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たぐちューンズ

1 :名無飼育さん :2016/07/15(金) 23:57
短編。

登場人物は、こぶしファクトリーが主です。
何卒よろしくお願いいたします。
2 :全力組長 :2016/07/15(金) 23:59

 ◇ ◇ ◇


 
 
3 :全力組長 :2016/07/15(金) 23:59

 お弁当が積んである場所に先客の姿があった。5種類あるお弁当をじっくり選びながら野村みな美が何かぶつぶつ呟いている。彼女のチャームポイントのアゴに手を当てて真剣な様子でうろうろとお弁当の前を行ったり来たり。
 それを見ていたらみな美は私に気が付いて「お疲れ」と声を掛けてきた。私も同じ言葉を返してみな美の隣に並んだ。
 「あやぱんも休憩? 」
 「うん。のむさんも? 」
 頷きながらみな美は眉間に皺を寄せてお弁当の山を見つめていた。
 私は一番手前にあったお弁当を手に取る。持ってみたら思ったよりも重量があった。全部食べられるか分からないけれど、オムライスとサラダが一緒に入っているものだ。一緒に割り箸とプラスチックのスプーンも忘れずに持った。
 みな美はお弁当一つ選ぶのにどのくらい時間をかけて迷っているのだろうか。まだ決めあぐねているようで、テーブルのある場所へ移動しようとした私を引き留める。
 「オムライスにするんだ」
 「昨日、加賀さんが食べて美味しかったって言ってたから」
 私がオムライスを選んだ理由が意外だったみたいで、みな美は目を丸くした。
 「一緒のにする? 」
 なんとなく提案してみるとみな美は表情をぱーっと明るくさせて頷いた。
 素直に受け入れられると私もなんだかくすぐったいような気持ちになる。スプーンを持たずに、あっちへ行こうとしたみな美を慌てて引き留めスプーンとお箸を持っていくように言う。「サンキュー」と、みな美は爽やかに礼を言った。
 
4 :全力組長 :2016/07/16(土) 00:00

 * * *


 
 
5 :全力組長 :2016/07/16(土) 00:00

 「和田さんはお弁当、何食べたんだろう」
 場所を移動して一口オムライスを口へ運ぶ直前、みな美がポツリと言った。
 「確かに」と私も甘酸っぱいケチャップの味を噛みしめながら考えた。
 加賀楓さん、今日のお弁当何にしたんだろう?
 まさか二日連続でオムライスってことはないだろうな。もし、同じだったら今日一緒のものを食べたことになる。まさかまさか、そんな運命的なことが…可能性は0ではない。和田桜子ちゃんにそれとなく加賀さんが今日のお弁当を何にしたのか探りを入れてみようかな。

6 :全力組長 :2016/07/16(土) 00:01

 加賀さんのことを考えて表情が緩んでしまった所為かもしれない。
 「口、付いてるよ」
 と、みな美が当たり前のことを言いながら笑っている。
 口が付いているのは生まれつきだし、みな美だって加賀さんにだって口は付いている。
 反応が鈍かった私に、今度は自分の口元を指して「あやぱん、ケチャップ付いてる」とみな美は教えてくれた。
 始めからそう言ってくれればいいのに。
 「麗奈なら知ってるかもね。和田さんが何食べたのか」
 口元をお手拭でぬぐいながら先程のみな美の呟きに遅ればせながら返事をした。
 小川麗奈は今回のコンサートでアンジュルムの和田彩花さんと同じユニットに選ばれた。なので、麗奈は一緒にお弁当は食べていなかったとしても、和田さん情報を得やすい環境にいる。
 
7 :全力組長 :2016/07/16(土) 00:01

 「麗奈かあ」
 ペットボトルのお茶に口を付けてみな美はなんとなく不安気な表情になった。
 説明されなくてもみな美の不安気な表情の理由はなんとなく分かった。
 麗奈が、和田さんと一緒にお弁当を食べていたとしても、誤った情報を教えてくれそうな懸念が拭いきれないのだと思う。
 普段から天然発言が多い上に、物を知らないことが多々ある麗奈。しかもハロー!プロジェクトのコンサートのリハーサル中は覚えなければならないことが膨大だ。正確な情報を得られるのは難しいだろう。

 「ちょっとでもお喋りできるといいね。和田さんと」
 私の慰めるような言葉にみな美は「よーし」と、半袖のシャツを更に肩まで腕まくり上げて突然気合いを入れた。
 「今日は和田さんに挨拶してから帰れるように、頑張ろう」
 勢いよくオムライスを口に運んでいた。
 頑張りどころが間違っていると、こぶしファクトリーのリーダーとして指摘した方が良いか迷った。でも全力ファクトリーを体一杯表現できるみな美はカッコイイから何事にも頑張って欲しい思いが勝つ。
 明日、和田さんに会えたかその結果を聞くことが楽しみになり、ちょっとだけドキドキした。

 
8 :_ :2016/07/16(土) 00:02




 
9 :_ :2016/07/16(土) 00:02




 
10 :名無飼育さん :2016/07/16(土) 00:03

以上です。


 
11 :ケンカ組長 :2016/07/16(土) 00:04

 ◇ ◇ ◇



 
12 :ケンカ組長 :2016/07/16(土) 00:04

 麗奈に会いたい。
 毎日飽きるくらい顔を見れていた。麗奈だけじゃない。グループを結成してからはメンバーと会わない火を数えた方が早いくらい毎日毎日顔を合わせている。ハロー!プロジェクトのコンサートリハーサルが始まってからは一日がかなり短い。なんとなく慌ただしくて今日が何曜日か分かんなくなる。7月下旬に3rdシングルを発売することもあってイベントも重なるし、夏休みに入ったらハロプロではなく対外的なイベントにも出演する。スケジュールを把握できていないくらい今年は忙しい。
 忙しいと、心もだんだん一杯いっぱいになってくる。一杯いっぱいの心では嬉しいも悲しいもイライラもドキドキもすぐ溢れ出しちゃう。こんな時、麗奈にぎゅーって抱き付いたらちょっとは心も落ち着くんだけど。麗奈も私もコンサートのリハーサルで忙しいのは同じだった。
 こんなことなら昨日、こぶしファクトリーのリハーサルの時にぎゅーってしてもらっておけばよかった。後悔しても時間は戻らないし。麗奈は側にいない。

13 :ケンカ組長 :2016/07/16(土) 00:04

 * * *



 
14 :ケンカ組長 :2016/07/16(土) 00:05

 今日もこぶしファクトリーのメンバー全員がコンサートのリハーサルなのは間違いないから麗奈もスタジオにいるはずだった。
 のん気にお弁当を食べていたのはのむさんとあやぱん二人で、控室にはれいれいと梨央がいた。はまにメッセージを送ったら別のリハーサル室にいると返信が来た。麗奈へ送ったメッセージは既読にもならない。
 残るは和田桜子。またあの女なのか。
 ごはんをまだ口にしてないのにムカムカとした気持ちが胸に広がっていた。
 まさか麗奈はさこにケータイを取り上げられてお弁当も食べることができず、面白くもないもしもの話に付き合わされているのではなかろうか。
 例えば、人間の肌の色が緑と紫しかなかったら、とか。学校の長期休暇が一か月置きにあったら・・・とか。あ、でもこれは私が考えたもしもの話だ。
 とにかく今は、一刻も早くさこから麗奈を助け出さなくてはならない。

 どこだ麗奈。
 麗奈、一体どこにいるの?
 麗奈に今すぐ会いたい。

15 :ケンカ組長 :2016/07/16(土) 00:06

 ◇ ◇ ◇



 
16 :ケンカ組長 :2016/07/16(土) 00:06

 結局、麗奈ははまと一緒に自主練をしていた。お弁当の時間も返上してはまにダンスの振り付けを教えてもらっているみたいだ。リハーサル室に入ろうか散々迷ってドアの前で立ち尽くした。いくら私が悪ガキだからといっても、邪魔しちゃダメな雰囲気だってことぐらい分かる。
 時間がないのははまも麗奈も私も同じだった。

17 :ケンカ組長 :2016/07/16(土) 00:07

 「あ、いた」
 聞き覚えある声が廊下に響いた。声の方へ振り返ると、さこがこちらへ駆け寄ってくる。内心「げっ」と悪態をついてしまったけれど、今回は濡れ衣だった。さこは麗奈をさらっていたのでも閉じ込めていたのでもない。
 「どうしたの? 」
 中へ入らないのかを尋ねられたみたいだったけど、私は答えなかった。
 「さこ、こそ。何か用? 」
 機嫌が損なってしまい、態度を普通に戻すことが中々できない。ぶっきらぼうな私を気にすることもなくさこは思い出したように続けた。
 「みな美とあやぱんからたぐが私を探してたってさっき聞いたから」
 「ハァ? 」
 反抗的な私の態度にさすがにさこもムっとしたみたいだ。
 「桜子ーって叫んでたって」
 叫んだなんて大袈裟だ。「叫んでない」と言い返そうとして止めた。
 時間がないのは、はまも、麗奈も、私も、そしてさこも同じなんだ。
 「麗奈がいなかったから」
 部屋の中に視線を向けてはまと麗奈を見ると、さこもドアに近づいて中の様子を窺っていた。
 「また、さこが麗奈を独り占めしてるのかと思ったの」
 状況を理解したらしいさこは
 「違ったね」と、練習を続ける二人を見たまま言った。
 私は答えずただ頷いた。
 時間があったら、はまと麗奈の自主練習に混ざったかもしれない。私も次のリハーサルの時間があるから今はそれができない。
 麗奈は麗奈のリハーサルが終わったら今日は帰っていい日だ。それが何時なのかまでは知らない。麗奈に抱き付くなら、今しかチャンスはない。でも、二人の邪魔をしたくないと心にブレーキがかかってしまった。
18 :ケンカ組長 :2016/07/16(土) 00:07

 * * *


 
19 :ケンカ組長 :2016/07/16(土) 00:08

 ドアを開けて、リハーサル室の中へ一歩踏み込む。どさくさに紛れてさこの腕を引いて道連れにした。
 「はまー!れなー! 」
 時間がないのは分かっているけど許してちょんまげ。私だって麗奈にくっ付きたいのをさこで我慢しているのだから。
 「頑張れ〜! 」
 その場に留まって万歳をして、3回くらいターンをした。さこと私の腕が絡まった所為でバランスを崩して倒れそうになった。転ばずに済んだのは分けも分からず道連れにされたさこがちゃんと抱き止めてくれたからだ。
 突然の来訪にはまと麗奈は呆れていた。はまが笑い上戸で助かった。二人とも笑ってくれた。
 「戻ろう」
 さこに抱き付いたままそう言うとさこが今度は二人に向かって「じゃあね。頑張ってね」と、声を掛けてドアを閉めてくれた。
 自分で戻ろうと言ったのに全然足に力が入らない。ああ、麗奈、麗奈、麗奈、麗奈。後ろ髪を引っ張りたい気持ちだ。
20 :ケンカ組長 :2016/07/16(土) 00:08

 「重い。たぐ、重いんだけど。自分で歩いて」
 不平を主張する割に、さこは両腕で私を抱えて引きずりながらも置いてきぼりにはしない。見捨てられたら怒り出すことを見抜いているのかもしれないけど。
 「ねえ」
 身長はさこが随分大きいから私がさこを見るとどうしても上目遣いになる。
 「さこパンマン。お腹が空いて歩けない」
 さらに抱き付こうとするとさこが体を離して、背中を向けてきた。なんだコノヤロー!ケンカしたいってのか?
 しかし、ケンカにはならなかった。
 「お弁当の場所までおんぶしてあげるから、乗って」
 私は大人しくさこの背中に乗った。今日はこのくらいで許してあげよう。

21 :_ :2016/07/16(土) 00:09





 
22 :_ :2016/07/16(土) 00:09





 
23 :名無飼育さん :2016/07/16(土) 00:11



以上です。
24 :名無飼育さん :2016/10/01(土) 00:29
おもろい!
25 :名無飼育さん :2017/01/03(火) 19:57
>>24 :名無飼育さん
コメントを頂きありがとうございます!
おもしろいとおっしゃって頂き嬉しいです!!
26 :名無飼育さん :2017/01/03(火) 19:58
更新しまーす
井上玲音さん視点
登場人物は井上さん、小川さん、田口さん、他こぶしファクトリーの皆さんです。

 
27 :あめちょーだい :2017/01/03(火) 19:59


 ◇ ◇ ◇


 
28 :あめちょーだい :2017/01/03(火) 19:59
 鏡に向かって自分の顔を見つめる。前髪が少し気にいらないと思った。右にちょっと寄せてみたけど、何か違う。もう少し、ボリュームを出した方がいいのかもしれない。小さいヘアアイロンを前髪に当ててみた。
 「ねえ、なんか私の前髪変じゃない? 」
 隣に座って本を読んでいたサブリーダーの藤井梨央に向かって自分のおでこをぐいっと近づけてみた。梨央は私の前髪あたりをじっと見つめているみたいだ。
 「かわいいと思うけど」
 変だと思うならおでこ出せば、と言ってせっかく整えた前髪を梨央がぐしゃっとてっぺんに上げてしまった。
 「藤丼っ」
 怒ったつもりだったけど梨央は全然堪えた様子を見せず、また本を読み始めてしまった。
 梨央は相手をしてくれないらしい。鏡に向かって自分の顔を見た。とりあえず櫛を使って乱れた前髪を整える。それから、もう一度おでこを出してみた。いや、止めよう。
 決めた。おでこは出さない。納得がいくまで前髪にこだわろうと意気込み、ヘアアイロンを手に取った。
 
29 :あめちょーだい :2017/01/03(火) 19:59
 
 * * *


 
30 :あめちょーだい :2017/01/03(火) 20:00

 最終リハーサルが終わった後、本番までは基本的にメンバーそれぞれ自由に過ごしている。梨央みたいに本を読むメンバーもいれば、メイクや身だしなみに念には念を入れるメンバーもいるし歌っているメンバーもいる。確認が足りないと思った時は浜浦彩乃ちゃんが率先してもう一度確認しようと提案してくれるけど今日はもう大丈夫みたいだ。
 歯磨きをする前に、何か飲み物を飲もうと鏡の前の席から立ち上がる。
 梨央からはさき程すげない態度であしらわれたし、リーダーの広瀬彩海は携帯電話から顔を上げそうもない。誰かと一緒に行きたかったけど付き合ってくれそうな目ぼしいメンバーが見当たらなかった。
 私の隣には梨央がいて、反対隣りには小川麗奈が座っていた。本当は麗奈に付いてきて欲しかったが、田口夏実が麗奈の膝の上に座っていてどうにもこうにも動きそうもなかった。いいなぁ、とたぐっちが羨ましくなった。そんな気分の時もある。

 
31 :あめちょーだい :2017/01/03(火) 20:00

 我が物顔で麗奈を独り占めするたぐっち。
 たぐっちはめんどくさい女なのだ。麗奈に関してかなり独占欲が強いので麗奈に甘えるにはTPOをわきまえなくてはならなかった。たぐっちの機嫌が損なわれるとグループ全体に微妙な空気が漂う。さわらぬ神に祟りなし。不要にたぐっちを怒らせても何もいいことがない。
 基本的に麗奈は誰にでも優しいので、それもたぐっちは面白くないらしい。今、私が膝に乗りたい、とわがままを言ったらきっと麗奈は受け入れてくれると思う。たぐっちは怒ってしまうだろうけど。
 
32 :あめちょーだい :2017/01/03(火) 20:01
 
 * * *


 
33 :あめちょーだい :2017/01/03(火) 20:01

 『あめちょーだい』
 直接、会話をせずに携帯で麗奈にメッセージを送った。
 たぐっちを膝の上に乗せたまま、麗奈は携帯電話の通知に気が付き画面を覗き込んだ。それからすぐに携帯電話を鏡台の上に置いてしまった。
 私は立ち上がったままなんとなく飲み物を取りに行くタイミングを逸して麗奈とたぐっちの様子を見ていた。
 「たぐ、たぐ」
 麗奈の膝の上でリラックスしていたたぐっちが顔を上げて呼ばれた方に向いた。
 「飴、一つもらっていい? 」
 たぐっちはいつもお菓子をたくさん持ち歩いていて、バッグの中にお菓子袋なるものが入っている。自分で食べる為、というよりは誰かにあげたいらしく、欲しいとおねだりすると喜んでいろいろお菓子をたぐっちは配ってくれた。
 「いいよー」
 のんきな返事をしてたぐっちは例のお菓子袋から飴の袋を一つ麗奈に渡した。
 「ありがとう」
 麗奈は飴を一つ受け取って、何か閃いたような表情を見せた。
 「あ、もう一個もらってもいい? 」
 「どーぞどーぞ」
 たぐっちはいつものように気前よく振る舞った。
 麗奈はまたお礼を口にして、そのまま私の方を見た。
 「玲音ちゃん、飴、食べる? 」

34 :あめちょーだい :2017/01/03(火) 20:01

 ヤバい。
 めっちゃ嬉しい。

 なんかよく分かんないトキメキを麗奈に感じて一瞬舞い上がってしまった。
 喜び勇んで飴を貰おうとするとたぐっちが私と麗奈の間に割って入ってきた。

 「なんでれいれいばっかり特別扱いしてんの? 」
 「は? 」
 麗奈がたぐっちの訝しげな視線をまともに受けていた。
 「なんで、玲音ちゃんには飴食べるかどうか聞いて、他の人には聞かないの? 」
 たぐっちがめんどくさい女と称される所以がこの状況だ。
 めんどくさい状況に麗奈は慣れた様子で「玲音ちゃん一番年下だから」と、理解できるようなできないような返事をしていた。

 「だったら! 」
 突然たぐっちが声を大きくした。
 「さこにも飴食べるか聞きなよ」
 不意に名前を出された和田桜子が、私を見た。私は何もしていない、と主張するように首を振ってさこにアピールした。
 「さこ、飴、いる? 」
 麗奈は律儀にさこにも飴が欲しいか尋ねた。

 
35 :あめちょーだい :2017/01/03(火) 20:02

 疑うような視線を私に向けながらも「ありがとう。でもさっき歯磨きしちゃったから」とやんわりとさこが断って、その場が収まると思ったらたぐっちは追及の手を緩めなかった。
 「浜にも」
 浜ちゃんにも聞けと命令するようにドスをきかせてたぐっちは吐き捨てた。
 「浜ちゃん、飴、食べる? 」
 麗奈は笑顔で浜ちゃんに飴が欲しいか尋ねたが、浜ちゃんは一連の流れを知っているのか呆れたように苦笑を零していた。
 「ありがと。私も歯磨きしちゃったから今はいい」
 これで年下には尋ね終えた、と思った麗奈がほっとしようとした束の間。

 「はいはい! 私も聞かれてない」
 と、梨央が面白がって茶々を入れ出した。
 「何で、梨央は一番年上じゃん」
 「私、一番身長低いし」
 「はいはい!私も!」
 野村みな美も梨央と一緒に挙手し出した。
 「私も麗奈より身長低い」
 麗奈の最初の言い訳、私が一番年下だからということは意味がなくなっていた。

36 :あめちょーだい :2017/01/03(火) 20:03

 「藤丼、飴、いる? 」
 「いらなーい」
 じゃあ、なんで立候補したのだ、と麗奈はツッコミを入れずにただヘラヘラしていた。
 「のむさん、飴」
 「いらなーい」
 のむさんはちょっとだけ混ざりたかっただけみたいだった。さっさと返事をして歯を磨きに出掛けたのか楽屋から出て行ってしまった。
 そうして麗奈から飴が欲しいか聞かれていないのは、リーダーだけになった。あやぱんはまだ携帯電話を手に持ったまま頑なにこちらを向こうとしなかった。

 「たぐ」
 麗奈がたぐっちの顔を覗き込んで名前を呼んだ。
 「あやぱんが拗ねちゃうから、飴、あげてきて」
 たぐっちは頷くと何も言わずにお菓子袋を持って側へ行き、無理やりあやぱんの膝の上に座ってしまった。
  他人の懐へひょいと飛び込めるたぐっちは凄いなぁと素直に思った。
 
37 :あめちょーだい :2017/01/03(火) 20:04
 
 * * *


 
38 :あめちょーだい :2017/01/03(火) 20:04

 「麗奈ー。飴、ちょーだい」
 思った通りに麗奈の膝の上に座ることができ、とても満足した気持ちになった。
 「玲音ちゃんは甘えん坊だなぁ」
 と、麗奈は言う。たぐっちよりは甘えん坊ではないと主張したかったけど。甘えん坊で許されることがあるならそれでいいと思い直した。
 「一番年下だもん」 

 甘えん坊ついでに、飲み物を取りに行くのも麗奈に付いて来て欲しい。その時はたぐっちが一緒に来ても不機嫌にならないくらいは大人なつもりだ。

 
39 :_ :2017/01/03(火) 20:05




 
40 :_ :2017/01/03(火) 20:05




 
41 :名無飼育さん :2017/01/03(火) 20:05



以上です。
 
42 :名無飼育さん :2017/01/23(月) 01:26
こぶしちゃんの短編、ほのぼのとした雰囲気でとても良いですね。
楽しく読ませていただいてます。
43 :名無飼育さん :2017/04/17(月) 22:15
こぶしちゃんの小説がある!嬉しいです!
優しい空気が流れてて心がポカポカ(notポクポク)します。
以前も飼育で書かれてた方ですかね、どことなく更新の区切り方に見覚えが……。
次の更新も楽しみにしてます。

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