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クローン・モーニング

1 :tuyoshi :2004/10/21(木) 20:53
この話は以前、短編用スレに書いたものですが、
それに加筆したものを、あるHPに投稿したのですが、

そのHPが閉鎖になってしまったので、そのHPの
管理人さんのご厚意により、こちらへ再録させて頂き、
出来たら、続きも書いて行こうと思っています。

よろしくお願いします。
2 :クローン・モーニング :2004/10/21(木) 21:04
「クローン人間?!」

「しっ大きな声を出すな!他人に聴かれたら
まずい・・・」

信じられなかった、モーニング娘。のクローン
なんて・・・。

「信じられないのも無理はない。つまり、それほど
あそこも困ってるということだ。
いよいよ、文字通りアイドルの切り売りを始めたのだ。

しかし、本人達は全国をツアーで飛び回っていて
忙しい。そこでクローン人間の登場だ。

なに、原理は簡単だ。本人の髪の毛のでも
何でも良い。本人のDNAを取り出して、培養
するのだ。

それで、一ヶ月もすれば、見事本人そのままの
クローン人間の誕生だ。

本人と違って、色々と自由がきくというものだ。
ただし、子供の娘。はダメだ。
18歳以上の娘。に限られる」

18歳以上の娘。と言えば、
かおりん、やぐっちゃん、チャーミー、ミキティ、
よっすぃ〜の5人か・・・。

幸い、俺の好きな娘。は、この5人の中に居る。
3 :クローン・モーニング :2004/10/21(木) 21:08
「もちろん、そのクローンがお前のものになる
わけではない。レンタルなのだ、一日百万円だ」

一日、百万円〜!! 高いと言えば、高い。
しかし、憧れのアイドルがクローンとは言え、一日
自分の自由になるのだ。安いものだ。

問題は金だった。俺は現在25歳のサラリーマンで
安月給の中から、毎月娘。のCD、グッズ、娘。の載る
雑誌、ライブのチケット代を捻出するのにいつも汲々と
している。

とても、百万円もあるはずが無い、もちろん貯金なんて
一銭も無い。金のほとんどは、娘。ために使ってしまう。

今、何とか1万円ならある。それを百万円にするしかない。
となると、競馬で一発当てるしかない・・・。

俺は、勝負に出ることにする。
あるレースの、ガチガチの本命で必ず勝つと思われる
馬と、まったくの人気薄の馬を一本買いする。
くれば、百倍以上つく。

ゴール寸前、本命馬がハナの差で人気薄の馬をかわして
勝った・・・。

これで、百万円が出来た。

後は、クローン・モーニングを迎えるだけだ・・・。
4 :クローン・モーニング :2004/10/21(木) 21:10
 ようやく、先輩から電話が掛かって来た。

百万円を前払いしていて、いつかいつかと、
ジリジリしていたのだ。

「お〜、待たせたな。今日、待望のモーニング・クローンが
お前のアパートに行く予定だ〜」

「本当ですか〜!いや〜嬉しいな〜!
ところで俺の好きな娘。は、わかってるでしょうね」

「わかってるって〜、娘。の中で一番可愛くて、
美人のあの娘。だろ〜」

「もちろんですよ〜!」

「ところでな、お前の所の近くに、喫茶カトレアってのが
あるだろ、そこから出前を取るんだ、
その後、クローン娘。が行くことになってる」
5 :クローン・モーニング :2004/10/21(木) 21:12
 なんで、喫茶カトレアから出前を取るのか
わからない・・・。
俺は首をひねりながら、とにかくそこに電話して、
サンドイッチとコーヒーを2人分、出前してもらう。

もちろん、俺とクローン娘。の分だ。


やがて、ドアがノックされて開けてみると、

「チョベリバァ〜〜電話したのここ〜〜?」

見ると、今時流行らないガングロコギャルが・・・。

やたら背が小さくて、金髪を頭の上でボンボンで
止めて、白いシャツと黒のスカートで、
ルーズソックスをはいている・・・。
6 :クローン・マリリン :2004/10/21(木) 21:14
「あの〜、どちら様で・・・」

「だから〜〜、喫茶カトレアだけどォ〜
注文の出前持って来たの〜〜、
いいじゃ〜ん〜〜、ありえないし〜〜」

「意味わかんねぇ・・・じゃあ、そこに置いて
ください。いくらですか」

「ふたつで〜、2千円〜〜!」

「あれ〜!これは何ですか〜!」

「何って、注文の焼肉カルビとチューハイよ〜」

「カルビ!って、そんなの注文してねョ〜〜!」

「いいじゃぁ〜〜ん!!
ホンとは〜、焼肉はおいらが食べるの〜
そして〜、ホントの注文の品は、おいらよ〜!」

「は〜??」

ガングロコギャルは、横ピースをしながら、
ウインクして、舌をかわいく出しながら言った。
7 :クローン・マリリン :2004/10/21(木) 21:16
「おいらが、ご注文の『クローン・マリリン』で〜す!」

「あ〜!!どっかで見たと思ったら、あなたは、
まりっぺ〜〜!!」

「違う〜!おいらは、クローン・マリリン〜。
本人とは違うの〜、本人より可愛いけどね〜」

あ〜あ!やっぱり先輩は間違えている、
俺の好きな娘。は、この子ではない・・・。

「あの・・・僕が注文した娘。と違うのだけど・・・」

「いいじゃ〜ん〜!じゃあ、なに〜おいらじゃ
不満なの〜!なんか文句でもあるの〜、
娘。の中で、一番可愛くて美人じゃん〜」

「・・・そ、そうですが」
8 :クローン・マリリン :2004/10/21(木) 21:19
 しかし、なにゆえコギャルのマリちゃんなんだ、
たしか先輩はクローン・モーニングは、本人の記憶を
インプットするから、本人と同じ記憶のはずだと
言ってたけど・・・。

クローン・マリリンは、俺の部屋に上がりこむと
ペタンと座ってあたりを見まわした。

「しっかし〜、狭くて汚い部屋ね〜」

「すみません・・・安月給なもんで。それに、
ほとんど、モーニング娘。に使ってしまうので」

「あっー!!!」

マリリンは、いきなり大声を上げて立ち上がる!
9 :クローン・マリリン :2004/10/21(木) 21:20
「ど、どうしたんですか!」

「オシッコ〜!」

「・・・・」

「って、この部屋トイレあるの?まさか、
共同便所じゃないでしょうね・・・」

「トイレぐらいありますよ!」

俺は、玄関脇のトイレにマリリンを案内する。

「う〜〜、漏れちゃいそ〜!」

マリリンは、すぐさま洋式トイレに腰を降ろす。

「ドアをしめて〜〜!?ドアを〜!!!」

「いいじゃ〜ん!ドアぐらい・・・」

「よくない〜!!見られても平気なんですか〜!!」

「おいらは、トイレはいつもドアを開けてるよ〜」
10 :クローン・マリリン :2004/10/21(木) 21:22
「そんな話、ラジオでも聴いたことない〜!!
そりゃあ、怖がりのマリちゃんだから、狭いトイレが
怖いのも無理ないけど・・・」

「そうなの〜、こんな狭いとこひとりで入ってるの
怖いも〜ん、誰か見てると、安心してよく出るの〜」

「やけくそ天使の阿素湖じゃないんだから〜!」

「なによ〜阿素湖って〜?」

「マリちゃんに顔も性格も似てる、漫画の主人公。
とにかく、クローンとは言え、本人はアイドルなんだから、
みっともない真似はやめてください!」
11 :クローン・マリリン :2004/10/21(木) 21:24
 マリリンは、立ち上がってトイレから出てくる。

「あ〜!もういい!ぐじゃぐじゃ言うから、出るものも
出てきやしない〜!」

なんなんだ、この娘。は・・・。

マリリンは部屋に戻ると、立ったまま、

「さてと、じゃあ早くそこに布団敷いてよ〜」

「いきなり、なにを言い出すんですかぁ〜!」

「だってぇ〜、それが目的なんでしょ〜」

「バカなことを言わないでください!
そんなこと・・・無いです!!」
12 :クローン・マリリン :2004/10/21(木) 21:26
「え〜ぇ、ホントかな〜、それなら帰るわよ〜
今日はこれから5軒ほどまわらないといけないの〜」

「ええ〜!話が違うじゃないですか!たしか、
クローンは、24時間のレンタルって聴いたけど・・・」

「そんなこと聴いてないわよ〜、おいらは忙しいのよ〜
今日は日曜だから、夜は「あな真里」に出ないと
いけないの〜」

「マジですかぁ〜!、マリちゃん本人が出るんじゃないん
ですかぁ〜!」

「本人は、今日北海道で夜までコンサートなのよ〜
○ッポン放送まで来れるわけないよ〜」

「本当なんですか、クローンが代役をしてるとは
初めて聴いた・・・」
13 :クローン・マリリン :2004/10/21(木) 21:28
「とにかく、何もしないのなら、おいらは帰るよ」

「何でですかー!こっちは百万円も払ってるんですよ〜!」

「そんなこと、おいらは知らないよ〜」

「もう頭に来た!帰るのなら、帰ればいいでしょ!」

それならと、クローン・マリリンは出て行こうとする、
靴を履きながら振り返ると、

「ねえ、さっきは別の娘。を好きみたいな事を
言ってたけど、ホントはおいらを好きなんでしょ」

「そ、それは・・・好きなことは好きですけど」
14 :クローン・マリリン :2004/10/21(木) 21:30
「やっぱり〜、ありがとう。 これからも
モーニング娘。を応援してね〜チュッ」

マリリンは、可愛い笑顔と、例のハ〜ト口をして
言うと、バイバイと出て行った。

可愛い・・・。

本当は、前はマリが誰よりも好きだった・・・。
しかし、今はあの娘。が一番好きなのだが。

俺は、すぐさま先輩に電話をする。

「あ、先輩!どういうことですか!!来たのは、
俺の好きな娘。と違うじゃないですか!」

「なんだと〜!娘。で一番かわいくて美人の
子じゃないか〜」
15 :クローン・マリリン :2004/10/21(木) 21:33
「違いますよ〜!、そりゃあ、マリちゃんも一応、
かわいいですが、やっぱりあの娘。のほうが、
いいんです!
どうしてくれるんですか!お金を返してもらいますよ!」

「まあ怒るなよ。仕方ないな、わかった来週
お前の好きな娘。を寄こしてやる」

「本当ですかぁ〜、でも、またもう百万円出せって
言わないでしょうね・・・」

「それは心配するな、最初のお金だけでいい。
え〜と、お前の好きな娘。は、4期メンで一番
かわいい、あの娘。だな・・・」
16 :クローン・マリリン :2004/10/21(木) 21:35
「そうですそうです!その娘。です。
そうですかぁ〜、助かります。しかし、そんなこと
先輩の一存で決められるんですか?」

「それは、大丈夫だ。俺はあそこの事務所に
顔がきくんだ」

「ええ〜、信じられないな〜」

「お前は、俺の名前を忘れてるな、とにかく
俺にまかしておけ」

と、電話は切れた。

「はあ〜、頼みますよ。 あれ、先輩の名前って、
たしか、山崎だっけ・・・」


まさか・・・・、
17 :クローン・モーニング :2004/10/22(金) 00:01
 ようやく、待ちに待った先輩からの電話が来た。

「お〜、待たせたな、明日クローン娘。がお前の
所にやって来るぞ」

「先輩!遅かったじゃないですか〜!」

「お前はひばりヶ丘だったな、それで所沢の
駅で午後12時に待ち合わせることになってる。
じゃあな、うまくやるんだぞ・・・」

その夜は少々興奮して眠れなかった、
やっとあの娘。と楽しい一日を過ごせるんだ、

でも、なんで所沢なんかで待ち合わせるのかな、
せめて、池袋とか渋谷とかにしてくれれば・・・。
18 :クローン・悪魔 :2004/10/22(金) 00:04
 翌日の12時前、俺は目印のモー娘。が表紙の
TV情報誌を持って駅前で待っていた。

12時になって、あたりを見回していると目の端に
黒いものが映った。

見ると、足首まで隠れる全身真っ黒の服を着て、
手には先が3本に分かれた長い槍のような物を
持った、おかしな人が近づいてくる。

気味が悪いので目をそむけていると、

「お〜、お待たせ〜」

と、肩を叩かれた。

その人はホクロが多い顔でニタ〜と笑う。
19 :クローン・よしこ :2004/10/22(金) 00:05
「ああっーー!!、あなたは悪魔!?」

「違う〜、オレは悪魔・・・ではなくて、
ご注文のクローンよしこ≠セよ〜」

あちゃー!俺は頭をかかえた、
先輩はまたも違う娘。を寄こした・・・。


「違います!私はあなたなんか注文してません!」

「なんだよ〜!オレが好きだから注文したのだろ〜」

「私が好きなのは、別の娘。です!」
20 :クローン・よしこ :2004/10/22(金) 00:07
 すると、クローン悪魔は俺の背後にまわると、

「お前は、“よしこ”を好きにな〜る。
好きで好きでたまらなくな〜る・・・」

「あ・・・好きになって・・・ならない!!
バカなことはやめてください!!」


結局、俺はクローン悪魔≠ノお引取りを願って
早々に俺のアパートに帰ると、
さっそく先輩に電話をして文句を言うと、

「なんだよ!娘。で一番男前できっぷのいい
娘。じゃないか!文句あるのか!」
21 :クローン・よしこ :2004/10/22(金) 00:09
「そんなこと誰も言って無いですよ!!
あの娘。とは違います!」

「あの娘。は嫌いなのか?」

「そりゃあ、面白いし、いい子だし嫌いじゃないけど、
でも、本当に好きなのはあの娘。なんです!」

「しょうがないなぁ〜、じゃあ、今度は
娘。で一番色っぽい・・・」

「いい加減にしてください!リーダーなんか
寄こさないでください!」

「じゃあ、お前はおしおきされるのは・・・」

「そんな趣味はありません!その娘。じゃないです!」
22 :クローン・チャーミー :2004/10/22(金) 00:10
「じゃあ誰が好きなんだ」

「だから〜、前から言ってるじゃないですか!
では、はっきり言います!一番好きなのは、
チャーミーです!!」

「・・・そうか、仕方ない、しばらく待て」

「お願いしますよ!・・・先輩!ちょっと待って
ください、なんかおかしくないですか、

最初のコギャルのマリリンといい、今度の
悪魔のよしこといい、なんで変なのばかり
寄こすんですか!

まさか、先輩は欠陥品のクローンを俺に
押し付けようとしてるんじゃないですか・・・」
23 :クローン・チャーミー :2004/10/22(金) 00:12
「バ、バカなことを言うな!そ、そんなことは
ない!俺にまかしておけ・・・」

なぜか先輩はうろたえて大きな声を出すと、
電話を切った。

クローン人間といっても色々あるはずだ、
中には、出来そこないのクローンだって
あるかもしれない・・・。
24 :クローン・チャーミー :2004/10/22(金) 20:39
 それから一週間ほど立ったある日、それが
宅配便で送られてきた。

それは、大きなダンボール箱で人が入れるほどの
箱だった・・・。

部屋の中に置いた大きな箱の前で俺は考えこんだ、

この光景は、ハロモニ。で見たことがある、
箱を開けると、カッパが出てくるのだ・・・。

俺は箱を開けた
25 :クローン・チャーミー :2004/10/22(金) 20:41
 中には、ピンクのウサギの格好をした女の子が
眠っていた。

「チャーミー〜!」

そこには、俺が大好きだったテレビの美少女教育の
ウサギの格好をしたチャーミーが眠っていた。

俺は有頂天になった。

さっそくチャーミーを箱から抱き上げて布団に寝かす。

そして、思い切ってチャーミーを起こしにかかる。

さんざん体を揺り動かすと、チャーミーの瞳が
パチッと、開いた。
26 :クローン・チャーミー :2004/10/22(金) 20:43
 少しの間、俺とチャーミーは見つめあった、
しかし、突然チャーミーは、

「ゥエ〜ン、エ〜ン!!!」

と、大声で泣き始めた。

俺はあわてて、

「ごめん!驚かしちゃったんだね」

しかし、チャーミーはなおも寝たまま、
ゥワ〜ン、ゥワ〜ンと大声で泣き続ける。

いきなり泣き始めたチャーミーに俺は
とまどいながら、ウロウロするばかりだった、
27 :クローン・チャーミー :2004/10/22(金) 20:44
 しかし、泣く女子供には冷たくて甘いものを
与えるにかぎると思い当たる。

冷蔵庫の中には、彼女が好きそうなものを
色々と買い込んでおいたのだ。
その中から、マンゴープリンをひとつ取り出すと、
彼女に差し出した。

彼女が手を出さないので、俺がスプーンですくって
彼女の口に持っていこうとするが、
チャーミーは、泣くばかりだった。

俺は懸命に、

「さあ、美味しいマンゴープリンだよ〜」

と、口をあけて見せると、チャーミーはそれを
まねするように、口を開けた。
28 :クローン・チャーミー :2004/10/22(金) 20:45
 すかさず、その口の中にスプーンを差し入れて
プリンを食べさせる。

とたんに、チャーミーは泣きやんで、もぐもぐと
口を動かす。

そして、手足をばたばたと動かしながら、
もっと欲しいというように、口を開ける。

俺は次々とプリンを口の中に入れてやる。

チャーミーはプリンを食べ終わるとすっかり
機嫌をなおしたようだ。
29 :クローン・チャーミー :2004/10/22(金) 20:46
 そこで俺は彼女の寝ている側に座りなおすと
自己紹介をすることにする。

俺の名前と年を言い、チャーミーの大ファンだと
いうことを喋った。

しかし、彼女はきょとんとした顔で俺を見るばかり
だった、俺の言う言葉の意味がわからないらしい。

ようやく、俺はこの事態に気づきはじめた・・・。

その時、仰向けに寝て手足をばたばたと動かしていた
チャーミーが、急に体の動きを止めた、
30 :クローン・チャーミー :2004/10/22(金) 20:47
 見てると、彼女の腰の辺りの布団が、じわ〜と
濡れてくるのがわかる・・・。

俺は驚いて立ち上がって、

「あ〜!!ダメだよっ〜!!そこで
オシッコをしちゃ〜!!」

チャーミーは俺の大声に驚いたのと、オシッコを
して下着が濡れて気持ち悪いせいで、また
顔を歪めて泣き始める。
31 :クローン・チャーミー :2004/10/22(金) 20:48
 俺は仕方なく、チャーミーを抱いて移すと、
濡れた敷布団をベランダに運んで干した。

戻ると、泣いているチャーミーを見つめた。

ここにいたって、俺はさとった。

ここにいるクローンのチャーミーは、
赤ん坊なのだ。

生まれたばかりの赤ん坊なのだ。

まだ言葉も喋れない、自分自身で起き上がることも
出来ない、赤ん坊なのだ。
32 :クローン・チャーミー :2004/10/22(金) 20:50
 その顔はテレビなどでよく見る、最近の
チャーミーそのままだし、

その体も、もう少女とは言えない、現在19歳の
チャーミーの体そのものなのだ。

だが、中身は、精神的には、生まれてまもない
赤ん坊なのだ。

俺は頭をかかえた、
これからどうすりゃいいのだ、

乳飲み子をかかえて、女房に逃げられた父親の
心境に近いものがあるような気がする・・・。

しかし、幸か不幸か、その赤ん坊は外見上は
チャーミーそのものなのだが。
33 :クローン・チャーミー :2004/10/22(金) 20:51
 チャーミーの泣き声に、我にかえる。

彼女の体を横にして、後ろを覗き込んでみると、
下着のお尻が濡れている。

そのままにはしておけないので、
俺は目をつぶると手さぐりで、彼女の下着を
脱がすと、タオルで濡れた体を拭いてやる。

替えの下着などあるわけがないので、そのまま
寝かしておくしかない。

チャーミーは泣きやんだ。

そして、一点の曇りも無い、純真無垢な瞳で
俺を無心に見つめている・・・。
34 :クローン・チャーミー :2004/10/22(金) 20:53
 俺は、姉の子供をあやした時のことを思い出した。

チャーミーの顔に身をのり出すと、
いないいないばあ〜をやってみる。

すると、チャーミーはニコッと初めて笑った。
その笑顔は、チャーミーそのままなのだが。

なおも、ばあ〜と続けると、
キャッキャッと笑いはじめた。

外見は19歳の女性相手の、いないいないばあ〜は、
かなり異様な光景とは言える・・・。

俺は、ため息をついて立ち上がった、
35 :クローン・チャーミー :2004/10/22(金) 20:55
 先輩に電話をかける。

本人の記憶をインプットしていないクローンを
寄越したわけを聴かずにはいられない。

しかし、電源を切っているのか、いくら
やってもつながらない。


チャーミーに気づかれないように戻ると、
いきなり、ばあ〜!とやってみせる。

チャーミーは、大喜びで嬉しそうに笑い出す。

俺は、ため息をついて彼女の側に座り込んだ。
これからどうすればいいのかわからない・・・。
36 :クローン・チャーミー :2004/10/23(土) 23:14
 25歳で独身の俺と、
チャーミーとの奇妙な生活が始まった。

例のウサギの衣装は脱がせて、俺のジャージに
着替えさせる、漏らしたオシッコで濡れた下着は
洗濯して干してあるので、俺のトランクスで我慢して
貰う。

まず、寝たきりではどうにもならないので、なんとか
起き上がれるようにさせたい、

チャーミーも自分の大きな体をもてあましているようだ、
その体は、もう起き上がって這うだけの筋肉はついて
いるはずだ、
37 :クローン・チャーミー :2004/10/23(土) 23:15
 彼女をうつ伏せにさせると、俺は四つんばいになって
何度もはいはいをやって見せる、

「ほら、やってごらん」

何度もやって見せていると、チャーミーもそのマネを
懸命にして、手足をもがいているうちに少しずつ
前進するようになる、

そのうち、肘を膝を使ってはいはいが出来るようになった。

ついには、目を輝かして俺の狭い部屋中を這いまわり
始める。

部屋の中のテレビや家具にところかまわず突進して行き
頭をぶつけそうなり、危なくてしかたがない、
38 :クローン・チャーミー :2004/10/23(土) 23:16
 俺は、姉の子供のことを思い出した、
ようやく、はいはいが出来るようになり、見るもの
すべてが興味いっぱいなのか、それを手に取ると、
すぐに口に入れてしまう。

チャーミーも同じだった、部屋にあるものを
手当たりしだいに口に入れてしまう、
食べるつもりはなくて、それが何か口で
確かめているのだ。

小さいものを口に入れて飲み込んでしまう
恐れがあり、俺はチャーミーの這い回る
先の危ないものを片付けていくしかない。

その他、困るのは俺の後をくっついて
来ることだ、
初対面は泣かれてしまったが、今は
すっかり慣れて、俺の後をはいはいしながら
つきまとう。
39 :クローン・チャーミー :2004/10/23(土) 23:17
 俺がトイレに入り、小用をたしてる時だった、
うっかり、マリリンではないが、ドアを開けた
ままにしていた、

洋式の便器に向かって用をたしてる時、
いきなり、チャーミーが俺の股間に後ろから
頭を突っ込ん来た!

「ぅわーーっ?!!!」

驚いて飛び上がった俺は、放出途中の小便を
振りまいてしまい、チャーミーの顔にかかってしまう。

あわててタオルで顔を拭いてやる、
チャーミーはキョトンとした顔で俺を見ている・・・。
40 :クローン・チャーミー :2004/10/23(土) 23:19
 問題は食べ物だった、
中身は赤ん坊でも、体は大人の女性と同じなのだから
赤ん坊用のミルクなどでは、とてももたないだろう。

それで、柔らかく炊いたご飯と一緒に肉や魚を
食べさせてみることにする。
一人暮らしが長い俺は自炊には慣れていた。


俺が台所で料理をしていると、さっそくチャーミーが
まとわりついてくる、
昔、実家で猫を飼っていたが俺になついていて
よく俺の足にまとわりついて体をこすり付けてきて、
可愛いものだった、

小さい猫ならともかく、体の大きいチャーミーが、
包丁を使っている時に足にまとわりついてくると
危なくてしかたがない、
そんなチャーミーも可愛いのだけど・・・。
41 :クローン・チャーミー :2004/10/23(土) 23:21
 チャーミーは何でもよく食べてくれたので、
安心する。
箸はまだ使えないので、スプーンを握らして
なんとか食べさせる、

口のまわりをご飯をいっぱいくっつけて夢中で
食べている側で俺はティッシュで口を拭って
やる。

「美味しいかい?」

その俺の言葉に、まるで意味がわかったかのように、
こちら向いてなんとも言えない笑顔を見せたチャーミーに、
俺は思わず強く抱きしめたくなった・・・。
42 :クローン・チャーミー :2004/10/23(土) 23:23
 夜になって、別々の布団で寝ることした、
まだ、チャーミーと一緒に寝る勇気はない。

夜中、危惧したとおりチャーミーは夜泣きを
した。

その泣き声に俺が側に行くと、チャーミーは
俺に向かって両手を差し出して、泣きじゃくっている、

しかたなく俺が布団に入ると、しっかりとしがみついてくる、
抱きつかれて、俺の心臓が高鳴りだした、

寝る前、ジャージをパジャマに着替えさせた時、
その成熟した女性と同じ大きさの胸のふくらみを見て
しまったのだ・・・。

やがて安心したようにチャーミーはすやすやと
眠りについた。

俺はいつまでも、その柔らかい髪を撫で続けた。
43 :クローン・チャーミー :2004/10/23(土) 23:25
 朝になって、今日は会社に出なくてはならなかった、
もう、三日も会社を休んでしまっていた、

有休などというものは、とうの昔に使い果たしていた、
モーニング娘。のコンサートに遠征するために、
休暇を願い出るたびに、上司に嫌な顔をされるのは
慣れっこになっていた、
出世などはまったく関心が無い、
娘。たちの顔を見て歌を聴くのが幸せだった。

電話で今日こそは出社すると言わざるをえなかった、
この不況の折、首にでもなったら大変なことになる、
チャーミーを食べさせるためにも、仕事に行かなくては
ならない。

チャーミーがよそ見をしてる隙にすばやく
外に出て、鍵をかける。
チャーミーを残して行くのは不安だが、ここは
心を鬼にして行くしかない。

案の定、部屋の中で泣き声が聴こえる・・・、
俺は耳をふさいで駆け出した。
44 :クローン・チャーミー :2004/10/23(土) 23:27
 会社では、チャーミーのことが心配でほとんど
仕事にならなかった。
5時なると、上司の声を無視して早々に帰る。

部屋の前で鍵を出していると、隣の部屋の男が
出てくる、

俺の部屋でうるさく泣き声がすると文句をつけて
くる、赤ん坊でもいるのかと言うので、
いや、猫ですよと、誤魔化しながらあわてて
部屋にはいる。

ドアを開けると、何かにぶつかる、
見るとチャーミーが体をまるくして、まるで
猫のように横たわっている。

顔を涙でぐじゃぐじゃにして、泣き疲れて
寝てしまっていた・・・。

俺はその場に座り込んで、チャーミーの寝顔を
いつまでも見つめた。
45 :クローン・チャーミー :2004/10/23(土) 23:29
「もう少し待っててね、すぐご飯にするから」

俺は台所に立ちながら、足にまとわりつくチャーミーに
声をかける、

すると、チャーミーは痒いのか頭を掻きむしり
はじめる、

それを見てはっとなる、今まで避けてきた
ことを思い知らされる、

チャーミーを風呂に入れなくてはいけない・・・。

幸い、俺の部屋は風呂がついている。
家賃は高くなるが、無理をして風呂付の部屋に
したのだ。
46 :クローン・チャーミー :2004/10/23(土) 23:30
 前は風呂が無くて、遠くの風呂屋まで行くのが
大変だった。

問題はそういうことでは無い、

ほとんど自分のことが出来ない、チャーミーを
ひとりで風呂に入れるわけにはいかない、

当然、裸のチャーミーの体を洗ってやらなくては
ならない、
まだ、裸のチャーミーを前にして冷静になれる
自信がない・・・。

しかし、今夜は決心しないわけにはいかない、
髪もそうだが、体もオシッコの匂いなどでかなり
臭くなっていた、

チャーミーはまだ赤ん坊なのだ、本当は毎日
お風呂に入れてやらなくてはいけないのだ、

今夜こそは風呂に入れてやることにする・・・。
47 :クローン・チャーミー :2004/10/24(日) 14:16
 食事が終わりお腹いっぱいになって満足した
チャーミーは、座っている俺の肩につかまり立ち
して、なんとか立ち上がろうとする。

しかし、まだうまくいかない。
でも、じきに歩けるようになるだろう。

言葉のほうは、色々話しかけてみるものの、
まだ、意味不明のことを喋るだけだった。
じきに、話せるようになるだろう。

また肩まである髪を痒そうに掻きむしり始める、
手足や顔は、濡れタオルで拭いてやってるが、
髪はそうはいかない、体も一段と臭くなっている。

俺は立ち上がった。

48 :クローン・チャーミー :2004/10/24(日) 14:17
「さあ、お風呂に行くよ・・・」

チャーミーは俺の後をはいはいしながらついてくる、

脱衣場のドアを開けて、振り返った、
チャーミーはなぜか入り口で止まってしまう、

俺が側まで戻ると、少し不安そうな顔で
俺を見上げている。

彼女が来てからは、会社へ行っている以外は
四六時中、顔をつき合わせているせいで、
その表情や仕草で彼女の気持ちがわかるように
なっていた。

その逆で、彼女も俺の表情や仕草で俺の感情を
感じとっている気がする。
49 :クローン・チャーミー :2004/10/24(日) 14:24
 チャーミーの不安そうな表情は、俺の不安な気持ちを
敏感に読み取っているような気がした。

俺は彼女の顔を見ながら、強く自分に言い聞かせた、
彼女は俺の生まれたばかりの娘なのだ、
俺は彼女の父親なのだ。

チャーミーそのものの顔と姿態を見て、女を感じないと
言えば、ウソになる、

しかし、何も理解出来なくて無抵抗なチャーミーに、
本能のままにケダモノのようにふるまうなど、
死んでもやってはならないことなのだ。
50 :クローン・チャーミー :2004/10/24(日) 14:26
 やがてチャーミーは、まるで俺の気持ちを察した
かのように自分からバスルームの中へ
入って行った。

俺は脱衣所で、彼女を座らせると着せていたTシャツを
脱がせる。

彼女は、素直にバンザイをしてTシャツを脱がされる。

その下には俺のランニングを着せていた、
ブラジャーなど無いので、くっきりと胸のふくらみと
乳首が浮き出ている。

今度、替えの下着と一緒にブラも買ってこないと。
51 :クローン・チャーミー :2004/10/24(日) 14:28
 ランニングを取り去ると、結構豊かな乳房が
あらわになる。

ふと、俺はあることに気づいた、
どうして今まで気づかなかったのだろう、
チャーミーの肌が雪のように白いのだ。

本物のチャーミーは、浅黒い肌をしている。
口では気にしてないような風だったが、実際は
自分の肌が黒いことを悩んでいるみたいだった、

それが、彼女のDNAから再生されたクローンの
肌が真っ白いわけは、どういうことなのだろう。

まるで、チャーミーの願いがクローンによって
実現したみたいだった・・・。
52 :クローン・チャーミー :2004/10/24(日) 14:29
 俺は、チャーミーの足からジャージのズボンと
下着がわりのトランクスを抜き取った。

素っ裸になったチャーミーは、俺の後に続いて
浴室に入った。
俺は、パンツだけは身に着けていた。

風呂場は俺ひとりだけでも狭く感じる、
ましてふたりでは窮屈でしょうがない。
嫌でも体が密着する・・・。
53 :クローン・チャーミー :2004/10/24(日) 14:31
 俺は浴槽の蓋を取って湯加減を見るため
手を入れてみると、少し熱いようだ。

チャーミーは、浴槽のへりに腕をかけると、
いきなり手をお湯の中に突っ込んだ、

「!!!」

熱かったのだろう、顔をしかめ、あわてて手を
引っ込める、

俺はすぐにその手を、蛇口を捻って水を出して
冷やしてやる。
チャーミーは泣きべそをかいている、
おそらく、俺のマネをして手を入れたのだろう。
54 :クローン・チャーミー :2004/10/24(日) 14:33
 なんだかその顔がおかしくて、つい笑ってしまう。
手は少し赤くなっているが、大したことはなさそうだ。

「大丈夫だよ、冷やしたからすぐ直るよ」

俺の笑顔にチャーミーも笑みをもらした。
そのことで、俺自身の緊張もほぐれた、
彼女の裸も気にならなくなる。

浴槽に水を入れてうめる。
55 :クローン・チャーミー :2004/10/24(日) 14:38
 それから彼女を浴槽に入れようとしたが、ひと苦労だった。
手を入れて熱い思いをしたこともあるし、
生まれて初めての風呂に入るのが怖いみたいだった。

それに、彼女の重い体を抱えて浴槽に入れなければ
いけない・・・。

あきらめて、シャワーですますことにする、

風呂場に、黄色いアヒルのおもちゃがあった、
姉の子供にあげようと思い買ったものだが、
そのままになっていたのだ。

それを洗面器のお湯に浮かべてやると、
チャーミーはそれを手で触って遊び始めた。
56 :クローン・チャーミー :2004/10/24(日) 14:39
 その隙にシャワーのお湯を体に掛けてやる。
夢中になってアヒルで遊んでいるの見ると、
本当にまだ赤ん坊なのだと思ってしまう。

次にボディソープをスポンジに落として
泡立てると、それで体を後ろから洗ってやる。

背中をまんべなく洗ってやり、スポンジを前に
まわして洗おうとした時、
ぐにゃりと柔らかい乳房に手が触れてしまい、
あわてて手を引っ込める・・・。

心臓が高鳴る・・・、チャーミーは気にもとめず
アヒルで遊んでいる。
57 :クローン・チャーミー :2004/10/24(日) 14:41
 頭を強く振って気を取り直す、
ここにいるのは赤ん坊なのだ、たとえ、
大人並みの大きさのお尻や乳房を
持っていようとも。

前にまわり、手足を義務的に洗いだす。
わき腹を洗うと、くすぐったいのか、
身をよじって笑い出した、
それで多少楽になると、後は彼女の体の
すみずみまで洗ってやる。

しかし、女性の大事な部分となると、さすがに
抵抗があるので、シャワーを掛けてやるだけで
すませる・・・。
58 :クローン・チャーミー :2004/10/24(日) 14:43
 体全体にシャワーを掛けた後、肌に触れて見ると、
少し冷えてきているようだ、

やはり、お湯に浸かって温めてやるしかない、
チャーミーを浴槽のへりにつかまらせると、
俺は浴槽のお湯の中に入ると、彼女の体を
抱え込むとぐっと力を入れて持ち上げる。

彼女は、怖いのか俺に強くしがみついて来る。
59 :クローン・チャーミー :2004/10/24(日) 14:44
 浴槽もただでさえ狭いのに、ふたりだと
ぎゅうぎゅうだ。

アヒルを浴槽に浮かべてやる。
不安そうな顔をしていたチャーミーも
すぐにアヒルで遊び出す。

彼女の濡れた髪を手で撫でてやる。

温まってきたところで、またチャーミーを
持ち上げて浴槽から出すと、
髪を洗ってやることにする。

シャンプーをたっぷりと髪に振り掛けると
ごしごしと強く洗ってやる、
それが気持ち良いのか、チャーミーは
なにやら満足したような声をもらす。
60 :クローン・チャーミー :2004/10/24(日) 14:46
 途中、シャンプーが目に入って泣き声を上げる、
あわてて、洗面器の水で目を洗ってやる。

シャンプーハットを買ってこないと。

終わると、また浴槽に浸かる。
彼女はお風呂が気に入ったのか、俺につかまり
ながら、うっとりと目を閉じている・・・。

ようやく、風呂から上がりバスタオルで体を
拭いてやると、チャーミーは裸のまま、
とことこと、浴室から出て行く。
61 :クローン・チャーミー :2004/10/24(日) 22:58
 疲れてはてて、ぐったりしてしまう。
とても憧れのアイドルと入浴を共にした気分にはなれない。

部屋に戻ると、彼女にパジャマを着せる。
そしてテーブルに置いた鏡の前にチャーミーを座らせると、
ブラシを出して、後ろから彼女の髪を梳かしてやる。

彼女はじっと鏡の自分を見つめている、
その姿は普通の女の子と変わらないので、
ちょっと、複雑な気持ちになる・・・。
62 :クローン・チャーミー :2004/10/24(日) 23:01
 彼女は、風呂に入るという初めての経験をしたせいで、
気持ちが高ぶっているのか、中々寝てくれない。

俺は布団の中に入り、子守歌なぞ知らないので俺の好きな唄、
タンポポの曲を歌いながら髪を撫でてやる。

じっと聴き入っていたチャーミーはやがて、
やすらかに寝入ってしまう。

俺は布団から出ると側に座り、そのあどけない
寝顔を見つめた。

これから、彼女を見守り、愛して行くことを誓った。

クローンとはいえ、一緒に生活をし、肌と肌を
つき合わせて暮らせる幸せを噛みしめていた。


その幸せも長くは続かなかった・・・。

63 :クローン・チャーミー :2004/10/24(日) 23:05
 翌日、電話が掛かってきた。

知らない男の声で、モーニング娘。の事務所の者だと名乗り、
切り出した。


「あなたの所に、クローン人間が居ると
お伺いしましたが・・・」
64 :別れの朝 :2004/10/24(日) 23:06
 俺はとっさにウソをついた、

「そんな人間は、居ません!」

「嘘をおっしゃられると、あなたのために
なりませんよ、失礼ながら少々調べさせて
頂きました、

同じアパートの住人によると、あなたの部屋から
赤ん坊らしき泣き声がすると聴いています。
新聞の集金人は、あなたの部屋に女性が居るのを
目撃したと言ってるようですが」

隣の男だ・・・それに、新聞代を払う時、チャーミーの
姿を見られたかもしれない。
65 :別れの朝 :2004/10/24(日) 23:08
「すみません・・・確かにクローンが居ます、
しかし、それは先輩に100万円を払って
正当な注文のはずですが・・・」

俺は、先輩の名前を出した。

「やはりそうでしたか、あの方には困っているのです、
勝手に不良品のクローンを持ち出されて」

「・・・・」

「ですから、今回のことはこちらの手違いでも
ありますから、あなたの支払った料金は当方で
払い戻しいたしますから、クローンを返して
頂きます」

「お金なんかいらない!このままチャーミーを
こちらに置いて欲しいのです!」
66 :別れの朝 :2004/10/24(日) 23:12
「そういうわけにはまいりません、
不良品のクローンを放置するわけにはいきませんし、
私どもがクローンをレンタルしていることが公に
なると困った事態になるのです。
よって、明日にでもクローンを回収にお伺いします」

男は冷たく言い放つと電話を切った。


俺が茫然と受話器を握ったままでいると、
チャーミーが不安そうな顔で近づいて来て、
俺の顔を覗き込んでくる。

「心配しないでいいよ・・・」

優しくそう言うと抱きしめる。
67 :別れの朝 :2004/10/24(日) 23:14
 俺はチャーミーを連れてどこかへ逃げることも考えた。

金は無いが、サラ金にでも行って工面することは出来る。

しかし、果たしてそれがチャーミーのためになるだろうか、
こんなどうしょうもない、俺みたいなやつと一緒に逃げて
チャーミーが幸せになれるだろうか・・・。

とてもその自信は無い。

チャーミーの着ている、俺のよれよれのジャージを
触って見る。

彼女には、なにひとつ女の子らしいことをさせて
やれなかった。

せめて最後に、女の子らしい可愛い服を着せてあげたい。
68 :別れの朝 :2004/10/24(日) 23:17
 俺は彼女の服を買いに出ることにした、
チャーミーは、泣かないで黙って俺を見送った。


スーパーの婦人服売り場で俺はうろうろしていた、
なにを買ったらいいのか、さっぱりわからないし、
女性用の下着が並んでいるのを見ると、気恥ずかしくて
どうにもにもならない。

売り場をいったりきたりしている俺に、年配の女性の
店員が声を掛けてきた。

「なにをお捜しですか?」

俺は思わずびくっと体を震わせた、なにか変なやつだと
思われているのかもしれない・・・。
69 :別れの朝 :2004/10/24(日) 23:18
「失礼ですが、さっきから困っておられるようですが、
若い男性の方は婦人服売り場での買い物は
しにくいものですけれど・・・」

その優しそうな店員に、思い切って事情を説明する
ことにする。

「実は、妹の服を買いたいのですが、どんなのを
買っていいのかよくわからないのです」

本当のことは言えない。
70 :別れの朝 :2004/10/24(日) 23:20
 店員は、妹≠フ年や背格好を聴いてくる。

大体のことを言う。

「わかりました。それと妹さんの好きな色とかは?」

「ピンクが好きだと言っていました」

俺は有り金を全部差し出す、といっても一万円少々だが。

「これで・・・」

なにを買うかは店員にすべてまかすことにする。
71 :別れの朝 :2004/10/24(日) 23:21
 やがて店員はピンクの可愛いブラウスとスカートを
選んでくれた。
チャーミーにとっても似合いそうだった。

俺は店員に深く頭を下げて礼を言った。

「ありがとうございます。妹は・・・・歩けないのです」

店員は笑顔でうなづいた。

「お兄さんも大変ですね、妹さんんを大事にしてあげて
ください」

難病で歩けない妹を持つ兄だと思ったようだ。
72 :別れの朝 :2004/10/24(日) 23:25
 アパートに帰って早速チャーミーに着せてみる。
ピンクの服がとてもよく似合う。

「とても似合ってて、可愛いよ」

チャーミーも嬉しそうな笑顔を見せる。

そしてなんとか立ち上がろうとする、
俺の手を借りて、ついに立ち上がる。

俺が手を離しても、少しの間立ったままでいる。

それを見て、つい不覚にも涙がこぼれた。

あわてて涙をこぶしで拭った。
顔を上げると、彼女の心配そうな顔がすぐそばに
あった。

「何でもないよ、心配しないでいいよ」
73 :別れの朝 :2004/10/24(日) 23:27
 意味の無い言葉をむにゃむにゃと喋る。
立つことは出来たが、まだ言葉は喋れないようだ、

「いいかい、自分の名前はチャーミーだよ、
チャーミー」

彼女を指差して、そう言うと、

「チャ・・・?」

彼女は自分を指差して言った。

「そうだよ!えらいね言えたね〜」

すると彼女は俺は指差した、

「チャ?」

俺は笑った、

「違うよ、俺は・・・パパだよ、パパ」

俺は、彼女の父親なのだ・・・。
74 :別れの朝 :2004/10/24(日) 23:29
 彼女はこくびをかしげて、俺を指差すと、

「パ・・・?」

「そうだよ!よく言えたね、いい子だよ、
とってもいい子だね〜」


寝る時、ピンクの服が気に入ったチャーミーは
脱ぐのを嫌がったので、そのまま寝かした。

俺はとても眠れなくて、いつまでもその寝顔を
見つめていた。


別れの朝がやって来た。

75 :名無飼育さん :2004/10/25(月) 04:49
実は板違いの予感・・・黒板に立てるべきでしたね〜
76 :名無飼育さん :2004/10/25(月) 08:32
・・・気にしない気にしない
更新楽しみにしてます
77 :tuyoshi :2004/10/25(月) 13:55
>>75
ご指摘どうもです。実は黒板に、「俺×娘。」専用板が
あることに気がつきませんでした。
以前は、黒板って無かったですね、いつ出来たのだろう。

>>76
ありがとうございます。

この話は、もう少しで終わらせる予定なのですが、
その後続編も書く予定なのですが、その前に
別の中篇で、ハロメンがたくさん出てくる話を
書くつもりです。
78 :別れの朝 :2004/10/25(月) 20:18
 チャーミーとの別れを惜しむ間もなく、朝早く迎えが来た。

来たのは制服のがっしりとした体格の男が3人だった。

ひとりが、書面を出して言う、

我々は委託されて、クローン人間を引き取りに来たと
宣言する。

有無を言わせず、チャーミーを連れて行く構えのようだ。

突然やって来た男達に怯えて、俺にかじりついていた
チャーミーに、男のひとりが手を掛けて、
俺から引き離して連れて行こうとする。
79 :別れの朝 :2004/10/25(月) 20:22
 ギャァー!!と叫び声を上げて、チャーミーは手足を
振り回し暴れ始める、

あわててもうふたりが手をかすも、チャーミーは異常な
ほどの力を出して大暴れで抵抗する、
ついには、一人の腕に噛み付く、噛まれた男がうめく、

男達に手足を押さえられながら、チャーミーは
俺に向かって泣き叫んだ、

「パパーー!!」

たまらなくなって俺は男達の中に割って入る、

チャーミーは俺が責任を持って連れて行くから乱暴は
やめてくれと懇願する、
80 :別れの朝 :2004/10/25(月) 20:26
 男達が手を離すと、チャーミーは俺にしがみついて来る、
痛いほど俺に抱きついてくる、

涙をとめどなく流し、パパ、パパとうわ言のように
つぶやくチャーミーに、

俺はただ強く抱きしめてやることしか出来なかった。

ひとりの男が、この事態を予測していたかのように、
注射器を持って近づいてくる。

チャーミーの後ろにまわると、スカートを上げて、
お尻に注射器を突き刺した。

やがて、チャーミーはぐったりと意識を無くした。
81 :別れの朝 :2004/10/25(月) 20:33
 男のひとりが手をかそうとするのを断ると、
俺はチャーミーを抱き上げて、部屋の外に出た。

道路に駐車してあるワンボックスの車の
後部ドアから入り、彼女を中に寝かせる。

乱れていた、ピンクの服を直してやる。

彼女の手を取って握りしめる。


「さようなら、梨華・・・」


俺は、車が走り去っても、いつまでもその場に
立ちすくんでいた。

82 :未来 :2004/10/26(火) 19:00
 あれから一週間が過ぎた、 
ただひとつのこと以外は何も考えられない。

あんなに毎週楽しみにしていたハロモ二。も、
録画はしてあるが、いまだに観ていない。

歌番組で、石川梨華のユニットを観ても、
なんの感慨もない・・・。

俺の頭の中にあるのは、梨華の分身でもある、
クローン・チャーミーのことだけ。

後悔と、自分の無力さを苛んでいた。

そんな折、先輩から電話が掛かってきた、
83 :未来 :2004/10/26(火) 19:01
「事情は聴いた・・・すまん」

いまや、先輩を責める気力も失せた。
ただただクローンがどうなったのか、それだけが
気がかりだった。

「教えてください・・・あのクローンは今どうしている
のですか」

先輩はしばらく沈黙していたが、話してくれた。
84 :未来 :2004/10/26(火) 19:04
「モーニング娘。のクローンをレンタルする事業は
思ったほど成果が上がらなかった、
そのうち世間の噂にも上り始めて、非難の声も上がり
はじめたので、この事業から撤退することに決まった、

それで、残されたクローン人間の始末なのだが、
正常なクローンの何体かは、後で利用価値があると
いうことで残されることになったのだが、

しかし・・・残りのクローン、特に不良品のクローンは、
廃棄処分になるそうだ・・・」

「廃棄処分!?」

俺は頭に血が上って、思わず大声を上げた。
85 :未来 :2004/10/26(火) 19:06
「なんの権利があってそんなことが出来るのですか!
まるでクローンは産業廃棄物みたいじゃないですか!

クローンだって人間じゃないですか!
一緒に生活した俺にはよくわかる、赤ん坊だった、
クローン・チャーミー、梨華がだんだんと成長し、
はいはいを始め、やがて歩き始め、言葉を喋る
ようになる、
彼女はどこから見ても人間なんだ!

生意気だけど可愛かったマリリン、
男前の悪魔のよしこ、
そして、梨華。

そんな彼女たちを廃棄処分する権利が誰に
あるんですか!

自分たちの利益のためだけにクローンを作り出し、
邪魔になれば、棄てるだけ・・・。

先輩もそんな奴らの仲間なんですか、
先輩だけはそうじゃないと、信じていたのに・・・」

「・・・・」

俺は電話を切った。
86 :未来 :2004/10/26(火) 19:08
 クローンの梨華が廃棄処分になる、

なぜあの時、梨華を連れて逃げなかったのか、
なぜあの時、梨華を守って戦わなかったのか、

すべて俺の無力のせいなのだ・・・。


俺が、腑抜けのようにうつろな日を送っていたある日、
また先輩から電話が掛かってきた。
87 :未来 :2004/10/26(火) 19:11
「お前に会わせたい女性がいる、
俺もお前のために最大限の努力をした、
それだけは、認めてくれ」

「誰なんですか、その女性は」

「・・・石川梨華さんだ」

「・・・結構です、会いたくないです」

「どうしてだ、あんなに好きだったじゃないか」

「俺は、もうヲタを辞めたんです、
モーニング娘。などには興味が無いです」

「とにかく、会うだけ会ってくれないか」

先輩は、車で近くの公園に連れて行くからと言って
電話を切った。
88 :未来 :2004/10/26(火) 19:13
 迷ったが、行くことにした。

公園のベンチに腰掛けていると、
先輩の車が公園の道路際に止まった。

誰も降りてこないので、そちらへ歩き出すと、
車のドアが開いて、先輩と女性が降りてくる。

先輩は車の側で動かないで、女性だけが
俺に向かって歩いてくる、

なんだか、やけにたどたどしい歩きかただった。
89 :未来 :2004/10/26(火) 19:15
 彼女は、ピンクの服を着て白い帽子をかぶっていて、
顔はまだよく見えない、

突然気がついた、そのピンクの服は俺が梨華に
買ってやったものだった。

近くまで来て、顔がはっきりわかるようになる、
梨華だった。

梨華は俺の首に腕をまわしてくる、そして言った、

「パパ!」

驚いて顔をよく見た、雪のように白い肌をしていた。

先輩の方を振り返って見ると、先輩は車の中に戻り
エンジンをかけると、走り去って行った。

90 :未来への扉 :2004/10/26(火) 19:20
 一応、この話はこれで終わりです。

しかし、憧れのアイドルのクローンと俺との
未来がどうなるかは、興味はつきないですから、
構想が出来たら、続編を書きたいと思います。
91 :名無飼育さん :2004/10/27(水) 21:39
思いのほか
とてもとても良かった
92 :未来への扉 :2004/10/28(木) 18:34
>>91
ありがとうございます

実は、俺とチャーミーの別れの場面で、物語は
終わらせる予定でした、
それではあまりにも、切なすぎると思い直して
ラストの再会の場面をつけたしたのでした。
93 :名無飼育さん :2004/10/29(金) 00:45
続きがあるのなら
楽しみです
のんびりと
ご自身が楽しんで書けますように

本当にいい作品でした
気持ちが温かくなりました

94 :tuyoshi :2004/10/29(金) 21:45
>>93
ありがとうございます。

私自身の思いを書きました。
95 :tuyoshi :2004/11/07(日) 13:23
名前: tuyoshi 投稿日: 2003/08/06(水) 21:13 [ bk7JTqpU ]


「プレゼント」


その一


「なっち、ハイ!プレゼント」

「ええ〜!ありがとう!何かな」

「絶対、似合うよ〜」

「ギャアアア〜!!!、ヒモパンじゃない!
こんなの、はけないだべさ〜!」

「なっちも、もう大人の女性なんだから、
ヒモパンぐらいはかないとダメ〜」

「そうかな〜、矢口、今夜家へ来る・・・」

「行く行く!!」


そのニ

「矢口ィ、はい、プレゼント」

「お〜、かおりん、ありがとうォ。何かな」

「絶対、矢口に似合うよ」

「ギャアア〜!!、Tバックじゃない!
こんなのはいたら、お尻がスースーするよ〜!」

「矢口も、もう大人なんだからTバックぐらい
はかないと。ねえ、今夜家へ来る・・・」

「行く行く!!」


     

    終り。
96 :tuyoshi :2004/11/07(日) 16:14

名前: tuyoshi 投稿日: 2003/11/04(火) 20:02 [ 5JlhAr5E ]


    「氷とスケッチ」


 真里は、圭織のマンションへ行くことになり、
タクシーで向かった。

真里は携帯を取り出し、家へかける。

「あ、お母さん、今日だけど圭織のところへ行くことに
なったの、たぶん、泊まってくかもしれない・・・」

真里は圭織の顔を見た、圭織はうなづいた。

マンションに着いて、二人が降りようとした時、タクシーの
運転手が真里の顔を見ながら言った。

「あの〜、あんたはもしかして、モーニング娘。の、
たしか・・・」

真里は身構えた。

「そうだ!加護亜依ちゃん!」

「なんでやね〜ん!!」
97 :氷とスケッチ :2004/11/07(日) 16:19
 真里はエレベーターにブツブツ言いながら乗った。

「だから、タクシーの運ちゃんなんて嫌いだよ〜、
加護ちゃんとおいらを間違えるなんて」

「世間なんて、そんなものだよ〜国民的アイドルって
言われていても、顔と名前が一致しない人が多いんだよ」

圭織が笑いながら言った。

2人は部屋に入る。

「圭織、夕ご飯どうする」

もう、夕方になっていた。

「実はね、こんなことだろうって思って、美味しいお肉を
いっぱい買ってあるんだ。焼肉にしよう〜」

「ヤッタァ〜!!、おいらはご飯と焼肉が
あれば、何にもいらないよ〜」
98 :氷とスケッチ :2004/11/07(日) 16:22
「矢口は、野菜を切ってよ。私はご飯を炊くから」

「いいよ〜、玉葱、キャベツにピーマンか。おいら
ピーマンあんまり好きくない」

「ダメだよ、野菜もちゃんと食べないと」

真里は、ハイハイと言いながら野菜を切っていく。

圭織はご飯を仕込むと、冷蔵庫を開けてパックを取り出す。

「矢口、ミルク飲む?」

「圭織〜!おいらを殺すきかよ〜!死ぬほど
ミルクが嫌いなのを知ってるくせに〜」

「ウソだよ〜、これはヨーグルトだよ〜。
矢口も乳製品は食べた方がいいよ」

「ミルクを飲むくらいなら死んだほうがましだよ〜
ヨーグルトも、ヤダ〜!」

圭織は、真里にかまわず、ひと口ヨーグルトを
食べた後、冷蔵庫にしまう。
99 :氷とスケッチ :2004/11/07(日) 16:25
「さてと、ご飯が炊けるまでお風呂に入るか。
矢口はどうする・・・」

「おいらは、どうしようかな〜」

「じゃあ、私が先に入るよ」


「圭織と一緒なら入る・・・」


思わず圭織は振り返って、真里の顔を見た。

100 :氷とスケッチ :2004/11/07(日) 16:27

「ウソだよ〜!」


圭織は少しの間、真里を見ていたが、

「じゃ、ひとりで居れば、オバケが出ても
知らないから・・・」

「エエー!ヤダヤダ〜!やっぱ、一緒に入る〜」

圭織は笑いながら、湯かげんを見に風呂場へ行く。

ちょうどいいので、さっそく入ることにする。
真里はまだ外でごそごそしていて、まだ来ない。

上がり湯をかぶった後、湯船に浸かっていると、
真里が戸を開けて入って来た。
101 :氷とスケッチ :2004/11/07(日) 16:30
 タオルも持たずに入って来た真里を見て、

「やぐち〜、少しは隠したらどうなの・・・」

「何で〜、おいらは圭織に隠すものなんて、何にも
ないよ〜」

「・・・・」


「アッ!!」

と、突然声を上げる真里。

「どうしたのよ!」

「オシッコ〜」

真里は、そそくさと浴室内にあるトイレに向かう。


圭織は、あきれて首を振る・・・。
102 :氷とスケッチ :2004/11/07(日) 16:32
 真里は、トイレをすますと背中をまるめて入って来る。

「さぶ〜、もう夜になると冷えるね〜」

「そんな格好でトイレに行くからだよ」

「いや〜まっぱでトイレもいいね〜」

真里は、すぐに湯船に入ろうとする。

「やぐち、ダメ!ちゃんとお湯をかぶってから」

真里は、ハ〜イと、しぶしぶお湯を2、3度
かぶってから湯船に入る。
103 :氷とスケッチ :2004/11/07(日) 16:35
 真里は、当然のように圭織の膝の上に腰掛ける。

「あ〜、極楽、極楽。なんか、一緒に入るのって、
 いいね〜。ひとりで入ってると怖い時あるもん」


「やぐちは、誰かと入るってことはないの」

「あるわけないでしょ、ちっちゃい頃はともかく、
 妹も今は大きいもの」

お湯から上がると真里は圭織の背中を流してあげる。

「さすが〜、圭織の背中は広いね〜」

体を洗い終わると、2人はまた湯船に浸かる。
104 :氷とスケッチ :2004/11/07(日) 16:37
「こうしてると、正月に圭ちゃんや梨華ちゃんと
 温泉に行ったのを思い出すね・・・」

真里はしんみりと言う、

「結局、あれが圭ちゃんとの卒業旅行になったんだね。
 つんくさんが、その時のことを曲にしてくれた時、
 大泣きしちゃった」


「なっちも、来年の1月で卒業だね」

圭織もしんみりと言った。

真里は、顔を振り仰いで圭織を見た。

「圭織・・・圭織はまだ、やめないよね」
105 :氷とスケッチ :2004/11/07(日) 16:40
「やぐち・・・もし、私が卒業したら、リーダーを
 やってくれる・・・」

真里は顔を歪めて、瞳からは大粒の涙がこぼれ落ちた。


「ヤダよ!!モーニング娘。のリーダーは圭織しか
 いないよ・・・、ヤダ、ヤダ・・・、やめるなんて、
 言わないでよ・・・」


圭織は、真里の体をギュッと抱きしめた・・・。

106 :氷とスケッチ :2004/11/07(日) 16:42
 やがて、2人はお風呂から上がった。

圭織はバスタオルを体にまくと、冷蔵庫を開けて、
何かを取り出す。

「やぐち、ほら、口を開けて」

真里の口の中に氷を放り込む。

「美味しい・・・、やっぱ、風呂上りの氷は最高だね〜」

真里は大好物の氷をガリガリとかじりながら、笑顔になった。

「今泣いたカラスが、もう笑った・・・」

圭織も笑顔で言った。
107 :氷とスケッチ :2004/11/07(日) 16:44
 圭織は、生まれたままの姿の真里を見て、

「やぐちィ、子供じゃないんだから、いい加減、
 なんか着たら」

真里はヘイヘイと、圭織から渡されたTシャツを
頭からかぶって身につける。

「お腹へったでしょう、ご飯にしよう」

「やったァー、もうペコペコだよ〜」

テーブルにホットプレートを置いて、肉や野菜を焼く。
あたりに肉の焼ける匂いがたち込める。

真里は焼けた肉を口に放り込むと、ご飯を
もりもりと詰め込む。

「いっぱい食べてよ。 しかし、やぐちは本当に
 ご飯を美味しそうに食べるんだな〜」

「おいら、ご飯があれば、何にもいらないよ〜」
108 :氷とスケッチ :2004/11/07(日) 16:48
 焼肉を腹いっぱい詰め込んだ二人は満足してお腹を撫でた。

後は、無駄話が一段落すると、真里は圭織が
持っていたマンガの本に夢中になる。

圭織は、いつまでもマンガの本を夢中になって
読んでいる真里に声をかけた。

「ほらほら、遅いんだからもう寝るよ〜、
 明日も早いんだから〜」

 
真里は、しぶしぶと立ち上がるとTシャツを脱いだ。

「ちょっと、やぐちィ、ここは自分の部屋じゃ
 ないんだから、ちゃんとパジャマを着てよ〜」

と、圭織はパジャマを真里に渡す。
109 :氷とスケッチ :2004/11/07(日) 16:50
「わあ〜、やっぱ、圭織のパジャマは大きいね〜」

と、真里はパジャマの上だけを身につける。

「下には、何もつけないんだ・・・」


いよいよ寝ることになって、真里は当然のように、
圭織のベッドにもぐり込む。


「こんな時、ちっちゃいと便利だね〜、ベッドが
 狭くなくて」


「なに言ってんだか・・・ほら、寝るよ」


「圭織・・・」

「なに」

「今日は、圭織のところ来れてすごく楽しかった」

その時、バキッ!と、鋭い音が響き渡った。
110 :氷とスケッチ :2004/11/07(日) 16:53
 真里は、ハッと頭を上げた。

「今のは、なに・・・」

「あれはね、ラップ音と言って、オバケが出るとき、
 あんな音がするんだって」


「ヤダー!、圭織、怖いよ!」

真里は圭織に強くしがみついた。


「ゴメン、ウソだよ・・・」

圭織は、あの音は昼間暖められた家の木材が
夜、冷えて縮まる時に出る音だと説明した。

真里は、黙って圭織に強く抱きついたままだった。
111 :氷とスケッチ :2004/11/07(日) 16:56
 圭織は、ゴメンねと言いながら、真里の髪を
優しく撫でてあげる。


ふと、気がつくと、真里は寝息を立てていた。


圭織はそっと、真里から離れた。


真里の安心したような、やすらかな可愛い寝顔を
少しの間、見つめていた。


         
     終わり。
112 :tuyoshi :2004/11/07(日) 17:02
この作品は、ちょうど一年前の2003年11月に
書いたものです。

まだこの頃は、飯田さんの卒業も決まっていない時期
でした。 こんなに早く飯田さんの卒業が決まるとは
思ってなかっただけに、これを読み返して、感慨深い
ものがありました。
113 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 18:30

名前: tuyoshi 投稿日 2004/01/29(木) 22:38 [ BUuklqzQ ]


 華やかな舞台で、ハロプロメンバーが唄っている
最中だった。

梨華が肌身離さず持っている、超小型携帯が
振動して震え出した。

それは、緊急の呼び出し以外は振動しない
ことになっている。

梨華はあわてて後ろに下がって、こっそりと袖に隠れる。

「ハイ、チャーミーです」

「あ〜、Tや。チャーミー!緊急事態や!国際テロ組織の
メンバーがアジトに集結して政府の重要機関にテロを
企てているという情報が入った!」
114 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 18:34
「それは大変なことね」

「ただちに、チャーミーズ・エンジェルのメンバー
を招集して、彼らのアジトに向かうんや!」

「ちょっと待ってよ〜、今、私たちは
ハロコンの真っ最中なのよ!」

「かまへん!緊急事態なんや!日本の平和、
世界の平和のためや。一分一秒を争う時なんや!
ただちに現場へ向かうんや!」


「しょうがないわね、わかったわ。」

「なお、敵は拳銃や自動小銃、ロケット砲や、
スカッド・ミサイルまで装備しているとのことだ。
十分気をつけるように。以上や!」
115 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 18:38
 梨華はブツブツ言いながら、チャーミーズ・エンジェルの
メンバー全員が身に着けている超小型携帯に緊急の召集
信号を送る。


「ちょっと、あゆみ!どこへ行くの!」

メロン記念日のリーダー斎藤が不審に思い、声をかける。

「ちょっと、お手洗いに・・・」

あゆみは、そそくさと姿を消す。

斎藤は首をかしげる。

「この頃、ちょっとお手洗いにって言って、
 何時間もいなくなるけど、どうなってんの」

116 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 18:44
「あれ、アヤカ、どこへ行くの?」

吉澤が言う。

「ちょっと、急用が・・・」

「何に言ってんのよ!、もうすぐプッチの
出番なんだよ!」

「出番までには、何とか帰ってくるわ。帰れなかったら誰か
代役を立てて、そうだ!真希ちゃんに代わりに唄って貰えば」

「そうだね、その方がファンが喜ぶ・・・、って!
バカなこと言わないで!!そんなこと、
出来るわけないじゃない!」

117 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 18:47
「あれ〜、のの!どこへ行くの〜次出番だよ〜!」

加護が言った。

「ゴメ〜ン、急用が出来たの〜、私がお腹が痛くなったって
ことにして、あいぼん1人で唄っててくんない〜」
と、のの。

「なによ〜、私たちは2人だけのユニットなのよ!」


辻が両手の指で「W」を作り、加護は指で「U」を作った、

「はい〜!私達は、『WU』と書いて、ダブルUンコで〜す!!」


「とにかく、急用が出来たの〜、後はあいぼん頼むね〜!」

と、辻はどたばたと何処かへ飛び出して行く。
118 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 18:52
 残された加護は、ふくれっ面をしながらも、

「ホントにも〜自分勝手なんだから!、でも、ののが
ドタキャンするのは、いつものことだけどね」


その頃、新垣は梨華の姿が見えないことに気がついた、

「も〜!石川さんったら何処へ行ったの〜!
私たちタンポポが久しぶりにハロコンで歌えるという時に
いなくなるなんて〜!」

新垣は眉毛を震わせて怒った。


美優伝の絵梨香と唯も、リーダーがいなくなって
とまどうばかりだった。
119 :tuyoshi :2004/11/15(月) 19:06
この、「チャーミーズ・エンジェル」は、
2004年の1月に書いたものです。 

ですから、決して今年の夏の娘。コンの
『チャーミーズ・エンジェル』をパクッたわけでは
ありません。 私のほうが早いわけですから。

この作品も、閉鎖されたあるHPに投稿したものです。
再録するに当たって、加筆編集をいたしました。
120 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 19:11
 集合したチャーミーズ・エンジェルの4人は
アヤカの運転する車で敵のアジトに向かう。

車は軽自動車だった。
横には、KEMEKOと書かれている。

あゆみが不満そうに、

「なんで、私たちの車が軽なのよ〜、
しかも、名前がKEMEKOだし」


「圭と軽を引っかけてるんじゃないの」
と、のの。

リーダーのチャーミーが言う。

「あなたたちは知らないでしょうけど、この車は
最新ハイテク技術を駆使した、007も真っ青の
秘密兵器を積んでるのよ〜、水陸両方のほか、
翼を着ければ、空も飛ぶのよ」

「ウソ〜!、信じられない・・・」
121 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 19:16
 やがて、敵のアジトがある埠頭に到着する。

この中の倉庫の一つが敵のアジトなのだ。

チャーミーズ・エンジェルの4人は、車から降り立った。


リーダーは、元ニュースキャスターの、
チャーミー・石川。 19歳。

元モーニング娘。でもあり、現在はユニットで活動している。


サイボーグ・あゆみ。 21歳。

常人の10・5倍の能力を手術によって与えられた
彼女は、格闘技の専門家でもある。

その10・5倍の戦闘能力で、あのボブ・サップさえも
一撃で倒すだけのパワーとスピードを秘めている。

普段は、メロン記念日の一員である。
122 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 19:19
 バイリンガル・アヤカ。 24歳。

120ヶ国を超える言語をあやつり、その能力を
生かして、あらゆる情報収集の専門家である。
現在は、ココナッツ娘。として活動している。


大食い・のの。 18歳。

常人の10・5倍の食欲とは別に、彼女は爆弾の
専門家でもある。その気になれば、東京タワー
でさえも一発で吹き飛ばしてしまうと豪語する。

現在は、加護亜依と2人でユニットを組んで
活動している。
123 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 19:23
「結成して一年になるから、あたしが18歳っていうのは
 わかるけど、なぜ梨華ちゃんが19歳のまんまなのよ〜!」
と、のの。

「うるさいわね〜、そう言う設定なの!ま、私の可愛さから
 十代ってことにしたんじゃないの、当然よね〜」
と、チャーミー。

「梨華ちゃん、可愛いくないよ・・・」


なお、リーダーのチャーミーの特殊能力はいまだに
秘密になっている。

「秘密にするほどのものかしら」
と、あゆみ。

「なにを言うの柴ちゃん、私の特殊能力が
敵に知られたらまずいでしょ!」
124 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 19:52
 4人は、目的の倉庫の前に立った。

「あたしは、爆弾の調合をしておくわ。Tから、
いざという時は敵のアジトを、悪党もろとも
吹き飛ばして良いって、言われてるの」
と、のの。

「じゃあ、私はどんな敵なのか、車のPCで情報を収集するわ」
と、アヤカ。

「では、柴ちゃんあなたは裏から入って」

チャーミーは独りで表から倉庫に入って行く。一応、拳銃を
持っているが、敵はミサイルまで持っているというので、
いささか心もとない。
125 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 19:55
 暗い倉庫に入って中を進んで行くと、突然、
何かが足元を走りぬける。

「キャアッ!」

バキューンッ!バキュン!バキュン!
バキュ、バキュ、キューンッ!!

驚いたチャーミーは、拳銃を乱射する!
倉庫に拳銃音がこだまする。

それは、チュー、チューと鳴きながら逃げ去る。

「なんだネズミか。こんな所に本当に国際テロ
組織の連中が居るのかしら・・・」

その時突然、数人の男たちがバラバラと現れ、
チャーミーを取り囲む。
126 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 19:57
「現れたわね!よく私が来たことがわかったわね」

ボスらしい男が言う、

「フッ、何もかもお見通しよ〜、って言うか
あれだけ、拳銃をぶっ放したらわからいでか!」

チャーミーは拳銃の引き金を引いたが、もちろん、
弾は無くなっていた。


チャーミーはあっさり捕らえられて椅子に縛りつけられる。
127 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 19:59
 いかにも、まぬけな悪党面のボスらしい男が言う、

「飛んで火に入る夏の虫、とはこのことだ!」

「言うことが古いのよ〜、今時誰も知らないわ〜」

「うるさい!お前は誰だ!何しに来た!」

「あなたたちを捕まえに来たのよ!国際テロ組織の
連中がここに潜んで居るって、情報が入ったの〜」


「国際テロ組織〜?何のことだ」

「違うの?」

「俺たちは、国際エロ組織の者だ!」

ボスは聴かれもしないのに、自分たちの事を
ペラペラ喋る。
128 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 20:02
「国際エロ組織?聴いたことも無い〜」

「聴いて驚くな!、俺たち国際エロ組織は
アイドルや有名女優の下着を奪い取って
マニアックなファンに高く売りつけているのだ!」

梨華はあきれ返って言った。

「この変態!いいえ、変質者よ!女の敵!」

その時、仲間の1人が言った。

「ボス、この女どっかで見たと思ったら、
ほら、美優伝というユニットのリーダーで
元モーニング娘。だった石川でっせ」
129 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 20:04
「なんだと!元モー娘。の石川だと〜!モーニング娘。を
 はじめ、ハロプロのアイドルは我ら国際エロ組織の
 ターゲットだ!」

「あれ、わかっちゃった・・・」

「こいつは好都合だ、さっそく下着を奪い取れ!
 なにしろ生パンツは高く売れるからな〜」

「ええ〜!いくら私がハロプロの中で一番の
 美人で可愛いからって、そんなー!」

「自分で言うんじゃない!」

「はい・・・」
130 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 20:06
「フッフフフフ、中でも今やモーニング娘。の中心の
 藤本、新垣、道重らピッチピチの娘。たちの下着は
 高く売れるからな〜」

と、ボスはよだれを拭った。


「まあ!この変態!エロじじい!あんたたちなんか
 このチャーミーズ・エンジェルが許さないわよ!」

「うるさい! モー娘。を追い出されて、いささか
 とうがたったお前の下着でも高く買う物好きで、
 超マニアックなファンがいるんだ!」

「失礼しちゃうわね〜!私はモー娘。を追い出されてなんか
 いないわよ〜!! それになんで〜私の下着を買う人が
 超マニアックなのよ〜!」
131 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 20:08
 ボスは、梨華にかまわずニタニタと不気味な笑いを浮かべ
ながら、チャーミーに迫ってくる。

「イヤーッ!!柴ちゃん!早く助けに来てー!」


「待ちなさいーー!!」

その時、ようやくあゆみが踊りこんで来た。

「あ〜ん、柴ちゃん遅いじゃない〜」

あわてて拳銃を向ける男たちを、10・5倍の強力な回し蹴りで
拳銃を叩き落し、続いてもう片方の蹴りが飛んで、アッというまに
KOする!

目にも止まらない早業だった。
132 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 20:10
「覚えてろよー!」

たまらず男たちは這いずりながら逃げ出した。



チャーミーとあゆみが倉庫の外に出ると、アヤカと
ののが駆け寄って来る。

チャーミーは2人に、

「さあ、帰りましょ。何が国際テロ組織よ!居たのは、
国際エロ組織って言う変態の集団だったわよ!」

4人は、軽のKEMEKO号に乗り込む。
133 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 20:12
 怒り心頭の梨華はののに、

「のの!爆弾は仕掛けたの?」

「仕掛けたよ」

「かまわないから、アジトの倉庫を吹き飛ばしてしまいなさい! 
あんな変質者を生かして置くことはないわ!」

「OK〜」

車を発進させると、ののは後ろを振り返りながら
起爆装置のスイッチを入れた。

もの凄い轟音と共に、天高く黒い煙が吹き上がるのが見えた。

「これにて、1件落着〜!」

「さすが、ののね。手際のいいことね」

アヤカの言葉に、

「へへへ〜、そうかな〜」

と、ののは可愛い八重歯を見せて笑う。
134 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 20:17
「ねえアヤカ、国際エロ組織っていうのはどんな組織なの」

アヤカは、あゆみに運転を任すとPCで情報を検索する。

世界各国のサイトにアクセスして情報を収集する。

「わかったわ。彼らは1950年代に組織されて、最初は
米国を中心に暗躍した秘密組織よ。

古くはあのマリリン・モンローが存命中に彼女を襲って下着を
強奪して、10万ドルで売りさばいたという記録が残ってるわ」

「えらい古い話ね」

「日本でも、暗躍したという記録が残ってるわ。なんでも、
 問題になったブルセラショップは彼らが火付け役とも
 言われているわ」

「まあ、本当?」
135 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 20:20
「十年ほど前に、根こそぎ逮捕されて組織は壊滅したと
 言われてるけど、また暗躍し始めたようね」

「まあ、下着ドロじゃあ、十年も立てば刑期は
 終るんじゃないの」
と、あゆみ。

「それにしても、憎むべき変質者の犯罪集団ね。それに
あのボスよ、あの長髪で鬚が濃くて、いかにも、変態って
感じの顔はどっかで見たことがあるわ」

チャーミーは、はたと手を打った。
136 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 20:22
「そうよ、アイさがで見たのよ!たしか、『サイボーグしばた』
 だったかしら、それとも、『亜弥のDNA』だったかしら?」

「そんなのどうでもいいじゃない、あたしがアジトごと爆弾で
 吹き飛ばしてやったからもう終わりよ〜」
と、のの。

すると、超小型携帯が鳴り始める。

「はい、チャーミーズ・エンジェルです」

「Tだ!ののを出せ!」

ののが代わる。
137 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 20:24
「は〜い、悪人はあたしが爆弾一発で吹き飛ばしました〜」

「アホかー!、お前が吹き飛ばしたのは敵のアジトちゃうやろー!
 その隣の冷凍倉庫やろー!」

ののは、ペロッと舌を出した。

「アッ!間違えたー!」

「ま、爆弾で吹き飛んだのは、古くなって解体予定の
 冷凍倉庫だったのだが、解体する手間がはぶけたわけだが」

「なんだ〜、結果オーライだね〜」

「なにが結果オーライだ! ま、次は気をつけろ」

「は〜い」
138 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 20:28
 梨華が文句をつける。

「T! 何が国際テロ組織よ〜!アジトにいたのは、
 国際エロ組織と言う、わけのわからない変態の
 集団だったわよ〜!」

「そうか・・・、単なる間違いや。どちらにしろ、
 悪党とちゃうか。 よし!では次の指令が
 あるまで、待機しとくんや」

それで、携帯は切れた。


「もおう〜、自分勝手なんだから〜!
 しょうがないわ、早くハロコン会場へ戻らないと。
 みんなが気がつかないうちに〜」

「ハロコンの真っ最中に、4人もいなくなれば、
 いい加減、みんな気がつくだべ〜」
139 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 20:29
「・・・それもそうだけど、私達の正体と任務は
 絶対に秘密なのよ〜!」

会場に舞い戻った4人は、こそこそと舞台裏に紛れ込む。

演目はほとんど終了し、後はハロプロ全員で
唄う一曲だけになっていた。

目ざとく梨華を見つけた新垣が、眉毛を
ピクつかせながら、文句をつけて来る。
140 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 20:31
「石川さん!柴田さん!何処行ってたんですか〜!?
 ハロコンの真っ最中にいなくなるなんて、
 信じられな〜い!」


「ごめんなさい・・・」

梨華とあゆみは小さくなる。


「私達、タンポポが久しぶりにハロコンで唄える
 という時に、年上の2人がいなくなるなんて」

「本当にごめんなさい・・・、で、タンポポは唄えたの
 かしら・・・」
141 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/15(月) 20:35
「しょうがないから、元タンポポの二人に頼んで代わりに
 唄ってもらいました、矢口さんと加護さんに」

「そう、それで・・・」

「もうファンは大喜びですよ! だから
石川さんと柴田さんはもう必要ないです!」

「そ、そんな〜」

「へへ〜、ウソですよ〜!」

新垣は、笑いながら言った。


なお、アヤカの代役は、後藤ではなく、保田がつとめて
ファンの大喝采を浴びた。

WUは、辻の代わりをソロの飯田が嬉々としてつとめた。



    一応、終わり

142 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 19:37
 梨華とあゆみは、多忙なスケジュールのわずかの
合間のオフを、あゆみのマンションで過ごしていた。

ふたりは、のんびりとテレビを見ていた。

「柴ちゃんとこうやってのんびり出来るのも久しぶりね。
そうだ!柴ちゃん、後で一緒にお風呂入ろ!」

「梨華ちゃん・・・人が誤解するような事言わないでくれる」

「冗談よ〜。それにしても平和な一日ね〜、ほら
ハロモニ。劇場にまだ頑固一徹が出てるわよ」


すると、突然ハロモニ。の場面が急に切り替わって、
緊張した面持ちのアナウンサーが喋り始めた。

「あら、何かあったのかしら・・・」
143 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 19:39
「臨時ニュースを申し上げます!今日午後12時頃
東京湾沿いの品川埠頭に、海中から突然大怪獣が
出現して、上陸しました!この怪獣は、かの有名な
ガジラと判明しました!」

画面には、上空を取材のヘリコプターが何機も
乱舞する中を、身長50m体重2万tのガジラが
ビルの谷間を悠然とかっ歩する姿が映っている。

「ガジラは、山手線沿いに都心へ向かっています!
付近の住民は厳重な警戒をしてください!」


「梨華ちゃん!大変な事が起こってるわよ!
ガジラが暴れてるのよー!!これは、私達
チャーミーズ・エンジェルも出動しないと!」

なぜか、梨華は平然とテレビのガジラを
眺めている。
144 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 19:42
「柴ちゃん、あわてないの。ガジラなんかは
自衛隊か、モジラにまかせておけば良いのよ」

「そんな〜」

すると、テレビのアナウンサーがまたもニュースを
読み上げる。

「大阪からも臨時ニュースを申し上げます!
今日午後1時頃、大阪城付近に突然空飛ぶ円盤と
思われる物体が着陸しました!

円盤の中から、宇宙人らしきものが現れ、その巨大化
した宇宙人は、べルタン星人と判明しました!」

テレビには、巨大化したベルタン星人が、昆虫の
ような顔、両手の大きなハサミを振り上げてかっ歩
している様子が映っている。
145 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 19:43
「梨華ちゃん!大変よー!今度はベルタン星人よー!
今度こそ、チャーミーズ・エンジェルの出番よ!」

しかし、梨華は平然とテレビを見ている。

「柴ちゃん、あわてないの、べルタン星人なんてのは
科学防衛隊かフルトラマンに任せておけばいいのよ」

「そんな〜、アッ、そうだ!今日は大阪城ホールで
松浦亜弥ちゃんのコンサートが行われる予定なのよ!
それにゲストは、WUと書いてダブルUンコなのよ〜!」

「ふ〜ん、でも大丈夫よ、無事に避難してるわよ」
146 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 19:46
 すると、またもアナウンサーが臨時ニュースを読み上げる。

「今日午後12時頃、大阪城付近のファミレスで、
立てこもり事件が発生しました!
なんと、若い女がメニューのすべてを注文して
食べ尽くすという暴挙に出たあげく、金を一銭も
所持していないことが判明!

その女は、店側が 「食い逃げだ、警察を呼ぶぞ!」
と言ったところ、逆切れして、
「レストランを爆破するぞ!」 と、爆弾らしきものを
振りかざし、レストランに立てこもっています!
現在、周囲を機動隊が囲んでいます!」

「梨華ちゃん、この若い女って、もしかして・・・」
147 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 19:49
 なおもアナウンサーは続けた。

「なお、この若い女は、ファミレスに居合わせた人の
目撃情報によると元モー娘。のT・Nさんだという話
ですが、未確認です!」

梨華は、アチャーと頭をかかえた。

「ののは、怪獣や宇宙人と同じ扱いってわけね・・・」


「ただ今、新しい情報が入りました!レストランの
周囲を囲んでいた機動隊は、大阪城でべルタン星人が
暴れているということで、食い逃げより、そちらが大事と
言うことで、全員そちらへ移動した模様です!」

「梨華ちゃん・・・どうする」

その時、梨華の携帯の着信音が鳴りはじめた。
148 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 19:50
 梨華が出ると、

「梨華ちゃ〜ん、お金貸してくんない〜」

あっけらかんとした、ののの声が聴こえた。

「・・・のの、加護ちゃんと一緒じゃなかったの」

「あいぼんは、途中で自分の分だけ払って帰っちゃったの」

「・・・わかったわ、ちょっと待ってて、」

梨華は、自分の預金口座の番号を言った。
149 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 19:59
「あのね、この口座からお店の人の言うだけのお金を払って、
ゴメンなさい〜って謝れば多分、許してくるはずよ、
機動隊はもういないのでしょ」

「うん、ありがとうね〜あれ〜、梨華ちゃん、
何で、知ってるの〜」

「いいのいいの、詳しくは大阪から帰ったら
ゆっくり聞かせてもらうわ・・・」

「これで、三つのうちひとつは片付いたわけね」

ふたりは、一息ついてテレビを見た。

画面は東京に切り替わり、へりからの映像でガジラが
電車の止まった山手線沿いに都心をズシンッズシンッと
品川駅方面へ移動して行く模様が映っていた。
150 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 20:01
 一方、大阪ではののはあることに気がついた、

「今日は日曜日じゃないの〜銀行からお金をおろせないよ〜!」

と、そこへあいぼんがファミレスに戻ってきた。

あいぼんはののにウインクすると、用意してきたお金を払った。

ようやく解放されて外に出たののは、あいぼんに抱きついた、

「あいぼ〜ん!ありがとう〜!!」

「よしよし、うちらは一心同体のWUだもんね〜」

そろそろコンサートの時間が迫ってきたと、大阪城の方へ
向かおうとして、思わずふたりは立ち止まった、

巨大化したベルタン星人が大きなはさみのような腕を
振り上げているのが見えたのだ。
151 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 20:03
 一方、東京では、 
 
ガジラは大暴れするでもなく、時おり立ち止まり、あたりを
見回しながら都心へ進んで行く。

その時、梨華が肌身離さず身につけている
Tからの緊急連絡用の超小型携帯が震え出した。

「そら来たわ!」

梨華は、立ち上がり身をくねらせて、超小型携帯を
取り出す。

「梨華ちゃん、その小型携帯をパンツの中に
入れるはの、やめようよ・・・」

「だって、肌身離さず持ち歩くのは、下着の中に
入れるしかないでしょ!でも、持ち歩いているうちに
変な所にずれたりするけど」
152 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 20:05
「あ〜、Tや、チャーミー!緊急事態や!」

「わかったわ!ガジラのことね!それとも、
べルタン星人の件かしら」

「何のことや、違う!実はU○Aの会長宅を爆破すると
言う脅迫電話があったんや!国際テロ組織の犯行予告
と思われる、ただちに現場に向かうんや!以上!」

「なんで、○FAの会長宅を国際テロ組織が狙うのよ〜!
それに、東京や大阪で怪獣や宇宙人が暴れているというのに。
まあ、チャーミーズ・エンジェルはハロプロ直属だから
仕方ないけど・・・」

梨華はブツブツ言いながら、仕方なく出動準備に
取り掛かる。

なお、チャーミーズ・エンジェルの他のメンバーの、
ののは大阪に、アヤカはハワイに帰っていていない。
153 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 20:08
 梨華とあゆみは、チャーミーズ・エンジェルの
コスチュームに着替えた。

それは、上は全身をピッタリと覆い、頭も隠していて、
顔の部分だけが出ている。

下はミニスカートで足にはブーツを履く。
色は、全身すべてピンク色である。

「この色は、梨華ちゃんの趣味としか思えないわ」

「うるさいわね〜、早く出動しましょう!」

あゆみの運転でKEMEKO号に乗って出動する。

すると、またも超小型携帯が振動する。
154 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 20:10
「なにかしら、連絡は一度でしてくれないと、
パンツの中から取り出すのが面倒なのよ〜」

梨華は、身もだえして携帯を取り出す。

「あ〜、言い忘れたが、ののとアヤカの代わりに
ひとり、新人のメンバーを連れて行くように。
次の交差点で待っているはずだ。以上!」

その交差点に差しかかると、手を上げている人物が
見えた。
155 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 20:11
 側に車を止めると、白衣を着た女の子が乗り込んでくる。

「あら〜、紺野じゃない〜」

「違います、私は、ドクター・こんのです」

 
 ドクター・こんの。 18歳

天才科学者でもあり、頭脳明晰ではハロプロ
随一である。
空手の茶帯でもあり、文武両道に優れている。
モーニング娘。の一員でもある。
156 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 20:13
「茶帯ってのは強いのか弱いのか、わかんないわね」
と、あゆみ。

「ま、戦力になりそうもないところは、ののと
どっこいどっこいね。」
と、梨華。

「すみません・・・」

「いいわ、行きましょう」

「なんか、この3人が揃うとオソロ!を思いだすわね〜」
と、あゆみ。

「そう言えばそうね。後、新垣が居れば完璧ね〜」
と、梨華。
157 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 20:15
 あゆみはラジオの交通情報を聴く。

「246は、目黒付近をガジラが通ってるため、
通行止めになってるみたい。環八を周って
行くしかないわ」


KEMEKO号は、第三京浜から都内に入ると
環八を北上して、わき道に入ると中央線沿線の
現場に到着した。

「あら、この辺は先週ハロコンをやってた会場の
近くじゃない」

会長の邸宅付近で、張り込みをすることになる。

「なんでも、不審な人物が目撃されているそうよ」

この住宅街付近は、人通りが少ない。
158 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 20:17
 しばらく、張り込みを続けたが何も起こらない。

「あの〜、お腹がすきませんか〜」

ドクター・こんのが言う。

「なによ、私は別にすいてないけど〜」
と、梨華。

「あの〜、柴田さんはすいてないですか〜」

「私も別にすいてないけど・・・」

「・・・・」

「わかったわよ〜!そこらのコンビニでなんか
食べる物買ってくれば〜」
と、梨華。

「ハイ!」
と、こんのは嬉しそうに言った。

その時、不審な男が現れた。
159 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 20:19
 男はキョロキョロと辺りを見まわして、見るからに
挙動不審である。

「梨華ちゃん、あの男怪しいわね」

「あの〜、コンビニは・・・」

「シッ、静かに!」

「・・・・」


 男は、会長の向かいの家のベランダの下に止まり、
ヒモを取り出し振り回すと、先のフックを干してある
洗濯物に引っかけると、引っ張る。

それは、女性の下着らしい・・・。
160 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 20:21
 そして、男はその下着になにやらマジックで書き出す。

「柴ちゃん、あの男を捕まえて尋問する必要がありそうね」

「わかったわ!」

あゆみは、車から出ると男に駆け寄る。

男は、あゆみを見るとポケットから拳銃を取り出し、
弾き金を引こうとしたが、

あゆみの鋭い蹴りが飛び、拳銃を蹴り飛ばす!
次の瞬間、男を道路にねじ伏せていた。
目にも止まらぬ早業だった。

梨華とこんのも駆け寄る。
161 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 20:23
 こんのが、落ちていた女性の下着を拾う。

「あれ、なんか書いてますよ、え〜と、『I・R』って
ありますよ」

「I・Rって、どっかで聴いたようなイニシャルね。
石川・・・」
と、あゆみ。

梨華があわててさえぎる。

「そんなのどうでもいいの!この男、下着ドロにしては
拳銃を持ってるなんて、怪しいわ!
柴ちゃん!腕の一本もへし折ってもかまわないから、
何者か白状させるのよ〜!」

「止めてくれ〜!俺は国際エロ組織の者なんだ〜」

男は、たまらず素性を白状する。
162 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 20:24
「え〜!またも出たわね〜、国際エロ組織!」

「このパンツのイニシャルは、なんですか?」
と、こんのが聞く。

「そ、それはアイドルのパンツに見せかけるためで」

「あきれた〜、今時、自分の下着にイニシャルを書く
人なんか、居るわけないでしょ!」
と、あゆみ。

「いやいや、居るかもしれないじゃない・・・」

「まさか、梨華ちゃん、自分のパンツに『I・R』って、
縫い付けてるんじゃないでしょうね・・・」

「そんなことするわけないでしょ!」

梨華があせって否定した時、
向こうから、見るからにポンコツと思われる
旧式のフォルクス・ワーゲンがやって来る・・・。
163 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 23:51
車は止まり、バラバラと男達が降りてくる。

梨華が見ると、見覚えのある男達だった。

「またも現れたわね〜!変態集団〜〜!!

「フッフフフフ、そこの趣味の悪い全身ピンクのコスプレは
元モー娘。の石川ではないか!」

と、ボスが言う。

「うるさいわね〜!これはコスプレじゃないの!
これは、私達チャーミーズ・エンジェルの制服
なのよ〜!
こんどこそ、捕まえてやるから覚悟しなさい〜!」

ボスは、梨華を無視してあゆみに声をかける。

「そちらにいるのは、この間は不覚をとった女だな、
今度はそうはいかないからなー!」
164 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 23:54
「そうよ!今度は容赦しないわよ!」
と、あゆみは身構えた。

すると、部下の男が、

「あれ、この女どっかで見たと思ったら、
メロン記念日の柴田でっせ〜!」

「何!メロン記念日の柴田」だと〜!メロンと言えば、
セクシーユニット。 斎藤、柴田、大谷と、下着の
注文が多く来てるんだ〜」

「・・・・」

「名前の上がらなかった村田さんの立場は
どうしてくれるのよ〜!」
と、梨華。
165 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 23:56
 ボスは、梨華を無視して、

「それに、あの忘れられたユニットと言われる
タンポポの一員でもある、柴田か!」

「なによ〜!タンポポは忘れられてなんか
いないわよ〜!失礼しちゃうわね〜!」

「おっ、そう言う石川もタンポポの一員だったな」

「そうよ!これでも、私がリーダーなのよ」

「それは、心配だな・・・」

「なんで〜心配なのよ〜!よけいなお世話よ〜」

「タンポポと言えば、柴田、石川、新垣と
注文が多いのだ」

「あの〜、一応、私もタンポポなんですが・・・」
と、こんの。
166 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/17(水) 23:59
 ボスは、それを無視して、

「今日こそは、柴田と、ついでに石川の下着を
奪い取るのだー!」

「あの〜、私の下着はどうなるの・・・」
と、こんの。

梨華もこんのを無視して、

「さっそく変態の本性を現したわね〜!
柴ちゃん、頼んだわよ〜!」

「まかしといて〜!って、いつも梨華ちゃん、
私にばっか頼りきりね〜」

すると、こんのが、

「柴田さん、ここは私にまかせてください」
と、前に出る。

「あら〜、紺野、頼もしいわね〜」
と、梨華。
167 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/18(木) 00:01
「え〜、あなた達の行為は、刑法第174条、公然わいせつ罪
及び、刑法第176条、強制わいせつ罪に問われる恐れが
あります。

その場合、公然わいせつ罪は、
6月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は
拘留若しくは科料に処せられます。

強制わいせつ罪は、
6月以上7年以下の懲役に処せられます」

「・・・・」

168 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/18(木) 00:11
すると、ボスは、

「フッフフフ、それは違うな紺野、俺達はわいせつ
目的ではなく、売りさばくためにお前達の下着を
奪うのだから、

刑法、第235条の窃盗罪として、10年以下の懲役、
若しくは、暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取
した者として、
刑法、第236条の強盗罪で、5年以上の有期懲役に
処せられるのだ!」
169 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/18(木) 00:13
それを聴いて、部下が感心する。

「さすが、強盗で10年もクサイ飯を食ってきただけの
ことはありますね。
それに、ボスの趣味も入ってるので、紺野の言うことも
あながち間違いではないかと」

「まあな。っていうか、否定出来ない」

こんのも、感心して言う。

「そうでしたね。さすがに前科のある人は違いますね〜」

「・・・・」

170 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/18(木) 00:14
「紺野〜!感心してる場合じゃないわよ〜!
そんなことを言っても、反省するような人たちじゃ
ないのよ〜、筋金入りの変態の犯罪集団なのだから〜」
と、梨華。

国際エロ組織の連中は、車から自動小銃を持ち出してくる。

「おとなしく、下着を脱いで置いて行け!
さもないと、このM16自動小銃で穴だらけにするぞ!」

「穴だらけって、私たちはゴボウじゃないんだから〜!」

「梨華ちゃん、それを言うならレンコンでしょ、ゴボウは
穴があいてないから〜」
171 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/18(木) 00:15
その時、ズシンッ!ズシンッ!という振動がして、
辺りが揺れ出す。

「あら、地震かしら・・・」

国際エロ組織の連中は、上を見上げて驚愕する!

「これはまずいー!引きあげろーー!!」

連中はあわてて、ポンコツのフォルクスワーゲンに
乗り込むと逃げ出して行く。

「まあ、逃げ出して行くわ。どうしたのかしら?」
172 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/18(木) 00:17
「梨華ちゃん・・・大変よ〜!上、上〜!」

梨華が上を見ると、ビルの谷間から不気味な巨大な顔が
ヌ〜と現れた。

怪獣ガジラだった・・・。

ガジラは、ギラギラと光る巨大な目をギロリと
動かすと、梨華たちを発見したようだ・・・。

「梨華ちゃん、どうしよう〜!ガジラよ!」

「柴ちゃん、どうにかなんない」

「いくら私でも、ガジラ相手じゃ無理よ」

「自衛隊はどうしたのよ〜」

「なんでも、中東情勢が悪化して出払ってるそうよ」

「モジラは・・・」

「なんでも、インファント島でまだサナギのままで
かえるのに、一ヶ月はかかるそうよ・・・」
173 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/18(木) 00:19
 ガジラは、首を伸ばして梨華たちに近づいて来る。

「仕方ないわ、私が説得するわ」
と、梨華。

「どうやって、ガジラを説得するのよ〜!!」

その時、こんのが、

「え〜、ガジラは恐竜のティラノサウルスが
モデルですが、ティラノサウルスは、ガジラの
ように尻尾を地面につけて立ち上がったりは
しない・・・」

「紺野〜、こんな時にガジラの分析をしなくても
いいのよ」

見ると座り込んだ、紺野のお尻の下にジワ〜と
水たまりが広がっている。

どうやら、紺野は恐怖で腰を抜かしてお漏らし
したらしい。
それでも、科学者の目を忘れない所はさすがである。
174 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/18(木) 00:21
 梨華は、ガジラに向かって仁王立ちすると、

「こんポジは〜!アハ〜ッ、ウフ〜ッ、ガジラさ〜ん、
突然出てきたら〜りかみ困っちゃう〜〜」

「梨華ちゃん!どうして、突然キャラが
変わるのよ〜〜!!」

「うるさいわね〜、ガジラと言えど動物なのよ〜
りかみの高くて可愛い声が良いのよ〜!

ギャアォーーー!!!

「ま〜、ガジラさん、そこの中野サンプラザが目的で
上陸して来たんだってェ〜」

ギャアォーーー!!!

「ガジラさん〜、ハロプロコンサートを見物に
来たんだって〜!モーニング娘。の大ファンだって!」

「ガジラが、モーヲタっていうのは、初めて聴いたわ、
それと、梨華ちゃんの特殊能力、その一、
りかみになって、ガジラと会話出来る・・・」
175 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/18(木) 00:23
 ギャアォーーー!!!

「まあ〜!それも、元モー娘。でハロプロで一番可愛くて美人の
石川梨華さんの大ファンだって〜!」

「本当に〜!ガジラがそう言ってるの〜〜!?」

「うるさいわね〜、そう言ってるの〜!

「ガジラさ〜ん、残念だけどハロコンは先週で
終ったの〜、おとなしく海へ帰りなさい〜」

ギャアォーーー!!!

「まあ、それなら梨華ちゃんの唄を聴かせろって、
それも梨華ちゃんセンターの「ザ☆ピ〜ス!」を
聴きたいって、でないと暴れるって言ってるわ〜」

「・・・・」

「しかたないわね、唄って上げましょう」
176 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/18(木) 00:24
「唄うって、カラオケが無いわよ」

「大丈夫、KEMEKO号に装備されてるの」

「KEMEKO号の秘密兵器その一、カラオケが
装備されてる・・・」

「さあ、紺野も柴ちゃんも一緒に唄うのよ」

やがて、車から大音響の「ザ☆ピ〜ス!」の
イントロが流れ出す。

その頃には、テレビ中継車が到着して
一部始終を実況する。
177 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/18(木) 00:28
「ここ、中野サンプラザ前の広場で前代未聞の
情景がくり広げられています!
3人の女の子が、ガジラをバックに歌い出しました!」


「ホ〜ホレ〜行こうぜ〜♪」


ギャオギャオッギャオッ〜〜〜!!!

ガジラは3人の歌に合わせて踊り、歌い(?)出す。

ガジラの踊りで辺りが立っていられないほど揺れ出す。

「ガジラが踊っています〜!!すごい振動です!!」

梨華のセリフ部分に入る。


「青春の1ページって 恐竜の歴史からすると
どれくらいなんだろう?

あ〜   いとしいゴジラさん
お昼ごはん   なに食べたんだろう?」


ギャオギャオギャオッオォオオオオオ〜〜〜〜〜!!!!」

「喜んでいます!ガジラが喜んでいます!!」
178 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/18(木) 00:30
 その頃、大阪城では、

巨大化したベルタン星人は、大暴れするでもなく、
大きなはさみの腕をかざして何かを捜しているようだ。

そのベルタン星人を群集が遠巻きにして見物している。

その騒ぎで昼のコンサートは中止され、松浦亜弥もやって来た。

「あっ、あやや〜大変よ〜ベルタン星人よ!!」

と、WUのふたり。

と、その時ベルタン星人は亜弥とWUを発見したらしく、
ズシンズシンと大地を振動させながら近づいて来る。

「大変〜!こっちへ来るわよ〜!!」

すると亜弥は、皆が逃げ出す中、ベルタン星人に向かって
仁王立ちすると、

「わかったわ〜、私がベルタン星人を説得するわ〜!」


「ウソ〜!あやや、どうやって説得するのよ〜!!」
179 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/18(木) 00:31
 一方、東京では。

梨華は、大満足して帰って行くガジラに手を振った。

「気をつけて帰るのよ〜、今度の横浜アリーナの
ハロコンのチケットを送るから〜ね!」

「そんなの送らなくていいから〜!!
本当に横浜アリーナにガジラがやって来たら
どうすんのよ〜〜!!」


ガジラは、環七から246、環八と通り、なぜか
第三京浜を南下して横浜方面へ帰って行く・・・。
180 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/18(木) 00:34
 テレビの実況アナ、

「え〜、ただ今入りました情報によると、大阪城でも、
東京と同じような事が起きてる模様です!

大阪城前の広場で、松浦亜弥さんがベルタン星人を
バックに、ダブルUンコのふたりを従えて、
『桃色片想い』を唄ったようです!!」


「ベルタン星人は、あややヲタだったのね・・・」


「べルタン星人は、松浦亜弥さんのサイン入りCDをお土産に
べルタン星へと、円盤に乗って帰って行ったそうです!」
と、アナ。

チャーミーズ・エンジェルの東西の、活躍によって
ようやく、日本に平和が戻って来た。

「って言うか、大阪はあややのおかげでしょ、
大食らいで役立たずの、ののを首にして、
あややをエンジェルに入れようかしら〜」



チャーミーズ・エンジェルの前途は多難である。


         
       終わり。
181 :名無飼育さん :2004/11/18(木) 20:27
畜生、梨華ちゃんの下着は漏れも欲しいぞ
182 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 13:46
 チャーミーズ・エンジェルの梨華とののは、
宿敵、国際エロ組織の連中に囲まれていた。

「ふっふふふふ〜、占子(しめこ)のウサギ≠セ〜!」
と、ボス。

「なによ〜!言う事が古いのよ〜誰もわからないわよ〜!」
と、梨華。

「そうだな〜、石川以外は誰も知らなかったな〜」

「私だって知らないわよ〜! しめた!って意味らしいけど」

「知ってるじゃないか〜!、とにかく袋のネズミだ〜!
 観念して、下着を脱いで置いて行け〜!」

「あれ〜、私もパンツを脱ぐのれすか〜?」
と、のの。

「もちろんだ〜!お前のヘソまであるグンパンも高く
 売れるのだ!」

「パンツ、はかないで帰ると風邪ひいちゃうのれす〜」

「のの〜!そういう問題じゃないから〜!!」
183 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 13:50
 と、その時ようやくあゆみが踊りこんでくる。

「待ちなさい〜!!」

「あ〜ん、柴ちゃんいつも遅いんだから〜」

「ムムムッ、またもいい所で現れたな〜
 仕方ない、今日のところは引き上げだ〜」

と、男たちは旧式のフォルクスワーゲン
に乗り込むと車を発車させる。

「あれ〜、ヤツラが逃げてくわよ〜!」

すると、ののが、

「大丈夫〜、さっきヤツラの車に爆弾を仕掛けたの、
 これでお終いなのれす〜!」
184 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 13:51
「まあ〜さすがののね〜、かまわないから
あんな変態の集団はコッパ微塵に吹き飛ばして
しまいなさい〜!!」

「OK〜!」

ののは、走り去って行く車の方に向かって
手に持った起爆装置のスイッチを入れた。


すると、皆の背後で突然大爆発が起きた!!


ちゅどどど〜〜〜〜〜〜んんん!!!!



「きゃああああぁ〜〜〜〜!!!」
185 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 13:55
 皆より、一瞬速く爆発に気がついたあゆみは、

「危ない〜!伏せて〜〜〜!!」

梨華とののの背中を押して地面に伏せる!

伏せた3人のまわりに、破片がバラバラと落ちる。

なんとか爆発がおさまって、梨華が頭を上げて見ると、

「きゃあぁ〜〜!!私の車が〜!!!」


チャーミーズ・エンジェル専用の車、KEMEKO号が、
跡形も無く爆発で吹き飛んでいた・・・。

「いっけない〜!爆弾を私達の車に置き忘れたまんま
だった〜!」

と、ののは頭をかいた。
186 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 13:57
「ああああぁ〜〜〜!!!どうしてくれるのよ〜〜!
 最新の秘密兵器を装備した車がコッパ微塵に
 吹き飛んだのよ〜〜〜!!!」

「梨華ちゃん〜!、ごめんなさい〜〜!!」

「あやまってすむ事か〜〜〜!!!
この、アホ、バカ、ダボ〜!!!」

「最後のダボってのは、なんなの〜?」

「うるさい〜!あややに聞きなさい〜!
ホント役立たずの上に失敗ばかりなんだから〜」

「まあまあ、やってしまったことは仕方ないじゃない、
これでTがもっと良い車を買ってくれると思うよ」
と、あゆみ。

「そうだね〜、結果オーライだね〜」
187 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 13:59
「なにが結果オーライよ!もお〜、しっかりしてよ〜、
Tもののには甘いし、もっとビシッって言えばいいのに」


「ごめんなちゃ〜い・・・」

ののは舌を出して笑顔で言った、八重歯が可愛い。


さすがに梨華も笑うしかない。


「しょうがないわね〜、これから気をつけるのよ。
 誰もケガをしなくて良かったわ」

188 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:01
 さて、チャーミーズ・エンジェルの誕生した
いきさつをこれから語っていきましょう。

それは、ある事件がきっかけだったのです。

それは、約2年前の事でした。

モーニング娘。が、おとめ組とさくら組に別れて
活動していた時のことだった。

おとめ組のメンバーが公演を終り、新幹線で帰途に
着いた時の出来事でした。

189 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:03
 休日でもあり、新幹線車内は込み合っていて、
おとめのメンバーで、梨華と美貴だけが
隣の車両に乗車していた。

残りの5人のメンバーの居る車両でその事件は
発生した。


事件の起こる少し前、おとめ組の乗る車両の隣の
車両に乗っていたファンがメンバーに気づいた。

「おい!隣の車両に、おとめのメンバーが乗っているぞ!」

おとめコン帰りのファンが何人か立ち上がった。

その時、ひとりの中年の男の目がキラリと光った。男も
立ち上がると、おとめのメンバーの居る車両へ向かった。
190 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:05
 新幹線のぞみ号が、名古屋を出発してまもなく、
車内は、悲鳴と怒号で騒然となった。

隣の車両の乗客が、悲鳴を上げながら梨華の居る車両に
なだれ込んで来た。

何事かと驚いた梨華は、
その中に、マネージャーの姿を見つけて問いただした。

マネージャーは、蒼白になって言った。

「大変です!新幹線ジャックです!
メンバー5人だけが人質になってしまって・・・、
犯人は拳銃とダイナマイトのような物を
振りかざしていて、どうにもならなかったんです」

「ええ〜〜〜!!!」
驚く梨華・・・。

191 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:07
 のぞみ号は、豊橋駅に止まってしまう。

乗客をすべて降ろして、のぞみ号の周りを
機動隊が囲んでいた。


人質のおとめのメンバーと犯人が立てこもる車両は
カーテンをすべて降ろしていて外から内部は見えない。


車内には、犯人とメンバー5人は真ん中の席に
固まっていた。
二つの出入り口は、乗客の残していったボストンバックや
荷物を積みあげて、バリケードにしていた。

圭織、希美、麻琴、さゆみ、れいな、たちは
ひとかたまりになって、恐怖におののいていた。
192 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:09
 犯人の中年の男は、拳銃とダイナマイトを両手に持ち、
目を血走らせていた。

やがて、圭織がすっくと立ち上がると、毅然として
犯人に向かって行く。


「人質は私ひとりで十分でしょ!他のメンバーは
 解放してあげて!」

男は、圭織のけんまくにたじろぎながら、

「うるさい〜!席に座ってろ!このピストルは
 おもちゃじゃないんだぞ〜!!」

圭織に拳銃を向ける。

圭織はかまわず男に向かって行く。
193 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:12
「お願いだから、バカなことはやめて〜!」

男と圭織が、つかみ合いになった時、
男の振りおろした拳銃の台尻が、圭織の
こめかみを一撃した!

鈍い音とともに、圭織は座席に倒れこんだ・・・。

「リーダー!!!」

メンバーが悲鳴を上げ、さゆみは泣き出してしまう。
麻琴とれいなは圭織の側にかけよる。
希美は、泣き出したさゆみを抱きしめる。

194 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:13
 男のほうも狼狽して、圭織の様子をうかがう。

「大丈夫か・・・かおりんが俺に向かってくるから
 おもわず、手を出してしまったんだ・・・」

圭織の額には、薄っすらと血がにじみ出しているが、
意識はあるようだった。

れいなが、きっと男をにらみつけた。

男は、目をそらして反対側の座席に腰を降ろす。
195 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:15
 その後、のぞみ号を囲んでいる機動隊も、拳銃と
ダイナマイトを持っている犯人に手が出せず、
膠着状態が続いていた。

そのとき、犯人の男からとんでもない要求が
突きつけられた。

残りの、おとめのメンバーを呼んで来いという、
要求だった・・・。

それは聴いた梨華は、

「わかったわ、私みんなのところに行くわ・・・」
196 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:18
「梨華ちゃん、やめたほうが・・・犯人はピストルと
爆弾を持ってるのよ」

美貴の言葉に梨華は、

「行かないと、メンバーがどんな目に合うか
 わからないわ。大丈夫、私が犯人を説得するわ」

「そう・・・私はどうしようか」

「美貴は、残っていて。下手に犯人につっこんで
刺激してもいけないわ・・・」

「・・・・」


梨華は、バリケードを除けられた入口から車内に
入って行く。
197 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:20
 左手にダイナマイトを持ち、右手の拳銃をこちらに
向けている犯人に、梨華の体は震えたが、
気丈にも犯人に近づいて行く。

「・・・バカなことはやめて!メンバーを解放して
 あげて〜!」

梨華が近づくと、怖い顔していた男が相好をくずした。


「チャーミー〜!会いたかったよ〜!!」

梨華はがくっと、こけそうになる。
198 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:24
 改めて男の顔を見て、今夜のおとめコンで、
最前列で騒いでいたファンのことを思い出した、
彼に違いない。

メンバーのいる席に近づいてみて、
圭織がぐったりと席に倒れているのに気がつく。

「リーダー!どうしたの!」

麻琴が事情を話した。

それを聴いて、梨華は男を睨みつけた。

「あなたね〜、あなたは今夜のコンサートにも
来てたみたいだし、私達のファンなんでしょ!
どうして、メンバーをこんな目に合わせるの!」
199 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:26
 男は、拳銃を振りかざしながら

「うるさい〜!・・・俺はなぁ、もうどうなっても
いいんだぁ〜!

好きだったモー娘。メンバーはどんどん卒業して
しまう、 大好きだったユニットは放置される、

あげくに、不況で会社をリストラされてクビだ!
そして、女房は子供を連れて家を出てしまう、

もう、やけのヤンパチなんだぁ〜〜!!

海外のインターネットで、拳銃と爆弾を購入して、
一発どでかい事をやらかして、世間を騒がせて
やろうと思ったんだぁ〜〜!!」
200 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:29
「・・・そりゃあ、あなたの気持ちもわからないこと
ないわ、しかし、だからといってこんなバカな事を
していいはずがないわ!
おとめのメンバーを人質にしてどうしようというのよ!」


「・・・もう、日本には飽き飽きしたんだぁ〜!
ジュマペール、じゃない、ピンチャポー、でもない、
そうだ、ピョンヤンへ行け!って運転士に伝えろ」

梨華は呆れて言った。

「なにを寝ぼけてるの〜!これは、よど号じゃないのよ!
 のぞみ号なのよ〜〜!!」

「そんな古いことをよく知ってるな・・・たしかに、
 これでは、ピョンヤンには行けないだろうが、
 なに、羽田に行って飛行機をハイジャックしてやる!」
201 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:31
「これ以上罪を重ねるのはやめてみんなを
 解放してあげて!」

「ねぇ、チャーミー、一緒にピョンヤンへ行こうよ〜
チャーミーなら、向こうへ行ってもアイドルになれるよ〜」

男は猫撫で声で言った。

「バカなことを言わないで!行きたきゃ、自分
 ひとりで行けばいいでしょ・・・」


その時梨華の目の端に、通路に出た希美の姿が
映った。
202 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:34
 男の後方で希美は、梨華に目で合図を送ってくる。

梨華は男の気をそらすため、必死で喋り続ける。


「あなたも、私達モーニング娘。のファンなんでしょ、
 メンバーを傷つけたり、脅かしたり、悲しませて
 どこが面白いの・・・、ねぇ、お願いだから、
 メンバーを今すぐ、解放してあげて」

「・・・・」

「お願い・・・モーニング娘。のファンには悪い人なんて
 いるはずが無いって、私は信じてるわ。
 あなたは本当はいい人なんでしょ・・・、
 お願い、今からでも遅くないわ、バカなことをやめて」


梨華の瞳から、涙がこぼれ落ちる。
203 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:39
 それを見た男も泣きながら、

「チャーミー・・・もう遅いんだよ〜、こうなったら
行くところまで行くしかないんだよ・・・。
チャーミー、俺と一緒に行ってくれないか」


「・・・行けるはずがないでしょ」


「そうか、それなら仕方ない、チャーミーを殺して、
 俺も爆弾で死んでやる・・・」

男は、腕を伸ばして拳銃の引金に指をかけた。


梨華は思わず目をつぶった。
204 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:43
 その時、希美が男の後ろから勢いをつけてダッシュして
来ると、男の背中に猛然と頭から突っ込んできた!!


「発射ぁ〜〜〜!!!!」

ゴォオオオ〜〜〜〜ッン!!!!!


背中に一撃を食った男は、衝撃で前のめりに倒れこむ!!

左手のダイナマイトは、手からふっ飛んだが、
拳銃はまだ離さずに、背中の希美をどかそうと
男はもがく。

すると、麻琴が座席の上から大きくジャンプして
男と希美の上に、体ごと飛び降りる!

グェエッ〜〜〜!!!

と、男と希美がつぶされそうな声をあげる〜。

続いて、れいなも3人の上にのしかかる!
205 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:46
 梨華も夢中で、拳銃を持った男の手首を足で踏みつける!

何度も踏みつけると、男はたまらず拳銃を離してしまう。

梨華は拳銃を遠くへ蹴りとばすと大声で助けを呼んだ!

「誰か〜〜!!早く来て〜〜〜!!!!」

ようやく、両側の入口から警官がなだれ込んで来て、
男を大勢で押さえ込むと、手錠をかける。

それを見た梨華は、緊張で張り詰めていた糸が
切れたのか、通路に座り込むと、

ゥワーン〜!と大声を上げて泣き出した・・・。

それを見た、さゆみが駆け寄って梨華に抱きつくと
一緒になって大声で泣き出した。

他のメンバーもふたりに抱きついてくる・・・。
206 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:48
 翌日のスポーツ紙の一面に、でかでかとこの事件が載った。


『新幹線のぞみ号の車内で、のぞみ大活躍!!』


その大きな見出しの下に、
希美が満面の笑顔で、ピースをしてる写真が・・・。


その記事を見ながら梨華は思った。

そりゃあ、拳銃を持った犯人に勇敢に体当たりして
行った希美は偉いと思うけど、
私だって、少しは犯人逮捕に協力したのだと梨華は
思うのだけど・・・。

でも、圭織も大したケガでもなかったし、メンバーも
全員無事だったし良かったと、梨華は素直に喜んだ。
207 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:51
 その日、梨華はつんくに呼び出された。


「あ、チャーミー、話というのは例の事件の事で
思ったんやけど、またこんな事件が起こらんとも
かぎらんし、それに対処した組織を作ろうと思うんや。

あのチャーリーズ・エンジェルみたいなものを
考えてるんや。メンバーはハロプロの中なから
選ぶつもりや。もちろん、チャーミーをリーダーに
と考えてる」

それを聴いた梨華は有頂天になった。

「それは、いい考えね〜!そうね〜、名前は、
チャーミーズ・エンジェルにしたらどうかしら〜」

「チャーミーズ・エンジェルって・・・」

「そうよ〜、いい名前でしょ〜、これに決まりね〜」



      終わり。
208 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:54
209 :チャーミーズ・エンジェル :2004/11/20(土) 14:54
210 :SALT :2004/11/30(火) 20:24

名前: tuyoshi 投稿日: 2003/07/03(木) 01:45 [ SH8VnzylI ]


     『敵に塩を送る』


オーストラリアから女子大に留学しているミカがなつみに
質問してきた。

「安倍さん、私日本の戦国時代の武将を研究しているのだけど、
 今、上杉謙信のことを勉強しているのだけど、とても理解
 出来ない事があるのだけど、教えてくださ〜い」

「ええ〜、私は社会とか日本史とか苦手なんだけど、
 私でわかることなら・・・」

「上杉謙信は、何度も川中島で戦った敵の武田信玄に塩を
 送ったそうですが、これがわかりませ〜ん。
 敵に塩を送って、もし、敵が元気になって攻め込んできて、
 味方が負けてしまったら、どう、言い訳するのですか?
 私には理解出来ませ〜ん」

「そんなこと、私に聞かれても困るんだべさ・・・」
211 :SALT :2004/11/30(火) 20:26
 永禄十年(1567年) 甲斐の武田信玄は、甲斐、相模、
駿河の三国同盟を破って、駿河に侵攻した。

駿河の今川氏真は、謙信に救援を求めると同時に相模の北条氏康と
はかり、三国同盟を破った報復措置として、甲斐へ塩を送ることを
全面的に禁止した。 
これは塩留めという経済封鎖だった。
これによって甲斐の領民の困窮は計り知れないものがあった。

 
越後の上杉謙信の居城、春日山城。

謙信は、甲斐へ探索に向かわせた、くノ一の茶々の報告を受けた。 
塩を止められた甲斐の領民は困り果てているとのことだった。
甲斐は海が無い国、これまでは塩を生産している駿河や相模に
主に塩の補給を頼っていたのだ。

すると家臣の1人が、塩を止められて弱っている今こそ、
宿敵武田信玄を打ち破る絶好の機会だと進言した。
212 :SALT :2004/11/30(火) 20:29
 今川の救援要請もあり謙信は考え込んだ。

すると、謙信の遠縁の有紀御前の娘で、妻や子がいない謙信が
養子に迎えた亜弥弥姫が、謙信の前に進み出て言った。

「父上様、お願いします、甲斐の領民には何の罪もありませぬ。
どうか、越後の塩を甲斐へ送ってやってくださいませ。
父上様は何よりも信義を貫いて来たではありませぬか・・・」

亜弥弥姫の言葉に、謙信は立ち上がった。

「信玄と争うところは戦争であって、米や塩を止めることではない」

と、以前と同様に甲斐に塩を送るように蔵田五郎左衛門に命じた。
これを伝え聞いた甲斐の領民は、謙信に対して深く恩義を感じ、
感謝したと伝えられている。
213 :SALT :2004/11/30(火) 20:33
「というわけなの、よくわかったでしょ」

と、なつみの友達で、日本史に詳しく、また新潟出身の
麻琴がミカに言った。

それでも、ミカは納得しない。

「敵に塩を送って、何の得があるのですか?」

「その・・・、だから、塩を送られた甲斐の領民は
謙信の行為を『徳』としたのよ」


「得と徳・・・、わかりませ〜ん」

すると、なつみが、

「ほら、ギブ何とかって言うでしょ」

「オ〜、ギブ・アンド・テークですか。でも、塩を送ることに
よって、謙信は何を得たのですか」

「だから、徳を・・・」
と、麻琴。

「わかりませ〜ん」

とうとう、なつみが怒り出した。

「もう、そんなことはわからなくて良いの!ようするに、
塩はなくてはならない、大事な物だってことなの!
塩がないと人は生きて行けないの!わかった!!」


「・・・ハイ、わかりました」

ミカは渋々納得した。


      
      終り
214 :作者 :2005/02/22(火) 02:10
以下の作品は、以前投稿したものの一部を
修正加筆をして書き直したものです。
215 :   「無人島でスッポンポン」 :2005/02/22(火) 02:16
 
 どういうわけか、モーニング娘。が無人島に来ています。

すると、メンバーから離れて島の反対側に
ひとりで歩いて行くのは、 矢口真里。

それを見逃さず、こっそりと後をつけるのは、
辻希美と加護亜依。


「真里ちゃん、どこ行くのかな〜」

 
「後をつけて見ようよ」


真里は海岸沿いに歩いていき、誰もいない
砂浜で立ち止まった。

そして、着ていたパーカーを脱ぎ、短パンも
下ろしてしまう。
ついには、あたりをうかがいながら下着も
脱いでしまう。


それを遠くで見ていた辻加護のふたり、


「あれれ〜真里ちゃん、スッポンポンだよ」


「お〜、プリっとしたお尻がたまらんの〜」


「あんたは、オッサンかい!」


まっぱになった真里は海に入って行く。
そして、気持ち良さそうに泳ぎ始めた。

「真里ちゃん、前に無人島でスッポンポンに
 なって泳ぎたいって言ってたね〜」

「気持ち良さそう!うちらも行こう〜」

「よっしゃー!、もぐって行って、
 カンチョウしちゃお〜!」


「そんなことしたら、中まで入っちゃうぅ」


どこの中まで入っちゃうんだか・・・。


二人も服を脱ぎ捨て、まっぱになって海に入って行く。

野生化したWコンビに襲われた真里は
どうなってしまうのか!


216 :   「無人島でスッポンポン」 :2005/02/22(火) 02:35
 まっぱで泳いでいた真里は、バチャバチャと音を立てて
近づいてくる者に逃げ腰になったが、
その二人が辻と加護とわかり少し安心する。

しかし、安心するのは、まだ早い、
ただならぬ雰囲気で近づいてくる二人に
思わず真里は逃げ出す。


「真里ちゃん、待てー!!待たないと
 カンチョウしちゃうぞ〜!」


「しちゃうぞ〜!」


「おまえらー!、なに考えとんのよ〜!!」


3人のいる所は浅く、真里は海の中を走って逃げる。

懸命に逃げる真里だが、波に足を取られて
ついにつかまってしまう。


「あっー!!どこを触ってんだよーー!!」


「お姉ちゃん、いいケツしてまんな〜」


「このプリプリはたまりませんな〜」


真里も反撃に出る。


「へっへへ〜、あんさん、以外とボインちゃんだね〜」


「ヤダ〜!、触らんといて〜!」


思わず胸を両手で抑える・・・。


「真里ちゃんも、もう少し胸があればね〜」


「ほっといてよ〜、おまえに言われとうない!」


さんざん、じゃれ合って遊んだ三人は少し疲れて、
砂浜へ上がった。
217 :   「無人島でスッポンポン」 :2005/02/22(火) 02:39
 真里が足を伸ばして砂浜に腰を降ろすと、
さっそく希美が真里の膝の上に乗ってくる。


「あぁーー!、重いよ〜〜!!」


加護も後ろから真里の首に抱きついて来る。


「うぁーー!暑くるしいよ〜〜!」

でも、少し嬉しそうな真里・・・。


やがて、辻加護のふたりは砂遊びをはじめる。
夢中になって砂浜にペタンと座り込んで遊んでいる。


「ほら、そんなに砂だらけになって中に入ったら
 後で大変だよ・・・」


「中にって、どこに?」


「そ、それは・・・・」

どぎまぎする真里


「いいから、海に入って砂を落そうよ・・・」


それで、3人はまた海に入って行く、

キャアキャアとふざ合って海水をかけあう。


そんな3人を遠くで見ている者がふたり・・・。

218 :   「無人島でスッポンポン」 :2005/02/22(火) 02:44
 真里と辻加護の3人がいなくなったので、捜しに来た
吉澤ひとみと小川麻琴だった。


しばらく、3人が海で遊んでいる様子をながめていた
ふたりだが、


麻琴は、チラチラっと吉澤の顔を見る、

気がついた吉澤は、


「麻琴も、一緒に遊んでくれば」


ぱっと笑顔になった麻琴は、ちゅうちょなく
服を脱ぎ捨てて、海のほうへ走って行く。


「あっ!麻琴だよ、まこっちゃん〜!!
おいで、おいで〜!!」


近づいて来る麻琴を見て、


「おまえらと違って、まこっちゃんは
 大人っぽいね〜」


「おばちゃんだからじゃないの」


「・・・・」


ドシャバシャと、はでに水しぶきを上げて麻琴が来た。


「ねえ、ひとりなの?」


「違うよ、吉澤さんも一緒だよ〜」


希美は吉澤の姿を認めて、そちらへ走り出す。


希美は吉澤の側に来るとその腕を取って、


「ねえよっちゃん〜、よっちゃんもおいでよ〜」


吉澤は、赤ん坊のような姿の希美にまぶしそうな
顔をしていたが、


うなづいて、希美が戻ると服を脱いで海のほうへ歩き出す。


吉澤は、4人とは少し離れた所で泳ぎ出す。


「よっちゃんもこっちへ来ればいいのに」


「好きにさせておきなよ・・・」

と、真里。



5人の頭上で南国の太陽がギラギラと輝いていた・・・。


     
219 :名無飼育さん :2005/03/05(土) 23:32
続き待ってます…
220 :名無飼育さん :2005/03/27(日) 01:26
続くの?
めっちゃ続いて欲しいんやけど
221 :作者 :2005/04/09(土) 21:05
以下の作品も以前飼育で書いたものの一部です、
外部に出すため、書き直したものです。
それを再度投稿しました。
222 :梨とメロン :2005/04/09(土) 21:07
名前: tuyoshi 投稿日: 2003/10/12(日) 17:56

    

ハロコンのリハーサルが終わり、梨華はあゆみに声をかけた。

「ねえ、柴ちゃんこれからどうするの」

「うん、もう帰るよ。梨華ちゃん、家に来る?」

「えッ、いいの、行く行く〜」

「そうだ、私の家でご飯作って食べようか」

「やった〜、私が作るね〜」

「ええ〜、それが心配だな」

「何に言ってんのよ〜柴ちゃんたら〜大丈夫」

二人は途中で買い物をして、あゆみのマンションへ
着いた。

さっそく、料理に取りかかる。

「では、ビーフシチューにしようか。梨華ちゃん、
ジャガイモの皮をむいてくれない」

あゆみは、エプロンをつけながら言った。

二人は、エプロン姿でキッチンに立つ。
223 :梨とメロン :2005/04/09(土) 21:10
「柴ちゃん、何だか二人で一緒にお料理する
なんて、すごく楽しいね」

梨華は嬉しそうに言う、

「そうだね」

やがて、シチューが出来上がる。
あゆみはお玉ですくって味見をする、

「ウン。我ながら良い味に出来たな」

「さすが、柴ちゃんね〜」

「梨華ちゃん、先に食べる?それとも
お風呂に入ってからにする」

「・・・先にお風呂に入る」

「そう。じゃあ、先にお風呂入ってくれば」

「柴ちゃん・・・」

「な〜に?」

すると、梨華はなぜかもじもじしながら甘えた声で、


「一緒に入ろォ・・・」


思わず、あゆみは手に持っていた
お玉を落とした・・・。
224 :梨とメロン :2005/04/09(土) 21:12

「その・・・ダメだよ・・・」

「どうして〜いいじゃない」

「家のお風呂は狭いし、二人はダメだよ」

「そんなことないよ!十分二人は入れるよ」

「そういう問題じゃないし・・・」

「いいじゃない、入ろうよ〜」

「子供みたいなことを言わないの・・・、
あややとミキティじゃないんだから」

「それとも、柴ちゃん私と入るのはイヤなの」

「そんなことないけど・・・」

「じゃあ、一緒に入ろ!」

「梨華ちゃん、変だよ。今までそんなこと
言わなかったのに」
225 :梨とメロン :2005/04/09(土) 21:16
「今日は、柴ちゃんと入りたい気分なの。
ねえ、入ろうよ〜ぉ」

梨華は、あゆみの腕をつかまえて、
上目づかいに見た。

「ダメだって・・・」

梨華は急に泣き顔になった。

「柴ちゃん・・・私が嫌いなんだ・・・」

「なんでそうなるの、そんなこと無いって」

「じゃあ、一緒に入ろ」

「だから、なんでそうなるのよ、どうして
私と入りたいって、言うのよ・・・」

「それは・・・、じゃあ、柴ちゃんは私と
入りたくない理由でもあるの」

あゆみはこちらこそ理由を聴きたいとと
思いながら、

「だって、いきなり一緒に入ろって、そんなこと
急に言われたら、恥ずかしいじゃない」

「なにが恥ずかしいのよ〜、私と柴ちゃんの
仲じゃない、誰も見てるわけじゃないし、
ねえ、一緒に入ろ〜ぉ」

梨華に腕をつかまえられて、せがまれた
あゆみは、つい根負けしてうなづいてしまう。

「ウン・・・」

226 :梨とメロン :2005/04/09(土) 21:17
 梨華が先にお風呂に入っていた。

「柴ちゃん〜!まだ〜!」

と、梨華の呼ぶ声にあゆみは返事をしながら、
浴室のドアを開けた。

何の因果で梨華と一緒にお風呂に入らなきゃ
いけないのか、と思いながらお風呂場の戸を
開けて中に入る。

湯船に浸かっていた梨華はあゆみの姿を見て
パッと笑顔を浮かべた。

あゆみがシャワーを使い始めると、梨華は
ザバーッと湯船から上がり、背中を流して
上げると後ろにまわる。

仕方なくあゆみが背中を向けると、梨華は
ボディソープをたっぷりつけたスポンジで
あゆみの背中を擦る。
227 :梨とメロン :2005/04/09(土) 21:19
 梨華はあゆみの背中をこすりながら、

「柴ちゃんの肌って、すべすべしてキレイ
だね・・・」


「そうかな」


梨華はあゆみの腰の辺りをごしごしと強く
こすっていると、つい石鹸で手がすべり、
つるっと、あゆみの胸に触れてしまう、


「梨華ちゃんっ!」


びっくりして振り返るあゆみに、

「あっ、ごめん〜手がすべったのよ」

梨華は何食わぬ顔で続けている。
228 :梨とメロン :2005/04/09(土) 21:21
 仕上げに、洗面器のお湯をバシャ―ッと
背中にかけて洗い流すと、梨華は今度は
自分が背中を向ける。

仕方なくあゆみは梨華の背中をスポンジで
洗い出す。


「梨華ちゃんの肌もキレイだよ」

梨華は嬉しそうな笑顔を見せた。

ところが、あゆみが梨華の腰の当たりをこすると、


「アア〜ン、ダメ〜〜」

と、嬌声を漏らした梨華に、あゆみは
洗面器をつかむと、
パコーンッ!と梨華の頭を叩く。


「痛〜い!柴ちゃん、何するの〜」


「痛〜いじゃない!!、なに、悶えてるのよ!」


「だって〜、そこは感じるの〜」


「梨華ちゃん!怒るよ!」

と、あゆみは立ち上がる。
229 :梨とメロン :2005/04/09(土) 21:23
 梨華は立ち上がったあゆみを見ると、
また泣き顔になった。

「柴ちゃん、やっぱり私が嫌いなんだ・・・」


あゆみは、どうしょうもないという顔で、
梨華の肩に手を置いて、

「ホント、おかしいよ今日の梨華ちゃんは。
まあ、梨華ちゃんがおかしいのは、いつも
のことだけど」

「おかしくない〜、じゃあ柴ちゃんは私のこと
好きなの、嫌いなの?」

あゆみは呆れたように梨華を見ると、

「そんな梨華ちゃんは嫌いです!」

すると梨華は泣き出しながら、

「やっぱり柴ちゃんは私のこと嫌いなんだ、
この前、カントリーのあさみとご飯食べに行ったり
して仲良くしてるって聴いたわ、もう私を捨てるんだ」
230 :梨とメロン :2005/04/09(土) 21:25
 あゆみは、どうしようもないと首を振りながら、

「カップルじゃないんだから、馬鹿なことを言わないの!
どっからそんなことを聴いたのよ、変な焼餅をやかないの!」

「じゃあ、柴ちゃんは私のこと好きなの?」

「はいはい、好きだよ」

あゆみは投げやりに言った。


梨華の顔がぱっと輝いて、機嫌が直る。



あゆみは、体が冷えているのに気がついて湯船に入った。
暖かいお湯に浸かって、一息ついていると、

私も入ると、梨華も湯船に入ろうとする。

「ちょっとぉ〜!、梨華ちゃん無理だよ〜」

梨華はかまわず強引に入ってくる。
231 :梨とメロン :2005/04/09(土) 21:27
 さすがに二人だと、いかにも狭い。二人は膝を立てて、
窮屈そうに向かい合わせになった。


「柴ちゃん・・・」


「なによ」


「柴ちゃんのボディって、意外にボリュームあるんだね」


あゆみが、腕を伸ばして洗面器をつかんで振り上げると、


「ゴメンゴメン!褒めたつもりなのよ〜」


梨華はあわてて、手を振って謝った。

232 :梨とメロン :2005/04/09(土) 21:30
 梨華は湯船の中で腰を浮かすと、あゆみに 
膝を伸ばすように言うと、移動してあゆみの
膝の上に腰を降ろす。

「ちょっと、ちょっとぉ梨華ちゃん」

梨華はかまわず、あゆみに体をあずける。

「ね、この方が窮屈じゃないよ」

あゆみは手のやり場に困ってしまう。

「・・・お姉ちゃんや妹とこうして一緒に
入ったことがあるの」

「え〜、梨華ちゃん、今でも」

「違うわよ、子供の頃の話・・・」

「そっか。私はお兄ちゃんがいるだけだから、
そういうの、いいね」

「でしょう。たまに一緒にお風呂に入るのも
いいもんよ」


あゆみはうなづくと、そっと梨華の腰に手をまわした
233 :梨とメロン :2005/04/09(土) 21:31
 風呂から上がると、楽しかった食事を終え、
二人で無駄話をしているうちに、夜もふけてくる。


「梨華ちゃん、今度は一緒のベッドで寝ようって、
言わないでよ」


「ええ〜、ダメなの〜」


ダメ〜、と言ってあゆみはベッドの下を指差した、


「梨華ちゃんは、そこよ」


「あ〜ん、柴ちゃんの意地悪〜」


それでも、梨華は夜中にあゆみのベッドの中に
もぐり込むつもりだった・・・。

      
           

      終わり。
234 :名無飼育さん :2005/04/10(日) 13:47
現実にありそうですね
...これDVD化したら売れるだろうな(お風呂シーンは無理としても)
235 :名無飼育さん :2005/04/23(土) 09:20
更新、お待ちしてます
236 :クローン・チャーミー :2005/04/30(土) 17:04
 夜、俺とリカが家に帰ろうと車を走らせている時だった、
前方に車が一台止まっているのが見えた。

男がタイヤの前にかがんで様子を見ている、隣には
女性が心配そうに立っていた。


俺はその車の後方に車を止めた。


「どうされたのですか」


声をかけてみると、男性は振り返って、


「いや、急にタイヤがパンクしたらしくて困っているんです」
237 :クローン・チャーミー :2005/04/30(土) 17:08
 俺は車から降りて、

「それはお困りですね、修理を呼んだのですか」

「ええ、一応呼んだのですが、それを待つにしろ私が
スペアタイヤと交換するにしろ、時間がかかりそうです」


すると女性が、

「あの〜どちらの方へ行かれるのですか・・・」

俺は行く先を言った。

「それなら、途中までで良いですから乗せて行って
頂けないでしょうか、時間が無くてどうしても早く
行かなくてはならないのです。タクシーも中々
つかまらなくて」


「ええ、いいですよ。どちらへ行くのですか?」


彼女は、地名と放送局の名前を言った。
238 :二人の梨華 :2005/04/30(土) 17:13
 街灯に照らし出されて彼女の姿を見た、俺は彼女の
その顔とその声で、やっと彼女が誰だか気がついた。


彼女は、元モーニング娘。の石川梨華さんだった。

送ると返事をした後では、断るわけに行かなかった。

俺は彼女と車の所へ戻った、リカが助手席から出て
車の側に立っていた。
リカは帽子をかぶっていて顔はよく見えない。

俺が後部座席のドアを開けて石川さんを乗せた、
すると、リカが続いて 一緒に乗り込んでしまう。


俺は、これはまずいと思ったが仕方なく前の運転席に
乗り込んだ。
239 :二人の梨華 :2005/04/30(土) 17:16
 俺はバックミラーを見た、まるでこれは神様のいたずらなのか、
単なる偶然とは思えない事態になっていた。


後部座席には石川梨華さんと、その分身である、
クローンのリカが並んで腰掛けている・・・。


リカと暮らし始めて1年近くになる。
リカは、石川梨華さんのDNAから再生されたクローン人間なのだ。


リカは、紆余曲折の末に俺と一緒に暮らすこととなった。
今は充実した毎日を送っている。
240 :二人の梨華 :2005/04/30(土) 17:19
 会社を辞めて、安アパートを引き払い今のマンションに
越していた。
というのは、前から描いていた漫画を時たま出版社に
持ち込んでいたのだが、クローンのリカをヒロインにした
漫画が採用されて、それが大当たりで、たちまち俺は
売れっ子の漫画家になれたのだ。


俺は石川さんに声をかけた。

「石川梨華さんですよね、モーニング娘。の頃から
ファンだったんです。お会い出来て嬉しいです」


「そうなんですか、ありがとうございます」

241 :二人の梨華 :2005/04/30(土) 17:22
 ライブには何度も行ったが、こんな狭い車の中で
同じ空気を吸えるなんて・・・少し興奮してきた。
よけいなのが一緒だが・・・。

そのリカが石川さんに声をかけてくる、



「あたちも、梨華ちゃん大ちゅきなの〜」


ミラーを見ると、リカが石川の腕を取り体を寄せてきている。

石川さんは、ちょっと驚いたようにリカを見た、
242 :二人の梨華 :2005/04/30(土) 17:26
 俺がテレビやDVDで石川梨華さんをよく見るので
リカも自然と好きになっていったようだ。

「あたちも、リカってゆうの」

「まあ、そうなの・・・」


石川さんはリカの舌足らずの子供っぽい喋りかたに
戸惑っているみたいだ、
外見は、自分と同じくらいの年齢に見えるのにと
思っていることだろう。
243 :二人の梨華 :2005/04/30(土) 17:29
 車内は暗く、帽子をかぶったリカの顔はよく見えない
はずだが、顔をよく見たら驚くことだろう、
自分と同じ顔の女の子を見ることになるのだから。

声も同じだということは、舌足らずの喋り方に
惑わされてまだ気がついてないみたいだ。

リカは、外見は石川さんと同じ20歳の女性なのだが、
中身は、まだ2、3歳の幼児と変わらないのだ。

最近のリカの成長は著しくて喋ることもだいぶ
話せるようになったが、やはりまだまだ子供なのだ、


「ねえ、梨華ちゃん〜テレビみたいに歌ってよ〜」

と、リカは石川さんの腕を取ってせがみ出した、
244 :二人の梨華 :2005/04/30(土) 17:37
「リカ!よさないか!石川さんが困ってるじゃないか!」

俺はあわてて言った。

「いえ、いいんです。リカちゃん、ごめんなさい、
ここでは歌えないの」


「すみません、妹なんですが子供っぽくて
困ってるんです・・・」


外では、リカは妹ということにしてる。

石川さんは俺に向かって、

「失礼ですが、妹さんはおいくつなのですか」


すると、リカは指を3本だして、

「あたち、みっつなの〜」

「はあ??」
245 :二人の梨華 :2005/04/30(土) 17:46
 俺は大あわてで、

「違います!リカは、その・・・18歳です!」


この間、リカの年はみっつだと、冗談半分に教えたことが
あったのだ。それをリカはおぼえていたようだ。 
俺は思わず冷や汗を拭った。

「はあ、そうなんですか・・・」

その後、しばらく後ろは静かになっていた。
246 :二人の梨華 :2005/04/30(土) 17:48
 またミラーで見てみると、
リカは石川梨華さんに寄り添って目を閉じていた、
石川さんもそんなリカの肩に手をまわしている。


ふと見ると、リカの帽子が落ちている、
その帽子を石川さんが膝に置いていた。


果たして、石川さんが自分のクローンが存在する
ことを知っているのかどうかわからない。
それを知った時、どう思うのだろうか。


リカは今は何もわからない。
247 :二人の梨華 :2005/04/30(土) 17:51
 車は目的の放送局の前に到着した。
俺は車を止め、すぐに降りて後部のドアを開けた。


梨華とリカは寄り添って座っていた。

俺は手を差し伸べた、すると、
手前にいる石川さんが手を伸ばすより早く、
リカが手を伸ばしてきて、俺の手をつかまえた。


二人の梨華≠ヘ、連れ立って車を降りた。
248 :二人の梨華 :2005/04/30(土) 17:54
「送って頂き本当にありがとうございました」

石川さんは頭を下げた。

「いえ、ついでですから、それに石川梨華さんを
送ることが出来て、友達に自慢が出来ます」


石川さんはリカの方を向いた、建物の明るい灯りが
リカの顔を照らし出していた・・・。

「梨華ちゃん、バイバイ〜」

リカは無邪気に手を振っている。


石川さんの表情が一瞬凍りついたように見えた、


無理も無い、自分自身と寸分違わない分身が
そこに存在したのだから。
249 :二人の梨華 :2005/04/30(土) 17:57
 しかし、決定的に違うものがひとつだけあった。
石川さんはリカの手を取ってまじまじと見つめた、
そしてもう一度リカの顔を見つめた。


「あなたは、肌が真っ白いのね・・・顔も手も」


石川さんは後ろ髪を引かれるように、何度も
振り返りながら、放送局の中へ入っていった。


気がつくと、リカは俺の手をしっかりと握っていた。


また車を走らせて帰途に着いた。


もう二度と、リカを石川梨華さんに会わせたく無い。
今は何もわからないが、将来自分がクローン人間だと
知ったら、どんなにかショックを受けるだろう。


そんな思いは絶対にさせない。
250 :クローン・リカ :2005/04/30(土) 18:01
 今や売れっ子の漫画家になった俺は、部屋で仕事の漫画を
書けばいいので、リカと一緒に過ごせるので好都合だった。

漫画はパソコンを購入してタブレットで書いている。
書いた漫画は、そのまま出版社に送信すればいいの
だから、便利な世の中になったものである。


リカは、外見は石川梨華さんと同じ20歳の体なのだが、
中身はまだ2、3歳の幼児なのだが、それでもリカの成長は
著しく、乾いたスポンジが水を吸収するように知識や
言葉を覚えて言った。
251 :クローン・リカ :2005/04/30(土) 18:03
 普通の幼児がするようにリカも見るものすべてを
うるさく俺に質問してくる。

「あれは何? なぜなの? どうして?」

それに対して俺は辛抱強く質問に答えてやるのだが
仕事の漫画を書いている時に、それをやられると
さすがにうるさく感じて、


「後で〜!」


と、突き放してしまうと、リカはかんしゃくを起こして、
俺の仕事の邪魔をする。
252 :クローン・リカ :2005/04/30(土) 18:06
 以前リカが偶然にパソコンのコードを足に引っ掛けて
しまい、それでコードが抜けてパソコンの電源が落ちて
しまったことを憶えていて、俺が仕事でリカをかまって
やらないと、頭にきてパソコンのコードを引き抜いて
しまったことがある。


リカがコードを引き抜こうとしたので、
俺は思わず大きな声で叱った、


「ダメだよ!!コードを抜いちゃ!」


起動しているパソコンのコードを抜かれると、
せっかく書いた漫画のファイルがダメになるだけでなく
最悪の場合、ハードディスクがパーになり、パソコンが
壊れてしまう。
253 :クローン・リカ :2005/04/30(土) 18:09
 リカはプイと横を向いてすねると、向こうに行って
ゴロリと横になって、ふて寝をしてしまう。


リカには可哀想だが、仕事の漫画を書く作業を続け、
なんとか一段落をつけて、リカのご機嫌をうかがいに
行くと、リカは知らん顔で寝たふりをする。

254 :クローン・リカ :2005/04/30(土) 18:11
 俺が側に行っても見向きもしない。そんなリカは
ほって置いて、食事の前にお風呂に入ってさっぱり
することにして服を脱ぎ出すと、

それを見たリカがパッと顔を輝かして起き出して来る。


最初はお風呂を怖がっていたリカだが、今ではお風呂が
大好きになっていた。もちろん、いつも俺と一緒に入る。

嬉しそうにやって来たリカを座らせると、服を脱がしてやる。
255 :黄色いアヒル :2005/04/30(土) 18:15
 今はリカに色々な洋服を買ってやっている。
やはり梨華と同じでピンクの服が好きなのだが、
俺とリカの思い出のピンクの服は、大事にしまってある。

ワンピースの服を脱がせると、下着のブラと
ショーツだけになる。

体を締め付けるブラをリカは嫌がったが、外へ
出かける時はブラが必要なほど、リカの胸は
成長している。



ブラを外しショーツをおろしてやると、リカはそのまま
バスルームへ向かった。
越してきたマンションの浴室は、前のと較べれば
格段に広かったが、やはり大人の体のふたりが
一緒に入ると少々狭く感じる。
256 :黄色いアヒル :2005/04/30(土) 18:17
 俺が後から浴室へ入ると、リカはタイルに膝をついて
湯船に手を差し入れて湯加減を見ていたが、
あちち〜と手を引っ込める。

それを見た俺が笑うと、リカも楽しそうにに笑い出す。

俺が水をうめると、リカは買ってきたお湯をかき回す
棒で、一生懸命に湯船の中をかき回す。


上がり湯をかぶった後、湯船に二人で浸かる。
257 :黄色いアヒル :2005/04/30(土) 18:19
 最初はリカと一緒に入浴することには、ドキドキ
ものだったが、あれから毎日のように一緒に入って
いると、さすがに慣れてきていた。


俺は、外ではリカを妹として扱い、家の中では
父親としてふるまっていた。


リカが精神的に大人になる将来はわからないが、今は、
そういうふたりの関係は、それで上手くいっていた。
258 :黄色いアヒル :2005/04/30(土) 18:23
 湯船の中でリカはいつものように、俺の膝に腰を降ろす。
俺は人並みの体だが、リカのお尻を膝に受けると
さすがに重く感じる。

リカは黄色いアヒルのオモチャを手に取ると遊び出す。


最初にふたりで入った時から、そのアヒルのオモチャを
たいそう気に入っていて、俺が買ってきた他のオモチャには
見向きもしない。


やがて俺が好きなタンポポの唄を口ずさむと、リカも
一緒になって歌い出した。


「・・・好きです〜♪」


歌い終わると、湯船から出てリカの体を洗う事にする。
259 :黄色いアヒル :2005/04/30(土) 18:27
 リカを腰掛に座らせると背中をスポンジで洗い出す、  
いつも思うのだが、リカの肌は一点のシミもなく、
きめ細かな真っ白い肌をしている。

肌触りもすべすべして、とても気持ちがいい。まるで
赤ん坊のような肌だった。事実、その通りなのだ。
リカは体は大人だが、この世に生まれ出て3年たらずしか
立ってないのだ。 


リカは俺に背中を擦られながら、舌足らずな声で
色々喋り出す。
もっかのリカの遊び相手は、隣の3歳の女の子なのが、
260 :黄色いアヒル :2005/04/30(土) 18:29
 リカは俺が仕事の漫画を書いている時など、隣へ行って、
その女の子とよく遊んでいる。

その女の子の事を、こうしてお風呂に入ってる時など
俺に話して聞かせるのだ。


その隣の女の子の母親は、俺の顔を見ると、

「あんたも大変ねえ。妹さん、梨華ちゃんにそっくりで
あんなに可愛いのに、あんな風じゃねえ・・・」

と、よく言う。


リカが、3歳の自分の娘と同レベルの会話をしているの見て、
どうやら、リカが知恵遅れの障害を持っていると思っている
ようだった。

俺は、笑って何も言わなかった。
261 :Slug :2005/04/30(土) 18:34
 リカを前に向かせると、体の前の部分を洗ってやる。
腕を取って脇の下からお腹を洗ってやる、
わき腹を洗うと、くすぐったいのか笑い出す。

そして、リカが動くたびにぶるぶると揺れている胸も、
スポンジで洗ってやる。

いつもリカは、俺が胸を洗う時の生真面目な顔が
おかしいのか、クスクスと笑っている。

どうしても、女性の胸を洗ってやる時は真剣な顔に
ならざるをえないのだが、

それで、リカにもう自分の体は自分で洗わせようと
するのだが、いまだにリカは俺にやってもらいたがる。
262 :Slug :2005/04/30(土) 18:38
 洗い終わると、シャワーで体を流してやった後、
髪にシャワーをかけてやりながら、リカにシャンプーを
取るように言うと、

リカは膝をついて子供用のシャンプーを手に取ろうと
した時、
タイルの壁に何か変なものが張り付いているのを見て、
顔を近づけたが、


「?!!」


リカは声も出ないほど驚いて、俺に強くしがみ付いて来た!

いきなり裸のリカに抱きつかれて俺も驚いたが、
リカの体が恐怖でぶるぶると震えている、
263 :Slug :2005/04/30(土) 18:43
 リカが指差すものをよく見てみると、それは大きな
なめくじだった。

ここは一階なので、暖かくなると排水口からなめくじが
風呂場に入り込んでくるのだ。


俺は笑って、あれはなめくじだよ、何にもしないから
怖くないよと、言い聞かしたが、
リカは初めて見たなめくじに怯えて、さらに強く
俺に抱きついてくる。

リカの濡れた肌が俺の全身にねばりついてくるようで、
息がつまりそうになる、

ようやくなんとかリカを落ち着かせると、そのなめくじに
熱いお湯をかけて、排水口へ流してしまう。
264 :Slug :2005/04/30(土) 18:46
 その後、リカの髪を撫でてやりながら慰めた。
誰でもあんな大きな、なめくじを見たら気持ち悪く
なるだろうから、無理もなかった。


俺とリカは早々にお風呂からあがることにした。

風呂から出てしまうと、リカはケロッとしていて、
バスタオルで全身を拭いてやると、そのまま
裸で居間のほうへ駆け出して行ってしまう、

あわてて替えの下着を持って追いかけて、
俺の肩につかまっているリカに足を上げさせ、
下着をつけさせる。
それからパジャマを着せる。


それから、腹を空かせたリカのために、夕食を
作らなくてはいけない。
リカの好きなハンバーグを焼くことにする。
265 :Slug :2005/04/30(土) 18:49
 最近はリカも料理に興味を持ち出したようで、
俺と一緒にキッチンに立って手伝おうとする、

しかし、リカは俺が教えたにもかかわらず、
塩や砂糖は手づかみでドバッと入れてしまうし、
醤油や油も瓶からドクドクッと流し込んでしまう。


その結果、リカの作った悲惨な料理を食べさせられる
はめになってしまう。


その辺は、DNAが同じ梨華に似ていると言える。
266 :Slug :2005/04/30(土) 18:51
 その日の夕食は、俺が焼いたハンバーグとスープ、
俺が下ごしらえをして、リカがドレッシングを
ドバーッとかけたせいで少々酸っぱくなったサラダ。


お腹いっぱいになって満足したリカは、ソファーに
陣取って、テレビのリモコンのスイッチを入れる。

今夜は、生放送の歌番組に、梨華がリーダーの
ユニットが出演する。

267 :姉妹 :2005/04/30(土) 18:53
 梨華たち3人が登場すると、

「ほら、お姉ちゃんだよ〜!」

と、画面を指差した。


梨華と偶然出くわしてからは、
リカは梨華をお姉ちゃん≠ニ呼ぶようになった。


もし、リカと梨華が並んでいれば、双子の姉妹としか
見えないだろう。
268 :姉妹 :2005/04/30(土) 18:57
 リカは華やかな衣装で歌う梨華を食い入るように
見つめている。


俺はテレビの画面の中の梨華と、俺の側にいるリカを
見比べた、

手の届かない遠い存在でしかない梨華。

その分身で、俺に寄り添いその温もりをじかに感じる
存在のリカ。


俺は類稀な幸せ者と言えるかもしれない。
269 :作者 :2005/04/30(土) 19:00
更新はここまでです。

この作品は、自分のブログに連載したものです。
次はいつになるかわかりませんが、
また書きたいと思います。
270 :名無飼育さん :2005/05/02(月) 00:41
超面白い!!
なるべく早い更新をお待ちしております
271 :名無飼育さん :2005/05/06(金) 01:09
更新、待ってます
272 :名無飼育さん :2005/06/02(木) 01:45
更新待ってます
273 :名無飼育さん :2005/08/05(金) 10:51
作者さ〜ん!!
更新、待ってます。
274 :999回のキス :2005/08/10(水) 10:11
 夏休みになって16歳の高校生愛は、学校のテニス部の
先輩や同級生と、千葉の海の民宿へ泊りがけの海水浴に
行くことになった。

男子は、先輩の吉澤、大谷。
クラスは違うけど、同じ学年の後藤。

女子は、同じクラスの里沙と麻琴。そして愛の、
この6人だけで行くはずだった、



しかし、中学生の妹のさゆみが、

「お姉ちゃん!私も行きたい〜!」

と言い出した。
この妹のさゆは何でも姉の愛の後について行きたがる。

275 :999回のキス :2005/08/10(水) 10:13
 実は、愛は密かに憧れている吉澤先輩と一緒に海に
行くことを楽しみにしていたのだ。

そんなところに妹のさゆがくっ付いてくると邪魔で
しょうがない。


愛が、ダメ!連れて行かないと言うと、さゆは
泣き叫んで、どうしても連れて行けと大騒ぎになる。

結局、母にも言われ愛は渋々さゆを連れて行くことに
なった。
276 :999回のキス :2005/08/10(水) 10:15
 そこで、愛はさゆに言い渡した、


「絶対に私の邪魔をしないこと。自分の世話は
自分ですること。みんなの前では大人しく
してること」


さゆみは大喜びで、言う通りにすると誓った。
そして、


「大丈夫、お姉ちゃんと吉澤先輩の邪魔はしないよ。
あ、そうだ、お姉ちゃんが言えないのなら、私が
お姉ちゃんが好きだってことを先輩に言って上げるよ!」

「なにお〜!よけいな事はせんでええ〜!!」

愛が怒って手を上げると、さゆはあわてて逃げ出す。

愛は、こんなことでは先が思いやられると、
今から心配でしょうがなかった。
277 :999回のキス :2005/08/10(水) 10:17
 テニスの部員仲間6人に、愛の妹さゆみを入れて
7人は海岸近くの民宿に到着した。


これから三泊四日の海での毎日が始まる。


皆はさっそく水着に着替えると海水浴場へ行って見る。

砂浜の入り口に、大きな看板が立っていて
注意書きが書いてある。
278 :999回のキス :2005/08/10(水) 10:19
 愛が、何げなく読んでみると、


『この海岸には、ミヨという沖へ向かう潮流が
流れています。このミヨに乗って流されてしまうと、
どんな泳ぎの上手い人でも逃れられなくて、沖へ
流されてしまうので、絶対に近寄らないこと。』


すると、さゆが愛の手を取って、

「お姉ちゃん、早く行こう!」

さゆは嬉しくてたまらない様子で、愛の手を
引っ張って海のほうへ行く。
279 :999回のキス :2005/08/10(水) 10:20
「ほら!お姉ちゃん、海だよ!」

「わかってるって、海に来たんだもの海があるのは
あたり前だって」

「そうだね〜」

愛は、妹のいかにもきつそうな水着を見て、
だから、そんな小学生の頃の水着なんてどうして
持って来たのかと言うと、

さゆは、そのピンクの水玉の水着が大好きなんだと
意に介さない。


愛とさゆは大谷や里沙と麻琴のところに行く。
280 :999回のキス :2005/08/10(水) 10:23
 行きの電車の中でもさゆは大はしゃぎで、
頭の上で両手の2本の指を開いて、うさちゃんピースと
やって、皆を笑わせていた。

愛はさゆを皆にまかし、吉澤先輩を探すと、
先輩は水着に着替えてなくブラブラと歩いている。

愛は先輩の側に行くと、

「先輩〜泳がないんですか」

吉澤は、愛の水着姿にちょっとまぶしそうな顔をして、

「ああ、泳ぐのは明日からたっぷり出来るからな」

愛は、思い切ってビキニの水着を着てきたのだ。
281 :999回のキス :2005/08/10(水) 10:24
 愛は、腰を降ろした先輩の側に自分も腰を降ろす。
色々先輩と話をして、いいムードになって来た時、

さゆが後ろから、愛の首に両手をまわしてくる。


「お姉ちゃん〜!一緒に泳ごうよ〜」


「もお〜、あっちに行ってろって言うのに」


さゆはかまわずに先輩に向かって、両手を頭にやって、
うさちゃんピース〜とやって、先輩を笑わせる。


夜は、皆で花火をやることになった。
282 :999回のキス :2005/08/10(水) 10:26
 7人全員での賑やかな夕食を終えると、買って来た
花火を持ち寄って砂浜へ向かった。

昼には海へ出てこなかった後藤も誘われて出て来た。

女子は手持ち花火で遊び、男子の吉澤や大谷が、
ヒュ〜〜、ドン!と、打ち上げ花火を上げると、
女の子たちが、キャッーと楽しそうに悲鳴をあげる。

愛も線香花火を楽しんでいると、麻琴が側に来て、

「ねえ愛ちゃん、妹のさゆみちゃんあのままでいいの」

麻琴の指差す方を見ると、皆から少し離れた所でさゆが
ひとり、ぽつんとかがみ込んで花火を見ている。
283 :999回のキス :2005/08/10(水) 10:27
「いいのいいの。あの子花火あんまり好きじゃないの」

そう言うと愛は皆のところへ行ってしまう。


実は、花火に行く前に愛はさゆにひとりで大人しく
しているようにと、少しきつく言い渡したのだ。


それでも麻琴は、手持ち花火を2、3本持ってさゆの
ところへ行き、さゆにひとつを渡して火をつけた。

さゆも嬉しそうに手に持った花火を見つめている。
284 :999回のキス :2005/08/10(水) 10:30
 宿に帰り、お喋りも一段落ついて明日に備えて休む
ことになり、女子たちは部屋に布団を四つ並べて
寝ることになった。

愛の隣の布団に入ったさゆは、中々寝付かれない
様子だった。こうして親元を離れて一晩を過ごすのは
初めてなのだ。


夜中に愛がふと目を覚ますと、さゆが愛の布団に
もぐり込んで来てるのに気がついた。

さゆは愛の背中に顔をつけて寝息を立てている。

愛はさゆの方へ体を向けると、その髪の毛を撫でた。
なんだか、昨夜はさゆをほって置いてしまって
悪い事をしてしまったと思う。
285 :999回のキス :2005/08/10(水) 10:31
 翌朝、愛が顔を洗っていると、外に出ていたさゆが
部屋に戻って来て、


「お姉ちゃん!ちょっと来て!海が変なんだよ」


さゆに手を引かれて、何だよ〜と愛が行って見ると、


「ほら、昨日のお昼はずっと向こうの方まで
砂浜を歩いて行けたのに、今朝見たら波がすぐ
そこまで来てるよ!どうしてなの?」
286 :999回のキス :2005/08/10(水) 10:34
 愛は呆れたように、

「もお〜、さゆは満ち潮も知らないの、昨日のお昼は
引き潮だったので波は沖の方まで引いてたけど、
今朝は満ち潮になって潮が満ちたので波がすぐそこまで
来たんだよ」

「そうなんだ〜。でもどうして海が満ちたり引いたり
するの?」


「それは・・・その〜」

愛は返事に困ってしまう、

すると、

「それは月の引力のせいなんだ・・・」

愛とさゆがその声に振り返って見ると、
そこには、後藤が立っていた。
287 :999回のキス :2005/08/10(水) 10:35
 彼はそう言うと、さっさと行ってしまう。

後藤は普段は無口で、いつも皆の話を聴いてる
だけだった、でもテニスは上手くて吉澤なども
一目置いている存在だ。

さゆはそれを聴いて、


「そうなんだ、お月さんのせいなんだ。じゃあ月にいる
かぐや姫がうさちゃんたちに言って海を上げたり
下げたりさせてるかもしれないね」

と言って、得意のうさちゃんピースをやって見せる。
288 :999回のキス :2005/08/10(水) 10:37
 愛は呆れ返って、

「もお〜ひってあほじゃぁ〜!中学生にもなって
そんなことばっかり言ってるとホントのバカだと
思われるよ!」


「そんな事ないもん〜よし、今日も可愛いぞ〜」


「あ〜あ、こん子は頭がのくてぇじゃぁ〜!」


その時、麻琴や里沙がやって来て、どうしたの?と
聴いて来たので、愛はあわててさゆの手を引いて
民宿の方へ戻って行った。


午後になると、7人は揃って水着に着替えて砂浜に
出て来る。
289 :999回のキス :2005/08/11(木) 10:37
 午後になると海水浴場は人で込んでくる。

すると吉澤はどんどん人のいない方へ歩いて行き、
ついには遊泳禁止地域へ入って行く。

皆は吉澤の後を何となくついて行ったが、
海に浮いている遊泳禁止の赤いブイを見て、
麻琴が心配して言った、


「先輩、この辺は危ないんじゃないですか・・・」


すると吉澤は、


「平気平気。海に入らなければいいんだよ」
290 :999回のキス :2005/08/11(木) 10:40
 さゆみも皆の後をついて来ていた。

やがて皆は輪になってビーチボールで遊び始める。
女の子たちはキャアキャアと楽しそうに騒いでいる。



後藤ひとりだけが、少し離れたところに腰を降ろして
その様子を眺めている。


愛が、さゆの方を見ると波打ち際に座り込んで
ひとりで遊んでいる。


ひとしきりボール遊びをした後、ジュースを買うため
何人かは遠くの茶屋へ歩いて行った。
291 :999回のキス :2005/08/11(木) 10:41
 愛は、波打ち際から少し離れた場所に腰を降ろしている
吉澤の隣に腰を降ろした。


さゆのことは完全に忘れていた。



その頃、さゆは波打ち際で綺麗な色の珍しい小魚を
見つけ、ちょろちょろと逃げてゆく小魚の後を追って、
知らず知らず沖の方へ向かっていく。
さゆは、泳ぎはわりと出来る方だった。


そのさゆのいる場所には、沖へ向かう潮流の
『ミヨ』が潜んでいるでいることを、まったく
気がついていなかった・・・。
292 :999回のキス :2005/08/11(木) 10:43
 愛は、テニスのことなどを吉澤と夢中になって
話していた。

ジュースを買いに行っていた麻琴が帰って来て、
ふたりにジュースを渡した。


愛は冷たいジュースで乾いた喉をうるおした、
すると麻琴が、


「あれ愛ちゃん、さゆみちゃんは何処?」


そう言われて愛は辺りを見回した、
どこにもさゆの姿が見えなかった・・・。
293 :999回のキス :2005/08/11(木) 10:44
「さゆ・・・」


愛は急に不安にかられて立ち上がった。

愛は、少し前までさゆが遊んでいた波打ち際まで
走って行き辺りを見回した、

不吉な予感がして、動悸が激しくなっていた。


吉澤と麻琴も波打ち際まできて、沖の方を見た。



「さゆ〜!!」


愛は大きな声を上げて妹の名を叫んだ。
294 :999回のキス :2005/08/11(木) 10:46
 その声に離れた所にいた大谷や里沙も走って来る、

その時、麻琴が沖の方に流されているさゆを見つけた。


「大変だぁ!あれはさゆみちゃんじゃないの!」


愛は、麻琴が指差す方向を見た、
さゆの頭が浮かんでいるのが見えた、

信じられないほど、遠くに見えた・・・。



さゆはもがきながら、どんどん沖の方へ流されて
行くように見える、
295 :999回のキス :2005/08/11(木) 10:47
「さゆっーー!!」


愛はあまり泳げないのにかかわらず、波しぶきを立てて
沖のさゆに向かって走った、


だんだん海が深くなり、胸の辺りまでになってくると、
大きな波に洗われて、立っているのさえ困難になる、


「愛ちゃん、危ないよ!」

追いかけて来た麻琴が愛の腕をつかまえて
引き止める。
296 :999回のキス :2005/08/11(木) 10:54
 愛は半狂乱になっていて、麻琴につかまえられた
腕を振りほどいて、さゆの方へ行こうともがいた、


自分が、さゆから目を離していたせいでこんなことに
なってしまった、その思いが愛の中でうずまいていた。


麻琴は、必死に愛を引き止めながら、助けを求めて
砂浜の方を振り返った。

その場所は海水浴場から離れていて、まだ監視員も
気がついていないようだった、

吉澤や大谷も、途中で止まっておろおろしていた、
沖まで泳いでいく自信がないのだ。


その時だった、誰かが沖のさゆ目がけて力強く
泳いで行くのが見えた、


それは後藤だった。



すでに、ずいぶんと沖のほうへ流されてしまったさゆは、
もう、もがくのを止め、わずかに頭だけが見え、
浮いたり沈んだりしていた・・・。



愛と麻琴は祈るような思いで、一直線にさゆの方へ
泳いで行く後藤の姿を見守るしかなかった。

297 :999回のキス :2005/08/11(木) 10:56
 後藤は力の限り泳いでさゆのところまでたどりつき、
顔を上げてみると、さゆの姿は無かった。

彼が、海の中に潜ってさゆを探していると、偶然
伸ばした手にさゆの体が触れた。



愛にとって焦燥感が胸を焦がして、とてつもなく
長い時間が過ぎていた。


ようやく後藤が砂浜に向かって泳いでくる姿が見えた。


片手でさゆをかかえているのが見えた。
それを見た、皆から歓声が湧き上がった。
298 :999回のキス :2005/08/11(木) 10:57
 後藤はさゆを抱いて砂浜にたどりついた。

それを見た愛は、涙を止めどもなく流しながら
後藤に駆け寄った。


「さゆ!」


後藤は、さゆを砂浜にそっと降ろすと、かたわらに
仰向けに転がって、ゼェゼェと荒い息をしている、
全身の力を使い果たしてしまっていた。


愛がさゆの顔を見ると、目を閉じたその顔は血の気が
失せて青白い色をしていた・・・。
299 :999回のキス :2005/08/11(木) 10:59
 麻琴がさゆの口と鼻に顔を近づけた、


「・・・息をしてないよ!」


里沙が助けを呼ぶために走り出した。


「早く、人工呼吸をしないと危ないよ!」

麻琴が言うと、
吉澤や大谷たちは顔を見合わせたが、誰も
人工呼吸の方法を知らなかった、

後藤の方を見ると、彼も首を振った。


「私がやる!」

愛はそう言うと、さゆの上半身を起こした、
300 :999回のキス :2005/08/11(木) 11:05
 愛は、テレビで一度だけ人工呼吸の方法、
マウスツーマウスのやり方を見たことがあった、
うろ覚えだけどやるしかなかった。


さゆのきつそうな水着を脱がして体を楽にさせると、
まず、さゆの頭を仰向けに自分の膝にのせると、
顔を上にそらせて、口を開けさせる。 

そして、さゆの鼻を指でつまんで空気が漏れない
ようにして、大きく息をして空気を吸うと、さゆの
口の中に、口から空気を吹き込む。

さゆの胸が上がって、空気が入るのがわかる。

また、口から空気を吹き込む。
それを、何度も何度も繰り返した。
301 :999回のキス :2005/08/11(木) 11:07
 愛の額から汗がしたたり落ちて目に入り、かすむ、
それをこぶしで拭うと、またさゆの口に空気を
何度も、何度も吹き込み続ける。

いくら空気を吹き込んでも、さゆの反応が無い、


「ダメだ・・・」


愛は顔を上げて、そう言った者を睨みつけると、また、
さゆの口に口を押し当てて空気を送り込む。

愛は絶望感をはねのけ、さゆ目を開けて!、祈るような
思いで、さゆの口に空気を送り込んだ。
302 :999回のキス :2005/08/11(木) 11:09
 その時、さゆのまつげがピクピクと動いた、そして
頬に赤みが戻ってきた、


愛がもう一度、口に息を吹き込んでやると

さゆが咳き込んで、完全に息を吹き返した。


それを見た、まわりの皆が歓声を上げた。


愛は最後にもう一度さゆの口の息を吹き込んでやる、
最後は少しの間、唇を合わせたままでキスしている
ような感じになる。


さゆは弱々しく目を開けた。


愛は、さゆから離れ体を起こした安堵の涙が流れた。
麻琴も泣きながら、愛に抱きついてくる。
303 :999回のキス :2005/08/11(木) 11:11
 里沙が何人かの大人を連れて走って戻ってくる。


その時、後藤が愛にバスタオルを渡した。

愛は、さゆが何も身につけてないのに気がついて
後藤に礼を言うと、そのバスタオルでさゆの体を
くるんでやる。





愛とさゆが海から戻って3日が立っていた。

さゆは念のため一日だけ入院しただけで無事回復した。

304 :999回のキス :2005/08/11(木) 11:12
 愛が自分の部屋で机に向かっていると、ドアが開き、
さゆみが入ってきた。

さゆはベッドに腰を降ろすと、愛を見つめている。


「なんね・・・」

愛はさゆに背を向けたまま聴いた。


「お姉ちゃん、まこっちゃんから聴いたの、
お姉ちゃんが私を助けてくれたって」
305 :999回のキス :2005/08/11(木) 11:14
 愛は立つと、ベッドのさゆの隣に腰を降ろして、


「あのね、さゆを助けたのは後藤君なんよ、
さゆが遠くの沖まで流されたのを泳いでいって
助けてくれたんだよ、ホント命の恩人なんだから」


「でも、息が止まっていた私に、お姉ちゃんが
人工呼吸をしてくれたので、私は助かったって
まこっちゃんが言ってたよ」


「それは、そうだけど」


「お姉ちゃんがキスをして私の命を助けてくれたんだ」


「違う!キスじゃなくて、人工呼吸だよ」
306 :999回のキス :2005/08/11(木) 11:16
「あの時、私は夢を見てたの、素敵な王子様が
眠っているお姫様の私にキスしてくれた時、
目が覚めたの。

でもキスしてくれてたのは、王子様じゃなくて
お姉ちゃんだったの」


「王子様じゃなくて、悪かったわね」


さゆは愛に顔を寄せてくると、

「あっ、なんかまた息が苦しくなってきたの、
またあの人工呼吸をさゆにして〜」


「やっぱこの子は、アホじゃぁ〜!」

愛は呆れて言う。
307 :999回のキス :2005/08/11(木) 11:18
 さゆは愛にすがってくる、

「ありがとう。お姉ちゃんが999回のキスをして
さゆを救ってくれたのね」


「そんな、何百回もしとらんよ〜」


さゆは愛の胸に顔をつけて、


「お姉ちゃん、大好き!」


愛はそんなさゆの頭を抱きしめると、つぶやいた。


「ごめんね・・・」




     終わり。

308 :名無飼育さん :2005/10/10(月) 02:31
更新、待ってます。
309 :クローン・モーニング :2005/10/10(月) 13:46
 俺とリカは、朝早く起き出して二人の弁当を作っていた。
今日は、リカと遊園地でデートなのだ。

昨夜その事を言うと、リカは大喜びで興奮したせいで、
夜遅くまで寝てくれなくて困ったものだった。

リカは俺に手伝ってもらいながら、弁当に入れる
から揚げや玉子焼きを真剣な顔で作っている。

それから二人でおにぎりを作る。

リカの作るおにぎりは形は不揃いだが、リカが
真剣に心を込めて作ったおにぎりは美味しそうだった。

そうしてバスケットに詰めた美味しそうなお弁当が
出来上がる。

とても美味しそうだね、と言うと、リカは本当に
嬉しそうな笑顔を浮かべる。
310 :朝の儀式 :2005/10/10(月) 13:49
 朝食をあわただしく終えて、リカの支度を始め
ようとした時、
リカがもぞもぞと立ち上がって、

「ウンチ〜」

「・・・早く行きなよ」

リカはパジャマの下を脱ぎ、そしてパンツも下ろして
トイレに向かう、いつもそうなのだ。

お尻をぷりぷりさせてトイレに行くリカを横目で見て、
脱いだパジャマとパンツを洗濯機に入れると、
新しいパンツを出しておく。

ピンクの水玉の可愛いやつだ。
もう、リカの下着を買うのにも慣れた。
311 :朝の儀式 :2005/10/10(月) 13:52
 リカは、いつものようにトイレのドアを開けぱなっしに
して、プリプリと音を立てている・・・。
ドアを閉めようとすると、
怖いから嫌だと言うので、そのままにしている。

水を流す音がしたので、お呼びがかかるようだ、

「パパ〜!」

その声でトイレに行くと、リカは洋式便器から
降りて、お尻を俺に向ける。
312 :朝の儀式 :2005/10/10(月) 13:55
 リカがまだ赤ん坊で歩くことも出来なく、
何もかも俺が手伝ってやってた頃、
トイレは最初はオムツをつけさせたが、リカが
嫌がったので、仕方なくリカをかかえてトイレに
行かせるのが大変なことだった。

便器に座らせ、離れると泣くので側についてやり、
終ると、ペーパーでリカのお尻を拭いてやるのだ、

なんせ、中身は生まれたばかりの赤ん坊でも、
体は20歳の女性の体なのだから、最初の頃は、
リカのむき出しのお尻を見て、俺自身顔が真っ赤に
なるほど恥ずかしくてたまらなかったが、
それもそのうち慣れたのだが。
313 :朝の儀式 :2005/10/10(月) 13:59
 今ではリカは精神年齢は5歳ぐらいになり、もう何でも
自分で出来るはずなのだが、
いまだにトイレが終ると、俺にお尻を拭かせるのだ・・・。

拭きやすいように尻を浮かせている、リカのお尻を
たんねんに拭いてやり、ペーパーを水で流す。
これが、毎朝の儀式みたいなものだった。

下半身何もつけていないリカを呼び、
俺の肩につかまらし、
足を上げさせ、新しいパンツを穿かせてやる。

その光景は、何も知らない他人が見たら奇異に
映るだろうけど、やってることは親が子供にする
なんでもない行為に過ぎないのだが。
314 :ピンクの服 :2005/10/10(月) 14:03
 俺が支度をしていると、リカは俺の腕を掴まえて
早く行こうよ〜とせがむ。
その前にリカの着て行く服を選ばないといけない。

リカは洋服ダンスの前であれこれ選んでいたが、
ある服を取り出すと、それを俺に見せた。

それは、俺とリカの思い出のピンクの洋服だった。

俺がリカに初めて買って上げたその服を、リカは
とても気に入り、最初のうちずっと着続けて
いたので、今では、擦り切れてよれよれになり、
あちこちほつれていて、ピンクの色もかなり
あせていた。
315 :ピンクの服 :2005/10/10(月) 14:06
 俺がその服は二人にとって、とても大事な服だから
破れるといけないから、今日は別な服を着ようねと、
言聞かせると、

リカは、素直にうなずくと別な服を選んだ。
その服もピンクの花柄の可愛い服だった。

俺とリカは車に乗ると遊園地へ向けて出発した。

リカは助手席でとても嬉しそうにあれこれ喋り出す。

俺は、リカがクローン人間だとしても、マンションの
部屋に閉じ込めるような事をしたくなかった。

リカをひとりの人間として、外の世界を見せてやり
色んな物を吸収して早く成長してもらいたかった。
316 :名無飼育さん :2005/10/14(金) 00:41
面白かったです。
更新、待ってます。
317 :クローン・パーク :2005/10/14(金) 13:43
 車を遊園地近くの駐車場にとめて遊園地に向かう。

遊園地に着いて、リカは大張り切りで俺の腕を引っ張って
どんどん歩いて行く。

リカと遊園地に来るのは2度目だった。
リカは遊園地の乗り物が大好きになったようだ。


やがて、嫌なものが見えて来た・・・、
ジェットコースターだ。
318 :クローン・パーク :2005/10/14(金) 13:45
俺は高い所が大の苦手なのだ、
はっきり言って怖い。

ましてジェットコースターなんて、恐怖としか
言いようが無い。
ジェットコースターに嬉々として乗る人の気が
知れない。


ところがリカはジェットコースターが大好きなのだ。
嬉しそうにはしゃいでいるリカに嫌とは言えないし、
それにリカをひとりで乗せるわけにもいかない。


間中、キャアキャアと楽しそうに騒いでいるリカの
横で、俺はずっとリカの手を握ったまま目を閉じて
恐怖に耐えるしかなかった。

こうなると、どちらが保護者かわからない。
319 :クローン・パーク :2005/10/14(金) 13:48
やっと開放されて、膝がガクガクでヘロヘロの
俺を、リカは引っ張って行く、

目ざとくソフトクリームの売り場を見つけたのだ。
売り子の女の子は、やたら小さくて茶髪だった。

リカは渡されたソフトクリームにさっそくかぶりつく。

売り子の女の子は、俺にもソフトクリームを
渡しながらウインクをした。

二、三歩行って気がつき驚いて振り返って見ると、
その女の子は手を振っている・・・。


その女の子は、元モーニング娘。の真里だった。
320 :クローン・パーク :2005/10/14(金) 13:49
 本物の真里ちゃんがこんな所でソフトクリームを
売っているわけが無いから、
彼女は真里のDNAから再生された、
クローン・マリリンに違いない。

マリリンと俺とは少なからず縁があった。


立ち止まった俺の手をリカが引っ張って行くので
仕方なく俺はその場を離れた、

クローン・マリリンが気になるが、後でなんとか
確かめて見たい。
321 :クローン・パーク :2005/10/14(金) 13:51
 リカに手を引かれて歩いていると、


「ジローじゃないか!」

突然、俺の名前を呼ばれて振り返って見ると、
がっちりした体の男が立っている。


その男は山田だった。 女の子を連れている。



これはヤバイと、俺は焦った、
山田とは、ヲタ仲間だったのだ、

以前は何度もハロメンのコンサートで連番したものだった。


山田は、リカをじっと見つめている。
322 :クローン・パーク :2005/10/14(金) 13:53
 リカは山田に見詰められて、俺の後ろに隠れてしまう、


すると山田は俺に食いついてくる、

「おい!ジロー!!なんでお前が梨華ちゃんと
一緒にいるんだよ〜!!」

俺はあわてて、

「もちつけ〜!石川さんが俺と一緒に遊園地に
行くわけねぇだろう!」

「ウソを言え〜!この子はどう見ても梨華ちゃんじゃ
ないか〜!!」

山田は、俺の後ろのリカに手をかけて、
顔を見ようとする、
323 :クローン・パーク :2005/10/14(金) 13:54
 リカは怯えて、

「リカ、怖いでちゅ〜!」


「ホラ!やっぱり自分で言ってるじゃないか、
“リカ”って!」

「違う、違う!良く見ろ〜!」

仕方なく俺はリカの肩をつかまえ、山田に
向かせた。

「ほら、よく見ればわかるだろ、ヲタのお前なら
違いがわかるはずだ・・・」
324 :クローン・パーク :2005/10/14(金) 13:56
 山田は、リカの顔を食い入るように睨んだが、
すぐになにかを思い当たったようだ、


リカはノースリーブのワンピースの服を着ていた、
ピンクのフリフリのついた可愛いやつなのだが、
山田は、目に見えるリカの顔、そして腕の肌が
真っ白い事に気がついた、


石川さんの浅黒い肌とは全然違うことに。
325 :クローン・パーク :2005/10/14(金) 13:57
 それでも山田は納得がいかない風に、 


「これはどういうことだ・・・彼女は誰なんだ」

「・・・妹だ」

俺は苦しまぎれに言った。


「お前に妹がいるなんて聞いたことないぞ」


「だから、妹みたいなもんだ、従妹(いとこ)なんだ」



「いとこだとぉ〜!この梨華ちゃんそっくりな彼女が
お前のいとこだと言うのか、名前はなんと言うんだ!」
326 :クローン・パーク :2005/10/14(金) 13:59
「実は、リカと言うんだ・・・」


山田は、何がなんだかわからないと首を振りながら
俺とリカを見比べて、

「ふざけるんじゃないっ!梨華ちゃんに顔がそっくりな上に
名前まで、リカだとォ〜!?」


山田の連れの女の子が、業を煮やして山田の腕を
引っ張ったので、俺はリカの手を引いてその場を
離れた。


後ろのほうで、まだ山田が連れの女の子に向かって
叫んでいる、



「なあ、お前も見て思うだろ、あの子が石川梨華と
瓜ふたつなのを!」


俺とリカは急いでその場を遠ざかった。

327 :名無飼育さん :2005/10/17(月) 11:07
更新乙です。
次回も楽しみにしてます。
328 :キッチンズ・バーガー :2005/12/06(火) 23:21
 山田とは、リカと暮らすようになってからは遠ざかっていた。
クローン・人間のリカと一緒のところを見られたら
なにかと不都合だったのが、恐れていたことが
現実のものになってしまった。


「ねぇ、パパのなまえは、ジローというの?」

リカが、コーンだけになったソフトクリームを
舐めながら聴いてくる。

「・・・そうだよ」

そう言えば、リカには俺の名前を言ってなかった、
その必要もなかったのだが。
329 :キッチンズ・バーガー :2005/12/06(火) 23:23
リカはコーンを齧ってしまうと前方を指差した、

「アァ〜!ハンバーガー屋さんだよ〜!」

「まだお昼には早いよ、それに美味しいお弁当を
持ってきてるんだから、ハンバーガーはダメだよ」

「は〜い・・・」

リカは、つまらなそうに言った、


『キッチンズ・バーガー』と、看板を出している
屋台の中で売り子の女の子が声をかけて来る。

頭にストライプの入ったキャップをかぶり、
黄色いユニフォームを着ている。

「とっても美味しい、キッチンズ・バーガーの
ハンバーガー、いかがですか〜」
330 :キッチンズ・バーガー :2005/12/06(火) 23:24
俺はリカの手を引いて通り過ぎようとして、
思わず振り返った、

そのうすい声、ふっくらとした頬は、どっかで見たことがある。

リカが、その女の子を指差した、

「あ〜!こんこんでちゅよ〜!」

その女の子は、どう見ても娘。のメンバー
紺野あさ美に違いない・・・。

本物の紺野がこんな所で、ハンバーガーを売っているはずが
無いから、
彼女は、クローン・人間に違いない。

この遊園地は、クローン・人間の集合場所なのか、
わけがわからない、
リカを入れて、もう3人のクローン・人間が出現している。
331 :キッチンズ・バーガー :2005/12/06(火) 23:26
リカは俺の手を引っ張って、向こうを指差した、

「あ〜!かんらん車だよ、乗りたい〜!」

俺とリカは、観覧車に向かい合わせに腰掛けた。
高所恐怖症の俺でも、いつか好きな女の子とふたりきりで、
観覧車に乗ってみたいと夢見たことがある。

その夢が現実のものになった。

夢中で外の景色を見ているリカを、俺はじっと見つめた。
リカは俺の視線を感じて、顔を上げて俺をじっと
見つめ返した。

その表情は、俺のよく知っている元娘。の梨華そのもの
だったので、思わずドキリとする。


「梨華ちゃん・・・」
332 :キッチンズ・バーガー :2005/12/06(火) 23:27
すぐにリカは無邪気な笑顔に戻り、立って
俺の側に移り、腕をつかまえて体を寄せて来る。

観覧車はついに頂上に達した。

「ああ〜!すごい高いよ〜」

窓から地上を指差して言うリカの声に、
俺の高所恐怖症がぶり返した。


恐怖のため体がブルブル震え出し、思わずリカを強く抱きしめた。


リカはそんな俺の気持ちを知ってか知らずか、
うっとりと俺の肩に顔をもたせかけている。
333 :キッチンズ・バーガー :2005/12/06(火) 23:29
気がつくと、すぐ目の前にリカの顔がある、
リカの吐く息が肌に直接感じられる。

心臓がドキドキしてきた、果たしてそれは高所恐怖症のためか、
それともリカのせいなのか、わからなかった。

リカの吐く息は、甘かった。
それは、さっきまで食べてたソフトクリームのせいなのだけど。

ようやく、観覧車は地上近くまで降りてきた。
そこまで降りると、俺はやっと息をついて額の汗を
ぬぐった。 外の景色を見る余裕が出てきた、
334 :キッチンズ・バーガー :2005/12/06(火) 23:31
 ふと、気になる人物が目に止まった、
それは、黒い制服を着た3人の男達だった、
見覚えのある者だったし、忘れる事の出来ない
あの日の出来事とかさなっていた。

観覧車を降りると、リカの手を引いてその男達の
後を追った。

そのがっしりとした体格で黒い制服の3人の男達は、
遊園地の中ではやけに目立つので、追うのは楽だった。

3人の男達は、キッチンズ・バーガーの
屋台の前に立ち止まった。
335 :キッチンズ・バーガー :2005/12/06(火) 23:33
「いらっしゃい〜3人様ですね〜」

と、声をかける紺野。

それを無視して、男のひとりが言った、

「紺野あさ美さんですね」

「はい・・・?」

その男は、書面を出して切り出した。

「我々は委託されて、クローン人間を引き取りに来た。
紺野あさ美(クローン人間)。我々におとなしく従うように」

と、宣言する。
336 :キッチンズ・バーガー :2005/12/06(火) 23:34
リカが強く俺の手を握ってきたので、振り返って
見ると、リカの顔が恐怖で歪んでいた・・・、


リカも、あの日の事を思い出したようだった。
あの別れの朝の事がまざまざとよみがえって来る。 
337 :名無飼育さん :2005/12/10(土) 08:17
更新乙m(__)m
続きが気になります
338 :雷鳴 :2005/12/12(月) 00:28
その時、遊園地の上空に黒い雲が広がり始めて雲行きが
怪しくなって来た。
地上の方も、だいぶ雲行きの怪しい事態になってきた。


ひとりの男が屋台の中に入り、茫然と立っている
紺野に近づいて、その腕をつかまえた。
残りのふたりは、油断無く屋台の前に陣取っている。

俺の中に、沸々と怒りが湧き上がってきた、
このまま、クローン紺野を連れて行かせるわけには
いかない。
339 :雷鳴 :2005/12/12(月) 00:32
 その時だった、小っちゃな茶髪の女の子が
両手にソフトクリームを握って現れた、

クローン・マリリンだった・・・。


「ソフトクリーム、いかがですか〜」

男達はクローン・マリリンを見ても無言で無視する。

すると、いきなりマリリンは思い切り腕を伸ばして
ソフトクリームを男の顔面に、ベチャッ!と押しつけた、

続いてもうひとりの男の顔面にもソフトクリームを
押しつけ、ぐりぐりとこねくりまわす!

不意をつかれて、顔面をクリームだらけに
なりながらも、男達はマリリンを捕まえようとする、
340 :雷鳴 :2005/12/12(月) 00:34
すると、それを見たリカが屋台に置いてあった赤い容器の
ケチャップと、黄色い容器のマスタードを両手につかむと、
マリリンの腕をつかまえた男達の顔に勢いよく振りかける!

ふたりの男達の顔面は、赤いケチャップと黄色いマスタード、
それに白いソフトクリームが入り混じって悲惨な面相になる。

マスタードを顔面に受けた男は、目に入った
マスタードに、うめき声を上げて座り込む、

もうひとりの男が、ケチャップだらけになりがらも、
リカの腕をつかまえた、
暴れるリカを押さえ込もうとする、
341 :雷鳴 :2005/12/12(月) 00:36
そこへ、マリリンがリカからマスタードを受け取ると、
その男の顔にマスタードを勢いよく振り掛ける。


リカは、マスタードにひるんだその男の腕にがぶりと噛みついた、
男は、痛みでうめき声を上げる、

その男は、前にもリカに噛みつかれた男だった。

俺は大立ち回りを演じるマリリンとリカを横目に、
クローン紺野を助けに屋台の裏に向かうと、


残るひとりの男が紺野の手をつかまえて、屋台から出てきた、

俺はその前に両手を広げて立ちふさがった、
342 :雷鳴 :2005/12/12(月) 00:37
その男は、俺の顔を見て何かを思い出したようだ、
そして、大暴れしているリカを見て納得したようだ。

「怪我をしたくなかったらそこをどけ!
もう、お前らには用は無い!」

「そっちに無くても俺たちにはある!クローン紺野を
連れて行かせるわけにはいかない」

男は紺野の手を離すと、両手を広げて威嚇しながら
俺に向かって来る、

そのがっしりとした体格から、たぶん元格闘技の選手らしい・・・。

そいつは俺の両肩を、がっちりと掴むとものすごい握力で
ぎりぎりと締め出す、
俺はその激痛に息も出来ずに悲鳴を上げかけた、
343 :雷鳴 :2005/12/12(月) 00:39
その時、後ろで紺野がフライパンを振り上げるのが見えた、
そして、思い切り男の後頭部に叩きつける!

コーンッ!鈍い音がして、さすがに男も頭をかかえた、

俺はその隙に男に思い切り体当たりをした、

男が尻餅をついたとき、またも紺野がフライパンを
男の頭にコーンッ!!と叩きつける。


その時、キッチンズ・バーガーのユニフォーム
を着たイケメンの男が走ってきて、その場の惨状に、

「アルバイト紺野!この有様は何なんだ!!」
344 :雷鳴 :2005/12/12(月) 00:41
紺野が、

「あ〜!後藤主任!」

すると、リカが、

「あ〜!ごっちんでちゅ〜!」

俺は彼を見て、

「違う!イケメンだけど、ごっちんじゃない!」

男達が起き上がって来る、


「とにかく、早く逃げるんだ!!」

俺はリカの手を取ると、紺野とマリリンに大声で言った、

マリリンが紺野の手を取ると、一緒に走り出す、
345 :雷鳴 :2005/12/12(月) 00:43
俺とリカも、ふたりとは別方向に走り出した、

懸命に走りながら、振り返って見ると、
男達が追いかけて来るのが見えた。


遠くで雷鳴がゴロゴロと轟くのが聴こえてくる、雲行も
いよいよ怪しくなって来た。

俺とリカを追いかけて来るのは、元格闘技の男
ひとりだけだ、後の二人は紺野とマリリンを
追っているようだ。


俺とリカは手をしっかり握り合って、人込みの中を
かき分けて懸命に走った。
346 :雷鳴 :2005/12/12(月) 00:44
男は執拗に追いかけて来る、
俺とリカを追いかけて来るのは、おそらく俺が妨害を
したので、クローン人間の居場所を知っていると
踏んだのかもしれない。


「おい、ジロー!何やってんだ〜」

前方に山田の姿が見えて、声をかけてくる、

「悪いやつらに追われてるんだ!」

山田は、追ってくる男を見た、

「なんで追われてるんだ〜」

「それは・・・」

俺はリカの方を見た、
山田もリカの方に視線をやった、

リカは泣きそうな顔をして山田を見た、
347 :雷鳴 :2005/12/12(月) 00:47
「そうか、よしわかった!」

山田はうなづくと、追ってくる男の方に向かって行く、
山田は学生時代ラグビーのFWをやっていて、体は大きかった。

山田は男に強烈なタックルをかまして、男と一緒に
倒れこんだ、


思わず立ち止まって見ている俺とリカに、

「早く、逃げるんだ!」

「すまん!!」

俺はそう言うとリカの手を取ってまた走り出した。


その時近くで雷鳴が轟き、続いてザーッと強い雨が
落ちて来る。
348 :雷鳴 :2005/12/12(月) 00:48
雷に怯えて俺にしがみついて来るリカの肩を抱きながら、
全身ずぶ濡れになって走った。

すると前方に黒い制服の男ふたりが見えてくる、
さかんに辺りを見回している、紺野とマリリンを
見失って捜しているようだ、

俺とリカは方向を変えてまた走り出した、

ものすごい土砂降りの雨の中、建物に逃げ込もうとした時だった、

稲光と共にカッと辺りが明るくなって、一瞬おいて

ゴロゴロゴロッドッカーーーーンン!!!!!!

と、鼓膜が破けるような雷鳴が轟いて、目前に落雷した。


リカは悲鳴を上げて俺の首に強く抱きついてくる、
349 :雷鳴 :2005/12/12(月) 00:50
俺達は抱き合ったまま、地面に膝を付いて
しゃがみ込んでいた。

すぐ目の前にリカの恐怖に歪んだ顔があった。

ぶるぶると震えながら、しっかりと俺に抱きつきながら
俺の頬に頬を強くくっつけて来る、
べっとりと濡れた髪の毛がひたいにまとわりついている。


どうして、そんなことをしてしまったのか俺自身にもわからない、

俺はリカの顔を向けさせると、その唇にキスをした。


雷の恐怖で目を閉じていたリカは、一瞬、瞳を見開いたが、
すぐに瞼を閉じて俺のなすがままになった。
350 :雷鳴 :2005/12/12(月) 00:52
ようやく俺が唇を離すと、リカは目を開けて唇に
指をやって、俺をじっと見つめた。


初めてのキス。

リカにとって生まれて初めての口づけ。


気がつくと、雨は上がっていた。
そして陽がさしてきた。


俺とリカは立ち上がると、しっかりと手をつないで歩き始めた。

前方の空に綺麗な虹が出ていた。
351 :名無飼育さん :2005/12/12(月) 03:21
突然失礼します。いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。
352 :きずな :2006/01/17(火) 23:00
何とか男達から逃れて、俺達は遊園地を出て
車を置いている所へ歩き出した。

駐車場に向かいながら、俺はリカの顔をまともに
見ることが出来ない、
リカも俺の顔を見ようとしない、

しかし、お互いの手はしっかりとつないでいた。
何か気まずい雰囲気のまま駐車場についた。

自分の車に近づいた時、向こうの車の陰に、
茶髪の頭がちらっと見えた。

「マリリン!」

俺が声をかけると、マリリンと紺野が姿を現した。
追ってから逃れてこの駐車場に隠れていたようだった。

二人を車に乗せる。
353 :きずな :2006/01/17(火) 23:02
突然の雷雨のため、4人ともずぶ濡れになっていたので
タオルを出すとともに、エアコンを入れる。
俺は車を出した。

助手席にリカ、後ろの席にマリリンと紺野。

俺は後ろの二人に行き先を聞いたが、二人がすぐには答えず、
少ししてマリリンが私鉄の駅の名前を言った。

俺はうなずいた、追われている二人はたとえ味方の俺で
も潜伏先を教えたくないという気持ちは理解できた。

やがて、マリリンが言った、

「わたしは、クローン・マリリン」

紺野が、

「私は、紺野あさ美(クローン・人間)です」
354 :きずな :2006/01/17(火) 23:07
俺は自分の姓名を言って、ちらっとリカの顔を見た、
もちろん、クローン人間であるマリリンと紺野の二人は
リカの顔を見れば、リカもクローン人間だということを
わかるはずだ。

信号で止まった時、振り返ってマリリンの目を見て言った、

「リカは何も知らない子供なんだ、自分のことは
何も知らない、赤ん坊同然なんだ・・・」

リカに知られたくないから、俺の立場を二人に詳しく
話すことが出来ないのだが、
マリリンはうなずいて、理解したようだった。

マリリンは自分達の事を話してくれた。

「クローン人間が処分されるということを聞いて
おいらは、隙をみてこんこんを連れて逃げ出した
わけなの、それから色んな所を転々としていたの」

「どんな所か聞いてもいいかな・・・」

「娘。のファンの所なの」

「なるほどね」

俺は車を動かしながら言った、
355 :きずな :2006/01/17(火) 23:10
「それで自分達の食べる分は、なんとか稼ぐために
アルバイトを始めたの」

マリリンはそう言うと紺野を見て、

「なにしろ、このクローン紺野は1日に自分の体重分の
食べ物を軽く食べてしまうの・・・」

「はぁ〜〜あ?!」

俺は思わず振り返って紺野の顔を見ながら言った、
紺野の体重は少なくとも40キロ前後はあるだろう、
それを一日で食べてしまうとは・・・。

「かくまってくれているファンの人が自分は食べずに
紺野に食べさせてるのを見てると辛くて・・・」

俺はため息をつきながら、うなずいた。

紺野も申し訳なさそうに下を向いた。
356 :きずな :2006/01/17(火) 23:12
「これでも紺野にしたら遠慮してる方なの、放っとくと
際限なく食べてしまうの。これが原因で紺野は不良品と
されて、廃棄処分になるところだったの」

娘。の紺野本人も食い意地は人一倍強いのだが、
クローン紺野は、その辺が強調されて脅威の大食いに
なってしまったのかもしれない。


「あの遊園地でのアルバイトは結構長く続いてた
のだけど、でも人目につきやすいのがいけなかった
のかしら」

「それで、お迎えが来たわけだ・・・」

目的の駅前に着いた。
357 :きずな :2006/01/17(火) 23:14
俺は連絡先を書いたメモと一緒に、財布の有り金を
マリリンに渡したが、マリリンは首を振って
お金を受け取ろうとしない、

俺はリカの方を見ながら、

「このお金は、リカからと思って受け取ってくれないか」

マリリンはうなずいて受け取ってくれた。

「本当にありがとう」


リカはお弁当の入ったバスケットを紺野に渡した、
リカが、朝早くからあんなに一所懸命に作ったお弁当だった。

紺野にすれば、ほんのひと口に過ぎないかもしれないが、
嬉しそうに笑顔を見せた。
358 :きずな :2006/01/17(火) 23:16
俺とリカは車の外で、駅に向かう二人を見送った。

頭が良く、しっかりしたマリリンと一緒なら
クローン紺野もやっていけるだろう。

リカは、助手席ではなく後部座席に乗り込んだ。

俺はミラーに映る、うつむいたリカを見た、
雷鳴が轟く中、ずぶ濡れになりながらの初めての
キスが、よみがえって来る。


リカが突然言った、


「パパ・・・どうしてリカにチューしたの?」
359 :きずな :2006/01/17(火) 23:17
リカのその問いに、返事に詰まった、

車を運転しながら答える事ではなかったので、
俺は黙って運転を続けるしかなかった。


マンションに着き、地下駐車場に車を止めると、
降りて後のドアを開けて中にいるリカに手を差し出した。

しかし、リカはその手を取らず、シートに座った
まま動こうとしないで、俺の答えを待っていた。

俺は車の中に入るとリカの隣に腰をおろした。
リカは俺をじっと見つめて返事を待っている。
360 :きずな :2006/01/17(火) 23:19
「リカ・・・俺にチューをされて嫌だったかい」

リカは首を振った。

「嫌じゃなかったよ。カミナリがとっても怖くて
震えている時にパパにチューされて、最初は
驚いたけど、うれしかった・・・」

「ありがとう、リカ」

リカには俺の素直な気持ちを伝えるしかない。


「リカにチューしたのは、リカのことが大好きだから
チュー、キスをしたんだよ」

リカはようやく笑顔を見せてうなずいた。

「リカもパパが大好きだよ〜」
361 :きずな :2006/01/17(火) 23:21
部屋に戻りリカの様子を見ると、雨に濡れたせいで
服もまだ乾いていないし、まずお風呂に入れて、
着替えさせないといけない。

服を脱がせ下着姿のリカを見ると、つい目をそらしてしまう、
裸になったリカをまともに見れない、

キスしてしまった後は、もうリカを父親として
見ることが出来ないような気がする。

リカを浴室に連れて行って、

「リカ、今日はひとりでお風呂に入れるね、
その間にご飯を作っておくから」

「ウン・・・」

リカは少し不安そうな顔でうなずいた。

もう、リカと一緒にお風呂に入ることなど出来ない。
いくら中身は幼児に過ぎないとはいえ、
外見は、20歳の大人の女性の体なのだから、
これまで俺と一緒に入浴してたのが異常なのだ。
362 :きずな :2006/01/17(火) 23:22
しかし、食事を作っていてもお風呂にひとりで入ってる
リカの事が気になって仕方ない、

いままで一度もひとりでお風呂に入ったことの
ないリカが心配だった、

自分で体や頭を洗える事が出来るだろうか、
いつも俺が洗ってやっていたのだ。

どうしても気になるので、お風呂場へ行き、
ガラス戸の向こうの浴室の中をうかがった。

中は静かだったが、耳をすますとリカの泣き声が
聞こえるような気がして、思わずガラス戸を開けた、

「リカ!」

リカはタイルにぺたんとお尻をつけて座り込んで、
しくしくと泣いている・・・。
363 :きずな :2006/01/17(火) 23:23
リカは振り返って俺を見ると、立ち上がって
俺にしがみついてくる、

「パパ〜!」

俺に抱きつくと、大きな声を上げて泣き出した。
俺はリカの柔らかい体を強く抱きしめた、

「リカ、悪かった、ひとりにして・・・」

やはり、リカはまだほんの子供に過ぎないのだ、
まだまだ、俺の保護が必要なのだ。
364 :きずな :2006/01/17(火) 23:25
リカの体は冷えていた。早くお風呂に浸かって暖めて
あげないといけない。

服を脱ぐと、リカを抱きかかえてバスタブに浸かる。
リカはお風呂に入っている間中俺にぴったりとくっついて
離れようとしない。

リカの豊かな乳房が俺の胸に押し付けられて、
俺の心臓は高鳴るばかりだ。


お風呂から上がっても、リカは片時も俺から離れようとしなかった。

最近はリカも成長してお風呂以外はなんでも自分で出来る
ようになってきて、俺が仕事の漫画を書いている時は、
ひとりで遊んでいることが多くなっていたのだが、
今夜のリカは違っていた。

俺の側にぴったり寄り添って、夕食では俺の膝の上に乗って
食べたがった。
そのずっしりと重さに膝が痛いほどだったが、
俺はリカの好きにさせた。
365 :きずな :2006/01/17(火) 23:27
寝る時間になって布団に入っても、リカは俺の手を握って
放そうとしない。

最近のリカは夜泣きはしないし、ずっとひとりで眠るように
なっていたのだが、今夜のリカは赤ん坊に戻ってしまったように
俺に甘えて来る。

そんなリカに俺は戸惑いを隠せなかった。
リカにキスしてしまった今は、女性としてのリカを意識しないでは
いられなかった。

「リカ、パパはお仕事があるからひとりで眠れるね」

仕事にかこつけて、布団から出ようとしたら、


「パパ・・・おやすみのチューをして〜」
366 :きずな :2006/01/17(火) 23:28
俺は仕方なく、リカの頬に唇を寄せようとした、

すると、いきなりリカは俺の首を捕まえて引き寄せると、
俺の唇に自分の唇を押し当ててキスをしてくる、

リカの柔らかい唇の感触に、俺は一瞬我を忘れそうになったが、
あわててリカを押し戻すと、

「リカッ〜!」

リカはすぐに布団を頭まで被ると、

「おやすみなちゃい〜」
367 :きずな :2006/01/17(火) 23:30
俺はため息をついてそんなリカをしばらく見つめていたが
立ち上がって仕事の漫画を書こうとしたが、何も手につかない。


それからは、リカは毎晩のようにおやすみのキスをねだって
来るようになった。
どうも悪いクセをつけてしまったようだ、

しかし、このことが俺とリカのきずなを深めたことは確かだった。



そんな俺とリカの前に、やっかいな相手が現れた。
俺にとってどうしても避けたい相手だったが、
またしても、彼女が俺とリカの前に現われた。


その彼女とは、石川梨華さん。

368 :名無飼育さん :2006/01/20(金) 02:26
続きが気になる・・!!
楽しみに待ってます。
369 :クローン・モーニング :2006/03/16(木) 20:52
チャイムの音がしたので玄関に出た。
予期していたことだが、実際に来られてみると、
戸惑いを隠せなかった。

訪問者は、石川梨華さんだった。

ドア開けると、石川さんは玄関に入って来て、
一礼して顔を上げると、
テレビで見る陽気な笑顔はどこにも無く、
きびしい顔で俺を見た。

すぐにリカが現れて、

「あっ、お姉ちゃんだ〜!」

リカを見た石川さんは複雑な表情で見つめている、
自分と寸分違わない分身のリカを。
370 :梨の花 :2006/03/16(木) 21:01
まず、ケータイのメールで石川さんが俺に連絡を取って
来たのは、一週間ほど前のことだった。


突然のメールだった、どうして俺のアドレスを知ったのか
かいもく見当がつかなかったのだが、
メールには過日のお礼が書かれていた。
石川さんを車で放送局まで送ってやった日のことだった。
二人の“梨華”が偶然に出会った日でもある。

そして俺にぜひとも会いたいから連絡をして欲しいと
書かれている。
もちろん、目的はリカにもう一度会うために違いない。

となると、石川さんは何か俺とリカの秘密をある程度
知っているのかもしれない。

考えた末に、俺は返事をしないで無視することにした。
あの日石川さんと別れた後、もう二度とリカを
石川さんと会わせないと誓ったばかりだった。
371 :梨の花 :2006/03/16(木) 21:15
ところが、三日ほどして今度は俺のケータイに
石川さんが直接電話を掛けてきた。

彼女にどうして俺のケータイの番号を知ったのかと
問いただすと、石川さんは先輩の名前を出した。
石川さんは失礼を詫びた後俺とリカにどうしても
会いたいと告げた。

先輩は、俺とリカを結びつけてくれた恩人だった。
廃棄処分になるはずだったリカを救い出し、俺の
元へ戻してくれたのだ。
その先輩を通じて会いたいと言って来た石川さんに
会わないわけにはいかなかった。

結局、俺のマンションに会いに来るという石川さんを
断りきれなくて、会う約束するはめになった。


嫌な予感がした。


372 :梨の花 :2006/03/16(木) 21:18
今一番リカと会わせたくない人は石川さんだった。

リカは、もう少しずつ物事をわかり始めた時期だった、
もし自分が普通の人間ではなく、バイオテクノジーの
結果作り出されたクローン・人間だと知った時の
リカの衝撃は想像出来ないものだった、
そんな辛い思いを絶対にリカにさせたくない。


リカは、やってきた石川梨華さんに大喜びでぴったり
寄りそってあれこれしゃべり始める。
石川さんはうなずきながらそんなリカをじっと見つめている。

俺は複雑な心境で二人の女性、リカと梨華を見ていた、

石川さんが何の目的で会いに来たのか、わからなかった。
ただリカに会いに来ただけではない気がする。

リカは立ち上がると、石川さんのユニットの歌を振りを
つけて歌いだした。

たどたどしいが歌だが一生懸命に歌うリカを見て、
石川さんの瞳からひとすじの涙がこぼれ落ちた。
373 :梨の花 :2006/03/16(木) 21:19
「・・・リカ、パパは石川さんと大事なお話があるから、
お隣に行って、綾ちゃんと遊んでてくれない」

俺がそう言うとリカはつまらなそうな顔をしていたが、
素直にうなずくと、いつもの遊び相手の隣の5歳の
女の子、綾ちゃんの所へ行く。

リカが去った後、俺と石川さんの間には重苦しい空気が
流れていたが、

やがて、石川さんが顔を上げて切り出した。


「お願いです!リカちゃんを私に返してください!」


「ええっ〜〜?!!」

374 :梨の花 :2006/03/16(木) 21:22
石川さんは続けた、

「私と寸分違わないリカちゃんに出会ってからは、
そのことが私の頭から離れなかったのです、
私が娘。にいる時、クローンの事は知っていました。
しかし、私のクローンは培養に失敗して存在しないと
聴かされていたのです。
でも、やはり私のクローンは存在していたのですね」

「そうなりますね・・・」

「あなたとリカちゃんに出会ってから、やはりリカちゃんは
私のクローンとしか考えられないので、色々調べていくうちに
あなたの先輩の山崎さんに行き当たったのです。
最初は否定していましたが、私の気持ちを話して
どうしてもまたリカちゃんに会いたいからとお願いしたら
あなたと暮らしているリカちゃんの事を話してくれました」
375 :梨の花 :2006/03/16(木) 21:24
なんで俺とリカの事を黙っててくれなかったのかと
その時は先輩を恨んでしまったのだが。


「なんだかリカちゃんを見てると不憫でしょうがないんです、
リカちゃんは私のDNAから生まれた、もうひとりの私なんです、
だから、リカちゃんを私に返してください!
みかけは大人の女性でも、中身はまだほんの子供だと聴いて
います、私が引き取って育てます。
お願いします!リカちゃんを返してください!」

俺は言葉も無く石川さんを見つめた、

たしかに、リカは石川さんのDNAから生まれたのだから、
例えて言えば、石川さんはリカの生みの親とも言える。


しかし、俺にだって言い分はある、
俺はリカの育ての親なのだ。
376 :梨の花 :2006/03/16(木) 21:26
俺は石川さんに、俺とリカの出会いから別れ、そして
再会して共に暮らし始めた、経緯をかいつまんで
話した。

しばらく俺の話しを聞いていた石川さんは、
きっと顔を上げて俺を見ると、


「あなたはリカちゃんをお金で買ったのですか、
私、石川梨華の代用品として、クローンのリカちゃんを
お金で買ったのじゃないのですか・・・」

石川さんは俺を責めるようにそう問いただした。
俺の一番痛い所を突かれて言葉に詰まる、

「違います!違う・・・だけど最初はそうだったかも
しれません、それは言い訳出来ないかもしれない」

「やはりそうなのですね、お金で買ったのですね」
377 :梨の花 :2006/03/16(木) 21:28
「しかし、その送られてきたクローンは外見は石川梨華さん
そのものでしたが、実はクローンの欠陥品だったのです。
中身は生まれたばかりの赤ん坊だったのです。
体は大人の女性でしたが、中身は赤ん坊で最初は
言葉も喋れないし自分で起き上がることも出来なかった
のです」

「でも、それはあなたにとって都合のいいことでは
なかったのですか、私自身のクローンではなくて
なんの抵抗も出来ない赤ん坊のクローンを
あなたの好きなように扱ったのではないですか」

なおも石川さんは俺を責め立てる、
石川さんの脳裏には、なんの抵抗も出来ない、外見は
自分だが赤ん坊のクローンを、俺が本能のままに扱う
おぞましい光景が浮かんでるのかもしれない。

「違います!誓ってもいいですが、俺は赤ん坊の
リカには石川さんから責められる様な事はいっさい
していません!」

しかし、石川さんは俺の言葉を信用出来ない様子だった。
378 :梨の花 :2006/03/16(木) 21:31
俺はリカという赤ん坊を苦労して育ててきたことを
なんとか石川さんに説明しようとしたが、
言葉で言い表せない、もどかしさがあった。

石川さんは小さく首を振り、理解出来ないようだった。

俺とリカが築き上げてきた絆は、他人には理解出来ない
事かもしれない。
他人と言ったが、リカの分身の石川さんは他人とは
言えないかもしれないが、
しかし、俺とリカという現在の親子関係としての二人から
すれば、部外者と言えないこともなかった。


俺と石川さんは、しばらく押し黙ったまま向き合っていたが、
やがて石川さんは立ち上がると、

「今日のところはひとまず帰ります。またご連絡して
お伺いします」

そう言い残すと出て行った。
379 :梨の花 :2006/03/16(木) 21:35
すぐその後、俺がドアを開けて外に出て見ると、
向こうに石川さんとリカが一緒に並んでいるのが見えた、
リカが隣の綾ちゃんの部屋から出てきたところを、石川さんに
つかまったようだ。

やにわに石川さんは、リカの手を引っ張って走り出した。

マンションの外に出ると、折りよく通りかかったタクシーを
手を上げて止めると、リカと一緒に乗り込む。

俺はあわてて外に出たが、タクシーは走り去った後だった。

俺はどうにも出来ずにタクシーを見送るしかなかった。
380 :梨の花 :2006/03/16(木) 21:37
部屋に戻ると、俺は自分が冷静なことに気がついた。

たしかに、石川さんが言うように俺は最初はクローンを
下心があって金で買ったことは疑いのない事実だった、
この点は言い訳出来ないことだった。

それにリカを連れ去ったのが、リカを作り出したDNAを
提供した石川梨華さんなのだから、俺自身はどうにも
ならないことかもしれない。

もし、リカが俺よりも石川さんのほうを選ぶなら、
それはそれで仕方のないことだと思う。
リカの生みの親とも言うべき石川さんと暮らす事が
リカの幸せに繋がるなら容認するしかない。


しかし、俺には確信めいたものがあった、
リカは必ず俺の元へ帰ってくると。

俺は誰よりも、リカを愛してる。
ただそれだけの理由で。
381 :梨の花 :2006/03/16(木) 21:39
翌日、久しぶりに先輩から電話があった。

「先輩、石川梨華さんを寄こしてくれて
ありがとうございます」

先輩は笑うと、

「おお、皮肉たっぷりのお言葉だな。
彼女から、お前にぜひ会いたいと頼まれてな、
彼女はすべて知っているようだったし、会わせるしか
ないだろ」

「決して皮肉で言ってるわけではないです。
いずれこうなることは避けられないと思ってましたから。
それで、なにか石川さんのほうから言ってきたのですか」

「そうだ。なんでも、リカちゃんを無断でお前の所から
連れ出したのだが、今朝になってリカちゃんが
いなくなったと泣きついてきたよ」

「ふ〜ん、そうでしたか」
382 :梨の花 :2006/03/16(木) 21:42
「おや、リカちゃんがいなくなったと言うのに冷静な
口ぶりだな」

「そう聴こえますか、石川さんの所からいなくなったのなら
冷静ではいられないですけど」

「おれの言うのは、彼女がリカちゃんをお前の元から
連れ出した事を言ってるのだが」

「そうですか、連れ出したのが石川さんなら俺には
どうしようもないことですからね」

「なるほどな。それでだ、彼女はリカちゃんがお前の所に
帰ってないかと聞いてきたのだが。さすがにお前の所に
直接聞くのは出来なくて、俺の所に電話を掛けてきた
わけらしい」

「まだ、帰ってないです」

俺はリカが帰ってきたらすぐに連絡すると言って
受話器を置くと、立ち上がった。
383 :梨の花 :2006/03/16(木) 21:45
リカを捜しに行かないと、あては無いのだが。

リカは俺と何度も外に出ているし、もう自分ひとりで
帰ってこれるはずだという思いもある。

すると、ピンポ〜ンと玄関のチャイムが鳴った。
インターフォンで、どなたですかと聴くと、

タクシーの運転手ですが、と返事があった。
ドアを開けると、60歳ぐらいの制服の男が立っていた。

彼は後ろを振り返ったので、見ると、
そこには、リカが立っていた。


俺はタクシーのお金を払うと、リカを中に入れた。
384 :梨の花 :2006/03/16(木) 21:47
ジローのマンションからリカをタクシーで連れ去った梨華は
住んでいるマンションに帰ってきた。

ここには姉と同居していた。


リカは何も知らずにあちこち見回している。
梨華が部屋に入ると姉が顔を出した、

「お帰りなさい、その子が例のクローン・・・」

梨華はあわてて口に指をあてながら小声で、

「お姉ちゃん!それを言ってはダメ」

姉は気がついて口を閉じた。
385 :梨の花 :2006/03/16(木) 21:49
「リカちゃん、この人は私のお姉ちゃんよ」

梨華が姉を紹介すると、

「こんにちわ。わたし、リカでちゅ〜」

リカは笑顔でぺこりと頭を下げた。
梨華の姉は何と言っていいかわからず、
笑って頭をかいた。

「今、私の所に遊びに来てたの、すぐ帰るわ」

梨華が言ったので、

「ちょっとちょっと梨華、なにを言い出すのよ!」

梨華はリカをソファーに座らせると、姉を部屋の隅に
引っ張って行き、拝むように両手を合わせて、

「お姉ちゃんお願い、しばらくリカちゃんと
ふたりだけで過ごしたいのよ。だからここは
黙って実家の方へ帰ってて欲しいの」
386 :梨の花 :2006/03/16(木) 21:51
「・・・わかったわ、しばらく実家に帰ってるわ。
でも、見れば見るほどあなたに似てるわね、
双子だってこれほど似てないわ。
でも、違うところがあるわね。あの子、肌が
真っ白いじゃない」

「どうせ、私は地黒ですから〜お姉ちゃんだって
地黒じゃないの」

「そうだけどね、そうだ思い出したわ!私達のお婆ちゃん
だけはすごい色白だったわ」

「あ、そうだったわね・・・」

二人は戻ると、リカの真っ白な顔を見つめた。


梨華はリカの白い肌を見て、純白の梨の花を
思い浮かべていた。

387 :カレーライス :2006/08/05(土) 16:23
姉を帰らせると、梨華はリカをソファーに座らせる。

「リカちゃん、美味しいお菓子があるの、すぐ持ってくるわね」

するとリカは立ち上がって、

「ねえ梨華ちゃん、パパにお電話していい?
パパがよそにお邪魔する時は必ず電話しなさいって言ってたの」

「あ〜ダメダメ!電話はしちゃダメ!」

「どうしてダメなの?」

「そ、その〜、今うちの電話は壊れてるのよ〜」

「そうなの、じゃあ梨華ちゃんのケータイでもいいよ」

「そ、そうね、わかったわかったわ、後で私がケータイから
電話しておくから、リカちゃんは心配しなくていいわ」

リカは素直にうなずいた。

「リカちゃんはケータイ持ってないのね」

「うん。パパはリカが大きくなったらケータイを
持たせてくれるって」


梨華は自分と背格好がまったく同じリカを見て、

「もうすでに大きくなってるけどね・・・」

リカは無邪気な笑顔でうなずいて、

「パパがね、リカは成長が早いって言ってた〜」

「そうなの、確かに成長は速いわね」
388 :カレーライス :2007/07/07(土) 12:05
やがて夜になり、梨華は夕食の支度をはじめる。

「リカちゃん夕ご飯なにが食べたい?」

「カレーが食べたい〜。あっ、でもパパがよそでご飯食べる時は
連絡しなさいって言ってた、梨華ちゃん、パパに電話してくれた?」

「あっ、電話ね、後でパパに電話しとくから心配しないで。
リカちゃんは今夜はここで夕ご飯食べてお泊りするって
言っておくから大丈夫よ」

「ええ〜、リカはここにお泊りするんだぁ〜」

リカは嬉しそうに言った、

「そうよ。リカちゃんはよそでお泊りした事ないの?」

リカはうなずきながら、

「あのね、リカがお隣の綾ちゃんのお家にお泊りしたいっても、
パパはダメだって言うの」

「そうなの、それもそうね、お泊りして色々聴かれてるうちに
あれがバレると大変だもね」

「バレるってなにが?」

「あっ、なんでもないの!こちらの話なの!
じゃあ、すぐに美味しいカレーを作るからね〜」

「リカも手伝うよ」

「まあ、ありがとう、じゃあジャガイモの皮を剥いてくれる
389 :カレーライス :2007/07/07(土) 12:17
梨華は鍋を火にかけると、リカが剥いたジャガイモやニンジン、
玉ねぎを適当にざくざく切ると、すぐに鍋に放りこむ。
同じように、肉も適当に切ると鍋に入れる。

それを見たリカは不思議そうに、

「ねえ、梨華ちゃん、パパはカレーを作る時は肉やお野菜を
油で炒めてから鍋に入れるよ。そうしなくていいの?」

「そうなの〜大丈夫、あんなの適当でいいの。炒めなくても
味はそんなに違いは無いのよ」

リカは小首をかしげながら、しぶしぶうなずく。

梨華はカレーの鍋をかきまぜながら、

「さあ、もうすぐ美味しいカレーが出来るわよ〜」

「あの・・・梨華ちゃん」

「な〜に」

「ご飯炊かなくてもいいの?」

「あ〜!忘れてた!!」

梨華はあわてて飛んで行って炊飯器の内鍋に米を入れると
適当にざっと洗うと、これも適当に水を入れる。
390 :カレーライス :2007/07/07(土) 12:35
それから梨華は、トイレに行った帰りに部屋が衣類などが
脱ぎ散らかしてる事に気がついて、それらをまとめると、
どこにしまうか見回して、クローゼットにそれらを押し込む。

なおも部屋を片付けていると、キッチンの方からリカの
叫び声が聞こえてきた、

「梨華ちゃん〜!お鍋が〜!」

その声にあわてて飛んで行くと、
鍋はぐつぐつと激しく煮えたぎっている。

梨華はあわてて鍋のふたに手をかけたが、
そのあまりの熱さに思わずふたを放り出すと、ふたは、
床に音を立てて落ちた。

梨華は、固まっているリカと顔を見合わせると、 照れ笑いを
浮かべて頭をかいた。
リカも、こわばった笑みを浮かべる。
391 :カレーライス :2007/07/07(土) 12:53
鍋の火を弱めてかきまぜてみると、ジャガイモなどは、
煮くずれて、ほとんど跡形もない。
梨華はため息をつくと、それでも鍋に市販のカレールーを入れて、
ようやくカレーらしき物は、一応完成する。

それでもプ〜ンとカレーの匂いがただよって、リカもお腹が空いて
いたので早く食べたいのだが、まだご飯が炊けていない。

梨華はテーブルに二人分のカレー用の皿を並べる。
待つ事しばし、ようやくご飯が炊き上がり、梨華はご飯を盛ったお皿に
カレーをかけるとテーブルについたリカの前に置く。

「さあ、とっても美味しいカレーが出来たわよ、召し上がれ〜」

392 :カレーライス :2007/07/07(土) 13:03
リカは、テーブルのカレーライスと梨華を見比べた、

パパが作ってくれるカレーライスには、必ず野菜サラダと、
福神漬けやラッキョウなどが添えられていたのだけど、
梨華のカレーライスには、カレーの他は何も無かった。

「梨華ちゃん・・・サラダは?」

「あら、サラダが欲しいの?野菜ならあるけど、なんなら
これから作ってあげようか」

リカは、あわてて首を振った、

「ううん、いらない・・・」

この様子では、どんなサラダが出てくるかわかったもんじゃない。
393 :カレーライス :2007/07/07(土) 13:57
お腹が空いていたリカはカレーをスプーンですくって口に入れる、
しかし、口をもぐもぐとさせていたリカの手が止まってしまう。
そのうち下を向いてしまい、カレーに手をつけない、

それを見たリカは、

「あら〜、どうしたの進まないわね、カレー美味しくなかった
かしら、ホント言うと私カレー作るのあまり得意じゃないのね」

まあ、カレーと言うより料理は得意ではないのだが。


リカはポツンとつぶやいた、

「辛いの・・・」

「ええ!そうなの、気がつかないでごめんなさい、
そんなに辛かったの」

梨華は首を捻りながら自分もひと口カレーを口に運んで
みたが、それほど辛いとは思えない、
確かにルーは辛口なのだが、子供の口だと辛いかもしれない。

梨華は、あらためてリカが外見は大人の女性なのだが、
中身はほんの子供に過ぎないことを知らされた。
394 :カレーライス :2007/07/07(土) 14:22
「リカちゃんのお家で食べるカレーはこんなに辛くないの?」

梨華が聞くと、リカはパッと笑顔を浮かべて、

「うん!パパのカレーはとっても甘いよ〜」

それを聞いて梨華は複雑な気持ちになる、
リカの事を何も考えずにカレーを作った自分と、
リカの食べやすいようなカレーを食べさせていた、リカから
パパと呼ばれている、彼との差を感じてしまう。

その後、リカはコップの水とカレーを交互に口に運んで
無理をしてなんとかひと皿のカレーを食べ終わった。

そんなリカを見て、梨華はつい意地悪な質問をしてしまう、

「どお〜、カレー美味しいかしら?」

リカは精一杯の笑顔で言った、

「ハイ!とっても美味しいですぅ」
395 :カレーライス :2007/07/07(土) 14:46
リカは笑顔だけど、口元は辛さのせいで引きつっているのを
梨華は見逃さなかった、

「そお〜良かったわ、お代わりはいかが、カレーはたくさんあるわよ」

リカはあわてて手を振りながら、

「もうお腹いっぱいだからいらない〜!」

梨華は思わず笑ってしまう。


その後、梨華がカレーを食べ終わるのを見ていたリカは、
自分のと梨華のお皿を手に取ると流しに運び、洗剤を
スポンジにかけると、さっそくお皿を洗い出した。

梨華はいつも食べ終わった食器は流しに置きっぱなしにしておくと、
姉が洗ってくれるので、自分ではめったに洗った事が無い、

「リカちゃん、感心ね〜いつもそうなの」

「うん。パパがね、食べ終わったらすぐに洗った方が楽だって
いつも言われてるの」

「そうなの、いつもひとりで洗ってるの?」

「ううん、いつもパパも手伝ってくれるよ」
396 :カレーライス :2007/07/07(土) 15:05
それを聞いた梨華はあわてて流しのリカの側に立つと、自分の分の
お皿を手に取ると、ハッパッと適当に洗ってすませる。
そして濡れたままの皿を側の食器入れに置くと、その場を離れたが
チラッと後ろを振り向くと、リカが梨華のお皿をもう一度洗っている
所が見えた、

その後、梨華が居間のソファーに座っていると、
皿を洗い終えて戻ってきたリカは、あたりに散らばっている本や
小物を片付け始める、

「リカちゃん、いいのよそんな事しないで。後で私がやっとくから
リカちゃんはゆっくりしておいて」

そう言われてリカは立ち上がった、

「リカちゃん、本当に感心ねぇ、いつもお片づけをやってるの?」

「うん。いつもパパがすぐにお片づけをして綺麗にしていれば、
気持ちがいいからって」

梨華は、肌の色だけではなく、自分とリカとの違いを感じてしまう、
それに、子供のリカをきちんと躾けている彼の存在を感じた。
397 :お風呂 :2007/07/07(土) 15:22
その後、リカと梨華はソファーの両端にそれぞれ腰掛けていたが、
なんとなく、気まずい雰囲気がただよっていた、


「リカちゃんこの後何しようか」

ようやく梨華が口を開くと、リカはパッと顔を輝かして、

「お風呂入りたい〜梨華ちゃん一緒に入ろう」

「そ、そうね、いいよ」

子供の頃はよく姉や妹と一緒にお風呂に入っていたのだけど、
今は誰かと一緒にお風呂に入るなんて無かったので、少し
戸惑いはあるが、
梨華は自分の分身であるリカの体がどうなっているのか、
興味がわいてきた。


脱衣所でリカはぎごちなく服を脱いでいる、
梨華が手伝って脱がしてやる。

生まれたままになったリカの雪のように真っ白い裸身を
梨華は息をのんで見つめた。 

心底羨ましいと思う。

肌が白かったという祖母のDNAが梨華を通してリカに
伝わったのかもしれない。
398 :お風呂 :2007/07/07(土) 15:39
梨華は自分も服を脱ぎ、下着も脱いでしまうと、
脱衣所の大きめの鏡に映る自分の姿を見つめた。

梨華は自分の容姿が好きだった。
可愛さでは誰にも負けないと思っている。
しかし、時として自分の肌の色にコンプレックスを感じる事が
あった。もう少し肌の色が白かったらと、いつも思う。

突然、鏡の中にもう一人の自分が映ったので、ドキッとなって
後ろを振り向くと、そこにはリカが立っていた。

リカはそんな梨華をじっと見つめている、

肌の色は違うけど、自分の分身、もう一人の自分がそこに存在している。

「リカちゃん、お風呂入ろう・・・」

梨華はリカの手を取るとお風呂場に入っていった。
399 :名無飼育さん :2007/07/18(水) 14:48
作者様 どうか続きを〜〜〜待ってますよ〜〜〜。
400 :名無飼育さん :2007/07/18(水) 23:09
期待せずに覗きに来たら更新来てるしすぐ後のレスが399だしびっくりしたわw
これからどうなるのか不安で楽しみだ
401 :お風呂 :2007/07/19(木) 09:12
>>399
>>400
ありがとうございます。
週末のハロコンへ遠征する予定ですが、
更新は帰ってからになります。 作者。
402 :お風呂 :2007/07/24(火) 18:34

梨華は、リカの体を見てあらためてリカが自分のクローンだと
いう事を実感させられた、
全体の背格好、スタイル、各体のパーツ、たとえば乳房などは
形がまったく同じだった。

しかし、最近の梨華はあちこち肉がついてきていて、かっての
ほっそりとしたスタイルとはいかない、でもリカは無駄な肉が
まったくついていなくて、ほっそりと締まった体をしていた、
肌の白さの他に、その点でも梨華は羨ましく思う、

「リカちゃんはいつも一人でお風呂に入るの?」

梨華が上がり湯を掛けてやりながら話しかけると、

「ううん、いつもパパと一緒に入るの」

リカは無邪気に答えた。
それを聞いて梨華は驚いて、

「ええ〜〜!?毎晩あの人と一緒に入るの!」

「そうだよ〜毎晩パパと一緒だよ〜」
403 :お風呂 :2007/07/24(火) 18:37

梨華は、なんという男なのだと思う、
いくらリカが精神的には5、6歳の幼児に過ぎないとはいえ、
体は、22歳になる自分と同じ成熟した女の体なのだ、

あの男に毎晩のようにリカの裸を見られてると思うと、
まるで自分の体を見られてるようで、恥ずかしさと嫌悪感で
体が、ざわざわと震えてくる、

「それで、なにか変なことされなかった・・・」

リカは無邪気に梨華を振り返ると、

「変なことってな〜に?」

「その・・・リカちゃんがされて嫌なことよ」

「されて嫌なことって?」

「その、つまり体をいやらしく触られるとか・・・」

リカは小首をかしげながら、

「そんな触られて嫌な事なんてないよ。あ、でも
リカの体を洗うのはパパがやってくれるよ」
404 :お風呂 :2007/07/24(火) 18:41

「まあ〜〜!?洗うってどこを洗うの〜〜〜?!」

「リカの体の全部だよ〜。前も後ろも全部だよ」

そう言ってリカは梨華と同じサイズの胸をぷるぷると震わす。

「ええ〜〜〜!!全部って、胸もアソコも洗うのぉ!!」

梨華は嫌悪感で全身が総毛立ってくる、

「そだよ〜胸も洗ってくれるよ、あれ、アソコってどこの事なの?」

「そ、そ、それは、言えない〜〜!」

そこでリカは思い出して、自分の下腹部を指差すと、

「あそうだ、このオシッコする所だけは、自分で洗いなさいって
言われてリカが洗ってるよ」

梨華は大きくため息をついた、
とにかく、あの男は変質者としか思えない、リカをあの男の所から
連れ出したのは正解だったと思う。
405 :お風呂 :2007/07/24(火) 18:42

話が長くなって体が冷えてきたのでリカをバスタブに
浸からせることにする、
するとリカは梨華の手を取ると、

「梨華ちゃんも一緒に入ろ〜」

バスタブは比較的大きめだけど、大人の体の二人が一緒に
浸かると、さすがにきつい、

リカはさっそく梨華に膝の上に乗ってくる、
自分と同じ大きさのリカに乗られるとさすがに重い。

リカは舌足らずの口調であれこれ喋り出す、
隣の6歳の女の子の綾ちゃんの事、よく来る近所の猫の事、
そして、パパの事。

「リカちゃんは、あの男、パパの事をどう思ってるの?」

「どうって?」

「その、パパの事、好きなの・・・」

リカはパッと笑顔になって、

「うん。リカのパパは大好きだよ」


リカのパパ。梨華はあの男が本当にリカのパパとして
ふさわしいのか疑問に思えた。
パパ、パパと慕っているリカの気持ちが理解出来ない。
406 :お風呂 :2007/07/24(火) 18:44

リカは梨華に体をもたせかけてくる、二人の体が密着する、

「梨華ちゃんって、パパと違って柔らかいね〜」

「そうなの、パパとは違うでしょ」

「うん。まるでママみたい・・・」

梨華は思わず、はっとなった、
クローン人間のリカのママは、何処にもいない。

「パパはママの事をどう言ってるの?」

「パパは、リカのママは今は遠くにいるけど、リカが
いい子にしてたらきっと会いに来てくれるって」

梨華は後ろからリカをぎゅっと抱きしめた。
リカが不憫でたまらなくなる。
自分のDNAから生まれたリカ。そうすると
自分こそリカのママにふさわしいような気がする。

リカがそっとリカの乳房に手を伸ばしてくる、

梨華は自分がママになったような気分になった。

407 :お風呂 :2007/07/24(火) 18:50

訂正。


リカがそっと梨華の乳房に手を伸ばしてくる、

梨華は自分がママになったような気分になった。
408 :つながり :2007/07/25(水) 07:18

その夜、リカを姉の部屋のベッドに寝かせようとしたのだが、
初めてのお泊りにリカは気持ちが高ぶっているのか
遅くなっても寝ようとしない、
いつまでもお喋りを続けるリカに、梨華は何とか寝かしつけようと
するが、まったくリカは寝る様子が無い、

「リカちゃん、眠れないの、もう遅いからお休みなさい」

するとリカは、

「ねえ、パパのように歌って、そしたら眠れるの」

「そうなの、子守唄って私はあんまり知らないのだけど、
そうだ、いい唄があるわ、パジャマの時間っていう唄よ」

するとリカは首を振って、

「そんなのは嫌!タンポポの歌でないと〜」

「ええ?タンポポの歌って、パパはいつも歌ってくれるの?」

「そうだよ」

「どんな歌なの」

「王子様の歌〜」

梨華はその懐かしい歌を思い出した、
409 :つながり :2007/07/25(水) 07:21

見た目は へなちょこりんだけど〜♪

梨華が歌い出すと、リカは梨華の手をしっかりと握りしめて
聞き入っている。

私の王子様〜♪

梨華が歌い終わると、リカはやすらかに寝入っていた。
梨華はその天使のような寝顔をいつまでも見つめていた。

やがて梨華も自分の部屋で眠りについていたが、
ふと、リカの泣き声がしたような気がして目が覚めた、

リカが寝ている姉の部屋に行ってみると、
リカは泣きながら叫んでいた、

「パパ〜!パパは何処!」

「リカちゃん!どうしたの!」

梨華が手を握ろうとしても、リカはその手を振り払って
首を振りながら泣き叫んだ、

「パパ、パパー!!」

梨華は茫然として、おお粒の涙を流しているリカを見つめた。
ようやくリカが寝ついたのは、夜明け近かった。


疲れ果てて、眠り込んでいた梨華が昼近くにようやく目を覚ますと、
どこにもリカの姿が無かった。
410 :つながり :2007/07/25(水) 13:45

俺が、お帰りと言うと、
リカも、ただいま。と、しごくあっさりと言った。

しかし、さすがにほっとした表情だった。
聞くと、リカはマンションの名前を憶えていて、それをたよりに
タクシーの運転手が探し出してくれて帰り着いたようだった。
親切な運転手で良かった。

俺はすぐに先輩へ電話を掛けた、

リカが帰ったことを報告すると、リカの無事なことを喜んでくれた。
そして、先輩は石川梨華さんが謝りたいとのことで、電話を掛けてくると
言ってきた。

少しして、ケータイに石川さんから電話が掛ってきた。
俺は、リカに声をかけてから外に出て石川さんの話を聴いた。

411 :つながり :2007/07/25(水) 13:48

石川梨華さんは声を詰まらせて俺に謝った後、

「私、あなたの事を誤解していました、
リカちゃんから、あなたたちがいつも一緒にお風呂に入ってる
事を聞いて、あなたを変質者とも思っていたのです・・・」

「・・・無理もないと思いますよ」

「でも、リカちゃんがいなくなった後、私なりに冷静になって
考えてみたのです、たった一晩だけでしたけど、リカちゃんと
過ごし、一緒にお風呂に入り肌を触れ合って色々な事を話し合い、
リカちゃんのあなたへの想いの深さに気がついたのです」

「そうでしたか」

「パパ、パパとあなたを慕っているリカちゃんに、あなたとの
深い絆が身にしみてわかりました。
あなたはリカちゃんを本当の父親のように育ててくれてたのですね」

俺は、その石川さんの言葉に心から礼を言った。
石川さんにはどんなに感謝しても足りないくらいだ、
412 :つながり :2007/07/25(水) 13:51

俺もリカがいない間、リカの事をあらためて考える良いきっかけに
なったし、リカの事である決意をもたらしたのだ。

「本当にありがとうございます。
リカも大好きな石川梨華さんと一晩を過ごし喜んでると思います。
また、リカの顔を見に遊びに来て下さい」

石川さんは、また声を詰まらせながら、

「あなたとリカちゃんの間を引き裂くような事をした私を
許していただけるのですか・・・」

「もちろんです、石川さんはリカにとって大事な人なんですから」


石川さんはひとしきり泣いた後、

「リカちゃんはあなたという人に出会って本当に幸せだと思います」

その言葉は、俺にとっても何よりも幸せな事だった。

その後、石川さんは少し考えてから、

「私、リカちゃんの事でひとつ心配な事があるのです、
リカちゃんはクローン人間です、あなたという拠りどころのある
父親はいますが、これから普通の女の子としてこの社会で
暮らしていけるのか、とても心配なのです」
413 :つながり :2007/07/25(水) 13:54

俺はうなずいた、その心配はもっともだった。

「その気持ちはよくわかります。でも、心配しないで大丈夫です、
私の両親は、私が小学生の頃離婚したのですが、それ以来母親と
暮らしてきました。別れた父は今財務省の役人をしていますが、
私の方は父親とずっと会ってなかったのですが、

今回、私から父に連絡を取ってある頼み事をしたのです。
それは、リカを父の籍に入れて貰う事でした、
リカを父の養子として籍に入れて貰ったのです、つまり、
リカは、戸籍上は私の義理の妹になるのです。

クローン人間で、何処にも身寄りの無いリカを籍に入れるのには
難しい所もあったのですが、何とか父の力で出来ました。
現在は、リカは戸籍上は22歳の女性として選挙権もある、普通の
暮らしをしています」

石川さんはそれを聞いて心からの安堵の声を上げた、そして、

「最後に、出来たらあなたに聞きたいのですが・・・」

石川さんは、少し言いよどんでいたが、

「これから、あなたとリカちゃんの将来はどうなるのですか」


414 :つながり :2007/07/25(水) 13:59

石川梨華さんは、俺にとってもリカにとっても大事な人だった、
その石川さんには、俺の気持ちをすべて話さなくてはいけない
義務があった、
俺は少し考えてから言った、

「今、リカと私の関係は、外では戸籍上の通り兄と妹として、
リカに言い聞かせています。
しかし、家の中では、父親と娘として過ごしています。
これまでずっとそうやって過ごして来たので、リカもそれを
当然のように受け止めていて何の問題もなくやってきたのです、

でも、いつまでも父親と娘としてやっていけないかもしれません。
今度の事で、私はある決意をしました。

リカはクローン人間として生まれて約2年が過ぎました。
クローン人間は成長が速いのか、リカは6歳児の知能を身に
つけています。
これからも普通の人間の何倍もの速さで成長し続けると思います、

後、2年か3年あるいはもっと早くなるかもしれないですが、
リカが精神的に大人になったら、リカにすべてを話します」

「・・・・」
415 :つながり :2007/07/25(水) 14:01

「リカがクローン人間として生まれてきた事、そして、私との
出会い、どういうきっかけで私と暮らす事になったか、すべて話します」

石川さんは息をのんで聞いている、

「それでもなお、リカが私を許してくれるならば、
私はリカの父親である事を止めて、ひとりの男として
リカの一生の伴侶としての道を選びたいと思います、
そしてその前に、リカにプロポーズします・・・」

ケータイの向こうで、石川さんがうなずくのがわかる、

「果たして、リカが受けてくれるかわかりませんけど」

「絶対にリカちゃんはあなたを受け入れてくれます!」

石川梨華さんは力強く言うと、ケータイを切った。
416 :つながり :2007/07/25(水) 14:05

その夜、食事が終わるとリカは俺の手を引いて、
いつものように一緒にお風呂に入る。

もうそろそろリカを一人でお風呂に入れさせたいのだけど、
石川さんのように変質者と思われるのも困るのだが、
リカはどうしても俺と一緒に入りたがる、

この頃リカは、お風呂で自分の体を目の前にした俺の影響と
いうものを認識し始めていて、
必要以上にリカの体を俺の体に密着させてくるのだ、
時には、その豊かな乳房を押し付けてくるのには閉口する、

もう慣れたとはいえ、そういうリカには困惑してしまう、
リカは俺のその困った顔を見て楽しんでる風にも見える。
417 :つながり :2007/07/25(水) 14:07

リカはバスタブに俺と一緒に浸かると、体を密着させながら
俺の顔を覗き込んで、

「ねえ、パパ、リカのママは今何処にいるの?
ママって、どんな人なの?」

俺はリカの顔を見返すと、

「リカのママは・・・今、リカの思っている人だよ」

それを聞いたリカの顔が、パッと輝いた、

「やっぱり〜!梨華ちゃんが私のママなんだ〜〜!」

俺は思わず苦笑しながらうなずいた、

「ねえパパ、梨華ママはまた来てくれるかなぁ」

「リカがいい子にしてれば、必ずまた会いに来てくれるよ」

リカは、大きくうなずくと俺の胸に体を寄せて来る。




この項 終わり。
418 :名無飼育さん :2007/08/08(水) 03:21
419 :クローンチャーミー :2008/01/01(火) 10:45
何とか完結したいので、残して置いてください。
作者。
420 :名無飼育さん :2008/01/02(水) 03:30
作者様
もうずぅ〜っとずぅ〜っと待ってたよ〜
その言葉を信じてまた待ちます。あけおめ!
421 :クローン・リカ :2008/03/11(火) 18:51
リカは帰ってくるなり、いきなり言った、

「パパ〜!わたしもお隣の綾ちゃんと一緒に小学校に行きたい〜!」

「ええぇ・・・・?!」


季節は初春で、卒業式シーズンを迎えていた、そしてその後はすぐに
入学式シーズンがやってくる。

リカは、さっきまで居た隣の綾ちゃんの話を始めた、
今年、小学校に入学する綾ちゃんがリカに自慢げに見せたランドセルや
勉強机などのことを、羨ましそうに話した。


リカがクローン人間としてこの世に生を受けて、今年で6年目に入っていた、
だからリカは精神的には、まだ6歳の子供に過ぎないのだ、
しかし、体、外見は同じDNAを持つ石川梨華さん同じ、今年23歳になる
女性の体なのだ。

リカは、綾ちゃんと自分を同等に見ていて、綾ちゃんが小学校に入学出来る
なら、自分も一緒に入学出来ると思ったのは無理もないことだった。

俺は返事に詰まった、どう答えていいかわからない・・・、
422 :クローン・リカ :2008/03/11(火) 18:56
リカの大人の女性の体の事を抜きにしても、リカの戸籍は今年20歳の
俺の義理の妹として登録されている、
だから、間違っても役所からリカの入学案内が届くはずもない。

リカは、黙っている俺にしつこく迫ってくる、

「ねぇ〜パパ〜リカも小学校に行きたい〜!綾ちゃんが行けるなら、
リカだって行けるよね〜ねぇ〜パパ、リカも行けるよね〜」

リカは俺の腕をつかまえてゆさぶりながら言う、

「・・・リカは小学校には行けないんだ」

俺がそう言うとリカは、なぜ?なぜリカは小学校に行けないの?どうして!
と、問い詰めてくる、

俺は考えあぐねて、綾ちゃんと較べてリカの体が大きいから行けないと、
苦しい言い訳をすると、
リカが納得するはずもなく、なぜ小さい綾ちゃんが行けるのなら、なぜ大きい
自分が行けないのかと、なおも俺を問い詰めてくる、
423 :クローン・リカ :2008/03/11(火) 19:00
俺が、どうしても体の大きいリカは小学校には行けないと繰り返していると、
リカは、

「だって、ベリーズのゆりなちゃんもあんなに大っきいのに学校行ってるじない!」

と、わけのわからない理屈を並べ出した、
だいいち、友理奈ちゃんは小学生じゃなく中学生なのだが・・・。

しまいにはリカは駄々っ子のように、行きたい、行きたいとわめき出した、

リカは最近では聞き分けがよくなったし、こんな風に駄々をこねて俺を
困らすような事はなくなっていたのだが、

俺は扱いかねて、ついリカを叱ってしまった、

「何度言ったらわかるんだ!こんなにパパを困らせるリカなんて嫌いだ」

リカは強く首を振りながら、ついには泣き出した、

「パパの言う事なんてわかんないよ〜!綾ちゃんやまいちゃん、早紀ちゃんも
みんな小学校に行けるのに、なんでリカだけ行けないの!なんでなんで!
パパなんて、パパなんて大嫌いだー!」

リカは、わぁー!と泣きながらを外に飛び出して行った、
424 :クローン・リカ :2008/03/11(火) 19:04
まいちゃん、早紀ちゃんというのは綾ちゃんの友達で、今年一緒に入学する
女の子達だった.。

パパなんて大嫌いだ、というリカの言葉が俺の胸に鋭く突き刺さっていた、

俺は茫然として立ちすくんでいた、
はるか昔、俺が小学校に上がる時の事を思い出していた、
あの時のうきうきとした気持ちは、今でも思い出す事が出来た、

それなのに、自分だけが小学校に行けないという、リカの辛く悲しい気持を
わかってやれなかった自分自身が情けなかった、
俺は激しい自己嫌悪に落ち入ってその場にへたり込んだ、

いらいらとやりきれない時間が過ぎていった、リカが泣きながら飛び出して
行ってから、かれこれ1時間程たっていた、
そろそろ暗くなる時間だし、心配になってきたので捜しに行かなくてはいけない、
425 :クローン・リカ :2008/03/11(火) 19:08
近所の公園を見てから、いつの通り道を捜しまわったがリカは見つからない、
ひとまわりしてまた公園に戻って見ると、顔見知りの早紀ちゃんのお母さんを
見かけて、リカを見かけなかったと聞いてみる、
しかし、見なかったと言われて、側に早紀ちゃんがいたのでまたリカの気持を
思って胸が痛くなる、

仕方なく部屋に戻ったみたものの、すっかり外は暗くなっていて、いらいらと
リカの帰りを待っていたが、一向にリカは帰ってこない、

時計を見ると、7時過ぎていてリカが飛び出して行ってからもう2時間になる、
俺は立ち上がった、もう一度リカを捜しに行くしかない、
その時、電話が鳴り出した、
何か不吉な予感がして、俺は思わず電話に飛びついた、


電話を掛けてきたのは、隣の綾ちゃんのお母さんだった、
リカが自分の所に居ると言う。

俺は安堵感で全身の力が抜けるようだった。
灯台下暗しとはこの事だった、俺は動転していて真っ先に行くべき所を
忘れてしまっていたのだ。
426 :クローン・リカ :2008/03/11(火) 19:12
すぐに隣に行く、
玄関に入ると、綾ちゃんの母が迎えてくれたが、後ろの方にチラっと綾ちゃんと
リカの後ろ姿が見えた、二人でテレビのアニメを見ているようだった、

綾ちゃんの母は、後ろを振り返ると、俺を部屋の外に連れ出した、

そして彼女はドアの前で、リカが泣きながら家に入って来た事を話してくれた、
リカは、パパがリカが小学校には行けないと言ったと彼女に泣きながら訴えた
ようだった、そして昼間遊びに来たリカが、綾が自慢げに見せてくれたピカピカの
赤いランドセルを見てリカがとても羨ましそうだった事も話してくれた、

彼女は、リカが可哀想可哀想と繰り返し、ハンカチで涙を拭いながら、

「あんな、パパとお兄さんの区別もつかない障害を持ったリカちゃんが、
不憫で本当に可哀想だわ、あんな風じゃ小学校もろくに行ってなかったのね、
あんなにも、綾と一緒に小学校へ行きたいなんてね・・・」

俺は何も言えず、ただ頭を下げるしかなかった、
427 :クローン・リカ :2008/03/11(火) 19:17
ようやく、リカを連れて自分の部屋に戻ったが、
リカはうつむいて俺の顔を見ようとしなかった、

俺は何とか明るく努めて、

「あ、まだ夕ご飯を作っていなかったなぁ、じゃあ今夜は店屋物で頼むか、
リカは何が食べたい?」

すると、リカは顔を上げて、泣きそうになりながら俺に向かって、

「パパ・・・さっきは、ごめんなさい」

その言葉を聞いて俺は胸が詰まって、思わずリカの肩を抱きしめた、
リカは何にも悪くない、謝らなくてはいけないのは俺の方なのだ。

俺は腕の中で泣いているリカを抱きしめながら涙を懸命に堪えていた、

その晩、そして次の日も、リカは俺とほとんど言葉をかわそうとしないで、
暗い表情をしている事が多かった、

このままにしておけなかった、俺はリカにしっかりと説明してやる義務があった、
しかし、何と言ってやればいいのか、まったくわからなかった、

こんな時、リカを慰めてやれる人間が一人だけいた、


俺は、石川梨華さんに電話を掛けた。
428 :リカの先生 :2008/03/12(水) 00:30
石川さんの携帯に電話を掛けたのだが、忙しい石川さんが果たして
出てくれるかどうかわからなかったが、幸い石川さんが出てくれた。

「ジローです、お久しぶりです」

俺が名前を言うと、石川さんはすぐにわかってくれた。

以前、石川さんが俺に無断でリカを自分のマンションに連れ去った事が
あった日以来、石川さんには会っていなかった。
しかし、何度か石川さんが電話を掛けてきた事があり、リカは石川さんと
大喜びで話していた。
でも、石川さんは仕事が忙しいのか、ここしばらくは電話が無かったのだ。

俺は、ひと息つくと、石川さんにリカの事を話した、
リカがどうしても小学校に行きたいと駄々をこねたいきさつを話した。

そして、俺がリカの気持をわかってやれなくて、リカを悲しませた事を話した。
石川さんは息をのんで聞いていた、
429 :リカの先生 :2008/03/12(水) 00:33
「それで、本当に申し訳ないのですが、石川さんからリカを慰めてやって
欲しいのです、何かひと言でもいいんです。私ではどうにもならなくて、
後は石川さんにお願いするしかなかったのです。
リカは石川さんを本当のママだと信じています。リカのために何か言葉を
かけてやってくれませんか、お願いします」

「・・・わかりました、私で良かったら何でもします」

「ありがとうございます。では、すぐにリカを呼んできます。少し待って
いただけますか」

俺がそう言ってリカを呼びに行こうしたら、

「あ、待ってください!」

「はぁ?」

石川さんに呼び止められて思わず聞き返した、
430 :リカの先生 :2008/03/12(水) 00:37
「こんな大事な事は電話ではすませられません、会って話がしてみたいのです、
リカちゃんに直接会ってみたいのです。お願いします」

俺は思わず首を振って、

「とんでもない、無理なお願いしてるのはこちらの方です。リカと会って
いただけるなら、どんなにかリカが喜ぶと思います、でも、石川さんは今、
仕事で忙しいのではないですか・・・」

今の時期、石川さんは新しく結成されたユニットに参加していて、この間
ライブツアーが終わったばかりだし、そしてすぐにこれまでの3人での
ユニットのライブツアーが始まるので、連日リハーサルを重ねてるはずで、
その他、テレビラジオの収録など、ハロプロでの仕事も数多いはずだった。

「いいえ、ぜひともリカちゃんに会ってみたいのです。では、ちょっと待って
いただけますか、いつ時間が取れるかどうか調べてみます」
431 :リカの先生 :2008/03/12(水) 00:42
石川さんはスケジュールを確めているようだった、

少しして、

「お待たせしました、明後日の夕方過ぎなら体があいています、
出来るだけ早くリカちゃんに会わないといけないのに、すみませんが」

俺は手を強く振りながら、

「とんでもないです!本当に無理なお願いをしてすまないのはこちらです、
ありがとうございます、石川さんの顔を見たらリカはとても喜ぶと思います」

それで、その日の夜の7時に俺が車で石川さんを迎えに行く事になった、

最後に石川さんは、

「あの、リカちゃんが私の事をママだと信じているというのは本当なのですか」
432 :リカの先生 :2008/03/12(水) 00:45
「本当です。あの日、石川さんの所から帰った夜にリカが聞いてきたのです、
自分のママは誰で何処に居るのかと」

「・・・・」

「それで、今、リカの思っている人がリカのママだよって言ったのです。
するとリカは嬉しそうに、
『やっぱり、梨華ちゃんがリカのママなんだ〜!』って、すごく喜んでました、
だから、そうだよと言ってあげました」

それを聞いて石川さんは声が詰まって言葉にならないようだった、

俺はもう一度礼を言うと、ケータイを切った。

433 :リカの先生 :2008/03/12(水) 20:35
当日、俺はリカに出掛けるから留守番をするようにと言い残して
部屋を出た、リカにはまだ石川さんが来る事は内緒にしていた、
帰ってから驚かせるつもりだった。

石川さんとは、収録があるという放送局で待ち合わせする事になっている。
車で往復すると、一時間近くかかりそうだった。

到着して、車を放送局前の路上に駐車して待つことにした。
約束の7時になったが、石川さんは現れなかった。
すぐに俺のケータイに石川さんから電話が入って、収録が長引いて、
少し遅れるとの事だった。

ようやく石川さんが現れたのは、8時前だった、
車の外に出て手を振ると、すぐに石川さんは気がついて小走りで近寄ってくる。

434 :リカの先生 :2008/03/12(水) 20:40
「すみません、随分お待たせしてしまって」

石川さんはそう言うと頭を下げた、
俺は手を振ると、

「さっき来たところですよ、では行きましょう」

俺は車の後部ドアを開けてあげる。その時、男性が声を上げながら
走ってきた、

「石川さん!忘れものですよ」

石川さんは、あっという風に気がついて忘れたバックを受け取った、
男性は30代半ばぐらいで、マネージャーさんかもしれない、
彼は、俺と石川さんをみくらべている、
石川さんは俺の事を彼にどう言っていいものか迷ってるみたいだったので、

俺は彼に向かって口を開いた、
435 :リカの先生 :2008/03/12(水) 20:44
今日は名刺を持ってこなかったと断ってから、俺の漫画家としてのペンネームを
出して彼に自己紹介した。
やましい事は何も無いので、隠す必要も無い。

しかし、石川さんが俺の車で何処へ行くかは答えようがないのだけど、
すると石川さんが言った、

「この人は、私の身内の女の子の友達なの。それでその子の家に送ってもらう
事にしたの」

それを聞いて彼はうなずくと、建物の方へ戻って行った。

石川さんを乗せるとすぐに車を出す、
通りに出てゆったりと車を走らせる、そして運転しながら聞いてみる、

436 :リカの先生 :2008/03/12(水) 20:47
「あの人はマネージャーさんですか」

「そうなの、いつもお世話になってるし、とても真面目な人よ」

「そうでしたか・・・心配してないかな」

と、言外に石川さんとの事を誤解してないかと匂わせると、

「心配なんかしてないわよ、私は何にも嘘なんか言ってないし、
あなたもちゃんとした漫画家って事を言ったのだから、なんら
心配する事なんてあるはずないわ」

確かに、リカは石川さんの身内みたいなものだと言えないこともない。
俺の事はどうでもいいが、石川さんには迷惑を掛けたくない、

すると、石川さんはきっぱりと言った、

437 :リカの先生 :2008/03/12(水) 20:50
「それに、私だってもう子供じゃないのよ。たとえ男の人の車にひとりで
乗ったからって、それがどうだと言うのよ。それに・・・」

「やましい事は、なにひとつ無い」

俺が代わって答えると、大きくうなずいてそうだと言う。

それから黙って運転を続けたが、ふと思ったのだが、
『私だってもう子供じゃないのよ』と言った時の石川さんの声のトーンが
やけに高かったのに気がつく、

よく、ライブやテレビなどで、ちょっとむきになった時の梨華ちゃんの声の
感じだったので、面白いなと思う。

ようやくマンションに到着して、俺の部屋は一階なので階段を歩いて
上がって行って、部屋のドアの前に立った。
438 :リカの先生 :2008/03/12(水) 20:55
石川さんはちょっと緊張してるみたいだった、
落ち込んでいるリカを慰めるという大役を意識してるみたいだった、

ブザーを押して帰った事を知らせると、リカはすぐにドアを開けてくれた、
もう9時近くなっていて、いつもならもう寝てる時間なのだけど、
今夜は頑張って起きてくれているようだ。

ひとりでの留守番は寂しかったようで、俺の顔を見てほっとしてるようだ、

そして、背を向けると奥の方へ行きかける、
リカ。と声を掛けると、振り返った時、リカの前に石川さんが姿を現した。

一瞬、びっくりしたように大きく瞳を見開いていたが、
ママ、とひと声言うと、石川さんに飛びつくようにして抱きついた、
そして、わぁーと泣き出した。

石川さんもリカの背中に腕をまわして抱きしめると、顔を歪め、その瞳から
涙が溢れ出していた、

俺も唇を噛み締め、そんな二人を見つめた。
439 :リカの先生 :2008/03/17(月) 19:46
リカは、玄関で大泣きした事はすぐに忘れてしまったかのように、
石川さんにべったりとくっついてあれこれ喋っている。
聞いてると、テレビなどで観る石川さんの事ばかり話していて、いつもの
ような自分の事や隣の綾ちゃんの事は意識的に避けているように見えた、

綾ちゃんの話をすると、小学校の事が話題になるのが嫌なみたいで、
そんなリカがいじらしくなってしまう。

そのうち俺が買い与えた絵本を持ち出してくると、石川さんに渡して読んで
欲しいとせがんだ、石川さんが絵本を受け取って読み始めると、
リカはさっそく、ソファーに腰を降ろしている石川さんの膝の上に乗ってくる、

背格好の違わないリカに膝に乗られて、石川さんは少し苦しそうだった、
リカの肩から、かろうじて顔をのぞかせて持っている絵本を上にかかげて
なんとか読んでやっていた、
ふと向かいに腰掛けている俺と目が合うと笑顔を見せる。

440 :リカの先生 :2008/03/17(月) 19:50
リカはその絵本が気に入っていて、俺も何十回読んでやったかしれない、
リカもその絵本のひらがなで書かれた部分は完全に暗記してるはずのだけど、
いつも俺の膝に乗ってくると読んでくれと要求するのだ、

もちろん、その要求にいつも俺は答えてやっているのだけど。

石川さんは、自分からは小学校の話を切り出しにくいようだった、
しかし石川さんを家に呼んだのは、リカを納得させる事よりもリカをいかに
慰めるという事が目的なので、このまま石川さんがリカと遊んでやってくれれば、
それでいいと思う。

ふと、気になって石川さんに夕食を済ませたのか聞いてみる、
俺とリカは、俺が出かける前に早めの夕食を済ませていたのだが、

石川さんも、仕事場で6時頃早めの夕食をすませたと答えた、

しかし、もう遅くなってきてお腹が空いてくる頃だと思うので、立ち上がると
何か食べるものを作る事にする、
441 :リカの先生 :2008/03/17(月) 19:54
「リカ、ひやきを焼いて上げようか」

というと、リカは嬉しそうにうなずいた、
石川さんはちょっと首をかしげて、それは何ですか?と聞いてきた、

『ひやき』というのは、小麦粉を練ったのを厚めにフライパンで焼いて、その上に
冷蔵庫のありあわせのネギやキャベツや肉などの具をのせて焼いたもので、
言わばお好み焼きやチヂミみたいな物だった。リカも大好きだった。

このひやきは、俺が子供の頃に母親によく焼いてもらったのだった、
のせる物が何も無い時は、砂糖だけをのせたものだけど、それだけで十分に
美味しかったのを憶えている。

幸い冷蔵庫には小エビがあったのでキャベツやネギと一緒に軽く味付けすると、
ひやきにのせて焼き、頃合を見て卵焼きの要領で返し包んで焼き上げる。

何枚か焼いたひやきを皿に盛ると、俺と石川さんは紅茶、リカにはミルクを
ソファーの前のテーブルに一緒に並べる。
442 :リカの先生 :2008/03/17(月) 19:56
お腹が空いていたのだろう、リカはひやきを口いっぱいにして食べている、
石川さんも、美味しいですと言って口にしている。
リカはまだ石川さんの膝に乗ったままだった、

リカに、もう石川さんの膝から降りなさい、と出来るだけ優しく言った、
石川さんは首を振って大丈夫と言ったが、リカは振り返って石川さんを見ると、
その膝から降りた。

随分長い間リカを膝の上に乗せていたせいで、石川さんはすぐには立ち上がれない
様子だった、無理も無くて俺でさえリカを膝にしばらく乗せていると、脚がしびれて
しばらくは立ち上がれないほどだ。

ひやきをお腹におさめて元気が出て来たリカは、

「ママ〜お風呂に一緒に入ろう〜」

石川さんの腕をつかまえながら言い出した、

443 :リカの先生 :2008/03/17(月) 20:11
少し困っている石川さんを見て、時計を見るとすでに11時前で、
もう遅いから石川さんは帰らないといけないから我がままをよさないかと
リカをたしなめたが、

リカはいうことを聞かなくて石川さんの腕にしがみついて離さない、
普段の日だともうとっくに眠りについてる時間なのだが、今夜のリカは石川さんが
来ているせいなのか、少しテンションが上がり気味だった、

ようやく立ち上がれるようになった石川さんはリカの手を取ると言った、

「いいわ、お風呂に入りましょう」

今夜だけは、リカの好きなようにさせるしかない。
浴室に行ってお湯を出して、戻ってみると、

リカはとんでもない事を言い出した、

「パパも一緒に入ろう〜!」

無邪気に言い放ったリカを前にして、どっと冷汗が出てきて、石川さんの顔を
まともに見れない。石川さんもどういう顔をしていいのか困っている様子だ、

444 :リカの先生 :2008/03/17(月) 20:24
リカは俺の左手と石川さんの右手を両手でつかむと振り回しながら、

「ねぇ〜え、パパも一緒に3人で入ろうよ」

それはいくらなんでも無理な話なので、
何とか俺はリカにお風呂場は狭いから大きい3人は一緒に入れないと言った、
するとリカは、

「そんな事ない、リカとパパはいつも一緒に入ってるんだから、もう一人ぐらい
入れるよ〜」

と、一応もっともと思える主張をする。
しかし、問題はそういう事ではないのだけど、それがリカにはまだ理解出来ない事は
仕方ないにしても、
俺とリカがいまだに一緒にお風呂に入っている事が石川さんに知られてしまったのが
俺を困惑させた、

以前、俺とリカがいつも一緒にお風呂に入っている事をリカから知って、
俺の事を変質者と思っていたと石川さんから聞いた事がある、
もちろん今はその誤解も解けていたのだが、

石川さんはリカに噛んで含めるように言い聞かせた、

パパのような体の大きい人は、自分たちとは一緒に入れないから、
今夜は二人で入ろうと言うと、リカは首をかしげてはいたが、渋々納得したようだ。

445 :リカの先生 :2008/03/17(月) 20:30
俺は石川さんに、お風呂から上がった後はリカの部屋を使ってくださいと
言ってその場を離れようとすると、石川さんは俺に向き直ると、

「小学校低学年ぐらいの女の子が父親と一緒にお風呂に入るのは普通の
事だと思います。私だってそうでしたから」

そう言うと二人で浴室に向かった、俺の気持を察してくれたようだ。

俺は頭をかいた、
それはその通りなのだけど、俺とリカは普通の親子では無いのが、少し
問題なのだが。

俺は、仕事場のパソコンの前に向かった。二人がお風呂に入ってる間、
少しでも仕事の漫画を描くことにした、
実は締切りが目前に迫っていたのだが、まだ半分も描けていなかった、
最近スランプに陥ってしまったのか、さっぱり描けなくなっていた、
パソコンを起動してタブレットのペンを握ってはみたものの、まったく描く
意欲が湧いてこない、
446 :リカの先生 :2008/03/17(月) 20:36
諦めて、ブラウザを起動するとあちこちのサイトを観覧してまわる、
いつも観覧するサイトを開くと画像を見る事にする。そのサイトは、
石川梨華さんのファンサイトで、梨華ちゃんの画像がそれこそ山ほど保存
されていて、漫画の案に詰まった時、梨華ちゃんの画像を見ると何かしら
浮かぶものがあるのだ。

数年前、梨華ちゃんがチャーミーと呼ばれていた頃の画像に見入る、
あの頃の梨華ちゃんは本当に可愛かったと思う。当時、そんな梨華ちゃんに
憧れ、恋焦がれていた自分自身が懐かしく思える。


突然気がついた、その正真正銘の石川梨華さんが、俺の部屋に訪問していて、
今、お風呂に入っているのだ。よけいなのが一緒だが。
まあ、そのリカのおかげで、こうして梨華ちゃんと間近で接する事が出来るのだが、
人の運命とは不思議な物だと本当に思う。
447 :リカの先生 :2008/03/19(水) 19:32
小用をもよおして、トイレに向かうため隣の浴室の前を通ると、ドア越しに
二人の笑い声が漏れてくる、
石川梨華さんに来てもらってリカが元気になって本当に良かったと思う。

仕事場に戻り、ようやく何とか漫画を描き始めた所で、リカの声がしたような気が
して、居間を抜けてそちらへ行ってみると、リカが浴室のドアから首を出して、
替えの下着を持って来てと言う。

リカの部屋に行って、衣類を入れている箪笥からリカの下着とパジャマを出すと
たぶん石川さんは替えの下着を持っていないはずだと思い、下着とブラを
石川さんのために置いておくことにする、サイズは同じはずだ。

浴室のドアの前に行き、まだ石川さんもいるはずだから、ドアの前に置こうと思い、
リカに声を掛けようとした矢先、
448 :リカの先生 :2008/03/19(水) 19:37
突然ドアが開いて誰かが飛び出して来た、バスタオルを体に巻いただけの姿だった、
腕と胸のあたりは浅黒い肌で、石川さんに違いない、

俺は動転して、あわてて後ろを向いた、
石川さんは俺の後ろを小走りにリカの部屋に駆け込んだようだった、

俺は、ため息をついて脱衣所に入ってみると、何食わぬ顔のリカが素っ裸のまま
立っている。

バスタオルで体を拭いてやり、ドライヤーで髪を乾かした後、
俺はひざまずくとリカの片足を上げさせ下着のグンゼのパンツを穿かせてやる。
リカは、俺の肩につかまって両足にパンツが通ると腰まで自分で引き上げる。

そしてパジャマを着せると、脱衣所に置かれたままの石川さんの脱いだ服を
持たせると、リカの部屋に向かわせる。
449 :リカの先生 :2008/03/19(水) 19:43
リカが自分の部屋に入ったのを確認すると、仕事場に戻る。
またパソコンに向かったが、何も手につかない。
バスタオルを巻いただけの石川さんの驚いた顔が目に浮かんでくる。
頭を振ってその事はもう考えない事にする。

リカの部屋には三面鏡のついた化粧台がある、中身は子供だけど、体は大人並
なのだから一応化粧台を買って上げたのだ。
もちろんリカは化粧などはしないのだけど、最低の化粧品としてスキンクリームや
化粧水を置いてはある、リカには必要ないので新しいままなのだけど、それらは
風呂上りの石川さんの役に立つはずだ。

しばらく時間が立ったのだけど、リカの部屋からは何の音沙汰も無い。
どうしてもリカと石川さんがどうしてるのか気になったので、失礼だとは思うのだけど、
リカの部屋の方に行って、ドアをノックしてみた、

中から、石川さんらしい声で、どうぞ。と言う声が聞こえたので、
おそるおそるドアを開けて部屋の中に入ってみる。
450 :リカの先生 :2008/03/19(水) 19:47
石川さんは、ベッドの枕元に膝をついてベッドに寄りかかっている、
どうやらリカはようやく眠りについたところらしくて、やすらかに目を閉じている。
そしてその手は石川さんの手をしっかりと握ったままだった。

俺が近づくと石川さんは笑顔を見せる、
少しの間、二人でリカの寝顔を黙って見つめた。

「リカちゃんって、本当に可愛いわ・・・」

石川さんがぽつりとつぶやいた。
俺もうなずいた。

石川さんはリカの手を優しくそっと離すと立ち上がった。

二人は居間に戻り、向き合ってソファーに腰を降ろした。
時計を見ると、0時過ぎていた、

もし良かったら泊まっていったらどうか、という言葉が喉まで出かかったが、
もちろん、そんな事は出来るはずが無い、
アイドルの石川梨華としての立場を抜きにしても、まだ石川さんは独身の
若い女性なのだから、たとえリカが居たとしても、男の部屋に泊まれる
はずが無いのだ。
451 :リカの先生 :2008/03/19(水) 19:50
「石川さんには、こんな深夜までリカに付き合っていただいて本当に
ありがとうございます。すぐにお送りします」

俺は腰を上げかけたのだが、
石川さんは腰を上げようとしないで、

「あの、もうその『石川さん』って呼ぶのは止めてもらえます」

はぁ?と思わず俺は腰を降ろした、

「だって何か他人行儀じゃない、私がリカちゃんのママみたいなものなら、
あなたはリカちゃんのパパなんだから、そういう呼び方はおかしいわ」

俺は首を捻った、

「おかしいですか、じゃあ何と呼んだらいいのかな・・・」

「梨華でいいです」

「では梨華ちゃんと、呼んでいいですか」

梨華は笑顔でうなずいた。
452 :リカの先生 :2008/03/19(水) 19:57
確かに、梨華とリカは同じDNAを持つ分身であり一心同体と言えるのだけど、
俺と梨華の間は、まだ他人同士と思えるのだけど、

「私ね、リカちゃんとお風呂に入りながら色々話したのよ、リカちゃんは私に
パパ、ジローさんの事も色々と話してくれたわよ」

梨華は、何だか急にくだけた調子で話し始める、
俺は頭をかきながら、

「今度の事で、リカの気持をわかってやれなくて恥ずかしいよ、
たぶんリカに嫌われたのじゃないかな」

「そんな事無いって。リカちゃんにパパの事どう思ってるか聞いたのよ、
そしたら、リカはパパの事が世界一大好きって、言ってたわよ。
私、ママよりもかって聞いたら、ママも好きだけど、パパの方が大好きだって。
口惜しいったらありゃしない〜」

梨華の冗談めかした口ぶりに何と答えていいのかわからない、
453 :リカの先生 :2008/03/19(水) 20:00
梨華は俺の方に身を乗り出すと、

「私ね、リカちゃんの先生になってあげると約束させられちゃったの」

「えぇ?リカの先生ってなに」

「お風呂でね、小学校の事を少し話したの。それで、小学校へ上がると、
先生が勉強を教えてくれるから、その先生の代わりに私がリカちゃんに
勉強を教えてあげると言ったの。
そしたら、リカちゃんすごい大喜びで、絶対約束してねって指切りしたの」

「そうなんだ、忙しいのにそんな約束して大丈夫?」

梨華は笑って、

「それで、月に一度リカちゃんに勉強を教えに来ることになったの。
でないと、リカちゃんに針千本飲まされるから頑張って来るわ」

急に梨華のリカへの思いやりに胸が熱くなって、ありがとうと頭を下げた、
454 :リカの先生 :2008/03/19(水) 20:04
梨華はあわてて手を振りながら、

「そんな、頭なんか下げないでよ〜私なんかいい加減なんだからぁ、
どうしても教えに来れない時は、パパにフォローしてもらうから、
お願いね、パパ」

「うん。わかった、ママ」

梨華は笑い出すと、

「おかしいわ、パパ、ママ、って私達はまるで夫婦みたいじゃない」

突然、梨華は自分の言葉に気がついたように、

「ああぁ〜!私、何て事を言ってるの!夫婦だなんて、変よ、おかしいよ、
あ〜!バカみたい!ホントごめんなさい〜も〜バカバカ!」

梨華は顔を手で隠しながらのけぞると、はた目にもおかしいほど身もだえしている、

455 :リカの先生 :2008/03/19(水) 20:08
何がそんなに恥ずかしいのか、俺にはさっぱりわからなかったのだが、
ここは、梨華を救ってやるには笑うしかないと思って、

ほんとにそうだと大笑いして見せると、梨華はようやく立ち直り一緒になって笑う、
そして立ち上がると時計を見ながら、

「いけない!もうこんな時間よ、帰るわ」

梨華が部屋を出ようとした時、また忘れているバッグを渡してやると、
梨華は自分の頭を叩きながら礼を言う。

駐車場のある地下に向かう階段を降りながら、

「出来たらリカちゃんの側で泊まっていけたら良いのだけど、明日は、もう今日ね。
午前中に仕事があってどうしても帰らないといけないの」

俺は階段で梨華の腕を取ってやりながらうなずいた。
自然と梨華は俺に体を寄せていた。
456 :リカの先生 :2008/03/19(水) 20:14
車の中でも梨華は陽気に色々と話しかけてくる、

「ここに来る時聞いた、あなたの漫画家としてのペンネームだけど、
どっかで見た事あるんだなと思ったのよ、そしたら、うちのモー娘。のメンバーや
ベリーズやキュートのメンバーもよく読んでる漫画があるのだけど、たしか、
『クローン・キャット』というタイトルだったと思うのだけど、その漫画の作者のような
気がするの、どうなの?」

俺がそうです。と答えると、

「やっぱりそうなの!以前ハロコンのリハの時に、熊井友理奈ちゃんがその漫画の
単行本を持っていて、読ましてもらったことがあるの。すごい面白かったわ」

「それは、良かった」

『クローン・キャット』という漫画は、外見は人間なのだが実は中身はネコの
クローン・人間が、ハチャメチャな騒動を繰り広げるというバカバカしい内容の
漫画なのだが。
457 :リカの先生 :2008/03/19(水) 20:17
「そのヒロインの里香というクローンの女の子は、ひょっとしてリカちゃんが
モデルなの?」

「そうだよ」

「やっぱり〜そうなんだ」

そこで梨華は、なぜか声をひそめると、

「もうひとり登場する人物だけど、『山川花梨(かりん)』という変な女が出てくる
のだけど」

「・・・・」

「その元アイドルの花梨っていう女は、変な事をやったり言ったりするきしょい女で
花梨が登場すると辺りが北極並に寒くなるのだけど、まさか、あの人物は、
誰かさんがモデルじゃないでしょうね」
458 :リカの先生 :2008/03/19(水) 20:20
俺は笑いながら、

「ばれちゃったかな、実はそうなんだ」

梨華は思い切り高い声を出して、

「やっぱりー!私がモデルなんだ、ひどい〜!」

「ごめん〜!」

信号で止まって、後ろを振り返ると梨華はふくれて見せたが、怒った振りを
してるだけみたいなので、ひと安心する。

「だけど花梨は、元アイドルじゃないよ、現役のアイドルとして描いてるつもり
なのだけどね」

「そうなんだ、だったら出演料として今度食事にでも連れて行ってもらうわ」

「それぐらいで済むならお安い御用ですよ」

「本当に?だったら日にちを決めないと、6月のライブが終わると少し体が
空くから、ライブが終わったら連絡してね。でないと私から連絡するわよ」

梨華は具体的な事を言う、
459 :リカの先生 :2008/03/19(水) 20:24
「いいよ。必ず連絡するよ」

「そうだ、リカちゃんとの約束もあるからその時に・・・」

梨華は、突然リカの事を思い出したように、

「その・・・もちろん、食事はリカちゃんも一緒によ」

どうやら最初はリカの事は眼中になかったようだ。

6月のライブというのは、梨華のユニット美勇伝が解散する事になり、
その最後のライブの事だった。
その事を言うと、梨華はしんみりとした口調で、

「解散が決まって本当に残念で寂しいわ。でも3人とも最後のライブに向かって
全力で頑張っているから、きっと良いライブになるわ」

やがて車は、梨華の住むマンションの近くに着いたようだ、
俺は気をきかして、マンションの少し前まで来たら車を止めるからと言うと、
460 :リカの先生 :2008/03/19(水) 20:27
「どうして?私のマンションの前まで行ってくれればいいのに」

それで俺はうなずくと、梨華の言う通りに車を走らせ、梨華が着いたと知らせて、
そのマンションの前に車を止めた。

すぐに車の外に出て、後部ドアを開けてやる。
梨華は礼を言うと外に出た。

「送ってくれてありがとう。今夜リカちゃんと過ごして本当に楽しかったわ」

梨華は、ごく自然に手を差し出した。
一瞬迷ったが、すぐにその手を握った。とても柔らかい手だった.。

「こちらこそ、リカのために本当にありがとう」

梨華は手を握ったまま、

「そうだわ、6月のライブにリカちゃんと一緒に来てね。あなたは行く予定は?」
461 :リカの先生 :2008/03/19(水) 20:30
俺は首を振った、チケットが取れそうにない。

「だったら、招待とはいかないけれど、チケットを手配するわ。ぜひ来てね」

ようやく手を離すと、梨華はその手を振るとマンションの中に入って行った。

梨華は、俺に自分の住むマンションを知られた事を全然気にしてない風だった。


車を走らせながら、
俺と梨華の間が急速に接近した事を実感した。

462 :リカの先生 :2008/03/19(水) 20:35
帰り着くまでずっと梨華の事を考えていた。

リカのために真摯に取り組んでくれて、落ち込んでいたリカを慰め、
リカの先生役を買って出てくれた梨華。

そして俺との垣根を自ら取り払うようにして接してきた、梨華。

以前のモーニング娘。の頃に見聞きした梨華とは違う顔を見たような気がする。

その当時のファンとしての梨華への想い以上に、
今の梨華の事がもっともっと好きになっていた。

しかし、しかし今の俺には、別の存在があった。
463 :リカの先生 :2008/03/19(水) 20:41
部屋に帰り着くと、リカの部屋に行って様子を見る、
リカはやすらかに寝入っていた。


今の俺には、リカが存在している。
それは間違いの無い事実だった。


梨華もそれを知っているはずなのに、
464 :花梨 :2008/03/29(土) 23:03
梨華は浴室に入ると脱衣所でリカの服を脱がせてやる。
リカと一緒にお風呂に入るのはこれで2度目になるのだけど、
またリカの全身雪のように白い肌を見ると、ため息が出てしまう。

梨華が服を脱ぎ出すとリカが上着を脱ぐのを手伝ってくれる、
ありがとう。と言うと後は自分で脱いでしまう。

ふと見ると床に体重計が置いてあるのに気づいて、

「ねえリカちゃん、体重を量ってみたら」

するとリカはちゅうちょなく体重計の上に乗る、
見ると、42キロとデジタル表示される、またも梨華はため息をついてしまう、
自分はというと、50キロはあるはずだ、もしかすると50キロ以上かも
しれない。

リカのまったく贅肉のついて無い締まった体には、惚れ惚れする思いだった、
それに較べて自分のこの頃余分な肉がついてきた体には、またまた、ため息が
出てしまう。
二十歳を過ぎてからはそれがいっそうに感じられる。
465 :花梨 :2008/03/29(土) 23:09
「梨華ちゃんは何キロぐらいあるの?乗ってみて」

リカは無邪気にそう言う、
梨華はあわてて手を振ると、

「あっ、私はいいの、早く入ろう」

とリカの手を取るとガラス戸を開けて風呂場に入る。

考えてみれば、リカが梨華のDNAを元にクローン人間として誕生したのは、
6年前だ、梨華が17、8歳の頃だった、だからリカが十代の瑞々しい体を
維持しているのは当然の事かもしれない。

風呂場に入ると、リカに上がり湯をかけてやった後二人で浴槽に入る、
リカは当然のように梨華の膝の上に乗ってくる、

同じ背格好のリカが膝に乗ってるので、お湯はリカのお腹の辺りまでしか
きてない、それで梨華は手の平でお湯をすくって後ろ向きのリカの肩や背中に
かけてやる。
大好きな梨華ママと一緒にお風呂に入りご機嫌なリカは、鼻歌を口ずさむ、
それはタンポポの曲だった。
466 :花梨 :2008/03/29(土) 23:12
「リカちゃん、王子様の歌が好きなんだ」

リカは振り返って、うん、とうなずいた。それから二人で一緒になって歌う。

暖まったので浴槽から上がり、リカを腰掛けさせると後ろにまわり、背中を
流してやる、ボディソープをたっぷり含ませたスポンジで背中をごしごしと
擦ってやりながら、

「リカちゃん、いつもパパと一緒にお風呂に入ってるんだ、良かったね」

リカは、うんとうなずきながら、

「でもね、この頃パパがお仕事で忙しい時は、リカひとりで入る時もあるよ」

「そうなんだ、えらいね〜」

「でも、すぐに後からパパがやってきてリカの髪を洗ってくれるよ」

「そうなんだ〜」

梨華は思わず笑いながら言った、
そのほほ笑ましい光景が目に浮かぶようだった。
467 :花梨 :2008/03/29(土) 23:17
彼とリカが一緒にお風呂に入っていると初めて聞いた時は、嫌悪感だけが
先にたったのだけど、今はそんな感じがしないのは、なぜなのかと梨華は
思う、それだけ彼とリカの間柄を認めていると事なのかもしれない。

リカの髪に子供用のシャンプーを振りかけて手でごしごしと洗ってやりながら
彼とリカとの事を考えていた、

リカが、今年小学校に上がる綾ちゃん達と一緒に小学校へ行きたいと言い出し、
それがどうしてもダメな事を説明出来なくて、リカを悲しませてしまった事を彼から
電話で聴いた時、
彼のその辛い気持が痛いほど伝わってきて、それで梨華は、自分で出来うる限りの
事をして上げたいと思い、リカに直接会って話してみたいと思い立ったのだ。

その時リカが、うぅ〜〜と声を上げた、どうやらシャンプーが目に入ったようだ、
梨華は、あわてて洗面器のお湯で目を洗ってやる、

「大丈夫?もう目は痛くない?」

リカは目を擦りながら首を振ると、

「だいじょうぶ、痛くない」

「そう、えらいえらい」
468 :花梨 :2008/03/29(土) 23:20
それから洗面器にお湯を満たすと、リカの頭にかけて流してやる、
そして、リカに聞いてみる、

「リカちゃん、パパの事、好き・・・?」

頭からお湯をかぶって目を閉じていたリカは、ぱっと目を開けると、

「うん!パパの事、大好きだよ」

「どれくらい、世界一?」

リカは大きくうなずくと、

「世界一大好き〜!」

それを聴いて梨華は思わず笑みを漏らした。

「じゃあ、私、ママの事は?」

「ママも大好きだよ」

「そう、ありがとう。世界一?」

そう聞かれて、リカは瞳をさかんに動かして考えてるようだったが、

「ううん、ママは、大好き。パパは世界一大好き」

梨華は思わず苦笑してリカを抱きしめた。
彼とリカの絆の強さをあらためて思い知らされた。
469 :花梨 :2008/03/29(土) 23:23
リカを先に浴槽に浸からせると、梨華はざっと自分の体を洗う、
終わると、また浴槽に入る、アヒルのオモチャで遊んでいたリカは嬉しそうに
梨華の膝に今度は向かい合わせに乗ってくる、

そして、そっと梨華の乳房に手を伸ばしてくる、

「リカちゃん!」

梨華が声を上げたので、リカはビクッと手を引っ込める、
梨華が微笑んで、いいのよ、という風にうなずいたので、また乳房に手を
伸ばしてきて、そっと手の平を乳房にあててくる。

梨華は、あの事を話す機会だと思い、ひと息つくと話し始めた、

「リカちゃん、小学校へ行きたい?」

リカは、はっと顔を上げて梨華を見たが、すぐに顔伏せると小さく首を振った、

「リカちゃん、ママの目を見て。パパの事は気にしないでいいのよ、
だから正直に言って」
470 :花梨 :2008/04/02(水) 23:21
リカは顔を上げて梨華を見て、

「・・・小学校に行きたい」

梨華はうなずくと、

「小学校はどんな所か知ってる?」

リカは、綾ちゃんのお友達の小学生のお姉さんから少しだけ聞いた事があると
答えた。

「そう。お友達と一緒に小学校へ上がるとね、教室で優しい先生が待っていて、
勉強を教えてくれるの」

梨華は、自分が小学校へ上がった頃の事を思い浮かべながら話した。
リカは真剣に梨華の顔を見つめながら聞き入っている、

「国語、算数理科などをいっぱい教えてくれるの。勉強ばかりじゃないわ、
お外で色々なお遊びも教えてくれるわ」
471 :花梨 :2008/04/02(水) 23:25
梨華は、自分の小学校1年の担任の先生を思い出していた、

「私が初めて教えてもらった先生は、女の先生でそれは優しい先生だったの、
私は大好きだったわ」

リカは食い入るように梨華の顔を見つめながら聞いている、手は梨華の乳房を
触ったままで。

「いつだったかその先生に、わからない事があって本を持って聞きに行ったの、
そしたら先生は本を自分の膝の上に載せて丁寧に教えてくれたの。
私は先生の膝につかまりながら聞いていたわ。先生の膝の温かさを今でも
思い出す事が出来るわ」

ふと気がつくと、吐く息が感じられるほどすぐ側にリカは顔を寄せていた、

「リカちゃん、先生に勉強を教えてもらたい?」

リカは大きくうなずいた、

「そう。じゃあ、私がリカちゃんの先生になってあげる」
472 :花梨 :2008/04/02(水) 23:28
リカの瞳がぱっと輝いて、

「ほんとうに?」

梨華はリカの背中に腕をまわして抱きしめながら、

「本当よ。小学校ではひとりの先生にたくさんのお友達が教えてもらうのだけど、
私はリカちゃんひとりだけの先生になってあげる」

「じゃあ、教室は?」

「教室はこのリカちゃんのお家よ。私がここに来てリカちゃんに勉強を
教えてあげる」

「だったら、毎日来てくれる?」

梨華は苦笑して、

「そうして上げたいのだけど、それは無理なの、リカちゃんも私にお仕事が
あるのを知ってるでしょ、だから一月に一度か二度になってしまうけど、
その日は一日中リカちゃんに勉強を教えてあげる。それで許してくれる?」
473 :花梨 :2008/04/02(水) 23:32
リカはうなずくと、

「うん、いいよ。約束だよ、指切りゲンマンしよう」

「いいわよ。約束するわ」

二人は、小指をからめる、

「ゆびきりゲンマン〜ウソついたら針千本飲ま〜す」

お風呂場にリカの笑い声がはじけた。

リカの先生になってあげるというのは、実はその場の思いつきなのだが、
梨華は、高校を中退した身としては勉強を教えるのは自信は無いのだけど、
小学校1年生ぐらいなら何とか教えられると思う。

なによりもリカの嬉しそうな笑顔にこれから何としても答えてやりたい。
474 :花梨 :2008/07/22(火) 18:55
リカが言った、

「そうだ、今度の12日はパパのお誕生日なんだよ、
だからママも来て一緒にお祝いしようよ〜」

「そうなんだ、いいわね、でも・・・」

今月の12日は、あいにくフットサルの試合があるから、とても
時間が取れないと思う、

その日はどうしても用事があって行けないのと言うと、
リカがつまらなそうに口をとんがらした。
その顔を見て梨華は笑いながら、ふと、

「リカちゃんのお誕生日はいつなの?」

と聞いてみると、1月19日だと言う。
へぇ〜と梨華はやはり私と同じ日なんだと思う、
475 :花梨 :2008/07/22(火) 19:00
リカも気がついて、ママのお誕生日は何日なの?と聞いてくる、
梨華は少しもったいぶっていたが、リカと同じ1月19日だよと
言うと、リカは嬉しそうに目を輝かして

「本当なの!?そうなんだ〜!わたしとママのお誕生日早く来ないかな〜」

梨華は笑って、

「残念だけど、今は4月だから来年にならないと駄目ね。
その時は必ずリカちゃんと一緒にお祝いをしようね」

リカは嬉しそうにうんとうなずくと、約束だよと小指を突き出してくる、梨華もうなずきながら、小指をからませる。

「指きりげんまん、ウソついたら針二千本飲ます〜!」

「あらあら、針二千本も飲まされたら大変だぁ、絶対に来ないとね」

梨華はお風呂から上がることにして、脱衣所に自分の下着が無い
事に気がついて、あっと思い出して洗濯機の中を覗き込む、

自分のマンションと同じで脱衣所に置いてある洗濯機の中に、つい
いつものように脱いだ下着を放り込んでしまっていたのだ、
今日はお風呂に入る事になるとは思わなかったので替えの下着を
持ってこなかったのを忘れていたのだ、
476 :花梨 :2008/07/22(火) 19:05
洗濯機から下着を取り出したのだけど、一日中穿いていた下着を
そのまま身に着ける気がしない、それで下着を洗う事にしてお風呂場に戻って
洗面器にお湯を入れて下着を洗い出した、ふとそれを眺めているリカに気がついて、

「リカちゃん、替えの下着は?」

と聞くと、リカは首を振ると、

「持ってくるの忘れちゃった、そうだパパに言って持ってきて貰う」

そう言うと脱衣所のドアを開けると大きな声で、

「パパ〜!!パンツを持ってきて〜〜!!!」

少しして、聞こえたのか彼の、わかった〜という声が聞こえる、

それを聞いて梨華はあわてた、彼が来る前に自分は早く出なければ
いけないと思う、
突然、気がついた、今夜はここに泊まれない事に。
それなのに下着を洗ってしまっては、穿くものが無くなってしまう、
自分の馬鹿さ加減に動転してしまった梨華は、どうして
いいかわからなくなってしまい、あわてて洗った下着を絞って手に
持つと、このまま素っ裸で出るわけにいかないので、バスタオルを
身体に巻くと、とにかくここを出ようとドアを開けて外に飛び出した、
477 :花梨 :2008/07/22(火) 19:11
飛び出したとたんに、やって来た彼と鉢合わせしてしまった、
彼は梨華のバスタオルを巻いただけの姿にあわてて後ろを向いた、
泡を食った梨華は、とにかく教えられたリカの部屋を目掛けて
夢中で走りこんだ。

何とかリカの部屋に飛び込んだ梨華は座り込んだまましばらく
心臓の鼓動が止まらなかった、それはあわてて走った事よりも
彼の前にバスタオルだけの姿を晒したせいかもしれない。
梨華は頭を振ってその事を振り払おうとした、こんな何でもない事に
なぜドキドキしてしまうのかわからなかった、

ちょっと驚いた彼の顔がしばらく脳裏を去らなかった、
なぜ彼を強く意識してしまうのか、自分でもわからなかった。
478 :花梨 :2008/07/22(火) 19:18
少したってようやく落ち着いてきた梨華はリカの部屋を見回した。
部屋はよく片付けられていた、絨毯を敷いた洋間は6畳くらいで、
きちんとシーツや毛布がたたまれているベッドの上にクマの
ヌイグルミが乗っているのがほほ笑ましい。
毎日丁寧に掃除機をかけているらしく、ゴミひとつ落ちていない。

ふと三面鏡の化粧台に目がいく、この部屋の主は精神的には5歳の幼児なのだけど、
外見は二十歳過ぎた大人の女性だという事を認識している彼の気配りが
わかるような気がする。

その時ドアが開いて、パジャマに着替えたリカが部屋に入ってきた、
リカは衣装箪笥の前にたたまれて置かれている替えの下着を差して

「ママ〜パパがそのパンツに着替えなさいって、言ってたよ」

「そうなんだ、ありがとう」

梨華は彼の気配りに甘えさせて貰う事にしてその下着を身に着けた。
そのリカの下着は、ほぼサイズは合った。
脱衣所に忘れてきた梨華の服もリカが持ってきてくれていたのでそれも身に着ける。
479 :花梨 :2008/07/22(火) 19:23
その後、梨華はリカを化粧台の前に座らすと、その長い髪をブラシで丁寧に梳いてやる。
リカの髪は柔らかく艶々と輝いていて、今の自分には無いもので
その点も羨ましかった。

「さあ、もう遅いわ。お休みね」

ベッドを整えるとリカを寝かす、リカはしっかりと梨華の手を握って、

「ねえママ、今夜は泊まっていくの?」

梨華はほほ笑むと、それには答えず

「リカちゃんが眠りにつくまで側についててあげるから安心してお休みなさい」

「じゃあ、タンポポを歌って」

梨華が二曲目の「王子様と雪の夜」の途中で、リカは梨華の手を
しっかりと握ったまま寝息をたてはじめた。

その時、ドアがノックされた。
梨華が返事をすると、彼が入ってきた。

そしてしばらく二人でリカの寝顔を見つめていた。


「リカちゃんって、本当に可愛いわ・・・」
480 :花梨 :2008/07/22(火) 19:27
梨華は、明日は午前中に仕事があってどうしても今夜は家に
帰らないといけないので彼に送って貰って帰る事にした。

梨華のマンションに着いて車を降りると、

「送ってくれてありがとう。今夜リカちゃんと過ごして本当に楽しかったわ」

梨華はさりげない風に手を差し出した、
彼は少し戸惑ったようだけど、すぐに梨華の手を握った。

梨華は、また鼓動が高鳴るのを感じながら手を握ったまま
6月の美勇伝のラストコンサートに誘った後、手を離して
マンションの中へ入って行った、

梨華はマンションの入り口のガラスのドアから外を見ていた、
彼が車を動かして、車のテールランプが見えなくなるまで見送っていた。

梨華はエレベーターで上がりながら、彼の事を考えていた。
彼の存在が自分の中で大きくなっていくのを強く意識しないでは
いられなかった。
481 :花梨 :2008/07/22(火) 19:38
現在、体調が悪く何とか梨華視点の「花梨」の更新を
終えました。

体調が回復さえすれば早く次を更新したいとは思うのですが、
いつになるのかわかりません、ご勘弁を。

作者
482 :名無し飼育 :2008/07/23(水) 01:00
すぐれない体調の中、更新お疲れ様です!
483 :最終伝説 :2009/06/23(火) 09:32
ずるずると延ばしていくうちに、いつのまにか一年近く
立ってしまいました。
最近も原因不明の背中の痛みに悩まされていて、
体調も万全ではないのですが、このままほっとけないので
少しですが更新しようと思います。
484 :最終伝説 :2009/06/23(火) 09:35
美勇伝のラストツアーが終わって一ヶ月ほど立ったある日、
俺は梨華に連絡を取って約束の食事をする事になった。

少し約束の時間に遅れそうだったので、小走りでそのホテルの
レストランに向かった。
もっとしゃれたフレンチのレストランにしておけばいいのだけど、
そんなレストランには全然縁がなかったし、最近出版社の担当者と
そのホテルのレストランにたまたま行ってそこが美味しかったので
このレストランにしたのだった。

中に入って見渡すとすぐに梨華は見つかった、
梨華も俺に気がついて立ち上がった。
485 :最終伝説 :2009/06/23(火) 09:42
「ごめん、待った?」

俺がそう言うと、梨華は首を振りながら俺の背後に視線を
やっているようだった、

「ひとりなの?リカちゃんは・・・」

俺はテーブルにつくと、

「ひとりだよ。今夜はリカはお留守番してる」

この梨華との食事の約束には、俺は梨華にはリカが行くとも行かないとも
事前には言わなかった。

すぐにボーイを呼んで料理を持ってくるように頼む。
ついでにワインも持ってこさせる。
486 :最終伝説 :2009/06/23(火) 09:45
リカが来ないことに、梨華は内心ほっとしてるように見えた。

前菜と共にワインが来て、梨華のグラスに注いでやる。
飲みながら美勇伝のラストコンサートの話になった、


梨華の招待を受けた俺とリカは、千秋楽の日曜日ではなく
土曜日のコンサートに行く予定だったのだけど、
前日にリカが急に熱を出してしまい、行けなくなってしまったのだ。
リカはどうしても行きたいと駄々をこねたが、そういうわけにも
行かないし、それなら俺ひとりでも行ってやって。とリカは
言ったのだけど、病気のリカを置いて行けるわけもない。
487 :最終伝説 :2009/06/23(火) 09:48
梨華には電話でそういうわけで行けないと謝ったのだけど、
梨華も残念がっていたが、リカが熱を出したのなら仕方ないと
会場に行けなくても、遠くから応援していてと言ったのだった、
だから、梨華は俺が当然日曜日のラストにも来ないものと思って
いたはずだ。

その土曜日の夜、かってのヲタ仲間だった山田から電話が掛かって来た。
日曜日のチケットが連番であるから行かないかと言う。
もちろん、行けるはずが無い。リカの熱は下がっていたが、リカを
置いて俺一人で行けるはずもない。

山田は俺が断ってもねばって中々電話を切らない、
あげくに、梨華ちゃんが大事に育て来た美勇伝のラストライブに
行かないのは梨華ヲタとして羞じないのかとぬかす、
488 :最終伝説 :2009/06/23(火) 09:56
俺はピンと来て、そのチケットはどうして手に入れたと聞いてみると、
案の定オクで落としたと言う、そしてチケットは当日の手渡しだとも言う、
当然代金もその時払うことになる、

だいたい、山田は梨華ヲタを止めて今はBerryz工房 のヲタで、
嗣永桃子ちゃんや菅谷梨沙子ちゃんを追っかけてるはずだった。
その事を指摘すると、俺のためにチケットをオクで落としてやったと
ぬかす。参考までにいくらで落としたのか聞いてみると、
連番で法外な金額をこともなげに言う。

そして、売れっ子の漫画家で稼いでいる俺なら何でもない額だとも言い出す。
俺に払わせる気なのだ。
呆れた俺は後で電話するといったん切った。
489 :最終伝説 :2009/06/23(火) 10:01
携帯を置いてふと見ると側にリカがいた。
梨華の名前を聞いたのだろう、俺の顔をじっと見つめている、
俺は正直に山田から日曜日のチケットがあると言って来たとリカに話した。

リカは俺の眼をじっと見つめていたが、

「パパ、梨華ママの最後のコンサートに行ってあげて」

俺は手を伸ばしてリカの額に手をやった、熱はもうなかった。

結局、俺は美勇伝のラストライブに行く事になった。
リカは、隣の綾ちゃんの家に預かって貰うことにした。

連番のチケットは、夜の最終公演でやや端だったが2列目の良席だった、
どうりで法外な高額になったのも仕方ない席だった。
490 :最終伝説 :2009/06/23(火) 10:06
会場は美勇伝の最終公演にふさわしい熱気に包まれていて、
美勇伝の3人の熱唱も十二分に伝わってくる。

ライブが始まって半ばを過ぎた頃、梨華が俺のいる席の目前にやって来た。
突然、梨華が俺の姿に気がついたのがわかる。

一瞬梨華は凍りついたように、俺を凝視した。

元来俺はライブでは大人しく観るほうで、サイリウムなども
持たない事が多い。俺は、見つめる梨華に答えて片手を振った。
すると梨華もそれに答えるように片手を振った。
491 :最終伝説 :2009/06/23(火) 10:09
梨華が舞台の中央へ去ると、隣の山田は興奮したように、

「おい!見たか、梨華ちゃんが俺にレスをくれたぞ!
あんなに長いレスを貰ったのは初めてだ、それに手まで振ってた」

俺は山田の勘違いに、あいまいにうなずいた。

少しして、また梨華は俺の席の前にやってきた、

それは、他の二人とは離れすぎていて明らかに立ち位置を無視した
ようなふるまいだった。
梨華は俺を見つめながら歌った。
492 :最終伝説 :2009/06/23(火) 10:11
さすがに山田も、梨華のレスが俺に向かってのものだと気がついて、
俺の顔を不審そうに見た、


俺は運ばれて来た料理を食べながら梨華に、
公演が終わり、会場を出ながら山田にその事について問い詰められて
困った事を話した、

梨華は笑いながら、

「あの時、あなたの姿を見て驚いたし、嬉しくなったのよ、
それで山田さんにどう言ったの?」
493 :最終伝説 :2009/06/23(火) 10:20
俺は山田に、出版社のパーティーで偶然梨華と知り合って俺がファンだと
言って、それから意気投合して携帯の番号をお互い交換して、それから
何度か電話で話したと言った。

パーティーで出会ったという話は、本当の事なので嘘を言ってる
わけではないのだけど、
実際はその前から付き合っていたのだけど。

「そうなの。それで山田さんは納得したのかしら」

山田は半信半疑のようだったが、別れる時に、

「お前もあんなに好きだった梨華ちゃんと付き合えて
さぞ有頂天だろうな、写真週刊誌には気をつけろよ」

そう捨てセリフを吐いて俺から離れた、
いや、まだそんな仲じゃないと言おうとしたが、もう山田は
行った後だった。
494 :最終伝説 :2009/06/23(火) 10:27
それから、俺と梨華は黙々と料理を口に運んだ。
初めての二人だけの食事だったし、お互い話題もそんなに無い、
あるとすれば、お互いの共通の関係があるリカの事だった。

それからリカの話を食後のコーヒーが出るまで続けた。

食事も終わり、なんとなく別れ難い思いが二人の間に流れているのを感じた。
それでも俺は立ち上がると、

「今夜は楽しかった、料理もすごく美味しかったし、
こんなにゆっくりと食事したのは久しぶりだった」

梨華もうなずくと、

「私もすごく楽しかったわ。それにここの料理も本当に
美味しかったわ。その・・・また来たいわ」
495 :帰り道 :2009/06/23(火) 10:32
また食事に誘って欲しいと梨華は言ってるのは、わかったが、
その事にあえて触れないで、

「さあ、お名残惜しいけど送って行くよ。大人の付き合いなら
これからお酒でも飲みたい所だけど、リカが待ってるしね」

梨華は視線を落として、

「そうね、この食事もリカちゃんがいればもっと楽しかったのにね」

それを梨華は本心から言っているのか、はかりかねた。
496 :帰り道 :2009/06/23(火) 10:35
レストランを出ると、梨華は外へ出ないでエレベーターの方へ向かいながら、

「実は、このホテルの部屋をとってあるの」

梨華は俺の方を見ないで言う、

「へぇ〜そうなんだ」

「その、明日朝早く地方でお仕事があるの。私の所は少し遠いし、
このホテルは駅に近いし、絶対に遅れてはいけないお仕事だし、
このホテルのレストランで食事と聞いたとき、このホテルに
泊まろうと決めていたの」

「なるほどね、いい考えだと思うな」
497 :帰り道 :2009/06/23(火) 10:41
俺と梨華はエレベーターに乗った。
決して梨華の方から誘ったわけでもないし、
俺の意思で、梨華を部屋の前まで送るつもりだった。

部屋の前まで来て、梨華はドアを開けると俺を見て、

「ちょっとお茶でも飲んでいって・・・」

俺は梨華の真意を測りかねていたが、、

「いや、お邪魔だしもう帰るよ」

そう言いながらも、なんとなく足が進んでいつのまにか俺は
部屋の中に入っていた、
498 :帰り道 :2009/06/23(火) 10:45
部屋の向こうに大き目のベッドが目に入った、

ガチャリと音がしたので振り返ると、
梨華が閉めたドアを背にして立っていた、
何とも言えない表情で俺を見つめている。

一瞬、逡巡したが、思い直してドアに向かった、
いつまでもこの部屋にいてはいけないのだと感じた、

梨華は俺を避けないでドアの前に立ったままでいる、

「さようなら・・・今日のところは帰るよ」

梨華の体はふらっと揺れると、俺に体を寄せてくる。
そんな梨華を抱き止めた、少しの間抱き合っていた、
499 :帰り道 :2009/06/23(火) 10:52
梨華は瞳を閉じたまま顔を上げた、

そしてキスした。

俺の背中にまわした梨華の腕に力が入ってきつくなる、
俺と梨華は強く抱き合いながら、唇をかさねていた、

急に危険なものを感じて唇を離すと、俺は梨華から離れて、
すぐにドアを開けて外に出た。
500 :帰り道 :2009/06/23(火) 10:56
夜道を車を走らせながら、ずっと梨華の事を考えていた。

なぜキスしてしまったのか、わからない、
まだ梨華の唇の感触が残っていて、思わず唇に指をやった。

家に近くなって来て、その家で待っているリカの事を考えた。
梨華とリカ。俺はこの二人をどうしようとしてるのか、

以前リカのとの将来の事は決めたはずなのに、
梨華との出来事によってそれもわからなくなってきていた。
501 :名無飼育さん :2009/06/29(月) 00:14
懐かしい作品の復活ですね。
結末にたどり着くようお祈りしています。
502 :名無飼育さん :2009/06/29(月) 06:43
503 :逢瀬 :2014/10/14(火) 23:40
小学校に行けないリカのために、梨華が先生になって
月に一度リカに勉強を教えに来るようになって半年になる。
梨華も仕事で忙しい時には2ヶ月ほど来れない時もある。

2ヶ月ぶりの梨華先生にリカは、はしゃいで疲れたのか
梨華の手を握りながら眠ってしまっていた。

リカに布団を掛けて上げながら、ようやく梨華は立ち上がった。
「送るよ」
俺は梨華に上着を掛けてやる。
504 :逢瀬 :2014/10/14(火) 23:42
地下の駐車場から車を出すと、梨華を乗せて夜の街へ走り出す。

梨華は一人暮らしを始めていた。

梨華のマンションの駐車場へ車を入れて、梨華の部屋に入った。
ドアを閉めると、梨華は俺に抱きついてくる。
しばらくキスを続けた後、勢い込むように二人は服を脱ぎだした、
何もかも脱いでしまうと、そのままベッドに二人で倒れこむ。

リカを教えに来た梨華を夜遅く送って行き、梨華のマンションで
逢瀬をかさねるのはこれで何度目かになる。

最初の壁を越えてしまうと、後は情熱にまかせるだけになっていた。
梨華は激しく私に応えて声を上げむせび泣いた。


505 :作者 :2014/10/14(火) 23:47
5年ぶりに更新してみました。出来るだけ暇を見て更新して、
なんとか完結させたいのですが、どうなるやら。
506 :名無飼育さん :2014/12/14(日) 22:10
待ってましたー!!
頑張ってください。
507 :梨華のなやみ :2014/12/24(水) 21:26
梨華がリカの先生役をやるようになって、一ヶ月ほどの事だった。

吉澤は右サイドを敵陣向けて走った。ゴレイロの投げたボールを
受けドリブルで上がって行く、
左サイドを梨華が上がって行くのが見えた。
コーナーから、センターで待ち受ける梨華へ向けてクロスを上げた。

しかし、梨華が顔をそむけているのに気づいて
「梨華!!」
吉澤の声に振り向いた梨華の顔にボールが直撃した
508 :梨華の悩み :2014/12/24(水) 21:32
顔面にボールを受けた梨華は仰向けに倒れた。
ボールは放物線を描いてループシュートとなってゴールに吸い込まれた。

やった!と手を上げた吉澤だが、
起き上がらない梨華に駆け寄った、梨華は目を閉じたまま動かない、
後頭部を打って脳震盪を起こしたのかもしれない、
藤本が大声でドクター呼んだ、吉澤は梨華を揺さぶった。

509 :梨華の悩み :2014/12/24(水) 21:36
梨華はドクターの来る前に目を開けた。
吉澤を見ると
「ここは何処?」

吉澤は呆れて「梨華ちゃん!寝ぼけるんじゃないよ!
今、フットサルの試合中だよ」
梨華は体を起こすと、駆け寄ったドクターに大丈夫と手を振った。

「梨華ちゃん大丈夫?」藤本が声をかけた
梨華はうなずいて普通に歩いて行く。
510 :梨華の悩み :2014/12/24(水) 21:42
藤本が、「梨華ちゃん、今日変だよ。観客席ばっかり見てる」
吉澤がクロスを上げた時もゴール裏の観客席を見てたようだ。
結局このゲームは勝ったものの、ガッタスは2位に終わった。

「今日の梨華ちゃんの顔面シュートは最高だったね〜」
藤本の言葉に皆は笑った。

梨華は吉澤に言った、
「今日先に帰っていい?」
藤本が何か言いかけるのを制して吉澤は

「用事があるのならいいよ」
梨華はそそくさと着替えると出て行った。
511 :梨華の悩み :2014/12/24(水) 21:51
「呆れた!今日はよっちゃんの誕生日だから、終わったら
皆でお祝いをしようって、あれほど言ってたのに」
藤本は非難するように言った、

吉澤は梨華の事が気になった、梨華は毎年吉澤の誕生日を
忘れるなんて事は無かったのにどうしたのだろう、
吉澤の事を忘れるほどのわけがあるのかもしれない、
512 :梨華の悩み :2014/12/24(水) 21:57
「皆ちょっと待っててくれない、すぐに帰ってくるから」

吉澤は梨華の後を追いかけた。

梨華は駐車場に立っていた。
白いプリウスをじっと見つめていた。
その車の持主を待っているようだ。

梨華はひたすらプリウスの持主を待ち続けていた。
やがて一人の女性がプリウスに乗り込んで走り去っていった。
梨華はがっくりと肩を落とした、待ち望んでいた人と
違ったようだ。

513 :梨華の悩み :2014/12/24(水) 22:04
吉澤は自分の車に乗り込んで動かした。

「梨華ちゃんプリウスじゃないけど乗ってく?」
吉澤が声を掛けると、梨華は驚いて吉澤を見た。

「ずっと私を見てたの?」
梨華は吉澤のフィットの助手席に乗り込んだ。

「知り合いの車に似てたの。でも違ってた」
あの様子からするとよほどの知り合いらしい。

「会場でも似た人がいたの、だから彼が来ていると思ったの」
彼?その知り合いは男性のようだ。
だから試合中も観客席を見てたのか、
514 :梨華の悩み :2014/12/24(水) 22:12
「帰るのなら送って行くよ」
梨華は小さくうなずいた。

その前に吉澤は藤本に携帯で電話をかけた、
「美貴ちゃん、悪いけど今日は都合が悪いので、パーティーは
明日に延期してくれないかな」
藤本がなにかぶつぶつ文句を言っていたが、
適当に返事をして切った。

助手席の梨華をちらっと見たが、梨華は考え事をしていて、
何のパーティーか関心が無いようだった。
515 :梨華の悩み :2014/12/24(水) 22:23
吉澤がフィットを動かして道路に出すと、

「お願いがあるの、ある所へ連れて行って貰えないかしら」
「いいよ。何処なの?」

梨華は住所を言った。
初めての所だったので車を止めてカーナビを入れる。

走り出しても梨華は押し黙っていた。
重苦しい雰囲気だったので、吉澤はボックスを開けて
CDディスクを取り出そうとした、
516 :梨華の悩み :2014/12/24(水) 22:26
いきなり梨華が言った、

「彼の事が好きなの。好きで好きでたまらないの」

赤信号で思わず急ブレーキを踏んだ吉澤は梨華の顔を見た。
梨華は思いつめた顔をしていた。

青信号になって、とにかく車を走らせた。
517 :梨華の悩み :2014/12/24(水) 22:32
しばらく車を走らせた。カーナビを見ると、後30分ほどかかるようだ。

「それでこれから何処へ行くの?」

「彼の所よ」

吉澤は思わず梨華の顔を見た、
梨華は真っ直ぐ前を見つめている。

「って何しに行くのか、聞いていい?」
518 :梨華の悩み :2014/12/24(水) 22:48
「今日は彼の誕生日なの。それでプレゼントを渡したいの」

やれやれ、自分と同じ誕生日かと吉澤は思った。
オレの誕生日を梨華は何時思い出してくれるのか。

しばらく走ってカーナビが、『目的地付近です』と音声を出すと、梨華が、
「ここで停めて!」

吉澤が車を停めると、
「ありがとう。帰りはタクシーで帰るから」

梨華は降りて歩いて行く。辺りはもうすっかり暗くなっていて、
街灯の向こうを梨華は歩いて行く、その方向にマンションの灯りが
見えていた。
519 :プレゼント :2014/12/27(土) 00:08
梨華はそのマンションの前に立ちすくんでいた。
彼の部屋の灯りが見えていた。

フットサルの試合があったし、今日行くとは言ってなかったが、
なんだか無性に彼に会いたくなってここまで来たのだけど、
なぜか足が止まってしまっていた。
520 :プレゼント :2014/12/27(土) 00:10
リカが嬉しそうに言った、
「パパ!早くケーキのロウソクを吹き消して」
それに答えてひと息でロウソクを吹き消すとリカは手を叩いて喜んだ。
そしてケーキを食べていたリカが、

「ママどうして来ないのかな。パパはご招待しなかったの?」
「ママはお仕事があるから来られないって、言ったじゃないか」

リカはうなずきながら、つまらそうにしている、
ふと、リカは振り返って窓を見た時、
「あっママだ!ママが来てるよ!!」
521 :プレゼント :2014/12/27(土) 00:12
叫び出したリカに窓を見たが、外は暗いので部屋が映っているだけで、
外が見えるはずがないのだけど、
「パパ!早く早くママが行っちゃうよ!」

その声に立っていって窓を開けてみると、
遠くの街灯の下で人の影が見えたような気がした、
もしや、リカが言うように本当に梨華が来たのかもしれなかった、

リカには部屋で待ってるように言い置いて、外に飛び出した、
522 :プレゼント :2014/12/27(土) 00:14
外に出て、「梨華!」と呼びながら走った、
向こうに人影が見えて暗くてよく見えないが、梨華のような気がして
追いかけた、なぜかその人影は逃げるように遠ざかるように見える、

懸命に走ってなんとか追いついた。
側まで行って、梨華だとわかる。

梨華をつかまえて抱きしめた。
523 :プレゼント :2014/12/29(月) 00:05
梨華はタクシーをつかまえようと大通りに出ようとしていた。
突然駐車中の車のエンジンがかかり、ライトが点灯した。
「お嬢さん、お安くしますよ。乗ってきませんか」
「よっすいー!」

梨華は車に乗り込んだ。
「帰ったんじゃなかったの?」
「なんか心配になってさ、少し待とうと思ってたけど、
もう帰ろうかと思ってたら、梨華ちゃんが歩いてきたわけ」
524 :プレゼント :2014/12/29(月) 00:13
吉澤は車を発進させた。

しばらく二人は黙っていたが、梨華がぽつりと、

「よっちゃん、お誕生日おめでとう」
「あれ、忘れてたわけじゃないんだ」

「忘れるわけないでしょ」
その時、吉澤の携帯の着信音が鳴り出した。
525 :プレゼント :2014/12/29(月) 00:15
梨華が手を出して携帯を受け取ると出た。
藤本の声で一方的に喋り出す、

『よっちゃん?今、主役不在で誕生パーティーを予定通り
やってるのだけど、今何処にいるの、梨華ちゃんを捕まえたの?』

「ごめんなさい」
梨華が答えると、
『あれ〜?梨華ちゃんなの、一緒なんだ。そうかよっちゃんは
運転中か』
526 :プレゼント :2014/12/29(月) 00:16
「今からそちらへ向かうと美貴ちゃんに言ってくれない」

そう言うと吉澤は梨華を見た、
梨華はうなずいて、

「今から二人でそちらへ向かうわ」
『そうなの、良かった!』
藤本の弾んだ声が聞こえた。
527 :プレゼント :2014/12/29(月) 00:20
「よっちゃんの誕生日を忘れたわけではない証拠にプレゼントは
持ってきてるわ」
「ふ〜ん、彼も今日誕生日なんだろ、まさかそのプレゼントは・・」

「ひどい!私はそこまで馬鹿じゃないわよ。彼のプレゼントはさっき渡したわ」
「ごめん!悪かったよ。早く戻って来たので彼と会えなかったのかと」

「ごめんなさい。悪いのは私よ。私ってやはり馬鹿よね。
一時でも大事な仲間の誕生日を忘れてしまうなんて」
「ってやっぱり忘れてたのかよ!」

528 :& ◆zYPpV3aVnU :2014/12/29(月) 00:22
彼は梨華を抱きしめながら、
「早く家に入ろう。リカが待ってるよ。あのねリカが突然ママが来た!
って叫んで、それで窓を開けたら梨華の姿がちらっと見えたんだ」

「そうなんだ、これ誕生プレゼント」
梨華はリボンの付いた箱を渡すと、

「私はこれで帰るわ」
「帰るって、どうして?」

「本来、今日は来るはずじゃなかったの。あなたの部屋の灯りを見て、
あなたとリカちゃんの二人だけの誕生日を邪魔しちゃいけないと思ったの」
「邪魔だなんて、そんな事ないよ!」

529 :プレゼント :2014/12/29(月) 00:24
梨華は首を振って、
「あなたに会えただけで満足よ。今夜は帰ります」
梨華は彼の腕から離れて行こうとした、

「待って、帰るなら車で送るよ」

「大丈夫、タクシーを待たせてるの。リカちゃんを一人にしないで」
梨華は小走りにその場を離れた。

彼は見送りながら、梨華の行く方向にタクシーの灯りなど見えなかった。

530 :キスの理由 :2015/01/13(火) 00:29
リカのお勉強が終わると、リカは梨華の腕を取り、
「ママ〜お風呂入ろ〜」
と、せがんだ。

「ダメだよ、ママは帰るんだから」

梨華は彼を見て、
「明日はお休みなの。だから今夜はゆっくり出来るわ」

口には出せなかったけれど、泊まっていくことも出来た。
531 :キスの理由 :2015/01/13(火) 00:32
リカと一緒にお風呂に入るといつも思うのは、リカの肌の白さだった。
梨華はそんなリカの体を洗ってあげていた時だった、
ふいにリカが振り返ると梨華の顔を見て、
「ママ、チューしよう」

思わず梨華はリカの顔を見た、なにか面白がってるような表情だった。

「ねぇ〜チューしようよ」

梨華はどぎまぎしたが、断る理由も浮かばないし仕方なく、
「いいわよ」と答えたら、

すぐさまリカは梨華の首に腕をからませると、梨華の唇に
自分の唇を押し当ててきた。
532 :キスの理由 :2015/01/13(火) 00:35
リカの唇は柔らかく弾力に富んでいた。
自分の分身であるリカとキスした梨華は、自分自身とキスしたような
気がした。

ようやく唇を離したリカは、梨華の反応をうかがう様に見てくる。
なんとか梨華は平静な様子を保った。

「リカちゃん、パパとはよくチューをするの?」

「するよ。おやすみのチューとか、ママのようにお風呂入ってる時に
チューしてって言ってするよ」

533 :キスの理由 :2015/01/13(火) 00:38
「そうなんだ・・・」

「パパと初めてチューした時の事はよく憶えてるよ」

「どんなだったか聞いていい?」

「いいよ。お外で大雨が降ってる時に側に雷様が落ちたの。
それで怖くてパパに抱きついていたら、パパがリカにチューしてきたの。
雨でびしょびしょになってる時にパパがお口にチューしてきたから
びっくりしちゃったけど」
534 :キスの理由 :2015/01/13(火) 00:39
「そうなんだ、それでどうしたの」

「うん、それで帰る時パパになんでリカにチューしたのって聞いたの」

「それでパパは、」
535 :キスの理由 :2015/01/13(火) 00:41
360 :きずな :2006/01/17(火) 23:19

「リカ・・・俺にチューをされて嫌だったかい」

リカは首を振った。
「嫌じゃなかったよ。カミナリがとっても怖くて
震えている時にパパにチューされて、最初は
驚いたけど、うれしかった」

「ありがとう、リカ」

リカには俺の素直な気持ちを伝えるしかない。

「リカにチューしたのは、リカのことが大好きだから
チュー、キスをしたんだよ」

リカはようやく笑顔を見せてうなずいた。

「リカもパパが大好きだよ〜」
536 :キスの理由 :2015/01/13(火) 00:43
「そうなんだ。よかったね」

そして、リカは無邪気に聞いてきた。

「ママもパパとチューしたの?」

動揺を隠し切れない梨華に、リカはそれを見逃さずにじっと梨華の顔を
見つめてくる。

そんなリカに嘘はつけなかった。

537 :キスの理由 :2015/01/13(火) 00:46
「したわ」

「そうなんだ。ママもパパの事が大好きだから?」

「そうね。パパの事が好きだから」

梨華がそう言った時のリカの顔は後々まで忘れられなかった。

「私も、リカちゃんの事が好きだからチューしたのよ」

リカはうなずきながら、それから梨華と視線を合わせようとしなかった。

538 :キスの理由 :2015/01/13(火) 00:48
深夜に彼のプリウスで送って貰う途中だった、
梨華は、どこに自分にそんな勇気があったのかと、自分自身に驚いた。

明らかにラブホテルと思える建物の前で、
「停まって!」
と叫んだ自分に。

彼も戸惑っていたようだが、結局二人はその建物に入った。
539 :リカの幸せ :2015/02/02(月) 19:23
最初は戸惑っていた二人だけど、梨華の積極的な行為に彼も高まり、
二人は結ばれた。

しばらくして梨華がつぶやいた。

「私の事を、何も知らない女だと思って無いよね」

「うん。こんな可愛い女性を放っとく男はいないと思うよ」

「ありがとう。この年だもの、少ないけど人並みに経験はしてるわ。
もちろん、娘。時代は何も知らなかったけど」
540 :リカの幸せ :2015/02/02(月) 19:27
梨華は彼に抱きつくと、

「ねえ、娘。時代の私を本当に好きでいてくれたんでしょ?」
「うん。ずっと一推しだった」
「そんな私を今抱いた気持ちってどんな感じ?」

「幻滅した」
「ええええっー!?」

彼は笑って、
「嘘だよ。梨華とこうなるなんて夢みたいだよ。でも、
娘。時代の梨華ちゃん、チャーミーを抱きたいとは思って
無かったしね。仲間には性的な目で娘。を見てる奴もいたけど、
自分はそんな事は無かったな」
541 :リカの幸せ :2015/02/02(月) 19:29
「そうなんだ。でも、私のクローンを買ったのは、私を自分の物に
したいからじゃなかったの?」

「誓って言うけど、ただただ梨華ちゃんと一緒に過ごしたい一心だった」
「わかるわ。あなたはクローンのリカちゃんを本当の娘か妹のように
育てているのがよくわかるわ。本当にリカちゃんは可愛いし」

「そうだね。リカが僕の所に来てくれて
僕の人生が変わったような気がする」
542 :リカの幸せ :2015/02/02(月) 19:32
「今の私はあなた無しでは生きていけないほどよ。あなたとこうなって
こんな幸せな事はないわ。でも、今のあなたにはリカちゃんがいる」

「そうだけど、今のリカは僕の娘でもあり戸籍的には妹でもある」

「そうね。でも義理の妹とは結婚出来るのよ。あなたはいつか言ったわね、
リカが物事をわかるようになったら、リカがクローン人間だという事や
いきさつを全て話す。って。そしてそれでもリカが自分を愛してくれるなら、
リカにプロポーズをするって」
543 :リカの幸せ :2015/02/02(月) 19:34
「確かに言ったけど、今は少し事情が違うと思うな」

「そうね。でもその頃とは私の気持ちは変わったけど、
あなたとリカちゃんの間は変わってないような気がするわ」

彼は向き直り、梨華にキスをして、
「今は梨華の事を一番愛してる」

「リカちゃんの事は?」
「リカの事も愛してるけど、それは家族としての愛情だと思う」
544 :リカの幸せ :2015/02/02(月) 19:36
梨華は彼の胸に顔をうずめながら、

「私もリカちゃんの事を愛してるわ。だって私の分身だもの。
リカちゃんが幸せになる事が私の一番の願いよ。
もしあなたと私が結婚すれば、私はリカちゃんの本当のママになれる」

「本当にそうだね」
「そうなれば、あなたと私。そしてリカちゃんと親子3人で暮らす事に
なれば、本当の幸福だと思うわ」

「その通りだね」
545 :リカの幸せ :2015/02/02(月) 19:39
梨華は寝返りを打って彼に背を向けて、

「でもね・・・もしあなたが私では無くて、リカちゃんを伴侶に
選んだら、そうなってもリカちゃんはあなたという男性の妻となって
幸せだと思うわ」

「・・・」
「どう転んでも、リカちゃんは幸せになれる」

彼は背を向けた梨華を後ろから抱きしめると、
「もしそうなったら、梨華という不幸な女性が出来てしまう
546 :リカの幸せ :2015/02/02(月) 19:41
「私の願いはリカちゃんが幸せになる事。リカの幸せは私の幸せなの。
これは私の本当の気持ちよ」

 この前、お風呂でリカにパパとチューした事あるの?と聞かれて
嘘をつけずに、したことがあると答えた時のリカの顔を忘れられない。
徐々にリカは女としての自分の気持ちを持ち始めたような気がする。

いつか、リカは梨華の事をライバルとして見る日が来るかも知れない。

547 :リカの幸せ :2015/02/02(月) 19:43
それから、何日か立って梨華は彼から呼び出されて、何度か行った事のある
フレンチのレストランで会った。

彼はいつものラフな服ではなく、ばりっとしたスーツを着てたので、
梨華は思わず笑いながら、どうしたの?と聞いてしまった。

料理が来る前に、彼はさっとリングケースを差し出した。

ケースを開けると指輪が入っていた。
548 :リカの幸せ :2015/02/02(月) 19:47
「結婚してくれないか」

梨華は一瞬茫然となってしまう、

「指輪を受け取ってくれるかい」

突然、梨華の瞳から涙があふれた。

後ろでシェフや店員達が拍手をしだした。

梨華は泣きながら何度もうなずいていた。
549 :ハワイ :2015/05/25(月) 17:58
梨華とジローはハワイの教会で挙式を上げる事になった。

梨華が娘。時代の仲間や娘。OG達に声を掛けたのだけど、
スケジュールが合わなくて、結局式に参加するためにハワイへ
同行したのは吉澤ひとみ一人だけだった。

「皆、薄情なものね。よっすぃ〜だけだなんて」
梨華はそう言ってぐちった。
550 :ハワイ :2015/05/25(月) 18:01
「仕方ないよ。式が国内ならやりくりして出れるけど
ハワイではね。今皆忙しい時期だし」

吉澤の言葉に梨華もうなずいた。
「そうね。せめて同期のメンバーだけでもと思うけど、
残りの二人は、とても出れる状態では無いしね。
それに、後々の事を考えれば皆が参加しない方が良かったりして」

「え?それはどういう事?」
梨華はため息をついて首を振った。
「何でもないわ」
551 :ハワイ :2015/05/25(月) 18:03
式を明日に控えたハワイのホテルでの夜、夕食を終えて
リカはテレビを観ていた。

梨華はジローを連れ出して寝室に向かった。

ベッドに二人して腰をおろした。
ジローは何か勘違いして梨華の肩を抱いてくる。
梨華はその彼の腕を下ろさせると、

「最後にどうしても確かめたい事があるの」
「なんだい?あらたまって」
552 :ハワイ :2015/05/25(月) 18:05
「リカちゃんに私達の事をちゃんと説明したの?」
「説明って何の?」

「その、私が結婚して夫婦になる事を」

「ああ、その事ね。説明したよ。僕と梨華は結婚する。
だから梨華はリカの本当にママになるんだって」

「それだけ?リカちゃんはそれで納得したの?」
553 :ハワイ :2015/05/25(月) 18:07
「納得もなにも、リカは『いいよ。』と返事をしたよ」
「でも、リカちゃんは私達が結婚して夫婦になる事が
どういう事か、理解したの?」
「う〜ん、まだリカには理解出来てないかもしれないけど」

「それじゃダメよ。リカちゃんに本当に理解して納得して
もらいたいの」
「なにも難しく考える事はないんじゃないの。これから
3人で生活していくうちに徐々にわかってゆくよ」
554 :ハワイ :2015/05/25(月) 18:08
梨華は強く首を振って
「ダメ!それじゃダメなの」

梨華は立ち上がると、
「私から、リカちゃんに説明するわ。あなたはこの部屋に居て」

リカの居る部屋に入ると、リカはまだテレビを観ていた。
テレビを西部劇を放送していて、銃撃戦で派手な銃声が響いていた。そのせいかリカは、梨華が入ってきたのを気がつかないでいる。
555 :ハワイ :2015/05/25(月) 18:10
リカの後ろ姿は、背中を丸めてなにか寂しげに見えた。

近寄ってみると、リカは視線を落としていて、テレビ画面を
見ていないようだった。

梨華はテレビを消した。
リカはそれで気がついて顔を上げて梨華を見た。

「リカちゃん、お話があるの」
556 :対決 :2015/07/04(土) 15:59
リカは戸惑っていたが、梨華をさぐるような瞳で見た。

梨華は腰を降ろすと深呼吸をした。
これからリカを納得させられるか、自信が無かった。
なぜリカを納得させないといけないのか、自分に自問していた。
リカというよりも自分自身に納得したいのかもしれない。

私とパパは夫婦になるの。これから3人で一緒に暮らしていくの。
そして子供が産まれてきて、リカちゃんの弟や妹が出来ると、
梨華はなんとか説明した。

「なぜ?」
とリカは言った。
557 :対決 :2015/07/04(土) 16:02
「なぜって、夫婦だからそのうち子供が産まれるのが普通なの」
「なぜ、子供が産まれるの?」

「その・・・愛し合ってる夫婦に子供が産まれるのは当然なの」
「なぜ愛し合ってると子供が産まれるの?なぜ?」

リカは具体的に、なぜ子供が産まれるのかと問いただしているのだ。

梨華は言葉につまった、具体的な事を言ってリカが理解するか、
その具体的な事はとても言えない。

558 :対決 :2015/07/04(土) 16:21
リカは梨華が言葉を濁してるので角度を変えて問うてくる。

「愛し合うってどういう事なの?愛ってなに?」
「愛というのは、つまり彼の事を大好きだと言う事なの」

リカは一度視線を落とすと、また顔を上げて、
「リカも、パパの事が大好きだよ!」

「・・・そうね。リカちゃんもパパが大好きなのね」
559 :対決 :2015/07/04(土) 16:25
「そうだよ。だからリカもパパを愛してる?」

「そうね。リカもパパの事を愛してるのよ」

リカの顔がぱっと輝いた。
「リカはパパを愛してる」

リカは自分がパパを愛してる事に気がついたようだ。

「でも、リカとパパは夫婦にはなれないの?」

リカは、梨華とパパの結婚を素直に喜べない、わけのわからない
苦しみがなぜなのか気がついたのだ。
560 :対決 :2015/07/04(土) 16:27
梨華はため息をつくと立ち上がった。
そして、ジローを呼びに行くと、二人で戻ってきた。

二人でリカの前に立つと、
「リカちゃん、ママ、私の事が好き?」
「ママは好きだよ」

「ではパパは?」
「パパは大好きだよ」
561 :決断 :2015/07/04(土) 16:47
梨華は何か言いたげなジローを制すると

「では、本当に愛してると思う方に行きなさい」

リカは一瞬逡巡したが、すぐにジローに走りより、
その体に抱きついた。

ジローは梨華を見た、

「あなたは本心を隠してたわね。本当はリカを愛してるのに、
私を抱いてしまった事で、その責任を取るために私に
プロポーズしてしまったのよ」

「梨華・・・」
562 :決断 :2015/07/04(土) 16:55
ジローはリカを抱きしめた。

梨華は二人を残して部屋を出た。
同じホテルに泊まっている吉澤の部屋へ向かった。

「梨華ちゃん?」

梨華は吉澤の顔を見ると、一気に涙が溢れ出してきた。
そして吉澤の胸に飛び込んでいた。

そして吉澤にすべてを話した。

吉澤は梨華を抱きしめながら、

「本当にこれでいいの?話を聞いてるとまるで梨華ちゃんが
自分から身を引いて、あの二人を結びつけてるような気がする」

563 :念願 :2015/07/04(土) 16:58
「・・・泣いたのは決して悲しいからばかりでは無いわ。
私は私の分身であるリカの幸せを第一に願っていた。
私だって彼を愛していた。でも、リカも彼の事を本当に
愛していたのよ。彼もリカを愛していたの」
吉澤はうなずいた。

「そして、私もリカの事を愛しているのよ。
そんなリカが本当の幸せをつかめた事は、私の願いよ。
後悔はしていないわ」
564 :花嫁 :2015/07/04(土) 17:03
梨華は用意してあったウェディングドレスを持つと
リカとジローの元に向かった。
そのウェディングドレスをリカに着せた。

「とってもよく似合うわ」

リカは梨華の顔を見ると、その瞳から涙がこぼれた、
「ママ・・・ごめんなさい」
そう言うと梨華に抱きついてくる。
565 :花嫁 :2015/07/04(土) 17:09
梨華は首を振った。

リカは梨華のその痛みを理解したのだ。

梨華はリカを抱きしめると、
「安心して。これからも私はリカのママに変わりはないのよ」

その日の深夜、梨華はリカにジローの部屋に行くようにと
うながした。そして愛し合う事とはどういう事か話した。


その夜、リカと彼は結ばれた。
566 :花嫁 :2015/07/04(土) 17:12
翌日の教会での式で、花嫁が入れ替わった事を家族や参列者に
説明するのに梨華はひと苦労した。

元々愛し合っているのに煮え切らない二人のために、
これは自分が仕組んだ事で、

最初から自分は結婚するつもりは無かったと説明した。
567 :花嫁 :2015/07/04(土) 17:16
それでも梨華の姉は納得がいかないようだったが、
純白のウェディングドレスに身をつつんだリカを見て梨華は、

「あんな素晴らしく綺麗な花嫁は見た事ないわ。
あのウェディングドレスは彼女のためにあったのよ」

ジローとリカの誓いのキスを見届けると、
梨華は教会を後にした。

吉澤がやって来て梨華の腕を取った。
568 :花嫁 :2015/07/04(土) 17:18
「梨華ちゃんだってあのウェディングドレスが似合うと思うな。
自分が男だったら梨華ちゃんにプロポーズ出来るのに残念だな」

梨華は笑うと、
「私は出戻りみたいなものだけど、いいの?」
「もちろん、いいさ」

二人は腕を組むと海を見るために浜に向かった。



終り
569 :tuyoshi :2015/07/04(土) 17:25
ようやく完結しました。

2004年に書き始めて、10年以上かかりました。なにやってたんだよ!
途中何年も放置してそのままにするつもりでしたが、
やはり完結したいので、最後の方はやっつけになりましたが、
なんとか終わらせる事が出来ました。
570 :tuyoshi :2015/07/04(土) 17:33
この作品は、最初の方はただ興味本位で書いていたのですが、
書いてるうちにだんだん自分自身も好きになって行きました。

私の少ない作品の中では、一番気に入った作品でした。
珍しく好意的なコメントを頂けて、少ないながら期待されて
くれる読者もいてくれたようで、本当にありがとうございました。

571 :tuyoshi :2015/07/04(土) 17:38
最近はほとんど長編は書けなくなりまして、
たまに、Twitterで140字以内で超短編を書くぐらいです。

また飼育で新作を書いてみたいのですが、無理かな。

このような作品を読んでくれてお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
572 :tuyoshi :2015/07/05(日) 18:22
>>501さん、ありがとうございます。励みになりました。
>>506さん、うれしいです。ご期待にそえたかどうかわかりませんが。
573 :tuyoshi :2015/07/05(日) 18:39
>>75さん、
>>76さん、

ありがとうございます。私の作品はコメントが少ないので、
初めてのコメントのお二人には非常に嬉しかったのを憶えています。
574 :tuyoshi :2015/07/05(日) 18:46
>>91さん
>>93さん
ありがとうございます。

『本当にいい作品でした
気持ちが温かくなりました 』
こんなコメントは作者にとって最高の褒め言葉です。
575 :tuyoshi :2015/07/05(日) 19:39
>>399さん
>>400さん
ありがとうございます。

私にとってこの頃一番乗っていて書くのが楽しかった時期です。

576 :tuyoshi :2015/07/05(日) 19:51
>>420さん

ありがとうございます。

この頃から書けなくなりだして、放置するようになってた頃です。
そんな頃にこのコメントで頑張れるようになりました。

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