してたかな?」

鞘師さんは意外にも怒った風じゃなかったけど、でもなんだかちょっといつもと違って近寄りがたい感じはした。

「はい!」
「なんでまーちゃんはそんな自信満々なんだよ」
「だって気になったんだもん」

ぷうとほっぺたを膨らませて少しご機嫌斜めになった。
まったく…まーちゃんは本当に分からん。
26 :ソボクなぎもん :2012/12/05(水) 18:22
「鞘師さんホントすんません…別にまーちゃん悪気あったわけじゃないんです。でも!なんか悩みとかあったらほら、えっとハルたちに言ってもいいことだったら言ってください!」
「ってください!えへへ」

そういうと、鞘師さんはふっと笑って

「ありがと」

って言ってくれた。
でもやっぱりなんかいつもとは違った。

ハルたちにも言えない悩みとかがきっとあるのかもしれない。

…つっても、ハルたちはやっぱり後輩だし、そんな悩み話してくださいとかホントは言っちゃいけなかったかも…。
大きなお世話しちゃったかもしんない。

鞘師さんは手を振ってそのまま出ていった。


……でも。

なんかスッキリしないな。


「まーちゃんしゃやしさん怒らせちゃったかなぁ」
「とりあえずまーちゃんのせいではないんじゃない?」
「そっかぁ。じゃあいいか」

そういうとお菓子食べよとか言って、自分のバッグの方に走って行った。

…なんなんだよ。
なんだったんだよ。

まーちゃんが絡むといつもこんなのばっかりだ!
でも分かっててハルはまーちゃんと一緒にいるし、何故か勝手に通訳にされるし。

とりあえずよくわかんないことに巻き込まれたし、なんだか納得いかないのでこっちだって治まりつかない。

だから――

「まーちゃん!ハルにもお菓子!!」


27 :高津 :2012/12/05(水) 18:25
更新です。
たぶん本日はもう1回ぐらい更新すると思います。

>>21
ひゃっほーいありがとうございますw
二人だけの世界観も好きですが、間に誰かいれるのが結構楽しかったりしますw

>>22
脳内再生嬉しいです!
書くにあたってできるだけそれを目標にしてます。
外でSSはご注意をw
28 :判決待ちからの…? :2012/12/06(木) 16:57
「怖い、かぁ」

2人と別れて、さっきのことを思い出す。
昨日の出来事はなんとなく収まりがよくない。

自分がやったことなはずなんだけれど、もやもやが抜けてくれなくて。
なんともつかない憤りを、紙くずにこめてしまった。

そしてまーちゃんに見られた。

「見られたのはよくなかった…うん」

うちが結構暗い子って知ってるのってどれぐらいいるんだろう。
年長の先輩はもう分かってることだと思う。
特に田中さんには見抜かれてるし、道重さんも基本的には察しがいい。

同期も言わないだけだし、10期の子はどう?
…亜佑美ちゃんは?


自分が暗いのにたまにイライラすることもある。
みんな楽しそうなのについていけなくて、1人で行動が結構多い。

別に仲が悪いってわけじゃない。

ただ、自分が場違いじゃないかって感じることがあるだけだ。


「はーぁ…」

今日のレッスンはもう終わりっぽいし、帰って勉強でもしようかな。

と思って顔を上げると、


「わあ!」
「うわっごめんなさ…い…」

「「………」」

「亜佑美ちゃん…」
「鞘師さん…」

曲がり角でぶつかりそうになるというベタな感じになっちゃったけど…。
今一番会いたくなくて…会いたかった人に会ってしまった。

今日のレッスンは期ごとにしてたから…会ってもみんないたし、声なんてかけられなかった。
29 :判決待ちからの…? :2012/12/06(木) 16:58
「あの、昨日は、あの」
「さっ、鞘師さんちょっとこっち来てくださいっ」
「えっ?何何っ、ちょっ、亜佑美ちゃん!」

そのまま引きずられて誰もいない部屋に連れてこられて…後ろ手にドアを閉めて、亜佑美ちゃんは俯いた。

「鞘師さん」
「は、はい」
「昨日の、話なんですけど」
「はい…」

これは死刑宣告だと思った。
うちがあんなこと言ってしまったから。

もうこんな感じになってる時点で、関係としては思わしくない状態になってる。

思いのままに告白してしまったことがこんな風になる。
今までと同じではいられないと思ったけど、こんなにつらいなんて思いもしなかった。

「そんな、困った顔しないでください」

困ったような笑顔で亜佑美ちゃんが言う。

「私ね、たくさん考えたんです」
「う、うん」
「私にとって鞘師さんってなんなんだろって。もちろんメンバーで、先輩で、でも…年下で。今更ですけど、やっぱ最初は抵抗ありました」
「そうなんだ…」
「でもね、なんかモーニング入って、すごく変わりました。私自意識過剰だったなって。鞘師さんすごいもん」
「うちなんか…」
「そんなことないです。やっぱり鞘師さんすごい。だから…!」

バッと上げた顔は濡れていて、亜佑美ちゃんが泣いてたことが分かった。

――それがすごく嫌で。

泣かせてるのがうちだって分かってるから、余計嫌だった。

「泣かないで…」

思わず踏み出して、親指で涙を拭う。
30 :判決待ちからの…? :2012/12/06(木) 16:58
「…鞘師さんはずるいです」
「ずるいって…」
「普通こんなこと…します?そんなんだから、私…」
「亜佑美ちゃん…」

「もぉ、なんっ…うっ…もっとわかんなくなるぅ…」
「なんで…?何がわからんの…?」
「ちゃんと言いたいのにぃ…」

そのまま亜佑美ちゃんは本格的に泣いてしまって。
うちはぽんぽんと背中を撫でるぐらいしか出来なかった。

ぼろぼろ流れてくる涙は、私の小さな親指では太刀打ちできなかった。


どれぐらい時間が経ったんだろう。
ようやく亜佑美ちゃんは落ち着いてきて。

「す、すいません…鞘師さん、も、大丈夫です」
「そう…?」
「はい…。すいませんホントに…」

うちは内心気が気じゃなかった。
判決の瞬間はこんなに怖いんだ。

「無理、しなくていいよ?」
「え?」
「だって、なんか、アレなんでしょ、こう…ほら、お断りだ、的な?」
「えっ」
「うちもほら、焦ってたし!あの、亜佑美ちゃんがメールでほら、嬉しかったっていうのは、なんていうの、うちを困らせないために言ってくれたってだけ…」

「違います!!!!」

突然の大きな声に、うちもびっくりしたけど亜佑美ちゃん自身が自分の声に驚いてたみたい。

「ご、ごめん…」
「私は、ホントに嬉しかったんです!鞘師さんが好きだって言ってくれて…」
「そう、なの…?」
「でも、鞘師さんと同じ気持ちなのか分からなくって、でも誰かと一緒にいる鞘師さん見てもやもやしてて…わかんないんです、まだ」
「そう…なんだ」

やばい。
なんだか嬉しいぞ、これは。
31 :判決待ちからの…? :2012/12/06(木) 16:59
「もぉ…だから私どうしたらいいのか分かんないんです!ていうか!鞘師さんはどうしたいんですか!?」
「へぇっ!?」

2度目の大きな声と内容にこっちも素っ頓狂な声が出てしまった。
目に涙浮かべながら詰め寄ってくる亜佑美ちゃんにびっくりしつつも、なんだか嬉しい。

「ちょ、何笑ってんですかぁ」
「いやぁ…ンフフ」
「とにかく、鞘師さんはどうしたいんです?」

急に強気になった。
それもまた嬉しくて、口角が上がってしまう。
今のうちは相当気持ち悪いと思う。

「うちとしては…その、まぁなんというか…えーとだな、亜佑美ちゃんがよければ付き合いたいかなーと…」
「あ、はい…」

変な空気が流れる。

「な、なんか言ってよ」
「いやっ、あぁそうだったのか…と思って」
「何いってんの!だ、だって好きっ…だし…じゃけぇ付き合いたいって思うもん…」

語尾が小さくなってしまった。
ああ…もう、めっちゃ恥ずかしい!

「さ、鞘師さん照れてんですか?」
「照れてるっというか、恥ずかしい…」
「照れてんじゃないですか」
「こんなん照れるじゃろ!普通!」

なんかもう顔も熱くなってしまってるし、どうしよう。
うちがそんな中、亜佑美ちゃんは目を細めてにこっとしてて。

「よかった」
「…へ?」
「好きだけ言われて、私はどうしたらいいんだろうって思ってたんで…へへ」
32 :判決待ちからの…? :2012/12/06(木) 16:59


――あ。

し、しまったああ!!
今そう言われて気づいた!

うち、好きしか言ってない!

「ごめん、亜佑美ちゃんごめんね!」
「えっ、何がですか?」
「いっぱい困らせたじゃろ?うち、好きだけしか言ってなかった…そのあとどうしたいとか何も言ってなかったね、ごめんね…」
「あはは、ホントですよ〜。鞘師さんは一言多いのに、肝心なときに一言足りないんですから」
「う、うぅ…何にも言えん…」

メンバーにも散々いじられたけど、ここで本格的に明るみになった上実感するはめになるとは…。

でもでも、とりあえずこれから付き合える…のかな?
ん?でもあれ?

「あ…亜佑美ちゃんは、どうしたいのか、聞いてなかった…」
「私ですか?…私は、鞘師さんがよければ。…いや、そうじゃないな」
「ん…」
「私でよければ、是非」
「そっ、それは、いいってことでいいの?」
「もちろん」

そう聞いた瞬間、全身に幸せが広がっていく気がした。

大好きな大好きな亜佑美ちゃんと付き合うことができるんだって。

「いひひっ、にひひひっ」
「何、鞘師さん気持ち悪い!」
「や、ちょっとひどい!嬉しさが笑いに出ちゃっただけだよ!」

そのあとよく分からないツボに入っちゃって、2人でめっちゃ笑い合った。
なんだかそれも楽しくて、嬉しくて。

もうホントひゃっっほーい♪( ´θ`)ノって感じだった。

嬉しい、嬉しい!

「あはは、やばい、超嬉しい今」
「それはよかった。…私も嬉しいですし」
33 :判決待ちからの…? :2012/12/06(木) 16:59
あ。
そういえば唐突に思い出した。
聞かなきゃって思ってたんだ。

「ねえ亜佑美ちゃん」
「ん?何ですか?」
「しなきゃないってどういう意味?」
「あっ、あー、教えてなかったですね」
「どんな意味?」
「しなければいけないってことですよ。…あっ」
「ん?」

亜佑美ちゃんがニマニマし始めた。
こういうときはなんか狙ってるときの顔だ。
仕事中だと百発百中で滑るけど。

「ふふふ、鞘師さんは私を幸せにしなきゃないってことです。ハイ」
「おぉ。頑張る。ンフフ」
「また笑ってる!ウケる」
「ウケんでよ、そこは。幸せじゃろ?こういうの」
「そうですけどぉ」


そうやってじゃれあって、なんだかくすぐったい。
これが恋っていうのかな?
なんかすっごい恥ずかしいけど。

でもとにかく嬉しい。

もっともっと亜佑美ちゃんを好きになりたい。
好きになって欲しい。

だから頑張ろう。

まずは、もっとあなたのことを知ることから。


「ね、亜佑美ちゃんはうちのこと好き?」


「大好きですよ!」


…っっっ!!


ひゃっっほーい!!!( *´θ`)ノ

34 :高津 :2012/12/06(木) 17:02
更新です。
昨日更新するとかいって更新できず申し訳ありませんでした!
完全に予定は未定みたいな展開に…w

そしてそういえば、焼鳥つくね丼食べてきましたw
お肉とタレとごはんが合う合うーっ!でしたww

それにしてもいつものことながらタイトルのセンスがない…w
35 :センパイ×2+1 :2012/12/07(金) 23:38
「ねえちょっとれいな!!…あいたっ」
「なんね、そんなおっきい声だして」

勢い余ってドアに足ぶつけたぁ!
楽屋で野菜ジュースを飲んでるのは知ってたから走ってきちゃったけど…。

「今…さゆみすっごい恐ろしい話聞いちゃったんだけど…。やばい…超足痛い」
「何、もう?」

勿体ぶらないで早く言えみたいな顔してるし、声してる。

「なんか、りほりほが…」
「何、鞘師がなんしようと」
「りほりほ付き合ってる人いるんだってー!!!」
「はぁーー!?」

ガタンと椅子から立ち上がって、野菜ジュースをちょっと強く握っちゃったみたいで、うわうわこぼれた!とか言ってる。

「もー!さゆのせいよ?」
「気になるやろ?」
「なるけど!こぼした!さゆティッシュ!」
「あぁハイハイごめんね」

言われるがままにティッシュを取ってあげるさゆみ。
あぁ優しいなぁさゆみは。
ティッシュを渡されたれいなはちょっと不機嫌っぽくなってるけど。

「心がこもっとらんし、で?何、鞘師が誰と付き合っとーと?」
「フフフ」
「笑っとうし。てか何鞘師、モーニングの自覚あると?まだちょっと早くない?」
「まぁそんなに怒らんでもいいのよ」
「え?どゆこと?…あ、まさかまさか?」

れいなも察したみたいで、ニヤニヤし始めた。
まぁでも…話題的には面白いけど。
36 :センパイ×2+1 :2012/12/07(金) 23:39
「そうなんだよねー…グループ内恋愛です」
「アッハッハ、モーニングは外の恋愛禁止やけど、グループ内は別に禁止やないけんね」
「もぉーりほりほ取られたぁ!」
「アハハハ!超ウケる!誰、誰よ?」
「石田…」
「ヤバーイ!!ウケる!!」
「さゆみ的には超ショックなんですけどぉーーもう…マジでショック…さゆみのりほりほが…」
「別に鞘師もさゆのもんやないっちゃろうが」

冷静にツッコミを入れてくるれいな。
ツッコミはさゆみのポジションなのに!

もう色々頭が混乱してる。

「しかも石田っていう…」
「いいやん、元々あの2人仲よさそうやったっちゃろ」
「もぉー!やだー!あ、れいなお菓子ちょうだい」
「ほい。…まぁれーなはギスギスせんでくれれば、なんでもいいっちゃん」

れいなはこういうのはさらっと終わらせちゃう。
サバサバ系ってのはれいなのこと言うと思う。マジで。

基本れいなは自分に迷惑かけなければいいって感じだからなぁ…。
羨ましい。

それに比べてさゆみは真面目に嫉妬ですよ。もう。

「あぁもう!石田!ずるい!」

れいなはさゆみを見ながら呆れ半分。
いいですよー、さゆみはこういう役回りだもん…いつも。

「まぁでもさー、正直りほりほ見てたら石田のことよく見てたからね。分かるっちゃ分かる」
「おぉ、認めとうやん」
「だってさゆみりほりほのこと、ほんっと、すっごい見てるからね」
「キモっ」
「ちょっとキモいとかいわんで!かわいいから仕方ないやん!」
「さゆはちょっとストーカー入っとうよ」
「えー!?普通じゃない?かわいい子いたらちょっと写真を…ってならん?」
「ならん…」

また呆れられた。
最近絶対このパターン多いと思う。

さゆみはただかわいい子が好きなだけなのに!!
37 :センパイ×2+1 :2012/12/07(金) 23:40
「てかさゆ、その話って誰から聞いたと?」
「生田」
「へぇ〜」

れいなは意外〜みたいなことを言いながら、さゆみのお菓子をつまんでる。
もう、すごい食べてない?お菓子ばっかりだから大きくならないと思うの。
てかさゆみももっと貰おう。れいな食べすぎやし。

しかしさゆみのこの胸の動揺は抑えきれないわけで。
でも…

「……あーでもさゆみ見てるほうがいいかもしんない」
「そうなん?」
「なんか9期10期楽しそうって思っても、中に入らないで見てるほうがかわいいとか思わん?」
「それは分かる。あーなんていうとかいな…なんかワイワイしとうやん、いっつも。うるさーい!とか思うっちゃけど、なんかね、かわいい」
「じゃろー?」
「あ、れーなちょっとトイレ」
「はーい」

れいなの話の腰を折る能力は天下一品だと思う。
いいの、もう慣れたから。

もはやさゆみが許してくれると思ってるからの行動だと思うし、まぁ信頼してるし…というか別に怒ることじゃない。
そもそも嫌な気はしないし。



それにしても、りほりほが石田とねぇ…。

さゆみはここでこうやって10年ちょっと過ごしてきて、色んな人の恋路を目撃してきたわけで。
幸せそうなのも見てるし、ケンカも見てるし、泣いてるところも見てた。

ちょー現実的かもしれないけど、ホント、外への恋愛はご法度だし。
だからかもしれないし、そうじゃないかもしれないけど、このモーニングっていう場所はそういう人を惹きつけるのか、なんだか『そういう』子が多かった。

今怪しいのはフクちゃんかな。
あの子は本当にそういう子なんだと思う。
グループの雰囲気にあてられてるわけじゃない感じだし、そっと見てる感じがね。

さゆみ自身は…まぁ少し今は保留。
かわいい後輩を育て上げることの方が今は大事だし。
38 :センパイ×2+1 :2012/12/07(金) 23:41


"コンコン"


あ、誰か来た。

「どうぞー?」

れいなかな?

「失礼しまー…す」

……おお、ちょうどいいところにちょうどいい人がきましたよ。

「石田ぁ、ちょっとこっちきて」
「えっ、えっ…はい?」

ちょうどいい。
これぐらいは許してもらわないと困る。

と、前もって思いながら。


「さゆみのりほりほ取ったでしょ〜〜〜!!」
「えっ!?あっ…あのっ、えーっと、ごめんなさい!!」
「絶対許さなーーい!」
「ええぇー!?すいませんっ!ごめんなさぁい!…えっ、ちょっ、アハハハハハ!!やめっ!道重さんやめてください!!イヤアハハハハ!!!」
「このままくすぐり地獄だーー!」

ホント、これぐらいは許してもらわないと収まりがつかないんだから!

「何コレ?楽しそう!ウケる!アッハッハッハ」

トイレから帰ってきたれいなが何故かウケてるし。


「苦しっ、もぉーー道重さんやめてくださアハハハハ!!」


石田をくすぐりながら思う。

さゆみはみんなの幸せな顔が好きだよ。

だから、泣かせたら許さないの!


39 :高津 :2012/12/07(金) 23:43
更新です。

今更だけど、ソボクな疑問にて佐藤が鞘師さんってはっきり言っちゃってるとこありますねw
すいませんw
実際はしゃやしさんじゃなく、「しゃーしさん」に聞こえるときがあるのでそうしたかったんですが、
違う意味に聞こえるのでやめましたw

そして今回は嘘博多弁vs嘘山口弁(ちょっとだけ)でした。
難しいですw
脳内補完してくださると幸いですw
40 :名無飼育さん :2012/12/09(日) 23:26
いろんなメンバーの視点から2人の事が描かれている作品は、910期作品としてめずらしいですね!
大体、短編だと2人の間で終始してしまうので。
短編だけど繋がってる高津さんの作品は、続きがとても楽しみだったりします。
果たして他の9期メンバーはどの様に絡んでくるのでしょうか?2人の今後も気になりますw
さゆとれいなの会話は自分が北国育ちのせいもあり違和感なかったですヨ。
41 :決戦前インターバル :2012/12/10(月) 23:01
お付き合いを始めて1週間。
それは突然訪れた。

「おっ、おとっ、お泊まりっ…」
「ど、うですかね?」
「おおぉ…」

出会ってもう1年も過ぎ、お付き合いして1週間。
お泊まりですか!

そして、我々はですね…実はキスもまだだったりするのです。
手を繋いだり、はぐはぐしたりするぐらいです。
至極健全なお付き合いをしております。

「おうちの人は?」
「いや、なんか仙台の実家に用事があるとかで、ちょっと週末戻るーっていう話らしく。私もたまには一人で過ごしてみなさいと」
「は、はーなるほど…」

い、いかん。
動揺している。

今まではなんとも思っていなかったであろうお泊り。
むしろ違う意味では楽しみだったと思う。
女の子同士でキャッキャッみたいな、今まではそういう意味では、うわー!楽しみ!早くお泊まりしたーい!

…とかなってたはずなんです。

はずなんですよ。

でもこれが、亜佑美ちゃんだけとのお泊りとなるとまた話は別。
お泊まりしたいしたいしたい!!という気持ちもだけど、それとは別にどうしようどうしようという動揺の方が大きい。

「なので、どうですかね?正直料理もするわけじゃないし…一人で過ごすっていっても、なんかねぇ?寂しいじゃないですかっ」
「それで、うち」
「ハイ」

亜佑美ちゃんのキラキラおめめが眩しい。
期待されてる。
うち期待されてる。
42 :決戦前インターバル :2012/12/10(月) 23:01
「都合悪そうです?」
「いいいいいやっ、そんなことないっ!行く!行きます!」
「ホントですか!やった♪」

ちょっと顔がこわばり気味なうちとは対照的に、亜佑美ちゃんは嬉しそうだった。
うちはこんなに緊張しているというのに…。

「いっぱいお話しましょうね!」
「う、うんっ」

眩しい!眩しいよ亜佑美ちゃん!

「じゃあまた金曜の夜に!」
「分かった。楽しみにしてるね」
「ハイ!」

そう言って、亜佑美ちゃんは足取りも軽く去っていった。

「っ…はぁぁ……」

胸に溜まった熱を吐き出す。
いつもわりとドキドキしてるけど、こんなにもドキドキすることなんてあったかなって言うぐらい。

お泊りって。
さっきの亜佑美ちゃんから想像するに、あんまりたいしたことではないと思ってる…んじゃないかと思う。

だからこその自分の不健全さに嫌になる。
いや、本当に…別にどうってことはないんだと思う。きっと。

けれど、うちとしてはもう一歩先に進みたいというのも事実だった。

「りーほーちゃんっ♪」
「わあ!」

突撃されたのと声にびっくりして振り向くと、超ニコニコ顔のフクちゃんが後ろから抱きついてた。

「びっくりしたよ」
「ふふー。お泊まりですかぁ」
「えっ、ちょっと、聞いてたの!?」
「聞こえてきたんですぅ」

「聞こえてきたんですぅーー」
「里保ちゃんも隅に置けないね」

フクちゃんの後ろからは、えりぽんのニヤニヤ顔、香音ちゃんすらもニコニコしている顔が見える。
…勘弁して欲しい。
どうしてここの人たちは覗き見とか、そういうのが好きなんだろうか。
43 :決戦前インターバル :2012/12/10(月) 23:02
「ていうか里保動揺しすぎやしね」
「聖もそれ思った!」
「そういえばそうだよね。あんまり里保ちゃん動揺って感じしないもんね」
「あー分かる。いつもクールな感じやけん、顔にあんまり出んよね」
「そうそうそう。ただ普段は、の話だよ。いやー、里保ちゃんも人並みに感情を表に出すんだよ…ふっふっふ」
「ねー!前とか聖いっぱい甘えてこられたもん。あ、里保ちゃんほっぺやわらかぁい♪」
「浮気や浮気!」
「こ、これは一大事ですよ!まさかの浮気事件勃発か!?」

好き勝手なこと言ってるし…。
ていうかフクちゃんに至ってはずっと抱きついてるから、その…色々と困ります。
でもそれを顔に出すほどうちもバカじゃない。

「浮気してないし。ていうかフクちゃんはもう離れて」
「里保ちゃん冷たぁい」
「つめたーい」
「クールだなぁ」

まったくもう。

「なんなんだ、キミたちはもう。うちはこれからレッスンで忙しいのです」
「これからレッスンなのは衣梨たちも一緒やん」
「そうだそうだー」
「里保ちゃん冷静さを失ってるね。顔が赤いぜ…」
「うっ…嘘だっ」
「里保さっきからほっぺた真っ赤よ?」
「嘘だぁぁ。うわぁああ」

ひー!恥ずかしい恥ずかしい!
なんてことだ…。

「ていうか、もう、あれだ、触れないで。動揺していたのは、認めます」
「おぉ」
「色々考えることがうちにはあるですよ。では、うちはトイレに行ってから行きますので」

もう半分おちゃらけた振りでもしてないとやってられない。
そのままシュタッとでも音が出そうな手振りをして、トイレにダッシュした。

後ろでえりぽんの、逃げた!という声が聞こえたけど知らない振りしてそのまま走った。
そして個室に飛び込んだ。
44 :決戦前インターバル :2012/12/10(月) 23:02

…そもそもえりぽんがどこから嗅ぎつけたのか、道重さんに話を漏らしてしまったことが原因で大変なことになってしまった。
亜佑美ちゃんが、道重さんに襲われちゃった…とかなんかちょっと嬉しいんだかよく分からない顔をして戻ってきたときには…。

あの時は本当に驚いた。
思わずうちもダッシュで道重さんの元に行ったものの、抱きつかれて…りほりほと連呼されて、お嫁に行かないでーとかわけの分からないことになってしまった。
横にいた田中さんが、鞘師困っとうやんと言ってくれなかったら大変だったと思う。
田中さんには頭が上がらない。
今度お菓子とサイダーでも差し入れしようと思う。

もうメンバー内公認の中になったのは、隠すこともなくなったからいいとは思うけど…やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい。
たまにくどぅーとかに亜佑美ちゃんも囃されて、コラーッ!とか言ってるのを見る。

とりあえずそっとしておいてくれ…。

いろんなことを考えつつ、携帯を見たらもうそろそろ始まる時間だった。


ちなみに、この日のレッスンは半分上の空、半分集中できたという、中途半端な感じで終わってしまった。
最悪だ…。


45 :決戦前インターバル :2012/12/10(月) 23:03



――それから2日過ぎて。


いよいよ、決戦の金曜日。

ただでさえ大きいうちのバッグは荷物パンパンで、その上もう1つバッグが追加されていた。
えりぽんには、里保気合入っとうねとニヤニヤされた上、あぁー!衣梨奈も新垣さんの家にお泊りしたいいい!とか言い出して、フクちゃんを困らせていた。
そうだそうだ。えりぽんはあのままフクちゃんに怒られればいいんだ。

「鞘師さんすごいっスね」
「へ?何が?」
「荷物」

レッスン終わりにぼやーっとしてたうちに、くどぅーが話しかけてくる。
そしてそのままうちの隣に座って、荷物置き場を指差した。

「あぁー」
「一泊の荷物じゃないっスよ」
「いいのっ。使うものちゃんと入ってるんだから」
「なんか、よかったですよね。ホント」

図星を指されて、うっとなってたうちの気分を変えるように話を切り替えられた。

「なに?」
「いや、なんていうんですかね。うちのあゆみんさん、すごい嬉しそうでしたよ。なんか、鞘師さんが今日泊まりに来るの!とか言って」
「そ、そうかー」
「あゆみんって結構分かりやすいんですけど、今日はいつも以上にピョンピョンしてますもん」

ついていけねーっスよ、と言いながらくどぅーは笑った。
46 :決戦前インターバル :2012/12/10(月) 23:03
「なんかあゆみんだけじゃないけど、10期のみんなが楽しそうだとハルも嬉しいし。なはは」
「そっか…ま、うちもそうかな?」
「9期のみなさんっスか?」
「そそ」
「ですよね。……ま、あれですよ。ありがとうございますってことです。鞘師さんに」
「なんでどぅーがお礼言うのさ」
「いいんスよ、そこは!…てな感じなんで!じゃ!」

返事もする間もなくくどぅーは行ってしまった。

…そっか、嬉しそうだったか。

ニヤけが抑えられない。
隠すために頬に手を当てるけど、なかなか解消してくれない。

もう着替え終わった。
あとは決戦場に挑むのみ。

そしてその決戦の始まりは……

「あ、鞘師さん準備万端ですよ!」
「あ、うん」

この人の一声からだった。

レッスン終わりに顔を洗ってきたとはいえ、上気したちょっと赤いほっぺに釘付けになってしまう。

…いかんいかん。
うちはいそいそと、でっかいバッグを2つ持って亜佑美ちゃんのもとに向かった。
47 :決戦前インターバル :2012/12/10(月) 23:04


「うわさむっ」
「ホントですね」

この時期って夜は本当に寒い。
うちは広島モンじゃし、東京の冷たい風にはなかなか慣れない。

「そう言いながら亜佑美ちゃんあんま寒そうじゃないけど」
「いやぁ…まぁこんぐらいは許容範囲内かなって。一応東北出身なもんで」
「あ、そっか。きっともっと寒いよね」
「そうですよ。雪はあんまり降らないですけど、仙台」
「あ、そうなんだ。東北ってどこも雪降るのかと思ってた」
「日本海側じゃない…えーっと、あれだ、太平洋側はあんまり降らないみたいです。まぁ山とかは降りますけどね」
「へぇー勉強になる」
「ふっふっふ」

亜佑美ちゃんはドヤァとばかりに、口元を手で押さえて笑った。
そして押さえてる反対側の手は、うちの右手と繋がってた。

それがすごく嬉しくて。
楽しくて。
指先は少し冷たいけれど、内側がすごくあったかい気がした。

無言の時間は続くものの、足は止まらない。
ふと亜佑美ちゃんの横顔を見ると、ほぅ…と白い息を吐き出してる。
なんかすごく絵になってた。

亜佑美ちゃんは横顔がすごく綺麗。
もちろん正面から見たって美人なんだけど、すごく、なんというか…。
横顔に心臓を持っていかれそうになる。


「ん?」
「イヤイヤ」
「今すっごい見てませんでした?」
「見てないよぉ。イヒヒ」
「嘘だぁ」
「ンフフ、見てた見てた」
「どうしたんですか?」
「いや、なんとなく。…かわいいなって」

亜佑美ちゃんは、口をイーッとしたあと、照れるからやめてくださいよと言って俯いてしまった。

「事実を言ったまでだ。ンフフ」
「もぉー」

そんなことを言いながら、強く手を握ってきてくれて。
気持ちが伝わってる気がしてすごく嬉しかった。


亜佑美ちゃんがもうすぐですね!とか楽しそうに教えてくれる。

――もうすぐ着く。
うちの緊張は跳ね上がるばかり。


今日はうち、一体どうなってしまうんだろう。

48 :高津 :2012/12/10(月) 23:07
更新です!
切り方間違えてしまった…w

>>40
普段は二人完結型で書くタイプなのですが、スタイルを変えてみようと今の形になりました。
長編は苦手分野なので、今後もこんな感じになると思います。
他の9期の子はようやく出したのですが、今後もうちょい出てくる予定ですw
あと、方言ですが自分も北国育ちなのでどっちかというと佐藤のとこの方が得意ですw
違和感なく見えたようでなによりですw
49 :名無飼育さん :2012/12/13(木) 00:04
続きが気になりすぎる!
メンバーのしゃべり方が自然で、話に入りやすくていいですね。
自分も910期で飼育に帰ってきたので仲間がいてうれしいですw
50 :名無飼育さん :2012/12/13(木) 17:01
今1番楽しみにしている小説です。
51 :take a step :2012/12/14(金) 23:21
「あ」

そういえば、と思い足を止めた。

「ん?」
「あ、すいません、よく考えたら料理できるわけじゃないし…何か買っていかないと」
「そっか、そうだよね。何がいいかな?」
「コンビニとかでいいです?」
「だいじょぶ」

家の近くにコンビニあるし、そこで買おうと思い少しだけ方向転換。

こういうとき生田さんはすごいなーと思う。
前に料理するって話してたし。
私も料理できるようになりたいなぁ。

そんなことを考えていると、緑色のコンビニが見えて、中に入る。
暖房がきいてたみたいで、結構あったかい。

「あーっ、あったかい!」
「ホントだ」
「何買います?」
「うちあったかいものがいいなー」

本棚からぐるーっと回ろうとしたら、鞘師さんがUターンした。

「おでんとかですか?」
「んー。きになる」
「おでんお腹溜まります?」
「あー、そっか…うーん」

そう。
よく考えたら鞘師さんよく食べるんだよね。
もぐもぐしてる姿は小動物みたいでかわいいし。

「ふふ」
「えっ、何で笑ったの今」
「いやぁ、ちょっと思い出し笑いです。スイマセン」
「むー」

鞘師さんはほっぺを膨らませて拗ねモード。
うーん。かわいい。

「おでん私が買いますよ。一緒に食べましょ?」
「ホントっ?やったー。じゃあうちはお腹に溜まりそうなのにしよー」

そういうとピョコピョコとおにぎりの売り場に歩いていった。
52 :take a step :2012/12/14(金) 23:22
なんか鞘師さんが歩くと謎の効果音が鳴る気がする。
あくまでも気がするだけだけど。

なんだか鞘師さんがかわいくて、少しキュンとなる。
こんなとき14歳らしいなと思ってしまう。

普段の鞘師さんは、二面性を使い分けてる…らしい。
私から見てもそんな気がする。

クールで真面目な部分と、甘えん坊の部分。
付き合ってからは二人っきりになると、甘えん坊の方に切り替わるんだよね。
それもわかりやすいぐらいに。

そんなことを考えていると、おでんを選んでた私に、おにぎりを持った鞘師さんが声をかけてきた。

「亜佑美ちゃんおでん何にするの?」
「んー、だいこんと…」
「うちはんぺん!」
「はんぺんですね、あとは?」
「ちくわとね、たまご」
「はーい。私はあとつくねとさつま揚げにしようかな」
「んふー。やったっ」

むしろ、年相応よりは幼く見えてしまう。
私は老け顔だから、ある意味羨ましい。

「飲み物どうしよかな」
「サイダー買ってありますよ」
「ホントぉ!?…あ、やばおっきい声出しちゃった…」

コンビニでちょっと騒いでしまって、焦る鞘師さん。
53 :take a step :2012/12/14(金) 23:22
じゃあもうお会計しましょうってなって、レジに向かう。
なんだか鞘師さんが後ろに並んでる。

「あ、鞘師さん出しても大丈夫ですよ。お母さんからお金貰ってきたんで、私」
「えっ、悪いよ」
「大丈夫です!泊まりにくるからって言ったら、夕飯買いなさいって渡されてるんですよ」
「あ、そうなんだ。じゃ、じゃあお言葉に甘えて」

そっとおにぎりセットを置く鞘師さんにちょっと笑いかけて、そのままお会計。
お会計終わりに振り向いたら、鞘師さんが微妙な顔をしてる。

自動ドアから出て、声をかけてみる。

「どうしました?」
「や、どうもせんよ?大丈夫大丈夫」
「そうです?まいっか。じゃあ行きましょう」

こくんと頷いて、持つよと言ってくれる。
じゃあ、とおにぎりのほうだけ渡す。

「おにぎりだけじゃん!」
「だって均等に分かれてないですもん」
「そうじゃけどー」

と言ってる鞘師さんの右手を取って歩き出す。
ぴくっと跳ねる鞘師さんがかわいくて、ついふきだしてしまった。

「なんで笑うんかいねー、もぉー」
「鞘師さんがかわいくて」
「うぅ」

喋らなくなってしまった鞘師さんを連れて、家まで向かうことにした。

そして本当に鞘師さんは家に着くまで、たまにうーとか言って頭をふるふるするだけであんまり喋ってくれなかった。
54 :take a step :2012/12/14(金) 23:22
「じゃじゃーん!到着です!」
「おー、お、お邪魔します…」
「どうぞどうぞ!」

鞘師さんは靴を脱ぎながらきょろきょろしてる。
私はいつもどおりぱっぱと靴を脱いでリビングの電気を付けに行った。

遅れて鞘師さんがぱたぱたとやってくる。

「ただいまーって誰もいないけど!」
「うちがおるよ。ふひひっ」
「そうだった!鞘師さんただいまー」
「亜佑美ちゃんおかえりー」

そんなやりとりをして二人で顔を見合わせて笑った。

「鞘師さんが来るから綺麗にしたんですよ〜」
「ありがとう…」

そういってはにかんだ表情を見せてくれた。

とりあえず家に着いたからには手洗いうがいが石田家の鉄則。
鞘師さんを洗面所に促して、順番こに手洗いうがい。

アイドルは喉大事ですから。うん。

「おでん冷めちゃうし、食べちゃいましょう」
「そだね」

リビングに戻った私たちは、テレビをつけて手を合わせていただきますをした。
それからは他愛ない話をしつつ、鞘師さんはおにぎりセットを食べながら、しっかりおでんも食べてた。
もちろんサイダーもしゅわしゅわぽんしながら。

しかし、本当に鞘師さんは太らないし食べたものはどこにいっちゃってるんだろう…。

「なんか足りないなぁ…」
「亜佑美ちゃんおでんしか食べてないもんね」
「パンとかあったかな…。ちょっと探してきます」
「うん」

探す前に、お風呂入れておこう。
掃除はお母さんがしてくれてるはずだから。
自動で止まる仕組みとかホントすごい。とりあえず終わったらピーピー鳴るはずだから。

そしてそのあとお菓子カゴの中身を漁ったら、パンはなかったけどホームパイが2袋見つかった。
…ないよりましか。
55 :take a step :2012/12/14(金) 23:23
「鞘師さんホームパイしかなかったぁ」
「えっ!?あっ、ホント…」
「どうしたんですか、そんなびっくりして」
「いやぁ…なんか、よそん家は緊張して…」

なんて言いながら、おふふぅーとか言いながら膝を両手でなでなでしつつ正座している鞘師さん。
たまに思うけど、鞘師さんって変な擬音出てるよね。
それもおもしろかわいいんだけどさ。

「んっ、ホームパイおいしいな」
「うちも1個欲しいなー」
「どうぞー」
「ンフフ、うまい」
「それはよかった」

食事とおやつが終了して、ほっと一息。
だらだらとテレビを見ながら時間が9時を過ぎているのに気づく。
テレビでピーピーいってたの気づかなかったかも。
確認しに洗面所に向かったら、ちゃんとお風呂張れてた。

「鞘師さんお風呂入ります?」
「あ、うん。じゃあお借りしてもいいのかな」
「大丈夫ですよー」
「えっと、着替えとタオル出さないと」
「タオルなら貸したのにー」
「なんか悪くて…。持ってきちゃった」

別に気にしなくていいのになぁ。
鞘師さんは妙なところで律儀だ。

それがなんだか面白くて、ついついからかいたくなってしまい…

「あ、そうだ。一緒に入ります?」
「…ほ、え?お風呂?一緒に?……え、あ、は、入らんよっ!!」
「あはははは、冗談です」
「もぉー!お風呂借りるっ!」

そう言って、洗面所に飛び込んでいった。
と思ったら…

「亜佑美ちゃん、お湯…って捻れば出るよね…?」
「出ます出ます」
「……ありがと」

こんな感じで、1人になってから笑ってしまった。
56 :take a step :2012/12/14(金) 23:23
今更思うけど、なんだかすごくこういう時間が楽しい気がする。

最近は本当に2人のときは、クールな鞘師さんは身を潜めている感じで。
そうだからなのか、レッスンのときはあまり近づいてこない。
本当にプライベートと仕事を分けようっていう、鞘師さんらしさがすごく出てる気がした。

…まぁそれはそれで、私的にはちょっと寂しくもあるけど。

てかやばい。
食べたから眠くなってきた。

眠い、寝たらダメ、眠いを繰り返していたら、どれぐらい時間が経っただろう。
洗面所のドアが開く音がした。

「お風呂頂きましたぁ」
「おかえりなさーい。…ふあぁ」
「寝てた?」
「寝てはいないんですけど、ちょっと眠かったです」
「早く入ったほうがいいよ、冷めちゃうし」
「ですね。じゃちょっといってきますねー」
「うん」

眠すぎて洗面所に入って気づいた。

「パンツ忘れた!」
「びっくりした…」
「すいません、パンツで驚かせて」
「だ、大丈夫。パンツはちゃんと持っていってください…」
「はーい。じゃっ、またあとでー」

鞘師さん微妙な顔してた。
大声でパンツはやはりダメだったか…。

ここは私んちだけど、家にいるのと変わんない感じでやってしまった…。
変な子だと思わなかったかな。

ま、まぁでもいいよね!ギャグだし!ギャグギャグ!

とりあえずそんなことを考えながら、シャワーを浴びた。
57 :take a step :2012/12/14(金) 23:23
58 :take a step :2012/12/14(金) 23:23
59 :take a step :2012/12/14(金) 23:23
 
60 :take a step :2012/12/14(金) 23:24
「はぁぁぁぁぁ…」

ようやくお風呂に入ってくれた。
うちの緊張は収まることがなく、常にバクバクしている。

…ってことに、亜佑美ちゃんは気づいてるのかな。

気づいてないだろうな…。

お風呂一緒に入る?にはもうホント心底焦った。
確かにメンバーとは温泉に入ったりとかしてるけど…それとこれとはまた別なのだ。
亜佑美ちゃんと一緒のタイミングにはできるだけ見ないようにしてたし、とにかく他のメンバーとおしゃべりして誤魔化したかった。

そしてさっきのパンツ。
亜佑美ちゃんは本当に分かってるんだろうか。

「分かってねぇーーー…!」

付き合ってもまったく意識されてない気がしてならない。

そもそも亜佑美ちゃんはうちのこと好き?
でも大好きって言ってくれたよね?
でもでも、最初はわかんなかったみたいなこと言ってなかったっけ?

そんなことがぐるぐる頭の中を回る。

「だっ、だめだ」

こんなことを考えててはどんどん沈んでしまう。
もっと距離を詰めることを考えよう。

まだ付き合って1週間。
分からないことだってたくさんある。

どんどん知っていけばいいんだ。
61 :take a step :2012/12/14(金) 23:24
「よしっ」

気合を入れたところで、目に入ったのは飾られてた写真。

「あ…」

みんなで撮った集合写真。
新垣さんもいる。
いつだっけこれ、ウルトラスマートの前かな?
たぶんライブ前にプライベート的な感じで撮ったやつだったはず。

そういえばこの写真、センターがうちと亜佑美ちゃんだった。
このときは大変だったなぁ。

隣が亜佑美ちゃんだから内心すごいドキドキして、うちはちょっと微妙な顔で写真に写ってる。

亜佑美ちゃんかわいいなぁ…。
写真で見てもかわいい。
実物はもっとかわいい。

そしてここは改めて思えば亜佑美ちゃんの家…。

さっきからずーっと緊張してる。ホントに。
いつになったらこれが治まってくれるのか。

いや、むしろ今が一番落ち着いてるかもしれん。

よし、頑張ろう頑張ろう。
うちは今日頑張るんだ。
今決めた。うん。
62 :take a step :2012/12/14(金) 23:24
 
63 :take a step :2012/12/14(金) 23:24
64 :take a step :2012/12/14(金) 23:24
 
65 :take a step :2012/12/14(金) 23:25
「何ガッツポーズしてるんですか?」
「うわぁ!?」
「アハハ、びっくりしすぎですよ!」
「お、おぉごめん…気づかなかった」

人が正座で飛び上がるのをはじめてみた。
いや、そこまで飛び上がってはいないけど、ビクッとなった鞘師さんを見るのはちょっと面白かった。

「お風呂上がりましたー」
「お疲れ様でした」
「いいえこちらこそ?」
「フフフ」

なんだかんだしてたので10時を過ぎてしまった。
女子のお風呂は長いから仕方ない。うん。
ちょっと早いけどいっぱい話そうって言ったし、もうお布団入ろうかな?

「鞘師さん、今布団敷いてきますね!」
「えっ、お布団?」
「はい、私のを敷いてこようかと…」
「うちは?」
「鞘師さんは私のベッドで寝てください」
「えーーーっ、ダメだよ!あ…あー…悪いよ!!」
「でもお客さんだし…」

どうしよう。
布団2つもあったっけ?

「えっと、じゃああれです。布団もう1つあるか見てきますね!」
「えっ」

と同時に、両親の寝室に向かおうとした私のパジャマが引っ張られる感覚。

「ど、どうしました?」
「えーっと」
「あの、布団…」
「いや、あのっ、あのねっ」
「は、はい?」
「あのっ…あのだな…」
「はい…」
「あっ、亜佑美ちゃんがよければ、あの、うちと一緒に寝て…ください…布団は、いいので」
「えっ!」

あっ、あー…そういう手もあったか。
なるほど。
66 :take a step :2012/12/14(金) 23:25
「鞘師さんがいいなら!私は大丈夫ですよ?ちょっと狭いかもしれませんけど」
「いいっ、全然大丈夫!うちは平気。何も問題ないです」
「おぅ、そうですか。じゃあ部屋行きましょ?」
「の前にうち、歯磨きしたい」
「あ、私も」

部屋に向かう前に忘れてた歯磨きをしに洗面所へ。
そのあとすぐに自分の部屋に向かった。

「おぉ、これが亜佑美ちゃんの部屋…」
「リビングと違ってあんま綺麗じゃないですけどねー」
「全然大丈夫だよ!うちもっと汚い…」
「鞘師さん片付け苦手って言ってましたよね、どっかで」
「うん…」

鞘師さんはまたきょろきょろ。
特別面白いものなんてない気がするけどなぁ。

「お布団入っちゃいましょ?中のほうがあったかいですよ!私お風呂上がりだし」
「う、うん」

お先にどうぞと鞘師さんを壁際にすすめる。
続いて私も。

「わ!やっぱちょっとひやいね」
「ひやい?」
「あ、冷たい。ニヒヒ」
「じゃあ私が暖めてあげますよー!」
「わあ!」

布団の中で抱きついたら、急に大人しくなってしまった。

「鞘師さん?」
「………」
「どうしました?」

なんか、難しい顔をしてる。
67 :take a step :2012/12/14(金) 23:26
「……亜佑美ちゃんは、気づいてない?」
「えっと…なんでしょう…」
「気づいてない」
「あの…」
「うち…ずっとドキドキしてた。亜佑美ちゃんがお泊まりって言ってくれたときから」
「あ、はい…」
「でも、亜佑美ちゃんはそうでもなくって、うちは、さっきお風呂一緒にとか言われて、すごい緊張して、冗談って分かっても、バクバクして」


あ…。


「今だって、すごい、もう…なんてーのかな…どうしようもなくドキドキしてる」

「だから、気づいてない、亜佑美ちゃんは全然。うちが、こんなに大変なのに」


潤んだ目でじっと見つめられて。

すごくすごく近い距離で、鞘師さんは私を見つめてた。


「うちばっかりが、期待してたみたいで…なんか、もう…わからん」
「ご、ごめんなさい…」
「別に謝って欲しくてとか…そういうことじゃないんよ」
「はい…」
「うちのこと、もっと見て欲しい。うちがこんなに亜佑美ちゃんのこと好きって分かって欲しいんよ!」


一瞬何が起こったのか分からなかった。

――瞬きをしたら、私の上に鞘師さんがいた。


「じゃけぇ、うちは…今、亜佑美ちゃんと一歩先に進みたい」
「さ、やしさん…」



「キス、したい」



68 :take a step :2012/12/14(金) 23:26


私はなんてことをしてたんだろうと思った。
今こうやって鞘師さんが普段しないようなことをしてる。

むしろ、布団に一緒に入りたいって言われたときに気づくべきだったんだ。

…私はバカだ。
鞘師さんのこと、全然考えられてなかった。


「ごっ…ごめんなさい…」
「ごめん言われても、それでもうちは亜佑美ちゃんと…!」
「ちがっ、違うんです!」
「えっ…」
「あの、私…全然鞘師さんのこと考えられてなくって…すごい、ダメだなって…」
「ん…」
「だから、あの…ごめんなさい…」

涙が出て止まらない。
自分の無神経さに腹が立つ。
こんなことをさせることになるまで気づかなかったなんて。

いつのまにか鞘師さんは私の隣に戻っていて、私の涙を拭ってくれて。

…これで2度目だ。鞘師さんに涙を拭って貰うのは。

何故だか安心してしまう。

そしてドキドキもしてしまう。


今更言って呆れられないかな?
嘘だって思われないかな?


でも今言わなきゃ、私はもっとダメな子になる。

だから――

69 :take a step :2012/12/14(金) 23:27
「鞘師さん」
「ん…?」
「今、すごい…あの、ドキドキしてます。今更…って思うかもしれませんけど、嘘じゃないです」
「そっ…か」
「だから、ホントに…ごめんなさい」
「いいよ」

鞘師さんがふわっと笑って、まだ零れ落ちる涙を親指で優しく拭ってくれる。

ああ…。
これがきっと好きってことなんだ。

漠然としか分かってなかった。

今この胸に広がるじわじわした思いが熱に変わっていく。



「私、鞘師さんが好きです」



分かってなかった自分が恥ずかしい。
フツーの好きを恋と勘違いしてた。

あのときの大好きは…恥ずかしいぐらいにバカだった。


「亜佑美ちゃん…」
「今の、好きがホントの好きです」
「っふふ、今までのは嘘じゃったん」
「嘘、ではないですけど…今ならホントって言えるのはホントです」
「何それー」

そう言って鞘師さんは笑ってくれた。
だから、鞘師さんの手を取って自分の胸に当てた。

「ちょっ」
「分かります?今、すごいドキドキしてるんです」
70 :take a step :2012/12/14(金) 23:27
そう。

ドキドキが治まらない。
熱が引かない。
顔が熱い。

「…亜佑美ちゃんはやっぱりわかっとらん」
「え?」
「いいの?うち、触っちゃってるよ?」

今度は困ったように笑う鞘師さん。
触ってる…?

「あ!」
「ふふ、役得だった」
「もぉ…」


どちらともなく、手を下ろして繋いだ。
そこから熱が体中に広がるみたいになる。

今、気づいたけど鞘師さんとこんなに至近距離なことあったかな。
そう思うと余計ドキドキしてきた。


「キス、してもいいのかな」


「……して、ください」


「じゃあ、遠慮なく」


ふっと鞘師さんが笑って。
私も目を瞑る。

唇に慣れない感触。

柔らかくて、なんだか気持ちのいい感覚。

あぁ、これがキスなんだ。


何度も何度も鞘師さんが唇を合わせてくる。

もう、私もなんだか分からなくなりそう。

キスってこんなに気持ちよかったんだ。


そんなことを考えながら。



――私たちは今日、一歩先に進んだ。



71 :高津 :2012/12/14(金) 23:31
更新です。

なんかリハビリかねてとか最初に書いてるだけに、本当に色々ダメな点が目立つ感じで申し訳ないです…w
ようやく一息つきましたw

>>49
ありがとうございます!
別の方にもレスしましたが、なるべくそれっぽく書くように心がけてるので本当に嬉しいですw
9期10期には謎の魅力がありますよね!

>>50
ありがとうございます。すごく嬉しいですw
72 :名無飼育さん :2012/12/16(日) 00:12
すれ違いというほどでもない青春な二人の行ったり来たりが実にかわいらしい!
今やお姉さん組になってしまった6期やまわりをうろちょろする9期・10期もそれっぽくて読んでいて実に楽しいです。

一歩先に進んだ二人とその周りの今後、期待しております。
73 :スズキカノンの憂鬱 :2012/12/19(水) 02:33


「鞘師さん大丈夫ですかー?」
「亜佑美ちゃん大丈夫だよー。もちょっと強く押してー」
「はーい」
「んふー、ちょうどいいちょうどいい♪」


むせ返るような光景が目の前…だけどちょっと遠くで繰り広げられている。
すっごいピンク色の空気が見える見える。

いや、特別なことをしてるわけじゃないんだ。
ただ、普通にストレッチしてるだけ。
喋ってることも普通だしね。

けど、けどですね。
あたしにはなんとも刺激が強い。

この!甘ったるい空気!!!
そして片方の甘ったるい声!!

いやぁ〜、うまくいけばいいと煽っておいてなんだけど。
こんなにまで2人の距離が接近するとは思わず。

「はぁ…」

横目で見て溜め息も出るってーの。

「香音ちゃん、さっきから溜め息ばっかりやね」
「溜め息もでますよね!フツーにね、あんなの見せられたらさぁ…」
「まぁ分かるけどさぁ。里保があんな表に出すようになってしまうとは…衣梨奈も思ってなかったと」

里保ちゃんの名前のとこのボリュームを絞りながら、えりちゃんも苦笑い。
そうだよね、あたしもそう思うわ。
74 :スズキカノンの憂鬱 :2012/12/19(水) 02:34
「いや、ガチでさ…里保ちゃんってこんなんだったっけ。主に里保ちゃんからまずいオーラが出てるよ、確実に」

声の音量をぐっと落としてえりちゃんに話しかけた。

「いやぁ、どうやろね。ホントは里保も甘えたいキャラやと思うけん、なんていうとかいな、亜佑美ちゃんがきっかけで表に出よったのかもねぇ」
「みんな気にならないのかな?」
「どうやろね、衣梨は…まぁいいかなと思うっちゃけど」
「えりちゃん寛大だなぁ」
「衣梨、人のこと言えんからね。ンフフフ」

ちょっと分からないけど、新垣さんのことを言ってるのかな?

まぁでも鬱陶しいとは思うけど、否定してるというわけではないんだ。
里保ちゃんのことね。

裏では結構子供っぽいところをあたしにだけ見せてくれてたからなぁ。

「…ヤキモチかな」
「ん?」
「いや、なんでもないなんでもない」
「香音ちゃんが?」
「ったく…聞こえてるんじゃん」
「ンフフ、まぁまぁ。まーねぇ、里保がこっそり甘えられるのは香音ちゃんだけやったからね」
「ま、まーね」

意外とえりちゃんって鋭い?
KYKYって言ってたけど、もしかしたら狙ってるのか?

…いやそんなはずはない。
こういう面もあるんだと思っておこう。

「里保のねー、あんなにトロットロになってるの初めて見たとよ、衣梨」
「トロットロって」
「里保ってさぁ、顔とかはなんか子供っぽい感じやん」
「うん」
「でもさ、里保って中身がビシッとしとぉやん」
「そうだね」
「あれよ、ギャップがあったとよ、今までは」
「はぁー、なるほどね。それが中身と外見が合った、みたいな?」
「そうそう、それを言いたかった!プラス、亜佑美ちゃんにメロメロでトロットロやけん、すごいことになっとぉ。見てみ?今」

ちょいちょいと指さされて見た先は…。
75 :スズキカノンの憂鬱 :2012/12/19(水) 02:34
「やだっ、ちょっと鞘師さん変なとこ触らないでくださいよもぉ」
「ごめ、間違っ…イヒヒ、ごめんごめん」
「もぉー」
「イヒヒヒ」

もう、なんなんだあの空気。
ピンクはピンクでもホットピンクだよあれは。
聖ちゃんも真っ青だよ!

「はい…もう無理です」
「完全に2人の空気やね。そのまま道重さんに目線移動して香音ちゃん」
「見たくない怖い」
「目が死んでるとよ、道重さん」

「コラァ生田聞こえてるよ!!」

「ンフフ、すいませぇん!」
「もぉーーー!鈴木も!!」
「スイマセンスイマセンッ」

うちらのすぐそばでストレッチしてた道重さんがツッコミを入れてきた。
やっぱえりちゃん空気読まない。

ちょっと他のみんなが何何、みたいな顔で見てきちゃったし。
あやうく当のご本人様たちにもバレるとこだったので、適当に笑って誤魔化した。

そして流れでつい言ってしまったあたしも空気読めてなかった…。
…そしていつまでこの空気が続くんだろう。

「ま、しばらくすれば収まると思うっちゃけどね、あまり鬱陶しいとれーなが言うから大丈夫」

なんて道重さんとペアの田中さんが言ってくれたので、ほっとした。

「れいなホント変わったよね…」
「なんもう、さゆは最近そればっかっちゃん」
「佐藤様様だよホントー」
「もぉー、さゆうるさい」

照れた田中さんはかわいいと思いました。
でも、

「あれが石田も一緒になってピンクい空気にしとったら、れーなもソッコー言っとぉけど」

と、真顔で仰ってました。
つくづく先輩は怒らせるものではないと学びました。ハイ。

その流れで先生がパンパンと終わりの合図をしたので、ストレッチ終了。イコールレッスンも終了。
76 :スズキカノンの憂鬱 :2012/12/19(水) 02:34
そしてレッスン終わりにも洗面でイチャイチャイチャイチャ…
隣で顔洗ってたあたしは…

「うおおおおおお!」

バシャバシャバシャバシャ!!!
勢いよく水で顔を洗った。もうここぞとばかりに。

「うわぁ!香音ちゃんどうしたの!?」
「鈴木さん大丈夫ですか!?」

亜佑美ちゃん何気に失礼。

「ごめん、タオルとって」
「あ、ハイ。どうぞ」

タオルで顔を拭いて覚悟を決めた。
どうしてもどうしても言いたかった一言を2人にぶつけることにした。

「お2人さんよ」
「ん?」
「はい?」
「な、仲良くするのもいいですが、あーーーー、もうちょっと…周り見てくれ。耐えられん…」

田中さんには申し訳ないけど、言ってしまいました。

「えっ、あ、ご、ごめん」
「気をつけます…」

2人とも顔を真っ赤にしての謝罪を頂戴した。

「じゃ、おつかれ!」



後ろから、鞘師さんが悪いんですよ!と責める声が聞こえた。
そして、ごめんよごめんよと謝る声も聞こえた。

そうそう、言ってくれたまえよ。
亜佑美ちゃんが里保ちゃんの手綱を握っているのだよ。

そして何故あたしまで恥ずかしくなってるんだ!
もう、ちゃんと、ちゃんとしてくれとにかく!
こっちは家でまたお菓子食べちゃいそうだよ…。

……あたしが一番ちゃんとしてないってか。

はーあ…参ったなぁもう。

好きな人を取られた気持ちってこんなんなのか?
ホント、ヤキモチってこんな感じなのかもしれない、とひっそりと思った。

もちろん、里保ちゃんは亜佑美ちゃんと幸せになって欲しいと思ってるので、別に恋心とかじゃない。


「友情にも、あるんだなぁこういうのって…」


そうつぶやいて、後ろから聞こえてくる声に耳を傾けながら荷物置き場に向かった。
77 :高津 :2012/12/19(水) 02:37
更新です。

今しがた今まで書いたSSのテキストが全部吹っ飛んで、どうしようか本気で焦っていますw
いや、書いた分は全部アップしてるので大丈夫といえば大丈夫なのですが…。
書き溜めとかなくてほっとしました…。

>>72
微妙な感じを出したかったんですよねw
若さゆえのかわいさとズレみたいなw

お姉さん組かぁ…6期もそうなってしまったんですよね、と実感ですw
78 :名無飼育さん :2012/12/20(木) 00:37
娘。の曲の男友達を思いだしましたー
つんくさんが親友まことさんが結婚する時に作った曲ですが、
りほかのも大人になっても、ずーっとそこに居るのが当たり前の関係であって欲しいですね。
79 :名無飼育さん :2012/12/20(木) 00:46
りほかのいいですね
このスレの鞘石以外のメンバーの話も読んでて楽しいです。
続きも楽しみにしてます。
80 :小ネタ :2012/12/20(木) 23:49
ノリ*´ー´リ.o0(今日こそ調べるけぇ)

ぐぐる[女の子同士]

ノリ*´ー´リ<わぁぁー…わぁー…
ノリ*´ー´リ.o0(いっぱい出てきた…)
ノリ*´ー´リ<どうしよどうしよ
ノリ*´ー´リ.o0(これにしよかな…)
ノリ*´ー´リ<女の子同士でエッ…よくするんですか…

ノリ*´ー´リ<どうやってするんじゃろ(興味津々

ノリ;´ー´リ<胸をも……な、なるほど…他は?………なっ、なめ…!!
ノリ*´ー´リ<こっちはどうじゃろ…女の子同士の画像くだs…
ノリ*´ー´リ<こ、これはいかん!刺激が強い!

画面伏せる

ノリ;´ー´リ.o0(こんなこと考えてるのきっとうちだけだ…)
ノリ*´ー´リ<ハァー…

ポワッ♪

ノリ*´ー´リ !!
ノリ*´ー´リ<亜佑美ちゃん♪

『鞘師さん今何してましたー?』

ノリ;´ー´リ<おおぅ
ノリ*´ー´リ<勉強…し、て、たよっと

『えぇーホントですかー?』

ノリ;´ー´リ<亜佑美ちゃん鋭い…
ノリ;´ー´リ<まだ終わってないんだよー、でいいか…
ノリ*´ー´リ.o0(うー、罪悪感)

『あ、そうなんですか!邪魔してごめんなさい(><)ではこれにて!』

ノリ;´ー´リ<あうー…

メール画面からブラウザに切り替える

ノリ;´ー´リ<わあ!!さっきのが!
ノリ;´ー´リ.o0(…あぁ…明日まともに亜佑美ちゃんの顔が見れる自信ない…)

ノリ*´ー´リ.o0(でも、でも…ちょっと胸…とかは触ってみたい…カモ)


エロ師爆誕
81 :高津 :2012/12/20(木) 23:51
小ネタ更新w
ネタだけ思いついてSSにならなかったのでAAにてw
バカ丸出しですw

>>78
あ!確かに、男友達っぽいですねw
鞘鈴はそういう関係であってほしいんですよね、いい距離というかw

>>79
ありがとうございます!
鞘石を巡る他の子達の話も書いてて楽しいので頑張ります!
82 :名無飼育さん :2012/12/21(金) 01:02
あああ、そうして揉むものが無い事に愕然とするんですね。
わかります。・゜・(ノД`)・゜・。
いやいや、ちっぱいは正義!
83 :そのすばらしいフォルムをこの手に :2012/12/22(土) 00:01

「うーん…」

最近すごく気になっている。
すごくすごくすごく。

ただやっぱり、真正面切ってするのは…躊躇われる。
こういうのは練習を積まなきゃいけないと思うんです。たぶん。

「里保ちゃんどうしたの?」
「フクちゃん」
「悩んでるとか?」

隣に座ってにっこり笑顔のフクちゃん。
うーん、美人さんだ。

「悩んでるっていうか…」
「聖、悩みだったら聞くよ!」
「ホント?」
「うん、里保ちゃんの役に立つのなら!」

流石フクちゃん、優しいし素敵だ。
大人のお姉さんだね。

「ありがとぉ、じゃあねぇ…ちょっと立って後ろ向いて貰っていい?」
「え?う、うん?」

もにゅ

「キャッ!!!」
「おぉ…」
「ちょちょちょっと、里保ちゃん!やだやだっ」
「すごい」
「何がー!?」
「すばらしい」
「もぉー!ちょっとー!ダメッ!!」

そう言うと身体ごと反転されてしまった。
うーん、惜しい。
84 :そのすばらしいフォルムをこの手に :2012/12/22(土) 00:02
「なっ、もぉ…何!?いきなり!…り、里保ちゃんのエッチ!」
「えーっ、なんでエッチ!」
「だだだって、聖のおしり!」
「だってー、触りたかった…」
「触りたくても触っていいもんじゃないでしょ!もぉ…」
「ニヒヒ、ごめん」
「絶対悪いと思ってない!」
「ンフフフ」
「で?何?まさかホントにおしり触りたかっただけ?」

フクちゃんはぷんぷんしながらも椅子に、ドスッと座って足を組んだ。
セクシーだなぁ…。
うちには真似できんね。

「いや、実は…そうなんです」
「…聖相談乗るのやめよっかな」

おしりまで触られたっていうか揉まれたし、と続けるフクちゃん。

「まままって!おしりの話だけど真剣な話だから!」
「すごい打ち消してるし」
「いや、だって…あのね、えっと、ホントはさ…亜佑美ちゃんのね…」
「えっ、ちょっまさか亜佑美ちゃんのおしり触りたいからとか言うんじゃないよね?」
「えっ、フクちゃんすごい、なんで分かったん」
「信じられない…」

フクちゃんすごい。でもなんか絶句してる。

「聖完全に練習台じゃん!里保ちゃんのエッチ変態スケベ!」
「わああ!ひどい!うち変態じゃないもん!」
「里保ちゃん…それは変態っていうんだよ…」

フクちゃん完全に人のこと言えない!
とは言えないシャイなうち。

と思ったら、ノックされたので

「どうぞー?」

と返事はしておいた。
だがしかしにらみ合うのは忘れないうちら。
85 :そのすばらしいフォルムをこの手に :2012/12/22(土) 00:02

「おはよーございまぁ…す…え、何この空気。どうしたんですか?」

「「ちょっと亜佑美ちゃんきいてよ!!」」

「ちょっと!里保ちゃんは黙ってて」
「えーなんでぇ」
「聞いてよ亜佑美ちゃん」
「なんですか?どうしたんです?」
「里保ちゃんったらひどいんだよ!聖のおしり突然揉みしだいてきたんだから!」
「うっ、嘘だ!揉みしだいてはないじゃろ!」
「鞘師さん…ホントですか?」
「うっ…」

亜佑美ちゃんが怖い。
超真顔。

でも急に笑顔になった。
怖い。

「鞘師さん」
「は、はい」
「嫌がる譜久村さんのおしりを揉みしだくだけ揉みしだいたっていうのは本当なんですか?」
「えっ、なんか誇張されてるよ!?」
「鞘師さん」
「はい…」
「本当なんですか?」
「えっあの、えと、まってまって、えっと、あの」
「鞘師さん?」
「……おしり触ったのは本当です」

「嘘だよ亜佑美ちゃん!聖ぐにゅってされたんだから!」

くっそーフクちゃん完全に仕返ししてきてる!ううぅ…
あの流し目が憎い!!


ぱぁん!

「あぁん!あふいひゃん、いひゃいいひゃい」

ほっぺたを勢いよく両手で挟まれて、まさに蛸師状態になってしまった。
亜佑美ちゃんの顔はほどよく引きつっている。
笑顔なのに引きつってる。

「鞘師さんは!誰と!付き合ってるんでしったっけ〜〜???」
「いひらあふいひゃんれふ」
「そして誰のおしりを触ったんでしたっけ?」
「ふふひゃんれふ」
「それで?」
「あふいひゃんのおひりがひゃわりははっはんれふ」
「何言ってるかわかんないんで、開放してあげます」

亜佑美ちゃん意外と優しい…。
うちはほっぺをさすさすしながら、亜佑美ちゃんを見た。
86 :そのすばらしいフォルムをこの手に :2012/12/22(土) 00:02

「あぁん…痛かったぁ」
「何か言い訳でも?」

嘘です撤回亜佑美ちゃん超怖い。

「亜佑美ちゃんのおしりが触りたかったんです…」
「バッ…バカじゃないの!?」
「あ、亜佑美ちゃんが敬語やめたぁ!」
「そりゃやめたくもなりますよ!何を言い出してるんですか急に!」
「だってだって!」
「だってもかってもないです!ていうか私のおしり触りたいのになんで譜久村さんの触っちゃうんですか!セクハラですよ!!」
「そうだそうだー!」

フクちゃん合いの手入れてきてるし。
うちはただ亜佑美ちゃんのおしりが触りたかっただけなのに…。
あのぷりぷりしたおしりを。

「だって!触りたかったんだもん!」
「開き直ってるし!」
「フクちゃんのおしりで練習してそれから亜佑美ちゃんにいこうと思ったんだもん!」
「だもんじゃないですよ!色々失礼ですよ!」
「うああん!亜佑美ちゃんのバカ!」
「なんで私がバカなんですか!」
「うちはバカじゃないもん!」
「どう考えてもバカみたいな行動じゃないですか!」

亜佑美ちゃんがうちを責める。
だってだってだってだって!
亜佑美ちゃんが好きだもん触りたいんだもん!

「んんぅぅぅううーーー」
「拗ねるな!」

マジ怒りがきた。
なんだよ、なんだよ!
うちだってそういうときぐらいあるんだよ!

「はぶててるだけじゃ!」
「意味の分からないこと言わないでください!」
「はぶてるも分からんようじゃいかん!」
「こっちだってめっちゃいずいっすわ!」
「いずいってなんじゃ!」
「だれー!いずいも分からねーんじゃダメだ!」
「誰って誰だよ!いずいってなんじゃ!」
「あーもう!うるさぁい!」
87 :そのすばらしいフォルムをこの手に :2012/12/22(土) 00:03
 
88 :そのすばらしいフォルムをこの手に :2012/12/22(土) 00:03
89 :そのすばらしいフォルムをこの手に :2012/12/22(土) 00:03
 
90 :そのすばらしいフォルムをこの手に :2012/12/22(土) 00:03

すっかり仲間はずれになっちゃった。

「…何あれ聖」

見入ってたら後ろからえりぽんがいつのまにか来てたみたい。

「あ、えりぽんおはよう。…なんか大変なことになっちゃった」
「どうしたと?」

しかめっ面で2人と聖を交互に見るえりぽん。
とりあえず今までの流れを話さなきゃ。

「なんかぁ…里保ちゃんが急に聖のおしり揉んできたから、亜佑美ちゃんに叱ってもらお…」
「はぁーー!?ちょっ、里保ぉ!!!」

えっ、どうしよ、えりぽん突撃していっちゃった…。

「わわ!何、えりぽん!どうし…」
「聖のおしり触ったって何?なんで?なんで触ったと!」
「えっえっ、ちょっとフクちゃん!」

里保ちゃんが動揺してる。
でも…いいのかも?聖被害者だし!

「聖知らなぁい。里保ちゃんが悪いんだもーん」
「嘘っ!えー!!」
「里保ぉぉーー!絶対許さんけんねーー!!」
「なぁんで、フクちゃんのおしりでえりぽんが許さないんだよぉー!」
「そんなのはどうでもいいっちゃん!絶対許さん!」


ふふふ。なんかちょっと気分いい。
えりぽんが守ってくれるんだったらいっかな?

亜佑美ちゃんはすっごい顔して椅子に座った。
そして里保ちゃんはえりぽんに追い掛け回されてるし。

ま、なんていうかー、そちらのお2人さんは…ちゃんと幸せだからいいじゃん。
だから、まぁたまには頑張って♪
と、聖は思うのでした。
91 :高津 :2012/12/22(土) 00:05
更新です。
バカ話その2w
エロ師妄想が止まらなかったのでつい…

>>82
だっ、大丈夫!ちゃんと一応たぶんありますから!!
正義正義ーっ!!
92 :オトナ :2012/12/23(日) 23:30
思いというのがある。

もちろんそれは衣梨奈にもある。


新垣さんへの思い、メンバーへの思い。
家族への思い。

そして、止められない思い、というのもある。


衣梨奈は今


――譜久村聖への思いが、止められない。


 
93 :オトナ :2012/12/23(日) 23:31
「まったく…何考えてると、里保はぁ」
「あはは、里保ちゃん最近すごいそういうのに興味ある感じするよね」
「聖も聖よ、里保んこと怒らんかったん?」
「怒ったよー!でも里保ちゃんふふふとかいって笑ってるしさぁ」

余裕の聖。
自分が被害者なのに、意味が分からん。
よっぽど衣梨奈の方が怒りよう気がする。

ぶすくれた顔もせんと…オトナやね、聖は。

「なんか、すごい。聖オトナやね」
「そう?でもまぁずっと怒ってるっていうほどのことじゃなかったし」
「でもセクハラよ?あれー」
「そうだけどさ。里保ちゃんまだ14歳だし、こんなことでいつまでも本気になってもしょうがなくない?」
「んー…衣梨奈はそうは思わんっちゃけど」
「えりぽんももう少ししたら分かるよ、きっと」

そう言って聖はスマホをいじり始めた。

聖の横顔見ると、衣梨奈と1つしか違わんはずなのにすごく遠くにいるように見えるときがある。
横顔もオトナやけど、考えてること…っていうか、難しいけどそういうのもオトナに見えるし。
だけん、たまに聖が衣梨奈から離れてしまうとか…そういう風に見えたりもする。

「聖は先に行きすぎっちゃん」
「なぁに?」
「なぁーんか、オトナやけん、聖」
「さっきも聞いたよー」
「だけん、衣梨奈追いつけんよ、聖に」
「どういう意味?」

聖は不思議そうな顔して衣梨奈の目を見つめてくる。

―これ。

この目。
衣梨奈はこの目に吸い込まれそうになる。
94 :オトナ :2012/12/23(日) 23:32
「仕事のこともそうっちゃけど、中身っていうか…頭ん中?」
「そんなのえりぽんの方が頭いいじゃん。聖バカだもん」
「そういうんじゃなくて、なんか…分からんけど、とにかく中身の話!精神的な!」
「はぁー、分かんない」
「もぉー!」
「こっちの台詞だよー」

また笑って答えた。
この余裕。
これよこれ。
なんでこんなに余裕?

「もぉ分からん!」
「聖が分かんないよー、えりぽんはもうしょうがないな…」
「聖が構ってくれん…」
「さっきから構ってるじゃん」
「ちがーうーー!」

「それとも、もっと違う何か?」

え、今の…聖?
声のトーンが、なんか違う。

細まった目にドキッとしてしまう。

「えっ…と、み、みずき?」
「ふふふ、なぁに?」
「あ……」
「えりぽん」

え、何これ、えっ。

聖の顔が近づいてきて、顔に聖の手が触れて。

唇の端を聖の指が滑る。

「ハイ、とれた」
「え、な、なに?」
「なんか口元についてたよ?」
「あ…あ、りがと」

そしてまた、笑う聖の目に吸い込まれる。
ホント、釘付けになる。

ねえ、聖は衣梨奈を試してるの?

衣梨奈は…聖を好きになってもいいの?

KYKY言われてるけど…実際そうかもしれんっちゃけど、ホントはいっぱい考えとうし、気持ちだって嘘やないし。
でも、分からん。
今がそのときなのか分からん。
95 :オトナ :2012/12/23(日) 23:32
「うぉーい、準備だぞー!」

ドアをちょっと開けて、香音ちゃんが声をかけてきた。

「はーい」
「あ、うん。今行く」

衣梨と聖は一緒に立ち上がって、椅子を戻す。
ドアに近かった聖が先に行こうとしたけど、何故かそこで振り向いた。

「聖、どうした?」
「えりぽん」
「ん?」

「早く迎えにきてね?」

「はっ…?」
「さ、早くいこ?」

聖は今何を言ったんやろ。
どういう意味?

「ちょ、待って聖、意味分からん!」
「知〜らな〜い♪」

手を急に握られて、ビリビリッという感覚がきた。
何、何これ。

分からん!色々分からなすぎ!

「みずきー!!もぉーー!」
「ふふふっ」

いくら衣梨奈が大声上げても、聖は笑うだけで何も教えてくれんかった。

長い髪が衣梨奈の前を跳ねて、すごくいい香りがした。
いつか、衣梨奈もこんなオトナの香りの女の子になれるんかな。

そして衣梨奈がもう少し成長したら、色々分かるのかもしれん。


――聖の言葉の意味も。


 
96 :高津 :2012/12/23(日) 23:34
更新です。
生田本当に難しい!れいなも!今回は出てないけど!w

もう色々妄想が捗りすぎて、ちょっと過剰な感じになってますがw
頑張って更新していきます!
97 :名無飼育さん :2012/12/23(日) 23:45
リアル更新キタ!
この二人からも目が離せないようで…
これからも楽しみにしてます。
98 :Sweet,Sweet! :2012/12/25(火) 01:40

「すごーいですよね!ね!」
「ねー!超キラッキラ」

街がイルミネーションで彩られてて。
街行く人がカップルばっかりで。
私たちはその中を手を繋いですり抜ける。

誰も私たちに気づく気配もない。
といっても…先輩たちほどの知名度がないからかもしんないけど。

「東京はすごいですねぇ」
「じゃろー?うちもね、来たときホントすごいと思った!」
「どこもかしこもキラキラですもん。もーびっくり」
「ねー!」
「仙台もね、街中がイルミネーションですっごくなるイベントがあるんですよ!毎年いっぱい人来ますよ!」
「へぇー行ってみたい!」
「いつか一緒に行けたらいいですね!」
「ンフフ、そうだね」

鞘師さんの笑顔がかわいくて、なんだか照れてしまう。
こんな人ごみでもちゃんと拾えてしまう、鞘師さんの高いんだけどちょっと低い感じのする甘い声。
ずっと聞いてたくなってしまう。

そしてなんだか恥ずかしくなって俯いてしまう私。
だって顔がニヤけてきちゃう。

「亜佑美ちゃん?」
「えっ?はい」
「なんかあった?」
「いやっ、あの…なんかなんていうか…ちょっと嬉しくなっちゃって…へへ」
「えっ、急になんで?」
「いやぁ…なんか嬉しいじゃないですか、2人で…クリスマスに手繋いで歩いて、イルミネーション見て、とか」
「あっ…そうだね。イヒヒ」

そう言って鞘師さんは私の手をぎゅっと握り返してくれた。
それがもう本当に嬉しくて、私もぎゅぎゅっと握り返した。

目を見合わせて、笑って。
ありきたりかもしれないけど、この世に自分たちしかいないみたいなそんな感覚。
99 :Sweet,Sweet! :2012/12/25(火) 01:40

「たのしい」
「ねー!」
「ふふー、嬉しい。ひひ」

あの独特の笑い声が耳を擽る。
このまま2人だけでずっと過ごしたい。

こんなに鞘師さんのこと好きになるなんて思わなかった。
自分でも意外すぎるぐらい。

年下の先輩で…恋人とか、意外性の塊すぎて。

「結構歩いたね」
「疲れました?どっか入ります?」
「んー…ヤだ」
「えっ」
「もっと一緒に歩きたい。だってさ、どっか入るといちゃいちゃできない…あ、うそうそ!あった!」
「えっ!?ちょっ、鞘師さん!」

急に早歩きになった鞘師さんに、必死でついていく私。
鞘師さんこんなに歩くの早かったっけ?

「てか、どこ行くんですか!」
「ンフフ、いいとこ!」

えー?いいとこってどこですか!
と言う間もなく、ちょっと歩いた路地裏に到着。
めったにこないところで、人もあんまりいない。

え、超怪しいんですけど。

「ここですか?」
「そーう!んふふ、いこいこ」

そう言って看板を見る間もなくエレベーターは7階へ。
たどり着いた先は…

「ネカフェですか…」
「そ!」

鞘師さんなんか手馴れてるし。
カードも持ってるし。

そして案内された席は、なんか椅子がない部屋だった。
BGMは少しかかってるけど、基本静かだからうちらも小声で話さなきゃと思い、声のトーンを落とす。
100 :Sweet,Sweet! :2012/12/25(火) 01:40
「こういうのなんですね、ネットカフェって」
「初めて?」
「はい。あんまり来る機会ないですよね、こういうの」
「そう?うち地味に行ったりしてる」
「カード持ってましたもんね」
「なんか楽しいんだよね。飲み物飲み放題だし」
「そっちか!」

というと、靴を脱いでシートでごろごろし始める鞘師さん。
私も真似て、隣に座る。

「亜佑美ちゃんも」
「横になれって?」
「そうそう」

言われて横になってみる私。
ふむ、結構快適かも?

「ふふふ、これなら存分にいちゃいちゃできるじゃろ?」
「はっ…それが目的だったのか!」
「だって…ねえ、家帰ったら2人っきりになれんし、なんというか…カラオケはカメラあるし…あー、あともう1個は入れないじゃろ」
「もう1個?」
「ひひひ」

もう1個?なんだ??

「亜佑美ちゃんえろーい」
「…あっ、あぁー……ちょっ、やだ鞘師さんでしょ、えろいのは」
「ウヒヒ、だって、ひひっ」

そう笑って、見詰め合う。
目を細める鞘師さん。
私もそれに倣って、目を瞑る。

「んっ…」

いつもの、唇を合わせるだけのキスとは違った。
唇を舌でなぞられる。

そのまま委ねて、口を少し開くとするりと鞘師さんの舌が。

こんなの初めてで、わかんなくなる。

キスってこんな感じだっけ?
頭おかしくなりそう。

今、鞘師さんと一緒に溶けてる。そういう感じ。
きもちよくて、いつまでもずっとこうしていたくて。

鞘師さんをぎゅっと抱きしめる。

ちゅるっと音がして、唇が離れる。
なんだかもどかしい。

続きを読む


掲示板に戻る 全部 次100 最新50

現在のスレッドサイズ:220875 byte

名前:

read.cgi ver5.27 + 0.02 (04/08/03)