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弱虫ナイト

1 :名無飼育さん :2006/03/25(土) 22:20
思いつくがままに短編を。
田中さん贔屓な作者なのでれなえり、みきれなを中心に、他CPも
書いていければいいなあと思います。

よろしくお願いします。
2 :弱虫ナイト :2006/03/25(土) 22:22


『弱虫ナイト』



3 :弱虫ナイト :2006/03/25(土) 22:22


やっぱり辞めておけば良かった…。
あんな言葉に騙されたあたしがバカだったんだ…。



4 :弱虫ナイト :2006/03/25(土) 22:22


今日は某番組の企画で遊園地にロケに来ている。
いつもはジェットコースターとか絶叫系の乗り物に乗らされるんだけど、常に
変化が大切、とかなんとかわけのわからないことを言われて、なぜかお化け屋敷
に入ることになってしまった。

あたしは絶叫系も苦手だけど、お化け屋敷はもっと嫌いだ。
つい最近、やっぱり同じ番組の罰ゲームでガキさんとお化け屋敷に入れられた
時も、生きた心地がしなかった。
放映されたのは10分程度だったけど、本当は1時間以上もあの中を彷徨った
んだから…。



5 :弱虫ナイト :2006/03/25(土) 22:22


ロケに来ているメンバーは、あたしとガキさんとれいなの三人。
この中から二人をくじで選ぶことになって、ラッキーなことに当たりを引いた
のはガキさんとれいな。
だけど、入る前から既に真っ青な顔で涙目になっているれいなを見たガキさんが、

「だーいじょうぶだって!田中っちー。あたしが守ってあげるからー」

なんて言って肩を抱くもんだから、カッとなって次の瞬間にはこう叫んでいた。

「ガキさんダメ!!絵里が行く!」
「どうぞどうぞどうぞー」

やけにあっさりと引き下がったガキさんを見て「はめられた」と思った時には
もう遅くて、あたし達は薄暗い建物の中に放り出された。



6 :弱虫ナイト :2006/03/25(土) 22:23


「きゃああああああ」
「いやああああああ」

まだ入り口付近なのにあまりの怖さに涙が出てくる。
もう嫌だ。
帰りたい。
だけど、ふと隣を見ると、震えながら必死で耳を塞いでいるれいながいた。
暗くてよく見えないけどたぶん涙ぐんでる姿がどうしようもなく愛しく思えて、
あたしは決めたんだ。

「大丈夫、れいな。絵里が守ってあげる」

そう言って「うへへー」って笑うと、れいなは小さくコクって頷いて、あたし
の腕を掴んだ。



7 :弱虫ナイト :2006/03/25(土) 22:23


ああ、もう超かわいい!
このかわいいれいなを守れるのは、あたしだけなんだ。
そう思うと自然に勇気が湧いてくる。

大きく一つ深呼吸をして自分に言い聞かせる。
これはただの遊園地のアトラクションなんだ。
ましてやロケなんだ。
怖くない、怖くない。
空いている右手でしがみついているれいなの腕をしっかりと握る。



8 :弱虫ナイト :2006/03/25(土) 22:23


「うおおおー!」
「え、えい!」
「がおおおー!」
「や、やあ!」

次々と出てくるお化けを威嚇しながらひたすら前に進む。
やっぱりちょっと怖いけど、負けるわけにはいかない。
大切なれいなを守るために。

「も、もうすぐだからね…」
「ん…」



9 :弱虫ナイト :2006/03/25(土) 22:24


ようやく出口らしきものが見えてきたその時、あたし達の前に大きな壁が立ち
塞がった。
比喩とかじゃなくて文字通り、大きな壁。
これが最後の敵なんだろう。
なにやら張り紙が張ってある。

『ここを出たければこの穴の中にある鍵を手に入れよ』

その張り紙の下にはちょうど手が入るくらいの穴が空いていた。

この穴に手を入れろってこと?
む、無理…。
だって中に何があるかわからないのに…。
もしかしたらいきなり手を掴まれて引っ張られるかもしれないのに…。



10 :弱虫ナイト :2006/03/25(土) 22:24


その時、頭の中にガキさんの言葉が響き渡った。

『お化けは触れない約束になってるから』

…そっか。
お化けは絶対に触れないんだ。
それが約束なんだ。
ガキさんが言ってたんだから間違いないんだもん。

意を決して手を入れる。
その瞬間、しがみついているれいながさらに強い力で腕を掴んできて、その
温もりであたしの中の恐怖は全部吹っ飛んだ。
…ような気がした。



11 :弱虫ナイト :2006/03/25(土) 22:24


ガキさんの言う通り、誰にも触られることなく鍵を手に入れることが出来た。
穴から手を出すと壁が自然に開いて、今度は扉が現れる。
微かに明かりがもれているから、その向こうにあるのはきっと出口だ。
さっきの鍵を使って扉を開ける。

もう大丈夫だよ、れいな。
もう出られるよ。

気付くとあたしは全身汗びっしょりで、明らかにテレビに出られるような姿じゃ
なかったけど、れいなを守りぬくことが出来た達成感でとても爽やかな誇らしい
気持ちでいっぱいだった。

「れいな、行こ?」

れいなもちょっとだけ安心したようで、ようやく顔を上げて「うん」って言って
くれた。



12 :弱虫ナイト :2006/03/25(土) 22:24


外に出るとガキさんやスタッフさんが待ち構えていて、「お疲れー」なんて声を
かけてくる。

「カメ達、1時間も出てこないから心配したんだよー」

そんなに時間が経ってたんだ。夢中で気付かなかったけど…。

「…っく、グス…」
「れ、れいな?」

安心したせいか、れいなは泣き出してしまった。
それまで堪えていたものが一気にあふれ出すように。

怖かったんだよね。
かわいそうに…。

あたしは両手を思いっきり広げて受け入れ態勢を万全にして…。



13 :弱虫ナイト :2006/03/25(土) 22:24


「さあ、れいな、絵里の胸に…」
「田中っちー!おいでー!」
「…新垣さーん…」

…え?
れいなはあたしをものの見事にスルーして、ガキさんの腕に抱かれている。
どういうこと?
あたし、頑張ったのに…。
一生懸命れいなのこと守ったのに…。

「よしよし。よく頑張ったねー」

ガキさん、ズルい。
あたしのことはめたくせに…。
あたしだってれいなのこと抱きしめて頭撫でてあげたいよ。

れいなもれいなだよ。
さっきまであんなにしがみついてたくせに頼ってきたくせに、出た瞬間に放置
なんてひどいよ。
バカ。



14 :弱虫ナイト :2006/03/25(土) 22:25


いじけてるあたしに気付いたのか、ガキさんは右手でゴメンのポーズをして、
れいなの肩を掴んだ。

「田中っち、カメがいじけてるみたい。行ってあげな?」

別にいじけてなんかないもん。
れいななんかもういいよ。
ガキさんのとこにいればいいじゃん。

だいぶ落ち着いたのか、涙を拭きながら近付いてくるれいな。
頬を膨らませて睨むあたし。

「…絵里」
「…なに?」

わざと冷たく答えてやった。
怒ってるんだからね?



15 :弱虫ナイト :2006/03/25(土) 22:25


その態度に傷ついたのかれいなは一瞬うつむいちゃったけど、そのままあたし
の服の裾を掴んで。

「…ありがと」

涙目で上目遣いで言われたその言葉にあたしはもう完全にノックアウト。
だけど、簡単に許すのは癪だから耳元で囁いてやった。

「じゃあ、今夜は朝まで絵里に付き合ってね」

れいなは真っ赤な顔で「バカ」って言ったけど、服を離そうとしない手がOK
の合図だってわかってるんだ。



16 :弱虫ナイト :2006/03/25(土) 22:25


二人の世界に入り込んだあたし達の耳にガキさんの呟きが聞こえた。

「…バカップルめ…」

怖がりのあたし。
弱虫のあたし。

だけど、れいなを守るためならちゃんと強くなるよ。
だから、そういう時はちゃんと褒めてよね?
れいなのたった一言でもっともっと強くなれるんだから。



17 :弱虫ナイト :2006/03/25(土) 22:27


その日の夜、弱虫ナイトはお姫様を夢の世界へと連れて行きましたとさ。




18 :名無飼育さん :2006/03/25(土) 22:29


以上です。



19 :名無し飼育さん :2006/03/27(月) 11:30
れなえり好物なんで、更新待ってます。
20 :名無し飼育さん :2006/03/29(水) 08:25
すごくよかったです
れいなが可愛くってたまりません
みきれなも楽しみにしてます
21 :名無飼育さん :2006/03/29(水) 21:27
>>19
ありがとうございます。
れなえり万歳!

>>20
かわいいれいなを書くのが自分の生きがいですw
みきれなはそのうち…。

では、更新。
22 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:28


『プライベートグルメレポート』



23 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:29


仕事帰り、あたしの腕を掴んでれいなが言った。

「絵里、今日うちに来ん?」

付き合い始めてからもう何回かお互いの家にお泊りに行っているけど、れいな
から誘われるのは初めてだった。
れいな、ひょっとして…。

「欲求不満なの?」
「…バカ」

思いっきり殴られた。



24 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:29


どうやらおばさんと弟くんが春休みを利用して福岡に帰ってしまったらしい。
ああ見えてかなりの寂しがり屋のれいなは家に一人でいるのが怖いんだろう。
口に出しては言わないけど、それくらいわかる。
だって、あたしはれいなの恋人だもん。

あたしが「いいよ」と返事した途端、れいなはいきなりテンションウエウエで
「じゃあ、れいながご飯作るけん!」と声高らかに宣言した。
その時からなんとなく嫌な予感はしてたんだ…。

人のことは言えないけどれいなはあまり料理が上手な方ではない。
確かこの前、弟くんにタマゴサンドを作ってあげたら「イマイチ」とか言われて
突っ返されたとか言ってたような…。



25 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:29


やけに張り切っているれいなに見つからないように、自分のお腹を一撫でする。

------頑張るんだよ。

「ぐううう」

絶妙なタイミングで鳴ったその音はれいなの耳にも届いたようで。

「絵里、お腹すいとうと?いーっぱい作るけん、いーっぱい食べてね」

ますます張り切らせてしまったようだ。
これこそまさに、自業自得…なのかな…。



26 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:30


家に着くなり台所にこもりっきりのれいな。
暇なあたしはソファで娘。のDVDを見ている。

うん、なんかこういうのも悪くないなあ。

あたしは結構ズボラな人間で待ち合わせに遅れたり部屋の掃除が苦手だったり
する。
れいなはその辺は意外ときっちりしてるから、ちょうど良いバランスなんだと
思う。
将来、一緒に暮らしたりとかしちゃったりとかした時には、家のことはれいな
にやってもらおう。
その代わり、あたしは全身全霊をかけてれいなのことを守るんだ。

うん、そういうのって悪くない。



27 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:30


そんな妄想をしている間にも、台所の作業は順調に進んでいるようだ。
ノリノリのれいなは一人でモノマネをしたりしてすごく楽しそう。
時々発せられる、「あー!」とか「やっばい…」とか「あれ?まいっか」なんて
声は…聞かなかったことにしよう。
そう思った瞬間、再びお腹が鳴って、あたしはまた励ましの言葉を贈る。

------お願い、今日一日の我慢だから。

「きゅるるるる」

我ながら情けない音…。



28 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:31


「出来たー」

…そして、恐怖の時間がやってきた。

「…あれ?れいな、これ…」

れいながテーブルの上に置いたのはお皿やお椀じゃなくてお弁当箱だった。
家なのにお弁当???
あたしの問いかけになぜか真っ赤な顔でそっぽを向くれいな。
なんで?なんで?なんで〜♪
ってそうじゃなくて…。

「これからピクニックとか…?」

まさかなあ、もうこんな時間だし、夜はまだ結構冷えるし。

「あ、じゃあ、お皿がなかったとか…?」

普通にいつも生活している家なんだからそんなわけないよなあ。

「もう、なんだっていいっちゃろ!」

れいなはさっきよりも更に赤い顔で、お弁当箱をグイっとあたしの方に押し
出した。
いや、まあ、お弁当箱はともかく、その真っ赤な顔の理由は気になるじゃん。



29 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:31


これ以上追求しても仕方ないと思い、お弁当箱を開ける。
…ん?なんかデジャブ?どっかで見たような…。
しかも、なんだか嫌な思い出があるような…。

「覚えてないと?」
「え?何を?」

あたしがそう言うと、れいなはDVDプレーヤーをいじってテレビの方を指で
示した。
なんだろう…?

画面に映し出されたのは数ヶ月前のとあるテレビ番組。
あたしが一人で話してる。
ああ、これ確かさゆのまずいお弁当を食べさせられた時…。



30 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:31


その瞬間、デジャブの正体が判明した。
そうだ、さゆのお弁当と一緒なんだ。
今テーブルの上に置いてあるものと画面に映っているものは、色も形も(その
なんともいえない不味そうな雰囲気さえも)ほぼ同じだった。
慌ててれいなの方を向く。

「…悔しかったけん」

テレビを消してポツリポツリと話し出すれいな。

「れいなも絵里にお弁当あげたかった…」

…ああ、もう。
テレビの企画だってわかっていてもやきもちを隠せなかったれいながかわいくて
愛しくて、思わず抱きしめたくなった。



31 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:32


「やけん、全部さゆのマネしたと」

へ?…れ、れいなさん、今なんて?

「作り方も盛り付けもぜーんぶさゆと同じにしたと」

それって、もしかして…。

「…テレビでやってたさゆのをマネしたってこと…?」
「うん」
「れ、れいな、絵里がさゆのお弁当食べてるの、最後まで見た?」
「ううん、ムカついたけん、こっから先は見とらん」

そ、そんな…。
撮影だって思いながらも、最初の一口で食べることを断念したさゆのお弁当。
スタッフさんでさえ、「ちょっとこれは…」と尻込みして結局そのまま行方
知れずになったさゆのお弁当。
玄関に置いておけばお化けすら近寄れないと評判のさゆのお弁当。

そのお弁当が今まさに目の前に再現されたのだ。
それも、愛しの恋人の手によって。



32 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:32


「ぐうううう、きゅるるるるるる」

あたしのお腹はあの時の恐怖を思い出して既に悲鳴をあげている。
だけど、それはまるでれいなのお弁当を欲しているようにしか聞こえなくて…。

「おかわりあるけん、遠慮しないでいいと」

幸せそうに言うれいなを悲しませるわけにはいかない。
意を決してお弁当に手をつける。

「…う」
「どう?」

どうもこうも…見事なまでにさゆの味が再現されている。
ていうか、あの放送見ただけでこんな完璧にコピー出来るんだったら、普通の
お料理番組見たらものすごく美味しいものが作れるんじゃ…。



33 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:32


「…絵里?」
「あ、ああ、うん、まあ、その…」
「さゆの方がおししいと?」

力の篭った目で睨みつけてくる。
いや、だから、さゆのお弁当は最初の一口しか食べてないんだってば。
率直に言うとぜーんぜんおいしくなかったんだってば。
むしろありえないくらい不味かったんだってば。

「…こっちの方がおいひい…」

無理やり噛み砕きながら精一杯の笑顔を作る。
それは一世一代の大芝居。
見破ってほしいような気もするけど、この場を乗り切るためには嘘をつくのが
一番だろう。

その言葉を聞いたれいなは今まで見たことのないくらい嬉しそうに笑ってくれた
から、それだけでどんなことでも乗り越えられると思った。



34 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:32


何度も何度も体の外に出してしまいたいという衝動を抑えて、ひきつった笑顔
でなんとか全部流し込んだ。
「おかわりは?」なんて追い討ちをかけるようなことを言うれいなに、「もう
幸せすぎてお腹いっぱい」なんて切り返す。
そんな自分に感心する。

付き合い始めた頃は何もわからなくて、お互い言いたいことだけ言ってケンカ
ばっかりだったのにね。
今はこんなふうにれいなのこと怒らせないように言葉を選んだりしてる。
それが良いことなのか悪いことなのかはわからないけど、あたしは今すっごく
幸せなんだ。
たぶん、れいなもそう思ってくれてるはず。



35 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:33


片付けを終えたれいなが隣に座る。

「ねえ、絵里」
「ん?」
「ホントはあんまりおいしくなかったんやろ?」
「え!?ええ!?」
「顔ひきつっとったし、眉毛こんなんなっとったし」

れいなはそう言って、両手で自分の眉毛をギュって下げた。
うわあ、情けない顔…。
バレバレだったんだ、一世一代の演技…。



36 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:33


「ごめん、でも…」
「いいと」

謝ろうとしたあたしを遮って、れいなは笑顔でこう言った。

「全部食べてくれて嬉しかった、ありがと」

…れいな。
そんなかわいいこと言われたら、もう我慢できないよ?

「おいで」

あたしは自分の太ももを叩いてれいなを促す。
一瞬、キョトンとしていたれいなは、その意味を理解すると真っ赤になって、
「…いいと?」って確認してきた。
そんなの、いいに決まってるじゃん。



37 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:33


「いいから、おいで」

いつもよりもちょっとだけ強い口調で誘ってみる。
れいなは黙って頷いて、あたしの膝に乗っかった。

よし、捕まえた。

「…ちょ、え、絵里?どこ触っとう…」

逃れようとするれいなの腰をがっちりと掴んで、あたしは自分の欲望に忠実に
行動する。

「ちょ、ま、絵里!離せ、バカ!」
「もう無理ですー、スイッチ入っちゃったもーん」
「はあ?いい加減にし…ん…」

抵抗して膝の上からソファに落ちたれいなの上に乗っかって、その騒がしい唇
を塞いでやった。
どうせ二人きりだし、夜はこれからだし。



38 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:34


「本日のメインディッシュ」
「…お腹いっぱいって言っとったくせに」
「ベツバラ、ベツバラ」
「…バカ」

れいなはもう抵抗しなかった。

「いただきます」

あたしは誰にも邪魔されずにゆっくりと最高のご馳走を味わった。



39 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:35


翌日はしっかり体調を壊して、マネージャーさんいたっぷりと叱られたけど。



40 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:36


亀井絵里のプライベートグルメレポート(ちょっと甘めに…)。

 タコウインナー-------★★☆☆☆
 チーズハンバーグ----★☆☆☆☆
 チャーハン----------☆☆☆☆☆
 卵焼き--------------★☆☆☆☆

 田中れいな----------プライスレス



41 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:37
 
42 :プライベートグルメレポート :2006/03/29(水) 21:37
 
43 :名無飼育さん :2006/03/29(水) 21:37


以上です。



44 :konkon :2006/03/30(木) 01:10
れなえりキターッ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!
可愛いれいなっていうのもいいですね♪
俺もお腹いっぱいですwww
45 :名無飼育さん :2006/03/30(木) 02:25
>37の萌えっぷりにクネクネ悶えました
オチもよかったっすw
46 :名無飼育さん :2006/03/30(木) 03:55
>>36 >>37のやりとり、あれはホントに萌え死にましたw
願わくば今一度あのようなミラクルが起きてほしいものです
・・・まぁ人前でやらないだけで二人きりでは・・・なんでしょうけどねw

次回も弱虫なナイトとお姫さまに期待してます
47 :名無飼育さん :2006/04/02(日) 01:03
>>44
田中さんは本人曰く「意外と乙女」だそうですw

>>45
オチはちょっとアリガチかなあと不安だったので良かったです。

>>46
最近は結構絡んでるので、再ミラクルに密かに期待してます。


では、更新。
48 :まいったなあ :2006/04/02(日) 01:04


『まいったなあ』



49 :まいったなあ :2006/04/02(日) 01:04


…まいったなあ。

美貴は今、人生最大の危機に直面している。
というのはちょっと大げさだけど、まあ、かなりヤバイ状況なのは確かだ。

ベッドの上。
無防備な姿で爆睡している田中ちゃん。
掛け布団を踏み脱いでいる上にTシャツがめくれているもんだから、真っ白な
背中が顕わになっていて…。
子供っぽい寝相とまるで誘惑しているかのような滑らかな肌。
そのギャップにどうしようもなくドキドキする。

これは、まいった。



50 :まいったなあ :2006/04/02(日) 01:04


どうやら美貴は(自分でも認めたくないけど)、田中ちゃんに対して特別な感情
を抱いているらしい。
加入当初やおとめ組の時から「美貴姉」なんて呼び方で慕ってくれてた女の子。
積極的なわりに人付き合いに不器用なところがあって、少しだけ自分と同じ匂い
を感じてた。
だからずっと気になってたんだ。

だけど、美貴の愛情表現は男子中学生並で、気になる相手ほど冷たくしたり距離
を置いたりしてしまう。
そんな美貴の態度を見て、最初はよく話しかけてきてくれた田中ちゃんも、今は
用事がある時以外は近づいてこない。



51 :まいったなあ :2006/04/02(日) 01:05


それは寂しいことではあるんだけど、少しだけホッとしてたりもする。
だって、田中ちゃんは最近グングン女らしくなってきて、だけどまだあどけない
部分もあって、とにかく美貴はかなり我慢の限界に達してるから。

今ではすっかり「藤本さん」になってしまったけど、もしももう一度「美貴姉」
って呼ばれたら、理性を保つ自信なんてない。



52 :まいったなあ :2006/04/02(日) 01:05


だから、つい数時間前、遠征先のホテルでいつも通り部屋割りが発表された時、
美貴の心臓は張り裂けそうになった。

「藤本と田中」

これまで、何度となくメンバーとホテルに泊まってきたけど、幸か不幸か、田中
ちゃんと同部屋になったことはない。
それなのに…。

本当は、美貴と一緒だと田中ちゃんも気まずいと思って、誰かに替わってもらおう
としたんだ。



53 :まいったなあ :2006/04/02(日) 01:05


そしたら、真剣な顔をした田中ちゃんが、

「藤本さんはれいなと一緒じゃ嫌ですか?」

なんてとんでもない質問をするもんだから、美貴は「別に」と答えるのが精一杯
だった。

田中ちゃんはたまにドキッとするような、核心をつくことをサラッと言ってのける。
しかも、自分がすごいことを言っているってことを全くわかっていないから困る。

一緒じゃ嫌ですかって、それって結構きつい質問だよ、田中ちゃん…。



54 :まいったなあ :2006/04/02(日) 01:05


そんなこんなで、部屋に入ったものの気まずい雰囲気に耐え切れずにシャワーを
浴びて出てきた美貴を待ち構えていたのが、今のこの状況なわけで。
相手が田中ちゃんでなければ、そう、たとえば麻琴とか亀ちゃんだったら、完全に
スルーして眠れるんだけどなあ。

…とりあえず、起こそう。
疲れているのはわかるけどこのままじゃ風邪を引くし、シャワーも浴びてないし、
何よりも美貴の心臓に悪い。

「田中ちゃん?」




びくともしない。
揺り起こすことも考えたけど、体に触れるのはちょっとまずい。



55 :まいったなあ :2006/04/02(日) 01:06


そういえば、田中ちゃんて納豆嫌いだったよね。
前に匂いを嗅いだだけで気持ち悪くなると言ってたことを思い出す。
ちょっとかわいそうだけど、起こすためだ、仕方がない。

超高速でかき混ぜた納豆を田中ちゃんの鼻に近付ける。




びくともしない。
うーん。



56 :まいったなあ :2006/04/02(日) 01:06


美貴は次の作戦を練る。
ふと、ベッド脇の冷蔵庫が目に入り、名案が浮かんだ。
氷攻めだ。
直接触れなければいいんだし、いくらなんでもこれなら目を覚ますだろう。

キンキンに冷えた氷をコンビニの袋に詰め、田中ちゃんの後頭部にくっつける。




びくともしない。
はあ?ありえないっしょ…?
田中ちゃんてこんなに寝起き悪かったんだ…。



57 :まいったなあ :2006/04/02(日) 01:06


美貴は更なる作戦を練る。
…ダメだ、思いつかない。
諦めかけたその時、自分の鞄の上におもむろに置いてある物体が目に入った。

それは、よっちゃんが遊び半分で買ってきた付け髭。
こんなんで起きるわけないと思いつつ、芽生えたいたずら心を止めることが出来
なかった。

最終兵器・付け髭を田中ちゃんのおでこに貼り付ける。
素肌には触れないように、そっと、慎重に…。




…ぷ…。
そのあまりの滑稽さに思わず吹き出してしまう。
それでも、田中ちゃんはびくともしなかった。



58 :まいったなあ :2006/04/02(日) 01:06


あーあ、まいったなあ。

こうなったら最後の手段を使うしかない。
密室に二人きりという状況を回避出来ればいいわけで、要するに誰かに部屋を
替わってもらえばいいんだ。

そう思ってドアノブに手をかけた瞬間。

「…ん…美貴…姉…?」

ドキッとした。

「…どっか、行くと?」

寝ぼけているのかボーっとした顔で目をこすりながらこっちを見てる田中ちゃん。
美貴にはそれが「行かないで」って言ってるようにしか聞こえなくて。

「…どこにも行かないよ」

そう答えると、田中ちゃんは無邪気な笑顔で「良かったあ」と言って、再び眠り
についた。



59 :まいったなあ :2006/04/02(日) 01:07


…まいったなあ。

今日何度目かわからないため息をつく。
美貴の心臓はさっきからバクバクバクバクと音を立てて動いていて、この有り
余った感情をぶつける先を欲しがっている。

目の前には無防備な姿で爆睡している田中ちゃん。
美貴はそっと手を伸ばす。

そして。



体に触れないように慎重に、掛け布団をかけ直す。



60 :まいったなあ :2006/04/02(日) 01:07


「意外とヘタレなんだよなあ…」

だけど、こんなかわいい寝顔を見れるなら、それはそれで良しとするか。
美貴は今日最後のため息をついて、自分のベッドへと潜り込む。

そして、

「おやすみ。…れいな」

こんな時くらいしか呼び捨てに出来ない、かわいい彼女の名前を小さく呟いて
そっと目を閉じた。

田中ちゃんの寝息や寝返りする音が気になって、結局ほとんど眠れなかったけど。



61 :まいったなあ :2006/04/02(日) 01:07


翌朝、田中ちゃんよりも一足先に部屋を出ると、同じタイミングで部屋から出て
きた亀ちゃんに遭遇した。
美貴を見るなりニッコリ笑って、「おあよーございますー」なんて舌っ足らずな
声で挨拶する。
その声に美貴のイライラは最高潮に達する。

「あれ?藤本さん、クマ出来てますよ?ダメじゃないですかー、今日も大事な
 コンサートがあるんですからー」

ブチ。
その瞬間、完全に何かが切れた。
美貴はその溜まりに溜まったイライラを思う存分亀ちゃんにぶつけてやった。



62 :まいったなあ :2006/04/02(日) 01:08
 
63 :まいったなあ :2006/04/02(日) 01:08
 
64 :名無飼育さん :2006/04/02(日) 01:08


以上です。



65 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:19


『お調子者のホーリー・ウォーズ』



66 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:19


まったりとしたオフの日の午後。
大好きな恋人と二人きりの時間。
幸せなひととき。

「ふにゃあああああああああ!!!」

…を打ち破る突然の叫び声に、ソファでウトウトしかけていたあたしは飛び起きる。
な、何!?

「れ、れいな?」
「え、え、え、絵里…」

これはただごとじゃないと思って声が聞こえる方向に飛んで行くと、洗面所の入口で
震えているれいなを見つけた。



67 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:20


「あ、あ、あ、ゴ、ゴ、ゴ…」
「あ、アゴ?アゴが外れたの?」

あたしの問いかけに大きく首を振るれいな。
その目は既に潤んでいて今にも泣きそう。
れいなは二人きりでいるとすぐに泣いてしまう。

人前では泣きたくないって言ってたから、あたしには心を許してくれてるってことなの
かな。
うん、きっとそうに違いない。
だから、れいなが涙を見せる度に強くならなきゃって思う。



68 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:20


「え、絵里!絵里!ボーっとしとる場合じゃないと!!」

あ、そうだった。

「うへへ、ごめんごめん。どうしたの?」
「あ、あれ…」

れいなの指差す方向に目を向けると、そこには消しゴムくらいの大きさの黒光りしている
物体があった。
いや、こういう場合は「いた」という表現が正しいのかも。



69 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:20


「きゃああああ!」

その物体は、さっきのれいなに勝るとも劣らない叫び声をあげたあたしに対して、まるで
「うるさいなあ」と言わんばかりに触覚を動かしている。

「ここここ、こっち見てる!」
「絵里が騒ぐからやろ!」
「え?え?え?ゴキブリって声聞こえるの?」
「そんなん知るわけないっちゃろ!早くやっつけてよ!」

む、無理無理無理無理!
いくら大切でかわいいれいなの頼みでもそれだけは無理!

「絵里、取れないよお…」
「あのままほっとくと!?そんなん無理、ありえん、耐えられん」

…ねえ、れいな。
何でそんなに強気なの?
だったられいなが退治すればいいじゃん?
大体ここはれいなの家なんだし、あたしは別に…。



70 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:21


口には出せずに頭の中で反論してみる。
その間にも敵はどんどんどんどんこちらに近付いてくる。

何で?普通、逃げるもんじゃないの?ゴキブリって…。
だけど、奴はまるで「やれるもんならやってみな」という挑戦的な態度で間合いを詰めて
くる。
無理無理無理、絶対無理!

「え、絵里!」

近付いてくる敵に怯えながら、いつの間にかあたしの後ろに隠れているれいな。
こういう時のれいなはやたらと素早い。
走るの遅いくせに。

「れいな、絵里やっぱり無…」
「あれやっつけたら、絵里はカッコ良いと思う!」

…え?今、なんて?



71 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:21


「すっごいメッチャクチャカッコ良い!」
「…ホントに?」
「ホントに!」
「絵里、カッコ良い?」
「うん、もうちょーーーーーーカッコ良い!!」

その言葉を受けてあたしは俄然強めモードになった。
れいながカッコ良いって言うんだ。
それならやるしかない。
敵はたかだか消しゴム程度の虫なんだ。
あたしが本気を出せば勝てないはずがない。

「よ、よし!」

心の中で決意したわりに、発せられた掛け声はいつも通り情けないもので、なんとなく
不安になる。
でも大丈夫。きっと。
…いや、たぶん。



72 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:21


潰すのはさすがに抵抗あるし、一番簡単なのは殺虫剤だろう。
そう考えたあたしは背中に張り付いているれいなに問い掛ける。

「れいな、殺虫剤どこ?」
「トイレの棚の中」
「わかった」

取ってこようと思い立ち上がろうとした瞬間、強い力で引っ張られた。
痛いって。

「れ、れいな?」
「どこ行くと!」
「どこって殺虫剤取りに行くんだよ」
「れいなのこと一人にすると!」
「だって、それがないとやっつけられないじゃん!」
「無理!ぜーったい無理!あいつと二人きりなんて無理!!」

もう!れいなのワガママはかわいくて好きなんだけど、今はそんな場合じゃないでしょ!



73 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:22


「じゃあ、れいなが取ってきてよ!」
「無理やって!」
「なんでよ!?」
「…動けん」
「はあ?」

どうやら腰が抜けて立てないらしい。
真っ赤な顔でうつむいてるれいなに不覚にもときめいてしまった。



74 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:22


うーん、どうしよう。
素手であいつと戦うなんて絶対に無理、ていうか嫌だし。
敵は、そんなオバカなやりとりにも動じずにじっとこっちを見てる。
なんとかしなくては…。

その時、ふとタオルかけにかかっている紫色のタオルが目に入った。
うわ、趣味悪…。

よし、しょうがない。
殺虫剤がダメならタオルで…。

そう思ってタオルに手を伸ばしかけた瞬間、再び強い力で引っ張られた。
だから痛いって。

「ちょっと!今度は何?」
「そのタオルでやると?」
「うん、だって何か武器がないと…」
「ダメ!そのタオルはれいなの宝物やけん!」
「た、宝物って、そんなこと言ってる場合じゃないじゃん!」



75 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:22


さすがのあたしも半分キレそうになる。
やっつけろ。でもあれはダメ、これは無理。
それじゃあどうしようもない。

「そのタオル、絵里がくれたけん」
「え?…あ、そっか…」

すっかり忘れてたなんて言ったら怒られるだろうけど、それは確かに去年あたしが
あげたタオルだった。
宝物だって言ってるわりに、ところどころちぎれかけていたり汚れていたり、そも
そもこんなところに無造作にかけてあるなんてどうかと思うけど…。

「寂しい夜とかはそれを絵里と思って…」

…うわあ。
言ってるれいなも恥ずかしそうだけど、言われてるあたしまで顔が熱くなるのを感じた。



76 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:22


さて、殺虫剤もタオルもないあたしは言わば剣も魔法も使えない勇者みたいなもので、
しかも背中で震えるお姫様のせいで「逃げる」という選択肢も選べない。
このままでは埒があかない。

と、その時だった。
敵も痺れを切らしたのだろう。
あろうことか、あたし達の方に飛んできたのだ。

「ふにゃあああああああ!」
「きゃああああああああ!」

目を瞑って必死で両手を振り回す。
いや、無理、お願いだから来ないで!
次の瞬間、鈍い感触が右手を襲い、恐る恐る目を開けた。
敵の姿はない。



77 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:22


「…え、絵里?あいつ、どこ行ったと?」

あたしは黙って首を振る。
なぜか言葉が出ない。
だって、何だか嫌な予感がするんだもん。
普段鈍感だと評判のあたしだけど、こんな時の勘はよく当たる方だったりする。
全然嬉しいことじゃないんだけどね…。

自分の勘に従い、右方向に目を向ける。



78 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:23


…ああ、やっぱり…。

視線の先には見事に倒れている一匹のゴキブリの姿があった。

「…絵里」
「…うん」
「…やっつけたね」
「…そうだね」
「…」
「…」
「…あれ、取って」

れいなちゃん、それだけはいくら何でも勘弁して下さい…。

結局、その直後に帰ってきたれいなのおばさんが敵を取ってくれて、あたし達の長い
戦いは幕を閉じた。



79 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:23


そして今、れいなの部屋で二人きり。

何だか妙に疲れた。
今日はせっかくのオフで、れいなとあんなことやこんなことをしながらゆっくりと
過ごすはずだったのに。

「疲れた?」

ベッドの上で倒れているあたしを心配そうに覗き込んでくるれいな。

「疲れたよお…」

いつも以上に舌っ足らずで甘い声が出て自分でもちょっとビックリした。
ああ、なんだか甘えたいモード。



80 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:23


「ねえ、れーなー」
「んー?」
「絵里、カッコ良かった?」

れいなにカッコ良いって言われたいがためにゴキブリに立ち向かったあたし。
バカみたいにお調子者だってわかってるけど、照れ屋なれいなに褒めてもらえる滅多に
ないチャンスを逃すわけにはいかない。

「ねーねー?」

れいなは予想通り照れて言ってくれない。
勢いでは大胆なことを言うくせに…。
そういうれいなもかわいいんだけどね。

いつもはこの辺で許してあげるけど、今日はダメだもん。
だって、絵里はれいなのために戦ったんだから。



81 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:23


「れーなー」

あたしの粘りについに観念したれいなは、ボソボソっと呟いた。

「…カッコ、良かった」
「うへへー」
「あーもう、絶対に言わんと!もう二度と言わんと!」

いいよーだ、今の言葉、一生胸に焼き付けておくもん。
寝ていた体を起こして肘を使ってれいなの方に移動する。

「な、なん?」

ビビってるれいなの膝に頭を乗せる。
一度やってもらいたかったんだよね、膝枕。



82 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:23


「うへへー」
「…絵里、キモい」

文句を言いながらもれいなは優しく頭を撫でてくれる。
最近、お肉がついてきたれいなの膝はかなり気持ちいい。

「…うへ…へー」

本能の赴くままにあたしは目を閉じた。



83 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:24


聖なる戦いに勝利した弱虫ナイトは、お姫様の元で疲れた体を癒しましたとさ。



84 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:24
 
85 :お調子者のホーリー・ウォーズ :2006/04/11(火) 20:24
 
86 :名無飼育さん :2006/04/11(火) 20:25


以上です。



87 :名無し募集中。。。 :2006/04/15(土) 01:17
かわいいれなえりゴチです
88 :名無飼育さん :2006/05/10(水) 23:22
いいですねーにやにやしちゃいますねーw

遅レスですが>>61の亀ちゃんが心配でしょうがないです…
89 :名無飼育さん :2006/05/15(月) 19:15
>>87
喜んで頂けたようで、どうもです。

>>88
そういえば…。まあ、亀井さんなら平気でしょうw

では、更新。
90 :オフの日は忠猫日和 :2006/05/15(月) 19:16
『オフの日は忠猫日和』
91 :オフの日は忠猫日和 :2006/05/15(月) 19:17


忙しなく動き回る後ろ姿は、まさに田中ちゃんを象徴する動物そのもの。
もっとも、気まぐれな猫はこんなふうに人に尽くしたりしないみたいだから、どちらかと
言えば犬の方が近いのかもしれない。
どっちにしろ、その動きはさながら小動物みたいで、美貴の心を激しく揺さぶる。

「藤本さん。毎回毎回、なんでこんなに散らかるんですか?」
「…さあ?」
「…なんか、れいな、家政婦みたい」

ブツブツと文句を言っている割に嬉しそうだから、美貴はそのままソファに横になって
その様子を見ている。



92 :オフの日は忠猫日和 :2006/05/15(月) 19:17


「そういうれいなが見たいからだよ」

なんてセリフは、100年経って地球が変わっても言えそうにない。
…そんなのガラじゃないし。



93 :オフの日は忠猫日和 :2006/05/15(月) 19:17


田中ちゃんがこうして美貴の家に遊びに来るようになってから、早いもので半年が過ぎた。

最初のきっかけは、確か6期の三人が「藤本さんの家が見てみたーい」とかって勝手に
約束を取り付けたあの日。
インターホンが鳴ってドアを開けると、そこには見るからに目いっぱいのオシャレをした
田中ちゃんが一人で立っていた。
あのアホコンビが突然風邪をひいたなんて見え見えのウソに、美貴は今でも騙されている
フリをしている。



94 :オフの日は忠猫日和 :2006/05/15(月) 19:18


田中ちゃんは、家に来たからといって何をするというわけでもなかった。
引き篭もり体質の美貴は家ではのんびりとしていたいし、自ら招いてもいない客をおもて
なしするほど優しい人間でもない。
借りてきたDVDを見たり昼寝をしているうちに、いつの間にか時間が過ぎていく。
いつもと変わらないオフだった。
二人でいるということを除いては。

帰り際、田中ちゃんは不安そうな顔で尋ねた。

「また、来てもいいですか?」

断る理由がないから「いいよ」って答えた。
亀井ちゃんや重さんと違ってギャアギャアうるさいわけでもないし、一緒にいることで
不快になることはなかったから。



95 :オフの日は忠猫日和 :2006/05/15(月) 19:18


それからというもの、お互い特に予定のないオフは一緒に過ごすことが恒例となった。
といっても、基本的にインドア派の美貴は積極的に外出することはほとんどない。
遊びに来るような相手は亜弥ちゃんくらいしかいないし、その亜弥ちゃんともオフの日が
合わないということもあって、最近はほとんど遊んでいない。

つまり、初めて家に来たあの日以来、オフの日はずっと田中ちゃんと過ごしている。

予定がないから一緒にいるのか、一緒にいたいから予定を入れないのか。
そこら辺は、…まあ、微妙なところだけれど。



96 :オフの日は忠猫日和 :2006/05/15(月) 19:18


何回目かの訪問日。
確か、コンサートで地方に遠征した翌日。
疲れのあまり脱ぎっぱなしにしていた洋服を見つけた田中ちゃんが、

「これ、片していいですか?」

と目を輝かせて聞いてきた。

「どうぞ」

そっけない返事だったにも関わらず、田中ちゃんはものすごく嬉しそうにそれを片付けた。
それ以来、田中ちゃんは家に来ては掃除をするようになっていた。



97 :オフの日は忠猫日和 :2006/05/15(月) 19:19


「藤本さーん、これ、どこにしまえばいいですか?」
「んー、あー、その棚でいいんじゃん」
「じゃあ、これは?」
「んー、じゃあ、そっちの引出しで」

最初のうちは頻繁に行われていたやりとりだが、今ではもう田中ちゃんは完璧にそれらの
置き場所を把握している。
そのことを誇らしげに「れいな、やっぱ天才かも」なんて自画自賛する姿に、美貴まで
なぜか誇らしげな気分になる。

だから、いつの間にか、オフの前の日はわざと散らかすのがクセになった。
そんなにだらしない方ではないし、なるべくわざとらしくないようにと心掛けているから、
結構大変だったりするんだけど。
それを止めようとしないのはやっぱり、田中ちゃんのこんな姿が見たいからなんだろう。



98 :オフの日は忠猫日和 :2006/05/15(月) 19:19


忙しなく動き回る後ろ姿を、たまにからかってみる。

「ねえ、田中ちゃんて、人の部屋掃除するのが趣味なの?」

意地悪な質問。
田中ちゃんは頬を膨らませて上目遣いで睨んでくる。
そんな姿でさえも愛しいと思ってしまうのは、もう完全にはまっている証拠なのかも
しれない。




99 :オフの日は忠猫日和 :2006/05/15(月) 19:19


「…れいな、藤本さん以外にはしませんけど」
「あ、そ」
「…ムカつく」

小さく呟いて、田中ちゃんは再び部屋の片付けを始める。
そして美貴は、ニヤけているこの顔を見られないように、ソファで寝たフリをする。

そんな、オフの日。



100 :名無飼育さん :2006/05/15(月) 19:20
以上です。

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