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白い世界

1 :玄米ちゃ :2014/01/11(土) 21:22
CPはいしよしです。
482 :名無飼育さん :2015/01/22(木) 12:47
リアルタイムで読んで、ずっとドキドキしながら更新していました。
最終回は寂しいけど、続きも気になる…。
最終回の後もいしよし小説期待しています!
483 :名無飼育さん :2015/01/23(金) 00:01
ふぉおぉぉ
最終回楽しみにしてます
484 :玄米ちゃ :2015/01/26(月) 15:58

>482:名無飼育さん様
 ありがとうございます。

>483:名無飼育さん様
 ありがとうございます。


では、最終回となります。

485 :相克 :2015/01/26(月) 15:58

486 :相克 :2015/01/26(月) 15:59

夕闇がお城を飲み込んでいた。
周囲の木々は黒々とそびえ立ち、重なり合って暗い影を落とし始める…

徐々に冷え込む空気に身震いしたのか、
これから迎える未来を思って震えたのか
自分でもよく分からなかった。

本に書かれている通り
空中に魔方陣を描き、その中央に自らの体を浮かべる。

ゆっくり目を閉じて、全神経を集中し
自らの手のひらに、万物の力を集め、蓄積していく…

一瞬の静寂の後、周囲の木々が大きくうねり出し
ざわざわと音を立て始めた。

…あ、でも。その前に。

マコトの魔法解いてあげなきゃ。
だって、わたしに万一のことがあったら
誰もマコトの魔法を解いてあげられないもんね。
487 :相克 :2015/01/26(月) 15:59

<パチンッ>

これでよしっと。
慌てふためいて、部屋を飛び出してくる
マコトの様子が、容易に想像できる。

「サユミさーんっ」

心配そうに離れた場所で
わたしを見上げているサユミさんに声をかけた。

んー。いつまでもさん付けはおかしいか…
もう仲間なわけだし。

小さくコホンと咳払いする。
488 :相克 :2015/01/26(月) 16:00

「サユ」
「は、はいっ!」

嬉しそうな返事が返ってきた。

「今マコトの魔法を解いたから、あとで迎えにいってあげてくれる?
 あの子きっと迷子になっちゃうだろうから」

「かしこまりました!」

「それから…」

――それから…ね。

「もしもわたしがいなくなったら、
 サユがマコトの面倒みてあげてね?」

「はいっ!でも…」

「止めても無駄だからっ!」

だって決めたんだもの。

そりゃあ、少しくらい不安だったりするけど、
手が震えちゃったりもしてるけど。
ここでやめたら、絶対後悔するもん。
489 :相克 :2015/01/26(月) 16:01


可能性があるなら…
希望があるなら…

彼女に会えるなら…

ギュッと強く目を閉じた。


…よしっ!!

わたしの何が奪われるのかなんて、
やってみなけりゃ、わかんないじゃんっ!

490 :相克 :2015/01/26(月) 16:01

目を開けて、一気に集中力を高めた。
途端にまた、木々が大きくうねり出す。

大きな風が巻き上がり、わたしの周囲を取り巻いていく…

手のひらにのせた彼女のカケラを
前につき出し、そこに全神経を集中させた。


「我より奪えしものをもって
 灰になりし者、今ここに蘇らせんっ!」

491 :相克 :2015/01/26(月) 16:02

次の瞬間、周囲を巡っていた風が一斉に散らばり、
暴風となって、木々をなぎ倒した。

その勢いのまま、わたしの足元に集まり
一気に地上から空へと吹き上げる。

その風にのって、手のひらから放たれた
彼女のカケラが宙へと舞いあがっていく――

やがてそれは、天空で一つになると、まばゆい光を放った。
492 :相克 :2015/01/26(月) 16:03

思わず目がくらんで、手をかざした。

あまりに強い閃光に
急激なめまいを覚えて、体がフラつく。

周囲がぐるぐると回って見え、
力の抜けた体が、地面へと向かってゆく。

何とか指を合わせ、鳴らしてみても
地面は近づいていくばかりで、自分でもどうにも出来ない…


――そっか…

やっぱり、奪われるのはわたし自身か…


スローモーションのように流れる景色の中で
涙が零れた。

493 :相克 :2015/01/26(月) 16:03


――サヨナラ…


地上まであと少し…

3.2.1――


494 :相克 :2015/01/26(月) 16:08


「…リカっ!」

強く腕を引かれ、抱きとめられた。
どうやら、ギリギリのところで地面に叩きつけられるのは免れたらしい…

「リカっ!しっかりするんだ!
 リカっ!リカっ!」

うっすら目を開けると
金色の髪と、真っ赤な2つの瞳。

ああ、やっぱりキレイ…

「…ひとみちゃん…」
「なぜ、キミはこんなことを…」

真っ白な頬に手を伸ばす。

良かった…
成功したんだ…
495 :相克 :2015/01/26(月) 16:14

「会いたかったの…
 最後にあなたに会いたかった…」

「キミはバカだ…」

宝石のような瞳が潤んで
キラキラと輝く。

「愛してる…
 わたしもあの日からずっと。
 ずっとずっとあなたを愛してた…」

溢れ出す彼女の涙をぬぐった。

「わたし今、すごく幸せ…
 もう一度あなたに、こうして抱きしめて欲しかったんだもの。
 だから、あなたを蘇らせたのは、わたしの願いのためなの。
 あなたのためじゃないから…だから…」

――泣かないで。
496 :相克 :2015/01/26(月) 16:15

「リカ…」

「今度はわたしからお願いしなきゃ…
 魔法族のこと、お願いします…」

唇を噛みしめたあなたの唇に
自分のそれを合わせた。

最後のその時まで、あなたに触れていたい…

好き…
愛してる…

だけど――

――さようなら…

497 :相克 :2015/01/26(月) 16:15




………っん…


…長い…


まだ、かな……?



498 :相克 :2015/01/26(月) 16:16

息継ぎしないともう限界。

合わせた唇を少しだけ離して
軽く呼吸して、もう一度重ねる。

そろそろだと思うんだけど…

フッて意識がブラックアウトして、
ドラマティックに、彼女がわたしの名を呼んで…



――まだ、みたい。

でも、ここでやめるのも…

やめた途端にコテッていうのもいいけど
このままだと、妙な間が出来そうな…

――えーい!最後だもん。思う存分に…

彼女の中にグッと舌を差し込んだ。
499 :相克 :2015/01/26(月) 16:17

…っんん。
…っはぁ…

絡み合う舌が
求めあう音が

2人の心と体に火を灯す。


…リカ…
…ひと、み…

最後だという思いが、2人の行為を煽り助長していく――

500 :相克 :2015/01/26(月) 16:18


…ん…っああ…
…っと、欲し…





「ゴルぁぁぁっ!!!」
「いい加減にしろっ!!!」


凄まじい怒鳴り声に我に返ると
腕組みしたサユと、無事出て来れたらしいマコトの姿が…

あ、あははは…
ヤダ、わたし達ったら。

はだけた胸元を慌てて元に戻した。

501 :相克 :2015/01/26(月) 16:18


その後、落ち着いて
色々試してみると。

どうやら、奪われたものは
わたしの魔法力だったようで…

<パチンッ>

「やっぱダメみたい」
「ごめんね、アタシのために」
「いいよぉ。こうして一緒にいられるんだもん」

ちゅっ。

相克を越えて
ここに、バカップルが誕生。

502 :相克 :2015/01/26(月) 16:19

「はぁ…魔法族の王女と
 吸血族の王が、この有り様とは…」

ため息をつき、肩を落とすサユとマコトを尻目に、
わたし達は2人、幸せど真ん中。

 『さっきの続き、早くしたい』

とひとみちゃんが耳元で囁けば

 『わたしもだよぉ。
  早くひとみちゃんに愛されたい』

と囁き返して、耳にキスする始末。


「聞こえてますからね!」
「そういうことは、2人になってからして下さいっ!」

「いいじゃん」
「千年も引き裂かれてたんだから」

「「ね〜」」
503 :相克 :2015/01/26(月) 16:19

「…ダメだこりゃ」
「頭痛くなってきました…」

そんなに心配しないでよ。
ちゃーんと、今後の両一族のことも
2人で話し合って、手を取り合って乗り越えていくんだから…

でも今は、もう少しだけ
やっと通じ合えた喜びに浸らせてよ、ね?

「明日、それぞれの一族を呼び寄せて
 今後のことも含め、話して頂きますからね?」
「「わかってまーす」」

「皆の前でちゅっちゅちゅっちゅしないで下さいよ?」
「「心得ております」」

ほんとかよ…

サユとマコトの心の声が聞こえてきたけど気にしない。
それにしちゃったら、それはそれで友好の証になると思うよ?
504 :相克 :2015/01/26(月) 16:20

「今夜はほどほどにして下さいよ?」
「「ムリ」」

「キスマークとか勘弁してくださいね」
「「あーそれもムリ」」

「あんたらね〜」

ピクピクとこめかみを震わせて、そう言ったマコトに
ちょっとくらいお仕置きしてやりたいけど、もう魔法が使えないんだよなぁ。

「では」

え?

気が付けば、ひとみちゃんのマントの中。
505 :相克 :2015/01/26(月) 16:21

「そろそろ限界ゆえ、ここでお暇する」

へ?

体が宙に浮いた。

「ワタシのために魔法を使えなくなった王女を
 これからはワタシがお守りするから、心配ご無用。
 では、明日会おう」

「あ、ちょ、ちょっと!」

バサリ。

ひとみちゃんがマントを翻すと
あっけにとられた2人を置き去りにして、
あっという間にベッドルームに移動していた。
506 :相克 :2015/01/26(月) 16:21

「おもしろーい。
 吸血族ってこんな感じなんだー」

マコトとサユ、今頃地団駄踏んでるかも。

「リカ…
 やっと2人きりだ…」

強く抱き寄せられて、耳元で囁かれる。

「さっきの言葉は本当だよ。
 これからはワタシが、あなたを守る」
「ひとみちゃん…」

「愛してる…」
「わたしも…」

自然と結ばれた唇――

千年を越えた想いが今、溢れ出して
お互いを奪い合い、分かち合っていく…
507 :相克 :2015/01/26(月) 16:21

相容れてはいけない
禁断の恋だったはずなのに…

踏み出してしまえば、

こんなにも熱くて
こんなにも激しくて
こんなにも甘くて

こんなにも、愛おしい…

508 :相克 :2015/01/26(月) 16:22

遥か時を超え

相克を超え


今、わたし達は――


「…あ、ああ…っん!」
「…っうぅ…ぁあ…」


やっと一つになった…

509 :相克 :2015/01/26(月) 16:22





510 :相克 :2015/01/26(月) 16:23


**********
**********

511 :相克 :2015/01/26(月) 16:23


  【ドクンッ】


「なんだろうな…
 どうも頭が重い」

「マコッちゃんも?
 私もなの」

「サユも?困ったなぁ。
 今日はヒトミ王とリカ王妃の成婚式だというのに、
 2人ともこんな調子じゃ…」


  【ドクンッ】

512 :相克 :2015/01/26(月) 16:24

「おーい、マコトー
 式典の原稿はこれでいいんだよね?」

「キャー、ヒトミ様。
 今日は、一段とカッコイイです」

「やっぱり?リカも惚れ直したって〜」

「コホンッ。王様、原稿はこれで結構です。
 が、目じりが下がり過ぎです。
 もう少しシャキッとして下さい。シャキッと!」

「だーいじょうぶだって。
 ほら」

「そのお顔を式典中は保って下さいよ?」

「わーってるって!
 あ、リカ」
513 :相克 :2015/01/26(月) 16:24

「キャー、リカ様。
 今日は、一段とカッワイイです」

「サユったらぁ。やっぱそう思う?」

「ほら!お2人とも。
 カオ、カオ。シャキッとして下さいよ、もうっ!」


  【ドクンッ】


「あれ?サユもマコトも
 顔色悪くない?」

「リカ様と違って、色白だから
 そう見えるだけです」

「何よぉ!わたしだけ黒いみたいな言い方して!」

「いや…リカ。そこまでは誰も…
 てか、ほんと。2人とも大丈夫か?」

「「大丈夫です」」


  【ドクンッ】

514 :相克 :2015/01/26(月) 16:25

「まだ始まるまで、時間あるし。
 2人とも少し休んでなよ」

「いえ」
「そういう訳には…」

「だーいじょうぶだよ。
 主役はそろってるんだし」

「今まで色々あったから、疲れが出たんだよ」

「では、ほんとに少しだけ」
「時間になったら、参ります」

「OK」
「じゃあ、あとで」


  【ドクンッ】

515 :相克 :2015/01/26(月) 16:25

「はあ…ほんと私どうしちゃったんだろ?」
「ねー、あの2人のバカップルぶりにもやられてるのかも」

  【ドクンッ。ドクンッ】

「…っつう…」
「何か…頭が…ボーッと、す…」

  【ドクンッ。ドクンッ。ドクンッ】

「…い…し、き…が…」
「…も…ダ、メ…」

  【ドクッ。ドクッ。ドクッ。ドクッ。】

516 :相克 :2015/01/26(月) 16:26



  【今すぐ我の元に跪け。
   そして我を崇めよ】


517 :相克 :2015/01/26(月) 16:26

518 :相克 :2015/01/26(月) 16:27

重い棺の蓋を、中から持ち上げた。
光が差し込み、眩しさに目を細める――

「光に弱いのは、吸血族の方の血か…」

我ながら苦笑する。

――長かった…本当に長かった…

腹の中に宿りし後、
母の胎内で何度も死にかけた。

母ですら我を、忌々しいと蔑み、
我を葬らんと、自ら死を選んだのだ!
519 :相克 :2015/01/26(月) 16:27

しかし、我は生きていた。
生のある内にかけられた、ヒトミの魔力によって!

そして長い眠りについたままだった我を、
リカが起こし、我は息を吹き返したのだ!

我こそが、正統なる後継者!

先代の吸血族の王と魔法族の王妃の血を受け継ぐ
唯一無二の存在。

純血と純血をかけ合わせた
この上なき、絶対的な存在。

――絶対王なのだ!
520 :相克 :2015/01/26(月) 16:28

さあ、家来どもよ!
今すぐ我に跪けっ!

棺が開けられ、我が息を吹き返した時に
サユミはもう、我のものだ。

ここに一人で残されしマコトも
もう我のものだ。

まもなく、2人が
我の元へとやってくる。

そして2人が我の存在を教えるのだ。
すっかり腑抜けとなった2人の姉に…
521 :相克 :2015/01/26(月) 16:28

しばらくは。
我が成長するまでは。

2人の姉に、かわいい妹として
面倒を見てもらわねばならん。

魔法の使えないリカは、もう我の敵ではない。
ヒトミさえ狂わせてしまえば、我の時代がやってくる…

さあ始めよう!
新しい時代の幕開けだっ!!
522 :相克 :2015/01/26(月) 16:28



523 :相克 :2015/01/26(月) 16:29

「ヤダぁ!かっわいい!
 この子がわたし達の妹?」

「さようでございます」

「色白なとこは、アタシ似だなぁ。
 しっかし、よく生きてたなぁ」

「ねー。おーヨチヨチ。
 わたしがママの代わりにママになってあげるからねぇ」

「おっぱい飲ますの禁止ね。
 それはアタシのものだから」

「出るわけないでしょ!ねぇ。
 って、でも全然泣き止まない…
 ちょっと飲ませてみちゃう?」

「ダメ!ダメ!ダメ!ダメっ!
 アタシ以外、ぜってぇダメ!
 ちょっと貸してみ?アタシが抱っこする。
 おーヨチヨチ…」
524 :相克 :2015/01/26(月) 16:30

「うそっ!泣き止んだし、笑ってる!
 何か悔しい…」

「まあまあ。で、名前どうする?」


  【エリナ】


「エリナはどう?」
「えーなんでエリナなんだよ。
 リカのリは入ってるけど、ヒトミが入ってないじゃん」

「だって可愛いじゃない。
 何かフッて浮かんだんだもん。だめ?」
「リカのその上目使い反則…
 いいよ、エリナでいこう」

「エリナちゃ〜ん、ママでしゅよぉ」
「えりぽん、パパだよぉ」

「何よ、ぽんて」
「かわいいじゃん」


  【アホか、こいつら】
525 :相克 :2015/01/26(月) 16:30

「何?リカ今何か言った?」
「ううん、何も」

  【やはり、ヒトミは手強いか】

「よおし!アタシらも子作りするか!」
「できませんっ!でも…賛成っ!」

「ということで、サユとマコト
 えりぽんの面倒をよろしく」
「2時間くらいで戻るから」

「2時間で終わるかぁ?
 アタシ頑張っちゃうつもりなんだけど」
「やあだ!じゃあ朝までよろしく」

「では、明日」
「邪魔しないでよぉ」
526 :相克 :2015/01/26(月) 16:31


  【邪魔しろというフリか?】

「いえ」
「違います」

  【邪魔したらどうなる?】

「ムダです」
「夢中で気づきません」

  【もしかして、毎日ああか?】

「はい」
「もっとひどい日もあります」


  【…わかった…
   早く成長するとしよう…】


527 :相克 :2015/01/26(月) 16:31


528 :相克 :2015/01/26(月) 16:31


    おわり


529 :玄米ちゃ :2015/01/26(月) 16:33

最後までお付き合い下さった方々、本当にありがとうございました。
また某所で毎度素敵な時間に更新情報をのせて下さっていた方、
粋な計らいをありがとうございました。

さて、今作はいかがでしたでしょうか?
大筋は当初の予定通りなのですが、最終回のトーンが
なぜこうなった?と自分でも不思議に思っています。
続きがありそうな終わり方をしておりますが、続編の予定はございません。
ぜひご感想など頂けるとありがたいです。
530 :名無飼育さん :2015/01/26(月) 20:11
ええっ!続きないんですか!
まさかの展開、さすが作者様です!
531 :名無飼育さん :2015/01/30(金) 19:36
お疲れ様でした
まさかの生田にビックリしました(笑)
玄米ちゃさんの作品全部好きなのでまたいつか新作読みたいです

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