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「街」

1 :おるぷち :2012/03/05(月) 22:28
初のアンリアル物書こうと思います。

今まで何作か書かせてもらったのですが
ノロノロ進行のせいかドンドン現実と
時代のギャップが出てきてしまって(-_-;)
登場人物も初挑戦の人ドンドン出す予定です。

短編〜中編をひとつの街を舞台に
ちょっとずつ繋がってる感じで行こうと思います。

はじめましての方も
お久しぶりな方もよろしくお願いします。
101 :名無飼育さん :2012/04/24(火) 18:02
日常っぽいの好きです。
これはちょっと先行き不穏な雰囲気…
102 :「街」彼女の横顔 :2012/04/30(月) 20:39
そんなやり取りがあって

「じゃあ、みんなお先ー」

って美貴が小走りで店を出て行った時。

梨華ちゃんは。

泣きそうな顔してた。

103 :「街」彼女の横顔 :2012/04/30(月) 20:40
あたしが見てるのに気付くと

「行っちゃったねー」

なんて何でもない風を装って
えへへと笑ってドリンクを追加注文した。
だけど、その顔はさっきまでとは
全然違ってる。

そんな顔、幼馴染にしないよね。
そんな顔、見たくなかったよ。
104 :「街」彼女の横顔 :2012/04/30(月) 20:40
さっきまでの幸せな
あったかい気持ちがぶっ飛んで、
あたしはなんかもう
グチャグチャな気持ち。

さっきまではコロコロ変わる
梨華ちゃんの表情が可愛くて幸せで
梨華ちゃんが話す美貴の話に笑ってたし
美貴と梨華ちゃんのやり取りを
微笑ましいなんて思ってたのに。

なにこれ、なんなの?
105 :「街」彼女の横顔 :2012/04/30(月) 20:41
「梨華ちゃんって美貴の事好きなんだ?」

「え?」

梨華ちゃんの眉がキュッと垂れ下がって
すごく困った顔になった。
あたしの中の黒いモヤモヤが
意地悪な言葉を口に出す。
嫌だ、もうやめろって
心の中で叫ぶ声が聞こえるのに
黒いモヤモヤはどんどん広がっていく。

「分かるよ。さっきの顔見たらさ。」

「…そう、だよね。私分かりやすいって良く言われるし
自分でも分かってるの。」

「それ、美貴も気付いてるよね。でも美貴には…」

「そんなの…そんなの分かってるよ!!」
106 :「街」彼女の横顔 :2012/04/30(月) 20:42
シマッタ、なんて思う時にはもう遅くて。
梨華ちゃんのキレイな目からは
ボタボタと大きな涙がこぼれだしていた。

「ご、ごめん。泣かすつもりじゃ…」

じゃあ、どうゆうつもりだったんだ?と
自分自身に腹が立つ。

「いいの。ひとみちゃんのせいじゃないもん。」

美貴にはさっきの彼が、婚約者がいる。
あと1ケ月で結婚する。
マリッジブルーなんてないくらいに
毎日うんざりする位ラブラブで
梨華ちゃんに勝ち目なんてある訳ない。
107 :「街」彼女の横顔 :2012/04/30(月) 20:42
「分かってるの。美貴ちゃんの特別になれない事くらい。」

「そんな事…そりゃ恋愛感情ではないかも知んないけどさ。
美貴かなり梨華ちゃんの事、特別だって思ってるよ」

「なんで?ひとみちゃん、私たちの事知らないでしょ?
なんでそんな風に言えるの?」

「知らないけど。2回しか会ってないけど。
でも分かるよ。あんな美貴の顔初めて見たんだから。」

「美貴ちゃんの顔?」

「うちらにはぜ〜〜ってぇ見せないような優しくて甘えた顔。」

「ほんと?」

「うん、梨華ちゃんには違う顔してた。
心許しきってるんの分かるよ。」

「そう?」

梨華ちゃんはふわっと微笑んだ。
それは、もう華が咲くような笑顔。
108 :「街」彼女の横顔 :2012/04/30(月) 20:43
あたしはさっきの自分の黒いモヤモヤが出した
意地悪なセリフを取り除きたくて
必死で梨華ちゃんを慰めようとしてただけだった。

まさか、こんな笑顔見れるとは思わなかった。

そうなってくると、もっとその笑顔が見たくて
次々と美貴がいつもはどんだけ乱暴者で
人を見る目が狂犬よりも恐ろしいかを話して聞かせた。

そうすると梨華ちゃんはコロコロと笑ってくれたから
嬉しくなって更に色々話す。

ああ、あたし。
なんでこんなに美貴の事ばっか話してんの?
でもいいか。梨華ちゃんが笑ってくれるなら。
109 :「街」彼女の横顔 :2012/04/30(月) 20:44
延々美貴の話して
梨華ちゃんも美貴の事いっぱい話した。

どんだけ美貴が自分に優しくて
2人の思い出がいっぱいあるかなんて事
本当は全然聞きたくなかったけど
それで梨華ちゃんが楽しくなるならと
ウンウン聞き続けた。

「こんなにいっぱい話す事ないから楽しかった。
ひとみちゃん、ありがとう。」

そう言って終電に間に合うように席を立った。
110 :「街」彼女の横顔 :2012/04/30(月) 20:45
もちろんあたしも立って駅まで送っていったけど
なんかこのまま家に帰るのも嫌で
ケメコに逆戻り。

「あんた、帰るのどうすんの?」

なんて圭ちゃんに呆れられたけど
どうする?なんて

「飲み明かすしかないでしょー!」

って言えば圭ちゃんが
喜んで付き合ってくれることなんて
お見通しなんだよね。

そうでしょ、圭ちゃん。
111 :おるぷち :2012/04/30(月) 20:51
本日はここまでです。
(0^〜^0)圭ちゃ〜〜ん!
( `.∀´)あんた都合いい時だけ甘えるわね!


>101 :名無飼育さん
こんな感じの展開になりました。
さてさて、どうなるでしょね?
とか、言ってみるー。
112 :名無飼育さん :2012/05/02(水) 23:36
よっすぃ〜が切なくてキュンとしました…
でも梨華ちゃんは梨華ちゃんで切ない…。
今後の展開を楽しみにしています、頑張って下さい。
113 :名無飼育さん :2012/05/05(土) 19:05
"飲み明かすしか"を"盛り上がるしか"と見誤りましたw
切ないながらも温かい。
どうなるのやら…
114 :「街」彼女の横顔 :2012/05/07(月) 22:10
“今夜ケメコで待つ”

果たし状のような美貴からのメールがきたのは、
あの夜から1週間もしないくらいだった。

仕事を終えてケメコに行くと
美貴はもう既に来ていた。

「よ!よっちゃん。待ったぞ」

「よ、じゃねーし。時間指定までされた覚えはない。」

美貴はふふん、と鼻で笑うと

「まぁ座んなよ」

と自分の隣を差した。
115 :「街」彼女の横顔 :2012/05/07(月) 22:11
座るとすぐにオーダーもしてないのに酒が置かれる。

「ちょっと、ケメちゃん。あたしまだ注文してないよ?」

「あんた、いつもそれでしょ。」

ケメちゃんの言葉にキャハハって笑い声。
やぐっつぁん、また来てんだね。

「で?わざわざ呼び出すとか何?」

いつもケメコで会うけど待ち合わせしてる訳じゃなく
だからって偶然でもなく行けばいるだろって感じなうちら。
呼びだすなんて珍しい。

「よっちゃんさんさぁ〜〜。」

美貴が妙に甘えた声を出す。
そうゆう時はろくでもない事って知ってる。
116 :「街」彼女の横顔 :2012/05/07(月) 22:12
ちょっと嫌な顔をして
黙って続きを促すと案の定ニヤッと笑った。
こえー、藤本美貴こえー。

「梨華ちゃんの事好きでショ。」

「なっ!!!!!」

持ってたグラスを落としそうになった。
な、、なんでそれを。

「分かるよ、梨華ちゃん以外なら誰でも。」

ねえ?とケメちゃんとやぐっつぁんに目配せすると
2人してうんうんってマジか。
117 :「街」彼女の横顔 :2012/05/07(月) 22:13
「美貴も迂闊だったわ。よっちゃんから
図書館やらカフェの話聞いてピンとくればよかった」

「…美貴やっぱ梨華ちゃんの話まともに聞いてないんだな。」

「あたりまえでしょ。」

「聞いていやれよ、梨華ちゃんは…」

「美貴の事好きってゆーんでしょ?」

「やっぱ分かってるんじゃねーか。」

そうだとは思ってたけど。

「梨華ちゃんもホント分かりやすいからねー。」

「だったら何で中途半端に優しくすんだよ?」

「大事な幼馴染だもん。」

「でもさあ」

「じゃあ、どうしろっての?突き放すの?」

「それは…」
118 :「街」彼女の横顔 :2012/05/07(月) 22:14
「美貴達はねえ小さい頃からずーっと一緒なの。
壊したくないんだ。恋愛感情にはなれないけど
大事なんだよ。」

「美貴」

「だからさ、ぶっちゃけ。よっちゃん本気?」

「へ?」

「美貴が知ってる限りよっちゃんの恋愛って
ロクでもない事ばっかだけど
自分から好きになったなんて
初めて聞いたしさあ。どんだけ本気よ?」

「うっせーな。なんで美貴にそんな事」

そりゃ確かに今まで褒められた恋愛なんて
してきてないけど。
119 :「街」彼女の横顔 :2012/05/07(月) 22:15
「美貴さ、今がチャンスだと思うんだよね。」

「は?」

「美貴と梨華ちゃんの幼馴染の絆をそのままに
恋愛感情を取り除くチャンス。」

「へ?」

「よっちゃんが梨華ちゃんに本気なら
美貴、応援するよ。梨華ちゃんの事なら
誰より知ってるんだからいいアドバイスできるよ?」

喉がゴクリと音をたてた。
そりゃ、あたしにとってはイイ話。
だけど。梨華ちゃんの気持ちはどうなるんだよ。

「でも、それじゃ梨華ちゃんが」

「梨華ちゃんの為でもあるんだよ」
120 :「街」彼女の横顔 :2012/05/07(月) 22:16
真剣な美貴の目。こいつのこんな顔初めて見た。
いつも悪態付いてるか、ふざけてるかなのに。

「梨華ちゃんだって、どうにもならないって
分かってるよ。だって美貴は結婚するんだよ?」

「だからって!美貴があたしにアドバイスとか。
それは…ダメだろ。そんなの。」

「よっちゃん…」

美貴の目に涙が光る。
美貴が涙?ウソだろ?

「ありがと。よっちゃん。
そんなに梨華ちゃんの事想ってくれる人
今までいなかったよ。。。本気、なんだね。」

うるうるした目で美貴が笑う。
121 :「街」彼女の横顔 :2012/05/07(月) 22:17
そんな事、美貴に対して思ったことなんてないのに。
その顔は本当に、すげーキレイだった。

「よっちゃん、お願い。梨華ちゃんの事
救ってあげて。少しでも悲しくないように」

「あたしにできるかな」

「よっちゃんにしか出来ないって思ってるよ。」

あたしだって梨華ちゃんを何とかしてやりたい。
梨華ちゃんが迷路に迷い込んでるなら
あたしが出口に導いてあげたい。

「分かった、なんとか頑張ってみる」

「ありがとう!!」

美貴のはじける笑顔。
ケメちゃんとやぐっつぁんの優しい微笑み。

よし、頑張る!!!

122 :おるぷち :2012/05/07(月) 22:23
本日はここまでです。

川VvV)( ^▽^)(0^〜^0)さてさて、どうなるー?


>112 :名無飼育さん
ありがとうございます!
恋愛って思い通りに行かないもんなんですよねー

>113 :名無飼育さん
「盛り上がるしか」じゃ〜
( ´ Д `)あたしだよ。
123 :名無飼育さん :2012/05/09(水) 08:47
よっすぃ〜ガンバレ!
124 :「街」彼女の横顔 :2012/05/14(月) 21:21
「て、どうすればいいんだ?」

頑張ると決めたものの何をどうしていいか分からん!

「うー、どうすりゃいいんだ?どうすんだ?どうすんだ、あたし!」

「なにがですか?」

「!!!????」

独り言に声入れられるとビビるじゃねーか。
声の主はジムの後輩、小川麻琴。
スタッフルームでつぶやくんじゃなかった。
無意識だけど。

「そうだ、麻琴っ!…じゃ分かんねーよな。」

「ちょ、なんなんですかー!そのバカにした顔」

「いや、お前に言っても」

「ちょっと、ちょっとー!」

「だってお前、恋愛系の話分かるか?」

「うっ。あ、あたしだって大人の女ですからー。」

鼻息荒い麻琴には、正直あんまり期待できないけど話してみるか。
藁にもすがるって奴だ。
125 :「街」彼女の横顔 :2012/05/14(月) 21:22
「叶わない恋を傷つけずに終わらせる方法、ですか。」

あたしが話した後、案の定、困り顔になってる。
やっぱコイツじゃだめだったか。

「うん、悪かった。やっぱ無理だよな。」

「ちょ、ちょーーーーっと待ってください。
今の時間なら、うん。大丈夫です!」

そう言ってどこかに電話をかけ始めた。
結局、人頼りかよ。
て、あたしもだけどさ。

「あ、里沙ちゃん?あのさー今イイ?」

麻琴はリサちゃんとやらに
あたしが話した事を同じように話しだした。
126 :「街」彼女の横顔 :2012/05/14(月) 21:22
「吉澤さーん、代わってください。
直接じゃないと良く分からないって」

「ああ、そう。」

ほんのちょっと緊張しつつ麻琴の携帯を受け取る。

「もしもし?吉澤と言います」

「あ、どうもー。新垣といいます。
あのですねえ、さっき、まこっちゃんに
聞いたんですけどもー。」

電話の相手は快活そうなハキハキとした口調で話し始めた。

「どうにもならないって分かってるんですよね?」

「そうなんです。」

「だったら告白してスッキリしちゃったら
いいんじゃないですか?」
127 :「街」彼女の横顔 :2012/05/14(月) 21:23
「え!?でもダメって分かってるのに?」

「分かってても言わないと終われないですよ。
ケジメつけたいなら行動しないと
いつまでも心の中にくすぶっちゃいますよ。」

「そんなのフラレに行くようなもんじゃないですか。」

「そうです。それが大事なんです。」

「そんなの、可哀そうです」

「本人もお相手も分かってるなら
なおさら言わないと区切りがつきませんよ。」

心のもやもやは吐き出さないとダメなんだ、と
ニイガキリサという人は言った。
そんなもん、だろうか。
確かに愚痴なんかは人に言うとスッキリするけど。
一応、礼を言って携帯を麻琴に返すと
少し話して通話は終了したみたいだった。
128 :「街」彼女の横顔 :2012/05/14(月) 21:24
「参考になりました?里沙ちゃんは
保健の先生でカウンセラーでもあるんですよ。」

そういう人の言う事なら、大丈夫なのかもしれない。

少なくとも恋愛知識の低いあたしやコイツよりは
しっかりとしたアドバイスだ。


よし、梨華ちゃんに言ってみよう!

129 :「街」彼女の横顔 :2012/05/14(月) 21:24
この前メアドは交換した。

けど、まだメールした事はない。

どうしよう?なんてメールしたらいいんだろう?
絵文字とか入れた方がいいかな。
なんて、さっきから打っては消しを繰り返す。

うがーーーー!もういい!送信!!!

ああ、送っちゃったよ。
どうしよう?大丈夫かな。
130 :「街」彼女の横顔 :2012/05/14(月) 21:25
“この前は楽しかったよ”の後に
ニコニコ絵文字とかダサいか?


“またケメコで飲まない?”
なんてストレートすぎ?馴れ馴れしい?


やっべー、どうしよう。
ベッドの上でゴロゴロ奮闘してると
着信音、、、き、きた?
131 :「街」彼女の横顔 :2012/05/14(月) 21:25
“グッチャー( ^▽^)/”

ぐ、ぐっちゃー?

“この前はありがとう!私も楽しかったよ。
だから、また一緒に飲みたいなーって思ってたの(はぁと)
誘ってくれて嬉しいな♪さっそくだけど明日はどうかな?”


て、よっしゃーーー!!!!!!
あたしは叫びたくなるのを必死にこらえて
拳を高く突き上げた。
132 :おるぷち :2012/05/14(月) 21:27
本日はここまでです。
すすんだ、のでしょうか?w


>123 :名無飼育さん
(0^〜^0)がんばったYO!!
∬´◇`∬がんばったの里沙ちゃんですよねー?
133 :名無飼育さん :2012/05/17(木) 11:48
ガキさんは恋愛経験豊富なんでしょうか?

なんとなくハッピーになっていく予感?
愉しみです
134 :名無飼育さん :2012/05/19(土) 17:28
ガキさんにワロタ
いい方向に進むといいけど…
135 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:47
カランコロン。

ケメコのドアベルが鳴る。
スナックってドアベル、あるもん?
入ってきた人を見てあたしはガッカリした。
梨華ちゃんじゃない。小さすぎる。
いやいや、もうすぐ来るでしょー。さっきメール来たし♪

「うっわ、よっすぃー。何その顔。
気持ち悪いんだけど。」

「さっきから、ずっとこの調子なのよ。」

うるさいな、梨華ちゃんと待ち合わせだぞ?
少しくらい顔が緩んだっていいじゃないか!

ケメちゃんもやぐっつぁんも
顔を見合わせて苦笑い、ほっとけ。
136 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:48
ようやく次のドアベルで梨華ちゃんが入ってきた。

「ごめんね、ひとみちゃん。待った?」

「え、いや全然。先にちょっと飲んでたし」

「そう?じゃあ、あたしも。なに飲もうかな。」

おおー、ちょっとナンカ付き合ってるみたいな
デートみたいなやり取りじゃないか?
やっべー。

しかも今日の服もカワイイ。
春らしい花柄ワンピにカーディガン。
髪も緩く巻いてて、しかもイイ匂いするし。

て、いやいや。浮かれてる場合じゃない。
今日は重大な任務があるんだから。
137 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:48
ああ、でも梨華ちゃんに嫌な思いさせたらどうしよう?

そんな事できる訳ないでしょ、って言われたら?

むしろ嫌われたらどうする!?

ニイガキリサのアドバイスを一旦はイケると思ったけど
なんか自信なくなってきた。

つか、どのタイミングで言うんだよ?
やっぱ、また今度にして
今日は純粋に飲む事にしようかな?
138 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:49
「この前、なんかあたし美貴ちゃんの事ばっかでゴメンネ?」

「そんな事ないよ」

「本当はね、もう諦めなきゃって分かってるの。」

梨華ちゃんのキレイな横顔が悲しげに曇る。

「分かってるんだけど、なかなか踏ん切りつかなくて」

いま?今だよね。さっそくだけど!

「じゃあさ、いっそコクってみたら?」

「え?」

キョトンとした顔。
し、失敗か!?ど、ど、ど、どうしよう!?
139 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:50
ケメちゃんを見る。
やぐっつぁんも見る。
2人とも、うんうんって何?大丈夫?ねえ!?
心臓がバクバクする。
梨華ちゃんが小さく息を飲むのが分かった。
あたしも思わず一緒に息を飲む。

「分かった。あたし美貴ちゃんに告白する。」

「ええ!?まじで?だって結果分かってるんだよ?」

慌てるあたしに梨華ちゃんは

「え?なぁに?冗談だったの?」

「え!?いやいやいや!そうじゃないけど。
本当にいいのかなって。」

「うん。だって、終わらせないと次にすすめないでしょ。」

「梨華ちゃん」

「このままは、もう…嫌なの。」
140 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:50
そう言った梨華ちゃんの横顔は凛としてキレイだった。
決意をこめた横顔だった。

「ひとみちゃん、全部終わったら…お話聞いてくれる?」

「もちろん、あたしで良ければ」

「ありがとう。ひとみちゃんが居てくれて良かった。」

そう言って、またあの日と同じように
華が咲いたみたいに笑った。
141 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:51
良かった、ありがとう。ニイガキリサ。

そう、あたしが心の中でそっと感謝してると

「じゃあ、あたし行くね」

梨華ちゃんはバッグを持ってもう立ちあがっていた。

「え、行くって?」

「うん、善は急げって言うでしょ。」

「え、善、、、かな。」

「まぁ決心が鈍らない内に、ね。」

えええ、、、まじで?
そんなスグ?
梨華ちゃんって結構、行動力あるんだね。
そんな勇ましいとこも好きかも。
142 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:52
その後、チビチビ飲みつつ
梨華ちゃんの事ばっか考えてた。
ケメちゃんややぐっつあんが
何度も話かけてきたけど
その度「え?なに?」なんて言って呆れられてしまった。
そうこうしてる内に突然、携帯が鳴った。

梨華ちゃん。

初めて出る表示になんだか感動、って
してる場合じゃなかった。
あれから2時間といったところか。
143 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:52
「もしもし?梨華ちゃん?」

「ぐずっ、、んぐ、うう、、、あ、、たし、、言ったよ?
ちゃんと、、、ぐず、美貴ちゃんに」

「そっか、うん。頑張ったね」

「うん、、、ズビ、、ありがどぉ、、、ぐす」

電話の向こうで泣いている彼女。
この前、この店でもボロボロ涙を落してた彼女。
無性にその彼女を抱きしめたいと思った。
近くで慰めてあげたいって。

でも、それはでしゃばり過ぎ?
でも放ってなんかおけない。

だって、あんなに健気で一生懸命な梨華ちゃんが
あたしは大好きだから。
144 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:53
「ねえ、梨華ちゃん。今ドコ?行ってイイかな?」
「え…?」

梨華ちゃんは戸惑いながらも
ちょっと嬉しそうに(と、信じたい)
今居る場所を教えてくれた。
家の近くの公園なの、と。

走って駅に行くと丁度目的の電車が来たとこだった。
一刻でも早く彼女に会いたい。
早く行って涙を拭いてあげたい。
電車が遅くてイライラする。
駅に着くと再び走る、走る、走る。
あたし今までこんなに必死で走った事あったかな。
鍛えてて良かった。

たぶん、今あたし誰より早く走ってる。
145 :おるぷち :2012/05/21(月) 19:55
本日は以上です。
( ^▽^)(0^〜^0)あぶちょ!

>133 :名無飼育さん
( ・e・)それは秘密なのだ!

>134 :名無飼育さん
( ・e・)ちょっと!そこ笑うとこー!?
146 :名無飼育さん :2012/05/22(火) 06:45
最後の文にやられた。かっこ良くて爽やかで…
続きが楽しみです。
147 :「街」彼女の横顔 :2012/05/29(火) 19:34
知らない土地の公園を
しかも夜、暗い中探すなんて難しいかとも思ったけど
案外あっさり梨華ちゃんのいる公園は見つかった。

公園のわずかばかりの明かりが見えて
ホッとすると同時にこんな夜にこんなトコに
梨華ちゃんみたいな可愛い子がいるなんて
危険すぎる!!さらに足を速めた。

「梨華ちゃん!!どこ!?りかちゃーん!!!」

暗い公園には人影がなくあたしは叫んだ。
ご近所迷惑なんてかまっていられない。

…あ、まさかこの公園じゃなかった?
どんどん焦ってくるあたし。
148 :「街」彼女の横顔 :2012/05/29(火) 19:34
「り、りかちゃん!?どこ!!返事して!!」

「…んぐ、、、ひ、ひとみ、ちゃん?」

中が空洞になっているらしいテントウムシ型の遊具から
梨華ちゃんが顔を出してくれた。

「梨華ちゃん!!良かったぁー!!」

あたしは思わずぎゅっと抱きしめた。
一瞬、戸惑った彼女もあたしの背中に腕を回して

「ひ、グスっ、ひと、ん、ひとみちゃん」

涙声であたしの名前を呼んでくれた。

「あたし、ちゃんと言ったよ。」

落ち着いた頃、梨華ちゃんはポツリポツリと話してくれた。
テントウムシは大人2人が入るには狭すぎるから
近くのベンチに座って。
149 :「街」彼女の横顔 :2012/05/29(火) 19:35
美貴にずっと好きだったって言った事。
美貴がありがとうって言ってくれた事。
梨華ちゃんの気持ち美貴が気付いてた事。

でも、ごめんねって、あたしの頭を撫でてくれたの。

昔からあたしが泣いてると
美貴ちゃんはそうだったの。
ぐしゃってぶっきらぼうに頭を撫でるの。

あたしが髪の毛ぐしゃぐしゃになるって怒ると
じゃあ泣きやめよって言うの。

ひとみちゃんみたいに
優しく抱きしめてなんてくれなかった。
150 :「街」彼女の横顔 :2012/05/29(火) 19:36
だけど優しさが伝わってきて「ぐしゃ」が
嬉しかったの。いつも怒ったふり、してたけど。

この公園もね、美貴ちゃんと良く遊んだのよ。
あたし家で嫌な事あったり美貴ちゃんと喧嘩すると
スグこの公園に来てた。

このテントウムシの中にいて
ずっとメソメソしたり、むくれてたり。

そうしたら美貴ちゃんが絶対迎えに来てくれるの。
美貴ちゃんと喧嘩した時だって謝りもしないで
「ほら帰るよ」って手だけ差し出すの。
151 :「街」彼女の横顔 :2012/05/29(火) 19:36
「でも、もう美貴ちゃんは迎えに来てくんないんだよね。」

「梨華ちゃん」

さっきまで雲に隠れてた月が出てきて
彼女の横顔を照らした。
涙の跡がくっきり付いてる、その顔を。

「大丈夫だよ、美貴は迎えに来てくれるよ。
だって友達でしょ?
美貴は大事な幼馴染で友達って言ってた」

本当は、あたしじゃだめ?って喉まで出かかった。
あたしが迎えに行くよって。

だけど、梨華ちゃんはずっとずっと
美貴の事好きだったんだから
そんなの言ったら今までの梨華ちゃんの想いに
失礼な気がしてグッと飲みこんだ。
152 :「街」彼女の横顔 :2012/05/29(火) 19:37
「ふふ、そっか。そうだよね。」

梨華ちゃんは悲しそうに笑った。

「だけどね、今まではお隣だったけど
遠くに行っちゃうんだよ。」

「だったら」

喉がゴクリと鳴った。これ位なら言っても、いいかな。


「美貴がすぐに来れない時は
あたしが迎えに行っても、いいかな」
153 :「街」彼女の横顔 :2012/05/29(火) 19:38
「ひとみちゃんが?」

「あ、や、やっぱ迷惑かなっ!?
ゴメン、あたし図々しいよな」

「そんな事ない!!嬉しいよ。ありがとう。」

「ほ、ほんと?」

「うん。今日も…すごい嬉しかったし」

「え、いや、その。なんか梨華ちゃんって
放っておけないって言うか。」

「え?」

「なんか、こう一生懸命でさ。健気で。
あ、大体!こんな夜に公園なんて危ないから!
絶対ダメだから!!」

「え、あ。ごめんなさい」

「いや、その。こっちこそゴメン」
154 :「街」彼女の横顔 :2012/05/29(火) 19:39
「ねえ、本当に迎えに来てくれる?」

「もちろん!あたし足速いからすぐ駆けつける!」

そう言って走って見せる。

「ね?速いでしょ!?」

そんなあたしに

「ひとみちゃんは少年みたいね」

そう言って、あの華のような笑顔を見せてくれた。

「やっと笑ってくれた」

「だって、ひとみちゃんったらオカシイんだもの。」

「そうかなー。でもいいや、梨華ちゃんが笑ってくれるなら」

「…あのね、ひとみちゃん」

「うん?」
155 :「街」彼女の横顔 :2012/05/29(火) 19:39
「ひとみちゃんのおかげで美貴ちゃんに告白できたの、
本当に良かったって思ってる。ありがとう。
これで前に進めるって思うの。
すぐにとはいかないかもしれないけど
あたし、また恋がしたい。きっとできるよね?」


キラキラした目で見つめられてドキッとした。
こんなにカワイイ人間が居ていいんだろうか。
やっぱ妖精なんじゃ…?

梨華ちゃんって顔も可愛いけど中身もキレイで
ついついボーッとしてしまった。
156 :おるぷち :2012/05/29(火) 19:42
本日はここまでです。


( ・e・)本当はあたしのおかげですよね?
∬´◇`∬あたしのおかげでもありますよね?


>146 :名無飼育さん
え、そうですか!?
ありがとうございます。嬉しいです!!
157 :名無飼育さん :2012/05/30(水) 00:36
途中ウルッときちゃいました。梨華ちゃんよく頑張った…っ!
今度はよっすぃが頑張る番かな?
どう続いていくのか、楽しみです。
158 :「街」彼女の横顔 :2012/06/04(月) 20:35
「ひとみ、ちゃん?どうかした?」

「え、いや、その。なんてゆうか」

やべえ上手い言い訳が浮かばねえ。

「梨華ちゃんがキレイだったから。」

「えっ!?」

頬を抑えるその仕草。女の子だなあ。
きっと真っ赤なんだろうなあ。

「大丈夫。梨華ちゃんは次の恋できるよ。」

「え、あ、うん。」

その相手があたしだったらいいのになあ。
そう思いつつあたしは梨華ちゃんの手を
両手でそっと包み込んだ。
159 :「街」彼女の横顔 :2012/06/04(月) 20:36
「大丈夫だよ。」

もう一回言った。梨華ちゃんはニコってして
ありがとう、と小さな声をくれた。
そんで、あたしの手を逆にギュウって握り返して
あたしを見上げて真剣な顔して

「なんで、こんなに優しくしてくれるの?
誰にでも優しいの?」

「え!!!」

もしかして、あたしの気持ちバレバレ!?
いやいやタラシと思われて警戒されたのかも!!
160 :「街」彼女の横顔 :2012/06/04(月) 20:37
「ちが、違うし!!誰にでもなんて優しくしないよ!!」

「でも、まだ初めてあってから間もないのに。
あ、美貴ちゃんの友達だから?」

「いや、だから梨華ちゃんは放っておけないんだって」

「なんで?」

なんでって…それ分かって言ってる?
ねえ、あたし言ってイイの?
梨華ちゃんが好きだって、言ってイイの?
今、この状況で?
美貴に振られたばっかの梨華ちゃんに?
それって“つけこむ”って言わねえ?
そんなのダメだろ。
161 :「街」彼女の横顔 :2012/06/04(月) 20:37
「…もうちょっと梨華ちゃんがあたしの事
知ってくれたら話すよ」

「ほんと?絶対だよ!?」

なんか子どもみたいに無邪気に言われた。
やっぱ分かってないのかなあ?
指きりゲンマンまでされたんだけど。
梨華ちゃんはもうスッカリご機嫌で
くるくる回ってスカートを揺らしてた。

「梨華ちゃん、もう遅いし送るから帰ろう?」

「うん。」

公園を出る間際なぜだか
梨華ちゃんが手を繋いできてドキッとした。
162 :「街」彼女の横顔 :2012/06/04(月) 20:38
「梨華ちゃん?」

「だめ?」

「いや、いいけど。」

むしろ嬉しいし。そう思ってると

「ねえ、ひとみちゃん。あたし次の恋
すぐにでも始まる予感がするんだ。
なんて、不謹慎かな?」

「え!?いや。いいと思うよ」

ねえ、梨華ちゃん。
それってどうゆう意味?
163 :「街」彼女の横顔 :2012/06/04(月) 20:38
今、ここには手を繋いでる
あたしと梨華ちゃんしかいないんだよ。

それって勘違いするなって方が無理じゃないの?

ねえ、梨華ちゃん。

月の下。隣にいる梨華ちゃんの横顔は
やっぱり最初に見た時みたいに
とってもとってもキレイだった。
164 :おるぷち :2012/06/04(月) 20:40
ちょっと短いですが
本日はここまでです。
次で「彼女の横顔」は終了になると思います。

>157 :名無飼育さん
わおー!
そこまで感情移入してもらえて
めちゃくちゃ嬉しいです!
ありがとうございます!!
165 :名無飼育さん :2012/06/08(金) 10:29
わお!梨華ちゃん思わせぶり!
小悪魔ですね
166 :「街」彼女の横顔 :2012/06/13(水) 22:48
翌日、スナックケメコ

「いやー、うまくいったわ!!」

藤本美貴がカウンターに座り
ご機嫌で酒を飲んでいた。

「いやあ、ミキティの手腕はさすがだね。」

矢口真里が乾杯と言うように
自分のグラスを藤本に対して掲げる。

あたしも飲もうかな、とケメコママも
グラスに酒を注ぎつつ

「ま、幸せならいいわよね。」

と微笑んだ。
167 :「街」彼女の横顔 :2012/06/13(水) 22:48
「もうね、梨華ちゃんのお世話役は
よっちゃんに任せるわ、うん。」

本当に面倒なんだよね、あの子と
ブツクサ言いながらツマミに手を伸ばす。

「次々と人を好きになっては大騒ぎして
ダメになるとやっぱ美貴ちゃんが一番よ、
なんて。気持ちが薄っぺらいと言うか。」

「大騒ぎって?」

矢口もツマミに手を伸ばしつつ。

「なんてゆーのヒロイン症候群みたいな。
美貴はいつだって慰めてくれる幼馴染の役ってゆー
少女漫画的な話で。で、誰かを好きになると
その間で揺れる梨華ちゃんってヒロインになりたがる。」

「まあ、女の子は誰でもそうゆートコあるんじゃないの?」

ケメコママは早々に二杯目を。
168 :「街」彼女の横顔 :2012/06/13(水) 22:49
「なんてゆーんですかねえ、
王子様信仰が強いというか。メンクイだし。
相手のちょっとブサイクなトコ見つけると
スグ嫌になって勝手に浮気とか
私の事そんな好きじゃないのよとか
悲劇のヒロイン役になるンすよ。」

「うわーーー」

ちょっとひいた矢口。

「今回もね、よっちゃん見た途端
目が輝いたの美貴は見逃さなかったからね。」

「あー、たしかに王子顔だもんね。」

自らもメンクイと公言している矢口、うんうんと頷く。
169 :「街」彼女の横顔 :2012/06/13(水) 22:50
「そっから、幼馴染に長い事恋してる健気なヒロインを
王子様が慰めてくれて愛が芽生えるってストーリーが
梨華ちゃんの中で書かれた、と。」

「演技派ねえ、涙まで流してたわよ」

感心した顔のケメコママ。

「本人に自覚はないのが困りもんなんすよ。
嘘とか演技と言うより梨華ちゃんにとっては
全て本当で本気なんですよ。
思い込みが激しいというか。」

「それも凄い話だな!」

「まあ、でも吉澤は王子顔だけど
結構ヘタレだから思うようには進まないんじゃない?」

さすが百戦錬磨のケメコママ。お見通しである。
藤本もふん、と鼻で笑う。
170 :「街」彼女の横顔 :2012/06/13(水) 22:51
「ちょっと焦ってるでしょうねー。
梨華ちゃんは早く素敵に告白してしてモードだろうし
よっちゃんは失恋したばっかの梨華ちゃんに
そんな事まだ言えないよーとか思ってそうだし」

「えー、つけこみどころなのに!」

そんな人いんの?とでも言いたげな矢口。

「吉澤は変に潔癖なとこあるしねえ」

やはり人を見る目があるケメコママ。

「よっすぃーは中身も王子だね!」

感心する矢口。
藤本はさも可笑しそうに肩を揺らしながら

「ちょっと苦労した方が燃えるんじゃないですかねえ…」

なんて言いつつも、ふと遠い目をする藤本。
そんな藤本を見て顔を見合わせるケメコママと矢口。
171 :「街」彼女の横顔 :2012/06/13(水) 22:51
なんだかんだ言って石川が離れるのは寂しいのだろう。

小さな頃からずっとずっと守ってきた幼馴染。
大好きだった。
でも自分にはもっと大切で大好きな人が現れた。
そして石川にも。

吉澤がこれからは石川を守ってくれるだろう。
吉澤なら安心だ。

だけど、ちょっとだけ寂しい。
172 :「街」彼女の横顔 :2012/06/13(水) 22:52
もう世界は2人だけのものじゃない。
オトナになって世界は広がったから。
それぞれの道を歩いて行くのだ。

「よしっ!今日は飲むぞー!付き合ってくださいよ?」

3人の杯がカツンと響いた。

こうしてスナックケメコの夜は更けてゆく。
173 :おるぷち :2012/06/13(水) 22:53
これにて「彼女の横顔」は終わりです。
また次回からは違うストーリーです。
よろしくお願いします。

>165 :名無飼育さん
可愛いから罪ですよねw
174 :名無飼育さん :2012/06/14(木) 19:48
最後まで温かい物語で懐かしい空気に触れていた気がします。
次のお話も楽しみにしてます。
175 :「街」小さな世界 :2012/06/24(日) 22:32


「街」episode3

「小さな世界」

出演・生田衣梨奈 譜久村聖 新垣里沙 他

176 :「街」小さな世界 :2012/06/24(日) 22:32
カーテンの向こう。
外が明るくなっとおのが分かる。
ああ、今日も朝が来たっちゃ。

ワクワクドキドキと少しの憂鬱。
だけど、決して嫌な目覚めじゃナイ。

ちょっと前じゃ考えられんかった。
学校に行くのが嫌じゃナイ、なんて。

だって学校に行けば大好きなあの人に会えるけん。
それが今のエリナを支えとお。
177 :「街」小さな世界 :2012/06/24(日) 22:33
「にっいがっきせぇんせーーー♪」

「お!おっはよー、生田。朝から元気だね」

新垣先生は机に向かってたのをやめて
エリナにちゃんと顔を向けて挨拶してくれる。
そこが好き。

「おはよーございます!!
今日はぁ先生の苦手な数学やりますね」

「ちょ、あんたねー、まだそれ言うの?
ちょこっと間違えただけじゃナイのよー」

「いやいや、ちょこっと間違うと答えでませんから。」

「そうゆー事言うとジュースあげないよ?」

「うえーー!?ごめんなさい!」

新垣先生の昭和っぽい手ぶりも好き。
なにより、ここにエリナの居場所を作ってくれる。
新垣先生は絶対、どんな軽口でも
“出てけ”だなんて言わない。

本当に、好き。
178 :「街」小さな世界 :2012/06/24(日) 22:34
カーテンも壁も棚もベッドも白の清潔な空間。
学校のエリナのいる場所。「保健室」

エリナはこの春から
いわゆる「保健室登校」をしてる。
中3だけど中高一貫教育ってやつで
つまりエスカレーターで高校に行けるし
エリナみたいのにも優しい学校だから
テストを受ければ大丈夫。

マンモス校といえる
この学校には保健室が3つある。
中等部にひとつ・高等部にひとつ。
そしてエリナのような生徒の為の第三保健室。
第三はふつーの保健室としても利用できるけど
エリナみたいのに遠慮してか単に位置的に遠いからか
ほとんど一般の生徒は利用しない。
179 :「街」小さな世界 :2012/06/24(日) 22:34
新垣先生はふつーの保健の先生でもあるし
カウンセラーでもある。

本人は

「皆の話聞くだけの人。別になーんの力もない」

だなんて言う。

そんな新垣先生がエリナはやっぱ好き。
話を聞く、なんて大人が一番してくんない事だと思う。

「今日は聖ちゃん来るかなー?」

「どうだろうねえ。」
180 :「街」小さな世界 :2012/06/24(日) 22:35
聖ちゃんは高1で身体が弱くてよくココに来る。

普通に教室でも授業受けれるんだけど
体調がイマイチな時は移動教室とか無理だし
こっちで一緒に勉強する。

春は環境が変わるせいか
体調崩す事が多いって言ってた。

保健室の主、新垣先生は
先生なのに勉強は苦手だって言って
あんまし教えてはくれない。
たまに教えてもらうと間違ってたりする。
そんなダメなとこもやっぱ好き。
181 :「街」小さな世界 :2012/06/24(日) 22:35
ああ、エリナってば1日に何回、
新垣先生を好きって思うんだろう。

自分でも呆れちゃうけど好きって思うと
心がぽかぽかあったかくて気持ちイイ。

新垣先生を好きな自分は好き。
182 :「街」小さな世界 :2012/06/24(日) 22:36
ふと教科書から目線を上げて
新垣先生を見る。
先生はなにか難しそうな本を読んでる。
最近、春らしく柔らかくなった日差しが
先生の茶色い髪に、白い肌にあたってる。

「きれー」

思わずつぶやいちゃって先生に気付かれる。

「ん?なんか言った?」

「せんせー大好きぃー」

「もぉ、生田はぁ…勉強しな。」

「ぶぅー。」

エリナを見る先生の目は優しくて
ちょっとだけ泣きそうになる。
183 :「街」小さな世界 :2012/06/24(日) 22:36
ねえ、先生。
エリナはここにいていいんだよね。


こんな穏やかで優しい日々がずっと続くと思ってた。
ううん、思おうとしてた。
それが嘘だと分かっていても。
184 :おるぷち :2012/06/24(日) 22:38
本日はここまでです。
こんな感じで新しいストーリー始めて行きます。
よろしくお願いします。


>174 :名無飼育さん
ありがとうございます!
少しくらい事件(?)起こしても
結局ほんわかになるってのが好きみたいです。
185 :みおん :2012/06/24(日) 23:48
学園もので新垣先生きたぁワクワクしすぎてやばいです
186 :名無飼育さん :2012/06/27(水) 19:29
出演者のメンバーの組み合わせが大好きすぎて悔しい。
悲しい展開になる予感…
187 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:30
「ねー、聖ちゃん。これ分かる?」

“新垣先生はあてにならないから”
なんて言うと怒られちゃうけど
やっぱ勉強は聖ちゃんに聞いた方がよいと思う。

今日は2時間目から登校した聖ちゃん。
ここは落ち着くから気分が良くなる、とか言って
体調があんまし良くなくても
家より保健室なんだって。
いいけど。エリナも嬉しいし。

聖ちゃんはすごい優しいし可愛いし
お姉ちゃんがいたらこんな感じかなあ?
エリナもついつい甘えちゃう。
188 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:31
「ふへへ。聖ちゃんスキー」

「え、な、なに、急に。」

「でもぉー、せんせーはもぉっと好きぃー。なんてなっ!」

そうゆーと聖ちゃんが微かに眉をひそめ
デコピンをしてきた!

いったーーーーーい!!!!

エリナがオデコを抑えてるのに知らん振りしてるし。

しばらくして先生が保健室を出ていった時(たぶんトイレ)、
聖ちゃんがスマホを出しながらニコッと笑った。

え、え、この顔は、なに?
189 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:32
「エリナ。新しいのアップしたよ」

「え!本当!?」

「ほら。」

聖ちゃんの見せてくれた画面には
笑顔の新垣先生。

「わお!めっちゃカワイイやん!バリやばーい」

「ふふふ。エリナのなまりが出るって事は
今回は大成功だねー。」

「いっつも大成功やん!」

聖ちゃんの作った会員制HPは
うちの生徒や先生の写真がいっぱい。
美少女図鑑、みたいな。
190 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:32
悪用は決してしない。

写真は本人の許可を貰ってからやし
信用できる人にしか公開しとらん。
意見交換のページもあるけど
当然、誹謗中傷は即削除。と言っても
そんな意見は書かれた事はない。

みんな誰が可愛いとか素敵だとか
今日はこんな姿を見たとか、そんな感じ。

この学校は結構、平和的な人が多いんかな?

それとも聖ちゃんの人を見る目が確かなのかな?

エリナは自分のスマホを出して
新垣先生の写真をダウンロードする。
191 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:33
「これ今月の待ち受けにするっちゃ」

エリナの言葉に満足げな聖ちゃん。

「しっかし聖ちゃんは本当に美人が好きだね」

「あれ?もぅなまらないの?」

「なまりません!」

「つまんなーい。可愛いのに。
エリナの写真も結構人気あるんだよー。
なまり普通に出したらもっと人気上がるのに」

「そもそもエリナには聖ちゃんしか友達いないし」

そう言うと聖ちゃんは
困ったような悲しいような顔をした。
192 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:33
“友達”ってつぶやいたのが聞こえたけど
それ以上は何も言ってこなかった。

もしかして友達って思ってるのエリナだけ?
一応年上やし先輩でしょ、とか。。。
何て事は、言わないよねえ、聖ちゃんは。

聖ちゃんは優しい。
エリナと違って空気読めるし。
エリナが話したがらない事を
ちゃんと分かっててくれて
保健室登校の理由とか追及しないでいてくれる。

まだちょっと困ってる風な聖ちゃん。
エリナは聖ちゃんに悪い気がして話題を変える。
193 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:34
「ねえねえ、一番人気ってだれ?どうゆう人?」

聖ちゃんは、ホッとしたような顔して
それから意気揚々と話し始める。
聖ちゃんは美少女が好きで美少女の話をするのも大好きだ。

「んー、やっぱ高3鈴木愛理先輩だね。
本当に美少女だもん。上品で気品あって
これぞお嬢様って感じ」

聖ちゃんだって立派にお嬢様なのにそんな事を言う。

て、あれ?

「鈴木愛理って…ゴルフの?」

「知ってるの?」

「何回も一緒にゴルフした事あるもん」

「ええ!?なんで!?」
194 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:35
「パパ同士がお友達なんだよ。
お互い親子でコース回ったりとかしてて。
そういや愛理ちゃんここの高等部だって言ってたっけ。」

高3の愛理ちゃんはパパがプロゴルファー。
うちのパパにくっついて遊びに行くうちに
エリナにもゴルフを教えてくれた。

エリナ一家は去年まで博多に住んでたし
会うのは1年に1回くらいやったけど。

愛理ちゃんかあ。久しぶりに会いたいな。

「えー、いいな。凄いなあ。」

「愛理ちゃん確かに美少女やもんね。人気あるんだ」
195 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:35
「そりゃもう!他だと和田彩花先輩とか福田花音先輩とか
太鼓部の萩原舞せんぱいも凛々しくて人気だし。
中等部はエリナと同じ学年だと
中西香菜ちゃん、竹内朱莉ちゃんとか」

うっとりした顔で次々と名前を言われても
エリナ全然知らんのやけどね。。。

クラスも一回も行った事ないから
クラスメートの顔も名前も知らん。
まあ、いいけど。

「そうそう!今、人気急上昇中なのはこの人!」

そう言って聖ちゃんがエリナの目の前に
自分のスマホを突き付ける。
近過ぎて見えんやろ。
196 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:36
ようやく少し離してくれて
エリナもまともに見る事ができたその人の顔は
ちょっとサル顔だけど確かにキレイやった。

「この人、先生?」

「そー!音楽の特別講師。プロの声楽家なんだよ!
ここの卒業生でコーラス部の為に呼んだんだって。
コーラス部今年は大会イイとこ行けそうだから。」

「ふぅん。」

この学校は部活動の為に良くそういう
プロの人を特別講師に呼ぶらしい。

さすが金持ちマンモス校。
197 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:36
「なんかねー、性格も気さくだし海外にも詳しくて
オシャレで人気なんだよ。
このビジュアルで実力もあるし
雑誌にも最近良く載ってるんだよー」

「有名人なんだ。」

「そうそう。」

ものすごい嬉しそうな顔してるし。
本当に、本当に聖ちゃんって美人好きやなあ。
198 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:37
おしゃべりしつつ勉強もしつつ
にーがき先生にうっとりしつつ
今日も1日が無事終わった。

先生が保健室を出ていこうとするたびに

「先生どこ行くんですかー!?」
って聞いてたら聖ちゃんに

「エリナは先生の金魚のフンだね」

なんて呆れられたりなんかして
いっぱい笑って今日も楽しかった。
199 :おるぷち :2012/07/02(月) 20:40
本日はここまでです。
と、言ってもあんまり内容ないですね(汗
聖ちゃん書きたかっただけですw

>185 :みおんさん
うお、新垣先生っても、あんま先生らしくないかも。
期待に添えなかったら申し訳

>186 :名無飼育さん
お、好き好きメンバーきちゃいました?
色々なメンバー出すのは
どっかに引っかかってくれないかなーとゆー
罠でもありますw
200 :名無飼育さん :2012/07/05(木) 20:47
特別教師は誰だろう…楽しみです。
譜久村さんのHP見てみたいw

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