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おこのみで

1 :名無飼育さん :2009/06/30(火) 00:04

みきえりスレですよ?
_  _______
  \|

     ノハハヽ フフン♪
    川*VvV)
     /つノハ0
    (0ノ*^ー^)0 
     ヽ   /
     し―J

101 : :2009/11/02(月) 23:02


それは酷く清々しい晴れの日で、
美貴はうんざりするほどの冬の日差しの中ひとり公園に佇んでいた。
待ち人来らず。
なにやってんだあいつは、なんて口内で呟いて後ろのベンチに腰掛ける。
彼女と出会ったのは確かこんな日とは真逆のような雨の夕方だった。
あんな出会いをして、きっとただでは済まないんだろうとは思っていたけど、
こんな風に毎日会うようになるとは思わなかった。
何だって美貴はあんなクソガキの相手してんだろう、なんて時々思う。
理由もなくこうやってほぼ毎日顔を合わせてるんだから怖い。
今日だってバイト前にわざわざこんな所まで来て、
こんな寒い中待たされて、
冗談じゃない、なんて
面と向かって言えたらせいせいするのに。

あの日の銭湯代はいつまで待っても返ってきやしないし、
あの日からずっと美貴の時間は彼女にとられてばっかりだ。
つまらないことで笑ってしまったり、
言葉が喉に詰まったり、
言い様の無い気持ちにさせられたり。
毎日がたまらなく不愉快で、
それでも彼女に会えない日はもっと不愉快なんだ。


「亀ちゃん遅ーい」
「すいませぇん」
へらへらと笑いながら走ってくるその姿は絶妙にキモくて、
駆け寄ってくる彼女を思わず避けてしまう。
避けたら避けたで、これまた絶妙なキモい動きで捕えられる。
「ねえ何でいつも遅れるの」
「違うんです、信号が超タイミング悪くてぇ」
そう言って美貴の肩やら腕やらに絡みつく。
謝罪なのか挨拶なのかよくわからないスキンシップ。

「まったく美貴が何分待ったと思って…、」
わざとらしくぼやくと、遅れてきた彼女は嬉しそうに笑う。
「絵里に会いたくて?」
にやりと何かを見透かすような笑顔で、
そうやって亀ちゃんは静かに笑う。
「べつに」
「絵里は会いたかったなぁ、美貴サマに」
下を向き一瞬だけ視線を外して、
今度は上目遣いにねだるように笑う。
不敵に静かに。
ばーか。
そう言ってやったら、もぉーとか言ってまたキモい動きするんだ。
102 : :2009/11/02(月) 23:03

「大体何で公園で待ち合わせなの」
「美貴サマの家ひとりで行くの怖いんだもん」
「怖いって何だ。それは今日も美貴んちくるのが前提的な?」
「えへー」
「…美貴今日バイトなんだけど」
「うそ!聞いてないんだけど!」
「言ったんだけど」
「聞いてな〜い!やだやだぁ美貴サマ行かないで」
「行かないわけあるかっつーの」
「あーん」
「ハイハイまた今度ね」
「今度っていつですかぁ?」
「あさってとか」
「明日とか?」
「いやいや」
「ふぁ〜ん」

何だかわけのわからない音を呟いてうなだれる亀ちゃん。
どうせ明日も会うことになるんだろうと思うと気が滅入る。
こんな清々しい天気なのに、亀ちゃんと公園でふたりなんて。
わけわかんね。
「ねーねー美貴サマ?」
なんだよ、って不機嫌な振りして答える。
見透かすような笑顔で彼女。

「年下ってどうですか?」

年下だとか女同士だとかそういう以前に、
亀ちゃんなんかごめんだって言ってやりたいのに。
悪い気がしないから困る。
103 : :2009/11/02(月) 23:04

「…銭湯代返せ」
「あ…、じゃ明日持ってきます」
「絶対今持ってんだろ。700円だよ。文無しかよ。つーか明日かよ」
「今夜でもいいですよ?」
「ガキのくせに夜遊びすんな」
「だってぇ今日バイトなんて聞いてないもん」
「言ったし」
「聞いてないし」
「言ったし…あもう美貴行かなきゃ」
「え〜やだ!やだやだ!」
「ハイハイじゃーね。あとでね」
「う〜…」
「バイトのあと寄るから。起きて待っとけ」
「え?」
「夜だしすぐ帰るけど」
「ぅえ?あ…ハイ、え?」
「銭湯代とか色々用意しといてね」
「いろいろって」
「心の準備とか」
「こ…、」


何だか目を丸くしてる亀ちゃんの頭をぐしゃぐしゃに掻いてやった。
また変な音を発してから顔を顰め髪を整える亀ちゃんを見ながら、
今キスなんてしてやったらどんな顔するんだろうとか思った。
それは全部あとの楽しみにしておこうかとも思った。
でも目の前の彼女を見ていると、我慢できないような気もしてきた。
そろそろほんとに行かなきゃいけないのに、
どうしようなんて考えてる。
こんな晴れの日に、亀ちゃんと公園でふたり。
わけわかんないけどやっぱり、悪い気がしないから困る。

104 : :2009/11/02(月) 23:04
 
105 : :2009/11/02(月) 23:06

         ノノハヽ ☆ノハヽ
        从VvV) ノノ*^ー^)
  三三  ⊂   つ⊂   /
 三三   (ノ⌒ ○ .⊂\_)
106 : :2009/11/02(月) 23:06
 
107 : :2009/11/02(月) 23:07


はぁ、と大きく息を吐いた。
冷たい空気の中を白く泳ぐ。
真っ暗な闇にとけてゆく。


冬の夜はあまりにも静かで、
この街で起きてるのなんて絵里だけなんじゃないかって気分になる。
ぽつぽつと光る街灯を見下ろしてまた息を吐く。
今何時だろう。
暖房の残った温かい部屋にある身体と、
窓から出した顔が別世界に居るみたいでへんな感覚。


「…さむぃ」

破られた静寂。
振り向いてカーテンを除けると、
オレンジ光の中で藤本さんと目が合った。
絵里が絵里であることを確認したら、
眠そうな瞼を抑えて枕に顔を埋める藤本さん。

「…亀ちゃんなにやってんのぉ…」
掠れた声で尋ねられる。
あ、何か超愛しい。

急いで窓を閉めて、温かいシーツに潜り込んだ。
無防備な頬に鼻先をこすりつける。
つめたいぃ、と藤本さんが唸る。
ますます愛しくなって、
冷えた唇で攻撃を繰り返す。
「やぁだぁ」
「あはw藤本さんかわいー」
うぅ、とかむぅ、とか、不機嫌そうに唸る。

ぎゅうって抱き締めると、今度は気の抜けた声。
「…つめたい。」
「ふじもとさんあっためて?」
「…バカ亀」
ぐ、って首筋に頭押し付けられて、
熱持った腕が背中にまわってくる。
あー、あったかーい。
108 : :2009/11/02(月) 23:09
「…ぅへへぇ」
「なにしてたの」
「うーんと、息吐いてたの」
「…いみわかんないよ」
まだ眠そうな声が可愛くて、
耳元に吐息を吹き掛ける。
腕の中でびくって小さくからだが震える。


「……あっためて?」
「…ん…」


やだって言われる前に塞いでやろうと思ってた唇が、
いやらしく揺れて絵里に噛みついた。

「…ん」
「はぁ…、」
「……ふじもとさん、…あったかいね」
「亀ちゃんが冷たいんだよ」

ふっ、て鼻にかかった笑い。
睫毛が頬に掠ってくすぐったい。


あまりにも静かな夜だから、
街中のみんなに聞こえちゃったらどうしようなんて。
愛しくて愛しくて奥まで溶けそうになる。

ずっとこのままがいいと思った。
このまま冬を越せたらいいなんて。
それでも時々は白息が見たくなるかもしれないから、
そしたらふたりで外に出て、帰ってきたら温め合おうね。

109 : :2009/11/02(月) 23:09
 
110 : :2009/11/02(月) 23:09
 
111 : :2009/11/02(月) 23:09
 
112 : :2009/11/02(月) 23:10
 
113 : :2009/11/02(月) 23:12


  さよなら峠



夜中に突然亀ちゃんに呼び出されてこんなくそ寒い季節に
なに考えてんだろうとか思いつつ仕方無いから厚着しまくって
不機嫌なまま待ち合わせ場所の超寂れた私鉄の駅で降りると
珍しく彼女の方が先に来ていて何だか拍子抜けしてしまい
つい遅れてごめんねと謝ってしまった亀ちゃんがいいですよぉなんて
得意げに笑うもんだからバーカって言ったら亀ちゃんは泣き真似をした

連れて行かれたのはわけのわからない山の方で
見渡せばそこは禿げかけの林みたいな少し先は崖になってて
こんなところがあったんだと言ったら亀ちゃんはあったみたいですねと
いつものようにえへらえへらと笑ってさよなら峠って言うらしいですよと
付け加えた由来は知らないけどそう呼ばれてるんだってとまた笑って
美貴はいつもの適当な嘘かもしれないと思って半分信じて半分嘘だと
思う事にした絵里もね美貴様とさよならしようと思うんですへぇどうして
どうしてもですふーんそうなんだってそんな風な言葉を交わして
忘れていたけどそこはやっぱり凄く寒くて風が冷たくて寒くて寒くて
そうするともう涙が出てくるから泣いてるのって聞かれたけど
泣いてねーよと言ってやった

114 : :2009/11/02(月) 23:12
 
115 : :2009/11/02(月) 23:12
 
116 :はと宗 :2009/11/02(月) 23:25
レスありがとうございます!

>>99 名無飼育さん
川*’ー’)マンキュン


「おこのみで」シーズン1終了です。冗談ですけど、
当初の予定ではこの最後の話でスレを締めようと思っていたんですが、
愛着湧きすぎてこれじゃ悲しいなと思い、
名目上ここで一区切りということにさせて頂きます。
だかといって特になにも変わらないんですけど、
いちおう春から冬までのお話を書いたし区切りが良いので
シーズン1的なテイク1的なまあどうでもいいんですけど、
また次回普通に更新します。
ここまで読んでくれた方ありがとうございました。
またお付き合い頂けると幸いです。
117 :名無飼育さん :2009/11/03(火) 00:05
|ω’)?

>>113見てまさかorzと思ったけど
よっしゃそういうことならちゃっちゃと次行け!
行ったら?
行ってよ。
行ってくださいお願いします。

息吐いてたの。って言いそうだなぁ亀。
118 :名無飼育さん :2009/11/03(火) 12:54
同じく >>113 で涙目にw
全部良かったけどシーズン1の中では >>94-95 が一番好きかな〜。
シーズン2も楽しみにしてまっす。
119 :名無飼育さん :2009/11/04(水) 18:23
わたしゃーあすぱらんとこがすきだ。

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