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「街」

1 :おるぷち :2012/03/05(月) 22:28
初のアンリアル物書こうと思います。

今まで何作か書かせてもらったのですが
ノロノロ進行のせいかドンドン現実と
時代のギャップが出てきてしまって(-_-;)
登場人物も初挑戦の人ドンドン出す予定です。

短編〜中編をひとつの街を舞台に
ちょっとずつ繋がってる感じで行こうと思います。

はじめましての方も
お久しぶりな方もよろしくお願いします。
2 :「街」 :2012/03/05(月) 22:29


「街」episode1

「うちらは絶賛成長中」

出演・岡井千聖 萩原舞 矢島舞美
3 :「街」 :2012/03/05(月) 22:30
お風呂が壊れたらしい。
いや、正確にはボイラーが壊れて
お湯が出ないんだとか。
だから今日はウチのお風呂に入れない。

学校の帰り。
お母さんからの電話は
そんな内容だった。
明日には工事の人が来るから
今日だけ、らしい。
それは仕方がないんだけど。
4 :「街」 :2012/03/05(月) 22:30
「そうゆー訳だから千聖
あんた、友達の家とか銭湯とか
どっかで入ってきなさいね」

「ええー?お母さん達は?」

「お母さんはおばあちゃんとこで
お父さんは会社のお風呂。」

「ふうーん。」

どうしようかなあ、、、。
友達の顔をグルグル思い浮かべようとしたら

「あっ!!チャイム。お客さんみたいだから」

なんて慌ただしく電話を切られてしまった。
5 :「街」 :2012/03/05(月) 22:31
まあ、いいんだけどさ。
どうしようかな。
愛理んとこか、なっきぃんとこか。
てか、あたしもおばあちゃんトコでいいんだけどなあ。
考えながらバス停に向かって歩いてると
また着信。お母さん。

「さっきの舞美ちゃんだったのよ。
回覧板持ってきてくれたの。
お風呂お願いしといたから。
あんた舞美ちゃんとこでお世話になりなさい。」

え、いま。舞美ちゃんって言った?
6 :「街」 :2012/03/05(月) 22:31
舞美ちゃんはお隣さん。

小学生の頃。いや舞美ちゃんが中学生になっても。
世話好きなのか近所のちびっこと
遊んでくれる、みんなのお姉さん的存在。

もちろんお隣のあたしも
イッパイイッパイ遊んでもらった。
むしろ特権とばかりに他の子よりも
いっぱい遊んで貰ってたんだよね。
優しくてキレイなお姉さんが
お隣なのは自慢だったもん。
かなりボケてるけど大好きなお姉さんだ。
親や友達に言えない悩みも
舞美ちゃんにはなんでも打ち明けられたっけ。
今は中々遊ぶ事も少なくなったけど
お隣の矢島家は勝手知ったるって奴だ。
7 :「街」 :2012/03/05(月) 22:32
だけど。
だけど。

「いや、いいよ、そんなん銭湯でも行くし」

「なに遠慮してんの!
昔はしょっちゅう入り浸ってたじゃない。
最近なかなか会えなくて寂しいって
舞美ちゃん言ってたわよ」

「そうだけど…」

「それに舞ちゃんも!」

舞ちゃん。
その名前にドキリとする。
8 :「街」 :2012/03/05(月) 22:33
舞ちゃんは舞美ちゃんの家に
居候している子で
詳しくは知らないけど
舞美ちゃんのお母さんの親友の子とか
そんな感じで夏休みになると必ず
舞美ちゃんの家に遊びに来てて、
だから夏になると3人で良く遊んでて
というか、むしろ舞ちゃんと2人で
舞美ちゃんに悪戯ばっかしてた。

今思うと我ながらヤンチャと言うかなんというか。
結構ひどい事もしたけど舞美ちゃんて
全然怒らなかったなあ。感心する。

て、それはどうでも良くて。

舞ちゃん。
9 :「街」 :2012/03/05(月) 22:33
舞ちゃんは行きたかった高校が自宅から遠くて
舞美ちゃんの家が近いからって
矢島家に居候してる1つ下の子。

今までみたいに夏だけじゃなくて
一年中いっぱい遊べるって嬉しかった。

実際、舞ちゃんが引っ越してきスグの頃は
学校違うのに結構いっぱい遊んでたんだけど。
最近は全然遊んでないし会ってもいない。

それは全部あたしのせいだけど
舞ちゃんのせいでもあって。

なんか、なんてゆーか。
とにかく舞ちゃんは今は無理。
なんか、なんか、なんか。
10 :おるぷち :2012/03/05(月) 22:34
本日はここまで。

こんな感じで進めていきたいと思います。
℃-uteさんは初なのでドキドキです。
11 :名無し :2012/03/09(金) 17:44
おお!岡井ちゃん!
なかなか珍しいですね。
期待してます
12 :名無飼育さん :2012/03/12(月) 13:48
いよいよ新作ですか!
今回は今までとは趣が異なるお話のようでこれからも楽しみにしています。
13 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/13(火) 23:36
あたしの頭ん中はグルグルしてんのに
そうゆう事だから、とか何とか言って
お母さんからの電話はさっさと切れた。
なんて強引なんだろう。うちの母は。
半ば呆れながらも脳みそのほとんどは
舞ちゃんに支配され中。
いや、そんな事してる場合じゃない。
どうにかしなきゃ。

そうだ、舞美ちゃん。
ウンウン舞美ちゃんだ。
14 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/13(火) 23:37
「もしもし舞美ちゃん!?」

即効、舞美ちゃんに電話したら1コールで出た。
おお、素早い。

そういや舞美ちゃんってボケボケなのに
動きは素早いし足も速くて
高校の頃は陸上部でインハイとか行ってた。
て、これも今はどうでも良くて。

とにかく舞美ちゃんに電話繋がって良かった。
あんま電話する事なんてないから
番号変わってたらどうしようかと思ったよ。
舞美ちゃんのことだから
番号変わっても連絡してこなさそう。

て、どうなんだろ?分かんないけど。
15 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/13(火) 23:37
「久しぶりだねえ、ちさと。
元気だった?」

「うん、元気!元気だけどお母さんが!」

「そうそう、聞いたよ。お風呂でしょー。
待ってるからさあ。おいでよ」

「いや、悪いし。あたし銭湯でも行くし」

「銭湯?そう言えば新しくできたよね。
いいなあ、あたしも行こうかな。
うん、そうしよう。一緒に銭湯行こう」

「へ?ま、舞美ちゃん?」

「そうだ、舞も誘おう。じゃあ、また後でね。迎え行くし」

「ちょ、舞美ちゃん!…って切れてるし!」
16 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/13(火) 23:38
そうだった。舞美ちゃんって結構
押しが強くて人の話聞かないんだった。
ブランクあって忘れてたよ。

ああ、舞美ちゃん。
マイペースにもほどがあるよ。

人の話聞いてよぉー。

舞美ちゃんって確か二十歳だよね。
成人だよね、おかしいでしょ。あの人。
いや、もう舞美ちゃんらしいけどさあ。
17 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/13(火) 23:38
あー、そんな事より。

舞ちゃんだよ。舞ちゃんとお風呂とか無理でしょ。
どう考えても無理。無理すぎる。
どうしよう。なんとか断らなきゃ。回避しなきゃ。

だって。
だって。
だって。
18 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/13(火) 23:39
舞ちゃんってば急に
身長もググッと伸びちゃって
あたしなんかあっという間に追い越されちゃって
手も足もスラッと長く伸びちゃって
服装もなんか大人っぽくて
時々ドキッとするような
遠いとこ見てるような表情なんかして
誰この人?みたいなさあ。

制服姿で学校の友達と一緒のトコを
偶然、街中で見かけた事があった。
なんか話しかけれなくて
逃げるようにして家に帰ったっけ。

舞ちゃんが遠い人になっちゃったって
ズガーン!って急に感じちゃったんだよね。
19 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/13(火) 23:39
もー、まいったな。

あの夏の日の舞ちゃんはどこ行ったんだ?
舞美ちゃんに悪戯してニヒヒって笑ってた
あたしの舞ちゃんじゃないみたい。
いや、最初から舞ちゃんはあたしのじゃないけど。

でもでもだけど。

ああー、どうしようどうしよう。

いつものバスに乗ってる間も
いつものバス停で降りた時も
まだまだずっとグルグル頭は舞ちゃんだらけ。
そのまんま我が家に無事帰宅。
20 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/13(火) 23:40
「ただいまー」

って居間に顔出したら舞美ちゃんが
お母さんとクッキーとお茶を楽しんでた。

「おっかえりぃ〜」

ニコニコ手なんて振ってる舞美ちゃん。

「舞美ちゃんなんでもう居るの?
大学生って暇なの?」

あ、そういや回覧板持ってきたんだから
その時にはもう帰ってたのか。

「今日はねえ、先生がお休みで生徒もお休みなんだよ。」

なんだそれ?分かるような分からないような。
ようするに大学生って結構暇なのかな。
21 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/13(火) 23:41
「ちさとの制服姿久しぶりに見るねー。」

「そうだっけ?」

「そうだよ。舞ちゃんトコとは違う制服だし新鮮。
いいなー、制服。若いっていいなあ。」

「舞美ちゃんも着たでしょ。なにババ臭い事言ってるの。」

舞ちゃんの名前が出てきた事にドキドキしながら
憎まれ口を叩くけど舞美ちゃんはやっぱりニコニコだ。

「あの、さあ。」

「うん?」

「舞ちゃん、は?」
22 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/13(火) 23:41
「ああ、舞ねえ。今日は部活で遅くなるんだって。」

「そうなんだ。」

じゃあ、お風呂は舞美ちゃんと2人でかな。

「早く終わったら行くって言ってたけど。」

「そ、そう。」

なにその曖昧なのやめてよ、却ってドキドキするじゃん。

「でも今日は難しいみたい。
来れなかったらまた一緒に行こうね」

って、なんだよ。もう。来れないって事じゃん。
期待させないでよ、ってあれ?
いやいやコレでいいんだって。
何ちょっと残念とか思ってんの。
変だよ、あたし。

「着替えてくるっ!!」

そう言ってバタバタ2階に駆け上がって
自分の部屋に入って大きく息を吐いた。
23 :おるぷち :2012/03/13(火) 23:45
本日はここまでです。

岡井ちゃん岡井ちゃんと
ぶつぶつ言いながら更新W


>11 :名無しさん
ありがとうございます!
期待に添える話が書けるといいなあ

>12 :名無飼育さん
ありがとうございます。
よーやく新作です!
ぽつぽつアイデアは浮かぶものの
煮詰まらなくて遅くなりました。
楽しんでもらえると嬉しいです
24 :みおん :2012/03/14(水) 00:13
続きがすごく気になります
25 :名無飼育さん :2012/03/15(木) 10:52
岡井ちゃんが中心の小説とは珍しい。
面白いですー!
26 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/20(火) 20:33
いつからだろう。

舞ちゃんの顔まともに見れなくなったの。
街で見かけた時?

会いたいけど会いたくない。
寂しいけど会いたくない。

舞ちゃんのバカ。

なんて、あたしの勝手な気持ちだって
分かってるけど。
このモヤモヤどうしたらいいんだろう。
27 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/20(火) 20:34
再び居間に戻ると今度は
舞美ちゃんがご飯を食べてた。
良く食べるなあ。
なんで細いの?
あーあー。でっかい口でトンカツ食べて
美人が台無し。

「ちさとも早く食べなさい。」

そう言われてあたしも手を洗って
自分の席に着く。

「舞美ちゃん自分の家で食べなくていいの?」

「うん。今日はお父さん出張で帰ってこないし。」

「え、じゃあ舞ちゃんは?」

「ちゃんと用意してあるわよ。」

お母さんが口を挟んできた。
なんだ、そっか。
28 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/20(火) 20:34
舞美ちゃんちはお母さんがいない。
舞美ちゃんが生まれたスグ後に亡くなったらしい。
だから普段は舞美ちゃんが家事をやっている。
と言っても実はお金持ちな矢島家は
ハウスキーパーさんを週に3回雇ってるんだけど。

まー、そんな感じだから
舞ちゃんが引っ越してくるの、
舞美ちゃん大喜びだったんだよね。

確かに広い家にひとりってのは寂しい。
おじさんは忙しい人だし。

「そう言えば昔さあ」

ん?と舞美ちゃんの方を見ると
もうスッカリご飯を食べ終えていた。

はやっ!
29 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/20(火) 20:35
「ちさとと舞ちゃんに
ご飯に大量の砂糖かけられたよね。」

ぶほっ。

「もー、ちさと。汚いなあ。」

いやいや急に変な事思い出すからじゃん。
それに。

「舞美ちゃん気付かずに食べてたじゃん。」

「そうだっけ?」

「そうだよ。悪戯大失敗だよ。」

せっかく悪戯しても気付いてもらえないなんて
切ないったら。それに、あんな量の砂糖ご飯。
2人して心配になっちゃって慌てて止めたんだから。

「舞美ちゃんって昔からボケてるよね」

「えー、なんで?」

なんでって、この話の流れで聞く?
さすがすぎるよ。
30 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/20(火) 20:36
そんなこんなでご飯を食べ終えて
銭湯に行く準備をする。
舞ちゃんからの連絡はない。

「来ないみたいだし2人で行こうか。」

舞美ちゃんがニッコリ笑って言ったから
やっぱり、あたしは残念なような
ホッとしたような気持ちで頷いた。

「ちさとと2人って久しぶりだね」

「うん。舞美ちゃん大学忙しそうだし」

「そうじゃなくてさ。最近うち来ないじゃん。
舞ちゃんと遊んでないでしょ」

「え?」
31 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/20(火) 20:37
「遊びに来てても舞ちゃんとばっかで
あたしとは遊んでくんないけどさ。」

「そんな事ないじゃん」

「あるよー。夏休み以外はあたしと遊ぶのに
舞ちゃん来ると舞ちゃんとばっかじゃん。
昔っからそうだよね。ちさとって分かりやすい」

「分かりやすいって何が?」

「何がって…分かってないの?」

「だから何が?」

「…ま、いいや。」

いいのかよ!!意味分かんないし。

「で?喧嘩でもしたの?」

「へ?」

「舞ちゃんと」
32 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/20(火) 20:38
「別にしてないよ、喧嘩なんて。
ほら舞ちゃん部活忙しいみたいで。
和太鼓に夢中ってゆうか。
発表会あるって言ってたじゃん」

「発表会なら終わったよ。
ちさと来なかったね」

ああ、そうだった。
見に来てって言われたのに行かなかったんだ。

「あ〜、そうそう。その日は
あたしも学校の用事あってさ。
行きたかったんだけど。」
33 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/20(火) 20:39
なんて。本当は行ったんだけど。
会場の隅っこで知り合いに会わないようにして
舞ちゃんに見つからないようにして
こっそり見に行ったんだ。
なんで、そんなんしたんだろ。
自分でも意味分かんない。

「ちさとってバカだね」

「はあ!?」

突然の舞美ちゃんの言葉にビックリして
舞美ちゃんを見上げると
意味ありげに笑われた。

「なに笑ってんの!」

「んー、可愛いなあと思ってさ。
もうちょっと大人になれるといいね」

「はぁ!?舞美ちゃんに言われたくないし」
34 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/20(火) 20:39
自分が子どもだなんて
そんなの分かってるよ。
分かってるから悔しいんじゃん。

早く大人になりたい。
舞ちゃんよりも早く。
うんと大人になりたい。

でも舞美ちゃんには言われたくない。

「なんでよー、私は大人だよ?」

やっぱりニコニコ笑ってるし。

「舞美ちゃんって怒らないよね。」

そう言うと嬉しそうに

「大人は子どもに怒らないんだよ」

なんて。
うちのお母さんにもそのセリフ
言ってやってくんないかな。
35 :おるぷち :2012/03/20(火) 20:44
本日はここまでです。

果たして今現在
一番オトナなのは誰なんでしょう?w

>24 :みおんさん
本当ですかー。
気になるなんて嬉しいお言葉です。

>25 :名無飼育さん
実は…先にストーリーが浮かんで
これは岡井ちゃんだな、ってなったんですよw
36 :名無飼育さん :2012/03/22(木) 12:33
んー、マイマイさんですかね…と予想 >一番オトナ
37 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/26(月) 23:02
銭湯について脱衣場でも
ぽーっとしてたら舞美ちゃんは
サッサと全部脱いで

「先行ってるね。」

って。確かにぽーっとしてたけど
早すぎるよ、舞美ちゃん。

背中に「ウキウキ、わくわく♪」って
書いてあるのが見えるよ。
どこが大人なんだか。

ま、舞美ちゃんが張り切るのも分かるけど。
だって新しい銭湯は広くてキレイで
お風呂の種類もイッパイで
露天もあるし電気風呂だってある。
今いる脱衣場だってロッカーいっぱい。
ドライヤーもいっぱい。
アチコチに椅子もあるからお年寄りも安心。
って、何観察してんだか。
あたしも早く入ろうっと。
大浴場のガラス戸を開けると
おお、洗い場もイッパイだ。
想像以上に広くてビックリだ。
38 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/26(月) 23:03
平日だからか満員って訳じゃなくて
スグに空いてる洗い場をゲットできた。
裸のままウロウロ探すの嫌だもんね。

頭洗ってると空いていた隣に
誰かが座った気配。
シャワーのシブキかけないように
ちょっと気をつけつつ洗い続けて
最後に流し終えた瞬間
つい癖でブンブンと頭を振ってしまった。
そう、犬みたいに。

「あ〜〜〜!ご、ごめんな…って、え?」

隣に謝ろうと顔を向けたら

「舞…ちゃん?」
39 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/26(月) 23:04
「あいかわらずだね、ちさとは。」

呆れた顔。ちょっと冷たい目。
でも口元はニヤってしてて
それは、あたしが失敗した時に良く見せる
皮肉の顔(と、あたしがあ名付けた)だった。

「な、な、な、なんで…?
ぶ、ぶ、ぶ部活。部活って舞美ちゃんが」

皮肉の顔のまま舞ちゃんはザックリ言い放った。

「最近、舞の事避けてるでしょ。」

“うん”とも“違う”とも言えない。
気付かないはずはない。
だって舞ちゃんだもん。
てか、その言い方だと舞美ちゃん嘘ついてた?
それとも舞ちゃん?
40 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/26(月) 23:04
「なんで?舞なんかした?」

「したような、してないような。」

「なにそれ?ちさとの癖に生意気。」

癖にってのび太じゃないんだから。
なんて言えずにいると

「今日は逃がさないから。」

宣言されてしまった。
うう、怖い。
舞ちゃんは怒ると本当に怖い。
一個下なのに、なんでだか
舞ちゃんの方が格上なのだ。昔から。

あたしは舞ちゃんに頭が上がらない。
なんでだろ。

いっつも強気な舞ちゃん。
いっつも千聖を引っ張ってくれる。

41 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/26(月) 23:05
「洗い終わったの?」

「え?うん。」

「じゃ、お風呂行こう。舞、泡風呂がイイ。」

舞ちゃんは避けてるって話は
何も聞いてこなかった。
学校の友達とか部活の事とか
家での舞美ちゃんの事とか
最近ハマってるお菓子の事とか
そんな普通の事をイッパイ話してるだけ。
あたしも同じように普通の話をするだけ。
なんか、昔に戻れた気がした。

最初はギコチなかったけど
最後は爆笑してて、その声で舞美ちゃんが
見つけたー!って寄ってきたくらい。
42 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/26(月) 23:05
舞美ちゃんは電気風呂と戦ってたとか言いながら
ニコニコとあたし達に混ざって
やっぱり普通の話をした。

千聖が望んでたのはこんな関係。
こんな空気。
変わらない、この感じ。
それ以下でもそれ以上でもない。
でも、どっか胸の奥が引っかかるのは何でだろう。

いい加減、時間がたった頃
舞美ちゃんがのんびりと

「そういや舞ちゃん間にあったんだね。」

なんて言った。
て、事は舞ちゃんが部活って嘘ついたのか。
舞ちゃんの方を見ると舌をペロッと出してた。
テヘペロ★ってさぁ、カワイイけどさあ。
43 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/26(月) 23:05
まあ、舞美ちゃん嘘ついてもすぐ分かるしね。
その辺、舞ちゃんは巧みだよね、うん。
なんて納得してると

「誰かさんが舞を避けるからー。」

なんてサラッと言うと舞美ちゃんが
ザバッと勢いよく立ちあがって

「もう出るネ!!ゆっくりしてて!!」

て、気ぃ使った感アリアリでお風呂から飛び出した。
うう、、気まずいんですけど。
舞美ちゃんを目で追ってたけど
あっという間にいなくなちゃったから
仕方なくお湯に肩までたっぷりと沈める。
横から舞ちゃんの視線を感じる。
なんか言わなきゃ。
44 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/26(月) 23:06
なんか、なんかって思うけど
こうゆー時、ほんと言葉って出てこない。
なんで舞ちゃん相手にこんなに
堅くならなきゃいけないの?
そう思ってたら

「ちさとのバーカ」

舞ちゃんが物凄く平坦な口調で
心の底からバカにした感じで言ってきた。
しかもお湯の中でオナカのお肉つまんだし!
さすがにカチンときた!

「!!!!な、なにがっ!!!」

「バレてないと思ってんだろうけどさぁ」

「な、な、なにが。」

「舞の太鼓発表会見に来てたでしょ。」

「!!!なんで知ってるの!?」
45 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/26(月) 23:06
あ、、、、。シマッタ。

「舞がちさと見逃す訳ナイじゃん。」

「でも」

あの日は帽子を深くかぶってマフラー巻いて…

「ちさとの持ち物なんて全部知ってるし。」

「あ。」

「バカでしょ?」

「ハイ。」

でも、それでも、あの広い会場の
あのたくさんの客の中で
見つかるなんて思わなかったのに。

「舞をなめんなよ。」

「ごめん」

なんか良く分かんないけど謝ってた。
舞ちゃんに凄まれると謝らずにはいられないって
どうなんだ、岡井千聖。
46 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/26(月) 23:08
「それに。」

まだあるの?

「三ヶ月くらい前、街で逃げたでしょ。」

「え?」

それも気付いてたの???

「なんで舞に話しかけてこないの。
コソコソしてるなんてオカシイじゃん」

「友達といたから…じゃましちゃ悪いと思ってさ。」

やっとの思いでそう答えると

「発表会は?」

「…」

「明らかに舞の事避けるために変装してたよね。」

うう、熱いのにうすら寒い。

「白状しなさい。」

「そんなの、あたしだって分かんないんだもん。」

「はぁ?」

「だって舞ちゃんが悪いんだからね。」

「なんで舞が悪いのさ?」

明らかにムッとした顔。怖い。
47 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/03/26(月) 23:09
「だって、なんか、なんかオトナみたいなんだもん。」

バシャバシャとお湯を顔にかける。
なんとなく動かないと落ち着かない。
どうにもできない。
なにかがもどかしい。

「ちさと。」

名前を呼ばれて手首を掴まれた。
真剣な顔した舞ちゃん。
と、思ったらニヤリと笑った。

「バッカじゃないの。舞は舞だし。
そりゃあ、もう16だし少しはオトナにもなるけど。」

「あ、あたしだって17なんだけど?」

そう言うと、ふんと鼻で笑われた。
48 :おるぷち :2012/03/26(月) 23:10
本日はここまでです。
なんか中途半端ですね(汗

ようやく本物のマイマイさん登場ですー!


>36 :名無飼育さん
やっぱ、そうですかねー。
したら舞美ちゃんが「なんでよー!」と
煩そうですけどねーw
49 :名無飼育さん :2012/03/28(水) 12:41
ちさまい可愛いなー
連載している℃作品は少ないので嬉しいです
これからも楽しみにしてます!
50 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/04/02(月) 22:36
なんだよ、ちくしょう。

「バッカじゃないの、いくつだろうと
ちさとはちさとじゃん。舞は舞。
そんでちさとは舞のだし。
無視するとかありえないでしょ。」

「は!?いつから舞ちゃんの!?」

「昔っからに決まってんでしょ。」

当たり前、って舞ちゃんがふんぞり返る。

なに、そのドヤ顔。
でも、なんか凄い嬉しいのは何で?

お風呂のせいだけじゃなくて
顔がすっごい熱い。
51 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/04/02(月) 22:37
舞ちゃんを見ると
“なんだよ”って風な目で見てくる。

そうだ、この感覚。
うちらは目で会話できる仲だったんだ。

「もしかして、ちさとはさあ。
舞がちさとから離れてくとでも思ったの?」

「…うん」

「んな訳ないじゃん。てか、一生離れてやんないから。」

「え〜」

「文句あんの!?」

って、舞ちゃん顔赤い。なんて。
今言ってもお風呂のせいにされるよね。
そうゆー自分だって顔がニヤけてんの分かってるけど。
52 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/04/02(月) 22:38
「自分で言って照れてやんの。」

舞ちゃんてば、たまに凄いカワイイんだから。
そう思うと更にニヤけてしまう。

「う、うっさい!もう出るっ!!」

「ちょ、待ってよ。あたしも出るし。」

ズンズン進む舞ちゃんを追いかける。

変なの、ちょっと前までは避けてたのに。
今は舞ちゃんの背中追いかけてる。
もっと、うんと前みたい。

あたし、ずっと舞ちゃんを追いかけてた。
53 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/04/02(月) 22:38
そんな舞ちゃんはズンズン歩いて

「ちさとのロッカーどこ?」

って、あたしが答える前に番号の付いた鍵チェックして
素早くあたしの隣にロッカー移動してきた。
ドンドン服を着ながら
あたしに早口でまくしたてる。

「大体ねえ、千聖が“あたし”って言うのが変だし」

「ええ〜」

「髪の毛なんて伸ばしちゃって女の子みたいだし」

「あの、女の子なんですけど。」

「ポニーテールなんてしちゃってさ。」

「別にいいじゃん。」

「大体さあ、乳でかいし」

「はぁ!?」

ちら、と人の胸見たかと思ったら目ぇ逸らして
何言っちゃってんの?この人。
54 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/04/02(月) 22:39
「…クラスの男子にコクられたって?」

「ええ!?なんで知ってんの?」

愛理となっきぃにしか言ってないのに。

「愛理が言ってた。」

やっぱり。
て、なんで睨んでるの。

「何で愛理に言って舞に黙ってんの!?」

声、低いし。なんで怒ってるの。
だから舞ちゃん怖いんだってば。
そう思いつつ答える。

「なんでって…愛理にはたまたま会った時に流れで
そうゆー話になっただけだし。
それにスグ断ったしさぁ。」

「…」

舞ちゃん見た事ないような複雑な顔してる。
55 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/04/02(月) 22:40
「なんで?」

「え、なんでって別に好きじゃなかったし」

「誰か好きな人いるの?」

「ええ!?…好き、とか付き合うとか
よく分かんないよ。」

今まで一番ドキドキしたのなんて
舞ちゃん相手だって言ったらどんな顔すんの?
そんな事思ってるなんて知らずに
舞ちゃんは顔をふにゃりと崩して

「ちさと、こどもー!」

すんごい顔で睨んでた人とは思えないほど
嬉しそうに言った。
なんだよ、一個下の癖に。
56 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/04/02(月) 22:40
こどもだなんて、分かってるけど
舞ちゃんに言われたくないし。

「舞ちゃんはどうなんだよぉ」

「舞?付き合った事はないけど
好きな人くらいいるもん。」

がびーーーーーーん。
て、なに。がびーーんって。
ちょ、ちょ、ちょ、それより。
好きな人って?舞ちゃんに?

「え!誰?ちさとの知ってる人?」

「あ、“ちさと”に戻ってる」

「だって舞ちゃんが言うから。」

なんとなく素直に変えてしまったじゃないか。
57 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/04/02(月) 22:41
話そらされたって分かってるのに
舞ちゃんがまた嬉しそうに笑うからなにも言えない。

「舞は前の髪型のがイイと思う。短いの。」

当然切るよね?って顔。
なに、その自信。
しかも、なんで話戻ってるの?
大体さぁ。

「髪伸ばしたのだって舞ちゃんが言ったからじゃん。」

ボソッとつぶやいたけど
舞ちゃんには聞こえなかったみたい。

そうだ、そうだよ。思い出した。
58 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/04/02(月) 22:41
髪が短かった頃。

もちろん、それは舞ちゃんが遊びに来てた夏。
一緒に遊んでたら学校の女の子達に会って
その後舞ちゃんが言ったんだ。

「髪の毛伸ばしなよ、女の子が
女の子にキャーキャー言われてるの変」

別にキャーキャー言われた覚えもなければ
言われたとしても髪のせいなのかは
分かんないけど今よりも更に素直だった
ちさとは髪を伸ばすって約束したんだよね。
59 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/04/02(月) 22:42
ねえ、舞ちゃん。

今も昔も。ちさとは舞ちゃんの言う事が絶対みたい。
そんで、舞ちゃんがそうゆー事言うのってさ。

それってもしかして

「ヤキモチ?」

ちさとの質問、聞こえてるくせに
舞ちゃんは何も応えてくれなかった。
だけどさ、さっきよりも耳が赤くなってたの
気付いてるんだからね。

舞ちゃんって素直じゃナイ。
でも、そのヤキモチって
千聖が舞ちゃんに抱いた気持ちと同じなのかな。
60 :「街」うちらは絶賛成長中 :2012/04/02(月) 22:42
髪の毛とか背の高さとか
自分の知らない誰かといる時の顔とか。
遠くへ行っちゃわないでって
そうゆう気持ち。
これって、なんて名前の気持ちなのか
今はまだ知らなくていいって思っちゃダメかな。

舞美ちゃんは早くオトナになれなんて言ったけど
うちらは成長中で嫌でもオトナになっちゃうから
今は、まだ。
焦らなくてもイイよね?

「ねえ、舞ちゃん。久しぶりに舞美ちゃんに
なんか悪戯しちゃおうよ」

振り向いた舞ちゃんの顔は
昔と同じニヒヒと笑った少女の顔だった。
61 :おるぷち :2012/04/02(月) 22:46
本日はここまでです。

「街」episode1
「うちらは絶賛成長中」 も、これで終了。
次回は違う人達が出てきます。
とは言え、また今回の登場人物も
どっかで出てくる事もあると思います。
次のepisodeには出ないですけど。

>49 :名無飼育さん
とゆー訳でスミマセン(汗

隙間産業的にw℃-ute作品描いてみたんですけど
喜んでくれた人がいて良かったです。

62 :名無飼育さん :2012/04/03(火) 12:31
かわいいお話ですね〜
次は誰が出てくるのか楽しみです。
63 :みおん :2012/04/04(水) 00:18
なかなか面白かったです。
テヘペロ★流行りですよね、やってるところ見たくなってきました。
次のepisodeも楽しみに待っていますw

℃-uteはもっと小説になってもいいと思うんです
64 :名無飼育さん :2012/04/05(木) 01:18
私も℃作品って今ほとんどなくて悲しい思いをしてるので
とっても楽しく読ませていただきました。
ちょっとくすぐったいようなでもってほんのり萌え〜な感じで和みました。
ちさまい可愛い!
65 :「街」彼女の横顔 :2012/04/08(日) 22:54
「街」episode 2

「彼女の横顔」

出演・吉澤ひとみ 石川梨華 藤本美貴 他
66 :「街」彼女の横顔 :2012/04/08(日) 22:54
小雪の舞う、いつもの街路樹で
あたしは初めて彼女を見つけた。

ちらほらと白い物を落とす空を見上げ、
頬を染めてる横顔がすげぇキレイで
あたしはどうやら一目惚れってやつをしたらしい。

彼女はしばらく雪を見上げていたけど
やがて薄いピンクのストールに顎まで埋め
ゆっくりと歩き始めた。

それを雪の妖精?なんて
一瞬でも思っただなんてガラにもない。
ぜってぇ友達には言えない話だ。
さらに、その時あたしの頭ん中を
ケメちゃんが歌う「恋の奴隷」が流れてたなんて
かなりマヌケな話だ。
67 :「街」彼女の横顔 :2012/04/08(日) 22:55
♪あなたと会ったその日から
恋の奴隷となりました♪

「だぁ〜〜もうっ!
圭ちゃん、その歌やめろよぉー」

「なぁんでよ、イイ歌でしょ。」

不服そうに唇を尖らせる圭ちゃんの横で
やぐっつぁんが更に不服そう。
そもそも、この曲は彼女と出会う前日に
やぐっつぁんが悪戯してテキトーに入れたカラオケを
圭ちゃんが完璧に歌いあげてしまったものだった。
悪戯が失敗に終わったのがかなり悔しいらしい。

「大体さー、こんな昭和の古い歌知ってるなんて
圭ちゃんはやっぱ年齢誤魔化してる。
50過ぎでしょ、本当は」

「なーに言ってんのよ、スナックやってんだから
オジサマ方のハートを掴む曲は知ってんのよ。」

そんな風に澄まし顔のケメちゃんは
確かにここ「スナックケメコ」のママなのだ。
そもそもスナックってとこが昭和っぽいよなあ。
68 :「街」彼女の横顔 :2012/04/08(日) 22:55
あの日から。
つまり彼女を知ってから。
3ケ月とちょっとが過ぎた。

雪の降る季節はとっくに過ぎ去り
桜がもうすぐ満開を迎える季節となった。

3週間に一度、彼女はあの街路樹の通りにある
大きな図書館へ行く。
そのサイクルが分かるようになるまで
毎週水曜日はあの街路樹の端に自転車を停めて
必死に目をこらしていた。
もっと詳しく言うと最初の1週間は毎日行った。
そのためにわざわざ仕事のシフトを変えたりもした。
今までのあたしには考えられない事だ。
69 :「街」彼女の横顔 :2012/04/08(日) 22:56
その内、あの日が水曜日だった事に気付いて
毎週水曜日かも?と思い
その後3週間に1度の水曜日と掴んだのだ。

と、言ってもあの日を含めて3回だけ、だから
確実とは言い難いんだけど
図書館の貸し出し期間が3週間なのだから
おそらくそうなのだろうと思っている。

行き先が図書館なのだから
もっと早くに気付けばよかった。
あたしとした事が…。
70 :「街」彼女の横顔 :2012/04/08(日) 22:56
彼女の借りる本は実に様々で
ミステリ小説もあれば生物や化学の本、
美術書や宇宙の本もあった。
色々な事に興味があるんだなあ、なんて
何気ないふりで彼女を見つめ続けた。

って、これじゃストーカー予備軍だ。
予備軍、ってのはさすがに家までは
尾行してないしって事なんだけど
友人の美貴に言わせると
「十分ヤバい」だそうだ。
うん、あたしもそう思う。
逆の立場ならキモイし怖い。
そうは思っても3週間に1度遠くから眺める位
いいじゃないか、と思ってしまう。
彼女は図書館で本を返し、また新しい本を借り
近くのモダンなカフェで紅茶を飲む。
71 :「街」彼女の横顔 :2012/04/08(日) 22:57
「街路樹から図書館、そんでカフェまで尾行してんでしょ?
借りた本までチェックしてるとかさぁ、どうなの」

美貴の冷たい視線を思い出すと背中がひやっとする。
同時に頬が赤くなる。
そんなあたしを見て美貴は

「いやぁ残念だなあ。まさかよっちゃんが!
あの、よっちゃんが!」

なんて繰り返し最後は

「中学生レベルだよねー。」

なんてニヤニヤした。
ストーカーと言ったり中学生と言ったり。
なんて嫌な奴だ。コイツに言うんじゃなかった。

しかし藤本美貴と言うこの女は
誘導尋問が恐ろしくうまく
様子のオカシイあたしに素早く気付いて
言葉巧みにあたしの秘密を暴いたのだ。

ああ、なんて恐ろしい女!!
72 :「街」彼女の横顔 :2012/04/08(日) 22:57
「ちょっと、よっちゃん。声に出てるから。」

「あれ?」

そんな、あたし達のやり取りを
ケメちゃんとやぐっつぁんが面白そうに眺めてる。

「よっすぃがミキティに勝てる訳ないよね」

なんて余計な事を言いながら。

そもそもコイツとの付き合いは
学生時代の焼き肉屋でのバイトからで
あたしと美貴ともう1人とで
しょっちゅう、つるんでた。
最近はもう1人は忙しいらしくて
もっぱら美貴と2人、
週に1度はこの店で飲んでるって訳だ。
この店を見つけたのは、もう1人、なんだけどなあ。
そんな昔に思いを馳せてる間に
美貴の語気はどんどん荒くなっていく。
73 :「街」彼女の横顔 :2012/04/08(日) 22:58
「とにかくぅ〜、声かけろっつーろ。
遠くから眺めてるらけってぇのは〜
どうなんらっちゅーの」

簡単に言ってくれるよ、この女。
あたしは自慢じゃないが
自分から声掛けたことなんてないんだ。

「そうれすねー、おモテになりまふからぁ〜
いっつも勝手にどんどんやってきまふもんねぇ。」

こいつ、飲みすぎだろ。
さっきから呂律が…何杯目だ?
やけに絡んでくるし。
まあ、荒れる理由はどうせひとつだけ。
74 :「街」彼女の横顔 :2012/04/08(日) 22:58
「…彼と喧嘩でもしただろ。」

そう言うとピクリと眉を動かし

「喧嘩?そんなんしてませーーん。
ずぇんぶ、あっちが悪いから叱っただけでぅー」

そっからは彼の愚痴。
こんなに言ってても、どうせ明日には仲直りするんだ。
いつもの事。

いや、むしろ今日迎えに来る気がするな、うん。
そう思った途端カランカランとドアベルが鳴り
見なれた男が姿を現した。

「あー、もう美貴ちゃん帰ろう。」

「やぁらー。美貴まだ帰んなぁーい!」

そんなん言いつつ目が嬉しそうだぞ、美貴。
言葉の語尾が甘え切ってるぞ。
普段はおっさんの癖に彼の前になると
途端に乙女なんだから。

「吉澤さんすいません。連れて帰りますね。」

「はいはい、気をつけて。結婚やめるなら今の内っすよ」

軽口をたたくあたしに美貴がギロッと目を光らせた。
おーこわっ!!
彼は軽く笑ってうちらに会釈をし
美貴を背負うようにして帰って行った。
75 :おるぷち :2012/04/08(日) 23:02
本日はここまでです。
凄いいしよし作家さんが
多数いらっしゃる中恐縮です(汗

62 :名無飼育さん
とゆー訳で次は鉄板カップリングとなりました。


63 :みおんさん
ありがとうございます。
テヘぺロいいですよねw
学生の青春ポイのは結構好きなんです。


>64 :名無飼育さん
ありがとうございます。
また℃-ute達の話も書くので
読んでくれたら嬉しいです
76 :?1/4?3 :2012/04/11(水) 13:37
次はいしよし!
てっきりモベキマスくくりかと!
振り幅有りますねー。
この話も楽しみです。
77 :「街」彼女の横顔 :2012/04/15(日) 17:46
そんなやり取りをした数日後。

いつものように自転車で走ってたら
可愛らしいカフェの窓際に美貴がいるのを見つけた。
な、なんて似合わないんだ!
よくよく考えたら美貴とは夜しか会った事ない気がする。

夜の女・藤本美貴。

うん、似合う。

そのカフェは赤と白と黒のチェックを基調とした
本当に可愛らしくも、どこかロック調の店。
ドーナツとカフェラッテが美味しいんだと
勤務先のスポーツジムで受付してる
女の子達が話してたのを思い出す。
78 :「街」彼女の横顔 :2012/04/15(日) 17:47
そんな店の窓際の席でアタリマエみたいに
なにかを飲んでる美貴が面白過ぎて
Café Bounoと書かれたその店のドアを開く。

ツインテールの店員が声をかけてきたけど
ちょっと知り合いが…と言って真っ直ぐ美貴に向かう。

向かっている途中で美貴と目が合い
わざと意地悪そうにニヤッと笑うあたし。
美貴の顔には“げぇっ”と書いてある。

あたしは面白くて仕方なくて更に歩くと
美貴に連れがいた事に気付く。
観葉植物の影になっていて見えなかったのだ。
あたしに背を向けている、その女性は
まだ、あたしに気付いていないようで
変な顔してる美貴に
“どうしたの?”なんて言っている。
79 :「街」彼女の横顔 :2012/04/15(日) 17:48
えらく高い声だなーと思いつつ
思いっきりニヤニヤした顔で笑いながら

「み〜〜き〜〜〜。大変お似合いな店に
まっ昼間からいらっしゃいますねー?」

「美貴ちゃん、お友達?」

ちょ、美貴ちゃんって!
その呼び名に笑いを噛み殺しながら
美貴の連れの方に振り向き

「どうもー。お友達の吉澤って…」

言いかけて、あたしは固まった。

ウソだろ?
彼女だ。
あの、雪の妖精の。

その、彼女がなんで美貴と?
てか、今目の前に居るってのが信じられない。
80 :「街」彼女の横顔 :2012/04/15(日) 17:49
「あ、あたし美貴ちゃんの幼馴染で石川です。」

にこっと笑う彼女。
やっぱりカワイイ。そして美しい。
やばい。間近で見ると更にすげぇ…すごすぎる。

「石川、さん?」

「ハイ」

あたし、話してるよ。
妖精と!いや、石川さんと!!

「石川、なにさん?」

「梨華です。梨に華やか、で。」

「自分で華やかとか言うかね」

聞き慣れた声に美貴の事を思い出した。
梨華ちゃんは美貴に

「なによぉー」

なんて、頬をふくらまして抗議してる。
ちょ、可愛すぎる。
81 :「街」彼女の横顔 :2012/04/15(日) 17:49
美貴め。こんなカワイイ幼馴染いるなんて
言ってなかったじゃないか!!

「で?よっちゃんは何してんの?」

「へ?ああ、通勤途中で美貴見かけたから」

「じゃー、さっさと通勤しろよ」

「いや、まだ時間あるし。つか美貴がカフェって!」

「違うし!梨華ちゃんの趣味だし!」

「え〜、美貴ちゃんココのチョコケーキ好きでしょ」

梨華ちゃんの声に明らかに仏頂面の美貴。
あたしに見られたのが、そんなに嬉しいか。
あたしは美貴をニヤニヤと見る。
本当は梨華ちゃんを眺めてたいけど
さすがに緊張してしちゃうから。
82 :「街」彼女の横顔 :2012/04/15(日) 17:50
「梨華ちゃんには似合うけど美貴はちょっとなあ。」

「うふふふふ」

「ちょっと、美貴の幼馴染ナンパすんな。」

「してないじゃん、本当の事じゃん。
美貴なんかケメコか焼き肉屋のイメージしかねえし!」

「人の事言えるか!!」

そんな、あたし達のやり取りに
梨華ちゃんが更にクスクス笑う。
笑い方まであたし達とは大違いだ。
くふぅーーー!かぁわいいなぁ〜〜!!

「時間あるなら吉澤さん?も何か飲んで行きません?」

「え!?」

って、、、うぉっ!!
椅子に座る彼女は立ってるあたしに対して
自動的に上目遣い。それ反則だろって。
か、か、かわいい。
83 :「街」彼女の横顔 :2012/04/15(日) 17:51
「よっちゃん、早く仕事行った方がいいって!」

美貴がシッシッと手を振る。
ほお、そうゆー態度。

「梨華ちゃんに誘われたら断れないなあ♪」

なんて、ちゃっかり梨華ちゃんの横に座る。
梨華ちゃんはまたウフフと笑う。
そんな彼女をチラッと横目で見てから
店員を呼ぶと、さっきのツインテールが来た。

「はぁい。ももちの本日のお薦めはピーチティーでっす♪」

聞いてないし。小指立ってるし。

「コーヒー」

「ももちの本日のお薦めはピーチティーでっす♪」

「本日のコーヒー。」

「…かしこまりましたー!」

ピョコンとおじぎしていく店員。
84 :「街」彼女の横顔 :2012/04/15(日) 17:51
「ずいぶん変わった店員だね。」

「ごめんなさい。」

なぜか謝る彼女。不思議顔をするあたしに

「あたしの従妹なの。」

って、ちょっと恥ずかしそうな梨華ちゃん。
シマッタ。

「ああ、それで!普通、お客さんにあの態度はないよね。」

「…いつでもああなの。」

「…お、おもしろい子だね」

正面の美貴は大爆笑。このやろう。

「もう美貴ちゃん笑いすぎ」

「そうだぞ、美貴ちゃん!」

「美貴ちゃん言うな!」

「えー?小さい頃から呼んでるのに」

「いや、梨華ちゃんじゃなくて」

え〜?と唇をとがらせる梨華ちゃん。
だから可愛いです。。。
85 :「街」彼女の横顔 :2012/04/15(日) 17:52
「あ、そうだ。吉澤さんはなんて呼んだらいいかなあ?」

「よっちゃんなんかお前とかオイでイイって」

「もう!美貴ちゃんは!下の名前なんていうの?」

「ひとみ。吉澤ひとみ」

「じゃあ、ひとみちゃんだね」

そう言った途端さっきよりも大爆笑する美貴。
うん、そうだよな。
あたしも、それは勘弁してほしい。
でも美貴は笑いすぎ。
身を乗り出してデコピンをお見舞いしてやる。

「いっでぇーーーーー!!」

「ふん。天罰」
86 :「街」彼女の横顔 :2012/04/15(日) 17:53
そんなギャーギャー騒ぐあたし達を
店員が注意しに来たのは言うまでもない。

ちなみに「ももち」ではなく
ショートカットのクール系だった。
さっきチラと見えた黒髪ロングの店員といい
ここのカフェは(性格はともかく)ビジュアル点高いな。

ま、梨華ちゃんがダントツすぎて霞んじゃうけど。
なんてな!
そんなあたしを美貴がジトーっと見ていたのに
一応は気付いたけど、それがどんな意味を持つのか
その時のあたしは知る由もなかった。
87 :おるぷち :2012/04/15(日) 17:55
本日はここまでです。

御園座で観る桜は格別でした。
梨華ちゃん熱高まり中〜!
アイス最中もおいしかったw

>76 :?1/4?3さん
大人も少女もいっぱい出します!
くくりとかは特にありません。
よろしくお願いします!
88 :名無飼育さん :2012/04/16(月) 00:06
いしよし素敵です!!
梨華ちゃんはやっぱり美しい!
89 :名無飼育さん :2012/04/16(月) 13:54
和やかな娘。小説って感じで好きです。
90 :「街」彼女の横顔 :2012/04/23(月) 23:30
その1週間くらい後。

ケメコに美貴が梨華ちゃんを連れてきた。
先にカウンターで飲んでたあたしは
思わず高いスツールからずり落ちそうになった。

「り、梨華ちゃん?」

「えへへー。来ちゃった!ひとみちゃんいて良かったー」

「良くないし。」

仏頂面の美貴。どうした?

「美貴ちゃんがね、ひとみちゃんとココで
良く飲んでるって言うから付いてきちゃった」

「無理矢理ね」

低い声の美貴。だから何でお前はそんなに不機嫌なんだ?
91 :「街」彼女の横顔 :2012/04/23(月) 23:31
「あたしスナックとかって行った事なくてー」

「そうなんだ。」

そんな美貴におかまいなしで梨華ちゃんは
ニコニコとあたしに話しかけてくれる。
やっぱ可愛いなあ。

「いらっしゃい。立ってないで座ったら?」

カウンターの向こうからケメちゃんが声をかける。

「そうだよ、座んなよ、ミキティも」

カウンターの端に座るやぐっつぁんからも声がかかる。
てか、やぐっつぁんって毎日いるんじゃないか?
別にいいんだけど。

声をかけられて梨華ちゃんは嬉しそうにあたしの隣に
美貴はその隣に腰をかける。
92 :「街」彼女の横顔 :2012/04/23(月) 23:31
「美貴ー、お前なんでそんな仏頂面なの?
悪人顔に磨きかかってるぞ。」

茶化すように言うと

「うっさいなー」

「美貴ちゃんは恥ずかしいんだよねー。」

梨華ちゃんが何でも知ってますって顔で言う。

「美貴が恥ずかしい奴なのは知ってるよ?」

そう言うと梨華ちゃんはコロコロと笑い
美貴はますます仏頂面。

「あたしに美貴ちゃんの過去の話とか?
おうちでの話とか?色々されたくないみたい。
全然お友達も紹介してくれないのよ?」
93 :「街」彼女の横顔 :2012/04/23(月) 23:32
「なんで梨華ちゃんに美貴のお友達
紹介しなきゃなんないわけ?」

「なんかマズイ事でもあるの?」

「べ、べつに、ないけどさあ。」

うーん。なんか梨華ちゃんのがお姉さんみたいだ。
なかなか見れる美貴じゃないな。
もしかして、そうゆートコを見せたくなかったのかな。
分からんでもないけどなあ。

なんか嫉妬するより微笑ましく感じるわ、これ。
94 :「街」彼女の横顔 :2012/04/23(月) 23:32
「梨華ちゃん達って幼馴染なんだよね?」

「そうよ、ずーっと小さい頃から一緒。」

梨華ちゃんはニコニコと色んな事を話してくれた。

美貴がガキ大将を泣かせた事。
自分の飼ってるワンコにデレデレな事。
寝起きが最悪でいつも学校に
引きずるように連れて行った事。

その横で美貴がずっと
苦虫を噛み潰したような顔をしつつも
止めても無駄と言うように黙って酒を飲んでいた。
95 :「街」彼女の横顔 :2012/04/23(月) 23:33
梨華ちゃんはおしゃべりが大好きみたいで
お酒片手に本当に色々話してくれた。
時々話が飛ぶもんだから理解するのに
時間かかったりもしたけど
コロコロ変わる表情がすごく可愛くて
なんか得した気分になった。

あー、やっぱ梨華ちゃん可愛いなあ。
最初はキレイって思ったけど
実際話してるとカワイイんだな。
まいったな。
96 :「街」彼女の横顔 :2012/04/23(月) 23:33
「うふふ。ひとみちゃんは私のお話
ちゃんと聞いてくれるから嬉しいな。
美貴ちゃんなんて全然聞いてくれないんだから」

「だって梨華ちゃんの話オチないし
意味分かんない事多いしー。」

時々入る2人のやり取りは
なんかこう…姉妹のような
古くからの友人のような。

幼馴染ってこうゆーもんなのかな?
あたしには、そんな人いないから
良く分かんネーけどなんかいいな。
97 :「街」彼女の横顔 :2012/04/23(月) 23:34

だけど。
だけどさ。

梨華ちゃんって表情が豊かなのはいいけど
ちょっと分かりやす過ぎる。

98 :「街」彼女の横顔 :2012/04/23(月) 23:34
美貴の彼が店に迎えに来て

「じゃあ、またね。」

なんて手を振って美貴が帰る時。
美貴が梨華ちゃんを気遣って

「一緒に帰る?車で送らせるよ。もう遅いしさ。」

なんて言って、でも梨華ちゃんが

「まだお話してたいし、大丈夫だから。」

「じゃあ、まだ寒いから美貴のマフラー貸してあげる」

まだ店の中なのに梨華ちゃんの細い首に
自分のマフラーくるくる巻いて。

「危ないからタクシー使いなよ?」

なんて言ってさ。なんか、そのやり取りの時の顔がさ。
99 :「街」彼女の横顔 :2012/04/23(月) 23:35
切ないみたいな嬉しいみたいな困ったような感じで。

美貴も美貴でなんで急にそんな
梨華ちゃんに気遣いだしてんの?みたいな
なんか変な空気で。

だって女友達って感じじゃないだろ、これ。
美貴の彼は先に外に出て待ってて
だからこそ、更にこの空間が変な感じ。
あたしって結構そうゆーの鋭い方だし。

なんか、これは。幼馴染じゃなくね?
100 :おるぷち :2012/04/23(月) 23:38
本日はここまでです。

( `.∀´)もうちょっと続くわよ
(〜^◇^)うちら出演者名に入ってないのどうゆー事?
( `.∀´)他って事ね…

>88 :名無飼育さん
梨華ちゃんの一番きれいなのは
横顔だと思うのは自分だけでしょうか

>89 :名無飼育さん
ありがとうございます!
大きな事件はなくて日常っポイのを
タラタラ書くのが好きなんですよw
101 :名無飼育さん :2012/04/24(火) 18:02
日常っぽいの好きです。
これはちょっと先行き不穏な雰囲気…
102 :「街」彼女の横顔 :2012/04/30(月) 20:39
そんなやり取りがあって

「じゃあ、みんなお先ー」

って美貴が小走りで店を出て行った時。

梨華ちゃんは。

泣きそうな顔してた。

103 :「街」彼女の横顔 :2012/04/30(月) 20:40
あたしが見てるのに気付くと

「行っちゃったねー」

なんて何でもない風を装って
えへへと笑ってドリンクを追加注文した。
だけど、その顔はさっきまでとは
全然違ってる。

そんな顔、幼馴染にしないよね。
そんな顔、見たくなかったよ。
104 :「街」彼女の横顔 :2012/04/30(月) 20:40
さっきまでの幸せな
あったかい気持ちがぶっ飛んで、
あたしはなんかもう
グチャグチャな気持ち。

さっきまではコロコロ変わる
梨華ちゃんの表情が可愛くて幸せで
梨華ちゃんが話す美貴の話に笑ってたし
美貴と梨華ちゃんのやり取りを
微笑ましいなんて思ってたのに。

なにこれ、なんなの?
105 :「街」彼女の横顔 :2012/04/30(月) 20:41
「梨華ちゃんって美貴の事好きなんだ?」

「え?」

梨華ちゃんの眉がキュッと垂れ下がって
すごく困った顔になった。
あたしの中の黒いモヤモヤが
意地悪な言葉を口に出す。
嫌だ、もうやめろって
心の中で叫ぶ声が聞こえるのに
黒いモヤモヤはどんどん広がっていく。

「分かるよ。さっきの顔見たらさ。」

「…そう、だよね。私分かりやすいって良く言われるし
自分でも分かってるの。」

「それ、美貴も気付いてるよね。でも美貴には…」

「そんなの…そんなの分かってるよ!!」
106 :「街」彼女の横顔 :2012/04/30(月) 20:42
シマッタ、なんて思う時にはもう遅くて。
梨華ちゃんのキレイな目からは
ボタボタと大きな涙がこぼれだしていた。

「ご、ごめん。泣かすつもりじゃ…」

じゃあ、どうゆうつもりだったんだ?と
自分自身に腹が立つ。

「いいの。ひとみちゃんのせいじゃないもん。」

美貴にはさっきの彼が、婚約者がいる。
あと1ケ月で結婚する。
マリッジブルーなんてないくらいに
毎日うんざりする位ラブラブで
梨華ちゃんに勝ち目なんてある訳ない。
107 :「街」彼女の横顔 :2012/04/30(月) 20:42
「分かってるの。美貴ちゃんの特別になれない事くらい。」

「そんな事…そりゃ恋愛感情ではないかも知んないけどさ。
美貴かなり梨華ちゃんの事、特別だって思ってるよ」

「なんで?ひとみちゃん、私たちの事知らないでしょ?
なんでそんな風に言えるの?」

「知らないけど。2回しか会ってないけど。
でも分かるよ。あんな美貴の顔初めて見たんだから。」

「美貴ちゃんの顔?」

「うちらにはぜ〜〜ってぇ見せないような優しくて甘えた顔。」

「ほんと?」

「うん、梨華ちゃんには違う顔してた。
心許しきってるんの分かるよ。」

「そう?」

梨華ちゃんはふわっと微笑んだ。
それは、もう華が咲くような笑顔。
108 :「街」彼女の横顔 :2012/04/30(月) 20:43
あたしはさっきの自分の黒いモヤモヤが出した
意地悪なセリフを取り除きたくて
必死で梨華ちゃんを慰めようとしてただけだった。

まさか、こんな笑顔見れるとは思わなかった。

そうなってくると、もっとその笑顔が見たくて
次々と美貴がいつもはどんだけ乱暴者で
人を見る目が狂犬よりも恐ろしいかを話して聞かせた。

そうすると梨華ちゃんはコロコロと笑ってくれたから
嬉しくなって更に色々話す。

ああ、あたし。
なんでこんなに美貴の事ばっか話してんの?
でもいいか。梨華ちゃんが笑ってくれるなら。
109 :「街」彼女の横顔 :2012/04/30(月) 20:44
延々美貴の話して
梨華ちゃんも美貴の事いっぱい話した。

どんだけ美貴が自分に優しくて
2人の思い出がいっぱいあるかなんて事
本当は全然聞きたくなかったけど
それで梨華ちゃんが楽しくなるならと
ウンウン聞き続けた。

「こんなにいっぱい話す事ないから楽しかった。
ひとみちゃん、ありがとう。」

そう言って終電に間に合うように席を立った。
110 :「街」彼女の横顔 :2012/04/30(月) 20:45
もちろんあたしも立って駅まで送っていったけど
なんかこのまま家に帰るのも嫌で
ケメコに逆戻り。

「あんた、帰るのどうすんの?」

なんて圭ちゃんに呆れられたけど
どうする?なんて

「飲み明かすしかないでしょー!」

って言えば圭ちゃんが
喜んで付き合ってくれることなんて
お見通しなんだよね。

そうでしょ、圭ちゃん。
111 :おるぷち :2012/04/30(月) 20:51
本日はここまでです。
(0^〜^0)圭ちゃ〜〜ん!
( `.∀´)あんた都合いい時だけ甘えるわね!


>101 :名無飼育さん
こんな感じの展開になりました。
さてさて、どうなるでしょね?
とか、言ってみるー。
112 :名無飼育さん :2012/05/02(水) 23:36
よっすぃ〜が切なくてキュンとしました…
でも梨華ちゃんは梨華ちゃんで切ない…。
今後の展開を楽しみにしています、頑張って下さい。
113 :名無飼育さん :2012/05/05(土) 19:05
"飲み明かすしか"を"盛り上がるしか"と見誤りましたw
切ないながらも温かい。
どうなるのやら…
114 :「街」彼女の横顔 :2012/05/07(月) 22:10
“今夜ケメコで待つ”

果たし状のような美貴からのメールがきたのは、
あの夜から1週間もしないくらいだった。

仕事を終えてケメコに行くと
美貴はもう既に来ていた。

「よ!よっちゃん。待ったぞ」

「よ、じゃねーし。時間指定までされた覚えはない。」

美貴はふふん、と鼻で笑うと

「まぁ座んなよ」

と自分の隣を差した。
115 :「街」彼女の横顔 :2012/05/07(月) 22:11
座るとすぐにオーダーもしてないのに酒が置かれる。

「ちょっと、ケメちゃん。あたしまだ注文してないよ?」

「あんた、いつもそれでしょ。」

ケメちゃんの言葉にキャハハって笑い声。
やぐっつぁん、また来てんだね。

「で?わざわざ呼び出すとか何?」

いつもケメコで会うけど待ち合わせしてる訳じゃなく
だからって偶然でもなく行けばいるだろって感じなうちら。
呼びだすなんて珍しい。

「よっちゃんさんさぁ〜〜。」

美貴が妙に甘えた声を出す。
そうゆう時はろくでもない事って知ってる。
116 :「街」彼女の横顔 :2012/05/07(月) 22:12
ちょっと嫌な顔をして
黙って続きを促すと案の定ニヤッと笑った。
こえー、藤本美貴こえー。

「梨華ちゃんの事好きでショ。」

「なっ!!!!!」

持ってたグラスを落としそうになった。
な、、なんでそれを。

「分かるよ、梨華ちゃん以外なら誰でも。」

ねえ?とケメちゃんとやぐっつぁんに目配せすると
2人してうんうんってマジか。
117 :「街」彼女の横顔 :2012/05/07(月) 22:13
「美貴も迂闊だったわ。よっちゃんから
図書館やらカフェの話聞いてピンとくればよかった」

「…美貴やっぱ梨華ちゃんの話まともに聞いてないんだな。」

「あたりまえでしょ。」

「聞いていやれよ、梨華ちゃんは…」

「美貴の事好きってゆーんでしょ?」

「やっぱ分かってるんじゃねーか。」

そうだとは思ってたけど。

「梨華ちゃんもホント分かりやすいからねー。」

「だったら何で中途半端に優しくすんだよ?」

「大事な幼馴染だもん。」

「でもさあ」

「じゃあ、どうしろっての?突き放すの?」

「それは…」
118 :「街」彼女の横顔 :2012/05/07(月) 22:14
「美貴達はねえ小さい頃からずーっと一緒なの。
壊したくないんだ。恋愛感情にはなれないけど
大事なんだよ。」

「美貴」

「だからさ、ぶっちゃけ。よっちゃん本気?」

「へ?」

「美貴が知ってる限りよっちゃんの恋愛って
ロクでもない事ばっかだけど
自分から好きになったなんて
初めて聞いたしさあ。どんだけ本気よ?」

「うっせーな。なんで美貴にそんな事」

そりゃ確かに今まで褒められた恋愛なんて
してきてないけど。
119 :「街」彼女の横顔 :2012/05/07(月) 22:15
「美貴さ、今がチャンスだと思うんだよね。」

「は?」

「美貴と梨華ちゃんの幼馴染の絆をそのままに
恋愛感情を取り除くチャンス。」

「へ?」

「よっちゃんが梨華ちゃんに本気なら
美貴、応援するよ。梨華ちゃんの事なら
誰より知ってるんだからいいアドバイスできるよ?」

喉がゴクリと音をたてた。
そりゃ、あたしにとってはイイ話。
だけど。梨華ちゃんの気持ちはどうなるんだよ。

「でも、それじゃ梨華ちゃんが」

「梨華ちゃんの為でもあるんだよ」
120 :「街」彼女の横顔 :2012/05/07(月) 22:16
真剣な美貴の目。こいつのこんな顔初めて見た。
いつも悪態付いてるか、ふざけてるかなのに。

「梨華ちゃんだって、どうにもならないって
分かってるよ。だって美貴は結婚するんだよ?」

「だからって!美貴があたしにアドバイスとか。
それは…ダメだろ。そんなの。」

「よっちゃん…」

美貴の目に涙が光る。
美貴が涙?ウソだろ?

「ありがと。よっちゃん。
そんなに梨華ちゃんの事想ってくれる人
今までいなかったよ。。。本気、なんだね。」

うるうるした目で美貴が笑う。
121 :「街」彼女の横顔 :2012/05/07(月) 22:17
そんな事、美貴に対して思ったことなんてないのに。
その顔は本当に、すげーキレイだった。

「よっちゃん、お願い。梨華ちゃんの事
救ってあげて。少しでも悲しくないように」

「あたしにできるかな」

「よっちゃんにしか出来ないって思ってるよ。」

あたしだって梨華ちゃんを何とかしてやりたい。
梨華ちゃんが迷路に迷い込んでるなら
あたしが出口に導いてあげたい。

「分かった、なんとか頑張ってみる」

「ありがとう!!」

美貴のはじける笑顔。
ケメちゃんとやぐっつぁんの優しい微笑み。

よし、頑張る!!!

122 :おるぷち :2012/05/07(月) 22:23
本日はここまでです。

川VvV)( ^▽^)(0^〜^0)さてさて、どうなるー?


>112 :名無飼育さん
ありがとうございます!
恋愛って思い通りに行かないもんなんですよねー

>113 :名無飼育さん
「盛り上がるしか」じゃ〜
( ´ Д `)あたしだよ。
123 :名無飼育さん :2012/05/09(水) 08:47
よっすぃ〜ガンバレ!
124 :「街」彼女の横顔 :2012/05/14(月) 21:21
「て、どうすればいいんだ?」

頑張ると決めたものの何をどうしていいか分からん!

「うー、どうすりゃいいんだ?どうすんだ?どうすんだ、あたし!」

「なにがですか?」

「!!!????」

独り言に声入れられるとビビるじゃねーか。
声の主はジムの後輩、小川麻琴。
スタッフルームでつぶやくんじゃなかった。
無意識だけど。

「そうだ、麻琴っ!…じゃ分かんねーよな。」

「ちょ、なんなんですかー!そのバカにした顔」

「いや、お前に言っても」

「ちょっと、ちょっとー!」

「だってお前、恋愛系の話分かるか?」

「うっ。あ、あたしだって大人の女ですからー。」

鼻息荒い麻琴には、正直あんまり期待できないけど話してみるか。
藁にもすがるって奴だ。
125 :「街」彼女の横顔 :2012/05/14(月) 21:22
「叶わない恋を傷つけずに終わらせる方法、ですか。」

あたしが話した後、案の定、困り顔になってる。
やっぱコイツじゃだめだったか。

「うん、悪かった。やっぱ無理だよな。」

「ちょ、ちょーーーーっと待ってください。
今の時間なら、うん。大丈夫です!」

そう言ってどこかに電話をかけ始めた。
結局、人頼りかよ。
て、あたしもだけどさ。

「あ、里沙ちゃん?あのさー今イイ?」

麻琴はリサちゃんとやらに
あたしが話した事を同じように話しだした。
126 :「街」彼女の横顔 :2012/05/14(月) 21:22
「吉澤さーん、代わってください。
直接じゃないと良く分からないって」

「ああ、そう。」

ほんのちょっと緊張しつつ麻琴の携帯を受け取る。

「もしもし?吉澤と言います」

「あ、どうもー。新垣といいます。
あのですねえ、さっき、まこっちゃんに
聞いたんですけどもー。」

電話の相手は快活そうなハキハキとした口調で話し始めた。

「どうにもならないって分かってるんですよね?」

「そうなんです。」

「だったら告白してスッキリしちゃったら
いいんじゃないですか?」
127 :「街」彼女の横顔 :2012/05/14(月) 21:23
「え!?でもダメって分かってるのに?」

「分かってても言わないと終われないですよ。
ケジメつけたいなら行動しないと
いつまでも心の中にくすぶっちゃいますよ。」

「そんなのフラレに行くようなもんじゃないですか。」

「そうです。それが大事なんです。」

「そんなの、可哀そうです」

「本人もお相手も分かってるなら
なおさら言わないと区切りがつきませんよ。」

心のもやもやは吐き出さないとダメなんだ、と
ニイガキリサという人は言った。
そんなもん、だろうか。
確かに愚痴なんかは人に言うとスッキリするけど。
一応、礼を言って携帯を麻琴に返すと
少し話して通話は終了したみたいだった。
128 :「街」彼女の横顔 :2012/05/14(月) 21:24
「参考になりました?里沙ちゃんは
保健の先生でカウンセラーでもあるんですよ。」

そういう人の言う事なら、大丈夫なのかもしれない。

少なくとも恋愛知識の低いあたしやコイツよりは
しっかりとしたアドバイスだ。


よし、梨華ちゃんに言ってみよう!

129 :「街」彼女の横顔 :2012/05/14(月) 21:24
この前メアドは交換した。

けど、まだメールした事はない。

どうしよう?なんてメールしたらいいんだろう?
絵文字とか入れた方がいいかな。
なんて、さっきから打っては消しを繰り返す。

うがーーーー!もういい!送信!!!

ああ、送っちゃったよ。
どうしよう?大丈夫かな。
130 :「街」彼女の横顔 :2012/05/14(月) 21:25
“この前は楽しかったよ”の後に
ニコニコ絵文字とかダサいか?


“またケメコで飲まない?”
なんてストレートすぎ?馴れ馴れしい?


やっべー、どうしよう。
ベッドの上でゴロゴロ奮闘してると
着信音、、、き、きた?
131 :「街」彼女の横顔 :2012/05/14(月) 21:25
“グッチャー( ^▽^)/”

ぐ、ぐっちゃー?

“この前はありがとう!私も楽しかったよ。
だから、また一緒に飲みたいなーって思ってたの(はぁと)
誘ってくれて嬉しいな♪さっそくだけど明日はどうかな?”


て、よっしゃーーー!!!!!!
あたしは叫びたくなるのを必死にこらえて
拳を高く突き上げた。
132 :おるぷち :2012/05/14(月) 21:27
本日はここまでです。
すすんだ、のでしょうか?w


>123 :名無飼育さん
(0^〜^0)がんばったYO!!
∬´◇`∬がんばったの里沙ちゃんですよねー?
133 :名無飼育さん :2012/05/17(木) 11:48
ガキさんは恋愛経験豊富なんでしょうか?

なんとなくハッピーになっていく予感?
愉しみです
134 :名無飼育さん :2012/05/19(土) 17:28
ガキさんにワロタ
いい方向に進むといいけど…
135 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:47
カランコロン。

ケメコのドアベルが鳴る。
スナックってドアベル、あるもん?
入ってきた人を見てあたしはガッカリした。
梨華ちゃんじゃない。小さすぎる。
いやいや、もうすぐ来るでしょー。さっきメール来たし♪

「うっわ、よっすぃー。何その顔。
気持ち悪いんだけど。」

「さっきから、ずっとこの調子なのよ。」

うるさいな、梨華ちゃんと待ち合わせだぞ?
少しくらい顔が緩んだっていいじゃないか!

ケメちゃんもやぐっつぁんも
顔を見合わせて苦笑い、ほっとけ。
136 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:48
ようやく次のドアベルで梨華ちゃんが入ってきた。

「ごめんね、ひとみちゃん。待った?」

「え、いや全然。先にちょっと飲んでたし」

「そう?じゃあ、あたしも。なに飲もうかな。」

おおー、ちょっとナンカ付き合ってるみたいな
デートみたいなやり取りじゃないか?
やっべー。

しかも今日の服もカワイイ。
春らしい花柄ワンピにカーディガン。
髪も緩く巻いてて、しかもイイ匂いするし。

て、いやいや。浮かれてる場合じゃない。
今日は重大な任務があるんだから。
137 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:48
ああ、でも梨華ちゃんに嫌な思いさせたらどうしよう?

そんな事できる訳ないでしょ、って言われたら?

むしろ嫌われたらどうする!?

ニイガキリサのアドバイスを一旦はイケると思ったけど
なんか自信なくなってきた。

つか、どのタイミングで言うんだよ?
やっぱ、また今度にして
今日は純粋に飲む事にしようかな?
138 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:49
「この前、なんかあたし美貴ちゃんの事ばっかでゴメンネ?」

「そんな事ないよ」

「本当はね、もう諦めなきゃって分かってるの。」

梨華ちゃんのキレイな横顔が悲しげに曇る。

「分かってるんだけど、なかなか踏ん切りつかなくて」

いま?今だよね。さっそくだけど!

「じゃあさ、いっそコクってみたら?」

「え?」

キョトンとした顔。
し、失敗か!?ど、ど、ど、どうしよう!?
139 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:50
ケメちゃんを見る。
やぐっつぁんも見る。
2人とも、うんうんって何?大丈夫?ねえ!?
心臓がバクバクする。
梨華ちゃんが小さく息を飲むのが分かった。
あたしも思わず一緒に息を飲む。

「分かった。あたし美貴ちゃんに告白する。」

「ええ!?まじで?だって結果分かってるんだよ?」

慌てるあたしに梨華ちゃんは

「え?なぁに?冗談だったの?」

「え!?いやいやいや!そうじゃないけど。
本当にいいのかなって。」

「うん。だって、終わらせないと次にすすめないでしょ。」

「梨華ちゃん」

「このままは、もう…嫌なの。」
140 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:50
そう言った梨華ちゃんの横顔は凛としてキレイだった。
決意をこめた横顔だった。

「ひとみちゃん、全部終わったら…お話聞いてくれる?」

「もちろん、あたしで良ければ」

「ありがとう。ひとみちゃんが居てくれて良かった。」

そう言って、またあの日と同じように
華が咲いたみたいに笑った。
141 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:51
良かった、ありがとう。ニイガキリサ。

そう、あたしが心の中でそっと感謝してると

「じゃあ、あたし行くね」

梨華ちゃんはバッグを持ってもう立ちあがっていた。

「え、行くって?」

「うん、善は急げって言うでしょ。」

「え、善、、、かな。」

「まぁ決心が鈍らない内に、ね。」

えええ、、、まじで?
そんなスグ?
梨華ちゃんって結構、行動力あるんだね。
そんな勇ましいとこも好きかも。
142 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:52
その後、チビチビ飲みつつ
梨華ちゃんの事ばっか考えてた。
ケメちゃんややぐっつあんが
何度も話かけてきたけど
その度「え?なに?」なんて言って呆れられてしまった。
そうこうしてる内に突然、携帯が鳴った。

梨華ちゃん。

初めて出る表示になんだか感動、って
してる場合じゃなかった。
あれから2時間といったところか。
143 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:52
「もしもし?梨華ちゃん?」

「ぐずっ、、んぐ、うう、、、あ、、たし、、言ったよ?
ちゃんと、、、ぐず、美貴ちゃんに」

「そっか、うん。頑張ったね」

「うん、、、ズビ、、ありがどぉ、、、ぐす」

電話の向こうで泣いている彼女。
この前、この店でもボロボロ涙を落してた彼女。
無性にその彼女を抱きしめたいと思った。
近くで慰めてあげたいって。

でも、それはでしゃばり過ぎ?
でも放ってなんかおけない。

だって、あんなに健気で一生懸命な梨華ちゃんが
あたしは大好きだから。
144 :「街」彼女の横顔 :2012/05/21(月) 19:53
「ねえ、梨華ちゃん。今ドコ?行ってイイかな?」
「え…?」

梨華ちゃんは戸惑いながらも
ちょっと嬉しそうに(と、信じたい)
今居る場所を教えてくれた。
家の近くの公園なの、と。

走って駅に行くと丁度目的の電車が来たとこだった。
一刻でも早く彼女に会いたい。
早く行って涙を拭いてあげたい。
電車が遅くてイライラする。
駅に着くと再び走る、走る、走る。
あたし今までこんなに必死で走った事あったかな。
鍛えてて良かった。

たぶん、今あたし誰より早く走ってる。
145 :おるぷち :2012/05/21(月) 19:55
本日は以上です。
( ^▽^)(0^〜^0)あぶちょ!

>133 :名無飼育さん
( ・e・)それは秘密なのだ!

>134 :名無飼育さん
( ・e・)ちょっと!そこ笑うとこー!?
146 :名無飼育さん :2012/05/22(火) 06:45
最後の文にやられた。かっこ良くて爽やかで…
続きが楽しみです。
147 :「街」彼女の横顔 :2012/05/29(火) 19:34
知らない土地の公園を
しかも夜、暗い中探すなんて難しいかとも思ったけど
案外あっさり梨華ちゃんのいる公園は見つかった。

公園のわずかばかりの明かりが見えて
ホッとすると同時にこんな夜にこんなトコに
梨華ちゃんみたいな可愛い子がいるなんて
危険すぎる!!さらに足を速めた。

「梨華ちゃん!!どこ!?りかちゃーん!!!」

暗い公園には人影がなくあたしは叫んだ。
ご近所迷惑なんてかまっていられない。

…あ、まさかこの公園じゃなかった?
どんどん焦ってくるあたし。
148 :「街」彼女の横顔 :2012/05/29(火) 19:34
「り、りかちゃん!?どこ!!返事して!!」

「…んぐ、、、ひ、ひとみ、ちゃん?」

中が空洞になっているらしいテントウムシ型の遊具から
梨華ちゃんが顔を出してくれた。

「梨華ちゃん!!良かったぁー!!」

あたしは思わずぎゅっと抱きしめた。
一瞬、戸惑った彼女もあたしの背中に腕を回して

「ひ、グスっ、ひと、ん、ひとみちゃん」

涙声であたしの名前を呼んでくれた。

「あたし、ちゃんと言ったよ。」

落ち着いた頃、梨華ちゃんはポツリポツリと話してくれた。
テントウムシは大人2人が入るには狭すぎるから
近くのベンチに座って。
149 :「街」彼女の横顔 :2012/05/29(火) 19:35
美貴にずっと好きだったって言った事。
美貴がありがとうって言ってくれた事。
梨華ちゃんの気持ち美貴が気付いてた事。

でも、ごめんねって、あたしの頭を撫でてくれたの。

昔からあたしが泣いてると
美貴ちゃんはそうだったの。
ぐしゃってぶっきらぼうに頭を撫でるの。

あたしが髪の毛ぐしゃぐしゃになるって怒ると
じゃあ泣きやめよって言うの。

ひとみちゃんみたいに
優しく抱きしめてなんてくれなかった。
150 :「街」彼女の横顔 :2012/05/29(火) 19:36
だけど優しさが伝わってきて「ぐしゃ」が
嬉しかったの。いつも怒ったふり、してたけど。

この公園もね、美貴ちゃんと良く遊んだのよ。
あたし家で嫌な事あったり美貴ちゃんと喧嘩すると
スグこの公園に来てた。

このテントウムシの中にいて
ずっとメソメソしたり、むくれてたり。

そうしたら美貴ちゃんが絶対迎えに来てくれるの。
美貴ちゃんと喧嘩した時だって謝りもしないで
「ほら帰るよ」って手だけ差し出すの。
151 :「街」彼女の横顔 :2012/05/29(火) 19:36
「でも、もう美貴ちゃんは迎えに来てくんないんだよね。」

「梨華ちゃん」

さっきまで雲に隠れてた月が出てきて
彼女の横顔を照らした。
涙の跡がくっきり付いてる、その顔を。

「大丈夫だよ、美貴は迎えに来てくれるよ。
だって友達でしょ?
美貴は大事な幼馴染で友達って言ってた」

本当は、あたしじゃだめ?って喉まで出かかった。
あたしが迎えに行くよって。

だけど、梨華ちゃんはずっとずっと
美貴の事好きだったんだから
そんなの言ったら今までの梨華ちゃんの想いに
失礼な気がしてグッと飲みこんだ。
152 :「街」彼女の横顔 :2012/05/29(火) 19:37
「ふふ、そっか。そうだよね。」

梨華ちゃんは悲しそうに笑った。

「だけどね、今まではお隣だったけど
遠くに行っちゃうんだよ。」

「だったら」

喉がゴクリと鳴った。これ位なら言っても、いいかな。


「美貴がすぐに来れない時は
あたしが迎えに行っても、いいかな」
153 :「街」彼女の横顔 :2012/05/29(火) 19:38
「ひとみちゃんが?」

「あ、や、やっぱ迷惑かなっ!?
ゴメン、あたし図々しいよな」

「そんな事ない!!嬉しいよ。ありがとう。」

「ほ、ほんと?」

「うん。今日も…すごい嬉しかったし」

「え、いや、その。なんか梨華ちゃんって
放っておけないって言うか。」

「え?」

「なんか、こう一生懸命でさ。健気で。
あ、大体!こんな夜に公園なんて危ないから!
絶対ダメだから!!」

「え、あ。ごめんなさい」

「いや、その。こっちこそゴメン」
154 :「街」彼女の横顔 :2012/05/29(火) 19:39
「ねえ、本当に迎えに来てくれる?」

「もちろん!あたし足速いからすぐ駆けつける!」

そう言って走って見せる。

「ね?速いでしょ!?」

そんなあたしに

「ひとみちゃんは少年みたいね」

そう言って、あの華のような笑顔を見せてくれた。

「やっと笑ってくれた」

「だって、ひとみちゃんったらオカシイんだもの。」

「そうかなー。でもいいや、梨華ちゃんが笑ってくれるなら」

「…あのね、ひとみちゃん」

「うん?」
155 :「街」彼女の横顔 :2012/05/29(火) 19:39
「ひとみちゃんのおかげで美貴ちゃんに告白できたの、
本当に良かったって思ってる。ありがとう。
これで前に進めるって思うの。
すぐにとはいかないかもしれないけど
あたし、また恋がしたい。きっとできるよね?」


キラキラした目で見つめられてドキッとした。
こんなにカワイイ人間が居ていいんだろうか。
やっぱ妖精なんじゃ…?

梨華ちゃんって顔も可愛いけど中身もキレイで
ついついボーッとしてしまった。
156 :おるぷち :2012/05/29(火) 19:42
本日はここまでです。


( ・e・)本当はあたしのおかげですよね?
∬´◇`∬あたしのおかげでもありますよね?


>146 :名無飼育さん
え、そうですか!?
ありがとうございます。嬉しいです!!
157 :名無飼育さん :2012/05/30(水) 00:36
途中ウルッときちゃいました。梨華ちゃんよく頑張った…っ!
今度はよっすぃが頑張る番かな?
どう続いていくのか、楽しみです。
158 :「街」彼女の横顔 :2012/06/04(月) 20:35
「ひとみ、ちゃん?どうかした?」

「え、いや、その。なんてゆうか」

やべえ上手い言い訳が浮かばねえ。

「梨華ちゃんがキレイだったから。」

「えっ!?」

頬を抑えるその仕草。女の子だなあ。
きっと真っ赤なんだろうなあ。

「大丈夫。梨華ちゃんは次の恋できるよ。」

「え、あ、うん。」

その相手があたしだったらいいのになあ。
そう思いつつあたしは梨華ちゃんの手を
両手でそっと包み込んだ。
159 :「街」彼女の横顔 :2012/06/04(月) 20:36
「大丈夫だよ。」

もう一回言った。梨華ちゃんはニコってして
ありがとう、と小さな声をくれた。
そんで、あたしの手を逆にギュウって握り返して
あたしを見上げて真剣な顔して

「なんで、こんなに優しくしてくれるの?
誰にでも優しいの?」

「え!!!」

もしかして、あたしの気持ちバレバレ!?
いやいやタラシと思われて警戒されたのかも!!
160 :「街」彼女の横顔 :2012/06/04(月) 20:37
「ちが、違うし!!誰にでもなんて優しくしないよ!!」

「でも、まだ初めてあってから間もないのに。
あ、美貴ちゃんの友達だから?」

「いや、だから梨華ちゃんは放っておけないんだって」

「なんで?」

なんでって…それ分かって言ってる?
ねえ、あたし言ってイイの?
梨華ちゃんが好きだって、言ってイイの?
今、この状況で?
美貴に振られたばっかの梨華ちゃんに?
それって“つけこむ”って言わねえ?
そんなのダメだろ。
161 :「街」彼女の横顔 :2012/06/04(月) 20:37
「…もうちょっと梨華ちゃんがあたしの事
知ってくれたら話すよ」

「ほんと?絶対だよ!?」

なんか子どもみたいに無邪気に言われた。
やっぱ分かってないのかなあ?
指きりゲンマンまでされたんだけど。
梨華ちゃんはもうスッカリご機嫌で
くるくる回ってスカートを揺らしてた。

「梨華ちゃん、もう遅いし送るから帰ろう?」

「うん。」

公園を出る間際なぜだか
梨華ちゃんが手を繋いできてドキッとした。
162 :「街」彼女の横顔 :2012/06/04(月) 20:38
「梨華ちゃん?」

「だめ?」

「いや、いいけど。」

むしろ嬉しいし。そう思ってると

「ねえ、ひとみちゃん。あたし次の恋
すぐにでも始まる予感がするんだ。
なんて、不謹慎かな?」

「え!?いや。いいと思うよ」

ねえ、梨華ちゃん。
それってどうゆう意味?
163 :「街」彼女の横顔 :2012/06/04(月) 20:38
今、ここには手を繋いでる
あたしと梨華ちゃんしかいないんだよ。

それって勘違いするなって方が無理じゃないの?

ねえ、梨華ちゃん。

月の下。隣にいる梨華ちゃんの横顔は
やっぱり最初に見た時みたいに
とってもとってもキレイだった。
164 :おるぷち :2012/06/04(月) 20:40
ちょっと短いですが
本日はここまでです。
次で「彼女の横顔」は終了になると思います。

>157 :名無飼育さん
わおー!
そこまで感情移入してもらえて
めちゃくちゃ嬉しいです!
ありがとうございます!!
165 :名無飼育さん :2012/06/08(金) 10:29
わお!梨華ちゃん思わせぶり!
小悪魔ですね
166 :「街」彼女の横顔 :2012/06/13(水) 22:48
翌日、スナックケメコ

「いやー、うまくいったわ!!」

藤本美貴がカウンターに座り
ご機嫌で酒を飲んでいた。

「いやあ、ミキティの手腕はさすがだね。」

矢口真里が乾杯と言うように
自分のグラスを藤本に対して掲げる。

あたしも飲もうかな、とケメコママも
グラスに酒を注ぎつつ

「ま、幸せならいいわよね。」

と微笑んだ。
167 :「街」彼女の横顔 :2012/06/13(水) 22:48
「もうね、梨華ちゃんのお世話役は
よっちゃんに任せるわ、うん。」

本当に面倒なんだよね、あの子と
ブツクサ言いながらツマミに手を伸ばす。

「次々と人を好きになっては大騒ぎして
ダメになるとやっぱ美貴ちゃんが一番よ、
なんて。気持ちが薄っぺらいと言うか。」

「大騒ぎって?」

矢口もツマミに手を伸ばしつつ。

「なんてゆーのヒロイン症候群みたいな。
美貴はいつだって慰めてくれる幼馴染の役ってゆー
少女漫画的な話で。で、誰かを好きになると
その間で揺れる梨華ちゃんってヒロインになりたがる。」

「まあ、女の子は誰でもそうゆートコあるんじゃないの?」

ケメコママは早々に二杯目を。
168 :「街」彼女の横顔 :2012/06/13(水) 22:49
「なんてゆーんですかねえ、
王子様信仰が強いというか。メンクイだし。
相手のちょっとブサイクなトコ見つけると
スグ嫌になって勝手に浮気とか
私の事そんな好きじゃないのよとか
悲劇のヒロイン役になるンすよ。」

「うわーーー」

ちょっとひいた矢口。

「今回もね、よっちゃん見た途端
目が輝いたの美貴は見逃さなかったからね。」

「あー、たしかに王子顔だもんね。」

自らもメンクイと公言している矢口、うんうんと頷く。
169 :「街」彼女の横顔 :2012/06/13(水) 22:50
「そっから、幼馴染に長い事恋してる健気なヒロインを
王子様が慰めてくれて愛が芽生えるってストーリーが
梨華ちゃんの中で書かれた、と。」

「演技派ねえ、涙まで流してたわよ」

感心した顔のケメコママ。

「本人に自覚はないのが困りもんなんすよ。
嘘とか演技と言うより梨華ちゃんにとっては
全て本当で本気なんですよ。
思い込みが激しいというか。」

「それも凄い話だな!」

「まあ、でも吉澤は王子顔だけど
結構ヘタレだから思うようには進まないんじゃない?」

さすが百戦錬磨のケメコママ。お見通しである。
藤本もふん、と鼻で笑う。
170 :「街」彼女の横顔 :2012/06/13(水) 22:51
「ちょっと焦ってるでしょうねー。
梨華ちゃんは早く素敵に告白してしてモードだろうし
よっちゃんは失恋したばっかの梨華ちゃんに
そんな事まだ言えないよーとか思ってそうだし」

「えー、つけこみどころなのに!」

そんな人いんの?とでも言いたげな矢口。

「吉澤は変に潔癖なとこあるしねえ」

やはり人を見る目があるケメコママ。

「よっすぃーは中身も王子だね!」

感心する矢口。
藤本はさも可笑しそうに肩を揺らしながら

「ちょっと苦労した方が燃えるんじゃないですかねえ…」

なんて言いつつも、ふと遠い目をする藤本。
そんな藤本を見て顔を見合わせるケメコママと矢口。
171 :「街」彼女の横顔 :2012/06/13(水) 22:51
なんだかんだ言って石川が離れるのは寂しいのだろう。

小さな頃からずっとずっと守ってきた幼馴染。
大好きだった。
でも自分にはもっと大切で大好きな人が現れた。
そして石川にも。

吉澤がこれからは石川を守ってくれるだろう。
吉澤なら安心だ。

だけど、ちょっとだけ寂しい。
172 :「街」彼女の横顔 :2012/06/13(水) 22:52
もう世界は2人だけのものじゃない。
オトナになって世界は広がったから。
それぞれの道を歩いて行くのだ。

「よしっ!今日は飲むぞー!付き合ってくださいよ?」

3人の杯がカツンと響いた。

こうしてスナックケメコの夜は更けてゆく。
173 :おるぷち :2012/06/13(水) 22:53
これにて「彼女の横顔」は終わりです。
また次回からは違うストーリーです。
よろしくお願いします。

>165 :名無飼育さん
可愛いから罪ですよねw
174 :名無飼育さん :2012/06/14(木) 19:48
最後まで温かい物語で懐かしい空気に触れていた気がします。
次のお話も楽しみにしてます。
175 :「街」小さな世界 :2012/06/24(日) 22:32


「街」episode3

「小さな世界」

出演・生田衣梨奈 譜久村聖 新垣里沙 他

176 :「街」小さな世界 :2012/06/24(日) 22:32
カーテンの向こう。
外が明るくなっとおのが分かる。
ああ、今日も朝が来たっちゃ。

ワクワクドキドキと少しの憂鬱。
だけど、決して嫌な目覚めじゃナイ。

ちょっと前じゃ考えられんかった。
学校に行くのが嫌じゃナイ、なんて。

だって学校に行けば大好きなあの人に会えるけん。
それが今のエリナを支えとお。
177 :「街」小さな世界 :2012/06/24(日) 22:33
「にっいがっきせぇんせーーー♪」

「お!おっはよー、生田。朝から元気だね」

新垣先生は机に向かってたのをやめて
エリナにちゃんと顔を向けて挨拶してくれる。
そこが好き。

「おはよーございます!!
今日はぁ先生の苦手な数学やりますね」

「ちょ、あんたねー、まだそれ言うの?
ちょこっと間違えただけじゃナイのよー」

「いやいや、ちょこっと間違うと答えでませんから。」

「そうゆー事言うとジュースあげないよ?」

「うえーー!?ごめんなさい!」

新垣先生の昭和っぽい手ぶりも好き。
なにより、ここにエリナの居場所を作ってくれる。
新垣先生は絶対、どんな軽口でも
“出てけ”だなんて言わない。

本当に、好き。
178 :「街」小さな世界 :2012/06/24(日) 22:34
カーテンも壁も棚もベッドも白の清潔な空間。
学校のエリナのいる場所。「保健室」

エリナはこの春から
いわゆる「保健室登校」をしてる。
中3だけど中高一貫教育ってやつで
つまりエスカレーターで高校に行けるし
エリナみたいのにも優しい学校だから
テストを受ければ大丈夫。

マンモス校といえる
この学校には保健室が3つある。
中等部にひとつ・高等部にひとつ。
そしてエリナのような生徒の為の第三保健室。
第三はふつーの保健室としても利用できるけど
エリナみたいのに遠慮してか単に位置的に遠いからか
ほとんど一般の生徒は利用しない。
179 :「街」小さな世界 :2012/06/24(日) 22:34
新垣先生はふつーの保健の先生でもあるし
カウンセラーでもある。

本人は

「皆の話聞くだけの人。別になーんの力もない」

だなんて言う。

そんな新垣先生がエリナはやっぱ好き。
話を聞く、なんて大人が一番してくんない事だと思う。

「今日は聖ちゃん来るかなー?」

「どうだろうねえ。」
180 :「街」小さな世界 :2012/06/24(日) 22:35
聖ちゃんは高1で身体が弱くてよくココに来る。

普通に教室でも授業受けれるんだけど
体調がイマイチな時は移動教室とか無理だし
こっちで一緒に勉強する。

春は環境が変わるせいか
体調崩す事が多いって言ってた。

保健室の主、新垣先生は
先生なのに勉強は苦手だって言って
あんまし教えてはくれない。
たまに教えてもらうと間違ってたりする。
そんなダメなとこもやっぱ好き。
181 :「街」小さな世界 :2012/06/24(日) 22:35
ああ、エリナってば1日に何回、
新垣先生を好きって思うんだろう。

自分でも呆れちゃうけど好きって思うと
心がぽかぽかあったかくて気持ちイイ。

新垣先生を好きな自分は好き。
182 :「街」小さな世界 :2012/06/24(日) 22:36
ふと教科書から目線を上げて
新垣先生を見る。
先生はなにか難しそうな本を読んでる。
最近、春らしく柔らかくなった日差しが
先生の茶色い髪に、白い肌にあたってる。

「きれー」

思わずつぶやいちゃって先生に気付かれる。

「ん?なんか言った?」

「せんせー大好きぃー」

「もぉ、生田はぁ…勉強しな。」

「ぶぅー。」

エリナを見る先生の目は優しくて
ちょっとだけ泣きそうになる。
183 :「街」小さな世界 :2012/06/24(日) 22:36
ねえ、先生。
エリナはここにいていいんだよね。


こんな穏やかで優しい日々がずっと続くと思ってた。
ううん、思おうとしてた。
それが嘘だと分かっていても。
184 :おるぷち :2012/06/24(日) 22:38
本日はここまでです。
こんな感じで新しいストーリー始めて行きます。
よろしくお願いします。


>174 :名無飼育さん
ありがとうございます!
少しくらい事件(?)起こしても
結局ほんわかになるってのが好きみたいです。
185 :みおん :2012/06/24(日) 23:48
学園もので新垣先生きたぁワクワクしすぎてやばいです
186 :名無飼育さん :2012/06/27(水) 19:29
出演者のメンバーの組み合わせが大好きすぎて悔しい。
悲しい展開になる予感…
187 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:30
「ねー、聖ちゃん。これ分かる?」

“新垣先生はあてにならないから”
なんて言うと怒られちゃうけど
やっぱ勉強は聖ちゃんに聞いた方がよいと思う。

今日は2時間目から登校した聖ちゃん。
ここは落ち着くから気分が良くなる、とか言って
体調があんまし良くなくても
家より保健室なんだって。
いいけど。エリナも嬉しいし。

聖ちゃんはすごい優しいし可愛いし
お姉ちゃんがいたらこんな感じかなあ?
エリナもついつい甘えちゃう。
188 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:31
「ふへへ。聖ちゃんスキー」

「え、な、なに、急に。」

「でもぉー、せんせーはもぉっと好きぃー。なんてなっ!」

そうゆーと聖ちゃんが微かに眉をひそめ
デコピンをしてきた!

いったーーーーーい!!!!

エリナがオデコを抑えてるのに知らん振りしてるし。

しばらくして先生が保健室を出ていった時(たぶんトイレ)、
聖ちゃんがスマホを出しながらニコッと笑った。

え、え、この顔は、なに?
189 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:32
「エリナ。新しいのアップしたよ」

「え!本当!?」

「ほら。」

聖ちゃんの見せてくれた画面には
笑顔の新垣先生。

「わお!めっちゃカワイイやん!バリやばーい」

「ふふふ。エリナのなまりが出るって事は
今回は大成功だねー。」

「いっつも大成功やん!」

聖ちゃんの作った会員制HPは
うちの生徒や先生の写真がいっぱい。
美少女図鑑、みたいな。
190 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:32
悪用は決してしない。

写真は本人の許可を貰ってからやし
信用できる人にしか公開しとらん。
意見交換のページもあるけど
当然、誹謗中傷は即削除。と言っても
そんな意見は書かれた事はない。

みんな誰が可愛いとか素敵だとか
今日はこんな姿を見たとか、そんな感じ。

この学校は結構、平和的な人が多いんかな?

それとも聖ちゃんの人を見る目が確かなのかな?

エリナは自分のスマホを出して
新垣先生の写真をダウンロードする。
191 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:33
「これ今月の待ち受けにするっちゃ」

エリナの言葉に満足げな聖ちゃん。

「しっかし聖ちゃんは本当に美人が好きだね」

「あれ?もぅなまらないの?」

「なまりません!」

「つまんなーい。可愛いのに。
エリナの写真も結構人気あるんだよー。
なまり普通に出したらもっと人気上がるのに」

「そもそもエリナには聖ちゃんしか友達いないし」

そう言うと聖ちゃんは
困ったような悲しいような顔をした。
192 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:33
“友達”ってつぶやいたのが聞こえたけど
それ以上は何も言ってこなかった。

もしかして友達って思ってるのエリナだけ?
一応年上やし先輩でしょ、とか。。。
何て事は、言わないよねえ、聖ちゃんは。

聖ちゃんは優しい。
エリナと違って空気読めるし。
エリナが話したがらない事を
ちゃんと分かっててくれて
保健室登校の理由とか追及しないでいてくれる。

まだちょっと困ってる風な聖ちゃん。
エリナは聖ちゃんに悪い気がして話題を変える。
193 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:34
「ねえねえ、一番人気ってだれ?どうゆう人?」

聖ちゃんは、ホッとしたような顔して
それから意気揚々と話し始める。
聖ちゃんは美少女が好きで美少女の話をするのも大好きだ。

「んー、やっぱ高3鈴木愛理先輩だね。
本当に美少女だもん。上品で気品あって
これぞお嬢様って感じ」

聖ちゃんだって立派にお嬢様なのにそんな事を言う。

て、あれ?

「鈴木愛理って…ゴルフの?」

「知ってるの?」

「何回も一緒にゴルフした事あるもん」

「ええ!?なんで!?」
194 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:35
「パパ同士がお友達なんだよ。
お互い親子でコース回ったりとかしてて。
そういや愛理ちゃんここの高等部だって言ってたっけ。」

高3の愛理ちゃんはパパがプロゴルファー。
うちのパパにくっついて遊びに行くうちに
エリナにもゴルフを教えてくれた。

エリナ一家は去年まで博多に住んでたし
会うのは1年に1回くらいやったけど。

愛理ちゃんかあ。久しぶりに会いたいな。

「えー、いいな。凄いなあ。」

「愛理ちゃん確かに美少女やもんね。人気あるんだ」
195 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:35
「そりゃもう!他だと和田彩花先輩とか福田花音先輩とか
太鼓部の萩原舞せんぱいも凛々しくて人気だし。
中等部はエリナと同じ学年だと
中西香菜ちゃん、竹内朱莉ちゃんとか」

うっとりした顔で次々と名前を言われても
エリナ全然知らんのやけどね。。。

クラスも一回も行った事ないから
クラスメートの顔も名前も知らん。
まあ、いいけど。

「そうそう!今、人気急上昇中なのはこの人!」

そう言って聖ちゃんがエリナの目の前に
自分のスマホを突き付ける。
近過ぎて見えんやろ。
196 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:36
ようやく少し離してくれて
エリナもまともに見る事ができたその人の顔は
ちょっとサル顔だけど確かにキレイやった。

「この人、先生?」

「そー!音楽の特別講師。プロの声楽家なんだよ!
ここの卒業生でコーラス部の為に呼んだんだって。
コーラス部今年は大会イイとこ行けそうだから。」

「ふぅん。」

この学校は部活動の為に良くそういう
プロの人を特別講師に呼ぶらしい。

さすが金持ちマンモス校。
197 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:36
「なんかねー、性格も気さくだし海外にも詳しくて
オシャレで人気なんだよ。
このビジュアルで実力もあるし
雑誌にも最近良く載ってるんだよー」

「有名人なんだ。」

「そうそう。」

ものすごい嬉しそうな顔してるし。
本当に、本当に聖ちゃんって美人好きやなあ。
198 :「街」小さな世界 :2012/07/02(月) 20:37
おしゃべりしつつ勉強もしつつ
にーがき先生にうっとりしつつ
今日も1日が無事終わった。

先生が保健室を出ていこうとするたびに

「先生どこ行くんですかー!?」
って聞いてたら聖ちゃんに

「エリナは先生の金魚のフンだね」

なんて呆れられたりなんかして
いっぱい笑って今日も楽しかった。
199 :おるぷち :2012/07/02(月) 20:40
本日はここまでです。
と、言ってもあんまり内容ないですね(汗
聖ちゃん書きたかっただけですw

>185 :みおんさん
うお、新垣先生っても、あんま先生らしくないかも。
期待に添えなかったら申し訳

>186 :名無飼育さん
お、好き好きメンバーきちゃいました?
色々なメンバー出すのは
どっかに引っかかってくれないかなーとゆー
罠でもありますw
200 :名無飼育さん :2012/07/05(木) 20:47
特別教師は誰だろう…楽しみです。
譜久村さんのHP見てみたいw
201 :「街」小さな世界 :2012/07/07(土) 23:25
「せんせー、さよーならぁ」

「ん。さよーなら!気をつけて帰るんだよ」

先生が笑顔で見送ってくれる。
保健室のドアを閉めるのはとっても寂しい。

「あーあ、今日が終わっちゃったあ」

思わずつぶやくと聖ちゃんが

「エリナはほーんと新垣先生が好きだねえ」

ちょっと呆れながら言う。
だけど、そんな事言いつつも
いつも話聞いてくれる聖ちゃんがエリナは好きだ。
やっぱ新垣先生の次にだけどね。
202 :「街」小さな世界 :2012/07/07(土) 23:26
校門まで歩いたところで
聖ちゃんはお迎えの車に乗る。
バイバイして、何気なくスマホ見よ~〜として
ポッケにもカバンにも入ってないのに気付いた。

「あれ?なんで?」

もしかして保健室?今日は聖ちゃんと
いっぱいスマホいじっとったからなあ。
しょーがない、取りに戻るっちゃ。
まだ学校からスグんとこやし。

なーんて。
仕方ないなんて思ってない。
だって、きっとまだ新垣先生いるもん。

もういっかい、先生に会える。

エリナは嬉しくなってぴょこぴょこ小走りになった。
203 :「街」小さな世界 :2012/07/07(土) 23:26
先生びっくりするかな。
先生あきれちゃうかな。

きっと「なぁにしてんのおー!もぅ生田は仕方ないなあ」
なんて呆れ顔したフリの優しい目で言うんやろうな。

想像しただけで顔がにやけとう。

保健室のドアの前で一呼吸。
ちょっとドキドキ。
なんでもないふりで勢いよく開けちゃおう。
バッと内開きのドアを開けた。

だけど、すぐ目の前の机に居ると思った先生がいない。
あれ、おかしいな。
204 :「街」小さな世界 :2012/07/07(土) 23:27
ドアのカギ開いてたし、いるはずなんだけど。

ふと目に入るベッド脇のカーテン。
いつもは人がいる時だけにしか閉まってないのに。
もしかして先生具合悪いと?
そんな様子なかったけどなあ。
そう思いつつ手はカーテンに伸びる。
もしかして先生の寝顔見れちゃったりしてー。
やけん。開けようと思ったその瞬間。

「…やだ…、だめ、、だってば、、ちょ、、!やめ、、て…」

その声は確かに新垣先生のもので。
いつもと違う押し殺したような声。

まさか不審者!?変質者!?襲われとお!?
なにか…ナイフとかで脅されてたらどうしよう!?
205 :「街」小さな世界 :2012/07/07(土) 23:28
武器あった方がいいかも!?と言っても
保健室じゃなんにもない。

早く、早くしないと先生が危ない。
あんまし威力ないかもだけど仕方ない。
スピードと勢いで勝負や!
女は度胸!

掃除道具入れから箒を掴んで
一気にカーテンを開けた。

エリナに背中を向けた変質者に向かって
叫びながら箒をぶんぶん振りおろす。

「だぁああああああ!!!!!」
「んだぁあぁぁあああ!?」

変質者は素早い身のこなしで
エリナの箒をかわして奥の方へ転がった。
206 :「街」小さな世界 :2012/07/07(土) 23:29
でも、その勢いで壁にぶつかってゴツンと派手な音がした。

一瞬やけどエリナには見えた。
新垣先生をベッドに押しつけて
手首んとこ、握っとった。こいつ!

許せん!まだ、うずくまっとー変質者から
守るように、先生に背を向けて盾になる。

「エリナのせんせーに何しとーーー!!!
せんせーに気易く触るんやなかっ!!!」

「え、え、え?い、生田??」

後ろから先生の戸惑いの声。
207 :「街」小さな世界 :2012/07/07(土) 23:29
「せんせー!エリナが来たけん、大丈夫と!!」

「あだだだだだ…な、、、なんや?おめぇー!?」

変質者がふらふらと起き上がろうとする。

「や、やるんか!?エ、エリナはこー見えても
有段者やけんね!!変質者なんかには負けんと!」

段持ってるんはお習字やけど。
本当は超〜怖いけど先生を守るんじゃあ!と
気合いを入れて箒を握りなおすと変質者が叫んだ。

「だ〜れが変質者じゃあー!!」

そのドスの聞いた低い声に身体がビクッとはねる。
やばか人やったか?どうしよー?でもでも
208 :「街」小さな世界 :2012/07/07(土) 23:30
「せんせーはエリナが守るっちゃ!!」

「はぁ〜〜?」

エリナの方を向いた変質者は案外小柄な
どっかで見たような顔の女性やった。

やけん、エリナは騙されん。
こいつ、こんなキレイな顔しとーけど
先生の事襲いよった悪い奴やもん。

エリナはぐっと睨む。
向こうもエリナを睨んでくる。

お互い睨みあって動かんとこに
新垣先生がゆっくり真ん中に立った。
209 :おるぷち :2012/07/07(土) 23:31
本日はここまでです。

えりぽん誕生日おめでとう!!!

>200 :名無飼育さん
譜久村さんのHP見るには
厳しい審査があるようですwww
210 :名無飼育さん :2012/07/08(日) 07:14
まあ予想通りの展開ですねw
やっぱり生田の恋は実らなそうでなによりですw
211 :名無飼育さん :2012/07/09(月) 02:49
生ガキスキー!だが安定の王道CPには勝てねーw
212 :名無飼育さん :2012/07/09(月) 16:51
有段者〜のくだりの脳内言い訳に笑いました。
単純で無鉄砲で非常に生田さんらしい。
やっぱり登場してきたあの方とどんな掛け合いを見せてくれるのか次回更新を楽しみに待ってます。
213 :「街」小さな世界 :2012/07/16(月) 22:10
「ちょ、せんせー。危ないやろ!エリナの後ろに…」

「いや、あの生田落ち着いて、ね?」

「はぁ!?ふざくんな!里沙ちゃんはあーしのもんじゃあ!」

「愛ちゃんも落ち着いて」

「だって、せんせ…て、え?」

今、愛ちゃんって呼んだ?
知り合い…?

「やってぇ〜里沙ちゃん。あーし、そいつに」

「だーかーらー!この子は大事な生徒で
多分あたしが襲われてると思って守ってくれたんだよね?」

そう先生はエリナに振り返ってにっこりした。
214 :「街」小さな世界 :2012/07/16(月) 22:10
「…え、はい。あの、、先生」
「ごめんね。この人怪しい人じゃないから。」

「え、でも先生やめてって言っとったやん!
助け求めとったっちゃろ?」

「へ!?あ…えーと。」

途端に真っ赤になる先生。
その反応に先生がどうゆー事されそうに
なっとったんかハッキリ分かった。
エリナやってもう子どもやないもん。
そうゆー知識くらいあるっちゃ。
経験は残念ながら全くないけど。

「いや、それはその、、なんてゆーか。ふざけてて」

先生は慌てて言葉を吐き出すけど
そんなん嘘やって思った。
215 :「街」小さな世界 :2012/07/16(月) 22:11
「でも!普段と全然違う押し殺したみたいな声やったけん
エリナは一大事やって思ったっちゃん」
「いや、違う。違うのよ、本当に」
先生なに言っとるん?
もしかして知人が変質者でかばっとるん?
どこまで優しいんよ。

「先生。たとえ知り合いでも
悪い事する人はかばっちゃいけん。」

う、と声に詰まる先生。
やっぱ図星やったんやね。

「先生は被害者やん。なんでかばうと?
あ、警察呼ぶと世間体とかそうゆーんやったら
エリナが未遂やってちゃんと皆に言うけん。」

エリナは必死やった。
だって、先生を襲うような悪い奴
このまんまにしとって、また同じ事起きたら…
216 :「街」小さな世界 :2012/07/16(月) 22:11
「いや、生田。あのね、本当になんでもないから。
紛らわしい事しててゴメンね?」

「なあ、里沙ちゃーん。
ごまかさん方がいいんやない?」

それまで黙っとった犯人“愛ちゃん”が
急に入り込んできて心底イラっとした。

「もう!愛ちゃんが悪いんだからね!!」

「先生、だから警察…」

エリナは先生の白衣の袖をぎゅっと握る。
そんなエリナに先生は
今まで見た事ないような困った顔をした。

「生田、あの、さあ。本当に先生が悪かった」

「なんで先生が謝るん?悪いンはこいつやろ!?」

「この人…悪い人じゃなくて、その。
あたしの恋人、なの。」
217 :「街」小さな世界 :2012/07/16(月) 22:12
こ・い・び・と???

“ハンマーで頭を叩かれたような”
って言うのは、こうゆー事を言うんやなって
どっか冷静に考えとった。

すーっと身体から血の気が一気に引いて
身も心も冷えていって全ての感覚がなくなる。

“この人ね、知らないかもしんないけど
今、特別講師でこの学校に週3で来ててさ。
その、一緒に帰ろうって保健室来た時に
ふざけてっていうか、その。えっと。”

218 :「街」小さな世界 :2012/07/16(月) 22:13
先生の言葉が通過してく。
そっか、どっかで見た事あると思ったら
今日、聖ちゃんが見せてくれた写真の人やん。

“あーしは里沙ちゃんに対してはいっつも本気やョ?”

写真の人が先生に絡みつきながらニヤニヤしとる。

“ちょ、生徒の前でやめてってば。
大体ねー、さっきだって学校であんな事するから
こんな事になったんだからね!どうしてくれんの!?”

“やぁ〜って〜。白衣にそそられたんやもん”

“あほかーーーー!って、あれ?生田?生田?おーい?”

“こいつ里沙ちゃんの事好きなんやない?”

“はぁ?なに言って…ねえ、生田?生田?どしたー?”
219 :「街」小さな世界 :2012/07/16(月) 22:13
目の前に居る先生の言葉が遠い。
なんやろう。
電波悪いみたいな感じ。

この人は先生の恋人で学校でイチャつこうとして
先生が困ってエリナが勘違いして…
あの“押し殺した声”に含まれている色を
感じとれないエリナはやっぱKYなんやろうか?

「おじゃ、、ま、、しました」

自分の声が震えとーのが分かった。
なんか全身に力が入らん。
だけどココにはおれん。
エリナは早くここから消えてしまいたい。
220 :「街」小さな世界 :2012/07/16(月) 22:14
そっからエリナは自分の布団にもぐりこんだ。
どこをどうやって家まで帰ってきたんかは覚えてない。

あんなに幸せで穏やかな日やったのに。
どうしよう。
もう保健室行けない。

エリナの居場所はなくなったんやね。
あの人が先生の横におるんなら
エリナはどこにいたらいい?
エリナは邪魔ものでしかない。

“里沙ちゃんの事好きなんやない?”

あの人の言葉がよみがえる。
エリナは先生を好きでいちゃいけない。
先生の側にいちゃいけない。
先生に、嫌われたく、ない。
そんな想いがグルグルとエリナの
頭と心を支配する。
221 :おるぷち :2012/07/16(月) 22:17
本日はここまでです。
50枚目が好きすぎて困っています。


>210 :名無飼育さん
やっぱ生田は残念キャラ扱いな訳ですねw
そうですよねー

211 :名無飼育さん
高橋さんが調子に乗るコメントを
ありがとうございますw

>名無飼育さん
あの方あんま絡まなくてすいません。
だって、収拾つかなくなるでしょ?w
222 :名無飼育さん :2012/07/17(火) 05:34
あわわ予想通り最悪の展開になっちゃいましたね
今後の生田が気になって仕方ないです
次の更新楽しみに待ってます
223 :名無飼育さん :2012/07/19(木) 17:10
調子に乗ってる高橋さんにちょいイラッw
しかしそんなところも彼女らしくて可愛らしくもありますが。
生田さんに感情移入してしまいこっちまでハンマーで頭を叩かれたような…
224 :名無飼育さん :2012/07/19(木) 19:26
生田が登校拒否にならんかちと不安w
生ガキ好きとしてはもやもや
ふくちゃんがkeyですかね?
225 :「街」小さな世界 :2012/07/23(月) 20:46
次の日、いつもの時間に目を覚ましたけど
明らかに寝不足で頭が痛い。

サボっちゃおうか、そう思ったけど
これ以上、両親に心配をかけるのも嫌やった。

グズグズ制服に着替えモタモタご飯を食べて
なんとか学校に向かって歩く。

空は灰色の雲がたくさん。
空気も重く感じる。
もうすぐ雨降るから?
それともエリナの重い気持ちのせい?
226 :「街」小さな世界 :2012/07/23(月) 20:47
エリナの家と学校は徒歩で15分くらい。
バスや電車に乗れないから徒歩で行けるようにと
学校に近いマンションを探してくれた。

パパは上司の田中さんも同じマンションだから
紹介してもらっただけで
エリナの為だけじゃないって
言ってくれたけど
それは運が良かったって言うか…
明らかにエリナを気遣っての事やって分かっとう。

エリナはどうしてこんなに
人に迷惑ばっかかけるんやろう。
227 :「街」小さな世界 :2012/07/23(月) 20:47
エリナは狭い空間にたくさんの人が
いるところにはいられない。

気持ち悪くなるし、
頭が痛くなって倒れてしまう。
だから、教室にも入れない。

いや、教室にこそ入れない。
228 :「街」小さな世界 :2012/07/23(月) 20:47
きっかけは、ささいな事やったと思う。
エリナにはそれが何やったか今も分からん。

誰が誰を好きとかライバルなんだとか
誰と誰が仲悪いとかグループとか
そんな事エリナはちっとも興味なかった。
それがKYだって責め立てられた。

自分を正義と信じて疑わないクラスメート達。
彼女たちの冷たい目がエリナを追い詰めた。

それまでは、ずっと自分は
人と仲よくなることが得意やって思っとった。
誰にだって話しかけれたし
誰とでも仲良くなれる自信があった。
229 :「街」小さな世界 :2012/07/23(月) 20:48
やけど。

今エリナはたくさんの人の目が怖い。
いつだって誰かがエリナを嫌いなんやって思う。

ううん、みんなエリナの事なんて。
そう「みんな」になると「嫌い」になるんだ。

赤や青や黄色はひとつならキレイなのに
混ぜると黒くなってしまう。
きっと人の心もそうなんだ。

美術の授業中、絵具が混ざり合うパレットを見て
エリナは唐突にそれに気付いた。
230 :「街」小さな世界 :2012/07/23(月) 20:49
人は「たくさん」になると「汚く」なる。


ぐちゃぐちゃの心を抱えたまま
学校へ到着した。

グダグダダラダラしよったから完全に遅刻やった。
学校は静まりかえり誰もいないみたい。

だけど、たくさんの教室の中には
たくさんの人が詰まっている。
たくさんの人の気持ちが。

それを思うとエリナは少し気持ち悪くなった。
231 :「街」小さな世界 :2012/07/23(月) 20:49
一般の生徒とは違う玄関でいつものように
靴を履き替え、保健室に向かう。

やけん。

どうしても、その扉を開く事ができない。
先生が、保健室が。
エリナを拒んでいるように思えた。

いつも軽く開けていた扉が重く
うーんと高いところにあるような気がする。
どうしよう?

もうパパもママも出かけただろうし
家に帰っちゃおうか?
膝が震えてくる。帰ろうにも帰れない。
涙がにじんできた。
232 :「街」小さな世界 :2012/07/23(月) 20:49
やだやだやだ。

なんでエリナはエリナなん?
身体に力が入らなくて
ドアの前でうずくまってしまう。

このドアの向こうには先生がいるはずなのに。
今、ここにいるエリナに気付いてくれない。
気付く訳ナイって分かっていても
気付いてほしかった。
同時に気付いてなんてほしくなかった。

なんて自分でも意味分からんし。
233 :「街」小さな世界 :2012/07/23(月) 20:50
そっと苦笑した時、誰かにぽんと肩を叩かれて
身体が瞬間ビクッと震えた。
人間、あんまりにもビックリすると
縦に揺れるんやなあ。。。

恐る恐る振り返ると
一緒にビックリしたらしい聖ちゃんが
目と口をおっきくして固まっとった。

「ごめんね?ビックリさせて。」
「いや、エリナこそ…」
解凍された聖ちゃんが普通に
保健室に入ろうとするのを
無言で必死で止めてテキトーな
空き教室に連れ込んだ。
234 :「街」小さな世界 :2012/07/23(月) 20:51
「保健室行かないの?」

「…うん。」

「行きたくないの?」

「…うん。」

「どうしてか、聞いてイイ?」

心配そうな聖ちゃんの顔。
なにも答えられんエリナ。

どうしよう?
聖ちゃん心配してくれとーのに。
聖ちゃんにまで嫌われたら…

235 :「街」小さな世界 :2012/07/23(月) 20:51
「うーん、、、保健室にいたくないんだよね?」

聖ちゃんの言葉にウンウンと頷く。

「じゃあ、さぼっちゃおっか?」

「…えっ!?」

まじめでおとなしい聖ちゃんの言葉にビックリして
またエリナは縦に揺れてしまった。
236 :おるぷち :2012/07/23(月) 20:55
本日はここまでです。
生田の理由は語らないでおこうと思ったのですが
多少触れた方がいいかな、と。
あまり重すぎないようにしたつもり。うん。


>222 :名無飼育さん
そうですねー。
この生田の場合最悪のパターンになるのが
鉄板なんで(苦笑

>223 :名無飼育さん
高橋さんなんで仕方ないですよね!
彼女を出すと作者も制御しきれませんw


>224 :名無飼育さん
ふくちゃん活躍…するかな?どうでしょう!
お楽しみに!
237 :名無飼育さん :2012/07/24(火) 06:37
フクちゃんの母性力ハァハァ
ぽんぽんコンビ好きッス
238 :「街」小さな世界 :2012/07/30(月) 21:22
「で、なんでエリナんち?」

どこに行くの?って聞いたら
エリナんちだと普通に言われた。
そりゃ確かに今誰もいないけど。
てかエリナも帰ろうかと思ってたけど。

「だって街をウロウロしてて補導されたら嫌でしょ?」

アタリマエーって感じでにっこり微笑む。

「そんな可愛い顔されても」

「え。」

「え?」

なぜか聖ちゃんは頬を桃色に染めとった。
239 :「街」小さな世界 :2012/07/30(月) 21:23
「あ、じゃ、じゃあ、行こっか!
休み時間になったらバレちゃうし。」

「なんでどもっとるン?」

「ど、どもってないし!!」

慌てたまんまの聖ちゃんに引っ張られて
エリナんちに向かった。
聖ちゃん、エリナんち知らんくせにー。

「「あ。」」

もうちょっとで家って時に
いきなり雨がザーーっと降ってきた!
ゲリラ豪雨って奴!?
そりゃ降りそうな天気ではあったけど
なんで今なん?もうちょっと待っとってよー。
240 :「街」小さな世界 :2012/07/30(月) 21:23
雨にブーブー文句を言いながら
急いでマンションに向かったけど
2人してびしょ濡れになってしまった。

「あー、もうビシャビシャやん。
聖ちゃん、このタオル使って」

「あ、ありがと」

後ろにおった聖ちゃんに
何気なくタオルを渡そうと振り返って
エリナは瞬間、止まってしまった。

そんなエリナに気付いて聖ちゃんは
不思議そうな顔をした。
241 :「街」小さな世界 :2012/07/30(月) 21:24
「エリナ?」

「エロすぎやろ。」

「え?」

聖ちゃんの制服のブラウスが透けて
その下のキャミも透けてブラと
自分とは大違いなおっぱいが
リアルになっとった。

そんな視線に気づいて聖ちゃんは
慌てて前をタオルで隠した。

「エッチ!」

「な、そんなボインボインしとるからやろー!」

「ぼ、、ぼ、、、ば!!!」

「も、そんなんいいからっ!シャワーでも浴びるっちゃ!」
242 :「街」小さな世界 :2012/07/30(月) 21:25
そう言ってバスルームに聖ちゃんを押しこんだのに
ちょこっとドアを開いて困った顔して
しかも、なんかっ、上目遣いでうるっとした目で

「エリナも濡れてるじゃん。」

なんて言った。
こん人、自分を分かってなさすぎやろ。

どんだけエロいんじゃあー!

「身体弱いンやから…こじらせたら大変やろ!」

「あ、あり、がと。」

そう言って大人しくバスルームに引っ込んでくれた。
243 :「街」小さな世界 :2012/07/30(月) 21:25
「やばかー。」

さすがに、あんなボリュームを目の前にして
見ない訳にはいかんかった。
むしろ釘づけやった。
泊ってく?とか言いそうやったやん。
むしろ一回いいやろ?みたいな?w
て、あほか、自分!

あー、聖ちゃん気ぃ悪くしたやろか。

でも、あれは凄かった。

「こんなもん?」

自分の情けないオッパイの前で
聖ちゃんのオッパイの大きさを
両手で形を作るふりで想像してみる。
244 :「街」小さな世界 :2012/07/30(月) 21:26
「ありえん。」

自分にあんなについとったら変過ぎる。
て、しょーもない事しとらんと
着替え用意しとこ。

ようやく正気に戻って自分の部屋に向かった。

聖ちゃんと交代でエリナもシャワーを浴びる。
熱いシャワーに色んなもんが
流されてったらいいのに。
245 :「街」小さな世界 :2012/07/30(月) 21:26
ふと。

さっき見た聖ちゃんを思い出す。
あったまって全身から湯気のたつような
ふんわりと、やっぱり桃色な聖ちゃんは
中華まんのように美味しそうやった。

って、中華まんってなに!

自分の喩が可笑しくって
ひとりで笑い転げた。
246 :「街」小さな世界 :2012/07/30(月) 21:27
タオルでガシガシと髪を拭きながら
リビングに行くと聖ちゃんは
ソファにお上品に座っとった。

渡したドライヤーで髪はちゃんと乾かしたらしく
さらさらとした髪が聖ちゃんの動きに合わせて揺れた。
と、同時にテーブルの上に広げられたものに気付く。

「なに見とー?」

目の前にあったのは、どう見ても
エリナの小さい頃のアルバム。
そういやリビングの結構目立つとこに置いとった。

好きにしとっていいとは言ったけど
これを見つけるとこが聖ちゃんらしくて笑えた。
247 :「街」小さな世界 :2012/07/30(月) 21:28
「だって、小さいえりぽんカワイイんだもん。」

「今も可愛いヤロー?」

そう言って聖ちゃんの肩に体重をかけるように抱きつく。
と、目の前にボインボイン。
エリナのTシャツが苦しそう。

なんとなく後ろめたくて目をそらすエリナに気付かず
聖ちゃんが何だかはしゃいだ声で

「おーもーいー!」

なんて言うからエリナも誤魔化すように、
はしゃいだ声で返した。

「乙女に重いとかゆーナぁ!」

「乙女はそんな髪びちょびちょで出てこないよ」

「急いだんやん。」

そう言った声が自分でも分かるくらいに
情けない声でビックリした。
248 :「街」小さな世界 :2012/07/30(月) 21:28
聖ちゃんは微笑んでエリナからタオルを取ると
優しく拭き始めてくれた。

「そんなガシガシやったら傷むんだからね?」

聖ちゃんは本当に優しく優しく拭いてくれて
その後丁寧にドライヤーもしてくれた。

「美容師さんみたいやね」

そう言うと嬉しそうに笑った。

そんで少し言いにくそうに

「ねえ、エリナ。明日も学校…」

聖ちゃんの言いたい事が分かって答えに詰まる。

「え、、いや。その。」

なんとなく上がってた気分が
しゅん、としぼむ。
249 :おるぷち :2012/07/30(月) 21:30
本日はここまでです。
生田はシリアスなんだかアホなんだか
分からん人になってきました(苦笑

>237 :名無飼育さん
ふくちゃんは穏やかな雰囲気がいいです!
ぽんぽん、ぽんぽん!
250 :名無飼育さん :2012/08/01(水) 02:38
生田さんはただのバカっぽいw
ぼいんぼいんぼいん
251 :「街」小さな世界 :2012/08/06(月) 19:41
学校。
にーがき先生のいる学校。

「…エリナはもう学校に行けんかもしれん。」

「え、なんで!?」

「居場所、ないし。」

「え、居場所って保健室、、、なに?なんかあったの?」

聖ちゃんの心配そうな顔。

言葉がうまく出てこん。
言いたくないのとも違う。なんやろう?
なんでこんなに言うんためらっとる?
252 :「街」小さな世界 :2012/08/06(月) 19:41
「あ、ごめん。言いたくないならいいんだ。
無理にって訳じゃなくて。私が、、」

「聖ちゃんが?」

「エリナいないと寂しいなーって。そう、思って。」

「え」

「あ、だからね。理由とか別にいいから。
ただ私が学校でエリナに会えないの嫌なだけ。
押しつけてごめんね。」

聖ちゃんの顔が桃色越して赤いけん、
なんかエリナまで急に恥ずかしくなった。
253 :「街」小さな世界 :2012/08/06(月) 19:42
「エリナも!聖ちゃんには会いたいっちゃ!
やけん、ちょっと…その。せんせーと。」

「先生?喧嘩でもしたの?ってそんな訳ないよね。」

「なんか、気まずいって言うか。」

「うん?」

「恥ずかしいっていうか。」

「え、ま、ま、まさか告白したとか!?」

前のめりになって言う聖ちゃんに
きょとん、とするエリナ。

「へ?はぁぁぁああああああぁぁあああああ!?」

聖ちゃんは何言っとるんよ?
意味分からんし!
254 :「街」小さな世界 :2012/08/06(月) 19:42
大体エリナは先生の事大好きやけど
なんて言うか、なんて言うか

「先生の事、そうゆーんで好きと違うし。」

「え!?違うの!?」

「え、違うし。」


違う、んのかいな。
うん、違う。

先生の事は大好き。
一番って言えるほど好いとぉ。

やけん。
255 :「街」小さな世界 :2012/08/06(月) 19:43
「先生とチューしたいとか思わんし。
先生の事そんなエロい目で見れん」

「え、ちゅ、ちゅーって!エロい目って!」

更に真っ赤になって手をパタパタする聖ちゃん。
高校生にもなって“チュー”って言っただけで
この反応ってどうなんよ。

「相手に性的興奮を覚えんと恋やないやろー?」

「ちょ!恋ってもっと、こう!純粋な…
せ、性的ってそんなの本能って言うか
なんでエリナそんなサカリついた雄みたいな事っ!」

「へ?いや、気持ちがあるから、
もっと近づきたくなるんやろ?
エリナは好きな人しかエロい目で見んよ」

「そりゃ、そうだけど!でも言い方って言うか。
もー、うー」

真っ赤な顔で目まで潤んでるし。
256 :「街」小さな世界 :2012/08/06(月) 19:44
エリナは間違った事言っないっちゃよ?
エリナやって子どもやけど聖ちゃんって

「案外子どもなんやねえ」

「な!エリナに言われたくないもん」

「もん、って!ぶはっ!」

おかしいやろ、それ。
なによぉ、なんて唇とがらしとるし。

「もー!そんな事話してたんじゃないのに。
エリナと話してるとドンドンずれてくんだから。」

「えー?なんそれ。エリナのせいと?」

「そーですぅー。さっきだって人が心配してんのに
カワイイとか、エロいとか訳分かんないし」

「だって、そう思ったんだもん。」

「…スケコマシ」

「は?」

ぼそっと何か言ったみたいやけどエリナには
理解できん言葉やった。
257 :「街」小さな世界 :2012/08/06(月) 19:45
そのまま聖ちゃんは頬を赤らめ黙ってしまった。

あーもー。
なんやろ、こん人は?
年上なのに時々妙に子どもっぽい。
穏やかで癒し系やのにエロい雰囲気もあるし。
変な人。

やけん。さっき“チュー”とか言っただけで
真っ赤になったこん人に
先生のあの日の話なんてできる訳なかやろ。

やけん、、聖ちゃんがすごい
エリナを心配してくれとるのも
ちゃんと分かっとるから、
話さん訳にはいかんかもしれん。
258 :「街」小さな世界 :2012/08/06(月) 19:46
「あの、ね。先生のことやけど」

「え?うん?」

「聖ちゃんが純情すぎて詳しくは言えん」

複雑そうな顔しとるし。

「なんか、先生な。恋人いて」

「ええ!そうなの?会ったの?どんな人?」

目が急に輝きだした。
そういや恋バナ好きなんやっけ。
結構ミーハーやもんな。

「聖ちゃんが人気上昇中って言っとった先生」

「ええー!?高橋せんせぇ!?」

ほんとに?そうなの?それは要チェックだわ。
カップリング萌えってあるのよね。

って、またエリナに理解できん言葉を
次々と放っとるし。
259 :「街」小さな世界 :2012/08/06(月) 19:46
「もぉー、聖ちゃんエリナの心配しとったっちゃろ?」

「ああ、そうだった。ごめんね。つい興奮しちゃって。
だってぇ高橋先生と新垣先生だなんて
なんか…こう…いいよね!」

「なんがよー。もう!エリナの話聞く気ある?」

「ああ、ごめんねえー。あるよ。あるある。」

ほんとかいな。
仕方なく続きを話す。あの日の事をかいつまんで。
変質者と間違えた経緯は詳しくは話さんかったけど

ようするにエリナは先生の恋人と思わずに
酷い態度とっちゃったって事。
ああ、言っててまた凹んできた。
260 :「街」小さな世界 :2012/08/06(月) 19:48
「えっと、それは高橋先生に謝りたいってこと?」

「まさか!エリナの新垣先生にベタベタしよって!」

「やっぱ好きなんじゃない」

「違うし。好きやけど。恋人になってほしーとか
そんな滅相もない!おこがましーと言うか
罰あたりな事思えんもん!
てか恋人おるとか、そんなナマナマしー事ありえん!」

「ああ、それは分かる気がするわ。
大好きなアイドルと一緒よね。神の領域って言うか♪」

ちょっと違うような同じなような。
びみょ〜。
261 :「街」小さな世界 :2012/08/06(月) 19:48
「とにかく!なんか学校でだけは
先生はエリナのもんでいてほしーもん!」

「恋愛感情じゃない“好き”だけど
とられたくないって事?
確かに女の子ってそうゆーのあるよね。」


大好きな親友を誰かに取られたくないとか
大好きな先生に一番に気にいられたいとか。


それもある。
それもあるけど。
262 :おるぷち :2012/08/06(月) 19:50
本日はここまで。
かいてて聖ちゃんが可愛くて
仕方なくなっておりますw

>250 :名無飼育さん
生田さんはおっぱい星人のはずですw
263 :名無飼育さん :2012/08/07(火) 22:01
おっぱい星人www
譜久村さん可愛らしいのに、言葉の選び方から色気が薫るようで…w
生田さんの真意が気になります。
264 :「街」小さな世界 :2012/08/15(水) 20:57
「エリナは保健室しか、新垣先生んとこしか
居場所ないんやもん。」

無理して学校に行かなくても、いいんやないかって
思う事もあった。やけん昼間1人で
ずっと家に居ると言うのも結構辛いもの。
それをエリナは福岡時代によく分かった。

こっちに引っ越して転入して新垣先生が
エリナをまるごと受け入れてくれて
やっと穏やかな気持ちになれた。

やけん先生は恩人やし女神やし
大切な特別な人なんやもん。
265 :「街」小さな世界 :2012/08/15(水) 20:58
「だったら大丈夫じゃないかな。」

「え?」

「学校での新垣先生は独占できると思うよ。」

「ええ?」

「高橋先生とエリナが保健室で会ったのは
放課後たまたま忘れ物したからで
日中は会ってないんだし。」

そう言われてみれば高橋が特別講師になって
すでに何カ月も経過してるのに会ったのはあの日だけ。
そっか。そうだよねえ。

「だからさ、大丈夫。
新垣先生も今まで通りにしてくれるよ。」

「そう、かな。」

「そーだよ。」
266 :「街」小さな世界 :2012/08/15(水) 20:59
聖ちゃんの微笑みに救われた気分になった。
だけど、あの日のエリナ訳分かんなかった。
先生呆れてないかな。
嫌われてたらどうしよう。

「先生がエリナの事嫌いになる訳ないよ。」

大丈夫、そう聖ちゃんは両手でエリナの手を
包み込んでくれた。白い手は優しくてあったかかった。

「あとね、先生だけが居場所って私はどうなるのよー」

ちょっと拗ねた顔がバリ可愛いし。

「聖ちゃんは毎日来ないもん。」

「行くもん!エリナの親友の座は
誰にも渡さないんだからね?」

「エリナの親友の座が欲しいと?」

びっくりした。そんな事言われたの初めて。
267 :「街」小さな世界 :2012/08/15(水) 21:00
「エリナは私の親友じゃ、ないの?」

「親友!マジ本気マジで親友やし!!」

ギュッと手を握り返す。強く、強く。
聖ちゃんはほんわかした笑顔をくれた。

「良かったぁ。私の片思いかと思ったあ。
あ、変な意味じゃなくて!」

「分かっとお。エリナあん学校で友達は
聖ちゃんだけやって言ったやん」

「友達と親友は違うもん。」

また唇をとがらしとーし。もう、本当にこん人は。

「あん時は…親友って言って微妙な顔されたら凹むやん。」

そう言ったら聖ちゃんは目をまるくした。
268 :「街」小さな世界 :2012/08/15(水) 21:01
えへへ。
えへへ。

部屋ん中あったかい、まぁるい気持ちに包まれた。
やっぱ聖ちゃんは癒し系ちゃね。

気がつけば外が暗くなる時間。
聖ちゃんは慌ててお迎えを呼んだ。
濡れた制服は袋に入れた。

エリナの服のまんまやけど
家帰るだけやしイイやろ。

「聖ちゃん怒られん?」

「ん?大丈夫だよおー。」

にこって笑う。聖ちゃんの“にこっ”は
凄い可愛くて凄い安心する。
しばらくしてお迎えがマンション前に着いたって
連絡があってエリナも外まで見送る事にした。
269 :「街」小さな世界 :2012/08/15(水) 21:02
「別にいいのに。」

「ん〜ん。エリナのせいで学校サボらせちゃったし。」

「私、学校サボったのは初めて。なんか楽しい。」

「なんそれ。」

お互い顔を合わせてエヘラ〜っと笑う。
なんか、こそばいー。
エレベーターで1階に降りたところで
見知った顔に出会った。

「お、エリナやん。友達?」

「え、あ。そーです。れいなさん今帰ってきたとですか。」

「そー、今日は親いないけん。
さゆとパジャマパーティーっちゃ。」

そう言って、何度か見かけた事のある友達を差す。
270 :「街」小さな世界 :2012/08/15(水) 21:03
れいなさんはお父さんの上司の娘で
つまりマンション紹介してくれた田中さんで
家族ぐるみのお付き合い。

れいなさんのお父さんも福岡からの転勤組で
すっごい良くしてもらっとる。

「ちょ、エリナ!誰?」

ふと聖ちゃんを見ると顔を赤らめて興奮気味…
そうか、美少女好きの聖ちゃんやから。
紹介とかした方がええんかな?

そう思ってれいなさんの方を見ると、
れいなさんが苦い顔をしとった。
271 :「街」小さな世界 :2012/08/15(水) 21:03
「?」

不思議に思っとると

「こっち、れーなの友達で道重さゆみったい。」

「え、あ。エリナの友達で譜久村聖ちゃん。」

って、なん?これ?この状態。
見ると道重さんが目をキラキラさせてこっち見とる。

「エリナちゃんと聖ちゃんね!2人共カワイイッ!!」

…えっと。聖ちゃんの同類?
聖ちゃんは聖ちゃんで

「えー、道重さんのが可愛いデスぅー。
聖、今日こんな格好だし!」

こんなってエリナの服なんやけど…
272 :「街」小さな世界 :2012/08/15(水) 21:04
「やんやん!道重さんだなんて!さゆって呼んで」

「そんな呼べないデスぅー。さゆみさん、でいいですかー」

「やーん、照れてるのね?カワイイッ!!」

って。さっきの、れーなさんの苦い顔は
こうゆー意味やったとか。

それにしても聖ちゃんテンション上がり過ぎやなか?
さっきまでエリナに優しくしてくれとったのに!
なぜだか少しだけ重い気分になる。

ああ、あれか。
親友をとられた気分。
女の子同士でよくある気持ち。
273 :「街」小さな世界 :2012/08/15(水) 21:05
「聖ちゃんお迎え待っとるんやろ?」

極力落ち着いた声で言うと
いっけない!なんて言って2人に手を振って
ようやく動き出した。やれやれ。

「ちょー。エリナ!2人ともカワイイね!」

「あー、そーですかー。」

ちょっと面白くないって態度で答えると
聖ちゃんが一旦きょとんとして
にこーーーって笑った。

「もしかして妬いてる?」

「べつにぃ?」
274 :「街」小さな世界 :2012/08/15(水) 21:05
「聖の親友はエリナだけだよっ!」

そうゆー問題やないやろ。
って、どんな問題なん?
自分で自分が良く分からん。

聖ちゃんが帰った後
不思議と今日の事がふわふわとした気持ちで
思い出された。

可愛いとかエロいとか中華まんとか親友とか。
優しい白い手とか桃色とか赤色とか。
どれもこれも聖ちゃんで
なんか恥ずかしい気分になった。
275 :「街」小さな世界 :2012/08/15(水) 21:06
幸せな気分のまんま、寝不足やったのもあって
いつの間にか夢の中。

気付いたら、あっさりと朝やった。

そういや昨日から全然食べてなかった。
朝からモリモリご飯を食べすぎて
パパとママにドン引きされて苦笑いした。
276 :おるぷち :2012/08/15(水) 21:08
本日はここまでです。
お盆休暇のためいつもより
更新が遅くなってしまいました(汗

>263 :名無飼育さん
生田さんの真意は本人も
分かっていないと思われますw
277 :名無飼育さん :2012/08/15(水) 21:14
めっちゃキュンキュンしますねこの距離感
さゆー(笑)
278 :名無飼育さん :2012/08/20(月) 08:59
変態モード作動中の道重さんは強烈…w
ぽんぽんコンビに萌えー
譜久村さんが可愛くて萌えー
279 :「街」小さな世界 :2012/08/20(月) 21:12
そのまんま学校へ行ってみたら
にーがき先生はいつも以上にいつも通りで
あっけなく日常に戻った。

あの日の事はお互い口に出さない。
いつも通りの保健室はやっぱり心地イイ。

「ねー、せんせぇ。」

「なーにー?」

「ここ部外者は立ち入り禁止やろ?」

そう言うと苦笑して

「そうだね。言い聞かせておくよ」

誰に、とは言わない。聞かない。
280 :「街」小さな世界 :2012/08/20(月) 21:13
エリナはなんとなく鼻歌を歌った。
窓から流れる風が気持ち良かったから。
3時間目が終わる頃、保健室に聖ちゃんが来た。

「ごめんね、本当は今日はエリナと一緒に来たかったんだけど。」

きっと、また具合が悪くなったんだろうなと思う。
もしかして昨日の雨のせい?
そう聞く前に聖ちゃんはブンブンと手を振って

「違う、違う!」

なんて言ってくれたけど実際どうなんやろう?
それに…

「聖ちゃんエリナと一緒に来たかったん?」

嬉しくてそう言ったのに何故か聖ちゃんは怒りだした。
281 :「街」小さな世界 :2012/08/20(月) 21:14
「なにそれ!そうゆー事言う!?本当KYなんだから!!」

いつかのKYとは違って
聖ちゃんの言うKYは優しい。
だからエリナも強気でイケる。

「エリナを心配してくれたっちゃろ?」

「そ、そうゆーの言わなくていい!!」

いつもは白い頬がまたまた桃色に染まっててカワイイ。
桃色の聖ちゃんは本当にカワイイ。

「聖ちゃんカワイ〜。」

「だからっ!そうゆーのっ!!!」
282 :「街」小さな世界 :2012/08/20(月) 21:15
エリナは思った事を思った通りに言ってるのに
なんで怒るんやろ?
大体、聖ちゃんやって色んな人に
カワイイっていっぱい言うくせに。

にーがき先生を見たら
“やれやれ”ってジェススチャーをされた。
でもやっぱ目が優しい。そして昭和っぽい。

「やっぱエリナ、先生好きぃー」

いつも通りに言ったのに先生は

「やっぱ生田はKYだねえ。」

って言って聖ちゃんをチラリと見た。
聖ちゃんはまだ怒ってる。

オカシイナア。
283 :「街」小さな世界 :2012/08/20(月) 21:16
「聖ちゃんも好いとーよ?」

「…」

「親友やけんね!」

そう言ったら新垣先生に大きなため息をつかれた。
だから、なにーーーー?

「ま、生田だから」

「そうですよね、えりぽんですもんね。」

って2人して。


だから、なに!!
284 :「街」小さな世界 :2012/08/20(月) 21:16
だけど保健室の空気は穏やかでゆるやかで。
この3人の空間は居心地がいい。


エリナはこの世界が好き。
たとえ永遠ではないと分かっていても。
ここがエリナの居場所。

今は、まだ。
285 :oruputi :2012/08/20(月) 21:17
「街」episode3

「小さな世界」
286 :おるぷち :2012/08/20(月) 21:22
今回で終了です。
また「街」episode4に続きます。

>277 :名無飼育さん
最後までKYな人のせいで
この距離感ですがw

>278 :名無飼育さん
変態www
ふくちゃんは幸せなんだか
切ないんだかwww
287 :名無飼育さん :2012/08/23(木) 14:36
うわー
終わっちゃったんですね。
次も誰が出るか、とか楽しみだけど
その後のぽんぽんコンビが見たいです!!
288 :名無飼育さん :2012/08/24(金) 08:33
最後までKYだった生田さんw
面白かったです。まだ続きが読みたいと思っちゃいました。
次のお話も楽しみにしてます。
289 :境界線 :2012/08/27(月) 21:57
「街」episode3

「境界線」

出演・夏焼雅・嗣永桃子・鈴木愛理 他
290 :境界線 :2012/08/27(月) 21:58
ももはズルイ。

うちの気持ちに絶対気付いてる癖に
ふにゃふにゃニヤニヤひらりひらり。
てか…気付いてない、訳ない、よね?
うち、自分で言うのもなんだけど
結構分かりやすいと思うんだけど?

そう佐紀ちゃんに言ったら
ふぅ、とため息をつかれた。
なんだよ、それ。

夏焼雅。
ただ今、とんでもない人に恋してます。
291 :境界線 :2012/08/27(月) 21:58
ももと初めて会ったのはバイトの面接。

事務室で面接を待ってた時に
ドリンクを運んできたのが桃だった。
オレンジジュースの入ったグラスを
テーブルに置くとマジマジと人の顔見て

「いやーん。カワイイ!絶対合格!
ももちが太鼓判おしてあ・げ・る」

なんて。

クネクネしてて、ぶりっこで
最初は変な奴って思った。

正直ちょっとひいた。
292 :境界線 :2012/08/27(月) 21:59
だけど一緒にカフェでバイトする内に
ももが本当は周りの事めっちゃ見てて
すんごい気配り上手なんだとか
実は凄い冷静でなんでもないふりで
店員同士やお客さんとのもめ事を
上手にまとめてるのとか。
なにげにオーナーに信頼されてる訳とか。

どんどん分かってきて
面接の時のあれもリラックスさせるため
だったんだろうなって気付いた。
ももにそれ聞いても

「なんのことー?」

なんて、とぼけるんだけど。

年なんかひとつしか変わらないのに
なんで自分とももとはこんなに違うんだろうって
ちょっと悔しくなった。
293 :境界線 :2012/08/27(月) 22:00
高校を出て何をやりたいかも分からなくて、
親に甘えてフリーターでふらふらしてる自分。

大学で語学を勉強してるもも。
親に迷惑かけないように1人暮らしじゃなくて
親戚の家に居候して、奨学金も貰って
バイトもしてるもも。

大人のふりして中身がてんで子どもな自分。
子どものように無邪気なふりして大人の顔で笑うもも。

294 :境界線 :2012/08/27(月) 22:00
そんなももをいつの間にか
うちの目が追いかけてる事に気付いたのは
天然お嬢様のバイト仲間である鈴木愛理に

「みやって、ももの事よく見てるよね」

なんて言われたからなんだけど。

愛理が凄いのは、そんな事に気付く癖に
うちがももの事好きだとは
気付いてないっぽいトコだ。

いや、本人に確認なんかしたら
墓穴掘っちゃうから聞いてないけど
たぶん、気付いてない、と思う。
295 :境界線 :2012/08/27(月) 22:01
そもそもお嬢様がなんでバイトしてんだろ。
不思議に思ったから聞いてみた。

「社会勉強のため。というのが建前で
バイトってやってみたかったの。
ここ、制服可愛いし!でもオーナー
お母さんの友達なんだよね。
結局、親の監視下って事。」

そう言って笑った。そんなん言ってたらももが

「そうなの?じゃあ〜ももちの時給上げてって言ってよお」

なんて割り込んできた。
ちょ、うちの肩にももの手!手がっ!!
焦ってると口の端で笑われた。

やっぱ気持ち、気付いてるんでしょー!
296 :境界線 :2012/08/27(月) 22:02
でも、その顔も一瞬。

「だぁって可愛いももちがお目当てのお客様
いーっぱいいるでしょ♪貢献度給ってどう?」

得意のぶりっこポーズで身体をクネクネさせてる。
その言葉がちょっと面白くなくてももに反論してやる。

「愛理目当ての方がいっぱいみたいだけど?」

うちの言葉にももはぷくぅーっと頬を膨らませた。
そんなベタなぶりっこっぷりを
可愛いと思うなんて重症だよなあ。

「みや目当ても多いみたいだけどね。」

愛理がニコニコ言うもんだから、
ももがさらにふくれた。
297 :境界線 :2012/08/27(月) 22:03
「みーやん目当ては女の子が多いじゃん!
ももち目当ては男性客!」

「男性客は愛理が多いと思うけど?」

「そんな事ないもんー!」

「でも、普通に美味しいからって
お客様が一番多いと思うよ」

愛理はやっぱりニコニコ笑ってそう言った。

確かに、このカフェBuono!は美味しいので評判だ。
カフェにしては可愛すぎずにロック調のお店自体も
男女問わず入りやすいって評判だしね。
自慢のバイト先なのだ。
愛理の言葉に満足してももを見ると
もももうんうん、って満足げでなんか嬉しくなった。
シンクロしてるー、なんてね。
298 :境界線 :2012/08/27(月) 22:07
さっそくですがすみません。
「街」episode4 が正しいです。
こんな感じでBuono!していきますので
よろしくお願いします!
雅ちゃん誕生日オメデトー!

>287 :名無飼育さん
そうですね。ぽんぽんコンビは
書いてても楽しかったので
その後も書けたらとは思います。

>288 :名無飼育さん
面白いとかありがとうございます!

生田さんはKYじゃないとね!という意気で
書いてましたwww
299 :名無飼育さん :2012/08/29(水) 13:58
Cafe Buono!キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
みーやん可愛い!楽しみです!
300 :境界線 :2012/09/03(月) 21:53
「みやって真っ直ぐだよね。」

ふいに愛理が言った言葉の意味が分からなくて
首をかしげると柔らかく笑って

「影でお嬢様の癖にバイトなんて嫌み?とか
私の事言ってる人もいるみたいだけど
みやみたいに直接聞いてきた人は初めてだもの」

なんてサラッと言った。

「ええー!?」

なにそれ!
そんな事言う奴いるの?嫌みって何!
愛理はまじめに働いてるじゃん!!
誰だよ、そいつ!!
301 :境界線 :2012/09/03(月) 21:54
「あ、みや。耳には入ってきちゃうけど
別に気にしてないし
意地悪されてる訳でもないから。」

「でも!!愛理は腹たたない訳!?」

怒るうちとニコニコ笑う愛理。
そんな愛理にどうしていいか分からなくなってると
2人の間に、にょきっと手が伸びてきた。

え?って疑問に思う間もなく
後ろから柔らかくてあったかいものが
うちの身体に巻きついてきた。
耳元には聞きなれた高い声。

「みーやんは本当にイイ子だねー。」

「!!!」
302 :境界線 :2012/09/03(月) 21:54
その声と自分の身体に巻きついている腕が
ももだって気付くのに時間は全然かからない。

つまり、ももがうちに抱きついてる!!!

「ちょ、なに、もも!やめてよ!」

「みーやんってぇー。裏表ないってゆーか
情にアツいってゆーかあ。」

腕を振りほどこうとするうちを無視して
ももがどんどん話し続けていく。

「な、な、な、な!」

「ちょぉっとアツ過ぎて
周り見えなくなっちゃう時もあるけどぉ」

「も、もも!はな、はなして」
303 :境界線 :2012/09/03(月) 21:55
「やっさしーしぃ、
クールビューティーとか言われてるけど。
ぜぇんぜん!そんな事ないよねえー」

こ、こいつ!
分かってて何してくれてんのー!?
やめてよ、背中に胸、あたってるし!
焦りまくるうちにだけ聞こえるように

「顔、真っ赤だよ?」

なんて。この小悪魔―――――――――!!!!!!



うち、完全にももに遊ばれてる。
304 :境界線 :2012/09/03(月) 21:56
なんとかももを引き離すと

「ももはぁ、そんなみーやんが大好きだよ♪」

なんてウインクすんなーーーーーー!

「ね、愛理」

て、なんでそこで愛理にふる!?

「うん。大好き」

だから!この天然お嬢様!!
気付いてない、気付いてないのはなんで!?

そりゃ、ももはいつだってこの調子だけどさあ。
もー、勘弁してよ。

305 :境界線 :2012/09/03(月) 21:56
「て、事があったんだよ。ひどくない!?」

「うん、そうだね。ももって感じだね」

うちの愚痴はいつも佐紀ちゃんに直行する。
佐紀ちゃんはBuono!とは別のバイト先である
コンビニ店員仲間。
ももとも高校、大学が一緒で友達だから
話を良く分かってくれる。
だから、ついつい愚痴ってしまう。
ま、佐紀ちゃんが聞き上手だからってのもあるけど。

「私もなっちゃんの、そうゆートコ大好きだよ」

「そ、そこじゃなくてー!」
306 :境界線 :2012/09/03(月) 21:57
佐紀ちゃんは声を押し殺すように肩を揺らして笑った。
なんでかって、2人レジに並んで
仲良く絶賛バイト中だからだ。
でも今はほとんどお客さんいないんだけどね。

「ももねー、ふざけてばっかだけど
案外まじめだからさー。」

「うん?」

それは知ってるけど。なんて。

「分からない?」

「なにが?」

佐紀ちゃんは、ふむ。と頷いて

「ま。そーゆートコもなっちゃんのイイトコだ。」

と、つぶやいた。全然意味分かんないし。
307 :境界線 :2012/09/03(月) 21:58
「ももはもうすぐ大事な試験だからさ、
最近、疲れてるみたいだよね。」

「え?普通にバイト入って普通に働いて
普通にふざけてるけど?」

佐紀ちゃんの言葉を不思議に思う。
昨日もバイトで会ったけど
ももに疲れた様子なんかなかったはずだ。

「え、そう?大学じゃ結構…
あいつ、強がりでカッコつけだなー。」

「えー?」

「年下に弱いとこ見せない、みたいなさ。」

「え、そうなの、かな」

いっつも、ふざけてばっかで甘えてくるけどなあ。
年上の威厳なんてもの、感じた事ない。
308 :境界線 :2012/09/03(月) 21:59
「今度の試験、ももにとっては本当に
すごい大事な試験なんだよね。
あたしは受けないから、のんびりバイトもしてるけど
なんでももバイト休まないのかな。」

「もも、そんな無理してるっぽいの?」

「うーん、たぶん。バイトがイイ気分転換なのかもね。」

「バイトが?」

変なの、大事な試験ならバイトなんて休んで
集中した方がいい気がするけど。

それとも…ももってそんなにお金困ってるのかな。
309 :境界線 :2012/09/03(月) 21:59
そういや、ジュース飲んでると
ももちにもちょーだーい!とか言ってくる。

いつも恥ずかしくて嫌そうにしちゃうけど
ジュースくらい素直にあげようかな。
なんならご飯おごってあげるとか。
それ口実でご飯デートとか!?

て、なんて言うのよ?
お金ないならご飯おごってやるとか
どんだけ偉そうなのって話だよね。

どーしよー。
310 :境界線 :2012/09/03(月) 21:59
「…ちゃん!なっちゃん!なっちゃんってば!!」

横には呆れ顔の佐紀ちゃん。
目の前にはお弁当を持ったお客様。

「あ、えっと。商品お預かりしまーす。」

急いで笑顔を作ってレジ作業を開始した。
我ながら、恥ずかしい。。。

次、ももがバイト入ってるのは明後日。
もちろん自分も入っている。

とりあえず…ジュースくらいはおごっても
不自然じゃないだろう。
311 :おるぷち :2012/09/03(月) 22:02
本日はここまでです。
出演者に清水佐紀さんも入れるべきだったと
今頃思ってます(苦笑

>299 :名無飼育さん
いつかCafe Buono!を舞台に書きたいと
思ってたんですよー♪
312 :名無飼育さん :2012/09/04(火) 08:55
みやびちゃんの可愛さ無限大級。
子供っぽいところとか鈍感なところが可愛いんだよね〜
ル ’ー’リ<そぉなのぉ〜
こんな感じでキュンキュンしてるので、次も楽しみに待ってます!
313 :名無飼育さん :2012/09/07(金) 15:32
キャップは雅ちゃんの
世話係なんですねw
この関係も好物です。
ももちのウザ小悪魔っぷりがツボです。
314 :境界線 :2012/09/10(月) 21:21
「おはようございまーす!」

うちがBuono!で仕事してたら
ももが慌てた様子で駆けこんできた。
今日のシフトは6時からだけど現在5時56分。
珍しくギリギリの時間に飛び込んできたのは
やっぱ忙しいから、なのかなあ。

「いやー。セーフ。間に合って良かったにゃん♪」

もの凄い速さで制服に着替えたももが
うちの横に並んで一緒に洗い上がりの
フォークやスプーンを拭き始めた。

「珍しいね、ギリギリなんて。」

「ちょっと教授と話してたら遅くなっちゃった。」

「それって今度の大事な試験の話?」

「え!?」
315 :境界線 :2012/09/10(月) 21:23
なんでかももは、すごくびっくりした顔をした。

「え、って、え?佐紀ちゃんに聞いたんだけど…」

「聞いたって何を?」

「何って、もうすぐ大事な試験あるって…
だから、もも、ちょっと疲れてるとか、そうゆー事」

「それだけ?」

「それだけって他に何かある訳?」

ももはにっこり笑って

「優しいみーやんは疲れてるももちに〜何してくれるのかな?」

「は!?」

「癒してあげたいな〜とか思うでしょ?」

「べ、べつに!!」

「またまたぁ〜〜〜。」
316 :境界線 :2012/09/10(月) 21:33
クネクネするももに何かを
誤魔化された気はしたけど
絡みつく腕を振りほどくのに必死になって
そんな事はスグに忘れてしまった。

そっからももは、いつも通りウザいくらい元気に
バイトしてて疲れてるなんて思えなかった。

佐紀ちゃん気にしすぎなんじゃナイかなー。
そう、思ったん、だ、け、ど。
317 :境界線 :2012/09/10(月) 21:34
「夏焼さん、時間だからあがっていいよー」

店長の声に「はーい」と元気に返事する。
今日はうちのバイト終了時間が
休憩中のももと重なってるのはチェック済み。

少し話できるかな、とか
そうだ、ジュースおごってやろう。とか
思いつつウキウキしてスタッフルームに向かったら…

ももは教科書だか参考書を広げたまま
すぅすぅと寝ていた。
ももが休憩中に寝てるとこなんて初めて見た。
うちは結構寝ちゃう事あるけど。。。
それに休憩時間まで勉強してるなんて。
ちらっと見えた文章はもう何語だか
分かんなかった。ももって頭いいんだなあ。
318 :境界線 :2012/09/10(月) 21:34
やっぱ佐紀ちゃんの言った通り
大変だし、疲れてるんだね。
そんなの全然気付かなかった。

ももは結構、本心を見せてくれないと思う。
人の心にはズカズカ入り込んでくるし
誰にでもフレンドリーで人懐っこいけど
なんか、ここから先は進入禁止!みたいな
境界線を感じる時があるんだよね。

そんなももが弱いとこ見せれる相手なんているのかな。
本心をぶつけられる相手っているのかな。
その「相手」に、うちがなれればいいのになあ。
319 :境界線 :2012/09/10(月) 21:35
更衣室で素早く着替えてスタッフルームへ戻ると
ももはまだ寝たまんまだった。

まだ休憩時間残ってるし起こさないでおこう。。
話せないのは残念だけど。
自販機でももの好きな甘いドリンクを買って
眠っているももの横にそっと置いた。

黙ってると意外なほど大人の顔してるもも。
今、目の前に居るももは白い頬に
スタッフルームのちょっと暗めの照明が当たって
なんか人形に見えて…壊れてしまいそうに感じた。
320 :境界線 :2012/09/10(月) 21:36
もも。

こんなに側にいるのに気付かないんだね。
切なくなって顔に顔を近付ける。
そのまま引き寄せられるように
ももの頬に自分の唇をよせて
そぉっとキスをした。

「ももが悪いんだからね。」

つぶやいてスタッフルームを出るうちは
やっぱ卑怯だよね。
321 :境界線 :2012/09/10(月) 21:36
なんでだろう。
なんでももを思うとこんなに切なくて
涙がでてくるの。

もっと、ももに近付きたいよ。。。
心を近付けたいよ。

帰り道。そっとつぶやく。
「…やっぱ頬じゃなくて唇にすれば良かった。」

さすがに起きる気がするけど。
起きたら、どういう反応したかな。
そういやももが動揺するのって見た事ないな。
いきなりキスしても動揺されなかったら…
322 :境界線 :2012/09/10(月) 21:37
なんでだろう。
なんでももを思うとこんなに切なくて
涙がでてくるの。

もっと、ももに近付きたいよ。。。
心を近付けたいよ。

帰り道。そっとつぶやく。
「…やっぱ頬じゃなくて唇にすれば良かった。」

さすがに起きる気がするけど。
起きたら、どういう反応したかな。
そういやももが動揺するのって見た事ないな。
いきなりキスしても動揺されなかったら…
323 :境界線 :2012/09/10(月) 21:37
なんて。
本格的に凹むっつーの!
やっぱ、もものバカッ!!!
寂しいだろうけどって寂しいに決まってるじゃん!

だけど無理して体調悪くされたら嫌だし…
そう思って“身体に気をつけて頑張って”なんて
メール打ちかけて

「らしくないよね。」

結局。
“寂しくなんかないよーだ!静かで気分よく働けるし!
ももは試験の事考えてれば良し!”

つい可愛くないメールを送ってしまう。

はぁ、バカは自分だっつーの。
324 :おるぷち :2012/09/10(月) 21:42
本日はここまでです。
やっぱBuono!が好きだぁぁぁぁぁぁ!
って、あんまし愛理いないw

>312 :名無飼育さん
ありがとうございます!
今回のキュンキュンできたでしょうか?
雅ちゃん可愛いですよねえ。

>313 :名無飼育さん
清水さんいると雅ちゃんが
甘えるんで楽しいんですよねー。w
325 :名無飼育さん :2012/09/14(金) 06:52
ん?"寂しいだろうけど"?
ツンデレびちゃん可愛いです。
けど、夏焼さんの心中まで分かっちゃうので
小説で読むと、結局デレデレで甘甘なんですよねw
326 :おるぷち :2012/09/15(土) 19:24
>325 :名無飼育さん
うわ。やらかしてます(汗
よくよく見たら
>321>322同じだし…


↓322の後。323の前に脳内差し込みお願いします。
327 :境界線 :2012/09/15(土) 19:25
はぁ。

ありそうすぎて否定できない。
あっさり、いつものようにかわされそう。
凹むわ。

だけど。
お風呂に入っている間にももから届いたメール。

「ジュースありがと。みーやんだよね?
やっぱ試験勉強に集中したいから
ちょっとの間バイト休むね。
ももちがいないと寂しいだろうけど許してにゃん」
328 :境界線 :2012/09/24(月) 21:05
それから2週間。ももは休んだまま。
お互い毎日シフト入ってた訳じゃないけど
こんなに長い間会わないなんて事なかった。

「ももがいないと静かだね。」

「そう?別にももがいない日なんて今までもあったし。」

「そうだけど、もう2週間も会ってないんだもん。
ちょっと寂しいな〜。みやは寂しくないの?」

「べつに!」

うちが密かに思ってても言えない事
愛理が素直に口に出したから
悔しいような微妙な気分で
つい可愛くない態度をとってしまった。
329 :境界線 :2012/09/24(月) 21:05
だって…ももがいないんだもん。

自分でもビックリする位に気持ちが沈んでる。
今、なにしてんだろう?って試験勉強だろうけど。
ごはん、ちゃんと食べてるかなあー。

「なんか、ごめん」

謝ると愛理はふるふると首を横に振って
ニコッと笑った。

「みやイライラしてるね」

「…ごめん。」

「生理?」

「…違うし」
330 :境界線 :2012/09/24(月) 21:06
天然お嬢様め。
セクハラおやじみたいな事言わないでよ。
ついに、うちのももに対する気持ちに
気付いたかと思ったのに。
心の中でズッコケた。

そんなんしつつも、ふと入口を見たら
丁度お客様が入ってくるところだった。

いけない、仕事しなきゃ。
いつものように、にこやかに。
331 :境界線 :2012/09/24(月) 21:07
「「いらっしゃいませー!」」

声をかけると、そのお客様は凄い勢いで
こっちに向かってきた。

え、なに?

うちが戸惑っていると満面の笑顔で
体当たりバリの勢いで愛理に抱きついた。

「愛理〜〜〜!」

「え?り、りーちゃん!?」

どうやら愛理の友達らしい。
そうゆー事ならと応対は愛理に任せて
他の仕事をしようと奥に向かうと

「ちょっと待って!」

と、腕をとられた。びっくりして振り返ると
美少女のアップだった。
332 :境界線 :2012/09/24(月) 21:08
「ちょ、近いし!」

「あ。ごめんなさい。つい。」

「ど、どうしたの?りーちゃん」

愛理も彼女の行動に戸惑っているみたいだし。
りーちゃんと呼ばれた少女は
本当にビックリするくらいの美少女。

愛理もそうとうな美少女だけど
またタイプが違う、どこか洋風な美少女だった。
こんな子もいるんだなー、と感心しちゃう。

そんな美少女がうちに向かって
にっこりとキレイに笑うから
思わずつられて笑顔を返す。
美少女ってすごい。
333 :境界線 :2012/09/24(月) 21:08
「わたし、菅谷リサコ」

「え、あ〜、うちは夏焼雅」

「雅?カッコいい名前ね!」

「え?そう?ありがとう。」

ずいぶん人懐っこい子だなあ。
キラキラした目で真正面から見つめられると
なんだか居心地が悪い。

どっちかというと人見知りなうちは
ちょっとひいてしまう。
もももズカズカ人に迫ってくるけど
また、なんか違う。
ももだったらなんて言うか、もっと…
334 :境界線 :2012/09/24(月) 21:09
「もう、りーちゃん!席に案内するから!」

「あん、もう愛理…ま、いっか。
オッケー!雅、またね」

「え、あ。うん。」

リサコと名乗った美少女は愛理に連れられて
窓際の席に案内されていった。

ふわふわ揺れる茶色のロングヘアーからは
なんだかイイ匂いがした。
高い香水つけてるんだろうなあ。
ももとは大違い!
335 :境界線 :2012/09/24(月) 21:11
しばらくすると愛理が戻ってきて

「ごめんね、雅。りーちゃんアメリカ帰りで
ちょっとテンション高くって。」

「へえ。アメリカ?旅行にでも行ってたの?」

「ううん。住んでたの。
何年振りかで日本で暮らす事になったって。」

「ええ?帰国子女ってやつ?」

「そう。向こうで知り合って今では親友なの。
1年に1回は会ってたけど凄い久しぶり。」

って、軽く言うけどアメリカだよね。
海外だよね。遠いよね?
愛理ってやっぱお嬢様だなあ。
336 :境界線 :2012/09/24(月) 21:12
「昨日、日本に着いてサプライズで
会いに来たんだって。本当にもうビックリだよ」

そう言いながら愛理はすごく嬉しそうだった。

そんな彼女が帰り際、うちの方に
やっぱり凄い勢いで寄ってきた。

「ねえ雅!」

「え、ああ。菅谷、さん。」

「リサコ!」

「…リサコ」

そう呼ぶとにっこり笑った。
337 :境界線 :2012/09/24(月) 21:12
すごー。なんてゆーか品のある笑み。
お姫様か!って感じ。

「私、まだ日本にお友達いないの。
お友達になってくれる?」

「え、ああ。もちろん。」

「ほんと?嬉しい!じゃあ今は雅仕事中だから
愛理に連絡先聞いちゃっていい?」

「うん、いいよ。」

「やった!じゃあ、またね!バイ!」

「うん。バイバイ」

手を大きく振りながら去っていくリサコを
見送ってると愛理が近付いてきた。
338 :境界線 :2012/09/24(月) 21:13
「みや、リサコの事、良かった?」

「ん?別にいいよ。リサコって積極的だね。」

そう言うと愛理はちょっと困った風に笑った。
どうしたんだろう。

リサコは積極的だけど
うちが仕事中なのを気遣ってくれるようなイイ子だ。
そんな子なら友達になるのに問題なんかない。
そもそも愛理の友達なんだし。

リサコからはその日の内にメールがきた。
可愛らしい絵文字たっぷりのメール。
おつかれさま、とか今日はありがとう、とか。
全部の言葉が素直すぎる位まっすぐでキレイで
自分もリサコの半分でもももに対して
素直になれたらいいのにって思った。
339 :おるぷち :2012/09/24(月) 21:14
本日はここまでです。

新キャラ登場!どう動かそうかな。。。

前回の更新はgdgdすぎて
申し訳ありませんでしたm(__)m
340 :名無飼育さん :2012/09/26(水) 10:40
ここにきて強敵(?)登場ですかー!?
どうなるんでしょ、どきどき!!
てか、桃子はなに考えてるんだろう
341 :名無飼育さん :2012/09/29(土) 22:02
続き気になるー!
342 :境界線 :2012/10/01(月) 21:54
それからリサコは、愛理のバイトに合わせて
よくBuono!にお茶しに来た。

愛理とは違う高校に通う事になったみたいだから
会いにきてるんだろう。
いつも愛理がバイト終わるのを待って
一緒に帰っていく。
どうやら家は近いらしい。

仲いいな。
毎日会えるなんて羨ましい。
リサコと会って10日くらい。
ももはまだバイトに来ない。

寂しい、なあ。
会いたい、なあ。
ももにもう一カ月くらい会ってないよ。
343 :境界線 :2012/10/01(月) 21:55
電話でもいい。
声くらい聞けないかな、
メールならいいかな、
でも邪魔しちゃいけないし。
そんな事ばっか毎日、繰り返し考えてる。

今日もバイトを終えてスマホとにらめっこ。
電話なんかして「どうしたの?」って聞かれたら?

「やっぱ、ももに会えなくて寂しいんだー!」

なんて言われたら恥ずかしくって軽く死ねる。

いや、むしろ聞いた事もない冷たい声で

「なんか用?もも忙しいんだけど」

なーんて邪魔にされたら?
そんなん3日はご飯食べれない。
344 :境界線 :2012/10/01(月) 21:55
いや、そもそも電話出てくれなかったら?
メールして返ってこなかったら?
繋がったとしても電話でもメールでも
やっぱり素直になれないだろうなあ。
なんて、いつも結論出しちゃって
自分で自分が嫌になる。

ほんと弱虫。

だって、こわい。
時間がたてばたつほど自信がなくなってくる。
ふつうに友達なんだから怖がる必要ないんじゃないかって
そう思っても拒絶される気がしてしまう。
今まで、どうやって話してたっけ?
345 :境界線 :2012/10/01(月) 21:56
こわい。

でも、会いたい。声が聞きたい。
少しでもいい。ももを感じたい。
どうしよう。

何回ももものアドレスを呼びだす。
それだけで胸がドキドキ、する。

ああ、そうだ佐紀ちゃんに
試験日を聞けばいいんじゃん!
そう思って佐紀ちゃんのアドレスを
引っ張りだそうとした時
急にスマホが鳴りだして
思わずベッドに落としてしまった。
346 :境界線 :2012/10/01(月) 21:56
だ、だって。これ。この音!
こっそりもも専用で設定した…
しかも、電話だし!!

どどどどどうしよう。
早くとらなきゃ!
一呼吸置いて通話ボタンを押す。
なにげなく、ふつうにって思うのに

「もしもし」

ただ、その4音の声がひっくり返ってしまった。

ああ、やだ。恥ずかしい!
絶対、ももにつっこまれるし!!
347 :境界線 :2012/10/01(月) 21:57
「みーやん?」

だけど、予想と違って耳に飛び込んだのは
もものすんごい優しい声。

どうしたの?って聞きたくなるくらい。
いつものハイテンションとも違う
落ち着いた、大人の声。

「あ、あの。なんか久しぶりでビックリ、しちゃった。」

なぜだか声がひっくり返った
言い訳をするうちって本当に小心者。
電話の向こうから、ふふふ、と笑い声が聞こえる。

「うん、久しぶり。ごめんね?寂しかった?」

「…うん。さみしかった。」

って、スルっとなぜだろう。
言いたくてもずっと言えなかった言葉が出てきた。
そんな自分にビックリして止まってしまう。
348 :境界線 :2012/10/01(月) 21:58
ももが悪い。
だって久しぶりなのに
いつものテンションと違うんだもん。

大人の声なんか出してさ。
なんなの、もう。もものバカ!

心の中で悪態ついてるのに
どこか、ううん。心の中も身体でさえも
なんだかホッとしてる自分がいた。

なんだろう、この感覚。

「ももちも寂しかったよ?」
349 :境界線 :2012/10/01(月) 21:59
沈黙。

なに、これ。
調子狂う。意味分かんない。
なのに身体がカーーっと熱くなる。
黙るうちにももが言葉を続ける。

「あのね?試験終わったんだ。
だから明後日からバイト入れたから…
みーやんも入ってる、よね?」

「え!?」

思わず叫んじゃったうちに、ももが悲鳴を上げる。

「ちょ、声いきなり大きいし!
ももの可愛い耳が痛くなっちゃうじゃ〜ん」

ももの調子がいつもと同じになったのに気付いて
さらに、なんかビックリ。
350 :境界線 :2012/10/01(月) 22:00
ああああああ、自分で自分が訳分かんない!

「は、入ってる!めっちゃ入ってるから!
明日も明後日も!ガンガン働くし!」

「あはははは!なに、それ。みーやんってばおっかしー!」

確かにおかしい。
自分でもそう思うけど今は正常になれそうもない。

「じゃあ、明後日ね?」

「え、うん!またね!待ってるから!」

「うん。待ってて。じゃ、おやすみ。」

「お、おやすみ!!」
351 :境界線 :2012/10/01(月) 22:00
通話終了。

まだ身体中がアツい。
やば、お風呂入ったのに汗かいてるし。

なんか。
なんか。
なんか。

嬉しくて泣けてきた。

ああ、こんなにももに会いたかったンだー。
あとちょっとで!ももに会える!!
嬉しくてどうしよう。
352 :境界線 :2012/10/01(月) 22:01
ももに、よーーーやく、会えるんだ。

てかさ。なんでわざわざ電話くれたの、かな?
ももが案外めんどうくさがりなの、知ってる。
他の子にもわざわざ電話してるとは思えない。
もしかして…もももうちに会いたいって思ってくれてる?

そんで、もしかして、もももうちの事…

そんな都合の良すぎる考え
ブンブンと頭を振って振り落とした。

つもり、だってけど
心のどっかで期待しちゃってる。
353 :境界線 :2012/10/01(月) 22:02
ももにコクってみる?

どうせ気持ちバレちゃってるんだろうし。
今さら、かな。


ドキドキと胸が高まる。
背中は汗でびっしょり。



明後日が待ち遠しい。
354 :おるぷち :2012/10/01(月) 22:05
本日はここまでです。
ひとりでモヤモヤしてる
雅ちゃん書くのが楽しいwww

>340 :名無飼育さん
ももちさんの考えてる事は
作者にも分かりませんwww

>341 :名無飼育さん
ありがとうございます!
まだ続きます。よろしくお願いします★
355 :名無飼育さん :2012/10/09(火) 15:17
ぐわー雅ちゃんかわいい!
もも思わせぶりっ
356 :境界線 :2012/10/09(火) 21:22
「みや、ご機嫌だね。」

「え、あー。うん。ちょっとね。」

Buono!にお茶しに来たリサコに
会った瞬間に言われた。

やっぱうちって単純だなと思う。
今日は自然と顔がにやついちゃってるの
自分でも分かるもん。

357 :境界線 :2012/10/09(火) 21:22
「リサコ、今日は愛理いないよ?」

「うん。知ってるけど来たくなったの。」

ダメ?と言うように小首をかしげるリサコは
本当に可愛らしい。

いいな、美少女の妹キャラって最強じゃない?
それにBuono!自体を気にいってくれたと思うと
なんだか嬉しい。

さっきから周りの男性客がリサコを
チラチラ見てるのが分かる。
ももにじゃなくてリサコに時給渡して
通ってもらったら売上上がるんじゃないだろうか。
そんなアホな事を考えつつもリサコに笑顔を向ける。
358 :境界線 :2012/10/09(火) 21:23
「ダメな訳ないじゃん。嬉しいよ。」

「本当!?えへへー。」

笑顔のリサコ。なんかまぶしいわあ。

「じゃ、注文決まったら呼んでね。」

「うん。ありがと。」

奥に引っ込んでカップとか準備してると
他のバイトが話しかけてきた。

「あの子すっごい美少女だね!」

「だよねえー。」

「この前来た時もさ、愛理が接客してて
2人並んだ時の周りの男性客のそわそわっぷりったら!」

「あー、分かる。」
359 :境界線 :2012/10/09(火) 21:24
「今日も凄かったね!」

「うん、リサコ1人でも破壊力抜群」

「なに言ってるの!雅と2人セットで見られてたんだって」

「へ?うち?」

「もー、自覚ないんだから。
今日は女性客もめっちゃ見てたよ!」

「なんで?」

「なんで?じゃないよ、もう。」

本当に雅は自覚ないんだから…なんてブツブツ言いながら
彼女は奥へ行ってしまった。

何なんだ、いったい。まあ、いっか。
そう思ったところでリサコに呼ばれた。
360 :境界線 :2012/10/09(火) 21:25
「ご注文はお決まりですかー。」

「やぁだ、もう。みや普通にしてよお。」

「だってお店だもん。」

「じゃあ、今度外で会おうよ」

「外で?」

「うん。ショッピング付き合ってほしいの。
みやセンスいいって愛理言ってたし
愛理は流行とか疎いから。」

センスいいと言われて悪い気はしない。
それに今日はすんごく機嫌がいいのだ。

「いいよ、リサコに似合いそうなお店連れてってあげる。」

「ほんと!嬉しい!楽しみにしてる」

本当に嬉しそうにリサコは目をキラキラさせた。
こうゆー子に色々選ぶの楽しそうだなあ。

「で、注文は?」

「あ、えっとね…」
361 :境界線 :2012/10/09(火) 21:25
リサコの注文を聞いて戻ると
さっきのバイト仲間が

「さっきさあ、もも来たよ。」

なんて言うから心臓が跳ね上がった。

「え、ほんと?」

「明日から復帰だから挨拶って。
ちょっと急ぐからってスグ帰っちゃったけど。」

「えー。」

少し待っててくれてもいいじゃん。
試験終わったのになに急ぐの?

もう、もものバカ。
362 :境界線 :2012/10/09(火) 21:26
雅ちゃん、ちょっと拗ねちゃいますよー。
うーん、文句言ってやろ。

休憩時間になるとさっそくももにメール。
なぁんで黙って帰っちゃうの!って。
だけど返信が全然ない。
やっぱまだ忙しかったのかなぁ?
いや、単にいつも通りのめんどうくさがりか。
明日には会えるからいいんだけどさ。

その夜はちょっと寂しく思いつつも
いつの間にか眠ってしまっていた。
363 :おるぷち :2012/10/09(火) 21:28
本日はここまでです。
雅ちゃんが乙女化はげしいですねwww

>355 :名無飼育さん
雅ちゃんがひとりで
キャーキャーしてるのを描くのは楽しいです
364 :名無飼育さん :2012/10/10(水) 09:21
乙女チックみやびちゃん可愛すぎ!
そして梨沙子は絶妙な役どころですね!
続きたのしみにしています。
365 :境界線 :2012/10/15(月) 20:54
翌日はピッカピカの晴れだった。
まるで、うちとももの再会を祝福しているよう!
なーんて!なーんてね!?

そんな風に朝から浮かれてそわそわ、どきどき。
もう何回時間を確認してるんだろう。

そわそわ、そわそわ。ドキドキドキドキ。

もう、ほとんど5分単位で時計を見ちゃってる。

366 :境界線 :2012/10/15(月) 20:55
もも、まだかな。

いつも仕事の15分前には必ず来る。
今日は久し振りだから、
もう少し早めに来る気がする。
まだかな、まだかな。

早くももの顔が見たい。
声が聞きたい。
ちょこっとだけ、触りたい。

て、やらしー意味じゃなくて!
誰に言い訳してるんだって話だけど
自分1人で慌ててしまう。
367 :境界線 :2012/10/15(月) 20:55
「みや、楽しみだね!」

愛理が笑顔で話しかけてくる。

「あ、いや別に。そうでもないけど。」

そう言ったのに愛理にふにゃっと笑われた。


「おはようございま〜す!」

ちょっとだけ懐かしい声がして
全身が電流走ったみたいにビビッとなる。

「ももっ!ひさしぶり!」

「あー、愛理ぃー。会いたかったよ」

なんて抱き合ってる。
368 :境界線 :2012/10/15(月) 20:56
え、なにそれ。うらやましい。
うちもそれしたい。

「も、もも。おはよ。えと、久しぶり?」

「あー、みーやん。久しぶり。元気?」

「う、うん。」

「じゃ、ももち用意してくるね」

ひらりと身体を翻して奥にある更衣室へ向かってしまう。
あれ、なんか。そっけない?
期待しすぎただけ?
愛理には抱きついてたのにって嫉妬か、これは。
やだな、もう。

だけど、なんか。なんか。
369 :境界線 :2012/10/15(月) 20:57
今日のももは本当にそっけなくて
別に無視されるとかじゃないんだけど
いつもは本当に無駄にしつこいっていうか
色々かまってくるっていうか…
スキンシップ大好きって感じなのに。


全然寄ってこないし必要な事しか
話してこないし話しかけてもかわされる感じ。
妙に普通の人みたいだし。

なんなの?
うち、なんかした?
370 :境界線 :2012/10/15(月) 20:57
「ねぇ、愛理。もも、変じゃない?いつもと違うよね。」

こそっと愛理に言うと

「え、ふつーに前みたいにウザいけど?」

可愛い顔して結構酷い事をサラッと言う愛理。
思わず苦笑しちゃうけど、でもやっぱ違うんだよ?

「じゃあ、うちだけにオカシイの?」

「えー?照れてるとか?」

「…ももが?照れるの?まさか!ありえないよ。」

「でも久しぶりだし」

「愛理には普通なんでしょ?それとも休んでる間会ってたの?」

「会ってないよー!私とみやじゃ違うじゃん」

「え、ち、違うって?」

「ももはみやの事、特別でしょ?」

「…」
371 :境界線 :2012/10/15(月) 20:58
ももはみやの事特別?

それってどうゆー意味?
逆じゃないの?

聞きたかったのに愛理はお客さんに
呼ばれて行ってしまった。

ちょ、どうゆー事!
ほんと意味分かんないんだけど!
そんなん言われたら期待しちゃうじゃん。

愛理―――――!!!!!!
372 :境界線 :2012/10/15(月) 20:58
結局そのままの状態で
うちのバイト時間が終わってしまった。
ももはまだまだバイト中。

うー消化不良!
あんなに楽しみにしてたのに物足りないっ!

もものバカー!バタバタ足を踏みならして
スタッフルームで声にならない叫びを上げる。

「み、みや?帰らないの?」

「帰る、けどっ」

一緒にバイトを終えた愛理が不思議顔。
そうだ。そういえば。
373 :境界線 :2012/10/15(月) 20:59
「ねぇ、愛理。ももがうちの事特別ってどうゆー意味?」

「ええ?そのまんまだけど。もしかして隠してるの?」

「隠すって?」

「2人、付き合ってるんでしょ?」

「…は?」

ももと、うちが、付き合ってる?
なんだそれ。どこ情報!?

「あれぇ、違った?」

「ち、違うし!!なんでそうなんの!」

愛理は首をかしげてオカシイナア、なんてつぶやいてるけど
一番オカシイ思ってるのはうちですからっ!
374 :境界線 :2012/10/15(月) 21:00
「だって、雅ここでももにキスしてたでしょ?」

「!!!!!!」

き、き、きすって!
あの、寝てるももに勝手にした、あれ?
たった1回の、あれ?

「な、な、な、な、、、、、」

「見ちゃった♪」

てへ、となぜか愛理が頬を赤らめる。

「あ、あれは、その。なんてゆーか。」

ヤバい、あんな事ももにバレたら…

「それに、ももも雅にしてたし。」

「…え?」


今、なんておっしゃいました?
375 :おるぷち :2012/10/15(月) 21:03
本日はここまでです。
爆弾愛理ちゃん登場www


>364 :名無飼育さん
ありがとーございます!
乙女チックみやびちゃん書いてて
本当楽しいです!!
梨沙子…さてさて?
376 :名無飼育さん :2012/10/15(月) 22:02
毎週更新されるのを楽しみにしてます
雅ちゃんがかわいすぎる!
377 :名無飼育さん :2012/10/15(月) 23:04
うわああ!早くも次の更新が楽しみでしかたない!
ももちゃん!!みやびちゃん!!
可愛すぎるよぉ!
378 :名無飼育さん :2012/10/16(火) 02:55
まじかー!愛理さんナイス情報!
気になるー気になるー!
続きまってます。頑張ってください!
379 :名無飼育さん :2012/10/19(金) 14:54
うわぁぁぁぁぁぁー
あまりの素敵展開に悶えちゃいました!
続きたのしみにしてます
380 :境界線 :2012/10/22(月) 20:38
「お互いしてたから付き合ってるんだなーって。
内緒なら私、誰にも言わないよ?」

結構、口堅いんだからねーなんて
愛理はニコニコ話してる。

いや、まてまてまてまて。

「それ、いつ頃?」

「んー?何回か見たけど。」

「な、なんかいかっ!?」

1回じゃなくて?
ちょ、嘘。ウソでしょ。
どうゆー事?
381 :境界線 :2012/10/22(月) 20:38
やっぱ勘違いじゃなくて、
ももってうちの事、好きなの?ねえ。
てか、愛理に何度も見られるって
まさか他の人にも見られてるんじゃ…

「愛理…あの。うち、ももの事、待ってるから。」

「ん、分かった!じゃあお先に。バイバイ、またね」

「うん、バイバイ」
382 :境界線 :2012/10/22(月) 20:39
ももが、うちにキス。

それってスタッフルームで寝てる時って事だよね。
うち、確かによく寝てるし。
なんで?なんでって好き、だから、だよね?
そうだよね?

ももの気持ちが知りたい。
キスの理由も今日の変な態度の理由も。
ぜんぶ、知りたい。

もものバイト終了まで2時間。
ずっとココにいるのも何だから
コンビニで時間をつぶす事にした。

ここでじっとしてるなんて
ソワソワしちゃって無理。
他のスタッフにも変に思われちゃうだろうし
終わる時間に合わせてまた来よう。
383 :境界線 :2012/10/22(月) 20:40
そう思ったのが間違いだったかもしれない。
そしたら、あんなの見なくて済んだのに。

コンビニでつい立ち読みに夢中になりすぎて
少しだけ予定よりBuono!に
向かうのがおそくなっちゃって。
うちは急いでた。

Buono!のある向かいの道まで来た時
見覚えある声が聞こえて
ももの姿が街灯に照らされてた。

そして、もうひとり。
384 :境界線 :2012/10/22(月) 20:40
見た事ある、キレイな人。

ちょこちょこBuono!に来てるお客さん。

うちらより、ちょっと年上の人。

そう言えば、仲良くももと話してるのを見た事ある。
いつもの馴れ馴れしい接客してるだけと思ってたのに
違ったの?

なんで、あの人がここにいるの?
385 :境界線 :2012/10/22(月) 20:41
「近くまで来たから、そろそろバイト
終わる時間だったなあと思って来ちゃった」

微笑むその人にももが嬉しそうに腕を絡める。

「もものお迎え?わーい!嬉しいなあ。」

「うふふ。会社でプリン頂いたの。家で食べましょ?」

「えー!本当?もも嬉しい!!」

「試験がんばってたから、ご褒美よ」

「ご褒美がもらいものー?」

「なによー、ケチつけるならあ〜げないっ」

「いやぁー!うそうそ。嬉しいですっ。」

キャッキャと笑ってじゃれながら歩く2人を
反対側の道から見てるしか出来なかった。
386 :境界線 :2012/10/22(月) 20:42
ねえ、その人とどうゆー関係?

家でって、もしかして一緒に住んでるの?

それとも彼女の家に入り浸ってる、とか?

なんか…その人には“境界線”引いてないように見えたよ?

ももの全て出してるように見えたのは気のせい?

その人、ももの恋人、なの?
じゃあ、なんで寝てるうちにキス、したの?

ねえ。なんで?
もも、なんでよ?
387 :おるぷち :2012/10/22(月) 20:47
ちょっといつもよりも短いですが
本日はここまでです。

>376 :名無飼育さん
更新スパン把握してくれてるんですねえ!
ありがとうございます!!

377 :名無飼育さん
とりあえず、こんな展開となっております。
いかがでしょうか?
この2人書きだして思いのほか楽しい!

>378 :名無飼育さん
愛理さんはなにげにキーポイントでした^^
みやびちゃんの気持ちに気付いてないどころか…
ってゆーね。w

>379 :名無飼育さん
素敵展開!っその言い方イイですね〜。

いつもよりコメント多くて嬉しいです。
ありがとうございます。
やる気↑↑↑↑↑↑です
388 :名無飼育さん :2012/10/22(月) 20:53
そろそろかなと思って見たら来てたーーー!!!
いつもすごく楽しみにしてます。
年上の人って一体誰なのか気になりすぎる!
389 :名無飼育さん :2012/10/22(月) 20:59
うああ!
新展開!ドキドキしつつ次回更新を待ちます!
390 :名無飼育さん :2012/10/22(月) 21:10
毎週定期更新されて嬉しい反面、読み終った後の毎週焦らされる感じに悶々とするw
今週もどきどきしました!次回も楽しみ!
391 :名無飼育さん :2012/10/23(火) 23:21
うー続きが気になってしょうがない!
ももち、どーゆーこと!?
雅ちゃんがんばれー!
392 :名無飼育さん :2012/10/24(水) 02:19
おっ、もしかして春先に出ていたアノ人の再登場かな!?
悶々しつつ焦らされつつ、来週を楽しみにしてます。
393 :境界線 :2012/10/29(月) 20:58
「で、Buono!サボり?」

「…ちゃんと連絡はしたもん。」

やっぱり今日も佐紀ちゃんにグチグチ。
泣き腫らした真っ赤な目とむくんだ顔じゃ
接客なんてできる訳もなく。

眼鏡とマスクで顔隠して
コンビニでバイト中の佐紀ちゃんに会いに行った。
佐紀ちゃんはうちを見るとギョッとした顔して

「それ、やりすぎ…変質者か花粉症か芸能人だよ」
と、一瞬で呆れられた。
394 :境界線 :2012/10/29(月) 20:58
バイトが終わるのを待って
佐紀ちゃんのアパートへ。

突然来たのに佐紀ちゃんの
部屋はいつだってキレイに整頓されてる。
服とかファッション誌が散らばるうちの部屋とは大違いだ。
佐紀ちゃんは冷蔵庫からジュースを出してくれる。
うちはテーブルの側のクッションを抱っこして待つ。

はぁ、なんか落ち着く。

「で、なにがあったの?」

「あのね…」
395 :境界線 :2012/10/29(月) 20:59
佐紀ちゃんには今まで何回も何回も
こうして話を聞いてもらってる。
恋愛話だけじゃなく、もうなにもかも。
うんうん、と聞いてくれる存在は本当にありがたい。
やさしいし、しっかりしてるし性格まともだし。
なんで、うちは佐紀ちゃんじゃなくて
ももなんかを好きなんだろう。
そう呟くとコツン、と軽く頭を叩かれた。

「なっちゃんって本当におばかさんだよね。」

「なによぅ。」

「もも勉強とバイトで忙しいし恋人なんている訳ないじゃん。」

「そ、そんなの、分かんないじゃん!」
396 :境界線 :2012/10/29(月) 21:00
「ももが今どこで暮らしてるか知ってるよね?」

「え、どこって…」

頭の中の記憶をぐるぐるぐるぐるかき回す。

「あ!!!」

そうだ、ももは親戚の家に居候してるって…

「思い出した?」

「うん。」

て、事は。昨日のあの人は…

「たぶん、いとこの梨華さんだね。
ちなみに他のご家族も一緒に住んでます。」

て、事は。て、事は。

「なっちゃんの勘違い&空回り」

「うそーーーーーーーーー!」
397 :境界線 :2012/10/29(月) 21:01
うち、自分の事バカだとは知ってたけど
こんなにバカだったとは知らなかったョ。

じゃあ、昨日から今の今までの悲しみは
ぜーんぶ無駄。意味なかったって事!?

「ウンウン、そんなトコもなっちゃんらしいよ。」

佐紀ちゃんは慰めにもならない慰めをくれた。
はぁ〜〜〜。
ため息を深くついたけど。て、事はよ?

「だったらさあ。その、愛理から聞いた
ももからのキスってうちの事…」

「そりゃ、そうだろうね」

「だよね?そうだよね?」
398 :境界線 :2012/10/29(月) 21:01
「いくらももでも寝てる子にすんのはね。
起きてる子にふざけてならありそうだけど。」

「それはそれで嫌」

「そりゃそうだけど、ももだから。」

「…でもさぁ。だったら昨日の変な態度なんなのかなー?
本当に変だったんだよ?よそよそしいってゆーか。
そういや、メールの返信もくれなかったしさあ!
バイト復帰の話は向こうからわざわざ電話くれたのに!」

「そんな事、私に聞かれても」

「えー!佐紀ちゃん何か知らないの?」

「知る訳ないじゃん。」

「じゃあ!ももの試験ってなんなの?」

「え!し、しけん?」

え、何。
399 :境界線 :2012/10/29(月) 21:02
佐紀ちゃんの目が分かりやすく泳いでる。
なんでそんなに動揺してるの?
なんとなく、ふと思いついた質問だったのに
佐紀ちゃんのこの態度って。

「佐紀ちゃん?」

「えー、いや、私も詳しくは、、、」

「うそだ!」

「いや、私から言う訳にはさあ。やっぱ人の事だし。」

「ももがまともに応えてくれる訳ないじゃん!」

「…そうだろうけど。」

「お願い!佐紀ちゃん!」

「えぇぇぇ〜〜〜」
400 :境界線 :2012/10/29(月) 21:03
佐紀ちゃんは心底困った顔。

でも、ここで答えを聞かない訳にはいかない。
そう野生の勘、いや…女の勘がそう言ってるんだから。

しつこく、しつこく聞いてたら
ついに佐紀ちゃんが諦めてくれた。

机の引き出しから1枚の紙を取り出して
目の前のテーブルに置いた。

“ニュージーランド留学選考試験”

留学?

401 :境界線 :2012/10/29(月) 21:04
「1年間の留学ができる生徒を選考する試験だったんだよ。
まだ結果は出てないけど…多分ももは合格するよ。」

「う、、、そ。」

佐紀ちゃんは悲しそうな目で
ふるふると首を横にふった。

「ももね、通訳になりたいんだって。
だから、海外でちゃんと英語を身につけたいんだって」

「じゃ、じゃあ。留学しちゃったら
1年も会えないの?」

「そう、だね。」

「そんなの嫌」
402 :境界線 :2012/10/29(月) 21:05
だって試験で一カ月くらい会えなかっただけで
寂しくて寂しくて仕方なかったんだよ?
なのに1年なんて気が遠くなるよ。

「ももが、なっちゃんの事好きなら
ももも悩んでるんじゃない?」

「え」

「なっちゃん寂しがりなの分かってるだろうし。
なっちゃんの気持ちも分かってるだろうし。
ももが気持ち言ったら付き合えるけど
辛い思いさせちゃうじゃん。
案外いろいろ考えちゃうからさ、あの子も。」
403 :境界線 :2012/10/29(月) 21:05
「ももが悩んでる?うちの事で?」

「いや分かんないけど。私がももの立場ならね。
このままの関係の方がいいかなって」

「…このままの方がいい?」

どうだろう?
うちは、その方がいい?

どうせ離れちゃうんだし
確かに付き合っても辛いだろうけど

でも、このままでも十分辛いよ。
404 :おるぷち :2012/10/29(月) 21:12
本日はここまでです。
一難去ってまた一難(ちょっと違う)

ベリの皆さんブログ始めたんでウキウキです^^
が、良く見たらももちだけないっ!
どうゆーことですかっ


>388 :名無飼育さん
年上の人はこの人でしたー!
そんな風に更新待たれたら嬉し過ぎます。
ありがとうございます。

>389 :名無飼育さん
さらに新展開ですw
また次回お楽しみにー

>390 :名無飼育さん
なんとか定期更新心がけてます。
さて、今回の更新も悶々としちゃうでしょうか。

>391 :名無飼育さん
うんうん、ここからが
雅ちゃんの頑張り時でございます。

>392 :名無飼育さん
お、すごい!良く分かりましたね。
春先に頭の片隅にこのネタいつか書こうと
メモしてました。
405 :名無飼育さん :2012/10/29(月) 21:29
今日も来てたーー!
毎週月曜日が楽しみです!
406 :名無飼育さん :2012/10/29(月) 21:58
この急展開は予想できなかった!途端に切ないお話になってきて・・・どーなっちゃうのみやもも。
今週は長めの更新ありがとうございます。
407 :名無飼育さん :2012/11/01(木) 14:36
おわ!そうきましたか!!
雅ちゃんがんばれーーーーー
408 :境界線 :2012/11/05(月) 21:22
だったら、だったら。

「うちは、ももの事逃がさない!」

「へ?なっちゃん?」

「ありがとう、佐紀ちゃん!」

うちは佐紀ちゃんのアパートを飛び出した。
ももは、まだBuono!でバイト中なはず。
超特急で走って(実際走ったのは主に電車だけど)
ももに向かった。

「もも!!」

Buono!のドアを勢いよく開けると
ちょうど目の前にももがいた。
409 :境界線 :2012/11/05(月) 21:23
突然現れたうちに目を大きくしてビックリしてるもも。

「え?え?みーやん?ど、どうしたの?今日休むって…」

「ちょっと話!あるんだけど!!」

「えぇ?なぁにー、ももバイト中なんだけどぉ」

「待ってるから!」

「いやぁーん、なんかこわぁい。」

ももがクネクネふざけるけど、こんな時にかまってらんない。
バイト仲間がなにごとかとうちらを
見てるのも分かるけど全力で無視。
普段のうちなら恥ずかしくて
こんな事、絶対できないけど。


今はしなきゃいけない時なんだ。
410 :境界線 :2012/11/05(月) 21:23
そのまんまの勢いでスタッフルームへ行くと
バイトを終えたらしい愛理がいた。

「あれ?みや元気そうだね。
体調不良で休みじゃなかったの?」

「…もう治った。」

「そっかあ、良かったねえ。
んーーーと。ももに会いに来たの?」

「あ、うん。昨日は…会えなくて」

「そっかぁ〜。」

なんか、愛理と話してたら
そのふわふわトーンで落ち着いてきた。
勢いだけでここまで来たけどどうしよう。
話するにしてもここじゃ
いつ誰が来るか分かんないし。
411 :境界線 :2012/11/05(月) 21:24
「みや?どうかしたの?」

「え、いや。ももと2人で話すの
どこがいいかな、なんて。」

「ホテルとか?」

「はぁ!?」

な、な、な、なに、イキナリっ!このお嬢様は!!
な、な、なんちゅー大胆な事を。
こんな純情そうなっ!おしとやかそうな顔して!

「え?私なにかおかしな事言った?
だって、大事な話する時はホテルで
会食するものって決まってるでしょ?」

「え、あ。そうゆー意味」

さすがお嬢様は違うなあ。
とっさに自分が思い浮かべたホテルとは違うよね。
うう、恥ずかしすぎる。
412 :境界線 :2012/11/05(月) 21:25
「でもね、愛理。うちらみたいな若者に
そんなお金はないからね?」

「え、あ。そっか。ごめんなさい。
変な事言っちゃった。」

「いや、いいけど。はは。」

まじでどうするかなあ。
ファミレス、はないなあ。
カラオケ、、、騒がしいし。
…まぁ、いっか。

ももが終わるのはあと1時間後。
23時。
今日はコンビニには行かない。
413 :境界線 :2012/11/05(月) 21:25
「おつかれさまでぇーす。」

ももの声!ガタン、と椅子から立つと

「ほんとに待ってたんだ。」

なんか不思議そうに言われる。

「あたりまえでしょ!」

「…変なみーやん。なんで怒ってるの?」

「怒ってないし!早く着替えてきてよ。」

「はいはい。もー、勝手なんだから」

ももにだけは言われたくないようなセリフを
吐きながら更衣室へ向かって行ったから
正直ホッとした。
414 :境界線 :2012/11/05(月) 21:26
ももの事だからなんだかんだで逃げちゃいそうだもんね。
だけど、ちゃんと話聞いてくれる気あるみたい。

「で、話ってなぁに。」

「…ここじゃちょっと。どっか2人で話せるとこ知らない?」

「えぇー、2人きりでナニすんのぉ?
みーやんのエッチぃ」

「ちょ、バカっ!そ、そうゆーのいいから!」

「なんだよ、もう。ちょっと場を和ませようとしたのに」

ぷぅ、と頬をふくらますもも。
良かった、いつものおバカなももだ。
昨日避けられてたっぽいから…
これでも気にしてんだからね。
分かってるの、もものバカ!

「みーやん、ももの事バカって言った?」

「…」

なんでそこだけ伝わるのよ。
415 :境界線 :2012/11/05(月) 21:27
すっかり暗い道をももと2人で歩く。
なんか変な感じ。

よく考えたら本当に2人っきりになんて
なったことないんだよなあ。

うぅ、緊張してきた、かも。

「みーやん?こっちだよ。」

「え、あ、うん。」


向かう先はももの家…の近所の公園。
ももの居候先はBuono!から徒歩10分程度。
なんて事も今日知った。
416 :境界線 :2012/11/05(月) 21:28
「大学までの定期だけで済むし
バイト終わった後、万が一でも
終電逃すとかって心配ないでしょ?」

ももは何故か威張って言った。
まぁ確かに賢いバイトの選び方かもしんない。
そういや皆でバイト後に遊ぶって時も
全然もも来なかったもんなあ。
そんなにお金ないのかな。
あ、留学の為に貯めてるのか。

「みーやん?何ボーッとしてんのぉ?」

「え、いや何でもない」

「変なの。大体さぁ…あ、公園ここ。」
417 :境界線 :2012/11/05(月) 21:28
そこは結構広いキレイな公園だった。
ベンチもあるし遊具も木々もたくさんで
昼間は子どもがいっぱい来るんだろうなあって
予想がついた。

「さすがにこの時間じゃ誰もいないね。」

ももはそう言って中が空洞になっているらしい
テントウムシ型の遊具の方に小走りで近付いて行った。

「ここね、良く梨華お姉ちゃんが小さい頃
幼馴染の美貴ちゃんと遊んでたんだって。
最近もなにかとご利用みたいだけどー。」

意味深に笑ってテントウムシにもたれた。
418 :おるぷち :2012/11/05(月) 21:33
本日はここまでです。
みやもも編はもうちょっと、ですね。

>405 :名無飼育さん
お待たせしました。
今週も月曜日更新させてもらいました!

>406 :名無飼育さん
ももの試験ってゆー微妙すぎる(?)伏線でした。
しかし佐紀ちゃんいなかったら、
まだ誤解したまんまだったでしょうね。

>407 :名無飼育さん
そんでもって雅ちゃんはこうきましたー!
どうでしょうか。
419 :名無飼育さん :2012/11/05(月) 22:38
来てたーーー!
続きが楽しみすぎます!
420 :名無飼育さん :2012/11/06(火) 04:55
もしや、その公園、ですね。
次回も楽しみです。
421 :境界線 :2012/11/12(月) 21:23
うちは、ももと向かい合う形で
ちょっと離れた位置で立ち止まる。
そんなうちを見て、ももはちょっと不満そうな顔。
なんでそんな顔すんの?

「みーやん、昨日バイト終わりのももの事見てたでしょ。」

予想外の先制パンチをしてきた。

「な、なんでそれを」

「そっちから見える事はこっちからも見えるんだよ。」

ぐ、と言葉に詰まる。

「一緒に居たの、いとこの梨華お姉ちゃんだって
佐紀ちゃんに聞いたんだ?」

「そうだよ。だから来た」
422 :境界線 :2012/11/12(月) 21:24
昨日うちに気付いてたんなら
なんか声かけてくれたっていいじゃん。
それって…うちに、誤解させたかったって事でしょ。
そのまんま誤解したまま、
ただのバイト仲間で終わらせるつもりだったって事でしょ。

だったら今日うちが来た時
すぐに誤解とけたんだって分かったって事だよね。
じゃあ、なんで今ここにいてくれるの?
誤解だって分かったうちをどうするの。

それでも何も言わずになにも変えずに
行っちゃう手段がもうあるっていうの?
そこまで考えてるの?
423 :境界線 :2012/11/12(月) 21:25
「そんな泣きそうな顔しないでよ。」

「するよ!もぅ分かってるんでしょ?うちの気持ち」

「…ももの気持ちも分かってるんでしょ?」

じぃっと真っ直ぐな目でうちを見つめてくるもも。
分かってる、分かってるよ。
多分だけど分かってると思うよ。

「留学するって…」

「そうだよ。だから、このままのがいいんだよ。
ね、みーやん。何も言わないで。」

「だったら何で今、話聞いてくれようとしたの?」
424 :境界線 :2012/11/12(月) 21:25
うちが話あるって言ったって
いつものももなら、どうとでも誤魔化して逃げちゃうじゃん。
逃げれたはずじゃん。

“何も言わないで”なんて
都合のいい言葉を投げつければ
うちの言葉を封じて逃げれるなんて思ってるんだね。

ももは、うちの視線から逃れるように顔をそむけて
困ったような顔で小さく笑った。

「なんで、かなあ」

呟いた声が聞こえた。
425 :境界線 :2012/11/12(月) 21:26
ねぇ、もも。

もものそんな顔初めて見た。

いつも余裕顔で人をからかってばっかなのに。
そんな顔うちの為にしてくれるんなら、うちは。
絶対に物分かりのイイ女になんてならない。

こどものままで結構!
426 :境界線 :2012/11/12(月) 21:27
「絶対に逃がさないよ。」

「え?みーやん?」

ツカツカとももに近付いて腕をとる。

「え、ちょ、いたっ」

ちょっと背の低いももを、うちの腕の中に閉じ込める。

「み、みーやん?」

「寝てる時だけなんてお互い卑怯だよね?」

「え…?」

戸惑うももに自分の唇を押しつけた。
やわらかい唇。

やっぱ寝てるももにも頬じゃなくて唇にしてやれば良かった。
そういや、ももは寝てるうちのどこに口づけたんだろう?
427 :境界線 :2012/11/12(月) 21:28
たぶん10秒とか、
もしかして5秒もなかったかもしんないけど

唇を離してももを見たら…
街灯だけでも分かるくらいに真っ赤になってた。

え、ちょっと。
予想外の表情に思わず頬がゆるむ。

「な、なんで笑ってるの…」

「だって真っ赤!もも、やっぱうちの事好きだよね」

「な、な、なにゆって…
だっ、大体ねえ、みーやん、な、慣れてるでしょ」

「キスくらい、イマドキ中学生でも…え、もも?まさか…」

「も、ももはっ!みんなのアイドル店員だから
そうゆー事しないの!」

「は?ナニ言って…店員って大学生からじゃん」
428 :境界線 :2012/11/12(月) 21:29
ちょ、なんで涙目になってんの。
更に真っ赤って、、、え、え、えー?
なに、この可愛い人!

「せ、せっかく、ももがっ。
知らないふりで離れようとしてんのに。
みーやんはバカだ。ほんと、バカなんだから」

「そーだよ。うちはバカだから先の事なんて考えないの。
うちのしたいようにする。大体ねぇ」

「な、なに。」

完全に腰が引けてるももがめっちゃ面白くて
めっちゃ可愛い。ヤバい、うちのS心が。

「恋愛なんて頭でするもんじゃないんだよ?」

にやりと笑って逃げるももをグイと引っ張る。
429 :境界線 :2012/11/12(月) 21:30
「まじで逃がさないから。」

そう言って今度はもっとしっかり口付けてやった。

「んーーー!!!!」

抵抗するももに無駄だと言わんばかりに
ぐいと舌をねじ込んで口内をかきまわす。
一気におとなしくなったもも。
チロっとうすーく目を開けたら
ももの目はまん丸全開。
どうやらフリーズしたらしい。

意外だ。
ももがこんな恋愛初心者だったとは。
あんなに大人だと思ってたのに。

どうしよう、年上の彼女なのに
可愛くて仕方ない。
430 :境界線 :2012/11/12(月) 21:31
満たされた気持ちで離れると
ももは泣きそうな顔をした。

「ほんと、みーやんってバカ。」

「バカで結構。それでももが手に入るんならね。」

「後悔したって知らないんだから。」

「しないよ、絶対」

「みーやんが悪いんだからね。せっかく
ももが築いた境界線乗り越えてきちゃって。
ほんと、し、知らない、ん、だから。」

ぽろり、涙が落ちたと思ったら
ダーッと号泣してしまった。
431 :境界線 :2012/11/12(月) 21:32
「え、ちょ、泣かないでよ〜。」

「泣くよ、バカッ!」

「ちょ、バカバカ言いすぎ。」

「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

そんなももを抱きしめる。
ももってこんな小さかったっけ。
なんか凄い愛おしく感じた。
432 :境界線 :2012/11/12(月) 21:33
しばらくたって気まずそうにももが
うちから離れた。
ちょっと残念だけど恥ずかしそうなももが
新鮮だから、まあ。いっか。

「もも。」

「…なに。」

「うちの事、好き?」

あ、思いっきり苦い顔した。

「それ、逆じゃないの?みーやんが言うべきでしょ」

「うちは態度で十分示したと思うけど…
もう一回する?」

ブンブンブンブンと顔を凄い勢いで横に振る。
そんなに嫌がらなくても。
433 :おるぷち :2012/11/12(月) 21:36



本日はここまでです。
HEY×3見てたら、いつもより更新遅くなりましたw


>419 :名無飼育さん
なんだか楽しみにしてもらってるみたいで
ありがとうございます!
嬉しいです!!

>420 :名無飼育さん
その公園です。
作者の貧相な頭では
他に妥当な場所が思いつかないのもありますw
434 :名無飼育さん :2012/11/12(月) 22:19
今週もありがとうございました!
今までの中で1番ドキドキきゅんきゅんした!
435 :名無飼育さん :2012/11/13(火) 00:57
あんなに奥手に見えたみやびちゃんがイケメンでキュンキュンしました
桃子が可愛くてみやびちゃんが羨ましい
しあわせものめっ
小説面白いです。
436 :名無飼育さん :2012/11/14(水) 15:32
ももカワイイーーーー!
まさか、こんな展開になるとは!
やる時はやるんだね、雅ちゃん。
すばらしい!
437 :名無飼育さん :2012/11/14(水) 22:19
今週も更新有難うございます!
キュンキュンしちゃいました!
438 :名無し飼育さん :2012/11/14(水) 23:26
おおぉ!みやもも最高!!
みやびちゃん結構大胆にいきますねw
照れてるももち萌え〜w
439 :境界線 :2012/11/19(月) 23:16
「ねぇ、もも。聞かせてよ」

ももの両手をうちの両手で
ふんわり握る。
今日は可愛いももイッパイ見れたけど
それでも、うちは聞かないと不安だよ。
だって、なかった事にされそうじゃん。

ももは、あ〜〜とか、う〜〜とか繰り返した後
諦めたようにボソッと

「みーやんが、好き、だよ。」

ようやく言葉をくれた。

うちは嬉しくて嬉しくてもう天にも舞い上がる気持ち。
440 :境界線 :2012/11/19(月) 23:17
「もぅやだ。」

眉を下げて頬に両手を添えたポーズで
ももは“イヤイヤ”をするように
身体を横に振っている。

ええ!?告白の後に“やだ”ってなに!
驚いて思わず手に力が入る。

ももは自然な上目遣いで

「みーやんはタラシだから、もも苦労しそうだもん。」

「は?タラシ?」

「自覚ないとこがほんと嫌」

「な、なにが!」
441 :境界線 :2012/11/19(月) 23:17
「この前Buono!で他の子とデートの約束してたし。」

「はぁ?デート!?そんなんしてないし」

「してたよ、超美少女と!!」

超美少女なんて言葉があてはまるのって
まさかリサコの事?
なんでリサコの事知ってるの?
リサコがBuono!に来るようになったの
ももの試験期間中で会った事ないはずじゃん。

ん?まてよ。そういえば…
もものバイト復帰の前日Buono!に来たって。

「あの日うちのメール無視したのとか
次の日よそよそしかったのって…」

ももが頬を膨らませてうちを睨む。
442 :境界線 :2012/11/19(月) 23:18
「ちょ、それこそ誤解だって。
愛理の友達でうちとも友達になりたいって。
なんか日本きたばっかで…ちょ、もも」

じとーっとした目で見るのやめてくんない?

「知らない!!」

「ええ!?今そんな事で怒らなくても〜」

「その子だけじゃないよ。しょっちゅうお客さんに
なんかプレゼントとか貰ってるし」

「そ、そんなしょっちゅうじゃないし!」

確かにたまに常連のお客さんから
お土産とかなんか分かんないけどいつものお礼とかって
ちょっとしたもの貰ったりするけど。
443 :境界線 :2012/11/19(月) 23:18
「みーやんは自分がモテるって自覚がなさすぎる」

「えぇー?コクられた事なんてほとんどないよ?」

「なくてもモテてるの!」

「うちが好きなの誰か分かってるでしょ!?」

「…モテる人が恋人なんて絶対苦労するから
もも嫌なのに。勉強集中できなくなったら
どうしてくれんのー」

「じゃ、留学止めて見張ってなよ」

そうだよ、イイ考え!やめて日本にいたらいいじゃん。
にっこり笑ったらにっこり笑いかえされたけど
出てきたセリフは

「やめない!」

そーんなぁぁあ。
444 :境界線 :2012/11/19(月) 23:19
「心配だけど。佐紀ちゃんと愛理に見張ってもらう。」

「えっ。いや、じゃあ。うちがニュージーランド
付いてくってのは?」

そうだよ、どうせフリーターだし暇はあるんだから。
だけど、ももの目は完全にうちをバカにしてた。

「みーやん。向こうでの生活費どうすんの?
そんなに貯金あるの?」

自慢じゃないがバイト代はほとんど
遊びや服やメイクに使っちゃってる。
445 :境界線 :2012/11/19(月) 23:22
「え、あ。向こうで働くとか!」

「英語話せないのに?」

う、、、自慢じゃないけど英語は2以上とった事ない。
それも10段階で。

「もーもー。」

ふぅ、とため息をつかれた。
これじゃさっきまでと立場逆転。
いつもの2人の関係じゃん。
すっかり、もものペース。
446 :境界線 :2012/11/19(月) 23:23
「おとなしく、ももの帰り待ってて。
浮気したら絶交だからね」

「ぷ、絶交って…恋人なのに?」

「もー!みーやんバカの癖にうるさぁい」

「バカの癖にってなによぉ」

それからも、ももはキャンキャンと
なんか吠えてたけど、そんな彼女が可愛くて仕方ない。

やば。
うち、こんなキャラだっけ?
こんなデレデレするタイプじゃないはずなんだけどなあ。
447 :境界線 :2012/11/19(月) 23:24
「あ、みーやん。そういや終電もうないよ?」

「げ…」


居候のももの家に急に泊めてもらう訳にもいかず
自転車を借りて1時間かけて
家に帰る事になってしまった。

だけど心はウキウキで鼻歌なんて歌って
うちは絶好調。
448 :境界線 :2012/11/19(月) 23:24
だってももが。
あのももが!うちの恋人になったんだよ。

今まで取り乱したとこなんて見た事なくて
余裕で人の事ヒラヒラかわしてたのに
実はあんなに恋愛に疎くて
なんかヤキモチ焼きだし。

今夜のももを思い出すだけでニヤニヤが止まらない。

可愛いもも。
絶対逃がさないんだから!

と、思ったんだけど。
449 :境界線 :2012/11/19(月) 23:25
時差は3時間だから
みーやんがバイト終わって家に着いたら
10時くらいでしょ。
それ位ならもも起きてるから
これで顔見ながらお話しよーね♪

とカメラとかパソコンに色々付属品を
取り付けさせられた。

佐紀ちゃんや愛理にもしっかり
うちの事“お願い”したとか言ってるし。

なんか…うちの方が…
なんか…ねぇ。
450 :境界線 :2012/11/19(月) 23:25
まぁ、でも。

うちは大人しく黙って待ってるような女じゃないし
お金貯めてすぐにでも会いに行くんだから。
そんな計画もちろん内緒。

もも!待ってろよ!!
451 :おるぷち :2012/11/19(月) 23:32
ふう。ぎりぎり月曜更新間に合いました。

そして。これにて
「街」episode4境界線
終了です。

今まででこのepisodeが一番コメント多く頂きまして
本当にありがとうございます。

次は多分あんまウケないと思いますが(苦笑)
自己満足でアップする予定です。
よろしければお付き合いくださいませ。

>434 :名無飼育さん :2012/11/12(月) 22:19
ドキドキきゅんきゅんしてもらえて嬉しいです!
雅ちゃんが頑張ったかいありました!

>435 :名無飼育さん
そうですね。急にイケメンに変身しましたw
なにかスイッチが入ったのでしょう。
まぁ、もものせいです。

>436 :名無飼育さん
珍しいももですよね。
自分で書きながらニヤニヤしてました(キモ

>437 :名無飼育さん
キュンキュンありがとうございます!
1キュンキュンGETごとに作者の意欲も高まりますw

>438 :名無し飼育さん
なんだかんだ「いつもの2人」に戻る訳ですが
たまには確変もするみたいですw
452 :名無飼育さん :2012/11/20(火) 00:02
境界線完結おめでとうございます。
ここきっかけでその他のepisodeも遡らせていただきました。
次回も期待しています!

みやもも最高♪
453 :名無飼育さん :2012/11/20(火) 08:19
完結おめでとうございます。
境界線の更新が毎週月曜日の楽しみでしたw

結局いつもの調子のみやももが可愛い!
またいつかふたりのその後が垣間見れたら嬉しいな!
454 :名無飼育さん :2012/11/21(水) 23:44
更新待ってました!
やっぱりみやももいですねぇ♪

可愛いし癒されます!
次回も楽しみにまってますねっ!!
455 :きみの居場所 :2012/11/26(月) 22:40
「街」episode5


「きみの居場所」
456 :きみの居場所 :2012/11/26(月) 22:40
流れる“時”は積み重なって
徐々に形を変えていく。

“時”が解決してくれる事もある。
忘れていくなにかもある。

忘れられないなにかもある。


だけど、ううん。だから大丈夫。
帰っておいで。
待ってるから。
457 :きみの居場所 :2012/11/26(月) 22:41
PiPiPiPiPi

AM6:30
聞きなれたアラーム音でカオリは今日も目覚める。

「んぅ…あれ、ソファ…」

どうやら、またボーッとしたまま
ソファで寝ちゃったらしい。

これ言ったらまた圭ちゃんや矢口に怒られちゃうなあ。
まーた交信ばっかしてって。
怒りながら呆れつつ“風邪ひくよ”なんて
心配までしてくれる友人の顔を
思い浮かべると笑えてくる。


朝ごはんを食べて身だしなみを整えると
いつもの時間。
今日も正確に時は流れている。

458 :きみの居場所 :2012/11/26(月) 22:41
AM8:15

「おはようございます。」

社内にはすでに何人もの人間がいて
各々あいさつを返してくれる。

「石川ー、資料は?」

声をかけると石川が素早く駆け寄ってきて
頼んでおいた図書館の本を並べる。

「うん、揃ってるね。」

「はい!もちろんですよぉ」

にっこりとほほ笑む。
ちょっとドヤ顔。
459 :きみの居場所 :2012/11/26(月) 22:42
この会社はカバン屋さんで
カオリはデザインのお仕事をしている。
石川に用意してもらった資料を眺めて
インスピレーションを湧かせる。

ああ、風のようなカバンを作りたい。
そうだ、鳥になるのもイイ。

そんな風にデザインするのは
カオリ的にはふつうなんだけど
周りから見るとオカシイらしい。
意味、分かんない。
460 :きみの居場所 :2012/11/26(月) 22:42
正午

いつものように食堂でランチ。
魚介類のスープパスタにして
テーブルに向かうと
すでに席は埋まりかけていた。

「どうしよっかな。」

見渡すと石川の向かい側が空いてるのに気付く。

「あそこでいっか。」

なんかダークな空気が流れてるけど。

「石川、ここいい?」

「あ、飯田主任。どうぞ。」

目の前で見るとダークな空気が
一層濃く見えた。黒い。黒過ぎる。

「酷いんですよ、ひとみちゃんたら
なんか今日は用事あるんですって。
でも、その用事、教えてくれないんです。」

グズグズ言いながら目の前の
魚の身をグズグズほじってる。
ああ、お魚さんが可哀そう。
461 :きみの居場所 :2012/11/26(月) 22:43
石川の恋人の「ひとみちゃん」は
そりゃもうモテル人らしい。
心配なのは分かるけどお魚さんに罪はない。

お魚さんが可哀そうでカオリは
お魚さんがハッピーなカバンをデザインした。
午後中かけてデザインしたそれは
自分でも満足いく出来となった。
だから、許してやってね。お魚さん。
462 :きみの居場所 :2012/11/26(月) 22:43
PM5:30

今日はいいデザインを仕上げれたから
定時にタイムカードを押す。
そうゆー意味では石川に感謝かもしれない。


電車に揺られ夕陽を眺める。
いつもより大きくて赤いそれは
なんだかあったかそうに見えた。
懐かしいあの子の笑顔に良く似ている。
そんな気がした。

463 :きみの居場所 :2012/11/26(月) 22:44
なんとなく。
今日はいい日な気がする。
懐かしい匂いをかぎたくなって
自宅の最寄り駅ひとつ手前で降りる。

カツカツ鳴る自分のヒールの音が好き。
風に揺れる自分のロングヘアーも好き。
この街のどこか昭和の匂いのする風景も
何度も通っている、この店の全ても。
464 :きみの居場所 :2012/11/26(月) 22:44
カランカラン。

スナックの癖に古い喫茶店のようなドアベルが鳴る。
カウンターの奥でチーズを齧ってた圭ちゃんと目が合った。

「あら、カオリ。今日は来る気がしたわよ。」

「うん、カオリも今日は来る気がしてた。」

そう、朝一番のあの瞬間に。

カランカラン。
ドアの側に立ったままだったカオリの腰に
なにかがぶつかる。
まぁその小ささから答えは分かってるんだけど。

「なんだよ、カオリ。こんなトコで立ったまま交信すんなぁ!」

してないんだけどなあ。
465 :おるぷち :2012/11/26(月) 22:49
本日はここまでです。
新しいepisodeは出演者書いて無いですが
娘。OGがいっぱいって感じです。
主役と言うか語り手は飯田さんです。


>452 :名無飼育さん
他も読んでくれたんですか!!
ありがとうございます。

>453 :名無飼育さん
そうですね。みやもも含め
前に書いた人たちのその後もちょろっと
書けたらなあとは思ってます。

>454 :名無飼育さん
そうですね。みやもも書いていても
とても楽しかったです。
466 :名無飼育さん :2012/11/27(火) 10:55
今度はお姉さん組の話ですか!
いしよしの「その後」も分かるんでしょうか?
楽しみです
467 :名無飼育さん :2012/11/30(金) 18:20
また懐かしい面々(失礼だろうか・・・)が活躍する話ですね。
久しぶりに語り手の方の一人称のカタカナ表記を見た瞬間、なんだかわくわくしました。
次回更新を楽しみに待ってます。
468 :きみの居場所 :2012/12/06(木) 20:49
今朝。怒って呆れて心配してくれた矢口。

「ありがとねー、やぐち!!」

「は?なにが!?」

「いいの、カオリ嬉しかったから。」

「あっそ。そうだカオリいるなら、この前作ってくれた
里芋の煮物にカマボコ入ったやつ食べたい」

「おお、いいよー。圭ちゃん材料ある?」

「あるわよ」
469 :きみの居場所 :2012/12/06(木) 20:50
ここはスナックの癖にママの圭ちゃんが
料理をほとんどしない。

店にあるのはチーズとかトマトとか
冷凍食品やインスタントとか。

圭ちゃんは、もう小料理屋じゃないからいいんだとか言う。
ただの暇つぶし経営なんだと少し悲しそうに笑う奥に
あの子の笑顔が隠れてる。

470 :きみの居場所 :2012/12/06(木) 20:50
カオリは頻繁にここに出入りしている訳ではない。
行くと矢口が必ず嬉しそうに迎えてくれる。

「今日はイイものが食べれる!」とか言って
色々リクエストしてくる。

多分、あの子と同じ土地に育った
カオリの料理が少しだけあの子の味に
似ているからなんだろう。

矢口はいつも圭ちゃんと2人
ここにいるんだ。
471 :きみの居場所 :2012/12/06(木) 20:51
カランカラン。

カオリが矢口リクエストの料理をしてると
ドアベルがまた鳴った。
まだ早い時間なのに珍しいと思って
顔をあげたら最近は見ていなかった顔と目があった。
軽くこちらに手を上げた彼女はにこっと笑う。

「よ、久しぶり。元気?」

「うん。おかえり。」

「たっだいまー。」

会話を交わすカオリ達を不審そうにしてるふたり。
472 :きみの居場所 :2012/12/06(木) 20:51
「ごっちん!!」

「後藤!ただいまってどこ行ってたのよ。」

「んあ?フランスだよー。留学?あ、これお土産」

いつの間にか圭ちゃんはカウンターを出て
矢口の横に座ってくつろいでた。
後藤から渡された紙袋を受け取りながらも

「「フランス!?留学ってなに?聞いてない!!」」

非難の声はピッタリ揃った。

後藤は頭をかきながら

「言ってなかったっけ〜?」

なんてトボケてる。
473 :きみの居場所 :2012/12/06(木) 20:52
圭ちゃんや矢口が「後藤はどうしてるんだろう」って
時々話してたのは留学を知ってて言ってると思ってた。

「なぁんでカオリだけ知ってるの!?」

そんな恨めしそうに見られても。。。


留学ってゆーか研修なんだけど
フランスにね、半年ばか行ってたのさ。
ほら、あたしパティシエ修業で
会社が行かせてくれるって言うからさ。

なんて後藤が説明をしてるのに
聞いてるのか聞いてないのか
貰った紙袋の中身をゴソゴソ取り出しては
美味しそう!なんて喜んでる圭ちゃん。
矢口はちゃんと聞いて一々リアクションを取ってる。
474 :きみの居場所 :2012/12/06(木) 20:53
そんな見なれた光景を目の端で見ながら
料理を作るカオリだったけど
一瞬、後藤がカオリをチラッと見たのに気付いた。

後藤は口の端を歪ませて、一呼吸置くと。
なんでもないように、さらっと言った。

「なっちに会ったよ。」

その一言で2人の動きが止まった。


店内は流れるジャズと
鍋がクツクツ小さな音をたてるだけ。
475 :きみの居場所 :2012/12/06(木) 20:53
「なっち?」

矢口が声を震わせる。

圭ちゃんはただ目を見張って
後藤の顔と矢口の顔を眺めてる。

正直ちょっとこわい顔だなと思った。
476 :おるぷち :2012/12/06(木) 20:56
本日は以上です。
体調崩して週1月曜更新が遅れてしまいました!

>466 :名無飼育さん
そうですね。
垣間見られるかもしれません。


>467 :名無飼育さん
時折「懐かしい面々」を無性に
書きたくなります。
やはりスタートは彼女たちなので
今でも愛してやまないのです。
477 :名無飼育さん :2012/12/10(月) 13:21
やっぱり核になるのはこの方でしたか
ますます楽しみになってきた。何があったのか気になります。
なんだか語り手の不思議な空気がこちらまで流れてくるようで面白い
478 :きみの居場所 :2012/12/10(月) 22:05
後藤はニコッと無邪気な笑顔を作ると

「元気だったよ!もうすぐ帰れるかもってさ。」

「…そう。帰ってくる、かも?しれないんだ。」

矢口はほっとした表情になったかと思うと
どこか気が抜けたような感じで
ふらーっと圭ちゃんにもたれかかった。
圭ちゃんはそんな矢口を支えながら

「飲もっか。」

そう言ってグラスに酒を注いだ。
479 :きみの居場所 :2012/12/10(月) 22:05
カオリは詳しい事は何も知らない。
たぶん、圭ちゃんも後藤も知らないんだと思う。

なっちと矢口の間になにかがあって
そのなにかの後、なっちは消えてしまったんだ。

それ以来、矢口はずっとここで
なっちの帰りを待ってる。

あれから2年。
そんな矢口を誰も何も言わずに見守っているようだった。

ちゃんと生きてたんだ、なんて呟きが聞こえた。

やっぱり誰も、なにも答えない。
480 :きみの居場所 :2012/12/10(月) 22:06
矢口はもうなっちはこの世の
どこにもいないんじゃないかって
そんな想いも抱えていたのかもしれない。

カオリから言える事はいくつかあった。
でも、言わなかった。

それが正しいのか
矢口の為になったのか、苦しめたのか。
なっちの為になったのか、救わなかったのか。
なにも分からない。

ただ時が満ちるのを待っていただけ。
481 :きみの居場所 :2012/12/10(月) 22:07
カランカラン。
ドアベルが鳴ると賑やかな声が聞こえてきた。

「もー、吉澤さん!なんでいつもそ〜なんですかぁ!」

「うっさいな、お前はもう!」

常連よっすぃが見た事ない女の子を連れてきた。

「あら、やだ。よっすぃったら浮気?」

「わーお、梨華ちゃんに報告!ミキティにもする?」

圭ちゃんが嬉しそうに下卑た笑いを浮かべる。
矢口もすっかりいつもの顔をして
横でニヤニヤ笑ってる。
482 :きみの居場所 :2012/12/10(月) 22:07
よっすぃは心底呆れたような顔を作った。

「んな訳ないってんですよ!こんな奴」

「こんなってなんなんですかー!
あ、どうもどうも。小川麻琴って言いますー」

ヘラヘラ笑って、なんか動きが変で可愛い。

「職場の後輩ですよ。いっつもうるせぇの。」

「ちょっと吉澤さん!!」

口は悪いけど目があったかい。
可愛がってるのが良く分かる。
そうでもなきゃココに連れてこないだろうしね。

よっすぃ自分のテリトリーに入る人間
選ぶトコ、あるからなあ。
483 :きみの居場所 :2012/12/10(月) 22:08
「イイ匂い。かおりんがいるって事は
今日はイイもの食べれるんですねー。」

よっすぃが嬉しそうにスツールに腰をかける。

「ちょっと、あんたまで矢口みたいな事」

「事実じゃん。かおりに毎日来てほしいよ」

不服そうな圭ちゃんを押しのけて
矢口は“ね!”ってカオリの方に身を乗り出してくる。

484 :きみの居場所 :2012/12/10(月) 22:08
矢口はどういう状態の時だって
周りを良く見て空気を壊さないようにする。

さっきみたいな放心状態になるのは稀。
もう少し、甘えてくれてもいいんだけどな。

稀でも見せてくれるだけ
気を許してくれてるんだろうとは思うけど。

気遣いすぎると禿げるよ、なんてね。
485 :きみの居場所 :2012/12/10(月) 22:09
「て、あれ?ごっちん?久しぶりじゃん」

「んあ。よしこ相変わらずだね。」

「ん?」

「後藤ったらフランス留学してたのよ」

「はぁ!?」

圭ちゃんの言葉に大きな目をさらに大きくしてる。
どうやら、よっすぃも聞いてなかったらしい。

「よしこの新しい彼女?」

「だから!後輩だってば!」

「うん、聞いてた」

そう言って爆笑しだす後藤。
よっすぃの横で後輩ちゃんは
美味しそうな匂いですねーなんて言ってる。
なかなかマイペースな子らしい。
486 :きみの居場所 :2012/12/10(月) 22:10
和やかな雰囲気の中
カランカランとドアが開く。
今度はなんか勢いが凄い。

ドアにはひとつ、黒い影。

「ひーとーみーちゃーんー!!!!」

「え、梨華ちゃん?」

よっすぃがまた目を見開く。

よっすぃの目先の彼女は
物凄く見覚えのある子だった。

カオリがココで会うのは初めてだけど
圭ちゃんが「あら、石川登場」って
嬉しそうに言うから最近の常連なのかもしれない。
そっか、よっすぃが連れてきたのかな。
487 :きみの居場所 :2012/12/10(月) 22:11
そんな石川は猛烈に怒りを撒き散らしている。

「やっぱり浮気してたのね!!
用事教えてくれないなんて変だと思ったのよ!!」

「はぁ!?浮気じゃねーし!!」

「じゃあ、何で隠すのよ!」

「そうやって怒るからだろー。
ただの後輩だって言ってもすぐ怒るんだから」

「だって!!」

言い争う2人にさすがに後輩ちゃんはオロオロ。

「大体、ね。浮気ならココ来ねーし。」

なるほど、ここに来たのは
ある意味防衛のためだったのか。と納得。
488 :きみの居場所 :2012/12/10(月) 22:12
石川も納得したらしく、
それもそうか、なんて呟いてたかと思うと
ふと、よっすぃの後ろの人間に目をとめた。

「あれ!?もしかして…ごっちん?」

「んあ?あー、梨華ちゃん!久しぶりだねえ」

「きゃー!卒業以来じゃない!?」

興奮して叫ぶ石川によっすぃは不思議そう。

「え、なに。梨華ちゃん、ごっちん知ってるの?」

「高校のクラスメートなの。て、え?よっすぃは」

「学生時代、美貴と3人バイト仲間」

「えー!そうなの?」

「んあ?ふたりは…」

「あ、付き合ってる、んだ。」

よっすぃが少し照れたように笑う。
世間は狭いって事だね。
489 :おるぷち :2012/12/10(月) 22:14
本日はここまでです。
全国的に雪がすごいです。
うちの近所も雪だらけ。。。寒いの苦手です!


>477 :名無飼育さん
そうですね。
あのお方を出さない訳にはいかないって感じです。
空気感、感じていただけてありがたいです!
490 :きみの居場所 :2012/12/17(月) 14:01
うんうん、と頷いて鍋をひとかき。
ひとつお芋を取り出して味見。
イイ感じに味が染み込んだみたい。
上出来。
満足して器に盛り付けてカウンターに出してやる。

「矢口、できたよー。みんなも食べな。」

「おお、やったあ。」

素早く器を取る矢口と後輩ちゃん。
カオリの声にようやく存在に気付いたらしい
石川が目を丸くしてる。
491 :きみの居場所 :2012/12/17(月) 14:02
「い、飯田主任!?なんでここに?」

「え、梨華ちゃん、かおりんの事も知ってるの?」

よっすぃの声に石川がキッと反応する。

「なんで飯田主任を名前で呼んでるのよ!!」

あーあ。また石川の嫉妬心が燃え上がってしまったらしい。
でも、なんか面白くなってきちゃった。

「石川のひとみちゃんはカオリのよっすぃだったんだねえー」

「ちょ、かおりん!そんな誤解される言い方っ!!」

慌てるよっすぃの両腕を石川が掴んで睨む。
492 :きみの居場所 :2012/12/17(月) 14:02
いやいや知らなかった。
石川がいつも話してる「ひとみちゃん」が
カオリがたまにココで会う「よっすぃ」だったなんて。

なーんて、ねえ。ふふふ。

「かおり悪い目になってるよ」

矢口にじとーっと見られて微笑んであげた。
ちょっとした悪戯心よ♪
カオリもたまにはふざけるのです。

493 :きみの居場所 :2012/12/17(月) 14:03
そんな風に笑ってたら後藤が

「じゃあ、梨華ちゃん。浮気虫は放っておいて
ごとーにする?高校ん時は相手しなかったけどさぁ。
梨華ちゃんキレイになったし。」

「え、やだ。ごっちんったら。」

「ちょっと待て。高校ん時って何だー!
ずっと美貴が好きだったんじゃなかったのかっ!」

「え、いや、その」

「いやぁ高校時代は梨華ちゃんに追いかけられまくって」

「つか、ごっちん今恋人いるだろっ!!」
494 :きみの居場所 :2012/12/17(月) 14:04
矢口がボソッと

「ごっちんも悪い目になってる。」

と呟いた。
みんな人で遊ぶの好きだからなあ。

「そーいや、やぐっつぁんがココで
会計してるの見た事ないけどツケとかOKなの?」

ふと思いついたようによっすぃが言うから
カオリと圭ちゃん、矢口は目をまるくした。

「あれ?知らなかった?」

「ココのオーナー矢口なんだけど?」
495 :きみの居場所 :2012/12/17(月) 14:04
カオリと圭ちゃんの答えに
よっすぃ、石川が

「えーーー!?」

と叫ぶ。後藤は…知ってるよね。うん。
よっすぃは結構長い事常連だし
知ってると思ってたんだけどなあ。

その日は散々騒いで終電ギリギリに飛び乗った。
電車の為に走るなんて久しぶり。
石川もよっすぃも小川も必死で走っててなんだか笑えた。
496 :きみの居場所 :2012/12/17(月) 14:05
おやすみと声をかけあって別れた後
心も身体もなんだか、ほっこりしてた。

少しだけ飲み過ぎたアルコールのせいもあるかもしれない。
こんな夜もたまには悪くない。
明日からはいつもの日々が始まるだろう。


玄関のドアを開けたとたん
メロディが鳴りだした。
慌ててカバンから取り出した携帯に
表示された名前に一瞬息を飲んだ。
497 :おるぷち :2012/12/17(月) 14:06
本日はここまでです。
「きみの居場所」は次回で終わりの予定。
よろしくお願いします。
498 :名無飼育さん :2012/12/18(火) 06:16
更新お疲れ様です。どんな形に収まるのかな・・・楽しみです。
499 :きみの居場所 :2012/12/24(月) 18:44
「もしもし、、、なっち?」

電話の向こうからはお陽様のような明るい声。
今夜の矢口を思うと少し胸が苦しくなる。
なっちはなっちで色々な思いを抱いているんだろうけど。
ほんの少し、小さな棘が刺さったような気分。

「カオリ?元気してるかい?」

「うん、カオリは相変わらずだよ。
今夜はさ、久々に後藤に会ったよ」

おそらく、なっちの要件もそれだったはずで。
500 :きみの居場所 :2012/12/24(月) 18:45
「そっか。ごっちん店に行ったべか。」

「圭ちゃんも、矢口も。裕ちゃんは今日はいなかったけど
今でも店に顔出してるよ。あとは…なっちだけだよ?」

「うん。分かってるべ。もう少し。もう少しだけ。」

「ねえ、なっちさ。矢口…」

ちょっと可哀そうだ、なんて言いかけてやめた。
それは言ってはいけない気がしたし
なっちも、ううん。なっちが一番分かってる気がしたから。

「やぐち…」

なっちが呼ぶ矢口の名前は昔と変わらない響き。
あったかくて愛おしそうな。
501 :きみの居場所 :2012/12/24(月) 18:45
「なっちフランスって聞いて気が抜けたような
ホッとしたような顔してた。」

「そっか。ふふ。そっか、そっか。」

なっちは嬉しそうだった。
電話の向こうで何度もうなずいてる様子が見える。

ねぇ、そんなに矢口を想うなら
どうして離れてしまったの?

言いたいのに言えない言葉がまた胸に積もる。

カオリはただ見守るだけ。
それしかできない。
502 :きみの居場所 :2012/12/24(月) 18:46
「カオリごめんね?ありがとう。」

「カオリはなにもしてないよ」

「うん。ありがとう。」

その言葉を最後に電話は切れた。

今日は本当に良い日だったんだろうか?
最後のなっちの声に含まれた感情は
カオリには正しく読み取れなかったけど。

だけど良い日だったと思いたい。
少なくとも「なかなかない日」だったのは確か。
毎日毎日繰り返される似たような日々の中。
今日は「なかなかない日」だった。
それはそれで良い日と言っていいだろう。
503 :きみの居場所 :2012/12/24(月) 18:46
今日の店での出来事を思い出す。
なっちを待ってる。矢口、圭ちゃん、後藤、カオリ。
なっちを知らない。よっすぃ、石川、小川

そんな事に意味なんてない。
ないけど時の流れを感じてしまう。

なっちを中心に考える必要なんてない。
今いない人間はどうしても
その存在が大きいように思ってしまうけど。
そんな事はない。
そんな事はないはずなんだよ。
504 :きみの居場所 :2012/12/24(月) 18:47
当たり前になればいい。
昔のように。
今のメンバーとも溶け合って
笑いあう姿を想像する。
違和感なんてない。

ふいに口元が笑ってる事に気付く。
大丈夫、やっぱり今日は「良い日」なんだ。
それは朝一番にもう決まってた。

505 :きみの居場所 :2012/12/24(月) 18:47
なっち。

早く「おかえり」って言わせてよ。
言わせてあげてよ。

だいじょうぶ、待っているからさ。
506 :おるぷち :2012/12/24(月) 18:50
「街」episode5 「きみの居場所」
これにて終了です。
新年よりpisode6を始めます。
少し早いですが良いお年を。

>498 :名無飼育さん
こんな形となりました。
若干、消化不良と思われる部分もあるでしょうが
この話はあまり明確にしすぎたくなかったもので。
いかがでしょうか。


507 :名無飼育さん :2012/12/25(火) 03:32
ここでおしまい、なのがいいなって思います
なっちさんらしさを感じました
最後の時の流れについてのとこにも頷きつつ…
良いお年を!
508 :名無飼育さん :2012/12/28(金) 15:12
なちまりいいですねー
終始カオリ目線だったのも、85年組の勢いも、なにより全体で流れている雰囲気がよかったです。
すっかり作者さんの小説のファンです。
509 :おるぷち :2013/01/07(月) 20:13
明けましておめでとうございます(遅
今日より更新再開します!
よろしくお願いします。

>507 :名無飼育さん
おしまいでOK票ありがとうございます!
なっちらしさ出てました?
良かったです。

>508 :名無飼育さん
なちまりはどうしても好きなんですよね。
今回は特に「雰囲気」重視だったので嬉しいです。
ファンとか!照れます。
510 :街「コイビトの条件」 :2013/01/07(月) 20:15

「街」episode6

「コイビトの条件」



511 :コイビトの条件 :2013/01/07(月) 20:16
「ね〜ね〜。愛理は?」

「なに?」

ごくありふれた学校での昼休み。
冬休みも終わったばかりで
ついつい、ぽーっとしてしまう。

「だーかーらー!恋人の条件だよ!」

「え、コイビトの条件?」

いまいち理解できない私に
花音ちゃんがニコニコと説明してくれた。

「愛理だってあるでしょ?
ひとつくらい恋人に求める事。
優しいとか背が高いとか」
512 :コイビトの条件 :2013/01/07(月) 20:17
「花音ちゃんは?」

「あたしはスラーっと背が高くて優しい王子様!!」

「花音ちゃんらしいね。」

他の子たちも半笑いで誰も突っ込まないし
そこはスルーするところ。

「そうだなあ。」

優しい、のは大事だよね。
背は…そんなにこだわらないかなあ。
頭いいとか、スポーツできるとか?
うーん、うーん。
あ、そうだ!

「そのまんまの私を愛してくれる人!!」
513 :コイビトの条件 :2013/01/07(月) 20:18
「てゆー話が出たんだけど、りーちゃんは?」

「そうだなあ。」

ここは私のバイト先でもあるカフェBuono!
今日はバイトお休みだけど
親友のりーちゃんとお客さんとして来てる。
2人してあったかい飲み物で手をあたためつつ
ケーキを半分個ずつして食べる。

どんだけバイト先好きなのよ?って話だけど
りーちゃんがココがいいってゆーからなあ。

だって、りーちゃんは。
514 :コイビトの条件 :2013/01/07(月) 20:18
「もちろん、みやがいいんだけど
条件って言われるとどうゆーのかなあ…」

りーちゃんは両手でカップを包むようにして
考えるポーズをとる。親友で同性の私から見ても
とっても絵になるなーと感心しちゃう。
りーちゃんが好きな「みや」はBuono!のバイト仲間。
見た目はクールビューティーなんだけど
中身は優しくて強くて寂しがりなとこもあって
案外世話好きだったりもする1つ上のフリーター。

515 :コイビトの条件 :2013/01/07(月) 20:19
で、ちょっと変わった恋人がいる。
その事はりーちゃんにも言ったんだけど
りーちゃんは諦める気はないみたい。

「やっぱ条件はない、かな。
電流が走ったみたいな衝撃があって
恋に落ちるものだから。」

大人びた横顔を見せてカップに口をつける
りーちゃんは本当にキレイ。
516 :コイビトの条件 :2013/01/07(月) 20:19
「みやに初めて会った時みたいな?」

そう尋ねると口元だけで笑う。
唇に塗った赤が似合ってる。
私にはきっと似合わないなあ。

どうして、りーちゃんは
みやを好きでいられるんだろう。
恋人がいるのに。
517 :コイビトの条件 :2013/01/07(月) 20:19
私だったら、すぐ諦めちゃう。
だって、そんなの恋人にも悪い気がするし
意味ないっていうか、、、
前にそう言った時
りーちゃんは悲しい顔をして
「理屈じゃないよ。だって好きなんだもん」
そう言った。

私にはまだ分からない。
恋ってゆーのが。
好きだってゆう衝撃が。
518 :コイビトの条件 :2013/01/07(月) 20:20
「別にね、恋人から奪おうって訳じゃないの。
そりゃ私を選んでくれたら嬉しいけど。
好きって気持ちは私だけのものだから
それでいいんだよ。」

いつか、私にもそういうの分かる日が来るのかな。


「で、愛理。
“そのまんまの私を愛してくれる人”は
現れそうなの?」

「ぜーんぜん!」
519 :おるぷち :2013/01/07(月) 20:21
新年1発目!本日はここまでです。

前回もですが徐々に今までの話に
出てきた人達を繋げていきたいなーなどと
思いつつのストーリーであります。
520 :名無飼育さん :2013/01/11(金) 18:31
新年一発目乗り遅れたー!
あけましておめでとうございます。今年もお話楽しみにいています♪

やっぱり帰国子女の彼女はみやが好きなのね。ももはまだcafe buonoにいるのかな?というか変わった恋人ってw

今まで出てきた色んな子の「コイビトの条件」が気になります♪
続きが楽しみ。
521 :名無し飼育さん :2013/01/13(日) 00:47
やっぱりりーちゃんはみやが好きだったんですね!
何か発言が大人(笑)

みやももも好きだけどみやりしゃはどうなるのかな??
次回も楽しみにしてます!!
522 :コイビトの条件 :2013/01/14(月) 22:48
私の通う高校はいわゆる「お嬢様学校」と
世間に言われているようなとこ。

それを否定はしないけど
中身はふつーの女の子達、だと思う。
だけど、この学校だと言うだけで
妙に夢と言うか理想を持たれてしまうみたい。
523 :コイビトの条件 :2013/01/14(月) 22:48
私にも過去に何人か告白してくれたり
実際お付き合いした人だっていたんだけど
私が“ありのままの私”を見せると
思ってたのと違った、なんて去ってしまうのだ。

「愛理の言う“そのまんまの私”って例えば?」

「え、ナイスなダジャレ言ったり
河童ダンス踊ったりとか…」

「あーーー、なるほど。そりゃギャップありすぎだねえ」

「そう?でも、それが私なのになあ。」
524 :コイビトの条件 :2013/01/14(月) 22:48
「確かにね。」

この話を他の子にしたら爆笑されたけど
りーちゃんはそんな風には笑わない。

「りーちゃんの、そうゆーとこ好きだよ」

「え〜、なーに。愛理ってば急に!」

照れたように笑うりーちゃんは
さっきの大人っぽい顔じゃなくて。
こっちの顔の方が好きだなあ、なんて思った。
525 :コイビトの条件 :2013/01/14(月) 22:49
「てゆー話が出たんだけど、熊井ちゃんは?」

また違う日。今度は熊井ちゃんに同じ話をしてみた。
熊井ちゃんは元々は熊井先輩で熊井生徒会長。
つまりは私が2年生の時、一緒に生徒会をしてた人。

卒業してからも時折こうしてカフェ巡り…
というより抹茶巡りをしてる。
私たちは抹茶をこよなく愛する仲間であり同士なのだ。
卒業してからも熊井先輩とか生徒会長とか呼んだら

「もうその呼び方はやめよ?」

って言われて熊井ちゃん呼びとなった。
526 :コイビトの条件 :2013/01/14(月) 22:50
「だって私たち抹茶仲間じゃん?」

そう言って笑う熊井ちゃんの笑顔は
本当に可愛くて癒される。

もちろん在学中はファンがいっぱいいた。
熊井ちゃんはスラッと背が高くて優しくて
おっとりしてて笑顔が可愛い人だから。

今日も熊井ちゃんが見つけた、という
抹茶のパンケーキが美味しいお店で
2人向かい合ってる。
527 :コイビトの条件 :2013/01/14(月) 22:51
お店はログハウスのような造りになってて
可愛いクマがあちこちに散りばめられていた。
それはお皿だったり、マグカップだったり
棚の上の置きものだったり。

どれもが温かみのあるもので
熊井ちゃんが見つけたお店は
熊井ちゃんみたいだって思った。

熊井だけに熊だらけって意味じゃなく
(それもちょっと思ったけど)
一緒にいると空気があったかくて
ゆっくりで、なんだか幸せな気分になる。
ほわほわのあったかい毛布にくるまれてるみたいな感じ。
528 :コイビトの条件 :2013/01/14(月) 22:52
熊井ちゃんは、私の質問にうーん、って
真剣に考えてくれてる。

「条件って言われてもなあ。
やっぱ好きになった人、かなあ。」

「りーちゃんは恋は落ちるものだからって言ってた」

「りーちゃんって親友の?」

「うん。」

熊井ちゃんはゆっくりと
自分の目の前のパンケーキを1切れ
口の中に入れてもぐもぐした。
529 :コイビトの条件 :2013/01/14(月) 22:52
しばらく考えて

「りーちゃんは親友で私は仲間。」

「え?」

「ううん、なんでもない。愛理の条件は?」

「え?」

「さっきの。」

自分で話しておいてすっかり忘れてた。
えへへ、と照れ笑いすると
そんな私をお見通しって感じで
責める事なく、また1切れパンケーキを口に入れた。
530 :コイビトの条件 :2013/01/14(月) 22:53
私もパンケーキを食べて

「そのまんまの私を愛してくれる人」

さっきの答えを言う。
熊井ちゃんは2・3回まばたきをして

「私は結構そのまんまの愛理を知ってる?」

と聞くからコクンと頷く。

「そう。」

熊井ちゃんが今度は紅茶を飲むと
真っ直ぐに私の目を見た。
なにか言いたいんだな、と思って
私も熊井ちゃんの目を見る。
531 :おるぷち :2013/01/14(月) 22:57
本日はここまでです。
今まで出てきた人たちと言いながら
新キャラ登場とゆー矛盾w

>520 :名無飼育さん
おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

サクッと言っちゃえば、ももちの留学前のお話になります。

>今まで出てきた色んな子の「コイビトの条件」
あー、なるほど。
盛りこめない気はしますが考えたら面白そうなので
ちょっと考え…いや、聞いてみますw

>521 :名無し飼育さん
りーちゃんは「憂い顔」がとても美しいのでは?という
印象があるので、どうしても切ない設定にしたかったんですよね。
たぶん、本人は迷惑でしょうw
532 :名無飼育さん :2013/01/22(火) 07:34
これは、、、新キャラが気になりますね
それにしても、愛理さんはあのギャップが酷く魅力的だというのにまったく( ´,_ゝ`)
533 :コイビトの条件 :2013/01/22(火) 17:28
「私ね、好きな人いるの。」

「え!?そうなの?」

突然の言葉にビックリして
思わず声が大きくなってしまった。

だって熊井ちゃんから恋愛話なんて
今まで聞いた事なかったんだもの。

大学に入ってからかなあ?
熊井ちゃんはにこにこして
だけど少し頬が赤くなったみたいだった。
そんな乙女な熊井ちゃんは可愛かった。
534 :コイビトの条件 :2013/01/22(火) 17:28
私は今度は落ち着いて少し声を落として聞く。

「どんな人?」

「可愛くて純真で目がきらきらしてて
趣味も合うし色々と一緒に出かけてはいるんだけど
鈍感で私の気持ちには全然気付いてくれないんだ。」

「そうなんだ〜。でも熊井ちゃんなら大丈夫だよ!
優しいし癒し系だもん。まっすぐに打ち明けたら
きっとオッケーだよ!」

「そうかな。」

「そうだよ!」
535 :コイビトの条件 :2013/01/22(火) 17:29
「じゃあ、付き合ってくれる?」

「…え?どこに?」

「やっぱ鈍感。私は愛理が好きなんだよ?」

「え、、、ええーーーー!?」

ビックリして今度は叫んでしまった。

ああ、恥ずかしい。
だけど、そんな恥ずかしい私を
やっぱり熊井ちゃんはにこにこ見てるし。
536 :コイビトの条件 :2013/01/22(火) 17:29
も、もしかして…

「えっと、冗談?だった?」

「まさか。本気だよ。」

こんな時にまでにこにこして
ゆっくりな流れの中に居る熊井ちゃんって凄い。
私ばっかり慌ててるなんて、どうしてなの。

「熊井ちゃんのばか。」

なんだか熊井ちゃんの目が見れなくて
テーブルの上に視線を逃す。
熊井ちゃんの食べかけのパンケーキと
熊井ちゃんのキレイな長い指が目に映った。
537 :コイビトの条件 :2013/01/22(火) 17:30
その指はカップに添えられてたけど
見てすぐに気付く位に震えてた。
鈍感な私が気付く位に震えてた。

ばかは私だ。
熊井ちゃんがそうゆー冗談言わないの
知ってたのに。
にこにこして気遣ってくれてたんだ。
雰囲気が重くならないように。
熊井ちゃんは本当に優しい。
すごくすごく優しい。
538 :コイビトの条件 :2013/01/22(火) 17:30
「熊井ちゃん…ありがとう。」

熊井ちゃんがそんな風に私を見てくれてたなんて
全然気付かなかった。

ダメな私も間抜けな私もいっぱい見てるのに
それでも好きだなんて言ってくれた人は初めてで
嬉しくて胸がアツくなった。
539 :コイビトの条件 :2013/01/22(火) 17:31
「愛理…もう一回言うよ?
好き。私とお付き合いしてください。」

熊井ちゃんの手が私の方に伸ばされた。
その手はやっぱり震えてたから
震えが止まるようにと両手で握った。

「よろしくお願いします。」

こうして私と熊井ちゃんはお付き合いする事になった。

540 :おるぷち :2013/01/22(火) 17:33
本日はここまでです。
いつも月曜日更新なのにバタバタしてて
できませんでしたm(__)m

>532 :名無飼育さん
ギャップに萌える人と
ギャップに引く人がいるって事ですね。
まだ若いのでギャップを可愛いと思える度量のある人が少ないようです
541 :名無飼育さん :2013/01/24(木) 23:54
あら、急展開!どきどき!
542 :コイビトの条件 :2013/01/28(月) 22:05
「え!?現れたの?条件通りの恋人が!?」

早速りーちゃんに報告。
Buono!で会ってからまだ1週間もたってないんだから
驚くのもあたりまえだよね。

「今日は愛理んち泊るからね!」

そう言ってりーちゃんは電話を切ってしまった。
そういえば、りーちゃんがみやに一目ぼれした日も
同じような展開でうちに泊りに来たなあ。
543 :コイビトの条件 :2013/01/28(月) 22:06
りーちゃんは1時間もしない内にやってきた。

「早いね」

「そりゃそうでしょ!」

そっからは熊井ちゃんについての質問責め。
女の子って恋バナ好きだよね。
ま、りーちゃんに恋人できたら
私も根掘り葉掘りしちゃうんだろうけど。
だって大事な親友だもん。
きっと、りーちゃんも同じ気持ち。

「そっかー、熊井ちゃんイイ人そうで良かった」

なんてにっこり笑ってくれたから
私もなんだか嬉しくなった。
544 :コイビトの条件 :2013/01/28(月) 22:07
「愛理のダジャレも笑ってくれる?」

「うーん、にこにこしてるけど」

「そう、まともな感性だけど見守ってくれる感じね!」

「どうゆー意味よぅ。」

頬を膨らませる私にりーちゃんは
にっこりと笑って頭をぽんぽんした。
時々りーちゃんは同じ年なのにお姉ちゃんみたいだ。

「ねぇ愛理」

「うん?」

「熊井ちゃんの事、好き?」

「え、そりゃ、、、好き、だよ。」
545 :コイビトの条件 :2013/01/28(月) 22:07
本当はちょっと自信ない。
嬉しかったから、だけなのかもしれない。

だけど今日の熊井ちゃんを見て
あの手の震えを見て
そんなに私の事想ってくれる人、他にいないって
そう思ったんだ。なんか感動しちゃったんだ。
それじゃダメなのかな。

そんな私にりーちゃんは
やっぱり笑って頭ぽんぽんってしてくれた。

「育ててく気持ちってのもあるらしいよ。」

なんて言いながら。
546 :コイビトの条件 :2013/01/28(月) 22:08
翌日。
学校の玄関からちょっと入った廊下で
いきなりグイッと腕を引っ張られた。

「わわっ!?」

勢いがついて、ぶつかった相手は
良く知っている顔。
1学年下の萩原舞だった。

「ナニ、朝からもぅー。」

「いいから!ちょっと!ちょっとこっち来て!!」

そう言って人の腕を掴んで
ぐいぐいと人気のない方へ引っ張っていく。
教室内は暖房が利いてるけど
人が来ないような廊下は外と変わらない位に寒い。
547 :コイビトの条件 :2013/01/28(月) 22:09
舞ちゃんは私の幼馴染といえる。
いつ知り合ったかなんて覚えていない。
今は高校近くの知り合いの家に住んでいるけど
それまでは遠い所に住んでいて夏休みくらいしか
この辺りにはいなかった。

たぶん、千聖に紹介されたんだろうけど
そもそも千聖も同じ学校に通った事はない。
だけど小学生の時にはもう友達だった。
そんな友達なのに学校内では
鈴木先輩だなんて他人行儀な呼び方を
しれっとした顔でしてくる。
548 :コイビトの条件 :2013/01/28(月) 22:12
舞ちゃんが言うには

「中高生の学年1つは大きいんだよ?
それに鈴木先輩はファンも多いしねー。」

だそうで。そんな事を言いつつ学校外では
呼び捨てだし舞ちゃんのが偉そうな感じなのは
なんでだろぅ。前、千聖にそんな話をしたら
それが舞ちゃんなんだよ。と言われた。
分かるような、分からないような。
そんな事をぼーっと考えてると
ようやく止まった舞ちゃんがにんまり笑う。
549 :コイビトの条件 :2013/01/28(月) 22:12
「ねえ、愛理!熊井先輩と付き合ってるって本当?」

「え、、えええ!?なんで知ってるの!?」

「おー!本当なんだ!」

目をキラキラ輝かせる舞ちゃんの勢いになんだか腰が引ける。

「ほ、本当って、き、昨日からだよ?
なんで?まだ、りーちゃんにしか言ってないのに」

りーちゃんと舞ちゃんに接点はない、はずだ。

「熊井先輩に聞いたに決まってるじゃん」

そーいや舞と熊井先輩は太鼓部の先輩後輩で
仲良かったんだった。

「前にさ、相談された事あったんだよねー♪」

「え、そうなの!?」
550 :コイビトの条件 :2013/01/28(月) 22:13
「とゆーか、舞が気付いちゃったんだ。
先輩が愛理の事好きなんだってこと。」

「え、そうなの?どうして?」

「視線の先にはいっつも愛理だったからねー。」

舞ちゃんは鋭い。本当に鋭い。
それに比べて自分は、と思うと
ちょっと情けなくなった。

「舞ちゃんってすごいね。」

そう言うと“ふふん”と流し眼をされた。
なんか最近すごい大人っぽいんだよね。
なんか、ちょっと悔しい。
551 :コイビトの条件 :2013/01/28(月) 22:13
だから、少しだけ仕返しのつもりで口を開いた。

「舞ちゃんって千聖とどうなってるの?」

「え!?べ、別に。ふつー。」

急にキョドキョドする舞ちゃんが可愛くて
ついつい弄りたくなっちゃう。
千聖の話になると弱いってのは昔っから分かってる。

「一時期、千聖の様子が変とか言ってたじゃない。」

「それは、、、もうなおった。」

ちょっと拗ねるように呟く舞ちゃん。
たぶん、照れてるんだろうな。
ちょっと舞ちゃんは分かりにくいんだよね。
552 :コイビトの条件 :2013/01/28(月) 22:14
「仲直りしたんだ。良かったね」

「喧嘩してた訳じゃないし。
千聖がバカだからいけないんだよ。鈍感だから」

「舞ちゃんが素直じゃないから、じゃないの?」

「うるさいなー!もう。
舞美ちゃんにも同じような事言われたし」

「舞美ちゃん…居候先のお姉さんだよね。」

「そう。この人もバカなの。天然だし
妙にお姉さんぶってくる時あるし。」

舞ちゃんの言う“バカ”は愛情表現。
=好き、なんだって知ってる。
その舞美さんの話もいつだって嬉しそうに話してる。
553 :コイビトの条件 :2013/01/28(月) 22:15
「私、舞美さんの話って良く聞いてるけど
実際に会った事ないんだよね。」

「え、そうだっけ?」

「そうだよ。一回合わせてよ。
その自慢の舞美さんに」

「別に自慢なんかじゃないし!
まぁ愛理がそんなに会いたいなら
会わせてあげてもいいけどさー」

そう言いながら頬が緩んでる。
やっぱり舞美さんの事、大好きなんだなあ。
千聖とは違う意味で。
鈍感な私でも舞ちゃんが千聖をどう思ってるかなんて
とっくに分かってるんだからね!
554 :おるぷち :2013/01/28(月) 22:17
本日はここまでです。
毎日「寒いね。」ですねー。
ハロコンやらイベント満載で楽しいですけど。

>541 :名無飼育さん
抹茶コンビ書きたかったんですよね♪
555 :名無飼育さん :2013/01/29(火) 18:28
ここで舞美が出てくるとは…
熊井ちゃんのライバル出現か!?

素直じゃないマイマイがカワユス(*´Д`)
続き楽しみにしてます!
556 :コイビトの条件 :2013/02/04(月) 20:54
放課後はBuono!でバイト。
大体、週2〜3日入ってる。

スタッフルームに行ったら丁度みやが
休憩時間だったみたいで雑誌をめくりながら
カフェラテを飲んでいた。

「ねぇ。聞いてイイ?」

「ん?なに?」

座ってるみやが私を見上げ、続きを促してくれた。

「みやはもものどこが好きなの?」

言った途端に飲んでいたカフェラテを思いっきり噴き出した。
557 :コイビトの条件 :2013/02/04(月) 20:54
「ちょ、みや汚い〜〜」

「げほ、、ごほ、、あ、、いりがっゲホ…
急に変な事言うからでしょ!」

「だってぇ。気になったんだもん。」

最近の私は恋愛事情ってものが気になる。
コイビトの条件の話だったり
熊井ちゃんと付き合う事になったり。
つまり、、、色々興味がある。
どう好きになって、どう付き合い始めて
付き合うってどうすればいいのか。とか。そんな感じ。
558 :コイビトの条件 :2013/02/04(月) 20:55
「どっちから好きになったの?
どっちから告白したの?
どうゆーデートしてるの?」

「な、なに。愛理って今までそうゆー話
あんまりしなかったじゃん!」

「そうだけど。今は気になるの。
もも、もうすぐ留学でしょ?不安とかないの?」

みやのコイビトのももはもうすぐ語学留学をする。
離れ離れになってしまうのに付き合うって
どういう気持ちなんだろう?
559 :コイビトの条件 :2013/02/04(月) 20:56
みやは赤い顔して、しばらく黙ってたけど

「そりゃ、不安だけどさ。信じてる、し。」

そっか。信じあってるから大丈夫なんだ。素敵!
そう思って

「わぁ!すごーい!」

って言ったのに、みやったら

「…ももなんかっモテないから大丈夫だし!!
むしろもものが心配してるし。
ま、私そうゆー女じゃないから大丈夫だけどさ。」

なんて、明らかに強がった様子で早口で言う。

「でも、みや寂しいんじゃない?」

「毎日ネットで話す事になってるし。てか、聞いてよ。
ももったら人のパソコンに色々付けさせてさあ!」

いかにも不満だ、という口調なのに嬉しそうなみや。
やっぱツンデレだ。
560 :コイビトの条件 :2013/02/04(月) 20:56
そういやももが言ってた。
みやは照れ屋だけど情熱的なとこあるから
押し切られちゃった、とかなんとか。

「みや情熱的にももを押し切ったんだって?」

「はぁっぁあああああぁぁぁああぁ!?な、なにそれっ」

「ももがそう言ってた。」

「…あのやろぅ…可愛がってやる」

「え、なに?」

ぼそっと言ったみやの言葉が聞きとれなかった。
561 :コイビトの条件 :2013/02/04(月) 20:57
「なんでもない!押し切ったとかじゃなくって!
本当に!そんなんじゃなくて!
お互いなんとなく気持ちは分かってたしって感じよ。うん。」

「へえ!両想いでちゃんと付き合いだしたんだ!」

「りょ、、、ま、まぁ。そんな感じ、、よ。」

さっきよりも、うーんと赤くなってみやが言う。
やっぱ両想いになってから付き合わなきゃダメなのかな。
私は間違ってるのかな。

「私もね。付き合い始めた人いるんだけど」

「え!?愛理に?」

そんな驚くとこ?そう思いつつ、
みやに自分の気持ちを聞いてもらった。
時折、相槌を打ちながら真剣に聞いてくれた。
562 :コイビトの条件 :2013/02/04(月) 20:57
「ふぅん。いいんじゃない?」

「え、、いい、のかな?」

「うん。だって嬉しかったんでしょ?
その人といると癒されて幸せな気分なんでしょ?」

「うん。」

「そうゆーのも愛じゃない?」

「そうかな。」

「そうだよ。」

にこっと微笑むみやはキレイで
この顔りーちゃんが見たら
ますます好きになっちゃうんだろうなあ。
563 :コイビトの条件 :2013/02/04(月) 20:58
「そういえばももに“みやを見張ってて”って頼まれたよ」

「え!」

「“みーやんはぁ無自覚でモテ行動するから〜”って。」

身体をクネクネさせるもものマネをしつつ教えてあげる。

「本当に愛理に頼んでたのか。」

ため息をつきつつ、やっぱり嬉しそうな顔。

「それも愛なんだね。」

そう言うと

「うっさい。」

なんて軽くおでこを小突かれた。
564 :おるぷち :2013/02/04(月) 21:02
本日はここまでです。
前回のが555で止まってたので
なんとなく、このままにしようかと一瞬思いましたw

>555 :名無飼育さん
舞美ちゃん出さない訳にはいかないんですよね〜!
マイマイはたから見ると面白いかも。
565 :名無飼育さん :2013/02/05(火) 16:27
情熱的に・・・あながち嘘でもない(笑)
566 :名無飼育さん :2013/02/06(水) 20:34
みや・・・
なんだかんだ言ってデレデレじゃないですか!!

みやもも萌えますね////
567 :コイビトの条件 :2013/02/11(月) 21:58
みやに相談して気持ちが軽くなる。

それも愛、か。

そうだよね。熊井ちゃんの事好きっていうのは
間違いないんだからいいんだよね。

♪♪♪

みやが鳴ったスマホを見て嬉しそうに笑った。
たぶん、ももからのメールなんだろうな。
568 :コイビトの条件 :2013/02/11(月) 21:59
私はりーちゃんの親友で
いつだって味方でいたいと思うんだけど
みやがももと一緒にいるのが凄く幸せそうだから
この件に関しては味方になりきれなくて
なんか複雑な気持ちになってしまう。

別にりーちゃんもみやを奪いたいとかじゃないって言うし
私の勝手な気持ちだとは分かってるんだけど。

りーちゃんも、みやも、ももだって大好きだから
みんなが幸せになれたらいいのにって
そう思うのも私の勝手、かなあ?
569 :コイビトの条件 :2013/02/11(月) 22:00
いつものように熊井ちゃんからメールがきた。
『美味しい抹茶のお店見つけたよ』

私もいつものように
『どんなお店?いつ行こう?』
なんて返信した。

いつものように日時を決めて
いつものように待ち合わせて
いつものようにお店に向かう。

だけど初めて手を繋いだ。
熊井ちゃんから繋いできた。
570 :コイビトの条件 :2013/02/11(月) 22:00
「本当はね、ずっと繋ぎたかったの。」

そう言った熊井ちゃんの横顔は
いつもと変わらないように見えたけど
寒いこの季節なのに手が汗ばんでいた。

熊井ちゃんの横顔をじーっと見てると
ぷい、と私とは反対方向を向いてしまった。

「熊井ちゃん?」

「だって、、、初デートなんだもん。」

小さな声で呟いた。
571 :コイビトの条件 :2013/02/11(月) 22:01
私はいつもと同じに思っていたのに
熊井ちゃんはいつものようなこのお出かけも
もしかしたら、ううん。きっと
いつもとは違う気持ちでいて
手を繋ぐだけでも緊張して汗ばんでる。


なんだか急に後ろめたくなってしまった。
私、ちゃんと熊井ちゃんの気持ちに
応えられていないんじゃ…?


そんな気持ちがむくむくと大きくなる。
どうしよう。どうしよう。どうしよう?
572 :コイビトの条件 :2013/02/11(月) 22:02
「愛理。」

「な、なに?」

「ありがとう。私と付き合ってくれて。」

「そんな事!私、熊井ちゃんの気持ち
すごい嬉しかったし!あ、舞ちゃんがね。
熊井ちゃんに相談されたって…
そんな事全然知らなくて本当、、なんか
鈍感でごめん、、、ね。」
573 :コイビトの条件 :2013/02/11(月) 22:02
ごめん、には違う気持ちも混ざってたかもしれない。
言っちゃいけない“ごめん”も。
でも大丈夫だよね。
育っていくのもありってりーちゃん言ってたし。
それも愛ってみやも言ってた。
私、熊井ちゃんの気持ちに
もっとちゃんと応えられるように頑張る。
熊井ちゃんの事、もっともっと好きになる。
そう心に誓った。

なのに。

なんで?
あの人に出会ってしまったんだろう。

そして、それを幸せに思う私は
今まで自分で信じてきた自分じゃないみたい。
574 :おるぷち :2013/02/11(月) 22:08
本日はここまでです。


>565 :名無飼育さん
ものは言いようって事ですw

>566 :名無飼育さん
みや「デ、デレデレなんてしてないし!」
もも「嘘だー。みーやんはぁ、いつだってももちにデ・レ・デ・レ」
みや「その口ふさがれたいの?」
もも「…え、それは、その、」
みや「その反応、結構傷つくんですけど?」

長くなりそうなのでこれにてw
575 :名無飼育さん :2013/02/15(金) 00:37
愛理と熊井ちゃんは何かほのぼの系でいいですね。癒されます♪

>574
ちょw
桃子はみやびちゃんに口を塞がれてしまえー!!!w
恥ずかしがり屋さんかわゆ////
576 :コイビトの条件 :2013/02/18(月) 19:22
『17時にB駅南口前集合』

昨夜そんなメールが舞ちゃんから届いた。
この前話してた“舞美ちゃん”に会わせてあげるって。
そんな事すっかり忘れてたけど
最近会えてなかった千聖も来るって言うし
もちろん舞美さんにも興味ある。

舞ちゃんも“りーちゃん”に
1回会ってみたいとか言いだして
全員のスケジュール合わせたら今日がいいって
とんとん拍子に決まった。
577 :コイビトの条件 :2013/02/18(月) 19:23
舞ちゃんとは学校一緒だから校門で待ち合わせ。
私が校門に行くとすでに舞ちゃんがいたから
小走りになって近付いた。

「まーいちゃーん!ごめん、待った?」

「ううん。今フクちゃんと話してたから。」

そう言う舞ちゃんの横には1年のフクちゃんがいた。
彼女は丁寧にお辞儀をして

「鈴木先輩。こんにちは。」

と、また丁寧に挨拶をしてくれた。
578 :コイビトの条件 :2013/02/18(月) 19:23
「こんにちは。フクちゃん。今日は体調いいの?」

「はい。ありがとうございます。最近は元気なんです」

そう言って微笑む彼女はかなり可愛い。
可愛くて身体が弱いとか小説の中の人みたい。
だけど。ちょっと変な趣味と言うか…

「早速ですがお2人の2ショット
撮らせて頂いてもよろしいですか?」

私たちも、もう慣れちゃって
校門前で仲良し2ショットでポーズをとる。
579 :コイビトの条件 :2013/02/18(月) 19:24
「ありがとうございます!いつも通り可愛いです!」

そう言って画像を見せてくれる。

「また後でお渡ししますね。」

「うん、待ってる。」

舞ちゃんがにっこり笑う。私も頷く。

「それでは失礼します。」

最後まで丁寧に挨拶をして自分の家の
お迎えの車に乗り込んで行った。

580 :コイビトの条件 :2013/02/18(月) 19:24
彼女は…なんていうんだろう?
学校代表の写真撮影係みたいなもので。

校内で人気がある生徒の
(自分で言うのは恥ずかしいけど私も含まれてる!)
写真を撮って会員制のHPに掲載している。

それによって隠し撮りを防いだり
人の写真で利益を得るという人がいない、らしい。
彼女の写真の腕前のおかげなのか
彼女の家の力のおかげなのかは知らないけど
以前のように(彼女が入学してくる前)
勝手に写真を撮られて本人が知らないところで
出回ると言う不愉快な思いをしなくて
済むようになったのはありがたい。
581 :コイビトの条件 :2013/02/18(月) 19:25
ほんと、、、もう、、、

1年の頃知らない間に撮られた
恥ずかしい写真を見つけた時の衝撃ったら!

だからフクちゃんには結構感謝してる。
本人も礼儀正しいイイ子だし。

そんな話を舞ちゃんにしたら「本当だよね〜!」と
うんうん頷いてくれた。

582 :コイビトの条件 :2013/02/18(月) 19:25
もうちょっとで待ち合わせの駅ってとこで
ふと目の前100mくらい先を
横切る女性が目に映った。

その颯爽と歩く美しい容姿は
かなりの人の目を惹きつけていたと思う。

風にゆるくなびくロングヘアー。
スキニーパンツが似合うスラッとしたスタイル。
どう見ても整った顔。

なんとなく、そのまま見てたら
その人は駅ビルの透明なガラスに思いっきり
ぶつかって尻もちをついた。
583 :コイビトの条件 :2013/02/18(月) 19:26
思いがけない衝撃的な出来事に

「いたっ!!!!」

つい自分がぶつかった訳でもないのに叫んじゃった。
舞ちゃんが声にビックリして

「どうしたの、愛理!?」

なんて顔を覗きこむけど、とっさに言葉が出なくて
前方をただただ指差す私。

「え?前になにか…あれ?」

舞ちゃんも私が示すものを理解したみたいだけど
反応はまったく予想外。
だって舞ちゃんは大きくため息をついたんだもん。
584 :コイビトの条件 :2013/02/18(月) 19:27
「え、ま、まいちゃん?」

なんで女性が転んでるのを見てため息?
そう聞く前に舞ちゃんは私の求める答えをくれた。

「愛理、あれが舞美ちゃんだよ。」

「ええ!?」

あれが?あの美しい女性が?
あの洗練された感じなのに
ガラスにぶつかっちゃう人が?

なんとなく舞ちゃんに聞いてる『舞美ちゃん』が
理解できた気がした。
だって舞ちゃんはいつも言ってた。

『舞美ちゃんって外見はパーフェクトなんだけど
なーんか抜けてるんだよね』
585 :おるぷち :2013/02/18(月) 19:31
本日はここまでです。
一年の愛理さんがどんな写真を撮られたのかは
本人の名誉のため伏せておきます。

愛理「んもー、ほんとヤダ。勘弁してほしい〜!

>575 :名無飼育さん
愛理「2人でほのBuono!でーす♪」
雅「Buono!は3人だし」
桃「くまいちょー関係ないじゃん」


ちなみに、ももがみやに口をふさがれたかどうかは秘密です。
586 :コイビトの条件 :2013/02/25(月) 22:15
そんな舞美ちゃんを舞ちゃんが助けに行かないから
うずくまる彼女がなんかいたたまれなくて
小走りで駆け寄った。

「だ、大丈夫?…ですか?」

「いたーーーーー、またやっちゃった。。。
どうしよう、こんなの舞ちゃんに見られたら
また呆れられるよーーー」

「あの…?えっとー」

どうも私に気付かず1人でぶつぶつ言ってる。
587 :コイビトの条件 :2013/02/25(月) 22:16
「あ、あの!舞美さん!!舞ちゃんならそこにっ!」

「え、、ええ〜〜〜!?舞ちゃん!?て、あれ?あなたは?」

まだ舞美さんは屈んでる状態だから
自然とその横に立つ私を見上げてくるわけで。

なんか、遠目でもキレイな人だなーと思ったけど
近くで見ると本当に美しいとしか言えない!
りーちゃんとか、みやとはまた違うタイプの美人さん。
くりくりとした目が不思議そうにしてるのを見て
自分が彼女に見とれている事に気付いた。
588 :コイビトの条件 :2013/02/25(月) 22:17
「あ、えっと、、、あの。」

「愛理だよ。あたしの友達の」

「「舞ちゃん」」

声が揃って思わず舞美さんの方を見たら
舞美さんも私を見てて凄く照れくさくなってしまった。

「もー、舞美ちゃん何度目?ここにぶつかるの!」

「そ、そんなに何回もないよ?」

舞ったらこわーい!と、うろたえる舞美さん。
いつもこんな感じなのかなあ。
なんか舞美さんのがお姉さんなのに
舞ちゃんのがお姉さんみたい。
舞ちゃんって本当しっかりしてるなあ。
589 :コイビトの条件 :2013/02/25(月) 22:17
「愛理もボーっとしてるとぶつかるよ!」

「え、私はぶつかってないよ」

「ぶつからなくても転ぶでしょ」

「う。。。」

舞ちゃんの厳しい目を避けるように横を向くと
舞美さんが立ちあがろうとしてたから手助けする。
手を貸した瞬間ふわっといい匂いがして耳元で

「ありがと。ほんと舞ちゃんってばこわいね〜」

小さく笑ってそう囁かれた瞬間、なぜだか私の全身が
ビシッと電流が走ったみたいになった。
590 :コイビトの条件 :2013/02/25(月) 22:18
一瞬のそれは意味が分からなくて
思わず舞美さんを見たけど
ニコニコしてる彼女はなにも感じていないみたい。

なに?いまの。

しびれるみたいな強烈な感覚。
静電気、じゃない、よね。

もう一度、舞美さんを見ると
なに?と言うように首を傾げられて
その可愛い仕草に胸が締め付けられるみたいになった。

これも、ナニ?
え、え、え、なんなの?
591 :コイビトの条件 :2013/02/25(月) 22:18
なぜだか急にりーちゃんの言葉が響く。

「電流が走ったみたいな衝撃があって
恋に落ちるものだから。」

まさか、だよね。
だって私は熊井ちゃんと付き合ってるんだもん。
熊井ちゃんの事、もっともっと好きになるんだもん。
きっと、これは間違いだ。
592 :コイビトの条件 :2013/02/25(月) 22:19
もう一度、舞美さんを見る。
舞美さんは舞ちゃんと仲よく話してる。
ニコニコと笑顔が似合う人。

大丈夫、なんともない。
美人さん過ぎてビックリしただけ。
きっとそうだよ。

593 :おるぷち :2013/02/25(月) 22:20
少し短いですがきりがいいので
本日はここまでです〜。

しかし寒いですね。
寒い時はイチャイチャですよね←
594 :名無飼育さん :2013/02/26(火) 13:07
結局愛理は舞美かww熊井ちゃん頑張って!!

そうです。寒い時はイチャイチャです。
みやももでイチャイチャ書いて下さい←
595 :コイビトの条件 :2013/03/04(月) 22:04
その後、千聖が来てりーちゃんが来て
全員が集合した。
りーちゃんを見て皆が可愛いとか美人とか
言うから、まるで自分の事みたいに

「そうでしょー!」

って言ったら、やっぱり舞ちゃんに

「なんで愛理が偉そうなのっ!?」

なんて言われ皆に笑われた。

「私より、舞美さんが凄くキレイな人でびっくり。
ねえ、愛理?」

「うん、私もびっくりした。」

大丈夫。私、ふつーだよね。
596 :コイビトの条件 :2013/03/04(月) 22:05
「舞美ちゃん中身本当ダメだから!残念な人だから!」

なんて言いながら舞ちゃんと千聖が次々と
舞美さんの失敗談を語りだして
舞美さんがひたすら焦ってて可愛くて。
可愛くて、見とれてしまった。
りーちゃんが、ふふふと笑いながら

「三姉妹みたいね」

って言うと

「こんなお姉ちゃんいやー!」

と嬉しそうにしか見えない顔で2人が言うもんだから
私とりーちゃんは噴き出してしまった。
597 :コイビトの条件 :2013/03/04(月) 22:05
舞美さん愛されてるなあ。
なんかいいな。
イイ人なんだな。
舞ちゃんも千聖もさっきから結構酷い事言ってるのに
全然怒らないし、穏やかなんだなあ。

「…り!愛理ってば!!」

「え、な、なに!?」

「もー、またボーっとして」

舞ちゃんにまた呆れられてしまった。
私は苦笑いするしかない。
598 :コイビトの条件 :2013/03/04(月) 22:06
舞ちゃんの後ろから千聖がニヤニヤして

「舞美ちゃんに見とれすぎだし〜!」

言われた瞬間ドキッとした。
本当に“どくん”って感じで。

「ち、違うっ!そ、そ、そんなんじゃ」

「愛理慌てすぎー!」

「冗談だってば、もう」

2人に大笑いされてしまう。
もう。このコンビはたちが悪い。
その絶妙なコンビネーションもっと他に
なんか、こうイイ事に使えないの?
599 :コイビトの条件 :2013/03/04(月) 22:07
そう思いつつも何もできない私の頭に
ふわっとした感触。
え?と思って見上げると舞美さんが
困ったような笑顔で

「うちの妹達がごめんね?」

なんて言いながら、私の頭を撫でてた。

「え、あの、いえ、、、そんな。」

焦る私。だって手がっ、舞美さんの手がっ!

「ちょっとー!舞美ちゃんの妹になった覚えないし!」

「そうだ、そうだー!」
600 :コイビトの条件 :2013/03/04(月) 22:07
やっぱり2人がギャーギャー言うから

「別にイイでしょ?妹みたいなものじゃないのー」

舞美さんはぎゅーっと2人いっぺんに抱きしめて
やめろぉー!なんて嫌がられて
(絶対嫌がってない。すごく嬉しそう)
じゃれあってる。いつもこんな感じなのかな。
いいなあ。

舞美さんの手が離れた瞬間
自分でもビックリする位に残念に思ってしまって
なんか、テンション下がる。
目の前でじゃれ合ってる3人。
2人はずるいなあ、なんて思って
ふと気付く。私、なに考えてるの?
601 :コイビトの条件 :2013/03/04(月) 22:08
「愛理?どうかしたの?」

りーちゃんが不思議そうに私の顔を覗きこんでくる。

「ううん。なんか、ああいう姉妹みたいのいいなあって。」

「愛理は弟いるじゃない。」

「そうだけど、ちょっと違うじゃない。」

「まぁねー、舞美さんみたいな
優しいお姉さんいたらって思うと羨ましいよね。」

「え?りーちゃんも!?」

そっか。りーちゃんも羨ましいんだ。
そっか、そっか。
そうだよね。
舞美さん素敵だもん。
あんなお姉さんいたら楽しいだろうな。
誰でもそう思うよね、うん。
602 :コイビトの条件 :2013/03/04(月) 22:09
私は少しだけ空気を大きく吸って

「そろそろお茶しに行こうよー」

と声をかけたら3人そっくりな笑顔で振り向いたから
なんだかおかしくなって笑ってしまった。


皆でのお茶の時間はすごく楽しかった。
パフェとかケーキとかを分けっこしたり
たくさんの話を聞いた。
603 :コイビトの条件 :2013/03/04(月) 22:10
舞美さんのネイルが凄く可愛くて
りーちゃんがネイルサロンを教えてもらっていた。
私は校則でそうゆーのできないから羨ましかった。

舞ちゃんが舞美さんの今までの失敗談を
さっきも話してたのに足りない!って
面白可笑しく話して千聖も合いの手を入れたり
話をふくらませたり。

舞美さんはやっぱりニコニコして、そんな2人に
「ひどいなー。」とか「そんなことないよ。」とか
言ってたんだけど、それがつまらなくなったのか
2人は今度は私の失敗談とか
ダジャレとかダンスが変だとか、そんな事を言ってきた。
604 :コイビトの条件 :2013/03/04(月) 22:11
慌てる私が面白いみたいでドンドン話す2人。
そんな話の時も舞美さんはやっぱりニコニコしてた。
なのに私と目があった途端

「ねえ、愛理ちゃん。得意のダジャレ聞きたいな!」

って、ええーーーーーーーーーーーーーーーーー!?

「え、いや、でも、あの。」

「いいじゃん、愛理。得意なの一発かましてよ。」

期待の目が(?)私に集まってる。
こ、これは。凄いの言わなきゃ。
どうしよう、どうしよう。とっておきの。。。
605 :コイビトの条件 :2013/03/04(月) 22:11
「ダジャレを言ってるのはだれじゃー!」

「抹茶にはまっちゃってるぅ!」

「Buono!でほのぼーの!」

どや、3連発!!
鼻息荒く胸を張る私に視線が集中してるのが分かる。

「これで胸張れるの愛理くらい…」
「すごーーい!面白いよ!!」

舞ちゃんの言葉を遮ったのは拍手をしながらの舞美さんの言葉。
目をキラキラさせて満面の笑顔ですごい、すごいと連発してる。
正直、こんなにウケたのは初めてで
胸がジーーーーーーーーンとアツくなる。
606 :コイビトの条件 :2013/03/04(月) 22:12
「え、ちょ、舞美ちゃん!?正気!?」

千聖が失礼な事を言うけど舞美さんは

「なんで?いきなりフッてこれすごいじゃん!」

なんて、褒め続けてくれてる。

「あ、ありがとう。こんなに私のダジャレ

理解してくれる人初めてです!!」
腰を浮かせて向かいに座る舞美さんの両手を
両手でぎゅっとつかむ。

「そうなの!?おもしろいのに!」

ああ、舞美さんキレイなだけじゃなく
内面も素敵すぎる。感動!
607 :おるぷち :2013/03/04(月) 22:17
今日はここまで。
明日で「街」を始めて1年と気づきました。
早いものですね。

>594 :名無飼育さん
もも「ほらー。みーやん、イチャイチャリクエストきてるよぉ」
みや「ちょ!もも!人前でやめてよ!」
もも「いいじゃぁん。見せつけようよぉ〜」
みや「うちは2人きりの時の方がいいんだけど?」
もも「やだ。みーやん2人になると野獣だから」
みや「誰が野獣よ!!本当に可愛がってやる」
もも「いやーん。」

Buono!店内が2人の会話に集中している事を2人は知らない。


…あんまイチャイチャじゃないですかねw
608 :名無飼育さん :2013/03/05(火) 00:58
愛理のダジャレ舞美にウケましたねwww
なんか優しい舞美www本当にお姉さんみたい♪

最後のみやももいきなりリクエストしたのにありがとうございます(笑)
やっぱりみやももは萌える…////
最高です!!
609 :コイビトの条件 :2013/03/11(月) 22:21
「もぅ、愛理いつまでそうやってんの。
いい加減に座ったら?」

「だって、りーちゃん!」

隣のりーちゃんが服を引っ張るから
仕方なく座る。
なんとなく、手を離すのが名残惜しい。

「愛理ちゃんは凄いね〜。
可愛いし頭の回転も速いんだね」

「そんな事言うの舞美ちゃんだけだから!」
610 :コイビトの条件 :2013/03/11(月) 22:21
「愛理はサムイから!ね?リサコちゃんもそう思うでしょ?」

「あ、えーと。そうだ、ね。
あ、あたし呼び方リサコ、でいいよ?」

「そう?じゃあ舞は舞ね!」

「千聖は呼び捨てでもちっさーとかでも!」

「あ、私も舞美でいいよおー。愛理ちゃんも、ね?」

ね、と小首を傾げるのがまた可愛らしすぎで
しかも目をくりくりと真っ直ぐ見てくる。
うわわわわーーーーー。
611 :コイビトの条件 :2013/03/11(月) 22:22
「えっと、年上の方を呼び捨てとか、あの…」

「えーーーーーー。さん付けとか他人行儀で嫌だなあ。
私だけ仲間外れみたいーーー」

「あ、じゃあ、愛理!皆も舞美ちゃんって呼んでるから
そう呼ばせてもらおうよ」

りーちゃんの提案に舞美さんは満足そうに頷く。

「うん、うん、そうして!じゃ、愛理ちゃん呼んで!」

「え!」

「ほら、はやくー」

「ま、舞美、ちゃん」

「はぁーい♪」
612 :コイビトの条件 :2013/03/11(月) 22:22
ニコニコ顔の舞美ちゃん。呆れ顔のいつもの2人組。

「あ、あの。私、も呼び捨てで、、、いいので。」

「うん、愛理!」

顔に血がぎゅーっと集まるのが分かった。
なんで、なんで、なんで?

「愛理、あーいりっ、あ、い、り♪」

リズミカルに私の名前を呼び続けてるし。

「ちょ、舞美ちゃんしつこいよ。」

舞ちゃんが苦笑して言うと千聖も

「何回も言うから愛理恥ずかしがってるじゃん。」

なんて言う。
そっか、連呼されて恥ずかしかったんだ、私。
613 :コイビトの条件 :2013/03/11(月) 22:23
あれ?でも、何でりーちゃんの名前は呼ばないの?
なんて、話の流れなんだって分かってるの。
なんか、なんとなく、嬉しいの。
別に特別なんかじゃない、よ。
ちらとりーちゃんを見るとすぐに気付いて
にっこり笑った。

「私、日本に来てまだ友達少ないから嬉しいなあ。」

それを聞いて千聖が見を乗り出す。

「あたし達、今日からマブダチだよ!!」

「マブダチってなに?」

「すっごい仲間って事!」

「そっかー!やったぁ。」
614 :コイビトの条件 :2013/03/11(月) 22:23
純真に喜ぶりーちゃんは本当に可愛い。
皆がりーちゃんに見惚れてるのが分かる。
私の自慢の友達だもんね。嬉しいな。

「そうだ!連絡先交換しよ!」

「そうだ、そうだー!」

私も、舞美ちゃんも、みんなで交換した。
1つ増えた登録がすごく嬉しい。

今日はなんて良い日なんだろう。
その時はそう思った。
615 :コイビトの条件 :2013/03/11(月) 22:24
だけど。

駅でみんなと別れて、りーちゃんと2人の帰り道。
急にりーちゃんが立ち止まるから
なんだろうって視線の先を見たら
車道を挟んで反対側の歩道に
みやとももが仲良く歩いてた。

それは本当に「仲良く」って表現がピッタリで
時々みやがももに引っ張られたり
店先の商品を2人で眺めたり
ももの行動に迷惑そうな「ふり」をした後、
ももが見てない時には嬉しそうにしてるみやだったり。

暗くなりかけてる空を吹っ飛ばすような
街の明かりが2人をしっかりと照らしていた。
616 :おるぷち :2013/03/11(月) 22:26
本日はここまでです。
愛理さん高校卒業おめでとう。
ももち21歳おめでとう。
みやびちゃん…なんかない?www

>608 :名無飼育さん
お姉さんぶってる舞美さんって
可愛いんですよねー。
それにジャレてる2人組も好きですけど。
617 :名無飼育さん :2013/03/12(火) 17:16
なんか舞美ちゃん可愛いバカみたいww
そんな舞美ちゃんに萌えてる自分←
と、若干最後にラブラブなみやももを入れてくれる作者さんの優しさw
最高っすw
618 :コイビトの条件 :2013/03/18(月) 23:19
「りーちゃん…」

りーちゃんは動かずに
しばらく2人の様子を眺めた後
急に早足で、だんだんと掛け足になるくらいに。
たぶん、2人から離れたくて。

私も慌てて追いかけたけど
後ろからじゃ、りーちゃんがどんな顔してるか
そんなの分からなかった。

泣いてたらどうしよう?
りーちゃんが止まって私が追いついたら
なんて声をかければいいんだろう?
このまま、止まらなければいい。
うんと遠いところまで。
619 :コイビトの条件 :2013/03/18(月) 23:20
そんな事を思ったって、そんな時間をかけずに
りーちゃんはゆるゆると止まって
私もその少しだけ後ろに止まった。

結構な距離を走ったから息があがってる。
2人共はぁはぁという疲れた息だけで
なかなか普通に戻れなくて
ようやく言えた言葉は

「疲れたー」

って、私はバカだなあ。

もうちょっと何かあるでしょって自分でも思うんだけど。
620 :コイビトの条件 :2013/03/18(月) 23:20
りーちゃんは少し笑って

「うん、疲れた。いっぱい走ったね」

なんて普通の事を言う。
お互い、たぶん言いたい事いっぱいあって
言える言葉なんて全然なかった。
なにも、言えない。
そこからは手を繋いで、ゆっくり家まで歩いた。
りーちゃんの家の前で“バイバイ”をする時

「今日はありがとう。おやすみ。」

そう言うりーちゃんに

「おやすみ」

しか言えなかった。だけど何を言えただろう。

621 :コイビトの条件 :2013/03/18(月) 23:21
どうして今日よりによって
あんな所をあの時間に通りかかってしまったんだろう。

もう少し早くに切り上げるか、どこか寄り道でもしていれば。
あの2人が他の所を歩いていてくれれば。
考えても仕方ない事ばかりが頭の中をグルグルまわった。

今日は楽しかったはずなのに。
どうして今はこんなに重い気持ちでいなければならないの。
なんだか怨むような気持ち。
誰もなにも悪くなんかないのに。
622 :コイビトの条件 :2013/03/18(月) 23:22
3日後、りーちゃんから会いたいってメールが来た。
学校帰りに待ち合わせてBuono!じゃないカフェに行った。

「この前、ごめんね。」

りーちゃんが申し訳なさそうに言うから
私はぶんぶんと首を横に振る。

「私、なにも気に利いた事言えなくって。
親友なのに、、、」

「そんな事ないよ。帰り手をぎゅっと握ってくれたでしょ。
なんか嬉しかった。あったかくて涙出そうだった。」

「泣いてくれて良かったのに。」

そしたら抱きしめてあげたのに。
623 :コイビトの条件 :2013/03/18(月) 23:22
私はただ、どうしようばかりで
何も言えなかっただけ。
嬉しかったなんて、そんなの。
りーちゃんは優しく笑う。

「だって愛理のが泣きそうな顔してるんだもん」

「そんな顔してた?」

「してたよ。眉こーーーんなに下げちゃって!」

ふざけて自分の眉をめいっぱい下に引っ張る。

「ちょっとー!そんな顔しないよ!」

「してたよおー」
624 :コイビトの条件 :2013/03/18(月) 23:23
私たちは笑った。いつもみたいなふりで。
悲しい気持ちを隠して、なんでもないみたいにした。
だけど、ふと。りーちゃんが真顔になって

「分かってても実際見ると衝撃が違うよね。」

ぽつりと言った。
りーちゃんは2人が付き合ってる事は知ってても
2人が一緒にいるとこを見た事はなかったんだ。

「すごく仲良くて…みやの照れる顔とか
あんな目、、、愛しいって感じの。見た事なかった」

「そっか。」

「お似合いだよね」
625 :コイビトの条件 :2013/03/18(月) 23:23
私はなにも言えなかった。
いつも仲いいな、とかお似合いだとか思ってたし
2人がどれだけお互いを好きでいるか
近くで感じていたけど
それを、りーちゃんには言えないでいた。
こんなにショックを受ける前に
諦めた方がいいって言ったら良かったのかな。

「愛理はみやの彼女とも仲いいんだもんね。」

「…うん」

「私みたいの横恋慕って言うんでしょ?
ごめんね。愛理優しいから挟まれて
どうしたらいいか分からなかったでしょ。」
626 :コイビトの条件 :2013/03/18(月) 23:24
「でも!私、、、りーちゃんの味方でいたいって
そう、思ってたよ」

それは嘘じゃない。だけど2人が別れたらいいなんて
そんな事は嘘でも思えなかった。

「ありがと。私、ちゃんと諦める。」

「りーちゃん」

「すぐには無理だけど頑張るから。」

「うん。」

やっぱり、それ以上は何も言えなくて
目の前の紅茶を手にして飲んだけど
すっかり冷めていた。
りーちゃんも同じように飲んで
2人して苦く笑った。
627 :コイビトの条件 :2013/03/18(月) 23:24
「早く他に好きな人できるといいな。
あ、この前会った人たちとか。みんな可愛かったし。」

「この前?」

「舞と千聖と舞美ちゃん」

そう言われて楽しかった時間を思い出す。
あ、でも…たぶん本気じゃないだろうけど一応。

「でも舞と千聖はだめだよ」

「なんで?」

「昔から相思相愛なの。」

「相思相愛?」

「好き同士って事」
628 :コイビトの条件 :2013/03/18(月) 23:25
「そうなの!付き合ってるの?」

「そこまではまだみたい。」

「えー!なんで?」

「それは私も聞きたい」

でも確かに息ぴったりでお似合いだったよね、
なんて。りーちゃんが嬉しそうに言う。

自分は落ち込んじゃう恋愛してても
人の恋バナは楽しいらしい。
629 :コイビトの条件 :2013/03/18(月) 23:25
「好きなら好きって言えばイイのに!」

「それ、本人達に言ってあげてー!
舞ちゃんなんか特に意地っ張りでさあ。」

「そうなんだ。可愛いよね。」

「ふふ、そうだよね」

見た目は大人っぽいし中身だって
結構なクール女子なのに恋愛に関しては
変に子どもみたいなんだもん。

あの2人付き合ったらどうなるんだろう。
なにか変わるのかな?
630 :コイビトの条件 :2013/03/18(月) 23:26
「じゃあさー、舞美ちゃんならいいかな?」

「え!だめだよ!舞美ちゃんは!!」

自分でもビックリする勢いで言ってしまった。
りーちゃんもびっくりしてた。

「え、なに?なんで?」

「え、いや、なんか。そう思っちゃって。」

なんなの私。とっさに理由なんて思い浮かばなかった。
ただ嫌だって思った。
なんでだろう。

「…愛理もしかして舞美ちゃんの事好きなの?」

「え!?」
631 :コイビトの条件 :2013/03/18(月) 23:27
言われた途端に顔が、ううん。
全身が熱くなって汗が出てきた。

「そ、そんな事!!」

「そう?ならいいけど。
だって愛理には熊井ちゃんがいるんでしょう?」

くまい、ちゃん。
私、全然そんな事思いつかなかった。

「そ、そうだよっ。私は熊井ちゃんと付き合ってるし!
もっと好きになるって決めたんだから!」
632 :コイビトの条件 :2013/03/18(月) 23:27
なんか言葉がどっか上の方をツルツル滑っているみたい。
なんでだろう。
自分の言葉が自分の口から出ていないみたい。

りーちゃんが私の顔をじーっと見てる。
ソワソワして、ここに居られないように気持ちになる。
どうしよう?ってなにをどうするの。

私、変だ。
絶対オカシイ。
舞美ちゃんと会ってから私は変だ。

633 :おるぷち :2013/03/18(月) 23:29
本日はここまでです。
あやうく更新忘れるとこでした(-_-;)

>617 :名無飼育さん
バカで可愛い舞美さんが好きですw
ももみやはストーリー上の偶然ですが
喜んでもらえてなによりです
634 :名無飼育さん :2013/03/25(月) 12:55
愛理完全に熊井ちゃんほったらかしてんじゃないかww
635 :コイビトの条件 :2013/03/25(月) 22:13
その日は朝から雪が降っていた。

道も屋根も車も全部がうっすら白に覆われていて
なんだか、いつもの街が違って見える。
学校に行くためにいつもよりも早めに
家を出たけど目の前に見えてきた駅は
どうやら人がいっぱい。
たぶん電車が遅れてるんだろうな。
そう予想して早めに出てきたんだし。
ちょっと気分が重くなったけど
ここで引き返すわけにもいかない。
636 :コイビトの条件 :2013/03/25(月) 22:13
再び駅に向かって歩き始めた直後
雪に足をとられバランスを崩してしまった。

あっと思うより先に強い力で
ぐいっと後ろから引っ張られた。
呆然と目の前に転がる自分の傘を見てて
転ばずに済んだと気付くのには
ちょっと間が空いたかもしれない。

「だいじょうぶ?」

ピクッと耳が反応する。
この声。
637 :コイビトの条件 :2013/03/25(月) 22:14
「まい、、み、ちゃん?」

そう。後ろから私を支えてくれていたのは
舞美ちゃんだった。にっこり笑って

「おはよう」と言われ私も慌てて
「おはよう」と返す。

舞美ちゃんはささっと私の傘を拾って渡してくれた。
条件反射のように手を出しそれを受け取る。

「ローファーは滑りやすいんだから気をつけなきゃ!」

そう言われてやっと自分がまだお礼も言っていない事に気付いた。

「あ、うん。あっ!ありがとう。」

「いいの、いいの。愛理が転ばなくて良かったよ。」
638 :コイビトの条件 :2013/03/25(月) 22:14
舞美ちゃんが普通に私の名前を呼ぶのを聞いて
なんだかザワザワとした気分になった。
名前、ちゃんと覚えててくれたんだ。
そりゃ、あの日からまだ1週間くらいだし
普通、覚えてるだろうけど。
でも、なんか嬉しかった。

「舞美ちゃんも学校?」

「そう。今日に限って朝からなの!
明日だったら午後からで良かったのにね。」
639 :コイビトの条件 :2013/03/25(月) 22:15
そっか。
大学って日によって学校行く時間違うんだ。

歩きだした舞美ちゃんの横に並んで
私も駅までの道を歩く。
すぐ横に舞美ちゃん。なんかくすぐったい。

「舞美ちゃんってどこの大学なの?」

「ん。C大学だよ。スポーツ健康学科」

「スポーツ健康学科?」

初めて聞く学科名だ。

「うん、スポーツ選手のサポートする仕事したいから。」

「そうなんだ!すごい。将来の夢ちゃんとあるんだね。」

私なんか高3なのにまだ将来分からなくて
とりあえず進学、なんて、、、なんか、、いい加減かも。
なんか舞美ちゃんがまぶしい。
キラキラして見える。
640 :コイビトの条件 :2013/03/25(月) 22:16
舞美ちゃんはニコッと笑って

「陸上やってたんだけど高校の時に怪我しちゃって。
選手無理になったの。だからサポートに回ろうと思って。」

「え!?」

今、さりげなく結構すごい事言ったんじゃ?
だって、選手無理って、そんな明るく言う話じゃないよね。

「愛理優しいなあ。そんな悲しい顔しないでよ。
その時は落ち込んだけど今は前向きに頑張ってるんだから!」

「え、あ、ごめんなさい。」

「あやまらないでよおー!こっちこそ、ごめんね。
朝から変な事言っちゃって。
つい余計な事言っちゃうんだよねー。
それで舞ちゃんにいつも怒られるの」
641 :コイビトの条件 :2013/03/25(月) 22:17
「あ、あれ?そういえば舞ちゃんは?」

舞ちゃんは私と同じ高校なんだから
もう来ないとダメだと思うんだけど。

「慌ててもどうせ電車来ないからまだいいんだって。」

「えーーーーーー」

「愛理はまじめでガンバリ屋さんだね」

そう言われて胸がきゅう、と苦しくなる。
私、全然そんなんじゃない。

「そんな事!私、結構いい加減でふらふらしてるっていうか。」

「えー、そうは見えないけど」

ゆるく傘をくるくる回しながら舞美ちゃんは首を傾げる。
642 :コイビトの条件 :2013/03/25(月) 22:18
「将来の夢とかまだ分からなくて。高3なのに。
とりあえず進学って、それも今の高校の内部進学だし。」

「そっかー。でも大丈夫だよ。無理に将来の夢決めなくても」

「そうかなあ。」

「まだコレってゆートキメキがないんでしょ?
トキメキがない内に無理に夢見たらダメなんだよ」

「トキメキ?」

「うん。きっとコレって思えるトキメキに出会う時が来るから。
自分を信じて!愛理なら大丈夫だよっ。」

「そう、かな。なんか舞美ちゃんに言われると
大丈夫な気がしてきた。」

「そうだよ!夢なんて無理矢理決めるもんじゃないんだから。
気楽にいこー!まだ若いんだし。」

「そうだよね。まだ若いもんね。へへ。」
643 :コイビトの条件 :2013/03/25(月) 22:19
話していたらあっという間に駅に着いて
改札をくぐったところで別れなきゃいけない。
舞美ちゃんの大学は私の高校とは逆方向だから。
残念。せっかく会えたのに。

「残念だね。せっかく会えたのに。」

「え!?」

心の中で思ってた事と全く同じセリフが
舞美ちゃんから出てくるなんて。

「こんな風に会うなんて滅多にないもんね。
今日はラッキーだったね」

「うん。そう、だね。」

「じゃあ、またね!転ばないようにね」

「あ、舞美ちゃん!」
644 :コイビトの条件 :2013/03/25(月) 22:20
もうホームに向かいかけてた舞美ちゃんが
くるっと振り返って私を見るから
ぐっと言葉に詰まってしまった。

「あの、また、会える?」

「もちろんだよー!またお茶でもしよ!」

「うん!またね!」

嬉しい。
嬉しい。
嬉しい。

きっとまた会える。
だって連絡先だって知ってるし
舞美ちゃんもああ言ってくれたし。
645 :コイビトの条件 :2013/03/25(月) 22:20
ホームに着くと向かい側に舞美ちゃんがいて
私に気付くと大きく手を振ってくれた。
ちょっとだけ恥ずかしかったけど
私も大きく手を振り返した。

満面笑顔の舞美ちゃん。
やっぱりキラキラ輝いて見える。

舞美ちゃんの乗る電車がすぐに来て
その姿は見えなくなってしまったけど
私の気持ちはほんわかとあったかかった。
646 :おるぷち :2013/03/25(月) 22:22
今日はここまでです。
若干、季節がずれてしまいましたが
お気になさらず〜〜〜(汗


>634 :名無飼育さん
この物語はダメダメ愛理ちゃんストーリーとなっておりますw
647 :名無飼育さん :2013/04/01(月) 23:48
やじすずも萌えるので問題なし(・∀・)
648 :コイビトの条件 :2013/04/02(火) 22:18
「おっはよー!」

学校に着くと花音ちゃんがもう来ていた。
他のクラスメートはまだほとんどいない。

「おはよ、愛理。ご機嫌だね」

「そう?ほら雪だし。白くてキラキラで
わくわくするでしょ?」

「ロマンティックだよねー。
こんな日は王子様とデートしたいわ。」

「花音ちゃん王子様現れたの?」

「うーん。私の目には見えるけど
なかなか振り向いてくれないの。」
649 :コイビトの条件 :2013/04/02(火) 22:19
悲しそうな顔で両手を顔の前で組むけど
妙にお芝居かかってるし
どこまで本気なのか分からなかった。

「愛理は?」

「え?」

「王子様、現れた?」

そう言われてなぜか舞美ちゃんの顔が思い浮かんで
慌てて打ち消した。
そう言えば熊井ちゃんの事まだ言ってなかった。
だけど何か言えなかった。
650 :コイビトの条件 :2013/04/02(火) 22:20
曖昧に笑う私を見て

「そっか、まだかー。」

なんて花音ちゃんが結論を出して
私はそれを否定しなかった。

「よし、みんなが来るまでゲームしよっ♪」

「うん。」

話題が変わった事にホッとする私。
これって、なんなんだろう。
友達に隠しゴトなんて今までした事なかったのに。
りーちゃんと、みや。
熊井ちゃんの事知らない友達には言えた話を
熊井ちゃんの事知ってる友達には言えない。
651 :コイビトの条件 :2013/04/02(火) 22:20
授業が始まる頃にはクラスのほとんどが
ちゃんと席にいた。
ちらほらと雪で諦めたのか、遅れてるのか
空席もあったけれど。
窓の外はもう降ってはいないみたい。
一面真っ白でここが教室でなければ
本当に別世界のようだった。

いいなあ、別世界。

652 :コイビトの条件 :2013/04/02(火) 22:20
そういや、昔りーちゃんと
こんな雪の日に2人布団にくるまって
もし別世界に行けたらどうする?なんて
たわいのない話をしたっけ。

そんな事を思いながらふと視界に入ったスマホ。
光が点滅しているのに気付く。
先生はまだ来ていない。
さっと机から取りだして見ると
熊井ちゃんからの雪の中通学する私を
心配するメールだった。
653 :コイビトの条件 :2013/04/02(火) 22:21
やっぱり熊井ちゃんは優しくて
いつでも私の事を考えていてくれてるみたい。
その気持ちに応えたいと思う。

だけど、付き合い始めたあの日よりも
なんだか気持ちがフラフラしているのを
どこかで自覚していた。

だけど認めちゃいけない。そう思ってた。
本当は、もう多分。分かっていたけれど。
654 :コイビトの条件 :2013/04/02(火) 22:22
今日はすごく晴れていたから
帰りにはもう雪も解けて
地面はビシャビシャで黒く汚れていた。

あんなにキレイな世界だったのに
教室にいる間にウソみたいに消えてしまって
むしろ前よりも汚い世界になったようで
悲しくなった。

現実的にも靴や靴下に汚れが撥ねそうで
凄く、嫌。

上を見上げれば、まだ白い世界が
屋根とか塀の上なんかには残っているのになあ。
655 :コイビトの条件 :2013/04/02(火) 22:23
撥ねを気にしながら道を歩く。
下を向いていたから気付かなかったけど
いつの間にか影が近くに伸びていた。
目線を上げると笑顔の熊井ちゃんが立っていた。

「熊井ちゃん?どうしたの?」

ここは私の高校の最寄り駅で
熊井ちゃんの通う大学はこの沿線ではない。

「朝、愛理とメールしたら会いたくなっちゃって。」

「え…」

「あ、迷惑だった?なんか用事あった?
今日はバイトないって言ってたしいいかなって、その…」
656 :コイビトの条件 :2013/04/02(火) 22:23
どんどん声が小さくなっていく熊井ちゃん。
自分の態度はそんなに感じ悪かったかな?

「え、あ。いや。そんな事ないよ!
ただビックリしちゃって。」

慌てて言うと熊井ちゃんは見るからに
ホッとした顔をした。

「良かった。あったかいものでも飲みに行かない?」

「あ、うん。そうだね。」

「愛理?もしかしてやっぱ…」

「え、ちがっ。あの、どっかイイ店あったかなって
そっち考えちゃって…」

「そう?」
657 :コイビトの条件 :2013/04/02(火) 22:24
今日も熊井ちゃんは手を繋ごうとしてきたけど
下がビショビショで危ないからって
断ってしまった。

一瞬悲しそうな顔をしたけど
そうだよね、と熊井ちゃんは笑った。

熊井ちゃんの気持ちに応えたい。
そう思ってるはずなのに
どうして優しくできないんだろう。
658 :おるぷち :2013/04/02(火) 22:26
本日はここまでです。
愛理さん大学入学おめでとー!
でも、ここでは当分高校生でいてくださいw

>647 :名無飼育さん
その内、萌えれるようなシーンが
出てくるといいなあw
659 :名無飼育さん :2013/04/08(月) 16:19
熊井ちゃん優しいなぁ

続きがきになるります!w
660 :コイビトの条件 :2013/04/09(火) 20:31
嬉しかったはずの熊井ちゃんの気持ちが
なんだか急に重く感じる。
早く気持ちに応えないとっていう焦り?

でも、しばらく熊井ちゃんといつもみたいに
お茶してしゃべってたら
少し落ち着いた気がしてた。
661 :コイビトの条件 :2013/04/09(火) 20:32
だけど。
地元の駅まで送ってくれた熊井ちゃんと
一緒にホームに降り立った私は。
向かいのホームに舞美ちゃんの姿が見えた時。
舞美ちゃんが私に気付いて笑って手を振った時。

もう誤魔化せないほどに
完全に自分の気持ちが分かってしまった。

なんて、バカなんだろう。
なんて、嫌な女なんだろう。

自分がこんなに酷い人間とは思わなかった。

662 :コイビトの条件 :2013/04/09(火) 20:32
私は…その時。
熊井ちゃんに声をかける事もなく
走りだしてしまった。
考えるよりも早く。

熊井ちゃんが私の名前を呼んだ声が
聞こえたような気もしたけれど
一気に改札まで走りぬけてしまった。
663 :コイビトの条件 :2013/04/09(火) 20:33
だって。

舞美ちゃんに熊井ちゃんと居る所を
見られたくなかった。

舞美ちゃんは気付いたかな。
私が誰かと一緒に居た事に。

熊井ちゃんの気持ちについて考えたのは
家についた、そのもっと後で
それに気付いた時さらに自己嫌悪になった。
こんな私、知らない。
664 :コイビトの条件 :2013/04/09(火) 20:33
好きって言ってくれて付き合っているのに。
嬉しくてオッケーしたのは自分なのに。
自分が舞美ちゃんにどう思われたかだけで
頭がいっぱいになっているなんて。



私、舞美ちゃんが好き。
665 :コイビトの条件 :2013/04/09(火) 20:35
熊井ちゃんは凄く優しいのに。
そのままの私、

いろんな私を知った上で
全部好きって言ってくれて
いつでも私の事考えてくれて
理想の、素敵なコイビトなのに。

まだ2回しか会った事ない舞美ちゃんの事しか
もう考えられないなんて、どうかしてる。
666 :コイビトの条件 :2013/04/09(火) 20:35
こんな事、りーちゃんにも言えない。

私がこんなに嫌なやつなんだって
真っ直ぐで純粋なりーちゃんに知られたら
軽蔑されてしまう。嫌われちゃうかもしれない。

やっぱり私は自分の事ばっかり。
最低だ。

熊井ちゃんから何度もメールや電話がきたけど
私はひとつも応えることができなかった。

667 :おるぷち :2013/04/09(火) 20:37
本日はここまでです。
まー、こう…徐々に暗い展開にw

>659 :名無飼育さん
そーですね。
熊井ちゃんはいいコイビトです。
668 :sage :2013/04/10(水) 21:24
一気に読みました!
気持ちは分かるけど
愛理さんーーーーー!
669 :名無飼育さん :2013/04/14(日) 12:29
あいりんの周りはいい人ばっかりですねぇ
666みたいに思ってしまうのも頷ける。
どうなるのかな。続き待ってます。
670 :コイビトの条件 :2013/04/16(火) 21:17
ただ怖かった。
最低な自分を人に知られるのが怖かった。
このまま、どこか遠くへ行ってしまいたい。
そう小さい頃にりーちゃんと語った別世界にでも。


あれから、色々考えた。
と、言っても同じことの堂々巡り。
考えれば考えるほど自分が嫌になった。
671 :コイビトの条件 :2013/04/16(火) 21:18
早く熊井ちゃんに謝らなきゃ。
それだけはハッキリしていた。

このまま付き合うなんてできない。
熊井ちゃんの気持ちに応える事が出来ないって
分かってしまったから。
672 :コイビトの条件 :2013/04/16(火) 21:19
今、私は熊井ちゃんの大学の1部屋に居る。

大学前の門で待ってようと思ったけど
実際行ってみたら広すぎて
出入り口が1つや2つじゃないっぽい。

会えない気がしてメールしたら
すぐに熊井ちゃんが来てくれた。

私の姿を認識するとパアッと目を輝かせて
満面の笑みでトテトテ小走りになった。
673 :コイビトの条件 :2013/04/16(火) 21:19
青い空と熊井ちゃんはとっても良く似合う。
今は冬だけどもう少ししたら緑の木々だって
とっても、とっても似合うのを知ってる。

「愛理!良かったー!昨日急に走りだすし
連絡つかないし…心配したんだよ?」

あんな態度をとった私にまで優しい。
なんか、ますます心苦しくなる。

「ごめんなさい。あの。それで…私…」

「うん?」
674 :コイビトの条件 :2013/04/16(火) 21:20
熊井ちゃんの顔が見れない。
どうしよう、どう切り出したらいい?
人がいっぱい通るここで出来る話じゃないし。

悩んでると熊井ちゃんが急に
私の手を取って歩き始めた。

「え、あの、、、熊井ちゃん?」

「なんか話あるんでしょ?落ち着いて話せる部屋あるから。」

そう言って連れてこられたのが今いる部屋。
熊井ちゃんの所属するサークルの部室だけど
今日は休みで誰も来ないらしい。
何も言わないのに、なんで分かるんだろう。
すごいな、熊井ちゃんは。
本当に私の事好きでいてくれてるんだ。
675 :コイビトの条件 :2013/04/16(火) 21:21
「適当に座って?」

そう熊井ちゃんは言ってくれたけど
のんきに座って話すことでもないような気がした。
ドアの近くに突っ立ったまんまの方がお似合いな気がした。

「あの、熊井ちゃん。私、あの。」

「愛理。私の顔を見て。」

「え…」

「大事な話なんでしょ?じゃあ、ちゃんと目を見て言って」

熊井ちゃんが真剣な目をしていた。
せめて、その気持ちに応えないといけない。
676 :コイビトの条件 :2013/04/16(火) 21:22
たぶん、熊井ちゃんは気付いてる。
今日の私の要件を。
私は熊井ちゃんの目をじっと見て言う。

「私、熊井ちゃんとはもう付き合えない。本当にごめんなさい。」

声が震えた。でも絶対泣いちゃダメだって思う。

苦しいけど、辛いけど、痛いけど。
それは自分のせいだから。
今、ここで泣くのは卑怯だ。
677 :コイビトの条件 :2013/04/16(火) 21:24
熊井ちゃんの喉がコクン、と鳴る。
なにも感情が読めない目で私を見てる。
こんな熊井ちゃんは初めてだ。


「ごめんなさい。」

もう一度言って深く頭を下げた。
謝ればいいってもんじゃないのは分かってる。
だけど謝るしか思いつかない。
678 :コイビトの条件 :2013/04/16(火) 21:24
しばらくして

「夢みたいだった。」

熊井ちゃんの声が上の方でした。
どういう意味か分からずにおずおずと
熊井ちゃんを見上げる。

「告白してオッケー貰って夢みたいだったの。」

熊井ちゃん。。。

「やっぱり、夢、だったんだね。」

悲しそうな顔で笑った。
それでも、優しい笑顔だった。
こんな時まで優しいなんて熊井ちゃんはずるい。
679 :おるぷち :2013/04/16(火) 21:31
本日はここまでです。
ぽかぽか陽気になってきましたが
このお話の中はまだまだ寒いです〜。

>668 :sage さん
そうですね、どうしようもないってのも
あるけど熊井ちゃんを思うと…

>669 :名無飼育さん
うんうん、イイ人だらけです。
愛理さんがダメって訳でもないんですけど。
まあ、普通の感情ですよね。
680 :名無し飼育 :2013/04/16(火) 23:58
画面がかすんでよく見えないよ熊井ちゃん……
681 :名無飼育さん :2013/04/23(火) 09:12
熊井チャン切なすぎますっ!!
夢って!夢って!!
682 :コイビトの条件 :2013/04/23(火) 20:25
「こういう時ってさあ、なんで?って聞いてイイのかな。
“付き合ってみたら、やっぱなんか違った”とか、そんな感じ?」

「ちが、違うの。そうじゃなくて。私が悪いの。」

本当の事、正直に話そうかちょっと戸惑う。
だけど言わないのもやっぱり卑怯な気がする。
胸がドクンと大きくはねる。
683 :コイビトの条件 :2013/04/23(火) 20:25
「好きな人が…できたの。」

「好きな人…そっか。そのパターン、、、あは。
なんかドラマみたいだね。」

声、乾いてる。
熊井ちゃんは優しくて癒し系でいつでも私の事考えてくれてて。
勘違いじゃなかったら、今も。
こんな時でも私が傷つかない言葉選んでる。

「その人と付き合うの?」

ふるふると大きく首を横に振る。
684 :コイビトの条件 :2013/04/23(火) 20:26
「そんなんじゃ、ないの。まだ2回しか会った事ないし。
でも、何も知らないのに好きなの。そう思っちゃったの。」

私の言葉は少しも優しくない。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
何度謝っても足りない。

「そっか。そういう事もあるよね。」

熊井ちゃんはウンウン頷いて部屋をぐるぐる歩き始めた。
私に背を向けて壁際にあった本棚の前で止まる。
少し離れたところに居る私からでも分かる位
熊井ちゃんの手はハッキリと震えていた。
685 :コイビトの条件 :2013/04/23(火) 20:26
「その内、こんな日がくるんじゃないかなって思ってたんだ。」

「え…」

「私が愛理を好きだって思うようには
愛理は私の事好きな訳じゃないって知ってたから。」

「熊井ちゃん。」

「だけど、時間かかっても少しずつ
好きの量の差が縮まればいいなって思ってた。」

686 :コイビトの条件 :2013/04/23(火) 20:27
私も好きになれるって思ってた。
好きなのにウソはなかった。
もっと好きになれるって信じてた。

「でも、ダメだったんだね。」

熊井ちゃんの声は小さかったのにハッキリ聞こえた。
胸にズシンときた。
687 :コイビトの条件 :2013/04/23(火) 20:27
「ごめんなさい。」

やっぱり、謝る事しか出来ない。
沈黙が重くてどうにかしたいのに
どうにもできなくて
どうしよう、どうしよう?
そればkっかりで、ただひたすら自分が嫌になる。
そうこうして数分。
ふいに。

「抹茶好き仲間は変わらないよね?」

一瞬、なにを言われたか分からなかった。
688 :コイビトの条件 :2013/04/23(火) 20:28
ぐるーっと頭の中を熊井ちゃんの言葉が回っていく。
仲間、って言ったよね?
それって、前みたいな関係に戻れるって事?
そんな都合のいい話、いいの?

「も、もち、もちろん、だよっ!!
抹茶について語れるの、く、熊井ちゃんだけだし!」

勢いよくしゃべったら、いつも以上に噛んでしまった。

「良かった、あは。は、は、は…」

熊井ちゃんは乾いた笑いを上げながら
ズルズルとその場にうずくまってしまった。
689 :コイビトの条件 :2013/04/23(火) 20:29
「く、熊井ちゃんっ?」

思わず近寄って後ろから熊井ちゃんの肩に右手を乗せたら
熊井ちゃんの左手が、私の手をぎゅっと握った。
その手はやっぱり震えてた。

「ごめん。ウソ。無理。」

「え。…あ、そっか、そう、だよね。」

恥ずかしかった。
熊井ちゃんの言葉に調子よく、都合良く
前みたいに、なんて。そんな事。
でも、この手は。
この繋がってる手の意味ってなんだろう。
690 :コイビトの条件 :2013/04/23(火) 20:30
「違うの。今は、しばらくは、やっぱ無理かなって。」

「う、、、ん。」

「でもね、いつか、前みたいになれるから。
前みたいに、抹茶仲間でいてほしい。」

「熊井ちゃん。」

「ごめんね、私が愛理の事好きになったから。
告白なんかしたから。
そんなんしなかったらずっと仲間でいれたのに。
苦しい思いさせなくて良かったのに。」
691 :コイビトの条件 :2013/04/23(火) 20:31
「そんな事!私、嬉しかったの。熊井ちゃんの気持ち。
本当だよ!私も好きだって、ほんとにそう思ったの。
その、ちょっと、足りなかったかもしれないけど。」

「ん。」

「熊井ちゃんはなにも悪くないよ。
私が悪いの。本当に。ごめんなさい。」

「う、、、ん。」

鼻をすする音が聞こえたかと思うと
バッといきなり立って私をギュッと抱きしめた。
692 :おるぷち :2013/04/23(火) 20:34
本日はここまでです。
もう4月も後半と言うのに
雪が降るとかありえないですね。
寒い時はやっぱイチャイチャ…(またかよ!


>680 :名無し飼育さん
熊井ちゃんの雄姿を見てやってくださいっ!

>681 :名無飼育さん
そうですねー。熊井ちゃんイイ子すぎて…!!!
693 :名無飼育さん :2013/04/30(火) 13:51
イチャイチャいいですよねーって
全然イチャイチャしてない!
むしろ切ないんですけど!
694 :コイビトの条件 :2013/05/07(火) 20:57
「え、あの、、、」

「ごめん、ちょっとだけ。ひとつだけワガママさせて。」

そんな熊井ちゃんの背中にそっと自分の腕を回したら
熊井ちゃんがホッとしたのが分かった。
あったかくて柔らかい熊井ちゃんに包まれて
こんな時なのに私はなんだか癒されるような気分だった。
全てを許されているような。
それは絶対、勝手な私のただの希望なんだけど。
695 :コイビトの条件 :2013/05/07(火) 20:57
「私、愛理の困った時の下がり眉も
ドヤ顔でダジャレ言うのも
滑舌悪くてスグ噛んじゃうのも好きだよ。」

「う、、、ん。」

「抹茶にはしゃぐのも、優等生なとこも
甘えてくるトコも。」

言いながら抱きしめる力が強くなったのを感じる。

「でもね、やっぱさ。笑顔が一番好きだから
今度会う時は…会える時は笑顔で会おうね。」

「うん。私も熊井ちゃんの優しい笑顔が一番好きだよ。」

「あり、、、がと。今は私ぐっしゃぐしゃで
見せれる顔、してないからさ。」
696 :コイビトの条件 :2013/05/07(火) 20:58
ふっと抱きしめられていた感覚がゆるくなった。

「このまま、顔、見ないで。そのまま出てってくれる?」

「…うん。分かった。」

完全に身体が離れてしまったら
一気に寒さを感じた。
私は熊井ちゃんに背を向けて振り返らずにドアに向かった。
少しだけ手前で立ち止まって

「ありがとう。熊井ちゃん。さようなら。」

そう告げると震える声で熊井ちゃんは応えてくれた。

「こっちこそ、短い間だったけど楽しかった。
バイバイ、、、またね。」

「うん、またね。」
697 :コイビトの条件 :2013/05/07(火) 20:59
これで、終わってしまった。

一番辛い別れだった。
そんなに多くない恋愛経験だけど
傷ついた事だっていっぱいあったけど。
こんなに人を傷つけたのは初めてだったと思う。

最後まで優しかった人。
震える声で“またね”と言ってくれた人。

ごめんなさい。
ありがとう。



ごめんなさい。
698 :コイビトの条件 :2013/05/07(火) 20:59
翌日。
舞ちゃんに学校の玄関で会った。
さりげなく私に寄ってきたけど
たぶん、待っていたんだろうな。

私の肩をポンとだけ軽く叩いて
“あっち”と指し示される。
前にも連れて行かれた誰もいない廊下だとピンとくる。

舞ちゃんは熊井ちゃんに全てを聞いたんだろう。
その事で話があるんだよね。
やっぱ軽蔑した?
怒ってる?
舞ちゃんの大事な先輩を気付つけてしまったから。
699 :コイビトの条件 :2013/05/07(火) 21:00
この前、話した場所まで行くと足を止めて
舞ちゃんは私を振り返り困ったように笑った。

「仕方ないよね。」

仕方ない?
全てを聞いて、そんな風に言うの?

「わたし、酷いよね」

そう言うと片眉をあげてクールに

「仕方ないって言ったじゃん。」

今度はデコピンをされた。
700 :コイビトの条件 :2013/05/07(火) 21:01
「いたー」

思わずうなる私に

「酷くないとは言わないけど
気持ちなんて自分でもどうにもならない事あるよ。」

舞ちゃんは本当に私より大人な気がする。

「ありがと。」

そう言うとくしゃっと笑った。

「私はさ、熊井先輩の事も好きだけど
愛理の事も好きだし。両方の味方だよ?」

ちょっと違うけど私のりーちゃんへの気持ちと
みやとももに対する気持ちと
似た感じでいてくれてるのかな。
701 :コイビトの条件 :2013/05/07(火) 21:02
「ありがと。私、舞ちゃんには怒られると思ってた」

「怒ってもいいけど。たぶん、私も悪かったかもしんないから」

「え?」

「私が引き合わせたから」

「え、え、え?」

「愛理は分かりやすい。」

それって
それって
私の舞美ちゃんへの気持ちって事?
どんだけ鋭いの!?ウソでしょ?
702 :コイビトの条件 :2013/05/07(火) 21:03
「たぶん、りーちゃんも分かってる。」

「え…」

「千聖と舞美ちゃんは当然のように気付かない。
鈍感バカだから」

そう言っていたずらっぽく笑う。
それにつられて私も軽口をたたく。

「私も舞ちゃんの千聖への気持ちなら気付いてるんだけどな。」

「な、なにそれ〜。」

不服そうに、つまんなそうに、すねたように。
そういうトコはやっぱ年下に見えるんだけどな。
703 :コイビトの条件 :2013/05/07(火) 21:03
舞ちゃんは、ふと真面目な顔になって

「りーちゃんには自分から話した方がいいよ?」

「でも…」

「言ってもらえないと寂しいよ?」

そうかもしれない。
隠しごとは人を傷つける。
大事な親友ならなおさら。
私が逆の立場なら言ってほしい。

「舞ちゃん本当にありがとう。」

「いいえ、どういたしまして!
じゃ、授業始まるし。またね!」

ひらひらと手を振って舞ちゃんが歩き去っても
私はしばらく動けないでいた。

だけど、スマホを取り出し
りーちゃんにメールした。
それには小さな覚悟が必要だった。
704 :おるぷち :2013/05/07(火) 21:05
本日はここまでです。
GW終わっちゃいましたねえー。

んで。圭ちゃんおめでとう!

>693 :名無飼育さん
うん。全然イチャイチャしてないですよね(-_-;)
705 :コイビトの条件 :2013/05/14(火) 21:43
放課後。
りーちゃんの家に行った。

メールの返信はもの凄い早くて
“じゃあ、学校終わったらお泊まりグッズ持って
うちにおいでよ”って。

りーちゃんって本当にお泊まり好きだなあ。
たぶん、寂しいんだろうけど。
一人っ子だし、忙しいご両親は留守ばかりだし。
いつもお手伝いさんしかいないから。
706 :コイビトの条件 :2013/05/14(火) 21:43
「いらっしゃーい」

迎えてくれたりーちゃんは
凄く嬉しそうでテンション高くて
これから話す事を思うとちょっと気が重く感じた。
「美味しい紅茶があるの。クッキーも」
いそいそと用意してくれる。
日本に来てから何度もお邪魔してるりーちゃんの家。
家自体もりーちゃんの部屋も
なんか不思議な物でいっぱい。
だけど、それが居心地いいから不思議。
707 :コイビトの条件 :2013/05/14(火) 21:44
「今日お手伝いさんは?」

「愛理と2人がいいから帰ってもらった。」

「え、そうなの?」

「ん?あ、ご飯は用意してもらってるから大丈夫だよ?」

別にそこ心配した訳じゃないけどなあ。と、少し苦笑い。

紅茶とクッキーを食べながら
たわいのない話をする。
だらだらと。
言いたい事、言わなきゃいけない事が
頭の片隅にくっついてるのに
なかなか言い出せない。
708 :コイビトの条件 :2013/05/14(火) 21:44
どうしよう。
いつ言おう。

「ねー、愛理」

「うん?」

「眉垂れてるよ」

「え!!」

咄嗟に自分の眉を両手で押さえたら
りーちゃんに思いっきり笑われてしまった。

「もぅー。りーちゃんが急に変な事言うから。」

「変じゃナイよ。本当だもん。
言いたい事のタイミングがつかめないって顔してる」

「な、なんで分かるの!?」
709 :コイビトの条件 :2013/05/14(火) 21:45
「愛理分かりやすいもん。」

「それ、舞ちゃんにも言われた。」

「舞ちゃんに?ふぅん。」

あ、りーちゃん流し目した。
色っぽくて柔らかい目。
それから優雅な手つきで微笑んだ唇にカップを運ぶ。
こうゆうとこ、お嬢様だなあって思う。
こくん、と小さな音がしてから私は話しだす。

「熊井ちゃんとね、別れたの。」

「…そう。」

一瞬、止まって、でも。
なんでもないような一言だった。
710 :コイビトの条件 :2013/05/14(火) 21:45
「舞美ちゃんを好きになっちゃったの。」

「そっか。」

「気付いてた?」

「まぁ、ね。」

「やっぱり私分かりやすい?」

そう言うと、ふわっと笑われた。

「分かりやすいけど、気付いちゃうのと
ちゃんと言ってくれるのとは違うからね?」

「うん」

「言ってくれて良かった。」

舞ちゃんの言うとおりだった。
りーちゃんに言って良かったんだ。
711 :コイビトの条件 :2013/05/14(火) 21:46
「熊井ちゃん、最後まですごく優しかったの。」

「そっか。」

「私、すごい酷いの。自分の事ばっか考えて
熊井ちゃんを傷つけたのに…
告白してゴメンネって。また笑顔で会おうねって」

「素敵な人だね。」

「うん、すごい素敵なの。なのに私…
サイテーで嫌な奴なの。
自分がこんな人間だなんて知らなかった。」

りーちゃんは私の横に移動してきて
何も言わずに頭をなでてくれた。
712 :コイビトの条件 :2013/05/14(火) 21:46
「私、りーちゃんにこうやってされるの好き。」

「私も愛理をこうするの好きだよ。」

あったかくて、居心地良くて。
だけど今の自分はそうされる資格ないんじゃないかなあ。

「私サイテーなんだよ?呆れるでしょう」

りーちゃんは否定も肯定もしないで
しばらく私の頭をなで続けて、あのね、と口を開いた。。

「私、みやの事好きになったって言ったら
愛理に嫌われるんじゃないかと思った。」
713 :コイビトの条件 :2013/05/14(火) 21:47
突然なんの話をするんだろう?
それに私がりーちゃんを嫌う???

「え、なんで?」

「だって愛理の友達の恋人でしょう。」

「りーちゃんも友達だよ。」

「そうだけど。私、近くにはいない友達だったから
自信がなかったんだ」

「自信?」

「私は愛理を親友って思ってるけど
愛理はそうでもないんじゃないかって。
日本で一緒にいる友達の方が大事なんじゃないかって。」
714 :コイビトの条件 :2013/05/14(火) 21:47
「そんな事ないよ!」

「ありがと。前に、あの、みやが恋人と一緒に居るの見て
ショック受けた後に。愛理言ってくれたじゃない?
りーちゃんの味方だって。凄い嬉しかったの。」

知らなかった。そんな事りーちゃんが思ってるなんて。
向こうで友達とうまくいかないって言ってたのに
どうして不安に気付いてあげられなかったんだろう。

「私、みやの事、本当は諦めたくない。」

「え?」

「そう言ったら嫌われる気がして言えなかったの。
しつこいよね。でも止まらないの。」
715 :コイビトの条件 :2013/05/14(火) 21:48
「りーちゃん。」

「本当は奪ってやりたいって思ってた。
恋人がいても構わない。誰かを傷つけてもイイ。
私の方がみやを好きだって。そんな私は汚い?」

「そんな事ないよ!!」

りーちゃんはキレイだ。
純粋でまっすぐで強くて弱い。
そんな彼女を責められるはずない。

「ごめんね、板ばさみにしちゃって。」

自分の気持ちに戸惑っているのは
りーちゃんも一緒なんだ。
なのに、私にまで気使って本音を言えなかったんだ。
私は自分だけでいっぱいだった。
716 :コイビトの条件 :2013/05/14(火) 21:48
誰かが困るといけない、じゃなくて
自分の見にくいところを見せたくないって
自己保身だけだった。

誰に対しても良い子に思われたくて
嫌われたくなくてもがいてた。
自分自身を酷いよね?なんて相手に問いかけて
そんな事ないって言ってもらいたかった。

ただ、それだけだった。
私の方が100倍汚い。
717 :コイビトの条件 :2013/05/14(火) 21:49
「なんてね。」

「え?」

「愛理を困らせても好きなの止まらないの。
自分勝手だけど、それが本当の私なの。
軽蔑する?」

「私もおなじ、だよ。」

その日は普段は絶対言わないような本音を
いっぱい、いっぱい話した。
718 :コイビトの条件 :2013/05/14(火) 21:49
お互い「そんな事思ってたの?」って
ビックリするような事がいっぱいだった。
私たちはズルくて自分勝手で恋がへたくそなんだって
よーっく分かった。
なんだか話せば話すほど最低で
可笑しくてしかたなかった。
こんなに誰かに思ってる事全部言うの初めてで
多分それはりーちゃんも同じ。
友達でも、ううん。友達だから言えない事って
案外あるもんだねって笑った。
りーちゃんは最高の親友だ。
そう伝えたら

「ずっと前から私はそう思ってたのに!」

って、ちょっと拗ねられて困ってしまった。
719 :コイビトの条件 :2013/05/14(火) 21:50
私は熊井ちゃんを傷つけても舞美ちゃんが好きで
りーちゃんは私や、みや自身を困らせても
みやが好きだって言った。

最低な私たちは最高の親友だと思う。
720 :コイビトの条件 :2013/05/14(火) 21:50
今日からの私。
熊井ちゃんを傷つけて
舞美ちゃんを好きでいる。
なにも変わらない私。

別にすぐに告白しよう、とか
そんな事は思ってない。
ただ好きだって認めた。
自分の醜い心も認めた。

変わらないけど
すこしだけ変わった私。
721 :おるぷち :2013/05/14(火) 21:51
本日はここまでです。

なんか愛理とりーちゃんがイチャイチャしてるような
気がしなくもないwww
ま、いっか。

かおりん、おめでとう!
722 :コイビトの条件 :2013/05/21(火) 20:22
りーちゃんちに泊まった翌日は
朝から気持ち良く晴れていて
気温も少し高くて
なんだか清々しい気持ちだった。

いつものように学校へ行く。
いつものようにクラスに行く。
だけど花音ちゃんにいつもの笑顔がなかった。
723 :コイビトの条件 :2013/05/21(火) 20:23
「おはよう。どうしたの?」

「おはよ、、、あのさ、愛理」

「うん?」

隣で彩ちゃんが心配そうな顔してる。
え、なに?どうしたの?

「熊井先輩と付き合ってるって本当?」

「…え?」

どうしよう、どう答えたらいいんだろう。

「愛理と熊井先輩が手つないで歩いてたって聞いて…」

「あ、、、そう、なんだ。でも、えっと、」

「どうして言ってくれなかったの?」
724 :コイビトの条件 :2013/05/21(火) 20:23
頭の中がぐるぐる回転してるけど
答えはでない。簡単には説明できない。

「あの、違うの。熊井ちゃんとは…」

「熊井ちゃん!?やっぱ付き合ってるんだ!」

「え、、、いや、違うの。」

花音ちゃんのいつもとは全然違う勢いに圧倒される。
泣いてはいないけど泣いてるみたいな
怒ってるみたいな顔。

でもナニに対してそういう風になってるのか分からない。
オロオロしている間にチャイムが鳴ってしまう。
クラスのみんなも何事かと私たちを見てたけど
それぞれ席に戻っていった。
725 :コイビトの条件 :2013/05/21(火) 20:24
何なの?
どうしたらいいの?
なんて説明したらいいの?
確かになにも言わなかったけど
言わない間になにもかも終わってしまった。
そんな事、あんまり言いたくない。

先生が教室に入ってきて授業が始まると
しばらくして手紙が回ってきた。
彩ちゃんからだった。
726 :コイビトの条件 :2013/05/21(火) 20:24
“花音、熊井先輩の事すきだったみたい。”

そんな事、知らない。
私もなにも言わなかったけど
花音ちゃんだって何も言わなかったじゃない。
私が悪いの?
私だけが悪いの?

そう思う反面
なんだか罪悪感。
727 :コイビトの条件 :2013/05/21(火) 20:25
気持ちが重い。どうしたらいい?

謝るのも変、だし
なんか違う。

次の休み時間とか
お昼休みとか、どうなるんだろう。
花音ちゃんは私を避けるだろうか。
彩ちゃんは花音ちゃんをとるだろう。
私よりも花音ちゃんと長い付き合いだし。

あーあ。
なんでこんな事になってるの?
728 :コイビトの条件 :2013/05/21(火) 20:25
休み時間になると案の定
花音ちゃんは教室からいなくなってた。

次も、次も。
移動教室も一緒に行かなかった。
時々、彩ちゃんが心配そうに私を見る。
でも結局は花音ちゃんの側にいる。

昼休み。
教室で1人も嫌で美術室へ逃げ込んだ。
うん。まさに逃げ込むって感じ。
なにしてんだろ、私。
729 :コイビトの条件 :2013/05/21(火) 20:26
美術室。ずっと部活で使ってた。
大好きだった。
絵を描いてたら落ち着いた。
今も気持ちを絵にぶつけたら
少しはすっきりするかな。
だけど、暗い絵になりそうだな。

食欲はわかないけど
せっかくのお弁当を残すのも申し訳なくて
包みを開く。いつも通りの美味しそうな
お弁当だったけど美味しいと思いながらは
食べる事ができなかった。

730 :コイビトの条件 :2013/05/21(火) 20:26
ふいにスマホが鳴る。
画面を見ると彩ちゃんから。

ごめんね。愛理。
私が花音から話聞くから
大丈夫だから少し待ってて。

本当に?
待ってたらなんとかなるの?
そのまま2人共離れちゃうだけじゃないの?
731 :おるぷち :2013/05/21(火) 20:28
本日はここまでです。

今日はれいなさん卒業ですね。
新たなステージでも頑張ってほしいものです。
卒業おめでとう。
732 :コイビトの条件 :2013/05/28(火) 21:58
別に…友達が他にいない訳じゃないし。
そう思って他の子と楽しく話してても
やっぱり心に引っかかってる事が重くのしかかる。

嫌だなあ。

熊井ちゃんと付き合わなければ
こんな事にならなかったのかな。
そしたら、単純に舞美ちゃんの事好き!で
良かったんだし。
733 :コイビトの条件 :2013/05/28(火) 21:59
そこまで考えて本当に嫌になった。
熊井ちゃんと付き合った事、後悔してる訳じゃない。
嬉しかったし、楽しかった。
熊井ちゃんは嫌な私にも優しかった。

私は熊井ちゃんみたいになりたい。
あんなに純粋で優しい人になりたい。

今の自分は…大嫌い。
734 :コイビトの条件 :2013/05/28(火) 21:59
1日、2日とたっても
彩ちゃんから何の報告もないし
花音ちゃんともそのまま。
どんどん気持ちが重くなってく。

あの日からお弁当は美術室で食べてる。
2人がいても、いなくても
同じ教室で1人の私でいるのは辛いから。
735 :コイビトの条件 :2013/05/28(火) 22:00
今日もお昼になると席を立つ私。

「愛理!」

声をかけられて振り向くと
仲のいいクラスメート3人組。

「なに?」

ちょっと戸惑ってる風の彼女たち。
どうしたんだろう?

「あの、さ。花音ちゃん達と喧嘩…したの?」

「え、、あ〜、、、」

なんて答えよう?
教室での出来事はみんな知ってるし
なにがあったの?なんて直接聞かれる事もあったけど
いつも曖昧にかえしてた。
毎回、どう応えていいのか分からない。
736 :コイビトの条件 :2013/05/28(火) 22:01
「それは!どうでも良くて〜」

「つまり、1人ならうちらと一緒に食べない?」

「え?」

はにかむように笑う彼女たち。
気にしてくれてたんだと思うと嬉しかった。

「ありがと。じゃあ、一緒にいいかな。」

「もちろんだよ!」

「やったー。」
737 :コイビトの条件 :2013/05/28(火) 22:01
教室には花音ちゃんも彩ちゃんもいなくて
私は3人組と教室でお弁当を広げた。
たった3日のことなのに
お弁当を誰かと食べるのがすごく久しぶりな気がした。

「わ〜、愛理のお弁当可愛い!」

きゃあきゃあと笑う彼女達。
ふつうの会話が嬉しい。
わたし、1人じゃない。
738 :コイビトの条件 :2013/05/28(火) 22:02
「わたし、愛理とこうやって話してみたかったんだー。」

「え?何回も話してるでしょ?」

「話すけどさぁ、あんま長い時間はないじゃん。」

「そうだよ!いっつも福田さんが独占してるから。」

「そうそう、話してると愛理を奪い去っちゃうんだよね。」

そう、だっけ?
たしかに花音ちゃん人の話に割り込んでくる事
良くあったけど。みんなそんな風に思ってたんだ。

「なんかさ、愛理の1番の友達は私よ!みたいなオーラで。」

そうそうそう〜〜〜!!!と他の2人も。
739 :コイビトの条件 :2013/05/28(火) 22:03
「そうやって花音ちゃんが間に割って入ってくるとさ。」

「私たちも面白くないんだけど」

「いっつも彩ちゃんがフォローすんだよね。」

「そうそう!彩ちゃんいなかったら確実に
福田さんなんてクラス中から無視されてるね。」

「うちらだけじゃなくてさ、他の子も結構言ってるよね。」

「え…?そう、なの?」

「そうだよ〜」

声を揃えて言われる。
考えた事もなかったクラスメイト達の話に
戸惑ってしまう。
これは、どうとらえたらいいんだろう?
740 :コイビトの条件 :2013/05/28(火) 22:04
「あ〜、なんか、ごめん、ね。」

「愛理が謝る事ないよ」

「そうだよ。」

クラスメイト達は笑う。
でも、その笑顔はちょっとだけ怖かった。

「花音ちゃんもいいとこあるんだよ?」

なんて思わず言ったけど

「でも喧嘩したんでしょ?」

なんて即返されて何も言えなくなってしまう。
741 :コイビトの条件 :2013/05/28(火) 22:04
「喧嘩の理由とか別にいいんだけどさ。」

「そんなん気にしないで、うちらと一緒にいよ?」

「そうだよ。愛理ともっと仲良くなりたい子
いっぱいいるんだから。」

「そうそう。最近は愛理1人でいるから
皆話しかけたくてウズウズしてんだから。」

そう言えば、お昼以外の休み時間や
移動教室いっぱい話しかけてくれる子いた。
気遣ってくれてるのかな?とは思ってたけど。
742 :コイビトの条件 :2013/05/28(火) 22:05
でも。

「なんで?」

「え〜?なんでって。愛理って自分が
人気者なの分かってないんだ」

「ま、そこがいいんだけどさ。」

そう言って笑う彼女たち。
なんか複雑な気分。
743 :おるぷち :2013/05/28(火) 22:06
本日はここまでです。

ベリちゃんも武道館決まって
台湾行ってうれし、たのしですねー。
744 :名無飼育さん :2013/06/03(月) 01:31
お、愛理とかにょんはどうなるんだろーな
続きが超楽しみ
745 :コイビトの条件 :2013/06/04(火) 19:53
帰りにどっこ寄って行こうという
クラスメートの誘いを断って
1人で電車に乗った。
なんか、なんかなあー。

熊井ちゃんのこと。
舞美ちゃんのこと。
花音ちゃんのこと。
彩ちゃんのこと。
クラスメートたちのこと。

色々ありすぎて、1人になりたい気分だった。
746 :コイビトの条件 :2013/06/04(火) 19:53
どっか、知らないとこに行きたい。


なんて、思ったのに。
どっか怖がりな私は全く知らないとこは嫌で
でも知り過ぎてるとこは嫌で。

行き着いた先は舞美ちゃんの大学最寄り駅。
別に会えるなんて思った訳じゃないけど…
そりゃ会えたら嬉しいけど。
少し、期待はしてるけど。
747 :コイビトの条件 :2013/06/04(火) 19:54
どんな大学に通ってるのか
舞美ちゃんの事を少しでも知りたい、なんて。
思ったんだけど、これってストーカーっぽい?
どうしよう。
来たのはいいけど、この先何も考えてなかった。
制服で大学へ入るのはかなり勇気いるし。

ぐるーっと1周しちゃおうかな?
外側なら歩いててもいいよね。
748 :コイビトの条件 :2013/06/04(火) 19:54
深呼吸して歩きだす。
大学は木々に囲まれていて自然が多いみたい。
建物が少ししか見えない。
敷地広いなあ。

さっきからすれ違うの男子生徒ばっかな気がする。
大学生は生徒って言わないのかな。
なんか、、、こんな大勢の男の人見る事ないし
ちょっと怖い。大きい人多いし。
考えたら女子高育ちであんま男の人と
接したことないんだよね。
Buono!も女性客が多いし。
749 :コイビトの条件 :2013/06/04(火) 19:55
それに、なんかジロジロ見られてる気がする。
気のせい?
怖いなあ。別になにもされてないけど
なんか、なんとなく。
自然に早足になってしまう。

「…」

この場にこのままいるのが耐えきれない。
ダメもとで舞美ちゃんに電話してみようかな。
あ、、、メールにしようかな。
いやいやいやメールだと残っちゃうし
すぐに連絡とれない場合に恥ずかしいかも。

750 :コイビトの条件 :2013/06/04(火) 19:55
まだ一度も呼びだした事ない舞美ちゃんのアドレス。
えいっ!と通話ボタン。
呼び出し音が1回、2回…

出ない。

そうだよね。そんなもんだよね。

諦めてスマホを片付けようとした瞬間
呼び出し音がなって落としそうになっちゃった。
相手は…舞美ちゃん!!!
751 :コイビトの条件 :2013/06/04(火) 19:56
「も、、、もしもしっ!」

「愛理?電話くれたよね。ごめんね。」

「う、ううん。」

「いや〜、トイレ入ってて。さすがに出れなかったー」

「え、あ、そっか。こっちこそ、ごめんね。お取り込み中」

やだ、舞美ちゃんったら。
なぜだか赤面してしまう。
そりゃトイレくらい誰でも行くけどさあ。

「で、どうしたの?」

「え、あ!あの。今っ、大学の近くにいて。」

「大学ってうちの?なんで?」
752 :コイビトの条件 :2013/06/04(火) 19:57
「な、なんでって…その。」

しまった。何も浮かばない。
まさか本当の理由言う訳に…

「会いに来てくれたの?」

「うん!」

って、しまった!つい。

「そっか〜、嬉しいな。近くってどの辺り?
すぐ行くよ!」
753 :コイビトの条件 :2013/06/04(火) 19:58
嬉しいって、、、嬉しいって。
どういう意味?会いにって簡単に…

なにも考えてない、よね。やっぱ。
深い意味ないよね。

友達が来たから嬉しいくらいの事だよね。
こんな意識してるの私だけなんだよね。
う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。

「大丈夫?」

「え?」

うずくまって悶えてた私が顔を上げると
3人の男性。
754 :コイビトの条件 :2013/06/04(火) 19:58
やだー、恥ずかしい。
なんか苦しんでるように見えたのかな。
挙動不審だったのは確かだよね。

「や、大丈夫です。」

照れ笑いで答える私に

「ほんとうに?」
「身体の具合でも悪いんじゃない?」

って。親切だなあ。申し訳ない。
ひとりで悶えてただけとは言いにくい。

「なんなら大学の医務室に連れて行ってあげるよ」

「いえ、本当に大丈夫ですから。ありがとうございます。」
755 :コイビトの条件 :2013/06/04(火) 19:59
「じゃあさ、遊びに行かない?」

「え?」

「その制服ってあのお嬢様学校だよね。」

「君、いかにもお嬢様って感じだもんね。」

え、、、なに?なんか。あの。。。。

「可愛いよねぇ」

ニコニコしてるのに、怖い。
なんか、、、近付いてきてるし。
1人が私の腕を掴む。

「あっちに車あるからさ。」

や、やだ。
怖い。
どうしよう。
756 :おるぷち :2013/06/04(火) 20:01
本日はここまでです。
しかし暑いですね。
舞美さんの汗ハンパないだろうなあw


>744 :名無飼育さん
かにょん、話に絡んでくる予定なかったんだけど
ついつい絡ませちゃいました。w
757 :コイビトの条件 :2013/06/11(火) 21:08
「舞美ちゃん!!!!!!」

「はぁ〜い。」

思わず叫んだら、ゆる〜い返事が。
そりゃココに向かってきてくれてるのは
知ってたけどタイミング良すぎでビックリ。
男性達もピタリと動きが止まってる。
と、思うのと同時に舞美ちゃんに腕を引っ張られ
抱きすくめられるようなかっこうになった。
758 :コイビトの条件 :2013/06/11(火) 21:09
キャーーーーー!
舞美ちゃんの腕の中ってか胸の中って言うか!
キャーキャーキャー!!!

「この子、これから私とデートだから。」

そう言う舞美ちゃんに
一瞬ハッとした顔をした男性たちだったけど

「君も可愛いじゃん。てか美人!」

「一緒に遊ぼうよ」

そうだよね。舞美ちゃん可愛いし美人だもん。
そうなっちゃうよね。
舞美ちゃんを見上げると
にっこり極上の微笑みをくれた。
759 :コイビトの条件 :2013/06/11(火) 21:10
「愛理、耳ふさいでて。」

「え?」

意味も分からず言われるがまま耳をふさぐと

「ちかーーーーーーーーん!!!!」

舞美ちゃんの大きな、大きな声。
しかも“ーーーーーーーー”長いし。
周りの人が注目してるのが分かると
男性たちは「な、なんだよ。」とか「ふざけんな」とか
ぶつぶつ言いながら走り去って行った。
760 :コイビトの条件 :2013/06/11(火) 21:10
「舞美ちゃん、すごい。」

へへっと胸を張って

「困った時は叫べって先輩に教わったの。」

なんて、可愛い顔で言った。
本当、見た目と中身のギャップが凄い人。
そこが素敵な人。

「ありがとう。」

お礼を言うと照れくさそうにするのも可愛い。
今日の舞美ちゃんは髪をサイドでゆるく結んで
デニムのジャケットにロングスカート・スニーカー。
カジュアルで甘辛ミックスでとにかくオシャレ。
761 :コイビトの条件 :2013/06/11(火) 21:11
「舞美ちゃん、今日のカッコ可愛いね。」

なにより舞美ちゃん自身が可愛いけど
恥ずかしくてそれは言えなかった。

「そう?舞ちゃんがコーディネートしてくれたの。」

「そうなんだ。オシャレだもんね。」

「そー、オシャレ番長なの。」

そんな話をしながら舞美ちゃんイキツケと言う
カフェに連れて行ってもらった。
なんか私がいつも行くようなとこより
少し大人でオシャレなお店。カッコイイ。
やっぱ舞美ちゃんは私より少し大人なんだ。
762 :コイビトの条件 :2013/06/11(火) 21:11
そのカフェは向かい合わせに座るんじゃなくて
隣同士に座るタイプの席で。
なんか、顔を正面から見れないのが残念なような
肩が触れ合いそうなくらいに近いのが嬉しいような。
向かい合わせと隣同士ってどっちが照れくさいんだろう。

「で?愛理ってば本当に私に会いに来てくれたの?」

こっちに顔を向けて言うから恥ずかしい。
だって、至近距離…。
763 :コイビトの条件 :2013/06/11(火) 21:12
「あ、あの。なんか、この辺り来た事なかったし。」

「え〜?私はついで?」

「そんな事ないよ!!」

拗ねた口調で言われて慌てて否定する。
なんか、そんな言い方されたら期待しちゃうんですけど。
舞美ちゃん天然っぽいからなあ。
みやと言い、美形は天然なのかな。
なんで自分がモテるって意識低いんだろ。
764 :コイビトの条件 :2013/06/11(火) 21:13
「来た事ないとこ来たいだなんて何かあった?」

「え…?」

優しい目で舞美ちゃんが私を見ていて
恥ずかしくなった。

沈黙になるのもなんか気まずいって言うか、
結局やっぱり恥ずかしくて。
隙間を埋めるように学校での出来事を話した。

花音ちゃんのこと。
彩ちゃんのこと。
クラスメートのこと。
765 :コイビトの条件 :2013/06/11(火) 21:13
舞美ちゃんは頷きながら
ただ私の話を聞いてくれていた。
話終えて舞美ちゃんを見ると
やっぱり優しい目をしていた。

「みんな、愛理が大好きなんだね」

「え?」

そうかな。でも花音ちゃんは…

「その怒っちゃった子も愛理が大好きなんだよ」

「そんなこと!」

「愛理もその子が大好きでしょ?
だからクラスメートが悪口言うの嫌だったんでしょ。」
766 :おるぷち :2013/06/11(火) 21:16
本日はここまでです。
中途半端ですけど…(汗

ようやく、ちゃんと舞美さんが出せました
767 :名無飼育さん :2013/06/11(火) 23:17
舞美タイミング良過ぎ&イケメンすぎw
768 :コイビトの条件 :2013/06/18(火) 20:36
そうかもしれない。
いや、そうなんだけど。
でも。

「私の事好きなんじゃなくて先輩を好きだから…」

熊井ちゃんの事はちょっと濁してしまった。
仲のいい先輩との事、誤解された、なんて。
小賢しい、って自分でも思う。
769 :コイビトの条件 :2013/06/18(火) 20:37
「んー、それもあるかもだけど
愛理を好きだから報告してくれなかったの
寂しかったんじゃない?」

「でも、報告することなんて何もないんだもん。」

「うん、でも。その子はそう思っちゃったんでしょ。」

「うん。」

「ちゃんと言い訳するのも大事だと思うよ。
違うって必死に言ってくれたら自分の事
大切にしてくれてるって分かるよ」

「言い訳を?」
770 :コイビトの条件 :2013/06/18(火) 20:37
「そのまま放置じゃ、私の事どうでもいいんだーって
なっちゃうんじゃないかな。」

「そう、なのかなあ?」

「だって、愛理の事その子が大好きなのは絶対だよ。」

「う、、、ん。」

「何も言ってもらえないって悲しいでしょ?」

何も言ってもらえないと寂しい。
771 :コイビトの条件 :2013/06/18(火) 20:38
つい、この前りーちゃんと
同じような話してたのを思い出す。
ちゃんと言ってくれたら嬉しいって。
“気付いちゃうのと言ってくれるのとは違う。”

「でも、先輩の事好きだなんて私も聞いてないもん。」

「じゃあ、そんなの聞いてないって怒ればいいよ。本人に。」

やっぱりニコニコしながら舞美ちゃんが言う。
772 :コイビトの条件 :2013/06/18(火) 20:38
でも、こうなっちゃった今
簡単になにも言えないよ。

「あはは。困り眉。舞ちゃんが言ってた通り!」

そう言って私の眉間を細くて長いキレイな指で押さえたから
一気に頬が染まってしまう。

こんなちょこっと触られたくらいで
身体中が反応してしまう。

「大丈夫だよ。大好きな友達同士だもん。
仲なおりできるよ。」

満面の笑み。キレイな心そのまんまを
映しだしたような笑顔。
773 :コイビトの条件 :2013/06/18(火) 20:39
この人は私より大人なのに
なんにも穢れてなくて純粋、だなんて思うのは
恋は盲目と言う奴なのかな。

そう思いながらも舞美ちゃんの言葉と笑顔は
私の心にドン、と響く。
誰とも違う。舞美ちゃんだから。

「なんか、、、舞美ちゃんが言うと大丈夫な気がしてきた。」

触られた眉間がまだアツい気がする。
何気ない言動が私を揺るがしまくる。
774 :コイビトの条件 :2013/06/18(火) 20:40
「舞美ちゃんは罪な女だ。」

「え?」

「え?」

やば!私、今、声に出してた!?
思わず口をふさいで舞美ちゃんをチラと見ると
ぽかん、とした顔。
そりゃ、そうだよね。

「なんか、愛理って面白い事言うよねー。」

「そ、そっかな。えへへ。」

「ダジャレも面白いし。」

「そ、そう?」
775 :コイビトの条件 :2013/06/18(火) 20:41
「友達のことで真剣に悩めるし。」

「え?」

「イイ子イイ子。」

言いながら私の頭を撫でる。
撫でながら、私の頭をコテン、って
舞美ちゃんの肩の前ってゆーか胸の上に
もたれさせるみたいにするから
自然に腕が私の頭を包んでるみたいになってて
体温が伝わってあったかくて
心臓が全力疾走してるみたいになった。
776 :コイビトの条件 :2013/06/18(火) 20:42
今日はなんなの。
なんかのサービスデーなの?

これ、こんなにくっついたら心臓の音
聞こえるんじゃないかな?
私の気持ち、伝わっちゃうんじゃないかな。

「その、仲いい先輩って」

「う、うん。」

「本当に付き合ってなかったの?」

ドキン、とした。
ズガーンかもしれない。
なんか本当の事って言いたくないけど
ウソつくのも嫌だって気持ちもあって
どうしよう、どうしよう。
777 :おるぷち :2013/06/18(火) 20:46
本日はここまでです。
新ユニットゾクゾクで色々楽しみな今日この頃。


>767 :名無飼育さん
舞ちゃんと岡井ちゃんに遊ばれるとこばっかじゃなく
大人な舞美さんもたまには、ねw
778 :コイビトの条件 :2013/06/25(火) 19:46
「な、なんでそんな事聞くの?」

「ん〜、前に雪の日にね。
ホームの反対側で愛理が背の高い女の人といたの
見た事あって。愛理も私に気付いた、よね?」

あの日、だ。
私が舞美ちゃんを好きって確信して
熊井ちゃんを突き放した日。

「なんか親密と言うか深刻と言うか
普通じゃない雰囲気に見えたから。
ただの先輩後輩じゃない気がしてて。」

あの日、確かに舞美ちゃんは私に手を振ったし
気付かれてない訳はなかった。
779 :コイビトの条件 :2013/06/25(火) 19:47
どう思われただろうって、ずっと気にもしてた。
やっぱオカシイって思われてたんだ。

「あ、ごめんね?言いたくなかったらいいんだけど。」

「ごめんなさい。」

「え?」

「ウソついて、先輩の事…ウソ、ついた。」

なんか自分でも良く分からない位にショックで
ボロボロと涙が出てきてしまった。

「え、愛理!?なに、どうしたの。ご、ごめ、変な事聞いて。」

舞美ちゃんは慌ててハンカチとかティッシュとか
出してくれて私の頭をぎゅっと抱きしめた。
780 :コイビトの条件 :2013/06/25(火) 19:48
私に触れる舞美ちゃんの身体があったかくて
私はますます泣けてくる。

「ごめんなさい。ごめんなさい。」

何度も謝り続ける私に舞美ちゃんは

「いいから。言いたくない事もあるよ。ね?ね?」

って最初は言ってたけど
その内、黙って私をぎゅってしたままにしてくれた。
泣きやんだ後、ひどく恥ずかしかったのは言うまでもない。
781 :コイビトの条件 :2013/06/25(火) 19:48
「ほんとに、ごめんなさい。」

カフェを出てもう一度頭を下げて謝る私に

「もういいから。こっちこそゴメンネ。」

そう言ってぽん、と頭を撫でてくれた。
嬉しいけど色々が恥ずかしすぎる。
ぽん、としてくれた手を自然に私の手に持ってきて
今度はぎゅ、って握ってくれた。
782 :コイビトの条件 :2013/06/25(火) 19:49
舞美ちゃん?

顔を見ると笑顔で

「さ、帰ろっか。」

なんて言われて、そのまま。
手を繋いだまま私の家まで送ってくれた。
783 :おるぷち :2013/06/25(火) 19:51
本日はここまでです。


そろそろ誰かの「その後」を
書こうかなと画策中ー。
誰にしようかな。
784 :名無し飼育さん :2013/06/25(火) 20:33
キテター
「その後」ならみやももお願いします
785 :名無飼育さん :2013/06/26(水) 01:36
同じくあたしもその後なら絶対みやもも観たいです。笑
786 :名無飼育さん :2013/06/26(水) 22:08
矢島さん、ええ人や…
この方は浄化能力とか持ってるんじゃないかって気がしてきました。

その後、私はぽんぽんに一票で(*´ω`*)
今のepisodeに出てきてる愛理の周りの皆の今後も気になってます。
787 :コイビトの条件 :2013/07/02(火) 21:10
今日はなんだったんだろう。
お風呂に入ってボーっと考える。

学校では嫌な気持ちになった。

男の人が怖かった。

舞美ちゃんに会えて、嬉しかった。

私の話真剣に聞いってくれて
アドバイスくれて嬉しかった。
788 :コイビトの条件 :2013/07/02(火) 21:11
泣いちゃったのは大失敗。
でも、ぎゅ、とか。ぽん、とか嬉しかった。

そう思うと「嬉しい」が一番多い。

舞美ちゃんは私のことどう思ってるんだろう。
変な子って思われてるかな、やっぱ。
もう、会いたくないなんて思われてたらどうしよう。
泣いたの、迷惑だったよね。
熊井ちゃんとの事はどう受け取られたんだろう。
舞美ちゃんにとったらどうでもいい事だよね。
なのにウソついて泣いて最低だ。
789 :コイビトの条件 :2013/07/02(火) 21:11
舞美ちゃんに少しでもイイ子に思われたい。
少しでも好きって思われたい。
だけど、私の言動は逆だらけな気がする。

寝る前に彩ちゃんに花音ちゃんと話したいから
協力してほしいってメールした。
せめて、舞美ちゃんのアドバイス実行したい。
花音ちゃんと仲直り、したい。
これも自分本位、かな。
それでもこのままじゃ嫌。
790 :コイビトの条件 :2013/07/02(火) 21:12
お願いした通り、彩ちゃんは
私と花音ちゃんを昼休みに
引き合わせてくれた。
美術室に連れてこられた花音ちゃんは
私を見るなり逃げようとしたけど
彩ちゃんに止められた。

「話があるの。」

私が言うと花音ちゃんは

「あやちょもいて、いいよね?」

そう言うから頷いた。
791 :コイビトの条件 :2013/07/02(火) 21:13
なにから話せばいいか、昨日いっぱい考えた。
全部、本音で話そうって決めたし
言いたい事、全部言いたい。
花音ちゃんにも言ってほしい。

「熊井ちゃんの事、言ってなくてごめん。」

花音ちゃんは黙ったまま。構わず続ける。
792 :コイビトの条件 :2013/07/02(火) 21:13
「でも、あっという間に別れちゃったから…
言うに言えなかったの。」

「え…?別れた、の?なんで?」

「他に好きな人が出来たの。」

「うそ、でしょ。」

花音ちゃんは目を見開いて愕然としてる。
彩ちゃんも困った顔。

「告白されて嬉しくて好きになれるって思って
付き合ったけど…あの人に出会っちゃったの。
どうしようもなかったの。」

「そんな…」
793 :コイビトの条件 :2013/07/02(火) 21:14
「告白された時、言えば良かったんだけど
なんか照れくさくて、、、そうしてる間に
そんなんなっちゃって、だから…ごめん。」

説明になってるんだか分からないけど
多分、伝わってるよね。
花音ちゃんは目を見開いたまま。

「結果、こんなんだし…
花音ちゃんの気持ち知ってたら熊井ちゃんと
付き合ってなかったと思うんだけど…」
794 :コイビトの条件 :2013/07/02(火) 21:15
「だからだよっ!!」

「え?な、なにが?」

いきなり花音ちゃんが大きな声出すから
すごいビックリした。

「愛理がそうすると思って、だから熊井先輩の事
好きだなんて言わなかったんだよ。」

「え?なんで…」

「熊井先輩が愛理の事好きなのなんか
ずっと前から気付いてたもん。
私は2人共好きだから私の気持ちが
邪魔しちゃいけないと思ってたの!
もし2人が付き合ったら祝福しようって
そう思ってたんだよ。」
795 :コイビトの条件 :2013/07/02(火) 21:16
え?そ、そうなの?
だったらなんで私と熊井ちゃんが
付き合ってるって思って怒ったの?


「一番に…報告してほしかったんだもん。
そしたら笑っておめでとうって言おうと思ってたのに
教えてくれもしなくて他の誰かから聞くなんて」

えっと。
それは。その。
思いがけない話に付いていけない。
やっぱ私が悪いって事、だよね。
796 :おるぷち :2013/07/02(火) 21:22
本日はここまでです。
リクエストありがとーございます。
せっかく戴いたんで「みやもも」と
「ぽんぽん」は書こうと思います♪

784 :名無し飼育さん
リクありがとうございます。
ももちが調子に乗りそうですw

>785 :名無飼育さん
リクありがとうです。
みーやんが何か企んでいそうですw

>786 :名無飼育さん
舞美さんは女神なイメージです
リクもコメントもありがとうございます。
愛理の周りというと熊井ちゃんとか
かにょんとか、あやちょですかねー?

797 :名無飼育さん :2013/07/02(火) 23:02
なるほどそういうことだったんですね…!
なんというか、「この二人がもし対等だったら」なもしもの世界を覗かせてもらえた気分です。
「確かにこういうことになりそう!」と(笑)

786の周りの皆はおっしゃる通りです!>>796
なので今回キター!ってなりながら読みましたw
これも女神舞美様のおかげですね(*´ω`*)
798 :名無飼育さん :2013/07/07(日) 01:35
花音ちゃんにきゅんとして切なくなりました。
個人的には定番のあいがきもみたいです!
799 :コイビトの条件 :2013/07/09(火) 19:32
「勝手だって分かってる!
だけど…愛理と仲いいって大好きって
友達だって思ってるの私だけみたいで。
私が怒っても知らん振りで他の子と仲よくしてるし。
花音の事、どうでもいいんでしょ?」

いつの間にか花音ちゃんの顔はびしょ濡れ。
彩ちゃんは困った顔で

「花音は愛理の事、ほんと大好きだから。」

なんて言う。
800 :コイビトの条件 :2013/07/09(火) 19:32
「愛理もあやちょも花音の事好きじゃないと厭。」

子どもみたいに泣きじゃくる花音ちゃんが
なんか凄い可愛くて笑ってしまった。

「なんで笑うの!!」

「だって花音ちゃん子どもみたい。」

「だよねー。」

彩ちゃんも声を出して笑いだすから
私もつられてしまう。

花音ちゃんの涙はとまったけど
今度はふてくされてしまった。
完全に拗ね拗ねモードだ。
801 :コイビトの条件 :2013/07/09(火) 19:33
「ごめんって。私も花音ちゃんの事好きだよ〜。」

「うそだー!!!」

「本当だって。なんか、たぶん花音ちゃんが思ってるより
私って嫌な奴だって今回思って…
嫌われちゃいそうで怖くて言えなかったんだよ。」

「私が愛理嫌いになる訳ないでしょ!
それに愛理は嫌な奴じゃないもん!!」

「でも熊井ちゃんイッパイ傷つけちゃったし。」

「そんなの!私がいっぱい慰めるもん」

意気込む花音ちゃんを見つめる彩ちゃん
なんか複雑そう?
彩ちゃんってもしかして。もしかする?
802 :コイビトの条件 :2013/07/09(火) 19:34
「で?好きになった人って誰?私の知ってる人?」

「え?」

「今度はちゃんと話してくれるよね?」

もう離さないぞと言わんばかりに
腕をぎゅうっと掴まれる。
まいったなあ。
でも、まぁ。ちょっと恥ずかしいけど
話しましょうか。舞美ちゃんのこと。
まだそんなに知ってる事ないんだけどね。
803 :コイビトの条件 :2013/07/09(火) 19:35
黒く濁ってた心が透き通って行く。
やっぱ友達って大事だなあ、なんて
当たり前のことを思う。

花音ちゃんも彩ちゃんも。
りーちゃんも舞や千聖も。
みやも、ももちも。
みんな大切。誰が一番なんてないけど
特別にたいせつな友達。

「仲直りで来て良かった」

そう言う私に花音ちゃんも彩ちゃんも
とびきりのスマイルをくれた。
804 :おるぷち :2013/07/09(火) 19:40
今日はここまでですー!
このエピはあと2〜3回かな。
その後リクエストにあったカプのその後を描こうと思います!

>797 :名無飼育さん
うれしいお言葉ありがとうございます!
周りの皆…はジックリ書いた事ない人たちなので
チャレンジしてみます!

798 :名無飼育さん
花音ちゃんは、やっぱイイ子なんですよねー!
あいがき…そういや、ちょろっと出しましたね。
あの人たちは過去のがいいかもですね。
805 :コイビトの条件 :2013/07/16(火) 20:12
昨日はイキナリごめんなさい。
それとありがとう。
友達と仲直りできたよ。
舞美ちゃんのおかげだよ。”

そんなメールを送ったのは1時間前。
もしかして、この前の電話の時みたいに
すぐにリターンくるかも?なんて
ソワソワしてたけど
そうはうまくいかないみたい。
806 :コイビトの条件 :2013/07/16(火) 20:12
すぐに手が届く距離に置いてあるスマホ。
そう言えば、舞美ちゃんはガラケーだったなあ。
なんて、思いつつ。
見てるようで見ていない雑誌をパラリとめくる。

あーあ。
会いたいな。
昨日会ったけど、もう会いたい。
つい、この前まで知らない人だったのに
舞美ちゃんは凄い勢いで私の思考の
全部になりつつある。
807 :コイビトの条件 :2013/07/16(火) 20:13
すごいなあ、舞美ちゃん。
まだ、あんまり知らないのに
好きで会いたくて
どうしようもなくなる。

昨日、泣いちゃったことどう思ってる?
熊井ちゃんの事、改めて釈明?した方がいいのかな。
それも変かな。
舞美ちゃんにとっては、どうでもいい事だよね。
808 :コイビトの条件 :2013/07/16(火) 20:13
ちら。とスマホを見る。
瞬間チカッと光ったかと思うとメロディが鳴って
慌てて手に取ると待ちに待った
舞美ちゃんからのメールだった。
それだけで胸が高鳴る。
ドキドキする。
メールを開くと

“愛理いまどこにいる?家?
ちょっと出てこれる?”
809 :コイビトの条件 :2013/07/16(火) 20:14
え?なに?これってお誘い?
てか、いや、えっと。

“今、家だよ!どこ行けばいいの?”

送信して10秒。

今度はピンポーンと家のチャイムが鳴る。
もう、なに?
今、舞美ちゃんが!
舞美ちゃんが!
舞美ちゃんがー!
810 :コイビトの条件 :2013/07/16(火) 20:14
焦るような気持ちでインターフォンの
相手を確認すると…
玄関先のカメラに映ったのはまぎれもなく舞美ちゃんで。

「あ〜いり〜♪」

なんて呼びかける声も完全に舞美ちゃんで。

「ちょ、ちょっと待ってて」

そう言い、慌てて玄関にダッシュした。
舞美ちゃんは私の顔を見るとニコニコとしながら

「良かったね」

なんて、いきなり言うから頭が?でいっぱいになる。

「え、なに?どうしたの?」
811 :コイビトの条件 :2013/07/16(火) 20:15
あわあわする私に舞美ちゃんが

「仲直りしたんでしょ?」

って。え、もしかして。

「それ、言いに来てくれたの?」

「ん〜、わりと近所なんだし。いいかなって
迷惑だった?」

「まさか!そんな事ないよ!」

「良かった。昨日は愛理が大学まできてくれたからさ。
私も突撃してみたんだー」

ちょっと、いたずらな笑顔。
812 :コイビトの条件 :2013/07/16(火) 20:15
くはー!
年上の人になんだけど可愛すぎる。

「あ、あの。良かったら中、入って?」

「いいの?」

「うん。時間ある?」

「あるあるー!実はさ。アップルパイ買ってきたんだー」

そう言って四角い白い箱を掲げる。

「大学の近くの店のでね、すごい美味しいの!
だから愛理にも食べてもらいたくて。」

そう言って箱を私に渡してくれた。

「ありがとう。」

そう言うと舞美ちゃんは照れたように笑った。

813 :コイビトの条件 :2013/07/16(火) 20:16
舞美ちゃんをリビングに案内しつつ
頭がグルグルする。

美味しいから私にも食べてほしいって。
え〜?なにそれ、なにそれ。
舞美ちゃんの思考回路に潜入するとか
その幸せの経路はなんなのー!

嬉しくて叫びそうで必死で言葉を飲み込んだ。
冷静を装ってドリンクを聞いてみたりしながら。

814 :コイビトの条件 :2013/07/16(火) 20:17
預かった箱を開けてるふりして
キッチンのカウンター越しに
リビングのソファに座ってる舞美ちゃんを見る。
少しそわそわしてて、落ち着かない様子で
キョロキョロしてる。なんか可愛い。

もらった箱を開けてみる。

「あ、美味しそう!」

目の前に現れたアップルパイは
甘酸っぱい香りとキレイな焼き目がついてて
それだけで美味しそうで思わず言葉が零れた。
815 :おるぷち :2013/07/16(火) 20:19
今日はここまでです。

呼ばれてないのにジャジャジャジャーン!

某ドラマのセリフが頭のなかグルグルwww
816 :コイビトの条件 :2013/07/23(火) 21:42
「でしょ!本当に美味しいんだよ!!」

舞美ちゃんはとてつもなく早いスピードで
私の向かいのカウンターまで寄ってきて
嬉しそうに言う。

「仲直りしたんでしょ?お祝い」

「え?その為に買ってきてくれたの?」

「あー、えへへ。」

なんて照れくさそうに言葉を濁す。
ウソでしょ?私の為にわざわざ?
817 :コイビトの条件 :2013/07/23(火) 21:42
「やー、なんか、さ。昨日すごい思いつめてたから。
今日仲直りできたって聞いて嬉しくて。
ごめんね。余計なお世話だよね。」

「そんな事ない!すっごい嬉しい。
ありがとう。ホント嬉しい!!
もう抱きついちゃいたいくらい!」

「え…」

「え…」

今、わたしナニ言った?
ちょ、や、や、、、、えっと、、、ど、どうしよ…
818 :コイビトの条件 :2013/07/23(火) 21:43
「いいよ?」

「へ?」

瞬間ふわりと舞美ちゃんが私の身体を包んだ。
え、これ、どういう状況?
パニくる私に聞こえた声。

「あ。逆だね。」

「え?」

「抱きしめられたいんじゃなくて抱きつきたいんだっけ?」

あれ〜?、なんて小首を傾けて思案顔。
そんなの、どっちでもいいっていうか。
そういうことじゃないっていうか。
819 :コイビトの条件 :2013/07/23(火) 21:44
「え、と、あの。。。こっちで、いいです。」

「そう?じゃ。」

そう言って舞美ちゃんは私を抱きしめた。
今度は“ふわり”じゃなく
“ぎゅ”って抱きしめられた。

えっと、だから、この状況は何?
心臓がドキドキしすぎて壊れそう。

ひゃぁぁああぁぁぁぁぁっぁ〜〜〜〜〜
820 :コイビトの条件 :2013/07/23(火) 21:44
あ、あ、あ?
気付くと舞美ちゃんの体温は私から離れてて

「よし!じゃ、食べようか。本当お薦めなんだよ。」

あっけなくリビングの方へ行ってしまった。
なんだったの?

舞美ちゃんが帰ってからも延々私の頭は
パニック中。あれから、どう舞美ちゃんと
過ごしたのか曖昧だ。
821 :コイビトの条件 :2013/07/23(火) 21:44
あれには深い意味なんてない。
きっと私の言葉を真に受けただけ。
女の子同士だもん。
友達、そう思ってるから。
簡単な事。
ただ、それだけ。
でも期待してしまう。
少なくとも嫌われてない。
でも、わざわざ家に来てくれたり
美味しいアップルパイ持ってきてくれたり
そんなの。
もしかして、もしかすると。
自分の都合のいいように考えちゃう。
822 :コイビトの条件 :2013/07/23(火) 21:45
ああ、好きすぎる。

舞美ちゃんのほんの一部しか知らないのに
好きすぎて私じゃないみたいだ。
でも嫌じゃない。
そんな私は結構好きだ。

舞美ちゃんを好きでいる私は結構好きだ。
なんて、ね。
823 :コイビトの条件 :2013/07/23(火) 21:45
コイビトの条件。
「そのまんまの私を愛してくれる人!!」

訂正
「私が愛している人」

そんな当たり前の事に気付かなかった私はバカだ。

舞美ちゃん大好き。
コイビトになりたい。

今すぐじゃないけど、きっと言うから。
絶対、言うから。
824 :おるぷち :2013/07/23(火) 21:47
「街」episode6
「コイビトの条件」
これにて終了です。
気づいたらこのシリーズで一番長くなってました。

次回はリクエスト戴いた「みやもも」です。
よろしくです!

825 :名無飼育さん :2013/07/24(水) 14:48
愛理可愛い!

みやもも正座待機!
826 :名無飼育さん :2013/07/24(水) 22:56
やったー!みやもも待ってまーす!
827 :名無飼育さん :2013/07/25(木) 06:50
愛理がおもしろかわいくてもう…
ここで終わるのはズルいです!(萌えながら)
828 :おるぷち :2013/07/30(火) 20:23
「街」episode7

「夏の約束」

夏焼 雅
嗣永桃子
鈴木愛理
清水佐紀
829 :夏の約束 :2013/07/30(火) 20:24



7月――――――――――
ついに、うちの恋人であるももが
語学留学の為ニュージーランドへ
飛び立っていった。
寂しくない訳はない。
だけど大丈夫。
2人は大丈夫って信じてる。
830 :夏の約束 :2013/07/30(火) 20:25
そう思いながらも涙が止まらない。
そんなうちを佐紀ちゃんと愛理が
見守ってくれてるのを感じる。

大丈夫。
大丈夫だけど。
今だけ、泣かせて。
だって止まらないんだもん。

831 :夏の約束 :2013/07/30(火) 20:25
留学が決まってから
実際に行くまでの期間はおよそ3カ月で
その間も準備に追われていたもも。

それでも、少しでも会えるように
色々都合をつけていてくれた事
うちはちゃんと知ってる。

それが申し訳なくもあったし
凄く嬉しくもあった。
832 :夏の約束 :2013/07/30(火) 20:26
付き合い始めたばっかりで
すぐに離れなきゃいけないなんて
辛い、なんて簡単なもんじゃないけど
そんな事言ったら
「じゃあ、やめる?」とか
「だから言ったでしょ。」
なんて、付き合いを否定されそうで怖かった。

今、一緒にいれるだけいて
いっぱい思い出を作りたかった。
会えない間なんとか我慢できるように。
あの時楽しかったなって幸せを感じられるように。
833 :夏の約束 :2013/07/30(火) 20:26
そんな風に思ってる事
きっとももにはお見通しで
だから何も言わなかったんだろうけど
実際は複雑な気持ちだった、なんて
そんな事、考えもしなかったんだ。

今、冷静に思えば
自分の気持ちで精いっぱいで
ももの事考えていなかった。
まぁ、つまりは浮かれていたというか
変なテンションだったんだけど。
834 :おるぷち :2013/07/30(火) 20:30
本日はここまでです。
ひとまず、こんな始まりでよろしくです!

>825 :名無飼育さん
お待たせしました。
そろそろ足がしびれた頃ではないでしょうかw


>826 :名無飼育さん
みやももお待ちどう様です!


>827 :名無飼育さん
いや、もう長くなっちゃって
コレ以上かけませんでしたwww
835 :名無飼育さん :2013/07/31(水) 10:15
切ない感じきたー(T_T)
836 :名無飼育さん :2013/08/01(木) 01:12
待ってました!!
みやびちゃん、、、相変わらずももちのこと大好きなのね。
今後に期待!
837 :夏の約束 :2013/08/06(火) 21:25
いつものBuono!でバイト中。

「ももって留学の準備あるんでしょ?
バイトしてていいの?」

トレイを拭きながら愛理がそう言うのに

「ギリギリまでお金貯めないとね!
生活しなきゃだし。」

なんてクルクル周りながら答えるもも。

「うちにも会えるしね?」
838 :夏の約束 :2013/08/06(火) 21:25
なんて、うちが口を挟むと

「みーやんがぁ、寂しがって
シフトまで一緒にして(はぁと)なんて
可愛い事言うからぁ〜。
もも、年上の余裕で可愛いコイビトの
ワガママも聞いてあげた、ってゆーかぁ?」

なんて。
からかうつもりが返り討ちにあった。

なんでコイツは人前だとこんな恥ずかしい事ばっか
ペラペラ言うんだろう?
2人きりだと可愛いのに。

839 :夏の約束 :2013/08/06(火) 21:26
実際ももはBuono!の終わり時間をうちに合わせて
一緒に帰れるようにして
終電まで1時間くらいは2人の
時間を作ってくれた。
そんなももに、うちは満足していた。

付き合う前まではのらりくらりと
気持ちをはぐらかされていた分
そういう変化が嬉しくて仕方ない。

こういう「付き合い始め」の状況の変化に
浮かれるなって言う方が無理な話。
840 :夏の約束 :2013/08/06(火) 21:26
「みーやんはぁ、ももの事好きで好きで
だ〜〜〜い好きで仕方ないって言うかぁ。」

まーだ愛理に向かってしょーもない事言い続けてるもも。
だから、そうゆーの2人の時に言ってみてよ。
と、いう気持ちを込めてジロッと睨むと

「いやーん、こわい」

なんて愛理の影に隠れた。

「仲いいねー。」

愛理はうふふと微笑んで小さく羨ましいと呟いた。
前にコイビトがいると言っていたのに
別れて今は別の人に片思い中、らしい。
詳しい事情までは聞かなかったけど
愛理も幸せになってほしいなあ。

841 :夏の約束 :2013/08/06(火) 21:27
Buono!が終わったら
いつも2人でももの家の近くの公園に行く。
そこで話すなんでもない事が楽しい。

ふと、なんで留学先がニュージーランドなのか聞いたら
他と比べて安いからと言う。
やっぱり堅実な人だなと思う。
あっちでは学生寮(自炊)に住むから
1人暮らしみたいなもん、と言うももに
少しホッとした。
842 :夏の約束 :2013/08/06(火) 21:27
これも一番安いから、らしいけど
ホームステイとかで、その家に素敵な人が
いたりしたらどうしよう?なんて
内心、少しだけ心配だったんだ。

それを佐紀ちゃんに言ったら
少女マンガの読みすぎ!なんて笑われた。
ももに言ったら更になにか言われそうだから
絶対に言わない。
843 :夏の約束 :2013/08/06(火) 21:27
本当は、他にも色々心配だけど
それを簡単に口に出せるほど
うちは素直じゃなくて。

言ったら言ったでウザがられたら
嫌だなとも思うけど
ももの方がウザいからいいか、とも思う。

「みーやん?どうしたの?ボーっとして。」

街灯に照らされるももの頬はいつも白くて
すぐにでも消えてしまいそうで
ちょっとだけ泣きたい気持ちになる。
なんでもないよ、と応えて
ももをぎゅぅっと抱きしめる。
844 :夏の約束 :2013/08/06(火) 21:28
抱きしめるたびに、ももの身体は
ビクリと跳ねる。
こういう事に慣れないももは本当に可愛い。
この人は今まで誰にもこうされた事ないんだって
安心するのと一緒くらい独占欲がもくもくと膨らむ。
この先も誰にもさせない、なんて事は言えないけど。

「もも可愛い。」

「…そうゆー事、普段絶対言わない癖に。」

照れたように、拗ねたように呟くもも。
それを見るのが嬉しくて2人になると
うちはあえて、こうゆー甘い言葉を言う。
845 :夏の約束 :2013/08/06(火) 21:29
「人前で言う事じゃないじゃん。」

さらっとかわすうちに

「人前じゃなくても言わなくていい。」

更に拗ねたように、そう言って俯くもも。

そんなももを強引に上向きにして唇を重ねる。
やっぱりビクッとして、イヤイヤとするように
身をよじる。照れてるだけなのは分かってるけど
その行動には少し傷ついてしまう。
だからと言って引く気はない。
強引めにいかないと逃げられてしまう気がする。

隙あらば「じゃあ、やめる?」とか
「だから言ったでしょ。」って言われそうで怖い。
846 :夏の約束 :2013/08/06(火) 21:29
逃がさない、そう決めたんだから。
寂しいなんて言わない。
ももを待つのなんて余裕だって顔をする。
強がりとバレていたってイイ。

「もも、離さないから。」

そう言って深い口付けをする。
やっぱり身を捩るけど次第にぎこちなく
受け入れてくれる。

「みーやん、こうゆーの好きだね。」

唇を離すとジトーっとした目で言われる。
847 :おるぷち :2013/08/06(火) 21:35
本日はここまでです。
現実のみやももは
みやはどんどん大人っぽく
ももはどんどん子どもっぽくなっていくのは
気のせいでしょうかw

>835 :名無飼育さん
留学は決定事項なんで
仕方ないですね〜。

>836 :名無飼育さん
ももち「そうなのー!みやったらぁももの事好きで好きで♪」
みや「そうそう。好きで好きでねー。
あんなことこんな事したいんだよねー」ニヤニヤ
ももち「え、、、えへ?」
848 :名無飼育さん :2013/08/07(水) 20:51
うわーラブラブ!

みやびちゃんが我慢出来ずにあんなことやこんな事を
ももちにしてしまうのを楽しみにしてます。
849 :名無飼育さん :2013/08/10(土) 01:48
やばいです。はい。あの、一言いわせてください



作者さんのみやもも最高です
850 :名無飼育さん :2013/08/13(火) 09:42
そろそろ・・・正座待機
851 :夏の約束 :2013/08/13(火) 21:27
「好きな人に触れたいのは普通。」

「えっち。」

「…もっとエッチな事してもいいけど?」

からかい半分、本気半分。
ももは真っ赤な顔して

「みーやんのバカ!!」。

なんてポカポカうちを叩く。
そんなんされたら可愛すぎて
本気が95%まで上がりそうだ。
って、5%しか理性がないのか。うちは!
852 :夏の約束 :2013/08/13(火) 21:27
1分でも多く話したい。
1日でも長く一緒にいてほしい。
1回でも多くデートしたい。
1回でもたくさんキスしたい。
1つでも多くの思い出が欲しい。

出来るのなら、エッチだってしたい。
ももの全てを知りたい。
身体が欲しいって言うんじゃなくて
(もちろん欲しいけど)
心も身体も1つでも多くのももを知りたい。
自分の事も知ってほしい。
そういうのは幼い独占欲?
そういうのは重い、のかな。
853 :夏の約束 :2013/08/13(火) 21:28

「ねぇ、もも。日本にいる間に
いっぱい思い出作ろう。
少しでも一緒にいようね。」

そう言うとももは軽く微笑んで頷いた。
854 :夏の約束 :2013/08/13(火) 21:28
その日は雨が降っていた。
梅雨と言うのに最近は晴れ続きで
久しぶりの雨だった。

それも夕方からの急な土砂降りで
Buono!で注文を取りながら心でそっと毒づいた。
だって傘なんて持ってきてなかったから。
注文を取り終えて、スタッフが控える
カウンター側に戻ると
妙に嬉しそうなももがぴょこぴょこ跳ねながら
うちの側に寄ってきた。
855 :夏の約束 :2013/08/13(火) 21:29
「みーやん。傘ないんでしょ。」

「そ、そんな事言ってないじゃん。」

「顔に書いてあるもーん。」

「うっさいなあ、もう!」

ニヤニヤするもも。なんとなく、先が読めるぞ。
傘、持ってる、とか言うんだろうなあ。

「そんな事言うと貸してあげないよ?」

予想通りの話の展開に苦笑するうちに
ももは普通の傘と折りたたみを持っているんだと
自慢げに言う。大人は用意周到なんだ、とかなんとか。
856 :夏の約束 :2013/08/13(火) 21:29
うちは素早く周りを見て誰もいないのを確認すると
ももの耳に唇を寄せて

「そういう時は2本あっても1本しかないふりするもんだよ。」

と囁く。案の定それだけで、ももはビクリと身体を揺らす。

「な、、、なんで?」

珍しくどもる。しかも耳が真っ赤。
こうゆーももを今まで知らなかったなんて
なんか損してたなあ。
857 :夏の約束 :2013/08/13(火) 21:30
「2人で1つの傘だとくっつけるでしょ?
そしたら…ゴニョゴニョ」

「へえ、、、って、えぇ?えーーーー!?」

うちが、そっと言った言葉に大きく反応し過ぎるももに
さすがにギョッとした。店内にはお客さんいるのに。

「ちょ、声大きい!」

慌ててももの口を掌で押さえるとジタバタと暴れられた。
もー!このバカ!

「今すぐ大人しくしないとここでキスするよ?」

低い声で言うとピタリと動きが止まった。
のは、良かったけど視線を感じて振り返ると
愛理が眉を垂らしていた。
858 :夏の約束 :2013/08/13(火) 21:31
「あ、邪魔してごめんね?」

いやいやいやいや、違うから!誤解(?)だから!
ももはうちを冷たい目で見てくるし。
その目は“そんな事ばっか言ってるからだ”と言わんばかり。

今のはももが悪いんだからね!と
またまた毒づかずには居られなかった。

859 :おるぷち :2013/08/13(火) 21:35
本日はここまでです。
暑くてしょーがない毎日なのに
うちのみやももったらイチャイチャと!!w

>848 :名無飼育さん
ももち「ちょ!余計な事ゆっちゃだめっ!」
みーやん「読者さんもこうおっしゃってることだし。ね、もも♪」

>849 :名無飼育さん
え、あ。では、こちらからもひとこと言わせて下さい

「あざーーーーっす!(全力)」

>850 :名無飼育さん
いやいやいやいや。
朝から正座とか!足痺れますからね!
つっつきますからね!w
860 :名無飼育さん :2013/08/14(水) 13:19
毎日アツいアツい!誰のせいかしらw
861 :名無し飼育さん :2013/08/16(金) 20:58
“みーやんのばか”!!!!
だめだ、ノックアウトです。。
862 :名無飼育さん :2013/08/19(月) 00:00
ももちウブだなぁー
みやびちゃん、さっさといただいちゃえば良いのにぃー!笑
863 :夏の約束 :2013/08/20(火) 20:48
そんな日の帰り道は当たり前のように
1人1つの傘だったわけで。

「つまんない。」

ブツブツ言ううちを無視してももはサッサと
前を歩いて行く。
雨なんて嫌いだ。
滴が傘を打つ音で会話が途切れる。

「ねぇ、何で折り畳みの方をももが使ってるわけ?」

ふつう、そっち貸すもんじゃない?
どっちでもいいけどさ。
864 :夏の約束 :2013/08/20(火) 20:49
「…こっちの方が可愛いから。」

振り向きもせずに答えるももの声は小さい。
雨の音の分、なんとか聞こえたってレベルだ。

「どっちも似たようなもんじゃん。」

言いつつ2つの傘を見比べる。
夜だから分かりにくいけど
両方ともピンクの浮かれた感じの…
もも的に可愛い傘、なんだろうと思う。
けど、折り畳みの方がやっぱり小さいし。
865 :夏の約束 :2013/08/20(火) 20:49
…もしかして。

「うちが濡れないように?」

「もものが小柄で可愛いから!」

うちの言葉に重なるくらいの勢いで言い放たれた。
今度の声は大きかった。雨に負けてない。
そうゆー事する時、普段なら
うっざい位にアピールしてくるのに
なにそれ。照れてるの?
ももってもしかしてコイビトに甘いタイプ?
なんか、ちょっと気分良くなってきた。
866 :夏の約束 :2013/08/20(火) 20:50
今日は雨だから公園のベンチじゃなくて
てんとうむしの遊具の中に入る。
屋根がある遊具はこうゆー時にありがたい。
けど。さすがに子ども用だから小さい。
つまり狭い。

「ちょ、みーやん。くっつきすぎ。」

「せまいんだもーん。」

「もぅ。」

いつもみたいに、たわいのない会話を楽しむ。
狭い空間で2人の声だけが響く。
ここは雨が気にならない。
867 :夏の約束 :2013/08/20(火) 20:50
だけど、少し湿った感じの肌同士がちょっとくっつく。
そこが気になる。
そんな気持ちをごまかすように
ももの言葉を拾う耳に集中していたら
雨の音がすぅと小さくなった気がした。

「ちょっと小降りになってきたね。」

「ほんとだ…」

言った途端、空が光り、地に響くような轟音。

「「ひゃあぁぁああぁ!!!」」

2人同時に叫んで抱きついて。
一拍。
自然な流れで唇を重ねる。
868 :夏の約束 :2013/08/20(火) 20:51
あ。もも“ビクッ”てならなかった。

そんな事で心がザワザワする。
ももを抱きしめている腕を
少しだけ強くして、もっとピッタリくっついた。

869 :夏の約束 :2013/08/20(火) 20:51
昼間はあんなに暑かったのに
今は雨のせいで急激に気温が下がっている。
バイトが終わって外に出ると昼との気温差に
2人でビックリしたのを思い出す。
半袖のももの身体は冷たくて、
自分の体温を分けるように
ゆるりとさすった。

「あったかいね。」

ふんわり嬉しそうに呟くももの唇を見る。
艶やかな唇にドキリとして、なにかイケない気分になる。
慌てて視線を下にずらす。
870 :夏の約束 :2013/08/20(火) 20:52
狭い遊具の中くっついてる2人。
ももの脚がうちの脚に軽く乗っている状態で
スカートのすそが少しめくれている。
いつもよりも露出された白い脚が街灯に照らされて
妙にいやらしく感じてしまう。

「もも、好き。」

そう言って口づける。
だけど脚が気になって仕方ない。
871 :夏の約束 :2013/08/20(火) 20:53
うちの腰にある、ももの腕が強くなった。
たぶん「好き」って言うのを伝えてるつもりなんだろう。

だけど。
ぎゅうってするから今度は
ももの胸の膨らみがうちの身体に
しっかりと伝わってきたわけで。

なんか、もう、ねえ?
そりゃさ。手が伸びちゃうじゃない?
胸とか脚にさ。

だから、うちは悪くないと思う。
無意識に誘惑したのはももだ。
872 :おるぷち :2013/08/20(火) 20:58
本日はここまでです。
まだまだまだまだ暑いのは(以下略

>860 :名無飼育さん
地球温暖化を助長する言動は
辞めていただきたいものですな!w

>861 :名無し飼育さん
ちょっと拗ねた感じ、とか
上目遣いで、とか想像してもらうと
より一層楽しめるかと思いますw

>862 :名無飼育さん
なるほど!
こうゆう人、ウブとゆーんですよね。そういえば。
873 :名無飼育さん :2013/08/25(日) 21:17
更新きてた!ふたりとも可愛いです。こっちまでどきどきしますね
874 :夏の約束 :2013/08/27(火) 21:46
こんな…正直ちんちくりんな
ももの身体に欲情するなんて
うちも末期だとは思うけどさ。
好きなら仕方ないじゃん?
だけど

「ぎゃああああああっ!!」

なんて可愛くない声で叫んで
すごい勢いでうちから離れて

「み、みーやんの野獣!!」

そう言い捨てて走り去るってどうなの?
いいじゃん、少しくらい。
付き合ってるんだし。
今そうゆー雰囲気だったんじゃないの?
875 :夏の約束 :2013/08/27(火) 21:46
バシャバシャと傘もささずに走り去るももを
呆然と見送ったうち。

でも。胸やわらかかったなー
脚だって、もちっとして気持ち良かったなー
なんてトコまでは言ってないのに
佐紀ちゃんは、なんでそんな白い目で
うちを見てるのかな?
876 :夏の約束 :2013/08/27(火) 21:47
「なっちゃんってさぁ。」

「な、なに?」

「ガツガツしすぎ。ヤリタイ盛りの男子高校生か!」

相変わらずコンビニバイトの暇ひまタイムに
昨日の話をしたらツッコまれた。

「えー?普通じゃない?」

「いや、公園の遊具のなかはちょっと。」

「青春って感じでしょ?」

「どこがよ」

心底呆れた顔で見るのやめてください。
877 :夏の約束 :2013/08/27(火) 21:48
ふぅ、と1つ。ため息ついてから佐紀ちゃんは

「ただでさえ、もも恋愛未経験者なんだからさー。」

そう言われるとグッと詰まってしまう。
抱きしめただけでビクッとするような人に
昨日のは…と思わなくはない訳よ。

「まぁ、ももの純情っぷりをなっちゃんに聞いて
笑わずにはいられなかったけどね。いやー意外だった。」

そう言ってまた笑い始める佐紀ちゃん。
まーね。確かにね。
878 :夏の約束 :2013/08/27(火) 21:48
別に恋愛経験豊富そうには全然見えないけど
恋愛に動じなさそうなイメージはあったんだよね。

チューとかしても「いやーん」
とか言ってはぐらかすか

「ホントみーやんってももの事好きだよねー」

なんて言われるとか。
そう思ってたのが実際は、
あんな真っ赤になって恥ずかしがるとかさ。

もう、なんか、、、ねえ?
879 :夏の約束 :2013/08/27(火) 21:49
「ちょ、なっちゃん顔がオッサン化してる。」

「…そんな顔してた?」

「してた、してた。」

いかんいかん、クールビューティーと
巷で噂の雅ちゃんが!
って、本当は全然クールじゃないって
周りにはバレテルケドネ★

「で、ももは?そのままなの?」

「んー?取りあえず喧嘩したくないし
やり過ぎてゴメンって電話して謝ったら
許してくれたけど〜。」
880 :夏の約束 :2013/08/27(火) 21:49
「ふぅん。ただのノロケだったのか。」

「いやー、でも。こうなると中々
手ぇ出せなくなるよね。まいったな。」

「だから発想が男子ってかオッサンなんだけど。」

苦笑いする佐紀ちゃんに笑って見せたけど
ちょっと本気で悩んでたりもする。
これで、ぎゅー!チュー!も拒まれたらどうしよう。


とか、思いつつもそんなには心配もせずに
Buono!へ出勤。
881 :夏の約束 :2013/08/27(火) 21:50
今日も会えると思うとウキウキする。
うちよりも遅い時間から入るももを
ソワソワしながら待つのは日課。

愛理にはソワソワしてる、とか
本当ももの事好きだよねー!とか
言われても「別にぃ?」なんて言っちゃうけど。
まぁ、しばらくして、ようやく店に入ってきたももの

「おはようございま〜す♪」

の声にいち早く反応して
愛理には笑われたんだけどね。
882 :夏の約束 :2013/08/27(火) 21:51
だけど、ももは。
そんなうちをチラと見ただけで
かるーくスルーで更衣室へ向かってしまった。
いつもなら絶対に声をかけてくるのに。

「ちょ、もも!」

「なぁに?もも着替えるんだけどー!
見たいの?みーやんのエッチぃ!」

「ば!!早く着替えてきてよ!」

見たい、とは人前では言えない。
隣で愛理がクスクス笑っているこの場所では言えない。
それを分かってて、こうゆー事言うんだ、ももは。
883 :おるぷち :2013/08/27(火) 21:54
本日はここまでです。
みーやんハッピーバースデイ★★★
どんどんキレイになりますよね。

>873 :名無飼育さん
ラブラブシーンは書いてて
こっちもドキドキw(あほ
884 :名無飼育さん :2013/08/27(火) 23:33
どきどきしてたのに!寸止め!

遊具の中は中学生男子かって思ったけどw

乙女心わかって!巷で噂のクールビューティー雅ちゃん!
885 :夏の約束 :2013/09/03(火) 20:43
仕方ないから更衣室の外から話しかける。

「昨日の事、やっぱ怒ってんの?」

「怒ってない。」

「じゃー、さっき何で…いつもと違う感じなの。」

「だって…」

「なに」

「…は、はずか、しい、じゃん。」

なんだ、照れてたのか。
そっか。

………
886 :夏の約束 :2013/09/03(火) 20:43
そんなん知ったら照れてる顔見たいんだけど。

「着替え終わった?」

「え、あ。うん。もう…」

ももの答えを聞き終わらない内に更衣室のドアを開ける。

「え?み、みーや…」

突然入ってきたうちにビックリしてるももを
ぎゅっと抱きしめる。
もちろん後ろ手でドアも閉める。

「ちょ、な、なに…」

戸惑うももの唇を強引に塞ぐ。

「ん、、んんーーーーーー!!!!」

背中をボカスカ叩かれたけど気にしない。
887 :夏の約束 :2013/09/03(火) 20:44
そのまま続けてたら

「〜〜〜〜や!!!!だってば!」

思いっきり突き飛ばされてドアにぶつかった。

「いったーーーー!!なにすんの」

「それ、こっちのセリフ!
バカ、みーやん。全然!反省してないじゃん!バカ!」

「え〜?だってさ、好きなんだもん。」

一瞬言葉に詰まったももだけど、すぐに言い返してきた。

「それはっ!嬉しいけど。そうじゃなくて!」

「じゃあ何?場所?そこは気をつけるよ。」

確かに遊具のなかと更衣室じゃダメだったかな。
888 :夏の約束 :2013/09/03(火) 20:45
「そうゆー、ことじゃ、なくてっ」

言ってる意味が分かんない。
ももはナニ怒ってるの?
“分からない”が顔に出てたんだろう。
ももは何か言いかけといて言葉を飲み込み
うちの横をすり抜けて出て行ってしまった。

「え?ちょ、もも!?」

チラと一瞬振り返ったその顔は悲しそうで
なんでそうなったか分からないうちは
愛理が呼びに来るまでそのまま放心していた。
889 :夏の約束 :2013/09/03(火) 20:45
その日のバイトはなにをどうしていたか
全く覚えていない。
ただ、仕事が終わるその瞬間に
早くももを捕まえなきゃ!って
考えるより先に身体が動いた。
そんなうちの行動を見越したように
ももはあり得ない位に素早く帰り仕度をしていた。
「ちょ!逃げなくてもいいじゃん!」
焦ってカバンだけを引っ掴んで追いかけ、
すでに店を出て走るももの後ろ姿を捕える。
言っとくけど。
ももより脚早いんだからね!!
890 :夏の約束 :2013/09/03(火) 20:46
ま、だからといって。すぐに追いつける訳もなく
結構な距離を走るはめになった。
ももを捕まえた時、ももの顔が強張ったのは
もしかしたら必死すぎるうちの顔のせいだったかもしれない。
ぜーぜーと息を切らし

「つ、つか、まえた!」

それだけ言うとももの手首をガッチリ掴んだまま
その場にへたり込んでしまった。

普段どう考えても運動していないももだから、
その時点で抵抗なんてできる訳もなく
一緒に座りこんでしまっていた。
891 :夏の約束 :2013/09/03(火) 20:46
ああ、良かった。とりあえず。
ここで話できなかったら延々と避けられて
そのままニュージーランドに行っちゃいそうなんだもん。

なんかあれば、やっぱり付き合うのやめようって
そう言われる気しかしない。

「なんで制服なの。」

ようやく出たもものひと言目はそれだった。
あまりにも慌てて追いかけたから
着替えの余裕さえなかったのだ。
892 :夏の約束 :2013/09/03(火) 20:47
「ももが逃げるから。もう…離さないって言ったでしょ。」

「だからって…」

呆れ顔のもも。
悲しい顔されるより、こっちのがいいや。

「絶対、離したくないの。」

そう言うと

「うん。」

とだけ返してくれた。
落ち着いてから2人でいつもの公園に向かって歩く。
いつもより早い時間なのか遅いのか分からない。
893 :夏の約束 :2013/09/03(火) 20:48
掴んでいた手首は離して
今はちゃんと手を繋いでる。
あったかい、ももの手に安心する。

ここに、ももが、いる。
ちゃんと、うちの、横に。

いつものベンチに座って
何からどう話そうか戸惑っていると

「そのまま電車乗るの恥ずかしいよ?」

ももから話しかけてくれた。

「そうだけど…うん。そこは考えたくないな。」

うちの答えに小さく笑うもも。
なんとなく、いつもの空気に変わってきた気がする。
894 :おるぷち :2013/09/03(火) 20:50
本日はここまで。
ハロコンが終わると夏も終わりか、と
思ってしまいます。
まだ暑いけど〜。


>884 :名無飼育さん
巷で噂のクールビューティー雅ちゃんの正体は!
青春真っ盛りの中学生男子!www
895 :名無飼育さん :2013/09/05(木) 17:18
寸止めすぎます。終りが上手すぎます!続きが待ち遠しい…
896 :名無飼育さん :2013/09/11(水) 07:18
待機|_・)
897 :名無し飼育さん :2013/09/12(木) 09:17
今週分の更新はないのかな
898 :夏の約束 :2013/09/13(金) 19:35
ふぅと息を吐く。

「みーやん?」

「もも、ごめんね。」

「…」

「ももが何に怒ってるのか全然分かんない。」

「怒ってるのとは…ちょっと違う。」

「抱きしめるのとか、キスとか…
うちにされるの嫌?さわられたく、ない?」
899 :夏の約束 :2013/09/13(金) 19:36
ももは少し考えて

「嫌って言う訳じゃないよ。
なんか困るけど…どうしていいか分かんないし」

「分かんない?」

「だから、、、そうゆー事された時に
どうゆー反応したらいいっていうか
どうゆー顔したらいいか、とか。
なんか、、、全然分かんない。」

ちょっとふてくされたみたいに言う。
年上のプライド?
経験のなさを自分からアピールするみたいなのが
恥ずかしいとか、そんな感じに見えた。
900 :夏の約束 :2013/09/13(金) 19:36
「戸惑ってるもも可愛いよ。
そのままでいいよ。」

もしかして、そんな事悩んでたの?

「みーやんはズルイ。」

「は?なにが。」

「自分だけ経験豊富みたいな顔して
次へ次へってどんどん押してきて。」

「え?いや。そんな経験豊富って訳じゃ…」

「ももの気持ちなんかお構いなしで。
そうゆー事ばっかしてきて。」
901 :夏の約束 :2013/09/13(金) 19:37
「え?やっぱ嫌だったの?」

そこまで嫌だったとは。
ガツガツしすぎって言う佐紀ちゃんの言葉を思い出す。

「ご、ごめ…」

「違うの!そうじゃなくて!」

ええ?違うの?意味分かんないんだけど。
あー、とか、うーとか呻るもも。
自分でも良く分からないとか?

「なんかっ。そんな急がなくてもいいじゃん!!」

「え?」

「みーやんはっ!次から次へって
なんか急いでてやだ。」

それは、、、やっぱガツガツ?
902 :夏の約束 :2013/09/13(金) 19:38
「なんかっ、なんか…今やっとかないと、
もうできないって言ってるみたい。」

「…え?」

「先を急いで…っももが居なくなる前に
全部なんでもかんでもやりたいっみたいに。」

「え?そうゆーつもりじゃ…」

「思い出作りたいなんて、最後みたいに言わないで。
ももの事、終わりにしないで。」

「もも。」

そんな風に思ってたの?
終わりにしないで、なんて
ずっと終わりにされそうで必死だったのは
うちの方なのに。そう思っていたのに。
思わずももの肩を抱き寄せる。
903 :夏の約束 :2013/09/13(金) 19:39
そうだった。
こんな事でさえ、ももはビクッと身体を
震わせるくらいなのに。
うちは…

「もも、恋愛なんて良く分かんないもん。
もっとゆっくり…急に色んな事されても
分かんないんだもん。パニックになるんだもん」

「ご、ごめんね?もも。最後なんて思ってないから。
本当だよ?離さないって言ったでしょ?
待ってるし。ちゃんと。ももの事待ってるから」

「ほんと?約束だよ?」
904 :夏の約束 :2013/09/13(金) 19:39
ももが小指を出すから
うちも自分の小指を絡ませる。

「待っててね。これ以上先に進もうとしないでね?」

「うん。」

「ちゃんと、みーやんのところに帰ってくるからね。」

「うん。」

そっか。そうだよね。
ももの気持ちも考えずに突っ走ってた。
ゆっくりでいい。
だって、ももはうちの所に帰ってくるんだから。
905 :おるぷち :2013/09/13(金) 19:41
本日はここまでです。
風邪ひいて寝込んでました。
待っていてくれた方申し訳ありませんm(__)m

>895 :名無飼育さん
寸止め大好きですwww

>896 :名無飼育さん
お待たせですー

897 :名無し飼育さん
ギリ今週の更新できました。
906 :sage :2013/09/14(土) 08:01
ももち可愛いw
続きが楽しみですー
907 :名無飼育さん :2013/09/14(土) 13:13
ももが可愛い!
そんなこと言われたら、みやびちゃんもっとハマっていっちゃうね。
908 :夏の約束 :2013/09/17(火) 23:51
それに…

「良かった。うち、ももに別れようって言われそうで
実は怖かったんだよね。」

「え?なんで?そんな事言わないよ」

「うち強引だったからさ。
弱音はいたら捨てられそう〜なんて。」

それで必死だったのがまさかの逆効果だったなんてね。
でも、ももが帰ってくるのはうちのトコ、なんて
嬉しい事言ってくれた。

「うち、幸せ。ももの事すっごい好き。」

「ももも。みーやん大好きだよ。」

ちゅ、と軽く口づけるとももは嬉しそうに笑った。
無理しなくて良かったんだ。
こんな感じで優しくしよう。
もっと、ももの事ちゃんと考えよう。

909 :夏の約束 :2013/09/17(火) 23:51
「なるほどねー。」

いつものコンビニバイトで佐紀ちゃんに報告すると
妙に納得した顔で頷かれた。

「さっすが、ももだね。」

「え?なにが?」

可愛いって事?なんて
そんな事を佐紀ちゃんがももに対して思う訳ないよね。

「なっちゃんさぁ〜、うまいこと
“おあずけ”されただけじゃん?」

「なっ!?」
910 :夏の約束 :2013/09/17(火) 23:52
え、ちょっと待ってよ。なにそれ。

「100%本音じゃないとは言わないけどさあ。」

ニヤニヤする佐紀ちゃん。な、な、なによ。

「しょせん、なっちゃんは〜、ももの掌で転がされてる感じ?」

「そんな事ないでしょ!」

「いやー、なんか純情な反応ってのも、ももの作戦に思えてきた。」

「な、な、な!?」

「今、日本にいる内に全部あげちゃったら
捨てられちゃうかも知んないもんね。」
911 :夏の約束 :2013/09/17(火) 23:53
「そんなことしないよ!!」

「だけどさ、した後とする前なら
する前のが離れないと思わない?惜しいでしょ。
それが目当てとは言わないけどさー、比べるとねえ。」

ももは、そんな打算的な女じゃないもん!!!
…たぶん。
ど、どうしよう?
否定しきれないなにかが…

「おあずけって効果的だよね♪」

佐紀ちゃんがももの友達なの
なんか分かった気がするよ。
わりと似てたりする?ねえ。。。
912 :夏の約束 :2013/09/17(火) 23:53
その夜。
いつもの公園で軽くちゅってしたら

「みーやん、ここまで。ね?んふっ」

なんて可愛く言われた。小首をかしげて。

うん。

おあずけ…されただけ、、、じゃないって信じたい。
913 :夏の約束 :2013/09/17(火) 23:54
まぁいいよ、別に。
転がされててもさ
ももが、うちのトコに帰って来てくれるんならさ。
別にイイよ。
おあずけが、ももの

「うちを自分から離れさせないための作戦」

なら、むしろ嬉しいじゃん。
ももだって必死になってくれてるんだよ。

ね、もも。
次の夏には
「おかえり」って両手広げて待ってるからさ。

まずは
「行ってらっしゃい。」
914 :おるぷち :2013/09/17(火) 23:57
本日はここまで。
みやもっも後日談「夏の約束」も
これにて終了です。
次回からは、ぽんぽんコンビの後日談となります。
よろしくお付き合いくださいませ。

>906 :sage さん
こんな感じで終了ですがいかがでしょうか。
913のあとに冒頭へという事ですね。はい。

>907 :名無飼育さん
みやびちゃんは最初からももに
ハマっちゃってますけどねー。w
915 :名無飼育さん :2013/09/21(土) 17:40
もう、みやびちゃんが桃子の手の平で転がされてるようにしか見えないw

桃子早く帰ってこないかなー!続編面白かったです!
916 :親友のあなたへ。 :2013/09/24(火) 22:59
可愛かったり
イケメンだったり
ちょっと空気読めなかったり。

そんなあなたが大好きで
触れられたくないだろう事は
触れないままにして。
理解ある「親友」のふり。

だけど、もう。
そんなのは。
そんなの、は。
917 :親友のあなたへ。 :2013/09/24(火) 22:59
「聖?どうしたと?ぼーっとしよって。」

「え?ああ。天気、良かったから。」

「ああ、そうっちゃね。うん。」

保健室の窓から2人で空を眺める。
雲ひとつないスッキリとした青空。

最近のエリナは「聖」と呼び捨てにする。
たまに、「みずぽん」っていたずらっぽく呼ぶ。
標準語を無理して使おうとしてたのに
博多弁で話す事が多くなった。
それは気を許してくれてるって事?
聖を信用してくれてるって事?
918 :親友のあなたへ。 :2013/09/24(火) 23:00
エリナが保健室登校してる理由を聖は知らない。

なんとなく、前の学校で人間関係に
何かあったんだろう事は想像つく。

以前、新垣先生に恋人がいるって分かった時に
学校での自分の居場所がなくなるって怯えていた。
親友、とか、友達って言うのにためらった事もあった。
その意味を聞けないままでいる。
919 :親友のあなたへ。 :2013/09/24(火) 23:00
エリナの事を知りたいけど
聞いちゃいけない気がしてた。
踏み込めないなにかがあった。
踏みこんで拒まれたくはなかった。
エリナはなにに怯えているの?
聖が守ってあげたい。
エリナの不安を取り除いてあげたい。
920 :親友のあなたへ。 :2013/09/24(火) 23:01
「なん?今度はエリナの顔になんかついとる?」

「え、あ。目と鼻と口?」

「なーんそれ!つっまらん」

そう言いながら声をあげてエリナは笑った。

「聖にもついとるやん。」

そう言って、聖の鼻とほっぺを順番に
指でつついた。

「ぷにぷに。」

「もぉー!!」

「聖って柔らかくて女の子って感じで可愛いっちゃ」

「は、はぁ?」
921 :親友のあなたへ。 :2013/09/24(火) 23:01
途端に頬が赤くなったのが自分でも分かった。

エリナは最近やたら“可愛い”を連発してくる。
その度、頬を赤らめてしまうのが恥ずかしい。
どうせ意味なんてないんだろうけど
そんな事で鼓動が速くなってしまうなんて
想像もしてないんだろうなぁ。

「ほんと、可愛い。」

言いながら聖の長い髪をひと房とって
口元に近付ける。

「食べちゃいたいくらい」

そう言って髪に口づけた。
922 :親友のあなたへ。 :2013/09/24(火) 23:02
「ちょ、や、や、やめっ!こ、こ、この
えりぽんのスケコマシーーーーーー!!!」

なんだって言うんだろう。
この人は。天然なの?

まさか、こうゆーので前の学校でもめたとか?
ちじょーのもつれってやつ?

聖がうろたえるのを見て
オナカを抱えて笑ってる。
923 :親友のあなたへ。 :2013/09/24(火) 23:02
新垣先生はヤレヤレって顔で

「ま、生田だから。」

と、お決まりのセリフを吐いた。
新垣先生には聖の気持ちは完全にバレてる。
それで優しく見守ってくれてる。
エリナほどじゃないけど聖も新垣先生好きだなと思う。
本当エリナは新垣先生大好きだから。
本人が「そういう意味」で好きな訳じゃないって
言ってたけど、それでもヤキモチをやいてしまう。
924 :おるぷち :2013/09/24(火) 23:04
本日はここまでです。
ぽんぽんコンビのその後編スタートです。
よろしくお願いします。

>915 :名無飼育さん
桃子の純情はどれくらい本気なのかw
帰ってきたらどうなんでしょうね?
先へすすめるのでしょうか。
925 :名無飼育さん :2013/09/25(水) 02:31
ぽんぽんキター!
しかしさっそくみずぽん大変そうですねぇ…ナマタのやろーw
926 :親友のあなたへ。 :2013/10/01(火) 21:14
聖がエリナの事。
好きって言ったらどんな顔するんだろう。

時々そんな事を思う。
言う勇気はないんだけど。
927 :親友のあなたへ。 :2013/10/01(火) 21:15
「先生さよーなら。」

「はい、さよーなら。気をつけて帰るんだよ。」

「はーい。」

保健室を出るとエリナが聖の手を握ってくる。
最近ずっと、そう。
最初はすっごいビックリしたし心臓が
どうにかなるんじゃないかってくらいドキドキした。
その時ほどじゃなくても平静を装って
今も毎回ドキドキしてる。
928 :親友のあなたへ。 :2013/10/01(火) 21:16
「親友やけんね。」

キラキラした笑顔でそう言われると
胸がぎゅうって締めつけられる。

「エリナ、聖がおって良かったとよ。
親友できるとは思わんかった。」

そう言われるとやっぱり告白なんてできないなと
思ってしまう。

エリナが求めてるのは「親友」の聖。
929 :親友のあなたへ。 :2013/10/01(火) 21:16
「今日もアイス食べるっちゃ。」

人ゴミが苦手なエリナだけど
最近はちょっと学校からは離れたコンビニに
行くのが日課になってる。

初めて“コンビニに行きたいから付き合って”
って言われた時、
聖が“コンビニへ行った事ない”って
言ったら心底ビックリして
“うそやろ?”を連呼していた。
今までずーっと車で送迎だし
寄り道したことなんてなかったから仕方ない。
930 :親友のあなたへ。 :2013/10/01(火) 21:17
そんな世間知らずな聖をエリナは
さすがお嬢様と大笑いした。
エリナがいなかったら今でもコンビニへ
行く事はなかったんだろうなあ。

「なに笑っとるん?」

「ん?あ〜、最初にコンビニ行った時の事思い出して。」

「ああ!あん時の聖のはしゃぎっぷりは
すごかったっちゃね!面白過ぎてコンビニ
簡単に入れたけんね〜。」
931 :親友のあなたへ。 :2013/10/01(火) 21:17
“コンビニ簡単に入れた”

その事がエリナにとってどういう意味なのか
今日もまた聞けずにいる。
932 :親友のあなたへ。 :2013/10/01(火) 21:18
2人でアイスを買ってコンビニの
飲食スペースで食べる。
暑い外で食べてて聖が倒れたら大変、なんて
そんな短時間で倒れるほど身体、
弱いわけじゃないんだけどな。

ねぇ、気付いてる?
聖の保健室登校が増えた事。
暑さのせいにしてるけど
別に体調が悪い訳じゃないんだよ。
933 :親友のあなたへ。 :2013/10/01(火) 21:19
「なん?」

「え?」

「またエリナん事じーっと見とったやろ。」

「え、えりぽんの食べっぷりがいいから。」

「ふぅん?」

そんなに見てたかな。
いや、見てたよね。
さすがのエリナも気付いちゃったか。

「聖、アイス垂れとー」

「え!?あっ!」

赤いイチゴアイスが溶けて
聖の腕を伝っていた。
934 :親友のあなたへ。 :2013/10/01(火) 21:20
慌ててテーブルに置いてあった
紙ナプキンで拭こうとするのに
エリナがその腕をテーブルの向こう側から
ぐいと引っ張る。

「え?ちょ、エリ…」

瞬間、生温かいものが腕に触れた。
それはエリナの、、、舌、、、!?
聖の腕のアイスを舐めとっていた。

「なっ!?」
935 :親友のあなたへ。 :2013/10/01(火) 21:21
勢いよく腕を引き、立ちあがると
ガタンと椅子が大きな音をたてた。
動揺する聖を上目でチラと見て

「いちごも美味しい」

なんて、しれっとした顔で言う。

「ばっ!!エ、エ、エリナだ、、、だめなんだから。
そんなのしたら、、、だめ、なんだから」

「なんで?」

「なんでって普通しないでしょ?」
936 :親友のあなたへ。 :2013/10/01(火) 21:21
こんなの親友がする事じゃない。
親友の域を超えてる。
聖が意識しすぎな訳じゃない。

エリナは聖をじーっと見てニヤリと笑う。

「聖の白い腕に赤いのがツーッて。
なんか美味しそうやったんやもん。」

「お、おいし…」

「てか、エロかった。」

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
937 :おるぷち :2013/10/01(火) 21:25
本日はここまでです。
ぽんぽん!
えりぽんが「うさちゃんピース」公開録音に
乱入したのは愛ゆえですよね!?www

>925 :名無飼育さん
ま、生田だから。byにーがき先生
938 :親友のあなたへ。 :2013/10/08(火) 20:49
もう言葉になんてならなかった。

キスもしたことないのに
こんな、、、やらしー感じの事
好きな人にされるなんて。

なんか、もぅ訳わかんなくて
エリナの頭をペシッと叩いて
待っててくれた迎えの車に飛び乗った。

「え、ちょ、聖!?」

慌てるエリナの声が聞こえたけど
そんなのかまってられない。
939 :親友のあなたへ。 :2013/10/08(火) 20:50
だって、意味分かんない。

美味しそうとか、エロいとか。
なんでそんな事言うの?
エリナの変態スケコマシ。
親友だって言うなら親友っぽくしてほしい。
そうじゃないと聖はどうしていいか分からない。
どうにかなっちゃいそうで
どうしようもない。
940 :親友のあなたへ。 :2013/10/08(火) 20:50
好きじゃないなら親友の線を踏み越えないで。
親友の聖を必要としてるんじゃないの?

エリナがそんな風なら聖は親友以上を求めちゃう。
そうしても困らないでいて。

困って後悔しても、それは全部エリナのせいなんだから。
941 :親友のあなたへ。 :2013/10/08(火) 20:51
マイッタ。

昨日の今日でまさか熱を出すなんて。
なんか、理由が恥ずかしい。
ここしばらく熱なんて出してなかったのに。
家の人たちは夏のせいと思ったみたいだけど
本当のこと、聖だけが知ってるから
恥ずかしくて余計に熱が出そう。

なんて。
さっき計ったら、平熱になってたんだけどね。
身体が学校に行くのを拒否したのかなあ。
942 :親友のあなたへ。 :2013/10/08(火) 20:51
「お嬢様、お昼ですがおかゆ召し上がりますか?
それともフルーツなどをお持ちしましょうか?」

「あー、うん。ありがと。じゃあ、フルーツを」

食欲なくて本当は断りたいけど
ベテランお手伝いさんの目が
食べないと薬飲めないでしょ、と言っている。
それこそ赤ちゃんの頃からお世話になっている
彼女に聖は頭があがらない。

用意してもらったジューシーな桃を食べていると
遠慮がちなノックが響いた。
943 :親友のあなたへ。 :2013/10/08(火) 20:52
「どうぞ?」

今度は最近はいったばかりのお手伝いさんが
遠慮がちに顔をのぞかせた。

「お食事中に申し訳ありません。
お嬢様のお友達がいらしてるのですが…」

「お友達?」

「あの、えりぽんって言えば分かる、と。」

「…」
944 :親友のあなたへ。 :2013/10/08(火) 20:52
なんで家知ってるんだろう?とか
お見舞いなんて来た事ないのに、とか
どんな顔すればいいんだろうとか。

色々思う事はあるけれど
なんで「えりぽん」なんだろうというのが
一番ひっかかってしまった聖はオカシイでしょうか。

945 :おるぷち :2013/10/08(火) 20:54
本日はここまでです。

みずぽんブログ読むと
癒されるわー。
946 :名無飼育さん :2013/10/09(水) 01:21
ですよね!>みずぽんブログ

えりぽんさんはどうする気なんでしょうか
気になってdkdkwktkヒヤヒヤです(^_^;)
そして作品内のみずぽんにも萌え癒されます(*´∀`)
947 :親友のあなたへ。 :2013/10/15(火) 20:48
取りあえず桃を食べ終わるのを待ってもらって
部屋にとおしてもらうように伝える。

けど、良く考えたら寝てたせいで
髪ボサボサだし!
あ、顔にシーツの痕とかついてるかも!
慌てて身だしなみを整えた(ハズ)くらいに
部屋がノックされた。
948 :親友のあなたへ。 :2013/10/15(火) 20:49
さっきのお手伝いさんの後ろには
ふにゃふにゃした顔のエリナ。

「みーずぽん!えりぽんだよー♪」

その発言に戸惑ってるお手伝いさんに下がってもらって
エリナを部屋に入れる。

「いやー、みずぽん本当にお嬢様っちゃね。
想像以上にでっかい家でビックリしたとー!」

949 :親友のあなたへ。 :2013/10/15(火) 20:49
なんなの?このハイテンションは。
若干ひいてる聖を見て更に目を輝かせるエリナ。

「あ、もしかして!」

「え、な、なに?」

「ネグリジェやったりする?」

「そうだけど…なに?」

ニヤニヤするエリナ。
嫌な予感しかしない。

「ちょぉ、見せぇ。」

言うなりふとんを引っぺがされた。
950 :親友のあなたへ。 :2013/10/15(火) 20:50
!!!

「ネグリジェ女子高生!」

異様に恥ずかしい。
なんでニヤニヤしてるの。
なんか視線が、、、なんか、、、やらしー?

「どこ、見てるの…」

いたたまれなくて
エリナが掴んでる布団を取り返して
自分の身体に巻きつける。

「あーーーーーー!」

心底残念そうだし。
951 :親友のあなたへ。 :2013/10/15(火) 20:51
「なんかっ、エリナ目がやらしいんだけどっ!」

「ん?あー、それは仕方ないっちゃね。」

「ま、また聖の事エロいとか言うの?」

「そうっちゃね。でも、それだけ
みずぽんが魅力的って事やん」

「み、み、み…」

戸惑う聖を見てエリナは嬉しそうに笑う。

「聖はほんと可愛いっちゃね。」

「ば、ばかにしてるんでしょ」

「えりぽんより年上なのに純情で
ちょっとの事でピンクのほっぺになるんが
可愛いって言っとるんやろー。」
952 :親友のあなたへ。 :2013/10/15(火) 20:51
可愛いって言われるのは嬉しいけど
なんか、なんてゆーか
聖の求めてる意味の『可愛い』じゃない気がするんだもん。

「どうしたと?あ、そっか。具合悪いっちゃね。」

そう言って急に近づいたかと思うと
おでことおでこをくっつけた。

「!!!」

「こうやって漫画とかテレビで熱測っとったけど
よく分からんね。」

だからっ、なんで、そうゆー事
簡単にしちゃうの!?
聖の事なんとも思ってないアピールなの?
953 :親友のあなたへ。 :2013/10/15(火) 20:52
「帰って。」

「え?」

「もう、えりぽんの顔なんか見たくない。」

思ってもいない事が口から滑り出る。
本当は毎日会いたいし
毎日手を繋ぎたいし
毎日おしゃべりしたいのに。
ただ、苦しくて。
今のままが苦しくて。
涙がぽたりと落ちる。
954 :親友のあなたへ。 :2013/10/15(火) 20:53
「聖、泣いとるやん。そんなん、ほっとけんよ。」

「で、出てって、て。言ってるでしょ!?」

枕をぶん、とエリナに向かって投げたのに
ひょい、とかわされてしまった。

枕を目で追ってから聖に向き直って
エリナは悲しい顔をした。
955 :おるぷち :2013/10/15(火) 20:55
本日はここまでです。
さゆみん娘。在籍No1とか本当凄い!
おめでとう!

>946 :名無飼育さん
イクタにはイクタなりの考えが…あるはず。
たぶんw
がんばれ、みずぽん。
956 :親友のあなたへ。 :2013/10/22(火) 20:11
その顔を見て、胸が痛む。
エリナは親友を求めていたのに。
聖が勝手に好きになっただけなのに。
こんな事してエリナ悲しませて
聖は嫌な子だ。

「聖はエリナが嫌いになったと?」

そう言われてブンブンと横に首を振る。
嫌いになんてなれるわけ、ない。
957 :親友のあなたへ。 :2013/10/22(火) 20:12
「じゃあ、好き?」

それは、どういう意味で言っているの。
友達として?
それに応えるの、聖には無理だよ。
なにも言わない聖にエリナは近付いてきて
ベッドの横に膝をついて視線を合わせた。

「エリナは聖をこんなに好いとーのに。」

「え」

思わず反応してしまったけど
それも友達として、でしょう?
958 :親友のあなたへ。 :2013/10/22(火) 20:13
「エリナの言っとる意味、分からんの?」

意味って…

「伝えるとよ?」

そう言ってエリナはグン、と聖に近付いた。
手を聖の頬にあてて…ゆっくり口づけた。
その事に気付いたのは何秒後だったのかな。
まさか1分はかかってないよね。
とにかく時間が止まってしまった。
きっと、ほんの一瞬だったそれは。
やわらかくて、優しくて、温かかったそれは。
聖の涙腺を壊してしまった。
959 :親友のあなたへ。 :2013/10/22(火) 20:13
次から次へと溢れる涙を
エリナは自分の制服に染み込ませた。
ぎゅうっと抱きしめられて

「伝わったと?」

そう聞かれて今度はぶんぶんと首を縦に振った。

「ふは。くすぐったかよ。」

そう言いながら聖の頭を撫でてくれる。

好きってそうゆー意味なの。
なんで?
本当に?
これって夢じゃない?
960 :親友のあなたへ。 :2013/10/22(火) 20:14
聞きたいのに声にならなくて
ただただ流れる涙でおぼれてしまいそう。

「あー、もぅ。エリナったら女泣かせやん。
イケメンやな!」

笑わせようとしてるのか、まさか本気なのか。
エリナの顔を見たら…
すんごく優しい目をしてて
ドキン、ってなった。
961 :親友のあなたへ。 :2013/10/22(火) 20:15
「聖も…エリナ好きだよ。」

やっと出た聖の言葉にニッコリ笑うエリナ。

「知っとーと!」

そう、知ってたの。
聖分かりやすいのかな。
こんなに空気読めないエリナに気持ちバレてるなんて。

「もっと早く言えんでゴメンね?」

「え?」

「聖がエリナんこと好いとーのも
エリナが聖ん事好いとーのも分かっとったけど
親友の期間も大事やったけん。」
962 :親友のあなたへ。 :2013/10/22(火) 20:15
「聖は…エリナが聖の事好きだなんて知らなかったもん。
なんか、ズルイよ」

「えー。エリナ前に言ったと思うんやけど。
好きな人しかエロい目で見んって。」

「そんなの、ふつー本気と思わないでしょ。」

確かに前そんな事言ってた。
そう。初めてエリナの家に行った
あの雨の日。
963 :親友のあなたへ。 :2013/10/22(火) 20:16
「えー、エリナなんか自分でそう言ってから
聖の事エロい目で見とるって気付いたのに!」

「それって、その時に聖の事好きだって
気付いたって事?」

「そうそう!やって、あの雨に濡れた
スケスケ制服姿は反則やろー。」

なんか、そんなの嬉しくない。
ちょっとロマンティックって言うか
少女マンガっぽい展開と言うか
甘い空間だった気がするのに
やっぱエリナはKYだ。
964 :おるぷち :2013/10/22(火) 20:18
本日はここまでです。
おそらく、あと1回で終了。
ちょろっとエピローグ的なものを
追加して「街」自体
終了となるかと思います。
965 :親友のあなたへ。 :2013/10/30(水) 20:18
「それに、エリナなりに行動で
気持ち伝えとったつもりなんやけどな。
みずぽん鈍いっちゃ。」

それって呼び方とか手繋いだりとか
そうゆー事だったの?

「だ、だって…だって…」

「ま。そうゆーとこも可愛いっちゃ。」

「エリナ」

今度は聖が望む『可愛い』に聞こえた。
嬉しい。
泣きそう。
966 :親友のあなたへ。 :2013/10/30(水) 20:19
そんな風に感動してる聖に

「なぁ、もっかいチューしていいと?」

そんな事聞くなんてやっぱりKY!!
でも、そこが憎めないって言うか。
もう。えりぽんだから、しょーがない。

「ん。」

と。ちょっとだけ顎を上げて目を閉じると
エリナが動く気配がして
すぐに唇に柔らかくてあったかいものが触れた。
967 :親友のあなたへ。 :2013/10/30(水) 20:19
さっきとは違う気持ちでしたキスは
幸せすぎて気持ちも身体もうーんと熱く感じる。

「なぁ、みずぽん。めっちゃ顔赤くなっとーけど。」

「え、や。そうゆー事言わないでよ〜。
もぉKYなんだからー」

「いや、そうやなくて…もしかして
熱、上がっとーやなか?」

「へ?」

そう言われてみると、なんかふわふわーとするような。
え、でも、これ幸せだから、じゃなくて?
968 :親友のあなたへ。 :2013/10/30(水) 20:20
結局。

エリナの言葉の通りグンと上がった熱は
やっぱり理由が恥ずかしくて
お手伝いさん達の顔をまともに見る事ができなくなっちゃった。
エリナは

「ごめんな?まさか、そんなに具合悪いだなんて…
ほんとゴメン」

なんて、いっぱい謝りながら帰って行った。


ごめんね。
違うの。
熱は下がってたのに興奮しすぎたの。とは言えない。
ああ、恥ずかしい。
969 :親友のあなたへ。 :2013/10/30(水) 20:21
でもね。
すごく嬉しかったんだもん。
エリナが聖を好きでいてくれただなんて。
親友だったエリナが恋人になっただなんて。

キス、もしちゃったし。
思い出すと恥ずかしくて嬉しい。

ねぇ、エリナ。
もう怖がらずに
“あなたの事教えて”って言ってもいいかな。
970 :親友のあなたへ。 :2013/10/30(水) 20:21
これからは聖が側にいるんだから。
きっと守ってみせるから。
そしたら人の多い所でデートもできるかな。
ゆっくりでいいから。
少しずつ、あなたの中に踏み込んでもいいかな。

ね。えりぽん。
971 :おるぷち :2013/10/30(水) 20:22
本日はここまでです。

モーニング娘。が
オリンピックの応援歌とか!
きたね、きたね、きましたね!!
972 :親友のあなたへ。 :2013/11/06(水) 21:47
2日後。
ようやく体調が戻って学校へ向かったら
エリナが校門に立ってた。

「ええ、えりぽん?」

人が苦手な。
特に同年代の人が多い所が苦手なのに
こんな朝の登校時に校門にいるなんて。
973 :親友のあなたへ。 :2013/11/06(水) 21:47
「おはよー。聖。今日は来るって言うけん
待っとった。」

「お、おはよ。え、でもココ人多いよ?」

大丈夫なの?ねえ。大丈夫なの?

「聖の家の車はいつもキッチリ同じ時間に来るし。
1分くらいしかココにおらんよ。」

「で、でも。」

「密室やないし、少しは大丈夫になったと。」

「そ、そうなの?」

「聖に少しでも早く会いたかったけぇ平気っちゃ。」

「え!?」
974 :親友のあなたへ。 :2013/11/06(水) 21:48
途端にかーーーっと頬が熱くなる。
そんな事言ってまた熱上がったらどうすんの!
そんな聖にはおかまいなしで
エリナは聖の手をとって

「いこ?」

まぶしい笑顔を見せた。
えりぽんってやっぱスケコマシ。
なにこのイケメン。
人の中を少しずつ大丈夫になっていくのは
嬉しいけど…心配になるじゃない。
こんなえりぽん知ったら世間は放っておかないよ。
975 :親友のあなたへ。 :2013/11/06(水) 21:49
「こうしとかんと心配やし。」

「え?」

「聖は可愛い子見たらすぐ寄ってくやろ。」

「そ、そんなことないもん!」

「うっそだー!!」

確かに可愛い子は大好きだけど
そんなの全員かかったって
えりぽん1人のが大事だよ。

なんて恥ずかしくて言えないんだけど。
976 :親友のあなたへ。 :2013/11/06(水) 21:49
「「おはよーございます」」

「はい、おはよう。…へえ?」

挨拶した2人を見て新垣先生は目を細めた。

「先生!聖はエリナんものっちゃ!」

「はいはい。知ってますよ。」

「エリナも聖のものっちゃ」

「はいはい。」

「はいは一回って先生いつも言うのにー!」
977 :親友のあなたへ。 :2013/11/06(水) 21:50
ぶぅたれるエリナに苦笑いの先生。
もしかして先生は両方の気持ち知ってたの?

「良かったね」

そう聖に微笑む先生。嬉しくて笑う聖に

「ちょ、なに、そのハニカミ笑顔可愛すぎやろー!
聖はエリナのもんやのに先生になんでそうゆー顔すると!!」


えええええええー???
なにヤキモチ?エリナ結構ヤキモチ焼き?
978 :親友のあなたへ。 :2013/11/06(水) 21:50
「エリナ以外にそうゆー可愛い顔して寄ったらいけん!」

少しの屋気持ちは嬉しいけど
今、この流れでどうしたら、そうゆー解釈になるのやら。

「ま、生田だから。」

やっぱりの先生の言葉に聖も

「ですよね。」

としか答えようがない。
1人でまだ騒いでるエリナ。

KYだけど大好きだよ。ふふふ。
979 :おるぷち :2013/11/06(水) 21:51
これにて「親友のあなたへ。」終了です。
この2人はなんだか書きやすかった!
えりぽんが勝手に動いてくれるからw
980 :名無飼育さん :2013/11/07(木) 23:31
素直すぎてKYになるえりぽんがなんというか…困るんだけど愛しいです(笑)
最後のシーンの聖ちゃんの表情、きっとあったかい良い表情だったんだろうなーと(*´ω`*)ゴチソウサマデシタ
981 :「街」エピローグ :2013/11/13(水) 20:19
えっと…
この状況はなんだろう?
舞ちゃんが千聖の上に乗っかってるんだろうか。

「ま、ま、まい、、ちゃん?」

「そろそろ、いいかなーと思って。」

「な、なにが?」

「先に進むのが。」

ゴクリ、と喉が鳴る。
982 :「街」エピローグ :2013/11/13(水) 20:20
いきなり押し倒されてビックリしてる。
でも、それ以上にドキドキしてる。
舞ちゃんの顔が近付いてくる。
あと、30センチ。
あと、10センチ。
あと、ごせ…

「たっだいまー!!!あ、千聖来てるの!?」

たった10秒程度で玄関から舞ちゃんの部屋に
やってきたのはモチロン舞美ちゃん。
983 :「街」エピローグ :2013/11/13(水) 20:20
思いっきりドアを開けて
この部屋のこの状況を見て

「あーーー、おじゃましました。」

とだけ言って去って行った。
「ノックしろって言ってるのに。ねえ?」
ノックされても、あの早さじゃ意味ないと思う。
984 :「街」エピローグ :2013/11/13(水) 20:21
ビックリした、ビックリした、ビックリしたー!

なんか邪魔しちゃって悪かったなあ。
舞ちゃんに後で怒られそう。
これ以上邪魔しないように家を出たは良いけど
これからどうしようかな?

あ、そうだ!
いい行き先を思いついた。
985 :「街」エピローグ :2013/11/13(水) 20:21
目的地の最寄り駅についた時
改札で懐かしい背中を見つけた。

「佐紀ちゃん!?」
「みーちゃん!?」

高校時代の同級生にこんなとこで会うなんて。
嬉しくなって話がしたくて

「ねえ!お茶しない!?」
「あ、今カフェ行こうと思ってて」

「そうなんだ!私もなの。友達がバイトしてて」
「え?私も。Buono!ってお店なんだけど」

「え!!一緒ーーーー!」
986 :「街」エピローグ :2013/11/13(水) 20:22
「いらっしゃいませー!」

「や。なっちゃん。」

「あー、佐紀ちゃん!お友達?」

佐紀ちゃんがBuono!に来てくれるのは
何回もあるけど、友達と来たのは
初めてなんじゃないかなー。
しかも、なんか。すっごいキレイな人。

「高校の同級生とバッタリ会って。
この子も友達がココでバイトしてるんだって。」

「へえ?誰?」
987 :「街」エピローグ :2013/11/13(水) 20:22
「愛理なんだけど…今日いるかな?」

ちょっと不安そうに聞く表情もキレイ。
すごー。こんな人いるんだなあ。
リサコもキレイだけどまたタイプが違う。

「いるよ。あとで呼んでくるね。」

「ありがとう!あの、私。舞美って言うの。」

嬉しそうな顔で言う。
もしかして愛理の事好きなのかな?
なんてね。
988 :「街」エピローグ :2013/11/13(水) 20:23
席に案内すると佐紀ちゃんが

「あ、そうだ。みーちゃん桃子覚えてるでしょ!?」

いきなりの名前に心臓が飛び跳ねる。

「え。もも?モチロン覚えてるよ。クラス一緒だったし。」

そっか、佐紀ちゃんの高校の同級生って事は
ももとも一緒だったんだ。

「そうそう!ももね、この子と付き合ってるんだよ。」

「えー!そうなの!?こんなキレイなコと?
えー、すごーい。」

キレイな人にキレイって言われると妙にくすぐったい。
それに、ももと付き合ってるの言われるのも
なんとなく嬉しいような恥ずかしいような。
989 :「街」エピローグ :2013/11/13(水) 20:24
「今さ、ももニュージーランドに留学してるんだけど
遠距離でもらっぶらぶなの。」

「ちょ、佐紀ちゃん!」

「毎日パソコンで顔見て話してるんでしょ?」

「え、そんな事できるの?すごいね!」

この人、なんか純粋って言うか目がキラキラ。
年上のはずなのに少女のよう。
こんな人、いるんだなあ。
今夜はこの人の事をももに話そう。
どんな話が聞けるかな。

990 :「街」エピローグ :2013/11/13(水) 20:25
舞美ちゃんだ。
本当に舞美ちゃんだ。
みやに舞美ちゃんが来てるよって言われて
分かってたんだけど実際に目にすると…
なんかトレイを持つ手が震えちゃうよー。

「お、お待たせ、しました。」

「愛理!」

舞美ちゃんが笑顔で名前を呼んでくれる。
それだけが、こんなに嬉しい。
カップをテーブルに置く間も視線を感じる。
緊張しちゃうよお。
991 :「街」エピローグ :2013/11/13(水) 20:26
「制服似合うね」
「そ、そうかな?ありがと。」

全身がカーッと熱くなる。

「みーちゃんの友達って愛理だったんだね。」

何度もBuono!に来てくれてる佐紀ちゃんは
モチロン知っている。みやに紹介もされたし。
だけど2人が知り合いだったなんて知らなかった。
知り合い、なのかな。
佐紀ちゃんっていつも1人で来るのに。
特別な知り合い、だったりする?
992 :「街」エピローグ :2013/11/13(水) 20:26
「2人こそ、知り合いだったなんて…」

恐る恐る言ってみると屈託のない笑顔で

「高校の同級生で〜。さっきそこで偶然会ったんだよ」
「そう!何年振りだろうね。」

「卒業して以来って事はないけど…」

あ、なんだ。偶然なんだ。何年ぶりって
そうゆー感じなんだ。
心底ほっとする。
だけど、これから先は分からない。
これをきっかけに2人が近付いちゃうかもしれない。
そんなのダメ。そんなの。

「ま、舞美ちゃん!こ、今度どっか行かない!?」
「いいよ〜、どこ行こうか。」

勢いで言ってみたらアッサリOKで。
私の頭は即デートの事でいっぱいになった。
993 :「街」エピローグ :2013/11/13(水) 20:33
「飯田主任、お先に失礼します」
「ん、石川おつかれ。」

今日は“ひとみちゃん”とデートらしい後輩は
いつもより間違った方向に張り切った服で
るんるんと去っていった。
さて、カオリも帰るか。
そう思ったその時、スマホが鳴る。
表示された名前に一瞬ためらう。

「なっち?」
「ただいま、カオリ」

「え?ただいまって…」
「今夜はケメコに行くっしょ」

「え…?」

それだけ言って通話は切れてしまった。
どうやら、ようやく“おかえり”が
言える日がきたみたい。
994 :「街」エピローグ :2013/11/13(水) 20:37
同じ街の、あちらこちらで起きた
たくさんの人のたくさんの出来事。
それぞれの小さな話は微妙にあちらこちらに
繋がっている。
世間は狭いってこうゆーこと?

彼女たちが幸せでありますように。
995 :おるぷち :2013/11/13(水) 20:39
「街」これにて終了です。思ったよりも長引いて
エピローグで全員を出せなかったのは残念ですが。
またの機会があればお付き合いください。

読んで下さった方、ありがとうございました。

>980 :名無飼育さん
えりぽんが何しても「仕方ないなー」って感じの
みずぽんなのです。
996 :名無し飼育 :2013/11/13(水) 22:09
脱稿お疲れ様でした(*^o^*)
作者様のハロメンに対する愛を沢山感じました。
この世界の彼女たちの幸せを祈ります(^-^)
997 :おるぷち :2013/11/20(水) 21:54
996 :名無し飼育さん
感想ありがとうございます。
どの子も書いてて楽しかったです。
やっぱハロメンだな!
998 :名無飼育さん :2013/11/20(水) 22:25
登場メンバーが多彩で、でも一人ひとりがすごくいきてて
読んでてすごく楽しくてまったりほっこりできて…この一年半あまり、すごく楽しかったです!(^^)

「街」たちを読み返しつつ、またの機会にこそっと期待してます。
999 :おるぷち :2013/11/25(月) 19:21
>998 :名無飼育さん
ありがとうございます!
すごく嬉しいお言葉です(ToT)感動。
一年半書いている作者も楽しかったです。
て、一年半も!?ビックリ〜

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