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美しい関係〜everlasting〜 2

1 :ルビ :2012/04/23(月) 18:27
前回に続き、いしよしを書きます
803 :悲しきlone wolf :2012/08/31(金) 13:04




「…そ、んな」





「今まで、本当に楽しかった…
こんなに人を好きになったのは、初めてだった
本当に、本当にありがとう――――――」




彼女の目からは
一粒の涙も零れてなくて、
どこか遠くを見て、微笑んでいた
804 :悲しきlone wolf :2012/08/31(金) 13:05



「な、んで?」




アタシは去っていく彼女の後ろ姿を見るだけだった


突然過ぎて、頭が回らないということも確かにある
でも、彼女があまりにも大人びていて、
涙も見せずにアタシの目を見て、“ありがとう”
そう言う彼女を追いかけて、何が変わるのだろう

彼女のことを知りすぎて追いかけられなかった
決めたら、絶対曲げない…
そんな見た目によらず、男らしいから…彼女は…
アタシがもっと若かったら、何も考えずに追いかけられるのかもしれない
でも、今のアタシはそんなに若くなかった
何も考えられずに突っ走ることが出来るほど若くはなかった
805 :悲しきlone wolf :2012/08/31(金) 13:06



別れようと思った理由を問い詰めるべきなのかもしれない
でも、問い詰めただけ無駄なような気がした
きっと、彼女のこれからの世界でアタシは必要なかった
彼女にとって、そこまでの人間じゃなかった

アタシにとって、彼女は親以上の存在になっていた
だから、乗り越えることができた
だから、忘れることができた

でも、彼女の中でアタシは親以上の存在になれなかった



きっとそれが答えなんだろう


806 :悲しきlone wolf :2012/08/31(金) 13:06
   
807 :悲しきlone wolf :2012/08/31(金) 13:07





「おやぶーん」
「…なんだよ」


あれから1ヶ月が過ぎた
アタシの生活は変わった


「気持ち悪いですよ」
「は?」
「そんなに真面目にラーメン作る親分」


なんだ、コイツ

アタシが店長なんだから
つかラーメン屋なんだから真面目にラーメン作って何が悪い
808 :悲しきlone wolf :2012/08/31(金) 13:08
「だって、前は逆だったじゃないスか」


麻琴は目の前のカウンターに座って、
アタシが作ったラーメン食べてる


「いいじゃん。麻琴、休めんだから」
「そーじゃなくて…」
「…んだよ」


何か言いたげな麻琴にしびれを来して、
動かしていた手を止める



「…梨華さんのこと、忘れたくて…
何かに没頭しようとしてるんでしょ?何もしないでいると、
思い出しちゃいそうで怖いんでしょ?」
「…何言ってんだか」
809 :悲しきlone wolf :2012/08/31(金) 13:09
「…何で追いかけないんですか?まだ好きなんでしょ?
相手の気持ちとか面倒臭いこと考えないで、突っ走ればいいじゃないスか」
「…バカか、お前は…もう忘れたっつーの」
「もー親分!」


グラスに水を入れて、
一気に飲み干す



「いいか、麻琴。アタシはそんな若くないわけ
なんでもかんでも欲しい欲しいとか言ってる年齢じゃないの」
「…訳分かんないスよ」
「まだ麻琴は子供だからなぁー」



あともうちょっとで店出す時間じゃん
早く仕込みやんねーとっ
810 :悲しきlone wolf :2012/08/31(金) 13:10






811 :悲しきlone wolf :2012/08/31(金) 13:11





「麻琴、新しいメニュー考えるぞ」
「えー」
「“えー”じゃねー!最近、お客さん減ってんだから」


「冷麺とか入れるってどーよ?」
「あー、いいんじゃないスか」
「お前…本気で考えてんのか?」


「麻琴、屋台の模様替えでもしよっか?」
「模様替えって…屋台に模様もなんもないッスよ」


「客増やすために、チラシ作るってどーかな」
「は?普通の店ならともかく屋台のチラシってあんま聞かないッスよ
しかも、新しい店でもないのに」
812 :悲しきlone wolf :2012/08/31(金) 13:12





ここ最近、ひとみが先に開店準備をしてくれて、
麻琴も少し楽になった

だけど、麻琴はそれが本当に自分たちの中で
“いいこと”だとは全く思ってなかった



“こんなのは本当の親分じゃない”



麻琴はどこかでそう思っておきながら、
寂しそうに笑うひとみにガツンと言えなかった
813 :悲しきlone wolf :2012/08/31(金) 13:13
でも、ひとみは本当に“石川梨華”という存在を
忘れたのかもしれない、最近はそう思うようになった

寂しそうに笑ってるように見えるのは
ただ、ひとみが梨華を失っているからそう見えるのかもしれない
もしかしたら、気持ちを入れ替えて、
真面目な自分になろうと頑張っているのかもしれない

自分が変に心配する必要なんてないんじゃないか…


麻琴がそう思うようになった頃…



麻琴は屋台の閉店時間が過ぎ、
店終いをしていた

ふと周りを見渡すと、
さっきまで横で一緒に作業をしていたひとみがいない
814 :悲しきlone wolf :2012/08/31(金) 13:13



外に出て、周りを見渡す



「…親分―――――」




ひとみはあの日…
梨華と初めて会った日
梨華がいたベンチにあぐらをかいて
顔を手で覆っていた



麻琴はゆっくりとひとみのいる場所へ近づいた
815 :悲しきlone wolf :2012/08/31(金) 13:14




うぅ…


んぐぅ…



嗚咽する声が聞こえる




「…親分…」



呟くような小さい声で言うと、
ひとみの肩がピクンと動いた
816 :悲しきlone wolf :2012/08/31(金) 13:15
「…忘れて…ないんですよね?
忘れられない…んですよね?」



麻琴はひとみの横に腰を下ろして、
背中を優しくさする



「…ちくしょぉ…」



心の底から出てきたような低い声で呟いた


ひとみは顔を覆っていた手で
前髪をかき上げた
817 :悲しきlone wolf :2012/08/31(金) 13:16
ひとみは泣いていた

大粒の涙が零れていた


顔をくしゃくしゃにして泣いていた――――――




「…忘れられるかよ…」
「親分…」
「…本当はさ…すっげー寂しいし、
すっげー悲しいし、すっげー辛いんだ…」


すっげー会いたい
会って、抱き締めたい

格好悪くてもいいから…
そんなんどーでもいいから…
手引っ張って、何も考えずに連れ去りたい…
818 :悲しきlone wolf :2012/08/31(金) 13:18
「…麻琴ぉ」
「…なんですか?」


「なんでだろーね…
なんで人はこんなに人を愛すんだろ…
…アタシ、思うんだよね
いっそ、このまま永遠に愛を知らなかった方がよかったんじゃないかって…」




「アタシ…このままだったら…
まじで…ヤバいかもしれない――――――――」





ひとみは苦笑いをしながら
意味深な顔をしてそう言った
819 :ルビ :2012/08/31(金) 13:19


悲しきlone wolf 中


820 :ルビ :2012/08/31(金) 13:21
中途半端な終わり方というか歯がゆい終わり方になってしまいました…
これから2人はどーなるのか…このままなのか…
どうぞ最後まで見てやってくださいー
821 :名無飼育さん :2012/09/01(土) 00:48
はあーつらいっすねぇ。
忘れられない人は誰にもいるものです。
822 :名無飼育さん :2012/11/24(土) 04:31
続き、待ってますよ
823 :名無飼育さん :2012/12/05(水) 14:53
続きお待ちしています
824 :名無飼育さん :2013/02/04(月) 04:46
期待してます
825 :ルビ :2013/03/06(水) 18:28
お久しぶりです…
放置してしまって、本当に申し訳ないです><
構想が定まらなくて、ずるずると時間が経ってしまいました....
他にも理由はありますが、これ以上言うと言い訳になってしまうので、
これからも書くことで、何か返すことが出来たらな、と思います。

実は、この話とは別の新作が自分の中で出来上がりつつあって、、、
というのも一つ理由にあるので、これからも書けたらなぁと思います。

あげてくださった方、本当にありがとうございます。
そして、読者だったみなさん、本当にごめんなさい。

自分勝手かもしれませんが、また読んで下さることを願ってます><
826 :ルビ :2013/03/06(水) 18:35




悲しきlone wolf 下

827 :悲しきlone wolf :2013/03/06(水) 18:36


828 :悲しきlone wolf :2013/03/06(水) 18:37



人はなぜ人を愛するのだろうか。



子孫を残すため?未来を作るため?


だとすれば、普通に子孫を残すことのできない、
同性愛はホンモノの“愛”とは言えないのだろうか。

しかし、家族の中で殺人が起きている今
“普通”の親よりもいくつもの困難を乗り越えたホンモノの“愛”で
結ばれた者同士の方が子供を愛することが出来るのではないか。

彼女たちはきっと“普通”に出会っていれば、
そこに愛が生まれることはなかっただろう

“普通”とはちょっと違ったからこそ、
愛が生まれたのだと…私は思う――――――――

829 :悲しきlone wolf :2013/03/06(水) 18:44






あれから半年が過ぎた…





ひとみがラーメン作りに没頭していることが
当たり前になってきた頃、ひとみの携帯にある電話がかかってきた



「もしもーし」
『吉澤さんの携帯ですか?』
「そーですけど」



電話の相手は“あの人”の会社の人からだった
830 :悲しきlone wolf :2013/03/06(水) 18:45
『ここ最近、石川さんが無断で
会社を休んでいるんですけど…知らないですか?』
「…え?」
『…やっぱり知らないですか…ありがとうございます。』
「ちょ、ちょっと待ってくださいっ」
『なんですか?』


会社の人に詳しく聞くと、
梨華ちゃんはここのところ、様子がおかしいらしく、
笑顔もなくなっていたらしい


「どーしたんだろ…梨華ちゃん」
「この前会ったときは、いつも通りだったんだけどなぁ」


と、前でラーメン食ってる麻琴が言う


麻琴に目線をやると、ヤバッとでも言いそうな顔
831 :悲しきlone wolf :2013/03/06(水) 18:46
「麻琴さん、なんでアナタが梨華ちゃんと会っているんですか?」
「…あ、あの…この前道で、ばったり会ったんですよね」
「…あそ」



そんなの嘘だってことくらい分かってる。
でも、本当のこと聞いて、どうなる?
別にどーでもいい。あの人のことは、どーでもいいんだ。


もう興味ない。なにもかも疲れた
人を好きでいることも、一生懸命になることも、
全部全部疲れた。


それに…
アタシには幸せは似合わない。


不幸なままの方が変に欲を出したり、
わがままになったりしないで済む


だから…アタシは不幸でいい。
832 :悲しきlone wolf :2013/03/06(水) 18:46


833 :ルビ :2013/03/06(水) 18:47
かなり短いですが、区切りがいいので今日は以上です。
834 :名無飼育さん :2013/03/06(水) 19:34
待ってました!!
帰ってきてくれて本当に嬉しいです。
作者様のペースで頑張ってください。
書いていただけるなら、いくらでも待ちます。
835 :名無飼育さん :2013/03/06(水) 19:34
待ってました!!
帰ってきてくれて本当に嬉しいです。
作者様のペースで頑張ってください。
書いていただけるなら、いくらでも待ちます。
836 :名無飼育さん :2013/03/06(水) 21:15
ずっと待ってました!
また楽しみにしています!
837 :名無飼育さん :2013/03/07(木) 12:01
更新ありがとうございます。
待っていた甲斐がありました!
838 :名無し飼育さん :2013/03/08(金) 00:15
お帰りなさい。
更新ありがとうございます。
マイペースで全然OKですよ^^
次回も楽しみにしてます。
839 :ルビ :2013/04/01(月) 16:32
>>834 ずっと待っていてくださって、本当にありがとうございます。
つたない小説なのに…そんなことを言ってくださるとは…本当に感謝です><
これからもどうか読んで下さると嬉しいです!

>>836 長い間待たせてしまって、本当に申し訳ありません…
楽しませられるように頑張りますので、これからもよろしくお願いします。

>>387 いえ、こちらこそ…待ち続けて下さり、本当にありがとうございます。
これからは少なくなるとは思いますが、出来るだけ更新するので、よろしくお願いします。

>>838 そう言ってくださると、とても嬉しいです。
不定期更新になるとは思いますが、更新はしていくので、
これからもよろしくお願いします。
840 :ルビ :2013/04/01(月) 16:32





「親分」
「なに?」



屋台終わりにいつものように2人で缶ビールをあける


「梨華さんのこと、本当に忘れたんですか?」
「…忘れたって何度言えば分かんの?」


麻琴はよく梨華ちゃんのことを聞いてくる
心配してくれてるのは分かってる。
でも、本当に忘れたんだ。本当に…
841 :悲しきlone wolf :2013/04/01(月) 16:33
「でも…私は梨華さんといるときの親分が一番好きですっ」
「…なんだよ、それ」
「梨華さんも、何か理由があったんですよ」
「…いいじゃん、別に。
本人が忘れたって言ってんだから」


ひとみは立ち上がり、
飲み終わった缶を片手で潰してゴミ箱に見事に投げ入れる


「お見事ー!」
「親分!」
「んじゃ、また明日」


自分には彼女を守れるわけない。
男とか女とか、そんなこと関係なしに
彼女のアタシに対する気持ちがそこまでだったってこと
実に簡単な話だよ。

842 :悲しきlone wolf :2013/04/01(月) 16:34


 
843 :悲しきlone wolf :2013/04/01(月) 16:34





翌日


いつも通り仕事を終え、
静けさが漂う帰り道を歩いていると、
なにか物音がした


ふと近くの公園を覗いてみると、
1人女の子がブランコに乗っていた





「…梨華ちゃん」




ふと目の前にいる彼女の名前を呟いてしまった
844 :悲しきlone wolf :2013/04/01(月) 16:35
彼女はその声に反応するかのように
こっちを向き、目を丸くさせた





「ひとみちゃん…」





2人の間に沈黙が流れた



どう話しかければいいか分からない


そのまま『じゃあね』
と言って、帰る訳も行かず
アタシはゆっくりと彼女の元へ近寄った
845 :悲しきlone wolf :2013/04/01(月) 16:36



「久しぶり…だね」



同じようにブランコに座り、
ぎこちなく呟いた



「…そう、だね」



お互いのぎこちなさに
何故か寂しくなった


ちゃんと別れたのに…
変な別れ方とかじゃなく、
直接、言葉を交わして別れたのに…


それに対して、自分も納得しているのに。
846 :悲しきlone wolf :2013/04/01(月) 16:36
なんで笑えないんだろう


なんで悲しくなるんだろう



「…元気だった?」



ずっと下を向いている彼女の顔を
覗こうとするけど、髪で隠れて顔が見えない



「元気、だったよ…すごく」
「そっか…」
「…うん」

「あの…元気、だった?」
「…うん、すごく…元気だった」
「そっか…」
847 :悲しきlone wolf :2013/04/01(月) 16:37



…――――――




居心地悪いこの空気をどうにか変えたくて、
色々話してみたけど、最後まで変わることはなかった
その上、一度もアタシを見てくれなかった。


きっと梨華ちゃんはアタシのことを本気で嫌いになった
多分…いや、絶対。


そして、彼女を残して、
アタシは公園を出た。


もう二度と見ないだろう彼女の姿を背に
さっきよりも冷たい風を感じながら、
家へと向かった
848 :悲しきlone wolf :2013/04/01(月) 16:38
  
849 :ルビ :2013/04/01(月) 16:38
短いですが…本日は以上です。
850 :名無飼育さん :2013/04/02(火) 01:25
更新待ってました!
梨華ちゃんどうしたの?
メッチャ気になる
851 :名無飼育さん :2013/04/02(火) 13:00
更新キタ━(゚∀゚)━!
再開ほんとに嬉しいです。
ご自身のペースで、頑張ってください。
852 :名無飼育さん :2013/04/03(水) 08:47
更新ありがとうございます。
もどかしい二人ですねぇ…。

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