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桃子との恋 〜愛欲のち愛情 一時愛憎

1 :セル :2016/05/17(火) 22:41
出演:
桃子
俺(みんな)
他たくさん

かなりの長編ですが 気が向いたら読んでやってください
一部エロもあります
明日から順次アップしていきます

※この作品はフィクションです
この頃はそうじゃない等のツッコミはご容赦ください
2 :セル :2016/05/18(水) 22:50
桃子との出会いは、アメリカだった。
日本で広く名の知られたプロアスリートである俺は、
かつて、シアトルを拠点に活動していた。
ちょうどその時、
桃子が所属するアイドルグループ「BK」が、
イベント出演のため、シアトルを訪れていた。
3 :セル :2016/05/18(水) 22:51
先輩の鈴木とともに、スタジアムに向かう俺は、
前方でハンディカメラをまわす一団と遭遇した。
「わ〜い。すごいよ〜。」
「こんな広いよ〜。」
「I’m from Tokyo。あ、神奈川だ。」
「あの犬ちょ〜デカイ。かわいいけれど、ちょっと怖い。」
そんな会話が、聞こえてくる。
4 :セル :2016/05/18(水) 22:51
「見たことはある。」
その程度の認識だったが、日本でそれなりに
人気のあるグループであることは知っていた。
「あれは、なんだろう。知ってるかい?」
俺よりもアメリカ暮らしが長い鈴木が尋ねてきた。
「アイドルですよ。テレビで見たことがあります。」
そう答えると、鈴木はイタズラっぽい笑顔を見せ、
俺に耳打ちをした。
5 :セル :2016/05/18(水) 22:52
すれ違いざま、
俺たちに気づいた彼女たちが、声をかけてきた。
「あ、こんにちは。
え〜、嬉しい。お二人に会えるなんて。
あの、私たちのこと、知ってますか?」
6 :セル :2016/05/18(水) 22:52
知らないふりをして、俺は言った。
「うーん、分からないな。」
「『BK』っていうグループで、アイドル活動してます。」
「そうなんだ。どんな歌、歌ってるの?」
そう尋ねると、彼女たちは、
chachaっとアップテンポな曲を、
かんたんな振り付きで披露してくれた。

その間に鈴木は、
撮影していたスタッフのほうへと回り込み、
「なにがあってもカメラを回し続けて。」と、
笑みを浮かべながら囁いていた。
7 :セル :2016/05/18(水) 22:54
興味深そうにしていた俺は、
突然、鬼の形相になって怒鳴り散らした。
「なんだ、そのふざけたの。バカにしてんだろ。」
メンバーはたじろいだ。
「おい、特にそこの、この寒い中
ミニスカート履いたお前。なんだよ、その目つき。」
そう言って、最も小柄な桃子の前に立ち、睨みつけた。

<つづく>
8 :名無し飼育さん :2016/05/19(木) 19:26
今発見した
どんな展開になるのか全然わからんが楽しみにしてます
9 :名無し飼育さん :2016/05/19(木) 20:10
エロはよ!
10 :名無し :2016/05/19(木) 23:15
毎日アップではないのか
待ってるよ
11 :セル :2016/05/20(金) 00:07
<つづき>

全員が固まり、怯えた表情になった。
桃子は、全身を震わせながら言った。
「ご、ごめんなさい。」
スタッフも凍りついているが、
鈴木はニヤニヤしながら、こちらを見ていた。
12 :セル :2016/05/20(金) 00:08
「それで謝ったつもりなのか?」
俺はさらにまくしたてる。
「申し訳ありませんでした。」
彼女は目を真っ赤に腫らし、深々と頭を下げた。
「お前ら、子供じゃないんだろ。謝り方も知らないのか。
教えてやるから、ちゃんと、覚えとけ。」
その直後、
「許してにゃん」
唯一知っていた、桃子の持ちネタである謝罪方法を、
振りまで完コピして披露してやった。
13 :セル :2016/05/20(金) 00:08
一瞬の沈黙の後、「はぁ〜っ」っと息を吐くと同時に、
彼女たちは大笑いし始めた。
ただ1人、桃子を除いて。
しばらくして、ようやく桃子の顔にも笑みが浮かんだ。
だが、その頬には、安堵感と恐怖心の、
どちらともつかない涙が光っていた
「もう、やめてくださいよ〜。許してにゃん。」
「許さにゃい。」
そう返した俺に、全員が爆笑していた。
14 :セル :2016/05/20(金) 00:09
===

それから数年の後、俺は活動拠点を東京に移していた。
東京より2週間遅れで桜が満開となった
仙台を遠征で訪れたとき、
彼女たちと、再会を果たした。

「こんにちは。お久しぶりです。」
小走りに近づいてくる彼女たち。
「お、元気そうだな。
その後の活躍、アメリカでも耳にしていたよ。」
「気にかけてくれていたんですね。嬉しいです。」と、
佐紀はに爽やかに応えてくれた。
15 :セル :2016/05/20(金) 00:10
「どうして仙台に?」
「明日、ライブがあるんです。今日もローカルテレビに
出てきたんですよ。」梨沙子が楽しげに語る。
「そうか。俺も明日から試合でね。
前日入りしたんだけれど、
みんなはこの後、なにか予定あるの?」
「いえ、今日はもうなにもないです。」
なにかを期待するように、雅が答える。
「じゃあ、コーヒーでも飲んでいくかい。」
「やった!ぜひ。」茉麻が元気に返事をした。
16 :セル :2016/05/20(金) 00:10
「好きなものをオーダーして。」
「私達、遠慮しませんよ。」
千奈美が、にやりと笑いながら俺に言う。
パフェにアイスクリームにケーキにプリンに、
ソーダにジュースにミルクティーに、なぜか抹茶と、
彼女たちは、本当に気持ちいいくらい、
よく食べ、よく飲む。
「その独特のツインテール、似合ってるね。
ずいぶんと表情が穏和になって、優しい印象になった。」
俺が褒めると、桃子と友理奈の2人は素直に喜んでいた。
17 :セル :2016/05/20(金) 00:11
「そう言えば、あのときは悪かったね。
あれ、ぜ〜んぶ鈴木さんの指示だから。」
そう言い訳すると、
「もう、そこは『許してにゃん』でしょ〜。」
桃子が目を細めてケラケラ笑っていた。
そして、「そうだ。昨日発売されたんですけれど。」と、
カバンの中から1枚のCDを取り出し、手渡してくれた。
18 :セル :2016/05/20(金) 00:12
「ありがとう。聞かせてもらうよ。
で、どう?売れてるかい。」
「デイリーで3位だったかな。」
ぶしつけに聞く俺に、友理奈が少し悔しそうに答えた。
高身長の彼女は、誰よりも目立つ存在で、
俺も、彼女のことだけは少し気になっていた。
「あ、でも、今までの中で、いちばん良いんですよ。」
「そうか。それじゃ、いつか1位を取ったら、
盛大にお祝いしよう。」
そう約束を交わした。
19 :セル :2016/05/20(金) 00:13
「そうだ。ももちのサインがないと寂しいですよね。」
そう言って、CDを奪い取ろうとする。
「いいよ。価値が下がる。」
「またまた〜。本当は大好きなくせに。
ねっ、ももちと結婚したいでしょ。」
ニコニコしながら言う桃子に、
「アイドル活動は、いつまで続けるつもりなの?」と、
俺は尋ねた。


<つづく>
20 :名無し飼育さん :2016/05/20(金) 00:40
おお来てた
1レス短いから今の2レスを1レスにまとめた方が読みやすい気がするよ
飼育は結構1レスの文章長めの傾向
まあ1の好みでいいけどねw
21 :名無し飼育さん :2016/05/20(金) 06:43
タイトルが一時愛憎なのが気になるけど期待待機
22 :セル :2016/05/20(金) 12:33
>>20
アドバイス ありがとうございます
参考にさせていただきます
今夜以降もアップしていきますので
また ご意見やご感想があったら よろしくお願いします
23 :セル :2016/05/20(金) 23:50
>>21
作品は完成してたんですけれど
21さんのコメントのおかげでインスピレーションがわいて
加筆することができました
ありがとうございます
24 :セル :2016/05/20(金) 23:53
<つづき>

「そうですねぇ。1日でも長く続けたいです。でも、どうしてですか?」
「アイドルって、恋愛禁止なんだろ。表向きだけの話なのかもしれないけれど。」
「表向きじゃなくて、本当に禁止です。」
「そうか。じゃ、卒業まで待つよ。」
「え?なんですか。」
「・・・」無言の俺に、
「???」と桃子は不思議そうな顔をする。
25 :セル :2016/05/20(金) 23:54
「ここまでの会話で理解しろよ!」
「なにをですか?」
「アイドルを卒業したら、君を迎えに来るって言ってるの。」
手を握り、じっと見つめて俺が訴えると、桃子は目を白黒させた。
「ちょっと、あっちで話そう。おいで。」
桃子の肩を抱き寄せ、別の席へと連れて行き、半ば押し倒すように座らせる。
そして、俺も隣に座って手を握り、肩を寄せて見つめた。
26 :セル :2016/05/20(金) 23:55
驚きのあまり硬直する桃子。と、その瞬間、
「さ、邪魔者はいなくなった。」
そう言って、俺は他のメンバーのもとへ小走りに戻った。
「ちょ、ちょっと〜。やめてくださいよ〜。」
桃子は俺を睨み付けていたが、その頬は桃色に染まっていた。
27 :セル :2016/05/20(金) 23:56
連行された席から戻ってきた桃子に対して、
「そろそろお開きにしよう。頼むよ。」と言って伝票を渡すと、
桃子は、「え?私??」と、びっくりした表情を見せた。
「じゃ、これで。」と、俺はさらに、自分の財布を桃子に手渡し、トイレへと向かった。

きょとんとした表情で財布を見ていた桃子だが、
「私のこと、信頼してくれてる。」
そう感じて、すぐに嬉しそうな表情に変わった。
戻ってきた俺に、桃子はしおらしく財布を返すと、満面の笑みを浮かべた。

彼女たちのシングルが急速に売り上げを伸ばし、
ウイークリー1位を獲得したと聞いたのは、翌週のことだった。
28 :セル :2016/05/20(金) 23:57
===

シングルが、2作続けてウイークリー1位を獲得したというニュースを聞いた頃、
俺は、早くも木々が色づき始めた札幌に遠征していた。
試合が終わり宿舎へ戻ると、懐かしい顔を見つけた。

「連続1位おめでとう!」突然そう話しかけると、
びっくりした表情で、桃子が俺のほうを振り向いた。
彼女たちもライブで札幌を訪れており、今しがた、ホールから戻ってきたところだった。
29 :セル :2016/05/20(金) 23:58
「あれ、今日はツインテールじゃないんだ。
ストレートだと、すごく大人っぽい感じだね。」
「え〜、そうですか。でも、ももち、なにやってもかわいいんですけれどね。」
桃子は今回も、素直に喜んでいた。
「ところで、他のメンバーは?」そう尋ねる俺に、
「みんなで食事に行っちゃって。」と寂しげに話す桃子。
「一緒に行けばいいのに。」
「泊まりの時は、みんなけっこうお酒飲むから。」

正直なところ、桃子にはまったく興味がなかったので、
「できれば友理奈に会いたかった」と、俺は少しがっかりしていた。
だが、約束は必ず守るようにしているので、
「そうだ、1位を取ったらお祝いをするって約束していたな。今からやるか。」
そう提案した。
30 :セル :2016/05/20(金) 23:59
「でも、みんなに悪いから。」と、断ろうとする桃子。
「連絡してみたら。」俺がそう言うと、桃子はすぐに電話をかけ始めた。
だが、いくら待っても応答する様子がない。
「出ないです。盛り上がってるのかな。」桃子はため息をついた。

「じゃあ、やっぱり2人でやるか。」
「え。でも・・・。」
「今度、いつ会えるか分からないし。今日は、とりあえずのお祝いということで。
正式には、また、みんながいる時にやればいいんじゃないか。」俺がそう言うと、
一瞬の沈黙の後、桃子は目を輝かせ
「それもそうですね。それじゃあ、ぜひ。」と承諾した。
31 :セル :2016/05/21(土) 00:00
バラエティ番組での体を張った姿勢が受け、最近、急速に知名度を上げた彼女。
街中で見つかると騒ぎになるほどという。
落ち着いた雰囲気のほうがいいということで、
お祝いは、俺が宿泊している部屋で行うことになった。

ルームサービスで、彼女が好きだという
イチゴのショートケーキ、フルーツ、ウニやカンパチ、なまこなどの刺身、生ハム、
それにジュースとハーブティー、シャンパンを用意した。
こんなものが用意できてしまうとは、さすがは北海道だ。
32 :セル :2016/05/21(土) 00:00
それからほどなく、チャイムが鳴った。
ドアを開けると、いつものピンクを基調にした服装とはまったく違った、
落ち着いた装いの彼女の姿があった。
「ようこそ。」俺は桃子を招き入れた。

俺はシャンパン、桃子はジュースで乾杯した。
「晩ごはんを食べちゃったからな。」と言いながら、次々に箸を進めていく桃子。
酒の肴になりそうな食べ物が大好きという彼女を見て、
「本当は好きなんでしょ、お酒。」とつっこまずにはいられなかった。
「よく言われるんですけれど、全然飲まないんですよ、本当に。」
そう言われても、にわかには信じられない渋い好みだ。
33 :セル :2016/05/21(土) 00:01
「ハーブティーもいただこうっと!」
「どうぞ召し上がれ。」
「知ってます?私が飲むお茶って、全部『ももティー』っていって、
とってもかわいくて、おいしくなるんですよ。」
「は、はぁ・・・。」俺は苦笑し、一気に疲れが出た。
だが、桃子はそういった反応には慣れているといったふうで、普通にニコニコしている。

「これでシメです。」
そう言って、ケーキをおいしそうに頬張るが、小顔のアヒル口とは思えないくらい
大きな口を開けてケーキを詰め込んだため、唇や口のまわりは生クリームだらけ。
「やれやれ、お子様だな。」
そう言って、ナプキンでそっとふき取ってあげると、桃子は頬を赤らめた。
34 :セル :2016/05/21(土) 00:02
急な贈り物用として、俺は常に男性用の財布と女性用のネックレスを持ち歩いている。
「急だったので、こんなものしか用意していないけれど。」
そう言って、桃子にネックレスの入った箱を手渡した。
「開けていいですか?」
「もちろん。」

彼女の表情がパッと明るくなる。
箱の中のネックレスを手に取ると、首をかしげながら
「つけてください。」と、俺に背中を向けた。
ホテルの薄暗い照明がネックレスに反射し、
桃子のうなじと白い肌をキラキラと照らし出す。
「おお、いいね。」
「ありがとうございます。」桃子は、はにかんだ。
その甘えたしぐさを、俺は不覚にも愛らしく感じてしまった。

「正式なお祝いのときは、ちゃんとしたものを、みんなの分、用意するからね。」
そう言うと、
「・・・、みんなの、なんですね・・・。」
そうつぶやいて、桃子はちょっと不満そうな顔をした。
35 :セル :2016/05/21(土) 00:03
ちょうどその時、桃子の携帯電話が鳴った。
「ごめんなさい。出ますね。」
そう言って彼女が電話に出ると、俺の耳にも届く大きな声が聞こえてきた。
「もも〜、今、どうしてる?電話かけてきたでしょ。」
「お祝いしてもらっているから、みんなも来なよ。」
さすがに嘘はつけないと思ったのか、桃子は正直に話し、電話を切った。

「今のは?」
「あ、うん。だいじょうぶだよ。今のはさ・・・、」
「えっ?」タメ口に驚く俺。
「え、なに?どうしたの。・・・、あっ。ごめんなさい、つい。」
桃子はこの時、俺に心を許している自分の存在に気付いた。

聞くと、メンバーの1人からで、こっちに来るように誘ったが、
「みんな、お酒が進んで大盛り上がりだから、そっちはそっちで楽しんで。」と、
言っていたとのことだった。
36 :セル :2016/05/21(土) 00:04
「みんなは来ないのかぁ。」
そう言うと桃子は、お祝い用として形式的に注いでおいた
目の前のシャンパングラスを手に取り、
なにか思いつめたように、それを一気に飲み干した。
「おいおい、大丈夫か。君、お酒飲めないんだろう。」
「せっかくお祝いしてくださっているのに、悪いから。」
そう言って、彼女は微笑んだ。

そして、しばらく感謝の言葉を述べていたが、次第に目がとろんとし始め、
ついには、半分ほど満たされた俺の飲みかけのシャンパングラスまで奪い、
また、一気に飲み干してしまった。
37 :セル :2016/05/21(土) 00:04
「今日はもう、ここまでにしよう。」
心配になり、部屋に戻ってゆっくり休むように伝える。
桃子は寂しそうに俺を見つめながら、
「・・・はい、そうします。」そう言ってうなずき、席を立った。

グラスを奪った際、シャンパンがこぼれたのか、彼女の手はベタベタになっていた。
洗面所に向かい手を洗い始めたが、
アルコールがまわって足元がおぼつかず、今にも倒れてしまいそうだ。
38 :セル :2016/05/21(土) 00:05
心配になった俺は、彼女のもとへと向かう。
桃色に染まった柔らかそうな肌、
小柄な体型からは想像もつかない、程よく膨らんだ胸、
そして、形の良いプリッと上がったお尻。
俺はそのとき、初めて彼女に女を感じた。

無意識に、背後から桃子を優しく抱きしめる。
彼女は、体をピクッとさせ、
「え?!」っと、驚いた表情を鏡越しに見せた。
鏡を介して、どれだけの時間見つめ合っただろう。
耳から首にかけて、俺の唇は彼女をなぞった。
「いやっ、だめっ。」
そう言いながらも、桃子は俺の両手を強く握りしめる。
俺は桃子を抱え上げ、ベッドに倒れこんだ。
39 :セル :2016/05/21(土) 00:06
唇を重ね、舌を入れると、
「うふぅっ。あ、やめてください。私はみんなのアイドルだから。」
その言葉とは裏腹に、桃子は俺をきつく抱きしめた。

俺が、優しく愛撫してやりながら、
桃子の服のボタンをすべて外し、ファスナーをおろすと、
赤みを帯びながらも透きとおった彼女の肌があらわになった。
最初は、抵抗しようとする桃子だったが、すぐに覚悟決めたような表情になり、
今度は彼女の方から、唇を重ね合わせてきた。

だがその時、
“ドンドン”
ドアを叩く音に加えて、
「もも〜、ここにいるの〜。いるんでしょ〜、ね〜、開けて〜。」
と、大きな声が響いた。

<つづく>
40 :名無し飼育さん :2016/05/21(土) 07:08
エロ来てたのに邪魔が入ったああああ
ベリメンかな?
41 :名無し飼育さん :2016/05/21(土) 11:29
ケーキ食べてクリーム付けるももちが想像できてキャワ
42 :セル :2016/05/21(土) 23:17
<つづき>

「千奈美だ。どうしよう。」桃子は動揺した。
さっき、電話をかけてきたメンバーがやって来たのだった。
一向に収まる気配のないノック音と千奈美の声。
「お願いします。もう部屋に戻ったと言ってください。」
半裸の桃子は、明らかにうろたえていた。

ドアを開け、「もう、桃子さんは部屋に戻ったよ。」
そう言い終わるか終らないかのタイミングで、
「じゃあ、私もお祝いしてくださいよ〜。」と、
千奈美はズカズカと部屋に入りこんできた。
43 :セル :2016/05/21(土) 23:18
ベッドの上で半裸になっている桃子を見つけた瞬間、千奈美は固まった。
が、少しして、ハッと我に返り、
「え〜、ちょっと、もも、やってんの〜。いつの間にこんな関係になってたんだよ〜。」
あっけらかんと話す千奈美に拍子抜けする。

が、それも長くは続かなかった。
声のトーンが徐々に変わる。
アルコールがだいぶまわっているのか、はたまた興奮しすぎたのか、
顔を真っ赤にして、まわらないロレツで大声を出した。
44 :セル :2016/05/21(土) 23:19
「ずるいよ、もも。私だよ。私なんだから。
もものこといちばん好きなの、私なんだからね。」
彼女は桃子に抱きつくなり、押し倒した。
「ち、千奈美。ちょ、やめて。あなた、私のこと嫌いって言ってたじゃない。
あ、こら、どこさわってるの。」
千奈美は、あっけにとられていた俺を睨むと、
「お前は、まだだかんな。」と、怒鳴り、そして、桃子に続けた。

「好きじゃないよ。好きじゃないんだけれど。
仲が良いか悪いかで言ったら、普通って言ったんだよ。
でも ビジネス不仲なんて言われちゃって。
後戻りできなくなっちゃったから。大好きなの、本当は。」
涙ながらに訴えると千奈美は、あっという間に桃子の下着をはぎ取ってしまった。
「知ってた、知ってたよ。でも。」
そう告げる桃子の首に手を回して引き寄せ、千奈美は激しく唇を奪った。
45 :セル :2016/05/21(土) 23:20
完全に覆いかぶさるかたちになった千奈美は、
桃子が見慣れぬネックレスをしていることに気づくと、
嫉妬の炎を燃え上がらせ、キスや愛撫は荒っぽく、暴力的になっていった。
「あっ あふっ」
桃子は、あふれる声を押し殺そうとするが、それはムダな努力だった。

千奈美におさえこまれ、なす術がない桃子。
服をつかんで、必死に抵抗をすると、千奈美のシャツのボタンが弾け飛んだ。
「私もだよ、千奈美。私もあなたが大好き。でも、こんなのはだめだよ。やめて。」
「うるさい。」と怒鳴る千奈美に、桃子は観念したように見えた。
46 :セル :2016/05/21(土) 23:21
目の前で繰り広げられる、女性同士の愛欲行動。
桃子の抵抗で、千奈美のシャツははだけ、スカートは半分以上めくれあがり、
お尻がまさに、俺に向かって差し出されていた。
もう、我慢の限界を超えた。
千奈美の背後に立った俺は、躊躇することなく、彼女の下着をおろし、
一気に秘部へすべりこませた。

「キャーッ」
彼女は悲鳴を上げ、俺のほうを振り向いた。
「やめて。私は桃子と。あなたとそんなことするつもりは。」
千奈美の瞳は、そう訴えているように見えた。
だが俺は、それを無視して、いきなり激しく攻め立てた。

「ウァーッ」
無防備に攻撃されて絶叫する千奈美は、桃子をさらに強く抱きしめ、
手足や唇を使い、さらには息を吹きかけて桃子の全身を弄んだ。
それはあたかも、俺に攻められ続ける鬱憤を晴らすかのごとくであった。
47 :セル :2016/05/21(土) 23:22
165cmはあろうかという長身で、日焼けしたような小麦色の肌を持つ細身の彼女。
そのブラジャーのホックを外し、胸へと手を回す。
小ぶりだが、とても弾力があって心地よい。
そんな彼女の胸を、手の平でしっかりと包み込んで体を固定し、深く攻め立てると、
彼女は「アァーン」と絶叫し、身悶えた。
桃子の乳首に千奈美が吸い付いているため、
俺に攻められるたびに、2人の体は上下に大きく揺れる。
千奈美の舌による摩擦で刺激された桃子の体が、ピクンピクンと痙攣した。

性感帯という性感帯を千奈美に刺激され、最初にエクスタシーに達したのは桃子だった。
「あ あ あぁーっ」
全身を震わせながら絶叫すると、その後、動かなくなった。
千奈美は、心配そうに桃子の顔を覗き込む。
だが、桃子のことを気にしなくてよくなった俺は、一切の遠慮を捨て
千奈美に対して、渾身の力を込めた。
必死に、なにかにすがろうとする千奈美の腕は、桃子の首に巻きつく。
そして、千奈美の絶叫とともに、ネックレスは無残にも引きちぎられて、飛び散った。
48 :セル :2016/05/21(土) 23:23
汗などの液が、千奈美の体が揺さぶられるたびに、桃子の体に降り注いでいく。
そして、限界に達した俺も、ついにすべてを千奈美の腰に放出した。
彼女の小麦色の肌は、つやつやと輝いていた。

冷静さを取り戻した俺は、
「すまなかった。」と声をかけたが、返事はない。
千奈美は、桃子に覆いかぶさった状態で気を失っていた。
二人を楽な姿勢にしてあげようと、まずは千奈美を抱え上げて、ソファへと横たえる。
張りのある胸が、初めて目に飛び込んできた。
小麦色の肌とは対照的な、うすピンク色のきれいな乳首を目にし、
俺は思わず、それをやさしく吸った。

幸せそうな表情でベッドに横たわる桃子に、そっとふとんをかけてあげる。
すると、彼女の目がゆっくりと開いた。
恍惚とした表情で俺を見つめる桃子のまぶたにそっと口づけし、優しく包み込んでやった。
彼女の口から、甘い声があふれた。
そしてそのまま、母親に抱かれた赤ちゃんのように、静かに寝息を立て始めた。

ソファの上で千奈美は、
「うぅん、ももぉ。」と、かわいい寝言を言っていた。
49 :セル :2016/05/21(土) 23:23
===

キャンプで訪れていた沖縄。
この地に、観測史上初となる大雪が降ったのは、2月中旬のことであった。
グラウンドが使えないため、屋内練習場で軽い調整を行ったが、午後からはオフになった。
時間を持て余した俺は、昼食をとるべく那覇のホテルへと向かった。
そこには、口コミで評判のレストランがある。

レストランに入ると、なぜか、パーテーションで区切られた一角があった。
そこからは、若い女性たちの声が聞こえてくる。
俺は、大して気にも留めずにオーダーを済ませ、
食前酒とした頼んだオリオンビールで喉を潤していた。
すると、見覚えのない男性が声をかけてきた。
50 :セル :2016/05/21(土) 23:24
「シアトルでは、たいへんお世話になりまして。」
10年近くシアトルで暮らしていたのでなんのことかさっぱりだったが、
よくよく話を聞いてみると、BKのマネージャーだった。
「あのときは、失礼なことをして、悪かったね。」
「とんでもない。とても楽しかったです。」
たわいもない話をしていると、オーダーした料理が運ばれてきたので、
「それでは失礼します。」と、彼はその場を離れた。

俺が食事を終えると、タイミングを見計らっていたのか、
先ほどのマネージャーが、別の男性を伴ってやってきた。
チーフと呼ばれるその男は、
「お会いできて光栄です。」と、定型文のようなあいさつをしてきたので、
正直、ウンザリだったところ、
「みんなに、会っていきませんか。」と誘われた。
51 :セル :2016/05/21(土) 23:24
連れて行かれたのは、パーテーションで区切られた一角だった。
50人ほどの女性が、半分は賑やかに、もう半分は落ち着いた雰囲気で食事をしている。
俺のことを知っていて、こちらを振り返ったのは、そのうちの10人程度であったが、
すぐ目の前に千奈美と友理奈の姿を見つけた。
あんなことがあったのに、千奈美の表情は、普段どおり変わらずに見えた。

かんたんに自己紹介をすると、ほぼ全員が
「この人が。」といったふうに、俺を見た。
「こんにちは〜。お元気そうでなによりです。」
千奈美が俺に向かってにこやかに語りかける。
シアトルでのことを話しているのだろうと、そこにいた誰もが思っただろう。
真意を知るのは、俺と千奈美だけだった。
52 :セル :2016/05/21(土) 23:24
俺は、友理奈とも話したかったが、千奈美の勢いに圧倒され、
タイミングを完全に失ってしまった。
また、初めて会う数人の少女が俺のもとにやってきて、
なにやら、いろいろと話かけてきた。

あいさつを済ませ、その場を後にしようとすると、
「今後ともよろしくお願いします。ライブやイベントにご招待しますので、ぜひ。」
と、チーフから誘いを受けた。
さらに、レストランを出ようとすると、小柄で丸顔の女性が駆け寄ってきた。
「朱莉って言います。スポーツ大好きなんです。
また今度、いろいろお話させてくださいね。」
かわいい声でそう言うと、ニコッと笑って手を振った。
53 :セル :2016/05/21(土) 23:25
その後は、ショッピングに興じていたが、
県庁近くにあるデパートで、偶然にも、桃子の姿を見つけた。
4か月ぶりの再会であった。

彼女の所属する事務所は、多くのアイドルグループを抱えており、
この時期は、各グループとの合同コンサートを全国で行うのが恒例となっている。
先ほどの集団は、まさにそれであった。

俺の姿を見つけた彼女は、驚いた表情を一瞬見せたが、すぐに微笑んで、
手帳になにかを書き込み、それを破って俺に渡した。
やや伏し目がちではあったが顔を赤らめた彼女の目には、喜びがあふれていた。
54 :セル :2016/05/21(土) 23:25
○○ホテル
××号室
△△時以降に
メモには、たった3行だけ書かれていた。

「あのときのことを、どう思っているのか。」
それを確認したくて、俺は指定された時刻ちょうどに、桃子の部屋を訪ねた。
ツインルームだったが、特に高級というわけではなく、
どちらかといえば狭い、リーズナブルな価格で泊まれる部屋であった。
アイドルという職業も、楽ではないらしい。
55 :セル :2016/05/21(土) 23:26
「一段と色白になって、きれいになったね。」
「きっと日焼け止めの色でそう見えたんですよ。
でも、本当にきれいになりましたか?これ以上、きれいになれるのかな。」
桃子は今回も、隠さずに喜びをあらわした。
「ここに1人で泊まっているの?」
「いいえ、もう1人いますよ。」

同室の子は、事務所の中で
最も有名なアイドルグループ「MM」のリーダーで、
聖という名前だと教えてくれた。
聖は幼少のおり、握手会で桃子に頭をなでられた嬉しさから、
桃子と同じ世界に入ったのだという。
56 :セル :2016/05/21(土) 23:26
今日は、聖たっての希望で同室になったが、
彼女の親戚から声がかかり、急きょ、外泊することになった。
聖は大いに落胆していたが、
「聖ちゃん、ちょっと怖いから。」と、桃子は、安堵していた。

ランチの時にいなかったことについて尋ねると、
「え、みんなに会ったんですか?」と、驚く桃子。
「あの日以降、千奈美と一緒にいると緊張するんです。
メンバーだけのときは平気なんですけれど、事務所のみんなが一緒のときは、
誰かにその話をしちゃうんじゃないかって心配で。
だから、なんだかんだ理由をつけて、早めに席を外すようにしているんですよ。」
57 :セル :2016/05/21(土) 23:27
思い悩む彼女を見て、自分の責任を痛感したが、
それ以上に、弱さを含んだその表情を愛おしく思ってしまい、
俺はそっと口づけした。
「あ・・・」桃子はそう言って、恥じらった。

「札幌でのことが気になってたんだ。怒ってるんじゃないかって。」
「女の子が、1人しかいない部屋に呼んだんですよ。分かるでしょ。」
「よかった。」そう言って、桃子のことを抱き寄せる。

<つづく>
58 :名無し飼育さん :2016/05/21(土) 23:34
千奈美にも手出しててワロタw
やっと桃子とのイチャイチャか?と思わせつつふくちゃんフラグなんだろうなぁw
59 :名無し飼育さん :2016/05/22(日) 03:38
千奈美の喘ぎ方外人っぽくてちょっと面白かった
60 :セル :2016/05/22(日) 14:17
>>43
訂正すます
誤「え〜、ちょっと、もも、やってんの〜。」
正「え〜、ちょっと、もも、なにやってんの〜。」
61 :セル :2016/05/22(日) 21:38
<つづき>

「ここ、部屋は普通なんですけれど、お風呂はとっても広くてきれいなんです。
よかったら一緒に、ね。」
積極的な一面に驚いたが、それ以上に、恥らう桃子が一段とかわいく見えた。
桃子は俺をバスルームに案内し、湯を入れ始める。
なかば強引に、俺は桃子の服を脱がせた後、
「俺の服も脱がせてよ。」と頼むと、
「ばか」と言って、1人でさっさとバスルームに入ってしまった。

彼女に続いてバスルームに入ると、
俺はシャワーを流したまま、桃子の体を洗ってやろうとした。
「ボディタオルは使わないで。私、デリケートで。
肌が赤くなっちゃうから。だから、ね、手でお願い。」
62 :セル :2016/05/22(日) 21:38
彼女の指示に従い、手で全身を洗い始める。
ツアーで疲れがたまっているのだろうか、以前よりも、ややほっそりしたように思えた。
しかし、胸は相変わらず立派で張りがあり、お尻もきれいだ。
俺は、やさしく全身を洗ってあげたが、その流れで、彼女の恥丘へと指を滑らせた。

「ま、まだダメ。」
桃子は顔を紅潮させ、逃げるように浴槽に入る。
俺も後を追うが、
「私、こういうところでは嫌なの。ベッドで。ね、お願い。」

しぶしぶ承諾すると、
「せっかく一緒に入ったんだから、私も洗ってあげる。」
そう言うと、彼女はシャンプーを手に取り、
その細い指からは想像もできないほど力強く俺の頭を洗ってくれた。
ただ力強いだけではない。
桃子のしなやかな指は、あたかも極上のマッサージのように、繊細に俺の頭皮を撫でた。
63 :セル :2016/05/22(日) 21:39
「先に上がるね。」
そう言って先に戻った桃子から遅れること数分、部屋に戻ると、
「買っておいたんだ。」
彼女はそう言って、ニコニコしながら、俺に飲み物を注いでくれた。

「一緒に飲もう。サイダーだけれどね。もう、前みたいな失敗できないから。」
既にグラス一杯のサイダーを飲み干していた彼女は、別の種類を開け、グラスに注いだ。
「乾杯!」
彼女は勢いよく、またグラスを飲み干した。
甘い飲み物が得意ではない俺は、軽く一口含んだだけだったが、なにか違和感を覚えた。
64 :セル :2016/05/22(日) 21:39
「これ、サイダー?」
「そうだよ。」
「なんていう種類?」
「ええっとね。」
桃子はさらにグラスに注ぎながらボトルを確認していた。

「私、サイダー大好きなの。」
そういう桃子の顔は、風呂上りとは、また違った赤みを帯びている。
けっきょく、それがなんなのか回答がなかったので、自分でボトルを確認する。

“ジーマ”
“シードル”

「これ、サイダーじゃないぞ。」
そう言う俺に、彼女はしなだれかかってきた。
「体がほてって熱い。助けて。」
俺は彼女を抱きしめるや否や、そのままベッドに倒れこんだ。
65 :セル :2016/05/22(日) 21:40
バスタオルを巻いているだけで、既に裸同然の俺たち。
倒れた勢いで、2人は生まれたままの姿になった。
バスルームで焦らされた俺は、なんの前戯をすることもなく、
彼女の中へと入りこもうとする。
「お願い、優しくして。初めてなの。」
目を充血させた桃子が、俺に懇願する。

だが、その時、
“ガチャッ”
入口のドアが大きな音を立てて開いた。
66 :セル :2016/05/22(日) 21:41
しかし、2人の世界に入り込んでいる俺たちは、それにまったく気がつかない。
キスをし、今、まさに一つになろうとしたその瞬間、
「あっ」
桃子が突然、驚きの声を発し、入口のほうを見た。
そこには、1人の女性が茫然と立ち尽くしていた。

「聖ちゃん、どうして。今日は親戚の家に泊まるんじゃなかったの?」
「桃子さん、ずるい。私のほうが先に桃子さんのこと好きだって言ってたのに。
そんなこと、してもらったことない。」
涙ながらにそう言うと、わずかな距離にもかかわらず
彼女はダッシュで桃子に駆け寄り、いきなり、その唇を奪った。
67 :セル :2016/05/22(日) 21:43
俺に押さえつけられた状態で、聖から狂おしいほどの接吻を受けた桃子は、
「ふぅ うふぅ うむふぁー」と、唸ることしたかできなかった。
頭越しに桃子の唇をむさぼっていた聖は、突然俺を突き飛ばすと、
体勢を入れかえて桃子の正面に回り込んだ。
必死に抵抗しようとする桃子だが、完全に覆いかぶさった聖は、桃子の手足をロックし、
身動きを取れないようにして、じっと瞳を見つめていた。

「はぁ。桃子さんの体を見るの、久しぶり。
きれい。肌が透きとおってる。
一緒に着替えちゃダメって言われてから、ずっとガマンしてたの。もう限界です。」
そういうと聖は、桃子の全身を撫で始めた。

ふだんはあまり感情的にならない俺だが、さすがにこのときは怒りが爆発し、
聖の首に腕をまわして、力任せに引き離そうとした。
しかし、聖は絶対に離されまいと、俺の腕に思いきり噛みついた。
「痛ッ」
激しい痛みに耐えきれず、聖の首から離した俺の腕から、
血が滴って桃子の首筋に落ちた。
「たいへん。」桃子はそう叫ぶと、
その声に一瞬うろたえた聖を振りほどいて、バスタオルで傷口をおさえた。
68 :セル :2016/05/22(日) 21:44
「お願い。私、聖ちゃんのことも好きだから。だからこんな乱暴なこと、もうやめて。」
「すまない。」
「ごめんなさい。」
涙を流す桃子に、俺と聖は同時に謝った。

桃子は俺たち二人を抱き寄せ、そして交互に頬をすり寄せた。
聖も桃子を抱きしめると、潤んだ瞳で桃子を見つめ、
「脱がせてください。」と、恥ずかしげに哀願した。
「ここで拒絶したら、また暴力をふるうかもしれない。」
そう思った桃子は無言のまま、1枚1枚、優しく聖の服を脱がせていく。
体があらわになるにつれ、Eカップはあるであろう、
彼女の豊満な肉体が目に飛び込んできた

2人がキスを始めたので、俺は桃子の背後に回って、改めて一つになろうとする。
が、聖はそれを許そうとしない。
2人を押し倒し、その隙に桃子を自分のものにしようともしたが、
それも、すぐに聖にガードされてしまった。
69 :セル :2016/05/22(日) 21:45
しばらく、俺と聖の間で静かな攻防が繰り広げられたが、
聖は、なにかを思いついた表情を見せると、いきなり、俺に抱きつき、
馬乗りになって、自ら俺と一つになった。
下から見上げる彼女は色白で柔らかく、憂えを帯びた怪しい魅力を見せていた。

「桃子さんには手を出さないで。」
そう言うと聖は、腰を動かし始めた。
その一方で、桃子を抱き寄せ、熱い抱擁を交わした。
桃子も聖も、俺の上でゆっくりと揺れ動いている。
聖は、これまで抑えていた気持ちを一気に爆発させ、桃子にすべてをぶつけていた。
幸か不幸か、俺との結合が彼女をさらに欲情させ、桃子への思いを増幅させていた。
70 :セル :2016/05/22(日) 21:46
「なされるがままは嫌だ。」
そう考えた俺が、強引に体を起こすと、
聖が仰向けに、桃子が聖に覆いかぶさるようにうつぶせになり、
2人は折り重なってベッドに倒れた。

俺は、聖をに思いきり叩き込んだ。
「あぁん」
聖は快楽に浸りながら、目の前にいる桃子の唇を思いきり吸った。
俺が激しく動くたびに聖は声を上げ、その声に反応した桃子も、
「聖ちゃん。」
と、彼女の乳首を吸った。
桃子の首と背中を、大量の汗が流れた。

目の前には、2人の裸の女性。そのどちらも、好きにできる状態だ。
「やっぱり、桃子と。」
そう思い、下に目をやると、聖の両手は、それを察知したかのように、
桃子の秘部をしっかりと覆い、俺がそうすることを拒んでいた。
71 :セル :2016/05/22(日) 21:47
俺はあきらめ、聖を激しく攻め立てた。
いつしか桃子の秘部を覆っていた手は、その指先が桃子のクリを刺激していた。
表情は見えなかったが、桃子はグッと力んで、体を震わせていた。

俺はオーガズムに達し、すんでのところで引き抜いた。
桃子の秘部を覆った聖の手が、白く濡れていた。
3人の荒々しい息遣いが部屋を包んでいる。
しかし、「ここは私たちの部屋です。もう休むので、出て行ってください。」
余韻にひたる間もなく、聖に厳しい口調で言われた。

自らの貞操を破ってまでも、桃子を守ろうとした聖の気持ちを尊重し、
俺は部屋を後にした。
72 :セル :2016/05/22(日) 21:47
===

数日後 キャンプ地に1通の手紙が届いた。
「久しぶりにお会いできて、気持ちの整理がつきました。あの日のことは、もう忘れます。
っていうか、私バカなんで、もう本当に忘れかけちゃってるんですけれどね。
私じゃ幸せにできそうにないので、もものこと、どうかよろしくお願いします。」
そう書いてあった。
差出人の名前はなかったが、手紙の主が誰であるかは、すぐに理解した。
73 :セル :2016/05/22(日) 21:48
===

シーズン途中、俺は北海道のチームへ移籍することになった。
親会社とスポンサー企業の経営が悪化し、
高額の報酬を受け取る俺が、真っ先にリストラの対象となったのだ。

移籍してほどなく、俺は新チームの広報誌に掲載されるインタビューを受けた。
広報担当者が話の聞き手かと思っていたのだが、
実際に現場へ行くと、まだ、中学生といったふうの少女が、
インタビュアーを務めてくれた。
74 :セル :2016/05/22(日) 21:48
真莉愛というこの少女、
どこかで見たことがあると思いながらインタビューを受けていたのだが、
桃子の在籍する事務所のアイドルだと自己紹介され、
そう言えば、沖縄のレストランで話しかけてきた少女の中に、
緊張でガチガチに震えながらも、必死にしゃべっていた子がいた記憶がよみがえった。
それが彼女だった。

話をしていて分かったが、
真莉愛は、俺が新たに加入することになったチームの熱狂的なファンであった。
「今日はお仕事でのインタビューでしたけれど、
また今度、いろいろお話を聞かせてください。」
以前と変わらず、ガチガチだったが、目をキラキラ輝かせながらそう言う彼女に、
「子供に興味はないので断る。」とはとても言えずに承諾した。

<つづく>
75 :名無し飼育さん :2016/05/23(月) 02:22
エロいけどふくちゃんこええ
76 :名無し :2016/05/23(月) 10:13
フクムラダッシュ&フクムラロックや
77 :セル :2016/05/23(月) 17:37
>>75
ももちを見ているふくちゃんって
ちょっと怖い印象があるんで
78 :セル :2016/05/23(月) 17:38
>>76
気づいていただいてありがとうございます
今後も ときどきこういった遊びをやりますんで
気づいていただけると嬉しいです
79 :セル :2016/05/23(月) 21:50
<つづき>

===

それは、インタビューを受けてから数週間後、
福岡遠征で滞在していたホテルでの出来事だった。
スタジアムに向かうため、裏口に通じるエレベーターを降りると、
やけににぎやかだった。
普段は、混乱が生じないように誘導路が設けられ、
ファンや野次馬から一定の距離が保たれているはずなのだが、
この日はたくさんの女性が、裏口に集結していた。

「これはどうしたことだ?」と、俺はいぶかしがったが、
選手に対して親しげに話す少女の姿を見て、事情が呑み込めた。
その少女は、真莉愛だった。
合同コンサートを行うため福岡に滞在しており、
たまたま宿舎が同じホテルだったのだ。
ファンということもあって、いろいろとチームが仕事を依頼しているため、
選手とも顔見知りだ。
そんな真莉愛が、俺の存在に気付くと、また固まった。

そのとき、いちばん端にいた女性が、
俺のもとにやってきて、話しかけてきた。桃子だった。
俺と楽しそうに話す桃子の姿を見て、真莉愛は悔しさのあまり、唇を噛んだ。
80 :セル :2016/05/23(月) 21:51
===

その後も何度か、真莉愛と会う機会があった。
だが、それはチームが依頼した仕事のためだったので、ほとんど会話はなかった。
唯一、具体的に話したのは、
「どうすればチームは強くなるか どうすれば真莉愛はさらにかわいくなるか」
といく企画のときだけだ。

彼女は、「差し出がましいんですが。」と言いながらも、
ファン目線でいろいろと案を出してくれ、また、それはたいへん興味深いものだった。
一方、俺は、
「食事のとき、右側の歯だけで噛んでいないかい?
両方で噛むようにすると、均整がとれて、さらにかわいくなると思うよ。」と
アドバイスすると、真莉愛も思い当たる節があるのか、
「はい、そうします。」と、元気に応えた。
81 :セル :2016/05/23(月) 21:52
あと、もうひとつ聞きたいことがあるんですけれど。
そう尋ねる真莉愛に、俺は「どうぞ。」と返事した。
「あの、真莉愛、いちばんのアイドルになりたいんで、
毎日頑張ってるんですけれど、なかなか結果が出なくて。どうしたらいいでしょうか?」

「そうだね。がんばら『ない』ことが大事だ。」
「え?それはどういうことですか。」
「頑張るというのは、自分の限界を超えてやるということだよ。
そんなことをずっと続けていたら、心身ともに参ってしまう。」
「はい。」
「ライブがあるから直前に頑張るとか、やみくもに毎日頑張るというのではなくて、
日々、自分のできることをしっかりやっていれば、
頑張らなくても結果はついてくるんだよ。

逆に、普段ちゃんとやっていないから、頑張らなくちゃならなくなるんだ。」
「そうか!そうですね。分かりました。真莉愛、もう頑張りません!」
言っている意味をちゃんと理解してくれているかどうか、ちょっと不安だったが、
真莉愛は目をキラキラさせていた。
82 :セル :2016/05/23(月) 21:53
===

その年の初秋、真莉愛が突然、
「ちょうど全国ツアーがあったので、来ちゃいまりあ。」
と、札幌のスタジアムを訪ねてきた。
最初に会った際は、子供のような雰囲気だった彼女も、
会うたびに成長していくのが分かり、
半年も経たぬ間に、すっかりレディの雰囲気を醸し出していた。
真莉愛の意を決した表情に、俺はまだこのとき、気付いていなかった。

チームも気を利かせて、ミーティングルームを開けてくれたので、
そこで、正面に向き合い、仕事のこと、趣味のこと、
仲間や友人のことなど、お互いにいろいろな話をした。
真莉愛は、これまでの俺に対する緊張感はなんだったのかと思うくらい、楽しそうだった。
83 :セル :2016/05/23(月) 21:53
すると、真莉愛は突然、
「そうだ、これ見てください。」と言って、
スクラップブックを取り出し、俺の隣に座り直した。
中には、俺が学生時代からの新聞の切り抜きが、びっしりと貼られていた。
「私、ず〜っとファンだったんです。」
そういって、腕をからませてくる。

俺の肘に、彼女の柔らかい部分が当たる。
平静を装い、
「そうか、それはどうもありがとう。懐かしいな。」
と、適当に流そうとするが、真莉愛はさらに体を密着させ、
「あ、この試合、観に行ってたんです。」
と、上目づかいで、見つめてくる。
さらに、「そうだ、私、アドバイスされたとおり、
両側の歯を使って食事するようにしたんです。
見てください。いちだんとかわいくなったでしょ。」と
言って、顔を近づけてきた。
84 :セル :2016/05/23(月) 21:54
「この子はまだ中学生。落ち着けよ、俺。」
必死に理性を保とうとする。
1時間ほど話し込んでいたことに気づき、
「そろそろアップの時間だから、これでね。試合は観ていくのかい?」と、
俺は席を立つ。
やや不満げな表情を見せる彼女と、ミーティングルームを一緒に出た。

だが、その翌週、ゴシップ週刊誌に、俺と真莉愛が密会しているという
内容の記事が躍った。
ミーティングルームを出る際に、
「また、おいで。」と、肩をポンとたいたところを写真に撮られ、
“肩を抱き合う2人”、“密室での怪しい関係”という
キャプションまでつけられていた。

俺とチームは、出版会社に抗議するとともに、
ホームページで釈明を行ったため、すぐに騒動は沈静化した。
85 :セル :2016/05/23(月) 21:55
===

抗議と釈明を行った数日後、
東京遠征中の俺は、桃子の在籍する事務所を訪ねた。
今後もなにか報道された際の対応について、
協議させていただきたいと連絡を受けていたのだ。

協議自体は、ものの10分で終了し、俺は事務所を後にしようとしたが、
会議室を出たところで、小柄で色白の女性と出くわした。
「あれ?こんにちは。どうしてここにいるんですか。」
屈託のない笑顔で、その少女は俺に話しかけてきた。
だが、その瞳には、俺に対する挑戦的な影が見えた。
86 :セル :2016/05/23(月) 21:56
「ちょっと、打ち合わせでね。ところで、君は?
どこかで会ったような記憶はあるんだが。」
「佳林ちゃんです。」
振り返ると、桃子がやや引きつった表情で立っていた。
「こんにちは。久しぶりだね。」俺は自然を装った。が、桃子はそうではない。
真莉愛の件が影響していることは、すぐに分かった。

「なんで、こんなところに?」
「君こそどうしたんだい?きっちり髪型も決めて。」
「私が聞いてるんです。どうしてうちの事務所に、い・る・ん・で・す・か。」
「週刊誌に、ないことないこと書かれてね。それで、今後の対応を協議しに来たんだよ。」
「へぇ〜、そうなんですか。
でも、やましいことがなければ、そんなの、気にすることもないですよね。」
語気を強めて桃子は言った。
87 :セル :2016/05/23(月) 21:56
「そのとおり。だから毅然とした態度を示すべく、事務所の方と確認に来たんだよ。
で、桃子さんはどうしたの?」
「今日は佳林ちゃんと2人で、インターネット番組の収録なんです。」

勘の鋭い佳林は、実は以前から俺と桃子の関係を疑っていた。
そこに、今のこの状況である。
佳林は、にやりと不敵な笑みを見せたかと思うと、背後から桃子を抱きしめ、
「そんな怖い声、出さないでくださいよ。かわいい顔が台無しですよ。」
桃子の肩越しに俺を見て、
「私たち、こんなに親しいんです。」
といったふうに、思い切り見せつけてきた。
「超かわい〜。それに、めっちゃいい匂いすんじゃん。」
桃子もそれに乗っかり、俺にあてつける。
88 :セル :2016/05/23(月) 21:58
“母親に甘えるこども”
俺にはそんなふうにしか見えずヤレヤレといった気持ちだったが、
桃子のことを慕う佳林には、そうは映らなかったようだ。
桃子の腰のあたりでからませていた腕を組み直すと、胸をふれるような体勢になった。

「ちょっと佳林ちゃん。ふざけすぎ。」
叱られた佳林は、腕を離すと、桃子の独特のツインテールをタッチした。
「ちょ〜っと」
手刀を切り、それをやめさせる桃子。
「さわったことないでしょ。」
そう言わんがばかりに、佳林は俺に対して、自慢げに笑みを浮かべた。

<つづく>
89 :名無し飼育さん :2016/05/24(火) 07:41
意外と他のハロメンが出演してくるな
90 :セル :2016/05/24(火) 12:22
>>89
まだ何人か出ます
いろいろ出すぎで読みにくかったら
ごめんなさいね
91 :名無し飼育さん :2016/05/24(火) 14:46
桃子のおっぱい揉み揉みシーンはよ!
92 :セル :2016/05/24(火) 22:14
>>91
91さんのレスを見て 2ちゃんねるに立ってた
ちゅぱちゅぱ祭りしたいスレを思い出してしまいました
93 :セル :2016/05/24(火) 22:14
<つづき>

「さわっていいとはいってないよ。後で楽屋来てね。」
「えへへ。」勝ち誇った顔で俺に笑いかける佳林。
「さ、そろそろ収録だよ。」
桃子に促され、2人はスタジオへ向かおうとする。
しかし、桃子はなにかを思いついた表情をし、
「あ、そうだ。一緒に写真撮ろう。」と、佳林を誘った。

自撮りした桃子は、
「うわぁ、かわいい。」と、俺に写真を見せつけてくる。
「ついでに、一緒に撮ってあげますよ。でも、思いきり変な顔をしちゃおうっと。」
そういって強引に、桃子は俺と2ショット写真を撮った。
94 :セル :2016/05/24(火) 22:15
「あ〜あ、やっぱダメだわ。消しちゃおうかな。」
「おいおい、どんなふうに撮れたんだよ。」
「見せな〜い。」桃子は佳林とスタスタ行ってしまう。
だが、その時、「今日も試合でしょ。がんばってね。」
そう言いながら振り返った桃子は、
“ベー”と舌を出していた。
その表情は、とてもにこやかだった。

メンバーの中でいちばん興味のなかった、いや、はっきりいって嫌いだった桃子。
最初は、ただの愛欲の対象としか思っていなかった。
だが、振り返った彼女の表情を見た瞬間、
桃子の言動を常に気にし、彼女のことばかりを考えてしまっている、自分に気付いた。
95 :セル :2016/05/24(火) 22:16
===

翌年、俺は活動拠点を再び、アメリカ ニューヨークへと移すことになった。
金銭欲が強いわけではないが、代理人と相談し、
より良い環境でやろうという結論に至ったためだ。
その手続きや準備のため新宿を訪ねた際、
書店に黒山の人だかりができていることに気付いた。

「これは?」なんのことかとポスターを見ると、
友理奈の写真集発売イベントとして、握手会が行われていることが分かった。
「こんなことまでするのか。」
それが俺の率直な感想だったが、
これもなにかの縁だろうと、写真集を1冊買い求めた。
96 :セル :2016/05/24(火) 22:16
販売時間の終わりに購入したため、俺は最後の参加者となった。
なにくわぬ顔でブースに入ると、友理奈とスタッフはびっくりした顔になったが、
俺は、「たまたま通りかかった。」とだけ言って握手をし、その場を去った。

===

その夜、ニューヨーク行きが正式決定したので、俺はブログでそのことを公表した。
表向きは淡々とした報告のブログだったが、気付いてくれることを祈りながら、
桃子にしか分からないキーワードを、いくつか含めておいた。
キーワードを読み解くと、
「必ず迎えに行く」という意味になるようにしておいた。
97 :セル :2016/05/24(火) 22:17
===

ニューヨークに活動拠点を移したこの年、桃子にも動きがあった。
それまで在籍していたBKが無期限で活動を停止し、
他の活動休止状態だったグループに移って、
経験の浅い若い世代の子たちと、新たに活動することになったのだ。

心のどこかに、「日本に残りたい。」
そういう気持ちがあり、それが引っかかっていた。
だからこそ、読んでくれる保証もないブログも書いた。
桃子のことが、どうしても忘れられない俺は、思い切って彼女に手紙を書いた。
事務所あてに送ったので、
内容は、これまでの労をねぎらう当たり障りのないものであったが、
メールアドレスを書いておいたところ、すぐに連絡が来た。
98 :セル :2016/05/24(火) 22:17
3月3日に、日本武道館でファイナルコンサートが行われた後、
少し休みをもらえるとのことだったので、ダメもとで、
「招待するから、こっちへ遊びに来ないか。」と誘った。
彼女の返事は、なんとOKだった。
俺はすぐに航空券やホテルをおさえ、チケットを送った。

3月6日夕刻、キャンプを張っているフロリダの空港へ、桃子を迎えに行った。
必要なものはそろっているから、最低限の荷物を持っておいでと連絡していたのに、
大きなスーツケースを2つも抱えてきていた。

「暑い。」とつぶやく桃子。
日本では三寒四温の時期だが、こちらは既に初夏の陽気だ。
上着を脱ぐと、ピッタリとしたシャツ姿で、
いちだんと、スタイルが良くなったように見えた。
99 :セル :2016/05/24(火) 22:18
ホテルへ案内する道すがら、
「絶対に断られると思っていたんだけど、なんで来ようと思ったの?」
そう問いかける俺に、
「ブログにあんなこと書いてくれてたから。」
桃子は気付いいてくれていた。
そして、2つのスーツケースを引く俺と、無理やり腕を組もうとしてきた。
案の定、転びそうになり、2人で大笑いした。

「無い、ない、ないよ〜。」
チェックイン直後、桃子はスーツケースをひっくり返して、なにかを探していた。
「どうした?」
「ないの、写真が。持ってきたのに。」
「慌てる必要はないよ。しばらくこっちにいるんだから、ゆっくり探しなよ。」
「やだ。とってもいい感じで写ってたから、早く渡したいの。」
100 :セル :2016/05/24(火) 22:19
だが、一向に見つからない。
だんだんとイラつき始める桃子。
その時、彼女のおなかが「グー」と鳴った。
「食事に行こう。腹が減っては、戦はできないよ。」
「それもそうだね。」ようやく桃子に笑顔が戻った。

ホテル内のレストランでディナーをとりおえ、
「今日はもう遅いから、部屋でゆっくり休むといいよ。
明日は俺もオフだし、一緒にでかけよう。」
そう言って部屋へ帰そうとすると、桃子は途端に機嫌が悪くなった。
「真莉愛との記事ことを、まだ気にしているんだろうか。
でも、前回会った際は、笑顔も見せてくれたしな。」
そんなふうにしか、俺は考えていなかった。
101 :セル :2016/05/24(火) 22:19
「大丈夫だよ。飛行機の中でいっぱい寝たから。
ファーストクラスってすごいんだね。熟睡できちゃった。」
桃子は帰りたくないアピールをした。
しかし、時差もあり体調が心配だったので、
「ダダをこねないで、大人の言うことを聞きなさい。」と、
冗談めかして説得すると、しぶしぶ部屋へと戻った。
そのときの桃子は、そうとう怒っているように見えた。

翌日以降、ショッピングをしたり、食事をしたり、
海で遊んだりと、練習後の限られた時間ではあったが、
楽しく過ごし、時間はあっという間に過ぎて行った。
そして、桃子がフロリダを離れる前日、
この日もオフだったので、2人で朝から美術館を訪れた。
102 :セル :2016/05/24(火) 22:20
すると、ここで俺たちは、
桃子と同じ事務所の「AGM」リーダー、彩花に遭遇してしまった。
さすがの俺も、これには驚き、慌てた表情を見せてしまった。
それは、桃子も同じだった。

コンサートやイベント会場で会ったことがあり、彩花と多少の面識があるにはあった。
ただ、理由は分からないのだが、常に俺に対して冷たい態度をとっていたので、
正直、苦手だった。

「あれ?なんで。どうして2人がここにいるの。」
「え?彩花ちゃんこそ、なんで。いや、でも、奇遇だねぇ。
お休みもらえたから、あったかいところを旅行しようと思って。
そしたら、偶然。今日は忙しいところ無理言って、付き合ってもらってたの。
彩花ちゃんにも会えちゃうなんて、ホントすごいよね。」
とっさに嘘をつく桃子。
103 :セル :2016/05/24(火) 22:22
「へぇ、そうだったんだ。」
と、明らかにいぶかしがる彩花。
「それで、彩花ちゃんはどうしてここに。」
「テレビのロケで来たんです。で、空き時間ができたから。ほら、私、美術大好きなので。」
2人のやり取りは、どこかぎこちない。

「一緒にまわらない?」明らかに無理をして言う桃子に、
「撮影がまだあって、あまり時間がないから。」と返す彩花。
「撮影は何時までなの?」何気なく俺が聞くと、
「終わったら、一緒に食事しようよ。ね、スタッフさんにお願いして、
まきで撮影してもらってさ。」
本心とは裏腹にそう言う桃子に、
「分かりました。たぶん夕方には終わるから、よろしくお願いしますね。」と答える彩花。
「しまった。」桃子は隠すことなく、そういった表情を見せた。
104 :セル :2016/05/24(火) 22:22
3人ということもあり、ディナーはカジュアルな雰囲気のレストランを予約した。
改めて、ファイナルコンサートを終えた桃子の労をみんなでねぎらったが、
その後は、彩花の独擅場だった。
矢継ぎ早に、俺たちの関係を追及してくる。
とにかく、答えに窮しないようにと必死だった。

「そう言えば、美術が好きだと言っていたね。
4月になったらニューヨークに戻るんだけれど、あそこにも立派な美術館があるみたいで。」
俺のその言葉で、場の雰囲気は一変した。
105 :セル :2016/05/24(火) 22:24
「知ってる!知ってるよ!!」
彩花は興奮し始め、さまざまなうんちくを傾ける。
高校の授業で習った程度の知識ではあったが、俺がそれに応えると、
彼女は目を輝かせながら、さらに楽しそうに語り続ける。
特に仏像のアルカイックスマイルについて俺が触れたときは、顕著だった。

それまで、俺を睨みつけるように見ていたその目は、
いつしか優しい眼差しへと変わっていた。
しかし、けっきょくのところ、彩花の独擅場は変わらなかった。
桃子は伏し目がちに、一瞬うんざりとした表情を見せた。

<つづく>
106 :名無し飼育さん :2016/05/24(火) 22:44
も…ももちとのイチャラブこねええええええ
107 :セル :2016/05/24(火) 23:54
ごめんなさい
しばらく先になります
長い目で見てやってください
108 :名無し飼育さん :2016/05/25(水) 03:22
お預けかよ…orz
109 :名無し飼育さん :2016/05/25(水) 22:42
そろそろ更新くる?
110 :セル :2016/05/25(水) 22:52
<つづき>

翌朝、一便で帰国する桃子を、俺は空港で見送った。
「気をつけてな。トランジットも、平気だよね。」
「昨日は、ずいぶんと盛り上がってたね。」
桃子は、明らかにすねていた。
「彩花さんが1人で盛り上がっていただけだよ。俺はあいづちをうっていただけ。」
「でも、全然私の相手、してくれなかった。」
「ごめんな。完全にペースを乱された。」

「最後の夜くらい、部屋まで来てほしかったのに。」
「俺も行きたかったよ。」
「いいよね、モテて。いろんな人に言い寄られてるんでしょ、どうせ。」
「そんなことないよ。」
「うそつき。大嫌い。」
111 :セル :2016/05/25(水) 22:54
「仮にそうだとして、100人に好きだと言われても、
いちばん好きな人から嫌いって言われたら、俺は耐えられない。」
じっと目を見て訴えると、桃子ははにかんで、俺の手の甲を人差し指でなぞった。

「帰りたくないな。」桃子は俺に甘えていたが、
「でも、後輩たちが待ってるね。」と、気を取り直し、
出国のため、ケースからパスポートを取り出した。
そのとき、2枚の同じ写真がケースからすべり落ちた。
「あ!あった〜。」
俺と桃子の2ショット写真だった。
112 :セル :2016/05/25(水) 22:55
「あれ?これは。」
「そう、事務所で撮ったやつ。佳林ちゃんには見せてないんだ。大事にしてね。」
1枚を俺に手渡す桃子。
「そうだ。私のサインがないと寂しいよね。」
「いいよ。価値が下がる。・・・、いや、やっぱり書いて。俺も書くから、桃子のも貸して。」
以前にも似たようなことがあったかな、と考えながら、
俺の写真には桃子が、桃子の写真には俺が、サインを入れた。

その様子を、同じ日に帰国する彩花が見ていようとは、俺たちは夢にも思わなかった。
ファーストクラスの優先搭乗に向かう桃子の姿を見る彩花の目には、
嫉妬の炎が燃え上がっていた。
113 :セル :2016/05/25(水) 22:55
===

今年の開幕戦は、東京で行われることになり、
3月下旬に、フロリダからダラス経由で日本入りした。
本番を前に、各都市でエキシビションを行ったが、
横浜での試合後、例のチーフの招きで、俺は桃子たちに会うことができた。

ここ数年、ライブ&イベントが、3月に2日間にわたって行われており、
ホテルでの打ち上げパーティーに招待されたのだ。
各グループのメンバーが遠巻きに見る中、事務所の幹部が俺を囲み、大人の会話をした。
正直、退屈だった。
114 :セル :2016/05/25(水) 22:56
そこへ、タイミングを見計らって桃子がやってきて、
「おひとつどうぞ。」と、しおらしくビールを注いでくれた。
それがきっかけとなり、気が付くとまわりは、女性だらけになっていた。

桃子を中心に、みんなの会話が弾む。
俺にはよく分からない内容だったが、とても楽しい雰囲気だ。
そこへ桃子が話を振ってくる。
「見渡す限りアイドルだらけですけど、誰がいちばんかわいいですか?
ま、聞くまでもないですけれどねぇ。」
小指で自分を指さしながら、桃子は俺を見つめる。

「そうだな。う〜ん、みんなかわいくて選べないや・・・、
なんて、月並みなこと言うのは嫌いなので、はっきりさせよう。うん、彼女かな。」
俺は柔和な顔立ちの女性の前に立った。
「え、彩海ちゃん?」どこからか、そんな声が聞こえた。
115 :セル :2016/05/25(水) 22:56
彩海と呼ばれたこの少女は、目をキョロキョロさせながら、
「私ですか?」と驚くと同時に、顔を真っ赤にした。
話を振った桃子はというと、茫然とした表情で首を何度も傾げ、ブツブツ言っていた。
「ももちゃんはホント、笑いが分かってるよね。」
同世代の千聖が言うと、その場が大いに沸いた。

俺と桃子の会話はますます盛り上がったが、
そこへ真莉愛が、
「なんで、そんなに2人は仲がいいんですか?」と話を割って入ってきた。
116 :セル :2016/05/25(水) 22:57
「だって、おとももちだもんね〜。シアトルからの付き合いだよ、私たち。」
「え?そうなの。俺は君のこと、運命の人だと思っていたんだけど。」
「しょうがない。あなたでいいや。」
「あなた『で』って、なんだよ。俺の目を見てものを言え。」
そう言って、桃子の顎をクイッとやったら、
「ちょっと、やめてよ。」と、
顎にコンプレックスを抱いている彼女は本気で怒りだした。
冗談交じりに放った一言がコントのようになり、周囲は爆笑に包まれた。
ただ1人、真莉愛だけは顔をひきつらせ、意を決した表情をした。
117 :セル :2016/05/25(水) 22:58
パーティーも終盤にさしかかり、
入れ替わり立ち代わりやってくる人との会話に疲れた俺が、
イスに座ってくつろいでいると、そこへ、真莉愛がやってきた。
「今日のパフォーマンス、観ていただけましたか。」
「ライブも最後の30分は観ることができたよ。すごくかっこよくて、ビックリだったな。」
俺がそう言うと、真莉愛は笑みを浮かべた。

「私、アドバイスを守って頑張らなかったんです。でも、毎日ちゃんと練習しましたよ。
もちろん、オフの日も。
そうしたら、なにか、疲れも全然なくて、すごくリラックスしてステージに立てたんで、
とっても楽しかったです。」
そう言う真莉愛は、俺のことをなにか崇拝の対象のようの眼差しで見つめた。
118 :セル :2016/05/25(水) 22:59
だが、その直後、急に真剣な表情になったかと思うと、
「内緒話です。」と、口を俺の耳元へ近づけてきた。
「なんだい?」
一瞬の隙を見せたその瞬間、真莉愛は正面から俺に抱きつき、激しいキスをした。
イスに座っていた俺は、まったく身動きが取れなかった。

会場が、一瞬にして凍りつく。
そして、数人のスタッフが真莉愛を引きはがし、会場外へと連れ出した。
「申し訳ありません。」チーフは平謝りである。
廊下からは、
「真莉愛、もう子供じゃない。大人だよ。どうして私はダメなの。」
そう泣き叫ぶ声が聞こえてきた。
119 :セル :2016/05/25(水) 23:00
しばらくすると、冷静さを取り戻したのか、
スタッフに連れられた真莉愛が、俺のところへやって来た。
深々と頭を下げ、「ごめんなさい、ごめんなさい。」と、頬をぬらしながら謝罪している。

「実力行使は褒められたものじゃないな。
でも、真莉愛ちゃんとこんなことになるんだったら、
もっと、きちんと歯を磨いておけばよかったよ。」
そう俺が言うと、真莉愛の表情が少しだけほころんだ。
会場からも笑いが漏れ、ようやく緊張感から解放された。
120 :セル :2016/05/25(水) 23:00
ただ、こんなことになっては、俺も長居はできない。
「今日はこれで。」そう言って、退席した。
が、会場を出ると、朱莉が小走りに俺を追いかけてきた。
「今日は大変でしたね。
前にちょっとだけお話しさせていただきましたけれど、
もっといろいろ聞きたいので、よろしくお願いします。」
あのかわいい声でそう言うと、
メールアドレスの書かれたメモを、俺に渡した。

「そうだな。機会があったら。」と返して会場を後にする俺に、
「機会はあるものじゃなくて、作るものですよ〜。」と朱莉が一言。
「面白いことを言うな。」そう思った俺が振り返ると、
今回も、ニコッと笑って手を振っていた。

<つづく>
121 :セル :2016/05/26(木) 22:01
<つづき>
===

心がもやもやした俺は、近くのバーに立ち寄って、
シングルモルトウィスキーとマンハッタンを2時間ほどあおった。
「こんなことになったので、引きあげるよ。
残念だけれど、また日を改めて会おう。連絡します。」
そう桃子にメールを送ったが、返信は来ない。

なにか心が晴れず、朱莉からもらったメモのことを思い出し、
「君はなかなか面白いことを言うね。」とメールした。
そして、しばらく酒をあおった後、宿舎のホテルへと、帰途に就いた。
122 :セル :2016/05/26(木) 22:01
===

ライブ会場となった展示ホール前を通ったときだ。
俺の名前を呼ぶ声に気付いて振り返る。
そこには、彩花の姿があった。

「あれ、どうしたんですか?こんなところにお1人で。」
「いや、ちょっと気分転換に飲み直してきた。パーティーは終わったの?」
「はい。もうみんな、帰りましたよ。」
今までに見たことのない、キラキラした笑顔で話す姿に、俺は驚いた。

「そうだ。このあいだ話したニューヨークの美術館、
パンフとか本があるんですよ。見ませんか?」
「え、そうなのかい?じゃ、せっかくだから。」
冷たい態度に戻られても困るので、彼女の誘いを受けることにした。
123 :セル :2016/05/26(木) 22:02
「じゃ、来てください。部屋に置いてあるので。」
「え、部屋?今、持ってるんじゃないの。」
「家が遠いんで、今日は泊まりなんです。なので置いてきちゃいました。さ、早く早く。」
気が滅入ったが、断るわけにもいかず、ついていくことにした。

案内されたホテルの部屋は、和室だった。
「これです、これ。ほら。」
カバンの中から何冊もの本やパンフレットを取り出し、彩花は畳の上に並べた。
彼女の説明が始まる。
あまりに楽しげに、にこにこしながら説明するので、酔っていたこともあって
「かわいいな。」と、つい、つぶやいてしまった。
124 :セル :2016/05/26(木) 22:02
「えっ?」驚いた表情を見せる彩花。
「あ、いやね。こんなこと言うのもなんだけれど。
以前は、けっこう冷たい人って印象だったんだよ。
でも、フロリダで美術の話をしてから、ずいぶん楽しそうだから。
本当に美術が好きなんだなって。で、思わず言っちゃったよ。すまんすまん。」

俺がそう言うと、彩花はしばらく黙りこくり、そして、切り出した。
「違うんです。私、ずっと前から・・・。
でも、表情に出しちゃうと、他のメンバーやマネージャーさんに、
なにか言われると思って。
わざとそうしてたんです。だから、本当は。」
俺は、愕然とした。
この状況はまずいと思い、話を強引に変えようとする。
125 :セル :2016/05/26(木) 22:03
「こんなにたくさんの本やパンフがあるんだ。すごいね。今度俺も買ってみるよ。」
そういって立ち上がると、彩花も立ち上がり、俺にしなだれかかってきた。

「今日は、真莉愛ちゃんがあんなことして、フロリダでは、桃子さんと一緒に。
それに、私、見ちゃったんです。空港で、2人でいるところ。
なにかプレゼントを交換し合ってた。
それに、ファーストクラスなんて、私たちじゃ乗れっこない。
ずるいよ。なんでですか。」
俺の手を握り、彩花は隣室につながる襖を、意を決したようにゆっくりと開けた。
そこは寝室だった。
126 :セル :2016/05/26(木) 22:04
「お願いします。一度だけでいいから。」
目を潤ませて訴える彩花に、恋心を抱いてしまった自分がいた。
以前の俺だったら、このまま押し倒していただろう。
だが、今は違う。
感情に流されて軽挙をすれば、自分も相手も不幸になることを理解していた。

「ダメだ。一度でも抱いたら、忘れられなくなる。」
俺は襖をそっと閉めた。
「そっか。やっぱり桃子さんのことが。」
しばらくの沈黙の後、
「悔しいけれど、でも自分に素直になれてよかった。」
俺の胸に頬をすり寄せる彩花。
その額に、俺は軽くキスをしてしまった。
涙が一筋、彩花の頬を伝った。
127 :セル :2016/05/26(木) 22:04
===

開幕当日の朝、最終準備を行っていると、桃子から電話が入った。
すぐに会いたいというが、13時から試合があり、
「もう出発するので無理だ。」と伝えたが、
アメリカに戻る前に、どうしても会いたいと言うので、試合後に時間を作った。
滞在先のホテルに桃子がやってきたのは、時計の針が19時を少しまわった頃だった。

明らかに不機嫌な、いや、怒りに満ちた顔をしている。
部屋に入るなり、桃子はまくしたてた。
「このまま私に会わずに、アメリカへ行こうとしてたの?
横浜のときも、1人で帰っちゃって。
メールだけよこして、それで『さようなら』ってなによ。」

「あの後も、メールして予定を聞いたじゃないか。でも、時間が合わなくて。」
「真莉愛ちゃんがひどいことをしたのに、なんであんなに優しくしたの?
悪いの、ぜーんぶ真莉愛ちゃんだよ。怒って当然なのに。」
128 :セル :2016/05/26(木) 22:05
「周りにたくさん人がいただろ。あの場では、ああ言うしかなかったんだ。」
「うそ。本当は真莉愛ちゃんのこと、好きになったんでしょ。
私のことなんて、もう、どうでもいいんでしょ。
だからほっといたんでしょ。許せない。」

桃子は泣きわめいて、俺を罵った。
我を見失った人間になにを説明してもムダだと思い、
俺はとにかく桃子をなだめようとした。
だが、桃子はヒートアップするばかりで、
ついには俺のみならず、身内のことまで罵倒しだした。
さすがにガマンの限界を超え、俺も桃子をたしなめる。
こうなると、もう、収拾はつかない。
大ゲンカになり、桃子は泣きながら飛び出していった。
129 :セル :2016/05/26(木) 22:06
「お互いが冷静さを取り戻した時に、また、ちゃんと話をしよう。」
そう考えながら、部屋でビールを飲んでいた。
だが、再び怒りがふつふつと湧き、酒をグイグイと煽った。

そのとき、朱莉からメールが入った。
「これから会えないですか。」と、書いてあった。
「誰でもいいから、とにかく不満をぶちまけたい。」
自分の嫌な部分が出てしまい、
「○○ホテルの○○号室にいるから、すぐにおいで。」と返事をした。

メールを返してから、30分後、朱莉がやってきた。
「よう。よく来たね。ささ、どうぞ、どうぞ。」
いつもと違う様子の俺を見たにもかかわらず、
「あらあら、ずいぶん荒れてるんですね〜。」と言って、
ニコニコしながら入ってきた。
130 :セル :2016/05/26(木) 22:07
「今日の試合、スタジアムで見てたんですよ。大活躍だったじゃないですか。」と言う朱莉。
今日はたいして活躍はできていなかったので、
「どこがだよ。」と悪態をつく。
「存在感そのものが凄かったので、それだけでも大活躍です。」
朱莉の優しさが伝わってきた。

「ところで、今日はどうした?」
「誰かと、お話ししたがってるんじゃないかな〜、と思って。」
「なんで分かったの?」
「テレパシーです。な〜んて。
本当は、アメリカに行っちゃう前に、どうしてもお話をしたかったんです。
でも、やっぱりやめておきます。」
131 :セル :2016/05/26(木) 22:07
「え?」
「話をするんじゃなくて、聞きます。だって、すごく話したそうにしてるから。」
朱莉の気遣いに、俺の心は打たれた。
桃子とのことは、直接は言わない。
が、朱莉は俺にどういったことが起こったのかを理解しているようだった。

「そうか、そうか。つらかったね。」
俺の肩をポンポンとたたき、あやすように慰める朱莉。
イラついていた俺を、いろいろと機転を利かせて、
かわいい声で和ませ、安らぎを与えてくれる。
そのとき、彼女のもっちりとした白い太ももが俺の目に飛び込んできた。
132 :セル :2016/05/26(木) 22:08
俺はがまんができなくなり、朱莉を押し倒した。
彼女は嫌がるそぶりも見せず、俺の首に手を回し、頭を撫でた。
「1人で悩んでちゃダメだよ。」
慰めてくれる朱莉の唇を、俺はむさぼった。

「ハヤト君のファンだから、紹介してもらおうと思ってたんだけれど、
何回か会って、メールしているうちに、誰といるのがいちばん楽しいか、分かったんだ。」
そういう朱莉を、さらに愛おしく感じた。
133 :セル :2016/05/26(木) 22:09
===

部屋を飛び出した桃子は、
どこに行くあてもなく、走り続けた。
少しでも俺から離れたかった。
左側に、ホテルとスタジアムが見えていた。

息が切れ、動けなくなる桃子。
顔を上げると、“PROMISE”の看板がかかった
ダイニングバーがあった。
桃子は店内に入ると、ウェイトレスの案内を待たず、
いちばん奥の座席に腰を下ろした。

その様子を見ていたマスターは、
「私が対応する」と言って、
ウェイトレスを制し、桃子のところへやってきた。
「いらっしゃいませ。なにになさいますか。」
メニューを示すマスターは、
この女性が桃子であることを既に認識していた。
だが、そのことは一切表情に出さず、
プロとしての接客に務めていた。
134 :名無し飼育さん :2016/05/26(木) 22:10
思わぬ展開でビックリや
135 :セル :2016/05/26(木) 22:10
「シャンパンをください。」ふだんお酒を飲まない桃子は、札幌のことを思い出して、
ぶっきらぼうに言った。
「あいにく、当店ではシャンパンのご用意がございません。
スパークリングワインではいかがでしょうか。」
「じゃあ、それを。」
「グラスでよろしいですね。」
「はい。・・・、いえ、やっぱりボトルにします。」
「お一人で召し上がるには、少々多いかと。」
「ボトルをください。」桃子は語気を強めて言った。

ボトルを用意したマスターは、
グラスにスパークリングワインを注ぎ、
桃子の前に置いた。
注文を受けてはいなかったが、
チーズ、ナッツ類、燻製肉が添えられていた。
136 :セル :2016/05/26(木) 22:11
桃子はスパークリングワインを飲み干すと、
ボトルをワインクーラーに入れたばかりのマスターにグラスを差し出した。
トーションを左手にかけたマスターは、
最初よりやや量を抑えてグラスに注ぎ、桃子に差し出した。
桃子はそれをまた一気に飲み干すと、マスターの前にグラスを置いた。
まだ、ワインクーラーにすらボトルは納められていなかった。

マスターは、さらに量を抑えてグラスに注ぎ、
桃子の前に置いたが、その際、
「このスパークリングワインに合う食べ物も用意させていただきましたので、
まずはそちらをお召し上がりください。」と、言った。
137 :セル :2016/05/26(木) 22:11
その言葉を聞いて、桃子はグラスのわきに置かれた
食べ物の存在に初めて気づき、夢中で食べ始めた。
その間に、マスターはボトルをウェイトレスに片付けさせ、
代わりに、空のボトルをワインクーラーに入れた。

食べ物を平らげると、桃子はまたグラスを一気に飲み干し、マスターの前に置いた。
「お客様、もうすべてお召し上がりになられました。」
「まだ、そんなに飲んでない。」
既にロレツがまわらなくなり始めていた桃子は、マスターに抗議した。
しかし、マスターから、空になったボトルを示されると、桃子は納得して席を立った。
138 :セル :2016/05/26(木) 22:12
マスターは、スパークリングワイン1杯分の料金のみを桃子に請求し、
支払いを済ませた桃子に、店の名刺を渡しながら言った。
「なにがあったかは存じません。
ただ、このようなお酒の召し上がり方は、
お酒も喜びませんし、お客様も楽しくなれませんよ。
こんどはぜひ、すてきな男性やお友達と一緒にいらしてください。」

桃子は、今日の出来事を思い出しながら、
自分はなんて恥ずかしいことをしているんだろうと思い、
マスターに礼を言って、店を後にした。

しかし、桃子の酒のまわり方は、想像以上だった。
自分がどこにいるのかさえ理解できず、ひたすら歩き続ける。
長い上り坂を進み、左右に神社と寺院を見ながら、今度は急な下り坂を下りていく。
すると、ネオン街が近づき、電化製品を抱えた人、メイド服を着た人、
アイドルグッズやアニメグッズを持った人の姿が見え始めた。
139 :セル :2016/05/26(木) 22:13
桃子は、急に不安になった。
そして、既に疲れ切っていた。
下り坂でふらついてしまい、向こうから歩いてきた男にぶつかってしまった。
「あ、ごめんなさい。」すぐに謝る桃子。

男は3人連れで、全員、優しそうな感じに見えた。
「いえいえ。大丈夫です。」
そのまま男は通り過ぎようとしたが、そのうちの1人が言った。
「あれ?ももちじゃね。なんか、すげえ酔っているみたいだけれど。」
その言葉を聞き、残る2人も桃子のことを見た。
優しそうな感じに見えた3人の目つきが変わった。
140 :セル :2016/05/26(木) 22:14
「大丈夫ですか?」最初にぶつかった男の声は、
先ほどとはまったく異なり、いやらしさを帯びていた。
「エスコートしてあげますよ。」
そう言って、桃子の腕をグイッと引っ張った。
「私は平気ですから。」
そう言って桃子がエスケープしようとすると、
「遠慮しないでよ。」ともう片方の手も引っ張る。
「本当に大丈夫です。いやっ、やめて。」
桃子は大きな声をだし、その場にしゃがみ込んだ。
141 :セル :2016/05/26(木) 22:15
「ほら、やっぱりダメじゃない。立ててないし。」
男の1人が右腕に、もう1人が左腕に手を絡ませ、桃子を強引に立ち上がらせると、
手を引っ張った男は桃子のバッグを奪い取ってしまった。
2人の男に左右から押さえつけられ、
恐怖と疲労とで、桃子は声が出せなくなっていた。
バッグを奪った男が、タクシーが通るのを待っている。
「お願い、助けて。」
俺の顔を思い浮かべながら、桃子は涙ながらに心の中で叫んだ。

<つづく>
142 :名無し飼育さん :2016/05/26(木) 22:26
ももちいいいいいいいいい
143 :名無し飼育さん :2016/05/27(金) 00:13
ももちピンチ
144 :名無し飼育さん :2016/05/27(金) 23:24
あれ?今日更新ないんかな
145 :セル :2016/05/28(土) 11:07
昨日は秋葉原へももちを見に行って
楽しさのあまり興奮しすぎたのか 夜に発熱
寝てしまいました
毎日更新するつもりだったのですが どうもすみませんでした
もう治ってきたので 今晩からまた更新します
よろしければ 読んでやっていただけると嬉しいです
146 :セル :2016/05/28(土) 19:42
<つづき>

男のマンションに連れ込まれ、叩きつけられるように、床に寝かされる。
6つの腕で服を剥ぎ取られ、下着を引きちぎられる。
泣き叫ぶ私の口に、引きちぎった下着を突っ込み、恐怖に歪む顔など意に介さず、
30の指が体を凌辱し、
3本の魔の手が私の3つの口を襲い、純潔を奪う。

桃子は、このあと起こりうる最悪の事態を想像した。
「もし、辱めを受けるくらいなら、その時はいっそのこと舌を噛み切ろう。」、
そんなことまで考えていた。

だが、その時、
「なんだ、こんなところにいたの。探したよ〜。」
という声が聞こえた。
147 :セル :2016/05/28(土) 19:44
===

ホテルの一室。朱莉が来てから数時間後。

「もう帰らなくちゃ。今日は見たことのない一面が見られて良かった。
アメリカまで、気をつけて行ってきてね。」
服を着終えてニコニコしながら手を振り、部屋を後にする朱莉を、
俺はベッドに横になったまま見送った。

だがこの時、激しい後悔の念が俺を襲ったと同時に、異様な胸騒ぎを覚えた。
148 :セル :2016/05/28(土) 19:45
===

「あれ?ももちの声が聞こえたような。」
ショップでのイベントを終えた真野は、マネージャーと2人で帰途に就いていた。
「桃子?声なんか聞こえなかったよ。」
マネージャーは否定する。
「ううん。あ、やっぱり。また聞こえた。助けを求めてる。」
真野は、声が聞こえたと思ったほうに走りだし、マネージャーもその後を追った。
真野の目に、男3人に取り囲まれた女性の姿が映った。
「いた。」真野は駆け寄った。

「なんだ、こんなところにいたの。探したよ〜。」
真野が桃子に声をかけると、眼光鋭いマネージャーが、男たちに近づいた。
「ありがとうございます。介抱してくださってたみたいで。」
あまりの迫力に、男3人は言葉も出ない。
桃子のバッグを持った男が、「あ、これ。」と言って、マネージャーにバッグを返した。
真野は桃子のもとに駆けより、
「大丈夫〜?」と声をかけている。
男たちは、通りかかったタクシーに飛び乗って、その場から消えた。
149 :セル :2016/05/28(土) 19:46
桃子は放心状態で、まったくの無表情になっていた。
「吉川さん。今日のことは、見なかったことにしてください。」
真野がマネージャーに懇願した。
「ももちは、うちに連れて行きます。家まで帰れそうにないし。」
真野がそう言うと、マネージャーはタクシーチケットを真野に渡した。
「体調が悪そうだな、真野。
事務所には、真野が急病で1枚使わせてもらいましたと報告しておくよ。」
真野はにっこりとほほ笑むと、タクシーをつかまえて、桃子と同乗した。

真野のベッドで横になると、桃子は言った。
「真野ちゃん。ありがとう。私、もうダメかと思った。」
「助けたのは私じゃないよ。吉川さんにお礼を言って。でも、びっくりした。」
「真野ちゃん。わたし・・・、私ね。」
声を震わせながら、真野になにかを伝えようとする桃子。
「いいから。今日はゆっくり休もう。話はまた明日ね。」
そう優しく語りかける真野に、桃子は号泣すると、やがて眠りについた。
150 :セル :2016/05/28(土) 19:47
===

ホテルを飛び出した俺は、あてもないまま走り出した。
気が付くと、俺がこのホテルを利用する際、
ジョギングコースとして利用している道を走っていた。
上り下りが続く道をひたすら走ると、いつも見かける神社と寺院とが、左右にあった。
普段であれば、大したことのない距離だったが、
アルコールのまわった俺には相当に堪え、その場に立ち尽くしてしまった。

だが、不思議なことに、あれだけひどかった胸騒ぎは消えていた。
俺は疲れ切って、とぼとぼとホテルへ向かって歩き始めた。

そんな俺を、女性客2人を乗せたタクシーが、追い越していった。
151 :セル :2016/05/28(土) 19:48
===

あれから1年。
今年も開幕を日本で迎えることになり、チームはフロリダでのキャンプを終え、
エキシビションの拠点である宮古島へと場所を移していた。

予定が合わず、桃子と直接会うことはできなかったが、
電話やメールのやり取りで、お互いの溝は既に埋まっていた。
あの日以降、桃子がしおらしくなった印象があった。
だが、俺はその理由を知りえなかった。
桃子は、ホテルを飛び出した後の顛末を、俺に話そうとしていた。
だが、「話さないほうがいい。今回のことは教訓として、胸に留めておきなよ。」
真野にそう諭され、桃子も思いとどまっていた。
152 :セル :2016/05/28(土) 19:49
東京から宮古島へ移動する前に、
俺はある人物に、どうしても会っておかねばならなかった。

「忙しいところ、悪かったね。」
「いいえ。会おうって言ってくれて、嬉しかったです。
だって、あの日以来、ほとんど連絡もくれなくなっちゃったから。」
朱莉はニコニコしながら言った。
153 :セル :2016/05/28(土) 19:50
俺はしばらく黙りこくった。
だが、どうしても詫びなければならなかった。
「申し訳ない。あのときのことだけれど・・・、」
俺が深々と頭を下げて、話を進めようとすると、
「やめてください。だいたい察しがついてます。相手が誰かってことも含めてね。」

「え?」
「誰かに聞いたってわけじゃないんですよ。
でも、今までのことを考えるとねぇ。なんか、分かっちゃってました。
それに、男の人があんなふうになっちゃうのって、恋愛がらみだろうなって思ってたし。」
朱莉の勘は恐ろしいほど鋭かった。
154 :セル :2016/05/28(土) 19:50
「お見通しなんだね。」
「でも私も、どうかしちゃってたんですよね。
まさか、あんな弱い姿を私に見せてくれるなんて思ってもみなかったから。
なんか、かわいく思っちゃいました。
それで、母性が目覚めちゃったのかなぁ。」
見かけと年齢によらず、しっかりとした女性であることを認識する俺。

「なので、もう気にしないでください。
あ、でも、私はやっぱりハヤト君のファンなので、機会があったら、紹介してくださいね。」
だが、ほんの一瞬、寂しそうな表情を見せる朱莉。
しかし、俺はそれに気付かなかった。
155 :セル :2016/05/28(土) 19:51
俺は改めて申し訳ない気持ちになったが、
朱莉の気丈な振る舞いに対して失礼にならないように、
「ありがとう。」と、礼を言った。
「よし。それでいいよ。」
俺の背中をポンポンたたき、笑顔を見せる朱莉。

「じゃ、帰るね。」
今日も彼女は、ニコニコしながら手を振り、部屋を出ていった。
ドアを閉める間際、朱莉が
「あなたが最初で本当に良かった。」と、小さくつぶやいたが、
俺の耳には届かなかった。
ドアの向こうで、朱莉は嗚咽していた。
156 :セル :2016/05/28(土) 19:52
===

3月6日に、石垣島でエキシビションが組まれ、宮古島から、さらに移動する。
そのことを桃子にメールすると、ちょうどその時期、
写真集の撮影で、石垣島に滞在しているという。

桃子が新たに参加したグループ
「CG」のメンバーやスタッフにあいさつに行くという名目で、
俺は、撮影が行われているリゾートホテルへと向かった。
久しぶりに会えるので、自然と笑みがこぼれそうになったが、
そこは必死に冷静さを保とうとした。
157 :セル :2016/05/28(土) 19:52
“コンコンコン”
ノックをすると
「は〜い、どうぞ〜。」聞きなれた声が返ってくる。
中に入ると、桃子が1人でいた。
「よっ。久しぶり。」
「びっくりだよ。こんなところで会えるなんて。」
素直に喜ぶ桃子。
他のメンバーよりも一足先に撮影を終え、戻ってきたとのことだった。

近況報告や、たわいのない会話をしていたが、
新人としてデビューした年下のメンバーたちを指導しながらの活動は、
楽しい反面、苦労も多いようで、グチっぽいことも言われる。
すると、桃子はすっくと立ち上がって、俺の隣に座りなおし、
「会いたかった。」と、俺の胸を枕にして甘えだした。
158 :セル :2016/05/28(土) 19:53
「俺もだよ。」そう言って肩を抱き寄せる。
「私のこと、好きって書いてくれたよね。」
「え?」
「選手名鑑、見たの。好きな芸能人の欄に、私の名前があった。」
「どうして知ってるの?見ているとは思わなかったよ。」
「ブログで、ファンの方が教えてくれたの。『やつも我が軍だ』って。」

大ゲンカ、そして、朱莉の件があって、
桃子に対する思いは、さらに強くなっていた。
少しでも自分の気持ちに素直になろうと、
選手名鑑の原稿に、桃子の名前を書いていたのだ。
159 :セル :2016/05/28(土) 19:54
桃子は俺の膝の上に乗り、思いきり抱き着ついてきた。
俺も、思いきり抱きしめた。
だが、ふと冷静になり言った。
「こんなところで平気かい。誰か来るんじゃ。」
桃子は俺の腰に手をまわしながら、
「返事があってからドアを開けるように、ちゃんと教育しているから。」
そう言うと、俺の唇を求めてきた。
メイクを崩さないように配慮しながら、俺もそれに応えた。
160 :セル :2016/05/28(土) 19:54
見つめあい、抱きしめあい、舌を絡ませあい、愛撫しあった。
「あん、だめ。」
必死にこらえていた桃子から、声があふれた。
桃子はこのわずかな時間に、ますます艶っぽさが増していった。

この場でできうる、すべての愛情表現をし、強く抱きしめあっていたその時、
隣室から、悲鳴ともつかない声が漏れ聞こえていることに気付いた。
俺たちは、隣室へつながるドアを、おそるおそる開けた。

<つづく>
161 :名無し飼育さん :2016/05/28(土) 21:14
今日早い時間に来てた!
体調大丈夫?これからも楽しみにしてます
162 :セル :2016/05/29(日) 15:02
>>161
お気遣いいただいてありがとうございます
体調はだいぶ回復しました
こんな嬉しい内容のレスをいただけるとは思ってもいませんでした
今晩も また更新しますので お時間がありましたら ぜひ読んでやっていただけると幸いです
163 :セル :2016/05/29(日) 21:42
<つづき>

===

「みんな、準備はいい?」プレゼントを持った梨沙が声をかける。
「完璧だよ。」お祝いボードを持った舞が、元気に答える。
「オッケー。」花束を抱えた愛香も、かわいく返事する。
クラッカーを手にした他のメンバーも、小声で「はい。」と返事をする。

そこへ、撮影を終えた桃子が、鼻歌交じりに帰ってきた。
メンバーは誰もが、撮影が無事終わったので、機嫌がよいのだろうと思っていた。
桃子より先にプールを後にし、今は、ビーチでの撮影を行っていることになっている。
まさか私たちがここにいるなんて、思いもしないだろう。
みんな、そう考えていた。
164 :セル :2016/05/29(日) 21:43
タイミングを見計らい、梨沙がドアノブに手を伸ばしたその瞬間、
“コンコンコン”
廊下に通じるドアにノック音が響き、梨沙はとっさに手を引いた。

ももち先輩が、聞き覚えのない声の男性と話をしている。
みんなが、キョトンとしている中、
「お父さんが、会ったことがある人だ。」
舞だけは、その声の主が誰であるか、気付いていた。

完全にタイミングを逸したメンバーは、
2人の会話が一区切りするのを、息を殺して待っていた。
だが、その直後、誰もが想像していなかったことが、2人の間で始まってしまった。

「会いたかった。」
「俺もだよ。」
 ・
 ・
 ・
「返事があってからドアを開けるように、ちゃんと教育しているから。」
「あん。だめ。」
そして、2人が体をまさぐる音。
165 :セル :2016/05/29(日) 21:44
梨沙は、茫然自失となり、呼吸が荒くなった。
色白の愛香の顔は、さらに蒼白になっていた。
知沙希は、顔と耳を真っ赤にして震えている。
「ももち先輩の秘密・・・」嬉唄は頬を紅潮させ、顔をそむけた。
加入して間もない結は、なにが起こっているのか理解できず、
リスのように黒い目を見開いている。
奈々美も同じ状況だったが、先輩メンバーの姿を見て、
あってはならないことが起こってしまっていることを理解していた。
そんな中、舞だけは、
「え、え、え〜。あの2人が。本当に〜。」
と、白い歯を見せ、笑みをこぼしている。
166 :セル :2016/05/29(日) 21:44
一段と呼吸の荒くなった梨沙は、
「ちぃ。」そう言うと、
突然、知沙希に抱きついてキスをした。
「り、梨沙。ダメだよ、みんながいるところじゃ。」
だが、そう言いながらも知沙希は抵抗せず、受け入れた。

タガが外れたのか、愛香は結の背後から、胸を揉みしだきだした。
「やっ。ちょっと愛香さん。」
驚いた結は、体をピクッとさせた。
「おっき〜。私と同じくらい。ううん、私のより大きいかも。
それに、かたちがキレイ〜。」
愛香から、耳に息を吹きかけられ、結はさらに体をビクつかせたが、
必死に声を押し殺すと、愛香のお尻を精一杯まさぐった。

「大好きだよ、ずっと。」
舞と嬉唄はギュッと手を握りあい、互いにうなずきあっていた。
167 :セル :2016/05/29(日) 21:45
===

俺たちは、隣室へつながるドアをおそるおそる開けた。

「みんな、なんでここにいるの・・・。」
見られてしまった。
そう気づいた桃子は、慌てると同時に、後輩たちの姿に、衝撃を受けていた。

姿勢を正した後輩たちは、全員、伏し目がちに俺たちを見ていた。
ただ1人、奈々美だけは険しい表情をこちらへ向け、
ただし、決して目は合わせようとはせずに、床に落ちたクラッカーを拾うと、
俺たちに向かって
“パーン”
と打ち鳴らした。
168 :セル :2016/05/29(日) 21:46
「アイドルとしても、先輩としても失格だね。」
桃子は後輩たちに詫びた。
「アイドル界のルールはよく分からないけれど、でも、真剣だから。」
俺も、率直な気持ちを語った。
桃子は、少し嬉しそうな顔をしたが、すぐに神妙な表情に戻った。

「ももち先輩を尊敬しています。その気持ちに変わりはありませんから。」
しばらくの沈黙の後、口を開いたのは、なんと奈々美だった。
「奈々美ちゃん・・・。それにみんなも。
大事な時期なのに、本当にごめんなさい。
みんなに迷惑がかかっちゃうのに、私、そんなことも忘れてた。
どうしたらいいかな。ね、奈々美ちゃん。」
169 :セル :2016/05/29(日) 21:47
「逆に聞きますけど、ももち先輩は、どう考えてるんですか?」
「そうだね。マネージャーさんに全部話すよ。そして、辞めさせてもらう。」
「本当に、それでいいんですか。」
「自分にはアイドルしかないって、言ってたじゃないですか。」
「いやです。寂しいし、それに、まだまだ教わりたいこと、たくさんあるんです。」
「『ごめんなさいね』って謝れば平気ですよ。」
「バレなきゃ、オッケーですよ。それに、ステキなことじゃないですか。」
後輩たちが口々に言う。

「な、なんか最後のほう、変なの聞こえたけれど。
でも、みんなありがとう。しっかり考えて結論出すね。
それまでは軽はずみなことは、もうしないから。」
桃子は感謝の気持ちを伝えた。
170 :セル :2016/05/29(日) 21:47
「私たち、なにも見てませんよ。ねえ、みんな。
だから、私たちも、なにもしてなかったですよ。ね、ももち先輩。」
梨沙がそう言うと、照れながら知沙希も続く。
「ここにいたのはですねぇ。
サプライズでハッピーバースデーをするためでした。」

「ねえねえ、ところで知沙希ちゃん。
そういえばさっき、『みんながいるところじゃダメ。』って、
梨沙ちゃんに言ってたじゃん。
それって、どういうこと。
え?ひょっとして付き合ってたり・・・ウソでしょ?!」
舞があっけらかんとして言う。
171 :セル :2016/05/29(日) 21:48
「あ、いや、それはあの。」
知沙希が顔と耳を真っ赤にして錯乱すると、
「それは聞かないでおこうよ。」
嬉唄が冷静に突っ込んだ。

その後、改めて誕生日のお祝いが始まった。
「いないほうがいい。」
そう考えた俺は1人、部屋を後にした。
不覚にも、桃子の誕生日が3月6日であることを、この時初めて知った。
172 :セル :2016/05/29(日) 21:48
===

翌日のエキシビション。
俺は負傷し、救急搬送された。
検査のため、入院をすることになり、
結果的には、ほどなく復帰を果たすことになるのだが、
その病院に、事故の知らせを聞いた桃子が駆け付けた。
「大丈夫なの?」不安そうな表情を見せる桃子に、
俺は「来ちゃダメだ。」と、追い返した。

ケガの状態と、来てくれと事に対する感謝の気持ちをメールすると、
「昨日のことがあったばかりなのに、本当にごめんなさい。
でも、居ても立ってもいられなくて。」と、すぐに返信があった。
「来てくれて嬉しかったし、本当はそばにいてほしかった。
俺のほうこそ、きつい言い方してごめんな。」
俺もすぐにメールを返した。
173 :セル :2016/05/29(日) 21:49
===

秋も深まり、冬の足音が聞こえてくる頃、俺は再び、日本の地を踏んでいた。
通常であれば、オフに入り体のケアを行っている時期だが、
今年は日米の親善試合に参加するため、まだまだ、気を抜いてはいなかった。

石垣島でのことがあったので、
なにかもう、桃子とのことが公然となっているような気になっていた。
ただ、桃子はあいかわらず、アイドルとして活躍し、後輩たちの手本となっている。
俺は、気を引き締めなおした。

俺のチームメイトである日本人選手も、親善試合に参加するため帰国していたが、
彼の妻は、CGのOGである。
それが縁で、桃子をはじめ、事務所所属アイドルの選抜メンバーが、
オープニングセレモニーや、合間のショータイムに参加することになった。
国歌斉唱の大役を桃子が務め、その素晴らしい歌声に、スタジアムにいた観客のみならず、
テレビの視聴者も魅了され、彼女の知名度と人気は、さらに上がることになった。
174 :セル :2016/05/29(日) 21:49
密会を疑われるようなことは避けていたのだが、
不思議な縁で、また、桃子と会う機会を得た。
ただ、親善試合はつつがなく終わったが、
俺はあえて、終了後に桃子たちと接触しないようにし、帰途に就こうとした。
しかし、そこへ梨沙と愛香がやってきた。

「今日はありがとうございます。
5万人のお客さんの前で、歌やダンスを披露できて、すごくいい経験ができました。」
梨沙は淡々としていたが、
「近くのパーティールームで、
うちのメンバーだけでかんたんに打ち上げやるんですけどぉ、一緒に来てくれますよね。」
愛香は人差し指を唇にあて、あざとく俺を誘う。
175 :セル :2016/05/29(日) 21:52
「いや、やめておくよ。仲間内だけで楽しんで。」
そう断り、横をすり抜けようとすると、
「いいんですかぁ?じゃ、みんなにいろいろバラしちゃおうかなぁ。」
突如ブラックになった愛香は、横目で俺を脅す。
「なんだよ、いったい。なにが目的だ。」
「いえ。本当に今日のお礼をしたいだけなんで。」
梨沙はにこやかに語った。
「分かったよ。でも、少しだけだぞ。すぐ帰るから。」

連れて行かれたのは、パーティールームでもなんでもない。
ただの貸しスペースに、その辺のコンビニや惣菜屋で買ってきた
オードブルや軽食が並んでいるだけだった。

「なんだ。本当にかんたんなんだな。言ってくれれば、なにか用意したのに。」
だが、俺たち以外、誰もいないことに疑問を覚え、
「あとは誰が来るんだい?」と尋ねた。
「みんな、そのうち来ますからねぇ。」
こんどの梨沙の言葉には、なにか引っかかるものがあった。

<つづく>
176 :名無し飼育さん :2016/05/29(日) 23:00
普通にうたちゃんいて正直ワロタ
177 :セル :2016/05/30(月) 21:26
<つづき>

“ガチャッ”
ドアの開く音が聞こえたので振り返ると、そこには桃子の姿があった。
「えっ?」
桃子は俺の姿に驚き、そして、梨沙と愛香をキッと睨んで言った。
「なんで?他のメンバーは?」
「どうしちゃったんですかね。そのうち来ると思いますけれどね。」
愛香がまたブラックに言う。

しばらく、4人で話をしていたが、
愛香が「ちょっと、お化粧直してきますね。」と言って出て行ったのに続いて、
「みんな遅いな〜。見てきますね。」と梨沙も退室した。
ご丁寧に、2人とも自分の荷物を全部持って。
178 :セル :2016/05/30(月) 21:27
「やっぱり、そういうことか。」
俺と桃子の声がハモった。
「出来のいい後輩を持ったね。」
「私の教育の成果かな。」
2人で笑った。

だが、その刹那、桃子は目を潤ませて、
「会えて良かった。」と、俺の胸に飛び込んできた。
「どうしたんだい?」俺は優しく問いかける。
「つらいの。」桃子は初めて、俺に弱音を吐いた。
179 :セル :2016/05/30(月) 21:27
後輩との接し方や指導方法に関する不安。
相談できる仲間が近くにいなくなったこと。
事務所や先輩からかけられる期待と厳しい視線。
それらが、桃子のプレッシャーになり、
今にも押しつぶさそうになっていたのだ。

「どうにか、なっちゃいそうだった。
今日会えていなかったら、壊れちゃってたかも。」
桃子は鼻をすすりながら、俺に甘えた。
「つらかったんだね。俺ももう、周りの目は気にしないから、いつでも甘えていいよ。」
「うん。そうする。」
「でも、甘えるだけじゃ解決にはならないから、こう考えたらどうだい。」
「どんなふうに?」
180 :セル :2016/05/30(月) 21:28
「桃子はグループ在籍中、
ファンから感謝されたり歓迎されたりすることが少ないかもしれない。
きっと、非難とかエーイングばかりの反応かもしれない。
でも、桃子がファンから歓迎され、ちやほやされるとしたら、
それは、グループ存亡のときとか、メンバーのスキャンダル発生のときとか、
ファンが困惑し、グループが混乱に直面しているときだと思うんだ。
言葉をかえれば、桃子が日陰者であるときのほうが、ファンやメンバーは幸せなんだ。」
「深いね。」桃子はすすり泣いた。

その時、ドアの開く音がした。
181 :セル :2016/05/30(月) 21:29
===

「今、梨沙ちゃんと愛香ちゃん、出ていったよね。」
険しい表情の彩乃が言う。
「そうだけれど、他のメンバーがいるんじゃないかな。」
緊張した表情で、彩海がこたえる。
「いいえ。絶対に2人きりよ。」

貸しスペースの入るビルの前で、彩乃はいきり立っていた。
「あいつ、絶対に許さない。」
「ちょ、ちょっと浜ちゃん、待って。冷静になって。」
ビルに入ろうとする彩乃を彩海が必死に抑えようとする。
182 :セル :2016/05/30(月) 21:29
「桃子さんが、たぶらかされている。他の仲間も遊ばれている。」
憤怒した彩乃から、彩海がそう聞いたのは、1週間前のことだった。

「今日も、絶対に会うはず。
桃子さんの目、覚まさせてあげるんだから。」
オープニングセレモニーやショータイムには、彩乃と彩海も参加していたが、
親善試合後に、梨沙と愛香が俺を連れ出すのを偶然見て、
「これは!」と思い、後をつけていたのだ。
彩海も、危険を察知して、彩乃についてきていた。

彩乃は貸しスペースを、片っ端からあたっていく腹積もりだった。
だが、最初に開けたその部屋に、俺たちはいた。
183 :セル :2016/05/30(月) 21:30
===

「(ん?)」無言で音のしたドアを見る俺と桃子。
「え?浜ちゃん、どうしたの。」
桃子は、涙を小指でぬぐい、鼻をすすりながら、なにが起こったのか分からずに尋ねる。
俺は彼女が誰なのか、まったく知らない。

興奮した彩乃は叫んだ。
「おい、スタッフ。男が1人混ざってんぞ。」
「やめてよ。」彩乃が興奮していることに気付き、桃子はなだめようとする。
184 :セル :2016/05/30(月) 21:31
「おまえ、なに桃子さんのことたぶらかしてんだよ。泣いてんじゃねえか。
千奈美さんと聖さんと真莉愛と彩花さん、それに朱莉さんのこともそうだ。」
彩乃はかまわずまくしたてる。

実際に彩乃は、今、名前の挙がった女性たちと俺との間に
なにがあったかは知らなかった。
ただ、この女性たちが、俺について楽しげに話す姿を見て、
なにかを察知したのだった。
しかし、桃子に思いを寄せる彩乃は、
特に、桃子が俺について語るときに見せる笑顔で、2人の関係を悟っていた。
185 :セル :2016/05/30(月) 21:32
「え?彩花ちゃんと朱莉ちゃんがどうしたの。えっ?えっ??なにそれ。」
彩花と朱莉のことをまったく知らない桃子が怒りだす。
「もしかして、真莉愛ちゃんとも。えっ?本当はなにかあったの?
そういえば、選手名鑑から私の名前が消えて、真莉愛ちゃんになってた。」

以前のことがあり、俺は選手名鑑の好きな芸能人の項目から、桃子の名前を消していた。
空欄にしようと思ったのだが、かつてのチームから、
いろいろ盛り上げてくれている真莉愛の名前を書いてくれと頼まれて、
断りきれずにそうしたのだった。
桃子の顔は真っ赤になり、状況が呑み込めない彩海だけが、オロオロしていた。
186 :セル :2016/05/30(月) 21:33
「許せない。」
タックルのように俺を突き飛ばす彩乃。
桃子に気を取られていた俺は、不意打ちを食って転倒し、
頭をしたたかに打って、意識が朦朧となった。

「目を覚まして。」
彩乃は、桃子に襲いかかった。
「だめだよ。やめなさい、浜ちゃん。あぁ、やめて。」
絶叫する桃子に対して、腹を空かせた猛獣のように、無慈悲に攻撃する彩乃。
桃子はなすすべがない。

<つづく>
187 :名無し飼育さん :2016/05/30(月) 22:32
バイオレンスな展開にオロオロしてる
188 :名無し飼育さん :2016/05/31(火) 12:25
テキトーにエロがあるだけだと思ったら
思いのほか壮大でワロタ
189 :名無し飼育さん :2016/05/31(火) 17:35
エロが枯渇してる
190 :セル :2016/05/31(火) 21:52
>>187
浜ちゃんって 怒ると怖そうだなと思いまして

>>188
壮大かどうかは分かりませんが 頑張って書きました

>>189
溜めにタメて どこかでドカンといくかもしれませんので
もうしばらくお付き合いください
191 :セル :2016/05/31(火) 22:09
<つづき>

茫然としていた彩海だったが、ようやく状況を飲み込み、
「ちょっと、落ち着いて。」
彩乃を桃子から離そうとするが、
「邪魔しないでよ。」
そう言って彩乃は彩海を突き飛ばす。
その彩海が、意識を回復しかけた俺の上に降ってきた。
小玉のスイカサイズはあるだろうか、とても柔らかな感触が、俺の顔に伝わってきた。

「うぅっ」床に頭を打った彩海も、意識が朦朧とする。
うめき声を聞いた彩乃は、我に返って彩海の方を見た。
その一瞬の隙に、桃子は彩乃を振りほどいて、俺と彩海のところへ駆け寄った。
「大丈夫?」心配そうに声をかける桃子。
「わぁ、らいりょうぶ(あぁ、大丈夫)。」
ムニュっとしたものが顔を包んでいて、うまく声が出せない。
192 :セル :2016/05/31(火) 22:09
「ん、んうぅん。あ、はい、平気です。なんとか。」
顔をしかめながら、目を開ける彩海。
俺の顔が谷間にもぐりこんでいることに気づき、慌てて離れようとするが、
頭がクラクラしていて、体がほとんど動かない。
結果、俺の顔の目の前に、彩海の顔がきた。

まだ、うつろな瞳の彩海が、俺を見つめている。
すると突然、「かわいいって言ってくれた!」
そう言うと、彩海は俺にキスをしてきた。
横浜でのことを思い出したのだ。
急に口をふさがれ、息ができなくなったが、
それ以上に、大きな2つのスイカサイズが俺の胸を圧迫し、さらに苦しさが増した。
193 :セル :2016/05/31(火) 22:10
返事をした2人に安堵していた桃子だったが、彩海の突然の行動に慌てふためく。
「ちょっと、なにやってんの。」
まだ、体をちゃんと動かすことのできない彩海を、容赦なく俺から引きはがす。
「ごめんなさい。」そう言いながらも、
彩海はいけない恋をした団地妻のように、うっとりとした表情で、俺を見ていた。

桃子は、ハァハァと息を切らしながら、
彩乃のほうを振り向いて言った。
「浜ちゃん。気持ちはとっても嬉しい。でもね、だめなの。私はもう、彼がいないと。」
そう諭すと、彩乃は涙をこらえることができなくなった。
「遊びじゃない。真剣なんだ。だから、分かってほしい。」
俺もそう言うと、大粒の涙を流しながら、彩乃は理解を示した。
194 :セル :2016/05/31(火) 22:11
「ところで、彩花ちゃんと朱莉ちゃんの話ってなーに?」
まだ終わっていなかった。桃子は忘れていなかった。
俺は必死に釈明する。
特に、朱莉については言い訳ができないので、厳しい状況に置かれた。

ようやく3人が納得したころ、
「予約終了のお時間ですが。」という声が、ドアをノックする音とともに聞こえてきた。
ニコニコしながら入ってきたのは、梨沙と愛香だったが、
予想だにしない光景を前に、唖然としていた。
これで落着と思っていた俺だが、2人の登場により、
さらに長い時間を要することとなった。
195 :セル :2016/05/31(火) 22:11
===

自身の体格に合うものが、なかなかないこともあって、
俺はスーツを、いつも同じテーラーで仕立ててもらっている。
そのテーラーの知人に、そこそこ名の知られたデザイナーがおり、
その紹介で、何度か服のデザインを依頼したことがあった。

そんなコネクトもあって、ファッションショーの招待状をもらった。
決してファッションに興味があるわけではないが、
未知の世界であり、好奇心もあって、行ってみることにした。
196 :セル :2016/05/31(火) 22:12
開始10分前、ギリギリに会場に入り席に座ると、
俺の横にスッとやってきて、声をかける男がいた。
「友理奈を見に来てくださったんですか?」
なんのことかと思ったが、顔を見て思い出した。
桃子たちのマネージャーだった男だ。

「そういえば以前、お会いしましたか。いえ、今日は知人のデザイナーに招待されて。」
「そうだったんですか。今日は友理奈も出るんです。楽しんでいかれてください。
そうだ。写真集イベントもありがとうございました。」
「いや、あれはたまたま通りかかったので。」
「それでも、ありがたかったです。」
そう言うと、マネージャーは去って行った。
197 :セル :2016/05/31(火) 22:12
ショーが始まると、美しい女性たちが、キレイだったりユニークだったり、
色々な服を着て、ランウェイを颯爽と歩いていく。
かっこいいとは思ったが、誰もかれも体が細すぎて心配になる。
すると、友理奈がついに登場した。

メイクのせいもあるだろうが、アイドル時代とはまったく印象が異なっていたので、
最初は誰だか分からず、本当に驚いた。
また、外国人モデルも出演していたが、身長はまったく遜色がなく、
すべてにおいて勝っているように見えた。
198 :セル :2016/05/31(火) 22:13
何度もランウェイを歩く友理奈。
思わず見とれる俺。
ショーは、あっという間に終わった。
そう言えば、紳士服で参考になるものを見に来たのに、男性は1人も出なかった。
いや、最後にチビで小太りのデザイナーのおっさんが、
自分よりはるかに背の高い女性をはべらせて、ランウェイを歩いてはいたが。
そこに友理奈が現れなくて、本当に良かった。

終わったのであれば、長居は無用。
とっとと帰途に就こうとしたところ、また、あのマネージャーがやってきた。
「友理奈に会っていってくれませんか。喜ぶと思うので。」
かつて、友理奈に興味を持っていた俺。
なによりも、ランウェイで光り輝いていた彼女の姿をもう一度拝みたいと思い、
俺は快諾した。
199 :セル :2016/05/31(火) 22:13
が、控室に案内されるのかと思いきや、
そこはモデルたちの聖域、男性の立ち入りは許されない。
けっきょく、だいぶ待たされ、一緒に食事に行くことになった。

マネージャーも同席しての会食だったので、当たり障りのない話しかできなかったが、
友理奈の美しさは神々しいほどだった。
会食も終わりに近づくと、
「タクシーを呼んできます。」
そう言ってマネージャーは席を外した。

友理奈はそのタイミングを見計らっていたのか、
「ふぅっ」と一息吐くと、こう切り出した。
「桃子のことなんですけれど。」
俺は、「そうか。きっと友理奈も、俺たちのことはもう知っているんだな。」そう考えた。
200 :セル :2016/05/31(火) 22:14
「桃子のことで、お話したいことがあるんです。
よろしかったら、連絡先を教えていただけないでしょうか。」
断る理由は見つからず、俺はメールアドレスを教えた。

帰りの車中、携帯電話にメールが入った。
差出人のアドレスに心当たりはなかったが、
「桃子のことで」とのタイトルで、相手が誰かは、すぐに分かった。
「電話やメールではなく、会って直接お話ししたい。」
そう書かれていた。
201 :セル :2016/05/31(火) 22:14
===

1週間後、都内のスポーツジム近くのレンタルスペースで、友理奈と合流した。
ジムで汗を流してきた直後のようで、寒く乾燥する時期ではあるが、
友理奈の顔はつやつやしていた。
世間話程度の会話が続いたが、デリバリーの食事を終えたころで友理奈が切り出した。
「桃子とのこと、聞きましたよ。」
「そうか。実は、そうなんだ。」

「『おかしいな』って、思ってたんです。
羽振りが良くなったってわけではないんですけれど。
以前はお金に対してキッチリしてたのに、
最近は、いろいろ差し入れを持ってきてくれたり、ちょっとご馳走してくれたり。
もしかしてと思って問い詰めたら、もも、話してくれて。」
202 :セル :2016/05/31(火) 22:15
「そうだったのか。
金は天下のまわりものだから、使うときに使うと、ちゃんと自分に戻ってくるよって、
桃子にアドバイスしたことがあるんだよ。」
「てっきり誰かさんが、ももにお小遣いをたくさんあげてるんだと思ってました。」
「それは、ないよ。まあ、多少はね。」
「話を聞いたとき、『おめでとう』って言わなきゃと思ったんですけれど。でもダメでした。」
「それは、どういうこと。」
「もものこと、大切な仲間だから、祝福しなくちゃいけないんですよね、本当は。」
「無理にお祝いしようとせず、自然な感じでいいんじゃないかな。
まだ、婚約したわけでもないし。」
「違うんです。違うの。」
203 :セル :2016/05/31(火) 22:16
大切な仲間を俺に取られるような気がして、
多少取り乱しているのかと思いきや、どうも様子がおかしい。
俺はなにがなんだか、さっぱり分からなかった。
「かっこよくて、話しやすくて、スポーツ万能な人。」
「ん?」
「私の、理想のタイプです。」

そこまで聞いて、俺は急に嫌な予感がしだした。
「全部なんです。みんな当てはまるんです。だから、私もずっと好きだったんです。」
「そうか。それはどうもありがとう。気持ちは嬉しいよ。」
俺は徐々にヒートアップしていく友理奈をなだめるように、優しく返した。
が、それは逆効果だった。
204 :セル :2016/05/31(火) 22:16
「私にも、そんなに優しくしてくれるじゃないですか。」
友理奈は、今までより、一段と大きな声で言った。
「たまたまです。ももと仲良くなる機会が、たまたま早くにあったから。
私のこと、先によく知ってくれてたら、絶対に私のことを選んでくれたと思うんです。」
そう言うと、にわかに立ち上がり、俺ににじり寄ってきた。

俺も、すっくと立ち上がった。
これまでも、望まない女性に言い寄られたことがなかったわけではない。
その時は、立ち上がれば難を逃れることができた。
女性との身長差は相当なものなので、顔を相手から遠ざけることによって、
逃げると同時に、相手に冷静さを取り戻させていたのだ。
205 :セル :2016/05/31(火) 22:17
だが、今回は勝手が違った。
友理奈の顔は、俺のすぐ目の前にある。
いくらヒールを履いているとはいえ、これは想定外だった。
それだけ友理奈は大きく、そして、美しかった。
その表情は、ファッションショーの時と同じ、
いや、それ以上で、俺は思わず、ドキッとしてしまい、それ以上は動けなかった。

「今、ドキッとしたでしょ。」友理奈が見透かして言う。
「背が高い女性が、好きなんですよね。」
俺の胸に手を置き、じっと見つめる友理奈。
確かに以前、なにかのインタビューで、
「好きな女性のタイプはこれといってないが、背が高い女性がいると、つい見てしまう。」
と、答えたことがあった。
206 :セル :2016/05/31(火) 22:18
そんなことを思い出しているうちに、
彼女の手が、俺の首に絡みついてくる。
「写真集のときも、わざわざ来てくれたんでしょ。」
友理奈は俺の耳元で囁く。
「いや。あれは本当に偶然通りかかっただけで。」
「うそだよ。」

強引に振りほどくこともできた。
だが、その時の俺は、なぜかそうしようとはしなかった。
友理奈の唇が、俺の唇に重なった。
俺も、左腕で強く友理奈を抱きしめた。
まったくの無意識だった。
さらに激しく口づけをすると、友理奈の息遣いは、どんどん荒くなっていった。

<つづく>
207 :セル :2016/06/01(水) 22:34
<つづき>

「えーい、もうどうにでもなれ。」
そう思った瞬間だった。
「ひどいよ。」そう言って嗚咽する桃子の顔が見えた。
俺は我に返り、友理奈の肩をつかんで引き離した。

激しい息遣いの中、友理奈は悲しい顔をした。
「なんでダメなのかな。私のほうが、絶対にお似合いなのに。」
「あまり無茶をしないでくれよ。それに俺はやっぱり・・・、」
「それ以上、言わないで。」友理奈はうつむいた。
208 :セル :2016/06/01(水) 22:34
「お願いします。これからも、時々でいいから会ってください。
無理なことは言わないから。ももだけのものになるなんて、嫌です。」
「ダメだ。」
俺は、友理奈への恋しさが日に日に増していることを理解しているからこそ、
はっきりと断った。

「さあ、もう行こう。
この部屋を出たら、今のことは、全部忘れるんだよ。約束だ。」
「あ〜あ、フォトブックでは、茉麻ちゃんが、ももじゃなくて、
最後の最後に私を選んでくれたのにな。
なんで現実では、うまくいかないんだろう。」
涙交じりに、友理奈は言った。
209 :セル :2016/06/01(水) 22:35
「もう、やめよう。」
「だって、まだ部屋を出てないもん。もう少しだけ、いいじゃないですか。」
友理奈は、涙をあふれさせながら、俺の背中に顔を押し付けた。

「時間が戻せればいいのに。そうしたら、ももよりも先に・・・」
そこまで聞いて、俺はドアに向かい歩き始めた。
わずかな時間に、「時間が戻せればいいのに」が、俺の中で何度もリフレインした。
友理奈に顔を見せないようにして、
俺は目にたまった涙をあふれさせないよう、必死にこらえていた。
210 :セル :2016/06/01(水) 22:35
===

桃子が最近、どんどん色っぽくなってきている。
そんな話題がインターネット上で盛り上がっていた。
事の発端は、テレビで放送された食事風景だ。
もぐちと言われるほどの、豪快な食べ方が特徴だったのに、
上品に、少しずつ食べるようになっていたのだ。

それをきっかけに、
あんなことや、そんなことや、こんなことも変わったと、祭り状態になった。
そして、俺がときおり、ライブやイベントなどに顔を出していることから、
桃子との関係を疑いだす声も上がり始めていた。
211 :セル :2016/06/01(水) 22:36
そんな折、CGが初のホールツアーを行うことになり、
桃子は、メンバーとそろって囲み取材を受けていた。
月並みな質問が続く中、桃子はそれを巧みに返答し、
メンバーにも話題を振りつつ、場を盛り上げていた。

しかし、取材陣の中にまぎれていた、
ゴシップ誌の芸能リポーターから、突如として異質な質問が飛んだ。
「ある有名なアスリートの方が、ライブやイベントによく顔を出されてますよね。
ももちさんとも、とても親しいご様子ですけれど。」
「あ〜、彼?彼のことですね。
事務所のみんなが、いつもお世話になってるんで。
応援してくれて、本当に感謝してます。」
212 :セル :2016/06/01(水) 22:36
===

1か月ほど前のこと、珍しく俺は、バラエティ番組に出演した。
通常なら断るところ、これは偶然なのだが、
桃子もゲストとして予定されていると聞き、承諾した。
物の値段を予想して、いちばん近い人が勝ち、
遠い人が全額を払って振る舞うという、なんとも安っぽい企画だった。

「予想額がピタリだと、賞金100万円です。」
と、司会者が説明した。
「ピタリが出たら、なにに使いますか?」
司会者は矢継ぎ早に質問する。
桃子が、「貯金します。」と言ったのに対し、
俺は「もう1人のゲスト、桃子さんに、なにかプレゼントする。」と答えた。
213 :セル :2016/06/01(水) 22:37
「そうおっしゃってますが、なにかほしいものはありますか?」
司会者が桃子に尋ねる。
「みんなからたくさんの愛情をもらっているので、なにもいらないですぅ。」
イラッとする口調で桃子が答えると、レギュラー出演者から、総ツッコミが入った。

「じゃあ、お金がいいです。
なんて言うと引かれちゃうと思うんで、ギャグを100回分お願いします。」
「お金、かからないじゃない。」俺は冷静にツッコんだ。

結果は、桃子が最下位で全額負担、俺はピタリで100万円を獲得した。
激しく落ち込みながら桃子が支払いをする中、司会者は俺に対して、
「ギャグ1回分はなにをプレゼントしますか?」と問う。
「じゃあ、2人の愛の巣でも。」
「もし事務所がOK出したとしても、私的にはNGです。」
一瞬寒くなった空気が、桃子の冷静なツッコミで暖まって、放送が終わった。
それは、数日前のことだった。
214 :セル :2016/06/01(水) 22:37
===

「特にももちさんと親密だって聞いたんですが。
実際どうなんでしょう?
つい先日も、お2人でテレビに出られていて、すごくいい雰囲気でしたけれど。
結婚を前提にお付き合いされているとか。」

「きっと、ももちにメロメロだと思いますよ。
でも、私はファンのみんなと結婚してるつもりで活動しているので、毎日ハッピーです。」
するとリポーターは、
「ところで、ご存じですか?
USB31の前島さんが、その方に暴行されたって、つい先ほど会見されたんですけれど。」
と、突然、信じられないことを言い出した。
215 :セル :2016/06/01(水) 22:38
「えっ?」桃子は明らかに狼狽した。
「刑事告訴も検討されているそうですよ。
そんなことになったら、もう二度と、会えないかもしれないですね。」
「そんなのうそです。」桃子は大声を上げた。
「真面目でとっても優しい人で、私のこと、いつも大事にしてくれてるんだから。」

顔を真っ赤にして怒りをあらわにする桃子の姿を見て、
スタッフは、急きょ囲み取材を中止した。
ファンのみならず、誰もが2人の関係を疑い始めた。
216 :セル :2016/06/01(水) 22:39
===

俺がこの件を知ったのは、翌朝のことだった。
心配した知人が、メールしてきたのだ。
俺はなんのことかさっぱりで、
友人にいっぱい食わされているんじゃないかとさえ思っていた。
ところが昼過ぎ、警察が、任意で話を聞きたいと言ってきたため、
事実であることをようやく認識した。

前島が被害を受けたと主張している時期なのだろう。
俺は、とある一定期間、どこでなにをしていたか、根掘り葉掘り聞かれた。
だが、この件は、あっけなく収束を迎えることになる。
石垣島でのエキシビションで負傷した俺は、
なんとか出場を続けていたが、親善試合終了後に、海外で手術を受けていた。
彼女が「暴行された。」と主張した時期は、まさに海外で治療中だったのだ。
217 :セル :2016/06/01(水) 22:40
それまで、外出するのも面倒なほど、メディアに追い回されたが、
このことが明らかになると、追い回す対象は、俺から前島へと移った。

しばらくの後、警察から連絡があり、やはり彼女の虚偽であることが明らかになった。
彼女も、俺のファンでいてくれたそうなのだが、
いつも顔を出すのは桃子たちのライブやイベントばかり。
そのことを、やっかんでのことだった。

「虚偽告訴罪になるのかもしれないが、どうか、前島さんのこと、
できるだけ穏便に済ませてあげてください。」
そう頼む俺に、
「それは私の口からはなんとも。」とぶっきらぼうに返されるだけだった。
けっきょく、彼女の訴追は見送られた。
しかし、この事件の影響で、それまで絶大な人気を誇ったUSB31の人気は、
凋落の一途をたどることになった。
218 :セル :2016/06/01(水) 22:40
「信じてた」
桃子から、そうメールが届いたは、
俺が渡米した3月6日のことだった。

===

“ニューヨーク近郊でプロペラ機消息を絶つ”
11月某日、日本の新聞各紙に、小さく記事が載った。

<つづく>
219 :名無し飼育さん :2016/06/01(水) 22:40
主人公浮気性すぎやろw
220 :セル :2016/06/02(木) 21:30
<つづき>

だが、翌日、その記事は改めて各紙1面トップを飾ることとなった。
搭乗者名簿に、俺の名前があったからだ。
「とても助からないだろう。」誰もがそう考えていた。
桃子も内心はそう思っていた。
だが、絶対に受け入れられない。
必ず生きて帰ってくると、枕を涙で濡らしながら信じていた。

さらに翌日、墜落機発見が報じられ、
夕刊には、”全員絶望か”の文字が躍る。
現実を受け入れられない桃子は、涙を流すことを忘れるくらい、茫然としていた。
墜落現場は山中で、捜索は難航したが、
翌朝、”生存者発見”が報じられると、桃子は号泣した。
221 :セル :2016/06/02(木) 21:31
アメリカ国家運輸安全委員会の聞き取り調査を終え、
俺はすぐに、帰国の途に就いた。
乗客乗員52人中、死者44人、重傷者7人、軽傷者1人の大惨事だったが、
俺は奇跡的に軽傷だった。
だが、事故の恐怖と、凄惨な現場を目撃したことにより、PTSDになっていた。

「思い出したくない。」
その気持ちから、メディアの取材はすべて拒否し、ニューヨークを発ったが、
日本までの13時間は、まさに恐怖との闘いであった。

日本に到着すると、取材陣が大挙して押しかけていた。
さまざまな言葉が投げかけられるが、ここでも俺は、すべてを拒絶した。
と、そのとき、俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。
その声だけは、俺は素直に受け入れることができた。
222 :セル :2016/06/02(木) 21:32
直後、桃子が俺の胸に飛び込んできた。
一斉にフラッシュがたかれる中、俺は桃子の腕をつかみ、
手配しておいた車に一緒に飛び乗った。
車内では、ただきつく手を握り合って、必死にこらえていたが、
家に着くと、2人でひとしきり泣いた。
空港にいたのは、墜落事故の取材陣であったが、当初の目的とは違う内容の報道が、
翌日以降、ワイドショー等で繰り返されることとなった。

その後、飛行機に対する恐怖心が抜けきらない俺は、
再び、日本での活動を選択した。
223 :セル :2016/06/02(木) 21:32
===

あらゆる記録を塗り替えてきた俺だが、
40歳をすぎてからは、徐々に成績が下降線を描き始めていた。
主力として、十分な戦力にはなっていたが、
高額年俸がネックとなり 夏の時点で内々に、
来季の構想から外れている旨の通告を受けた。

11月、俺はカリブ海に浮かぶ、とある島で、
ウィンターリーグに参戦するため、成田空港にいた。
だが、なぜかそこに、桃子の元同僚、雅の姿があった。
「あれ、君は。」
「スーパーアスリートの割に、ずいぶんと寂しい出発ですね。
誰も見送りに来てないじゃないですか。」
雅は俺にチクリと言う。
224 :セル :2016/06/02(木) 21:33
「いろいろ聞いてますよ。桃子から。」
「そうか。そう言えば、けっきょく1位のお祝いをできずじまいで悪かったね。」
「あはは。いったい、いつの話してるの?」
「ずいぶん経つな。」
「私、今は新しいメンバーと3人で活動してるんだけれど、
それじゃ、その3人で1位とったら、超豪華パーティーをよろしく。」

「BKのメンバーも呼んで、やるとしようか。」
「やった、約束ね。あ、そうだ。今日ここに来たのはね。」
そう言うと雅は、俺に小さな箱を手渡した。
「桃子のこと、よろしく。泣かせたら許さないから。」

機内で箱を開けると、
ネックレスと1通の手紙が入っていた。
225 :セル :2016/06/02(木) 21:34
===

ウィンターリーグの期間は短い。
だが、俺は終了後も帰国せず、現地の子供たちに指導を行っていた。
砂浜が広がる海沿いに家を借り、
これまでの人生では考えられないくらいにのんびりとした生活を送った。

3月6日、1人の女性が俺の家を訪ねてきた。
荷物は、小さなバッグ1つのみ。
その首には 俺が雅から手渡されたものと、
おそろいのネックレスがつけられていた。
「お帰り。」俺がそう言うと、
「ただいま。」桃子は屈託のない笑顔を見せた。
226 :セル :2016/06/02(木) 21:34
「3月3日に、最後のライブがあったんだよね。
それで、もうここにいるって、けっこう大変だったろ。
もっと、ゆっくり来ればよかったのに。」
「日本にいると、メディアがうるさいから。
それに以前は、記者さんも事務所の人も芸能界の先輩も、私のこと色物扱いしてたのに、
2人の関係を公表してから、みんな急に態度が変わって、なんか疲れちゃって。」

「まあ、人には立場があるから。気にしないことだよ。」
「そうか、そうだよね。ま、なにがあっても、私はわたし。
絶対に変わらないから。偉ぶるつもりもないし。」
「そうそう。自然体でいこう。」
227 :セル :2016/06/02(木) 21:35
「ところで、ネックスレスなんてしてるの、初めて見た。
飾りっ気のない人だなと思ってたのに。」
「雅さんの手紙に書いてあったんだよ。
桃子が来るときは、必ずつけておいてくださいって。」
「そうなんだ。私も出発の時に、茉麻ちゃんがくれたの。おそろいだったんだね。」
桃子は、首のネックレス手に取って、俺に示した。
「でもね、これだけじゃないの。」
そういって桃子は、さらにもう一つ、ネックレスを取り出して身に着けた。

桃子はなにも言わず、俺を見た。
なにかに気付いてほしいと言わんがばかりに。
「あっ!それ。」
「やっと気づいた?っていうか、よく覚えてたね。」
それは、かつて俺がシングルの売り上げ1位を獲得したお祝いに、
とりあえずのプレゼントとして札幌で渡したものだった。
228 :セル :2016/06/02(木) 21:36
「でもそれ、千奈美さんに壊されたんじゃ。」
「寝てたから、気づかなかったでしょ。
私、あの後すぐ目が覚めて、全部拾い集めたんだから。」
大したもんだと思い、俺は小さく笑った。
「バッグの中は、これだけだよ。」
「え?ウソだろ。」
「うん、うそ。写真も入ってる。」
そう言って、桃子は俺のサインが入った写真を取り出した。
「そいつはどうも。フロリダの時とは大違いだ。」
229 :セル :2016/06/02(木) 21:37
「本当だ、庭にプールがあるんだね。」
突然話題を変えた桃子は、ゆっくりする気がないのか、
プールがあることにはしゃいで、プールサイドへ、駆けていった。

「なかなかいいだろ。」
そばに行って話しかけると、桃子は突然、小悪魔のような表情を見せて俺に抱きつき、
そのまま一緒にプールに飛び込んだ。
「冷たい!夢じゃないんだね。やっと2人きりになれた。」
桃子は俺にしがみついたまま、嬉しそうに言った。
水に濡れた3本のネックレスが、太陽の光を浴びて輝いていた。

<つづく>
230 :セル :2016/06/02(木) 21:40
今まで言いそびれてましたが
レスをくださっているみなさん 本当にありがとうございます
みなさんのレス 本当に嬉しいです

>>219
実際に浮気したのは 朱莉のときだけなんですけれどねW
でも 私も書いていて この主人公はとんでもないやつだと思ってました
231 :名無し飼育さん :2016/06/02(木) 22:27
40過ぎ設定だったことにもビックリや
ダンディやな
232 :名無し飼育さん :2016/06/02(木) 22:36
そろそろエロ来るの信じてる
であって何年経つんだよ
233 :セル :2016/06/02(木) 22:44
あらすじも作ってるんですが
設定上は カリブで再会時点で 最初に会ってから12年経ってます

本編も90%書かせてもらいました
クライマックスは エ○もありますので もう少しだけお付き合いください
234 :セル :2016/06/03(金) 21:35
<つづき>

===

さかのぼること半年前。
「相談したいことがある。」と、桃子から連絡があった。
表向きは、CGのメンバーが出演する舞台への差し入れという名目で、俺は楽屋を訪ねた。
他のメンバーは気を利かせて席を外そうとするが、
桃子は「ここにいてほしい。」と言う。

「この世界に入って、もう何年になるかな。
かつての仲間は、もうそれぞれの道で活躍してるし、
後輩たちも、こんなに立派に成長してくれた。」
「ももち先輩のおかけですよ。」みな口々に言う。
「ありがとう。でも、みんなの努力のたまものだよ。自信を持っていいんだよ。」
235 :セル :2016/06/03(金) 21:36
桃子が後輩たちを称賛すると、
彼女がこの後、なにを言おうとしているか理解した梨沙が、目を潤ませた。
「イベントの3回まわしはキツイし、握手会も、私のところだけ人少ないしねぇ。
私もいい大人になって、そろそろ限界なのかなって。
それに、空港で抱きしめあったの、全国に放送されちゃったからね。クビだよ、普通は。」

「でも、そのことはファンの皆さんも認めてくれたじゃないですか。
ブログにもすごい応援メッセージが届いてたし。」
梨沙は、涙をこらえきれずに言った。
「そうそう。その後にあった握手会でも、みなさん、応援してくれたって聞きましたよ。」
愛香も続く。
「私、最後までもたないんじゃないかと思ってました。
ファンの方にいろいろ厳しいこと言われて、途中で体調不良ってことにして、
欠席しちゃうんじゃないかって。」
今回も耳を真っ赤にしながら、知沙希は話した。
236 :セル :2016/06/03(金) 21:36
「もう、結論は出したんだね。」そう語りかけた俺に、
「はい。」と、晴れ晴れとした表情で、桃子は答えた。
「未練はないんですか?」愛香が寂しげに聞く。
「うん、もう全部やりつくしたよ。」
「アイドルを卒業したら、恋愛も本格解禁?ですよね。」
舞が目を輝かせながら言う。
「うん。そうだね。みんなにも、いろいろ迷惑かけちゃったけれど、
これで私も、素直になれるよ。」
そう言うと、俺のほうに向きなおり、桃子は言った。
237 :セル :2016/06/03(金) 21:37
「私をお嫁さんにしてください。」
「いやだ。」俺は即答した。
「え?」
「こんなの、ダメだよ。」
「どういうこと?」
「女性からプロポーズされるなんて、男として恥ずかしい。」
「考え方が古いよ。」
断られたと思った驚きのあまり、目に涙をためていた桃子は、
小指でそれをふきながら笑った。
238 :セル :2016/06/03(金) 21:37
「ずいぶん時間がかかったけれど、
これでようやく約束が果たせるな。」
「ようやく?」
「覚えてないか。日本で初めて会ったときのこと。」
「え?・・・、あっ!」
桃子は仙台のカフェでのことを思い出した。

〜〜〜

「ここまでの会話で分かれよ!」
「なにをですか?」
「アイドルを卒業したら、君を迎えに来るって言ってるの。」

〜〜〜

「でもあれ、冗談だったんじゃ。」
「確かにあの時は、そんな気持ちはなかったよ。
でも、あのことがあったから、俺は桃子のことを本気で好きになれたんだと思う。」
そう話す俺の言葉に耳を傾けながら、
桃子はこれまでにあったいろいろなことを思い出していた。
239 :セル :2016/06/03(金) 21:38
「それじゃあ、改めて。アイドル卒業おめでとう。」
「ありがとう。」
「こんな俺だけれど、ついてきてくれるかい。結婚しよう。」
「はい、あなた『が』いいです。」
「俺『で』いいんじゃないの?」
「あなた『だけが』いいです。」
クスクスと笑う桃子。

「最初は、まったく興味なかったんだけれどな。」
「なによ、それ。」
「でも、今は毎日、桃子のことを考えてる。」
「ばか。」
「本当にいい女になったよ。」
「恥ずかしいよ。みんないるのに。」
しばらく見つめあった後、俺は桃子の顎をクイッとして顔を近づけ、口づけした。
横浜の時のように、桃子が怒ることは、もうなかった。
240 :セル :2016/06/03(金) 21:39
「え?いつ、結婚するんですか。」結が黒い目をキラキラさせている。
「婚姻届、用意しますよ!」知沙希が要らぬ気を利かせる。
「え?『こんいん』ってなに?結婚と違うの。」舞は天然で言った。
「婚姻というシステムを、ご存じない?」奈々美は素で驚いていた。
「まあ、なんでもいいや。今日はお祝いだ。
だから、ももち先輩、お菓子食べていいですよね!」
桃子の肩を揉みながら、舞は気色ばんだ。
「え?ダメだよ」即答する桃子に、
「ええ〜っ」舞はガックリとうなだれた。
241 :セル :2016/06/03(金) 21:39
「ももち先輩のこと、どうして好きになったんですか?」
梨沙と愛香が口をそろえて俺に聞く。
「そうだね。」俺が答えようとすると、
「あ、そうか。ぴーちっちちゃんに、泣いてせがまれたんですね。」
「え?ももアタックでひるんだところを、
ピンキードリルでハートを射抜かれたんじゃなくて?」
「こゆビームでって聞いたよ。」
梨沙と愛香が、今度は口々に言う。
「ちょっと。古い話しないでよ。」桃子が制止するが、
俺にはちんぷんかんぷんだった。
「というか、俺に話させてよ。」
「許してにゃん。」梨沙と愛香が、再び口をそろえる中、桃子は苦笑していた。
242 :セル :2016/06/03(金) 21:40
「かわいいから。」俺が一言で説明すると、
「かわいいのは当たり前でしょ!他には?」と、桃子からツッコミが入った。
俺は、改めて説明した。
「すましているとかわいいのに、笑うと面白い顔になる。
優しい面や強い部分もあるのに、厳しい面も弱い部分もある。
いろんな面を持っていて、俺にはそれを、全部見せてくれる。
だから、俺も桃子には、すべてを見せられる。
一緒にいると落ち着くんだよ。」
243 :セル :2016/06/03(金) 21:41
「デレデレじゃないですかぁ。」と愛香。
「それに、人の見ていないところで本当に努力してる。
そんな桃子の姿を見ていると、守ってあげたくなる。
そうだ。それに豪快な食べっぷりもね。」
「ちょっと、余計なこと言わないで。」
桃子は俺の肩をたたいた。
「チャームポイントだと思うけれどな。」
「はいはい。もうのろけ話はいいですよ。」と、
梨沙がうんざりしたフリをして、ツッコミを入れた。

「これで大人の色気が出てきたら、完璧ですね。」
そう言う舞に、
「俺の前では、いつも色っぽい顔を見せてくれてるけれどね。」と応えると、
「いやぁ〜。」と、知沙希が悶絶した。
もちろん、耳を真っ赤にして。
この会話を聞きながら、桃子は人目もはばからず、俺に甘えた。
244 :セル :2016/06/03(金) 21:41
===

「あ〜あ、びしょ濡れになっちゃった。水も滴るいい女だね。」
「自分で言う?」
「乾かさないと。」
「この天気だから、干しておけばすぐだよ。」
桃子は突然、その場で服を脱ぎ捨て、ビーチチェアに広げた。

「だめだ。はりついちゃって取れない。脱がして。」
桃子が上から目線で、俺に下着を脱がすよう指示する。
「本気か?しようがないな。」そういって俺は、
正面から桃子のピンクのブラを外そうとするが、
水に濡れて食い込んでおり、なかなか取れない。
力任せに外そうとすると、
「あん、痛いよ。」と、桃子が俺をたしなめる。
だが、口ではそう言いながらも、表情には喜びが浮かんでいた。
パンティーも同じ状況だったが、今度はなるべく優しく脱がそうとすると、
「あふっ」と桃子から息が漏れた。
245 :セル :2016/06/03(金) 21:42
「ほら、風邪ひいちゃうよ。脱いで。」
「中で脱ぐよ。」
「だめ、すぐ。私が脱がせてあげるから。」
「おいおい、やめろって。」
「沖縄でのこと、忘れた?
あのときは『脱がせて』って甘えてきたくせに。」
「・・・、はい。お願いします。」
俺は完全に桃子に掌握されていた。
246 :セル :2016/06/03(金) 21:43
俺の服を脱がせ終えた桃子は、
飛びついてきてキスをした。
そんな桃子を受け止め、俺もキスを返した。
しばらく見つめ合い、そして、抱きかかえたまま、寝室へと向かった。

桃子を優しくベッドに寝かせ、唇で思いきり口をふさいだ。
「うふぅ」と息が漏れ、桃子の体から力が抜けて行った。
数えきれないくらいのキスをした後、何度もなんども抱きしめあった。
紅潮した顔で、愛撫しあうと、
「あぁ」と、桃子から声が漏れた。
247 :セル :2016/06/03(金) 21:44
胸を優しく揉んでやると、甘い声があふれ、
鎖骨から胸にかけて吸うと、恍惚とした表情になった。
その表情を見ながら、舌を絡めあわせる。
そのまま、胸をまさぐりながら太ももを撫でてやり、
さらに桃子のおっぱいをチュパチュパした後、乳首を舌で転がすと、
桃子は「はぅっ」っと言って、硬直した。

胸に吸い付き、陰部を撫でてやると、腰をビクビクさせながら、
「あっ あぁ〜 うぅ うぅ〜ん いや〜ん」と、
快楽に浸った声を発した。
248 :セル :2016/06/03(金) 21:45
桃子のクリを刺激し、さらに朱色のふちを舌で撫でてやると、
あまりの快感にきつく目を閉じ、声を押し殺していたが、
ついには、「あぁっ」と悲鳴のような声を発し、ベッドに突っ伏した。

呼吸を整えた桃子は、俺に再びキスをする。
そして、お返しにと、俺の息子を優しくマッサージし、それをゆっくりと口に咥える。
俺は、その頭を両手でしっかりと抱え、前後に揺らした。
やり方が分からないながらも、一生懸命になって、俺の息子を刺激しようとし、
桃子の口から、“かぽっ ちゅぷっ かぽっ ちゅぷっ”という音が漏れた。
249 :セル :2016/06/03(金) 21:46
「そろそろ、ね。」
「うん。」緊張した面持ちで桃子が答える。
俺は彼女の上に覆いかぶさり、
1つになろうと、ゆっくりと体を沈めた。が、
「はぁっ」という悲鳴を発して、
桃子は腰を右に振ったため、空振りに終わった。

「大丈夫かい?」
「ごめんなさい。初めてで緊張しちゃって。」
「慌てずに、ゆっくりいこう。」
改めてキスをして見つめ合い、俺は再度、体を沈めた。が、
「ふぅっ」と言って、桃子は、今度は左に腰を振り、
2度目の空振りとなった。
250 :セル :2016/06/03(金) 21:47
「ご、ごめんなさい。どうしちゃったんだろう。」
「気にしない、気にしない。」
俺は桃子の髪の毛をそっと撫で、まぶたに口づけした。
そのまま、あらためて体を沈み込ませると、
「いやっ」と言って、桃子は日が差し込む窓のほうに向かって、体を倒してしまった。
プールの揺れる水面が窓に反射して、光がゆらゆら震えている。

「ううぅっ。怖いわけじゃないんだけれど。」
桃子が震えながら目を潤ませた。
「しようがない。そういうもんだよ。今日はここまでにしようか。」
俺はそう言って、桃子の額にそっとキスをした。
桃子は、寂しそうでもあり、ホッとしたようでもある表情を見せる。

<つづく>
251 :名無し飼育さん :2016/06/03(金) 21:51
めっちゃかわいい
252 :名無し飼育さん :2016/06/04(土) 18:59
いよいよ本番くるか?
253 :セル :2016/06/04(土) 21:19
>>251
かわいいは正義!

>>252
以下をお読みください
期待に応えられるかどうかは不明ですが
254 :セル :2016/06/04(土) 21:21
<つづき>

と、その瞬間、俺は体を一気に沈ませて、
息子を桃子の中に滑り込ませた。
「はふぅぁっ」桃子は体をのけぞらせた。
当初は痛みのせいか、苦しそうな表情も見せたが、
俺がゆっくりと腰を動かすと、桃子の腰もぴくっ、ぴくっと呼応し、
頬を紅潮させながら、「あはふっ」と甘い声を出した。
255 :セル :2016/06/04(土) 21:21
深いキスをした後、徐々に動きを大きくしていくと、
桃子の目はうつろになり、息遣いが激しくなった。
「あぁ」
一声発した後、目を閉じ、口を開けて無言になる。
少しずつ開いていくまぶたに優しくキスし、首筋や胸、わきをなめてやる。
そして、大きくゆっくりとした動きを、徐々に激しくすると、
「あぁ いやぁ」と、桃子は身悶えた。
俺がリズムを刻むたびに、
「あっ あっ あっ」と、桃子もそれに呼応する。
256 :セル :2016/06/04(土) 21:22
俺は、改めて桃子との結合箇所をまじまじと見た。
「桃子って、乳首もあそこも桃色なんだよな。」
俺がそう言うと、「やだ、恥ずかしい。」
そう言いながら、
桃子も、2人が1つに結ばれている個所を覗き込んだ。
「中に入ってる。私たち、1つになって愛し合ってる。」
初めて見る光景に、桃子は異常な興奮を示し、
その鼓動が、俺にも伝わってきた。

「なんで、そんな大きいのが入っちゃうの?
それに、ピクピク動いてる。」
恥らいながらも、興味深そうに俺の息子を観察する桃子。
「桃子が受け入れてくれたから、入ったんだよ。
動いているのは、俺の鼓動が伝わってるからだよ。」
「そうなんだ。」
そう言って、朱色のふちから半分ほどはみ出している
俺の息子を、桃子は優しく撫でた。
257 :セル :2016/06/04(土) 21:23
それから、桃子を四つん這いにさせ、
背後からゆっくりと結合し、再び愛を確かめ合う俺たち。
桃子の熱が、俺にも入り込んでくる。
“パン パーン パーン バシッ バシッ”
キュッと引き締まり、ぷりっとしたお尻が俺を刺激し、
激しくぶつかり合う音が響く中、
力が入らなくなった桃子の顔が、ベッドに沈み始める。
258 :セル :2016/06/04(土) 21:25
改めて正面に向き合い、さらに激しく求め合う。
「こんな気持ちいいの、初めてだ。」
俺はつい、本当のことを言ってしまった。
「やめ・・・、あはぁっ うっ。やめて。
わたし んんっ 私以外の人・・・、
ああぁっん 私以外の人のことなんて、
はぁ っ い・言わないで。」
桃子は激しい息遣いの中、必死にあえぎ声を押し殺して、
俺を蔑んだ目で見た。
「これからは、もう桃子しか愛さないから。」
目を見つめ、俺がいちだんと激しく桃子のことを攻めると、
彼女は目を潤ませて、俺を優しい眼差しで見つめ返した。
259 :セル :2016/06/04(土) 21:26
桃子の手が、俺の首にまきつき、
「ああああああ いやあああああ」と絶叫する。
ついに放した腕は、なにかに助けを求めるかのごとく、
宙をつかもうとしている。
そして、目を大きく見開き、じっと俺を睨むが、
ついに、体は動かなくなってしまった。
260 :セル :2016/06/04(土) 21:27
「はっ っ〜〜」激しい息遣いの桃子。
そして、失神寸前なのか、口をパクパクしだす。
一呼吸おいて、大きく腰をグラインドさせると、
「うぅ〜 あぁ〜 いや〜いや〜」と悲鳴を上げ、目がうつろになり、
「だめだめ、もうやめて。」と、首を左右に振りだした。

舌を絡ませあいながら、一段と激しく愛し合うと、桃子はまったく身動きできなくなり、
穏やかな表情と、苦しそうな表情を、交互に俺に見せた。
「うっ、桃子。もう、俺。っはぁ。」
「うん。いいよ。」
声を絞り出した桃子が最後に穏やかな表情を見せた瞬間、
「いく、いくよ、うああーーーっ」と叫んだ俺のすべてを、桃子が受け入れてくれた。
桃子は、自分の中に熱いなにかが入ってくる初めての感触に、幸せを感じていた。
261 :セル :2016/06/04(土) 21:28
===

「大きい声が出ちゃったけれど、平気だったかな。外まで聞こえちゃったかも。」
「さすがの波の音も、歌で鍛えた桃子の声には勝てなかったかもしれないな。」
「ごめんなさい。」
「『許してにゃん』じゃないの?」
「もう、とっくに卒業したよ。」
「近所迷惑になっちゃったな。よし、おしりおきだ。」
といって、桃子のお尻をなでる俺。
「ばか」と言いながらも、桃子は笑いをこらえていた。
262 :セル :2016/06/04(土) 21:28
===

「今日は、俺の手料理しかなくてゴメンな。」
「ううん。とっても嬉しい。それに、すごくおいしかった。」
「いい魚介類が手に入るからね。」
「明日は、私が作るね。」
「料理、できたっけ?
『作ってもらったのを食べるが幸せ。』みたいなこと、言ってなかった?」
「ばれたか。でも、作りたいの。最初は下手かもしれないけれど。」
「それじゃあ、一緒に作ろう。」
「わ〜い。」屈託のない笑顔を見せる桃子。

「いい笑顔だね。
でも、もっと素敵な笑顔を、俺以外の人にしてたのを、見たことがある。
俺がまだ見たことのない、とびっきりの笑顔を。」
「そんなのしてないよ。」
「日米親善試合のオープニングセレモニーの時、小さい子も参加してただろ。
1人、ちょっとグズっちゃってさ。
桃子、その子を抱っこして、あやしてた。」
263 :セル :2016/06/04(土) 21:29
「懐かしい。そんなことあったね。」
「その子をあやしていたときの笑顔を超える桃子の表情、まだ見たことがない。
だから、いつかきっとそれを超える笑顔にしてやりたい。」
「ありがとう。よろしくお願いします。」
桃子は嬉しそうにお辞儀をした。

だが、「長旅で疲れたろ。今日はもう休もう。」と俺が発した途端、一気に表情が曇った。
「今日は、いろいろあったし、お酒も飲んだから、俺も眠くなってきちゃったよ。
さ、パジャマを用意するからね。」
その時の桃子の表情は、コメディアンから、
卑猥なセクハラソングを聞いた直後のように固まっていた。
264 :セル :2016/06/04(土) 21:30
「はい。じゃあ、これね。」俺は箱を差し出す。
「え?ずいぶん重いけれど。」
そう言いながら箱を開けた桃子の目に飛び込んできたのは、
1冊の本と、もう1つの小さな箱だった。

本をめくる桃子の目に、うっすらと涙が浮かんだ。
「本当は写真で作ろうと思ったんだけれど、
桃子と一緒に写った写真、1枚しか持ってなかった。」
そう言って、桃子のサインが入った写真を取り出す。
「そうだね。写真、今までぜんぜん撮ってなかった。」
たまった涙が、一気にあふれ出した。
265 :セル :2016/06/04(土) 21:31
「シアトルで出会った日から今日までを、絵に描いてみたんだ。
感謝のコメントも添えてね。
2人の思い出アルバムだよ。いや、思い出絵本かな。」
「なんで、今日のも描いてあるのよ。」
涙を小指でぬぐいながら、桃子が尋ねた。
「2人の進む道は、もう決まってるだろ。だから、描いておいた。」

「嬉しい。」桃子は濡れた顔をふくのをあきらめて喜んだ。
「よかった。」
「こっちの箱は?」鼻をすすりながら桃子が尋ねる。
「開けてごらん。」
桃子が小さな箱を開けると、
中にダイヤモンドリングが輝いていた。

「初めての誕生日プレゼントが、こんなかたちになってしまってゴメン。」
言い終えたその瞬間、俺の胸に飛び込んでくる桃子。
俺たちは、抱きしめあったまま、
再び寝室のベッドに倒れこみ、長い夜を過ごした。

<つづく>
266 :名無し飼育さん :2016/06/04(土) 22:05
最高かよ
読んでてよかった
267 :名無し飼育さん :2016/06/04(土) 22:16
初めてで思いっきり生中出しwでも責任とるからいいのか
桃子くそかわええ
ありがとう
268 :名無し飼育さん :2016/06/05(日) 17:15
結ばれるまで時間かかっただけに結構感動するな
子供とのエピソードとか素敵
269 :名無し飼育さん :2016/06/05(日) 20:41
これ以降もエロってある?
270 :セル :2016/06/05(日) 21:26
>>266-268
ありがとうございます
そう言っていただけると 書いたかいがあります

>>269
「本編」では もうありません
このあと また更新させていただきますが
更新後の私的コメントをご参照いただければと思います
271 :セル :2016/06/05(日) 21:33
<つづき>

===

数年後の1月も半ばにさしかかったある日。
郵便受けには 今年も少し時季外れの千奈美からの年賀状が届いていた。
桃子にそれを渡し、
「なんて書いてある?」と聞く。
「年賀状のやり取りだけの付き合いはもう飽きたから、早く帰っておいでって。」
「千奈美さんらしいな。」
2人で笑った。

「みやも、何度もメール送ってきてるよ。約束を守ってねって。」
「そうだな。みんなで超豪華パーティーをやらないとな。」
「うん。でね、お店なんだけれど、私、行きたいところがあるの。」
「どこだい?」
「『PROMISE』っていうの。東京のスタジアムのすぐそばだよ。」
「よし。じゃ、そこにしよう。」
俺が同意すると、桃子は満面の笑みを見せた。
272 :セル :2016/06/05(日) 21:34
桃子の仲間の話題になると、いつも笑顔があふれる。
友理奈も、ヨーロッパでのモデル活動で大成功をおさめ、
公私ともに、充実した毎日を送っていると聞いている。
今日もスタジアムに向かう俺を見送る桃子。
ここ数年、ずっと変わらないこの光景。
ただ、当初とは1つだけ大きな違いが。
桃子の腕の中で、1歳の長男も俺を見送っていた。
今秋からは、日本での代表監督就任が決まり、4月には帰国予定だ。
273 :セル :2016/06/05(日) 21:35
「あなたは、たくさんの楽しい仲間に囲まれて、生まれてくることになりそうだね。」
桃子は、再び大きくなり始めたおなかをさすりながらつぶやいた。

「ありがとう。」
桃子は人生でいちばんの笑顔を見せながら、
少しずつ小さくなっていく俺の背中に、そう語りかけていた。

玄関には、俺と桃子のサイン入り写真が、2枚並んで飾られていた。
その写真の笑顔は、撮影時よりも、はるかに輝いていた。

<完>
274 :セル :2016/06/05(日) 21:36
本編はこれで終わりですが
番外編の短編がいくつかあるので 明日以降 アップします
そちらも よろしかったら 読んでやっていただけると嬉しいです
本編とは全然違う表現ですが エ○も一部あります
275 :名無し飼育さん :2016/06/05(日) 22:35
子供できてたー!
幸せそうでよかった
ハッピーエンドで安心
ありがとうございます
276 :名無し飼育さん :2016/06/05(日) 22:53
子作りエロをよろしく頼むぞ
277 :名無し飼育さん :2016/06/06(月) 06:36
幸せな感じで終わってよかった
もう浮気するなよw
278 :名無し飼育さん :2016/06/06(月) 12:46
本人出演で映画化希望!
あ 俺役は俺がやるわw
279 :名無し飼育さん :2016/06/06(月) 21:19
まだももちのエロあると聞いて待機
結構年の差あるよね?
280 :セル :2016/06/06(月) 21:49
>>275
ももちが不幸になるなんて 小説の世界であったって許されません

>>276
番外編のヘタ なぜばれたんでしょう?!

>>277
俺は浮気はしない たぶんしないと思うw

>>278
俺役は譲れませんww

>>279
設定上は14歳差です もはや犯罪!?
番外編は ほぼおちゃらけです
6編あって うち4編にエ○っぽいのもあるかもです
281 :セル :2016/06/06(月) 21:51
<番外編1>
『タコライス』

カリブの島にやってきて早1週間、
桃子はタコライスを作ると言い出し、俺は、頼まれた食材をそろえた。
俺を見る桃子の顔は、笑いをこらえているように見えた。
キッチンで1人料理をする桃子。
「できたよ〜。」という声を聞き、俺はダイニングへやってきた。
そこには、たこ焼きが置いてあった。

「ん?これ、たこ焼きじゃないの?」
顔にたくさんの???を浮かべ、俺は桃子に尋ねた。
「あれ、知らない?小麦粉の代わりに米粉で作ったたこ焼きのことを、
タコライスっていうんだよ。おいしいんだから。」
ニヤニヤしながら桃子が言う。
「そうなんだ。」そう言って1つ、口の中に放り込んだ。

「うん、これはうまい。」
そう言って喜ぶ俺に、桃子はもう1品、料理を出した。
それはまぎれもないタコライスだった。
「本当のタコライスはこっちでした。だまされたでしょう、えへへ。」
桃子はいたずらっぽい笑顔を見せる。
が、「実は俺も1品作っておいた」といって、
タコの頭にご飯を入れた、一風変わったタコ飯を出した。

「最初のタコライスのイメージ、
こんなんだったんじゃないの?桃子さん。」
「なんで知ってるの?」そう言って笑いながら、2人で楽しく食事をした。

<番外編2につづく>
282 :名無し飼育さん :2016/06/06(月) 21:58
一日一短編?楽しみにしてるよ
283 :セル :2016/06/07(火) 22:04
<番外編2>
『告知』

俺「じゃ、注射打つよ!」
桃子「え?なんで。」
俺「この地域特有の感染症があって、予防接種だよ。」
桃子「そんなのあるんだ。でも、お医者さんじゃないのに、いいの?」
俺「こっちじゃ、自分たちでやるのが普通だよ。」
桃子「そうなんだ。じゃ、お願い。痛くしないでね。」
俺「いや、腕じゃなくて、お尻に打つ注射なんだよ。」
桃子「そ、そうなの。分かったよ。ちょっと怖いな〜。」
俺「打ちにくいから、悪いけれど四つん這いになって。」
桃子「え〜。恥ずかしいから、早くしてね。」
俺「ちょっとチクッとするよ。はい、いきま〜す、チクーッ。」
ヌププッ
桃子「あ〜ん」
このとき、桃子は1人目の子を受胎した。

<番外編3につづく>
284 :名無し飼育さん :2016/06/07(火) 23:43
えええええええw
285 :セル :2016/06/08(水) 22:16
<番外編3>
『初めての』

「まずいなぁ。」落ち込んだ表情で桃子が言う。
「どうしたの?」俺は不安になって尋ねた。
「こっちに来てから、あまり体を動かしてないから、だいぶ太っちゃったみたい。」
「そうかな。あまり変わってないように見えるけれど。」
「でも、スカートがきつくなっちゃってる。」
「じゃあ、泳ぎにでも行くか。車で20〜30分のところに、
ビーチを貸切できるところがあるから、そこで2人で思う存分泳ごう。」
「へぇ。そんなところがあるんだ。知らなかったよ。うん、行こう行こう。」
286 :セル :2016/06/08(水) 22:17
===

「へぇ。ビーチだけじゃなくて、こんな立派な家も使えちゃうんだ。」桃子が感心して言う。
「以前は、プライベートビーチつきの別荘だったらしいよ。」
「うん、快適快適。」
「え?!桃子、その水着どうしたの?
トップス、小さすぎない?下乳も出ちゃってるじゃない。
それに、そんなきわどいTバックのボトムなんかはいちゃって。
ずいぶん、桃子も大胆になったよね。」
「周りの人もすごいの着てるから、感化されちゃった。やっぱり、変かな?」
「いや、こっちにいるうちはいいんじゃないかな。
桃子のお尻、とっても形がよくてきれいだし。」
「ももう。嬉しいこと言うなぁ。」
「よし、じゃ泳ぎに行こう。」
「うん!」
287 :セル :2016/06/08(水) 22:18
===

「はぁ。泳ぎすぎて疲れちゃった。」
家に入り、体をふきながら、桃子は言った。
「だいぶ上達したよね。来た当初は、泳ぎになっていなかったのに。」
「えへ。練習の成果です。」
「でも、俺はまだちょっと物足りないな。」
「そうだよね。私に付き合ってくれてたし。いいよ、もっと泳いできても。」
「いや、それより。」
“ガバッ” 俺は桃子を押し倒した。

「え?ちょっと、どうしたの?」
「これも、すごい運動になるんだよ。」
「そ、そうかもしれないけれど、でも、こんなところで。ん、あぁっん。」
「こんないやらしい水着姿見せつけられたら、もう無理だよ。」
そう言って、ボトムのT部分の紐をずらすと、桃子の穴が丸見えになった。
288 :セル :2016/06/08(水) 22:19
「桃子。俺、前からいちどやってみたかったんだ。」
そう言いながら、穴にジェルを塗る。
「えっ、えっ?エッ?!」
なにをされるか半分ほど理解した桃子は、慌て始めた。
だが俺は、桃子が全部を理解する前に、一気にその穴めがけて突入した。

「きゃーーーっ」

10分後、恍惚とした表情で抱きしめあい、キスをする俺たち。
トップスの下側から、桃子の胸がこぼれてあらわになっている。
この日、2人で新たな幸せのかたちを発見した。

<番外編4につづく>
289 :名無し飼育さん :2016/06/10(金) 22:28
更新まち
290 :セル :2016/06/11(土) 06:58
40度近い熱が出て寝込んでます
治ったら また更新しますね
皆さんも健康にご留意ください
291 :名無し飼育さん :2016/06/11(土) 07:32
大丈夫?時期的にインフルとかではなさそうだが体大事にしてね
292 :セル :2016/06/14(火) 21:23
急性扁桃腺炎からようやく回復しました
レスくださった方 ありがとうございます
今日はいろいろと仕事がたまっているので
また 明日から更新させていただきます
もう少し お付き合いいただけると嬉しいです
293 :セル :2016/06/15(水) 21:50
<番外編4>
『花占い』

色とりどりの花が咲く庭の一角でのこと
桃子「10回も花占いしたんだけれど、全部好きって出たよ!」
俺「そうなんだ、すごいね。俺もやってみようかな。」
桃子「うん、やってみてよ。」
俺「桃子は俺のことが、
嫌い、きらい、キライ、kirai、嫌い、きらい、キライ、kirai、
嫌い、きらい、キライ、kirai、嫌い、きらい、キライ、kirai。」
桃子「ちょっと。嫌いばっかりじゃん。」
294 :セル :2016/06/15(水) 21:51
俺「さ、最後の1枚・・・。」
桃子「あぁー。」
俺「(ぷるぷるぷる)」
「大好き!」
桃子はそう言うと、俺の手をつかみ、一緒になって最後の花びらを取った。
「俺も大好きだ。」
そう言って桃子を押し倒す。

桃子の花びらに、俺の茎がヌプププッと入り込むと、
桃子は「ああ〜ん」と悶えた。
気が付くと俺たちは、たくさんの花びらに埋もれ、花粉が体中に降り注いでいた。
このとき、桃子は2人目の子を宿した。

<番外編5につづく>
295 :セル :2016/06/16(木) 21:54
<番外編5>
『浮気?!』

帰国から半年、玄関のチャイムが鳴った。
「は〜い。」桃子が楽しそうに応答する。
「こんにちは〜。ごめんなさい。道に迷ってちょっと遅れちゃって。」
そう言う2人を、桃子は家の中へ招き入れた。

「すてきなおうちですね。」佳林が部屋を見回して言う。
「本当に。ところで、今日は、旦那さんは?」聖が質問する。
「急な仕事が入っちゃってね。さっき出かけてった。
お2人によろしく伝えてくださいって。」
桃子がそう言うと、
「えぇ〜。いろいろ聞きたかったのに〜。
事務所で撮ってた自撮り2ショットのことなんか、特に。」
佳林は残念がった。
296 :セル :2016/06/16(木) 21:54
「帰国されてからの生活、どうですか?」佳林が尋ねる。
「そうだね。言葉が通じるのがやっぱりいいよ。コミュニケーションが大変だったから。」
「そうなんだぁ。」聖がうなずく。
「あとは仲間がすぐ近くにいるって、すごく幸せ。実感したよ。」
桃子は2人にも感謝の気持ちを示す。
「でもね、向こうにいるときは、ずっと一緒にいられたんだけれど、
帰国してからは、編成?っていうの。
選手の選考だとか、スポンサーさんとの会食だとか、
各チームのお偉方や監督さんとの会合だとか、
いろいろあるみたいで、ずっと飛び回っててさ。
このあいだなんか、3週間も帰ってこなかったんだよ。」
と、桃子がグチをこぼす。
297 :セル :2016/06/16(木) 21:56
「えぇ、そんなのひど〜い。寂しいですよねぇ。
そしたら、いつでも声をかけてください。私、飛んできますから。」
聖が妖しい視線を送りながら、桃子に訴える。
「でも、3週間は、本当に長いですよね。」
佳林も同情するが、桃子は首を振りながら言った。
「でも、久しぶりに帰ってくると、私も本当に嬉しいし、
主人もそれ以上に嬉しいみたいで、ものすごく甘えてくるの。」
「えぇ、本当ですか。強そうに見えるけれど。」佳林が疑問を投げかける。
「男の人って、みんな甘えん坊なんだよ。」聖が知ったふうに言う。

「でも、本当にそうだよ。」桃子も同意する。
「それだから、帰ってきたら大変。
だって、すごく激しくもとめてきて、それで、ちっとも寝かせてくれないんだもん。
あれ、私、なに言っちゃってんだろう。」
桃子が顔を赤らめて恥らいながらそう言うと、聖は不愉快そうな顔をした。
298 :セル :2016/06/16(木) 21:58
3人での会話が弾む中、
桃子が1本の赤ワインを取り出した。
「私の生まれた年にできたワインなんだって。
主人が用意してくれたの。ちょっと飲んでみる?」
「え?じゃあ、ちょっとだけ。」そう言う聖に、桃子はワインを注いでやった。
「おいし〜。こんなまろやかなの初めて。佳林ちゃんも飲んでごらんよ。
あ、ごめなさい。1人で飲んじゃんって。桃子さんに、まず注いであげないとでしたね。」
「いや、赤ちゃんいるからさ。気持ちだけ。2人で飲んで。」
そう言って、佳林にもワインを注いであげる桃子。
「なにこれ。すごい。いいなぁ、こんなおいしいものをいただけちゃうなんて。」
佳林が羨望の眼差しで桃子を見る。

「いや、ふだんは質素なもんだよ。全然お金使わないし。」
「それでも、うらやましいです。」佳林がそう言う隣で、
2杯目を飲み干した聖が桃子の隣に座りなおし、尋ねた。
「旦那さんのお帰りは、何時頃になるんですか?」
「今日は、遅くなるって。」
「じゃあ、時間はたっぷりありますね。」
上目づかいで見つめる聖が、桃子の手をそっとつかんだ。
299 :セル :2016/06/16(木) 22:00
「ちょっと、聖ちゃん。ダメだって。」拒絶する桃子。
「女の子同士なら、不潔じゃないですよ。」
そう言いながら桃子を見つめる聖は、
佳林のほうを振り向いて、こっちにくるように促す。

突然のことに、佳林はドキドキしながら、聖とは反対側から、桃子に近づいた。
「こら、ダメだよ、やめてー。こどもたちもいるんだからー。」
桃子のその言葉に、佳林は冷静さを取り戻した。
しかし、聖はおかまいなしに、桃子の首に手を絡めてきた。
その時、「おぎゃー」という
赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。

「聖さん、ダメですよ。ほら、桃子さん、赤ちゃんのところに行ってあげてください。」
佳林が必死に止めると、桃子はこども部屋へと向かう。
「ちぇっ」聖の舌打ちが聞こえた。
300 :セル :2016/06/16(木) 22:02
その後は、2人の子供も交えて、楽しい女子会となり、
夕刻になって、聖と佳林は帰途に就こうとしていた。
「また、おいでね。」
「はい、ありがとうございます。今度は旦那さんのいるときに、ぜひ!」
佳林がそう答えたのとは対照的に、
聖は、「桃子さんがお1人の時に、今度は私1人で来ちゃダメですか?」と桃子に相談する。
桃子は、苦笑していた。

「佳林ちゃん。」
「はい、なんですか。」
「ちょっと、うちに寄って行かない。」
帰り道、聖の目が妖しく光った。

<番外編6につづく>
301 :セル :2016/06/17(金) 22:32
<番外編6>
『しき』

2月も終わりに近づいたある日、桃子が突然言い出した。
「私、厄払いをしてもらう。」
「どうしたんだい?急に。」
代表監督就任直後の激務からようやく解放され、今ではようやく家庭のことにも、
気を配れるようになっていただけに、唐突な桃子の発言に、俺は驚いた。

「最近、いやなことがいろいろあってね。」
「そうなのかい。」
「調べたみたら、私、厄年だった。」
「そうだったね。気づいてはいたんだけれど、初詣のとき、
別の祈祷をしてもらってたから、あまり気にしてないのかなと思ってた。」
「そうなんだけれど、こう不運が続くとね。やっぱりお祓いしてもらう。」
302 :セル :2016/06/17(金) 22:33
「そうか。なにがあったかは知らないけれど、でも、やってもらうといいよ。
俺も行こうか?」
「うん、お願い。ちょうど1週間後だけれど、平気?」
「1週間後。6日かい?うん、平気だよ。」
そう言いながら、俺は「あれ?」と思ったが、あえて口にするのをやめた。
303 :セル :2016/06/17(金) 22:34
===

「別の用事があるから、現地集合で。14時に神社に来てね。
私も遅刻しないように行くから。
あ、そうそう、初詣の時と同じような気持ちで臨みたいから、正装してきて。」
桃子にそう言われた俺は、初詣の時と同じく、紋付き袴姿で産土神社へと向かった。
神社に到着すると、まるで待ちかえていたかのように、
「もう、お見えになられていますよ。」と、
巫女が俺を先導し、控えの間に案内された。

部屋に入り、俺は驚いた。
なんとそこには、俺の両親がいたのだ。
そして、俺は襖に向かって置かれた椅子に座るよう促される。
言われるがまま座ると、
「準備が整いました。」という声が響き、目の前の襖がゆっくりと開く。
そこには、白無垢をまとった桃子の姿があった。
304 :セル :2016/06/17(金) 22:35
===

梅雨が明けたある日、語学留学から帰国した千奈美は、
久しぶりに桃子と2人で食事をしていた。
英会話能力が堪能になった千奈美は、
「もう、バカとは言わせないからね!」と、得意げだ。
桃子も、留学中に起こったさまざまな出来事に興味があるようで、
うなずきながら話を聞いている。

しかし、調子に乗った千奈美が、
「でも、日本暑いよね。ニュージーランドはメチャクチャ寒かったよ。」と、
ニヤニヤしながら桃子に説明する。
「南のほうなんだから、寒いわけないでしょ。」と、桃子が言うことを期待して。
だが桃子は、「そりゃ、南半球だから、今の時期は寒いよね。」と、
冷静に答えると、千奈美は怒り出した。
「もう、なんでひっかかってくれないの。
分かっていたにしても、引っかかったふりくらいしてくれてもいいじゃない。」
「そういうとこ、千奈美らしい。大好きだよ。」
「もう、ももったら。」千奈美もまんざらではない様子だ。
305 :セル :2016/06/17(金) 22:36
「そうそう。私達、もうアイドル卒業したでしょ。
だから、帰国してすぐ、家族で海に行っちゃった。
なんで、ほら、真っ黒になっちゃって。ももは、海水浴とか行かないの?」
千奈美がそう尋ねると、桃子はカリブの島でのできごとを思いだし、
1人でなにも言わず、恥じらい始めた。
「気持ち悪い〜。」千奈美は嬉しそうに桃子をたしなめる。

「でね。海岸沿いに神社があって、結婚式やってたんだよ。
お嫁さん、きれいだったな〜。
ねぇ、ももは結婚式しないの?」
千奈美の唐突な問いに、
「もう、一緒になってずいぶん経つし、子供も2人いるしね。今さらって感じなのかなぁ。」
と答える桃子は、少し寂しそうな顔をした。
その表情を見た千奈美は、
「なんとかしてあげなきゃ。」
まぶしい光が窓から差す中、そう決意していた。
306 :セル :2016/06/17(金) 22:36
===

東京で、例年よりも早めに葉が色づき始めたころ、
BKのメンバーが、桃子を呼び出して集まっていた。
残念ながら、梨沙子は今回も欠席だった。

「ねえ、久しぶりじゃない。みんなで集まるの。」
雅がウキウキしながら言う。
「そうだ。みや達が1位をとったお祝いをして以来だね。」桃子も嬉しそうだ。
「ほんと、みんな変わらないね。」友理奈はそう言うが、
茉麻が、「ももだけは、セレブになっちゃって、近寄りがたくなっちゃったけれど。」と、
嫌味っぽくいう。
「そんなことないよ〜。」桃子が必死に否定すると、
「どれどれ?」と、茉麻が桃子のお尻を撫で、
「うん、大丈夫。昔のもものままだ。」と太鼓判を押し、みんなが笑いに包まれた。
307 :セル :2016/06/17(金) 22:37
食事をしながら、会話が弾んでいたが、
突然、千奈美が、「ねえ、もも。ちょっといいかな。」と、話を切り出した。
「詳細は、私が説明するね。」
窓から1枚の色づいたイチョウの葉が風に流されて入り込み、
桃子の前に落ちる中、佐紀は真剣な表情で話し始めた。
308 :セル :2016/06/17(金) 22:38
===

初詣の参拝客も一段落したある日、都内のとある神社に、
桃子を含めたBKのメンバーが集まった。
ただし、梨沙子を除いて。
この日、東京は10年ぶりの大雪に見舞われていた。
「足元の悪い中、よくいらっしゃいました。」
宮司が鳥居まで出向き、恭しくメンバーを招き入れる。

神社内の一室で、宮司、巫女、そして、BKメンバーたちは打ち合わせを始めた。
当初、千奈美が責任者として取り仕切ろうとしたが、なかなか話が進まないため、
佐紀がリーダーとして取りまとめ役になっていた。
1時間後、万事手筈が整った。
309 :セル :2016/06/17(金) 22:38
「きっと、うまくいきますよう、御祈祷いたしましょう。」
そういって宮司は、拝殿へ全員を案内した。
みんなが頭を垂れる中、宮司が幣束を振る。
それと当時に吹いた一陣の風により、木に積もった雪が窓から拝殿を通り抜け、
キラキラと輝いた。
雪は、既にやんでいた。
310 :セル :2016/06/17(金) 22:40
===

開いた襖の向こうにも、もう1つ同じ部屋があった。
ちょうど俺の正面に、白無垢姿の桃子が座っている。
その美しさに、俺は息をのんだ。
桃子の後ろに座ったご両親は、既に涙をこらえきれていない。
俺のわがままのせいで、
これまで、桃子に親不孝をさせてしまっていたことに気付かされた。

両家の顔合わせが終わると、神職の先導で拝殿へと進む。
子供の頃から、何度も通った廊下だが、今日はいつになく緊張している。
俺が先に進んでいるため、桃子の表情はうかがい知れない。
後ろを振り向いて確かめようとすると、
「縁起が悪いから、前だけ向いていなさい。」と、俺の母親にたしなめられた。

<つづく>
311 :セル :2016/06/18(土) 21:58
<つづき>

拝殿では、梨沙子を除くBKとCGのメンバー、
俺がこれまで世話になり、また、世話をしたチームの仲間、
そして、2人の子供たちが、既に床几に着席していた。

太鼓の音が鳴り響き、宮司がお祓いをする。
全員で神前に向かって拝礼をすると、宮司が祝詞を奏上した。
そして、巫女が神前に供えていた神酒を下げ、それが俺たちの前に並べられる。
そう、三三九度の盃だ。
桃子と2人、3度ずつ盃に口をつける。
俺はそれぞれ、先祖へ感謝し、桃子とこれからも一緒に生きていく決意をし、
そして、家族の平穏とさらなる子孫繁栄を願い、盃を飲み干した。
312 :セル :2016/06/18(土) 21:58
すると、宮司が1通の巻き紙を俺に手渡した。
表には「誓詞」と書かれていた。
「あなたなら、説明しなくても読めるはずです。」
宮司が優しく俺に語りかける。
気が付くと、桃子が俺に寄り添って立っていた。
俺は、しっかりと読み上げた。
だが、突然のことだったので、内容はまったく記憶に残っていなかった。
ただ、最後に自分の名前を読み上げた後、
桃子も自分の名前をはっきりと言ったことだけは、鮮明に覚えていた。

玉串を供えると、巫女が神楽を舞った。
その優美さに、俺は桃子のイメージを重ね合わせていた。
巫女が鈴を鳴らすと、自分の心が清らかになっていくような気がした。
後方では、俺と桃子の家族、そして参列者全員が、固めの盃を交わしていた。
313 :セル :2016/06/18(土) 21:59
宮司が挨拶し、再び拝礼を行うと、式の結びを告げる太鼓が打たれ、
拝殿を退出することになった。
俺はこのとき、控えの部屋を出てから、初めて桃子の表情、そして姿を見た。
美しいだけではない。
改めて、俺とともに人生を歩んでいく決意に満ちた表情に、俺は心打たれた。

そして、ここに集まった家族や仲間たちの姿もようやくはっきりと見ることができた。
人生で初めて、俺は人前で涙を見せた。
そんな俺を、桃子が優しい表情で見つめていると、
風に運ばれた無数の桃の花びらが、俺たちの前に降り注いできた。
314 :セル :2016/06/18(土) 22:00
式が終わると、桃子は色打掛にお色直しをした。
そして、俺と2人で境内に出ると、親族と参列者が、一斉に拍手をした。
俺はすがすがしい気分になると同時に、改めて、身の引き締まる思いがした。

この後は、記念写真の撮影会状態になった。
「おめでとう。」みんな、口々にそう言って、俺たちと一緒に写真を撮る。
すると、2人の子供たちが、
「お母さん、きれい。お父さんもかっこういい。」と言ってやってきた。
そして、一緒に写真を撮っていると、次男がようやく覚え始めた単語を並べて、
「ねえ、あのおねえちゃんはだれ?」と
ご神木の陰でひっそりとこちらを見ている女性を指差した。
315 :セル :2016/06/18(土) 22:00
「りーちゃん!」桃子が歓声を上げる。
そこには、梨沙子の姿があった。
「待ってたぞ!」雅がそう言うと、メンバーは梨沙子を囲んで、笑顔を見せた。
ただ1人、茉麻だけは神妙な表情で、
「どうしたの?りーちゃん。今日は、コナンの映画には誘ってないけれど。」と、
ボケると、
「うちでDVD見ようって誘ったの。」と、
桃子からボケ返され、場はさらに華やいだ。
316 :セル :2016/06/18(土) 22:01
===

「今日は、2人だけでゆっくりしなさい。」
そう言う両親の言葉に、俺は甘えることにし、
子供たちは両親の家にお泊りすることになった。
桃子と2人だけで帰宅する。
「2人きりになれるのは、いったいいつ以来だろうか。」
俺がそんなことを考えていると、
「帰国してから初めてだね。2人で過ごせるの。」
と、桃子はなにかを期待するように、俺の手を握り、見つめながら話しかけてきた。
317 :セル :2016/06/18(土) 22:02
桃子がなにを求めているかは理解したが、
まずは、どうしても言っておかなければならないことがあった。
「今日は、本当にありがとう。」
「私じゃないよ。千奈美が提案して、BKのみんなが計画してくれたの。」
「そうか。みんなにお礼をしなくちゃいけないな。」
「じゃ、いつか披露宴しようよ。ご招待で。」
「うん、そうだね。でも、やっぱりまずは桃子にお礼とお詫びをしないと。」
「お詫びって?」
「桃子のご家族、特にお義母さんを見て痛感したよ。今日の日を楽しみにしてたってこと。
ただ入籍して、一緒に住めばいいってわけじゃなかった。
俺は桃子に、とんでもない親不孝をさせてた。」
「そんなことないよ。でも、確かに親孝行にはなったかな。」
「俺の親も、あんなにいい表情しているのは初めて見た。なんと言っていいか。」
「変に気にすることないよ。今日1日が素晴らしかったんなら、それでいいじゃない。」
「そうかな。」
「そうだよ。」そう言って、桃子は俺にぴったりと寄り添ってきた。
318 :セル :2016/06/18(土) 22:03
だがその時、記憶の中枢が、
「お前はいったいなにを見ていたんだ。」と、俺を厳しく叱責した。
気が付くと、俺は神社に引き戻され、高いところから、2部屋を俯瞰していた。

〜〜〜

ゆっくりと襖が開き、正面にいる白無垢姿の桃子に見とれている俺。
そして、涙をこらえきれない桃子の両親。
「違う。そこじゃない。」
再び記憶の中枢が俺に叫ぶ。

白無垢姿の美しい桃子。
いや、それだけではない。
涙が頬を伝っている。
俺の目には映っていた。
だが、その清楚で美しい姿に目を奪われ、肝心なことを見落としていた。
「今日の日を大切に思い、いちばん楽しみにしていたのは、他ならぬ桃子だった。
これまで、いちばん寂しい思いをしていたのは桃子自身だ。」
そのことに、ようやく俺は気付いた。
319 :セル :2016/06/18(土) 22:04
〜〜〜

“はっ”と気づくと、俺は自宅に戻っていた。
先ほどと同じように、桃子は俺に寄り添っていた。
「すまない。俺、桃子の気持ち、全然分かってやれていなかった。
今日の式は、誰のためでもない、桃子のために挙げなければいけなかったんだよね。」
俺が桃子の目の前で涙しながら、そう伝えると、
桃子は鼻をすすりながら、小さくうなずいた。

「ねぇ。今日は2人きりなんだよ。」
そう言って、俺の頬を伝う涙を指でふいてくれている桃子の目にも、涙が光っていた。
俺はその表情をたまらなくいとおしく思い、また、贖罪の念もあって、強く抱きしめた。
桃子は潤んだ瞳で俺を見て言う。
「先にお風呂入ってきていいかな。汗かいちゃった。なんか、顔も濡れちゃってるし。」
「一緒に入らないの?」と思ったが、今日は桃子の言うとおりにした。
320 :セル :2016/06/18(土) 22:05
風呂上がり、烏の濡れ羽色の髪を拭きながら、
「お風呂、入ってきて。寝室で待ってるから。」と桃子が言う。
「うん。じゃあ、入ってくる。」
「どうぞ、ごゆっくり。今日は冷えたんじゃない。しっかりあったまってきてね。」
桃子の言葉に従い、普段は烏の行水の俺も、
この日はのぼせるくらい、ゆっくりと風呂に浸かった。

リラックスした俺は、穏やかな気持ちで寝室へ向かった。
扉を開けると、ベッドの上で桃子が三つ指をついて待っていた。
しかも、ふだんのパジャマ姿ではない。
和装、そう、純白の寝衣姿だった。

<つづく>
321 :名無し飼育さん :2016/06/19(日) 03:15
久しぶりに覗いたら更新キテた!
ラブラブでいいなあ
ももちと結婚したくなる
322 :セル :2016/06/19(日) 22:10
読んでいただいてありがとうございます
あと少しで完結ですので もう少しお付き合いいただけると嬉しいです
323 :セル :2016/06/19(日) 22:11
「どうしたんだい、そのかっこう?」そう尋ねる俺に、
「今日は新婚初夜だよ。」と桃子は答えた。
「私、また新たな気持ちであなたと生きていきたいの。変に見えるかもしれないけれど。
うん、なんて言うのかな。決意表明みたいな。」
「そうだったか。いや、なんとなく分かるよ。
でも、俺が普段のかっこうで、なんか申し訳ない。」
「ううん、いいの。私が勝手にやったことなんだから。」
そう言う桃子に、俺も手をついて頭を下げ、
「こんな俺だけれど、末永くよろしくお願いします。」と言った。
桃子も改めて三つ指をついて
「不束者ですが、よろしくお願いします。」と頭を下げた。
324 :セル :2016/06/19(日) 22:12
俺はそんな桃子の隣に座り直すと、そっ口づけをして、衿の中に手を突っ込んだ。
「あぁっ」胸を刺激された桃子は、息を漏らした。
そして、左右の衿をつかんで引っ張ると、
桃子の白くて柔らかい胸の上半分あらわになり、ピンクの乳首が少し顔をのぞかせた。
帯をほどかずに力いっぱい衿を引っ張ったため、寝衣が体を締め付け、
桃子は少し苦しそうで、それでいて、嬉しそうな顔をした。

桃子の帯をほどき、改めて衿を左右に引っ張ると、透き通るような肌の上半身が姿を現す。
俺は、その真っ白な肌の中で、淡いピンクの色彩を放つ部分を、優しく吸った。
そして、自分のパジャマを脱ぎながら、桃子の胸から背中にかけて愛撫してやると、
寝衣がすべてはだけ、桃子は生まれたままの姿になった。
背中から腕を回し、左手で乳首をつまみながら、右手は、真っ白な下半身の中で
黒く異彩を放つ茂みの中をまさぐっていた。
325 :セル :2016/06/19(日) 22:13
俺が両手で優しさを伝える中、桃子は恍惚とした表情で、
視線を天井へと向け、声を押し殺していた。
そんな桃子をたまらなく愛おしく思い、俺は唇を桃子の口に重ね合わせた。

桃子は俺の上に体を倒して覆いかぶさる。
そして、2人で力強く抱きしめあい、優しく愛撫し合った。
俺の勃起した乳首を舐めていた桃子だったが、
やおら、体を180度回転させると、ゆっくりと俺の息子を、上の口に含んだ。
そんな俺の目の前には、桃子の下の口が。
俺もその口を、ゆっくりと舌で撫でてやった。
326 :セル :2016/06/19(日) 22:14
2人とも、初体験でもするかのように、互いに愛し続け、
そして、それはだんだんと激しさを増していった。
桃子の口で刺激された俺の息子は、そろそろ限界に達しようとしていた。

「桃子、もうやめて。それ以上されたら。」
そう訴えるが、桃子は一向に止める気配がない。
「桃子。ねえ、聞いてる。」
桃子は一瞬、両手で耳をふさぐ素振りを見せ、
そして、俺の言うことは聞こえないといわんがばかりに、
“かぽっ ぷちゅちゅっ ちゅぽっ くぽぽっ”という音を響かせ、
さらに俺の息子を強く刺激した。

「ダメだ。もう、がまんできない。
ももっ、あっ、っく、桃子・・・、ももこー、ああーっ。」
俺の息子からドクドクと、60マイクロメートルたちが溢れ出す。
すべてを桃子の口に出し切り、俺は、「はあっ」と一声発した。
息子はピクピク痙攣し、先っぽは熱くなっていた。
桃子は、初めての経験にびっくりした様子だったが、
自分の中を伝う香りに、満たされた表情をしていた。
327 :セル :2016/06/19(日) 22:16
「なんで、やめなかった?」
そう言う俺を、桃子は上目づかいで、優しい笑みを浮かべて見つめるだけだ。
「俺の言うことを聞けないなんて、許さないぞ。」
半分は本気で怒り、もう半分は感謝しながら、桃子を押し倒した。
既に受け入れ態勢が万全だったので、俺は体を沈ませて、
既に回復した息子を桃子の下の口にヒットさせた。
当初、優しい眼差しを俺に向けていた桃子だったが、俺がいきなり激しく攻め、
一向に抑える気配がないと分かると、一気に表情が変わり始めた。

契りで受ける感触の受任限度を超えた桃子は、激しすぎる快楽という苦痛に顔を歪めた。
俺の胸や腹を力いっぱい押して、離れさせようとする桃子。
しかし、俺はまったく離れない。
そして、体が限界に達した桃子は、げんこつで頭や首をぽかぽか殴り始めるも、
ついには絶頂に達し、力なくベッドに倒れこんだ。
328 :セル :2016/06/19(日) 22:17
しかし、俺はそのまま桃子を180度回転させ、今度は背後から突き上げる。
年をおうごとに、桃子のお尻は”キュッ”と引き締まり、
俺は大好きなそれを、ギュッとしてやるのが大好きだった。

しかし、桃子にこれ以上は苦しい思いをさせたくないと思い、今度は優しく揺すった。
正面からよりも、さらに深く桃子の中に入り込む俺の息子。
その感触に、桃子は忘我の境に入るのであった。
2人が声をそろえて「あぁーっ」と叫んだその瞬間、俺は桃子に発射した。
桃子の朱色のふちは、ぬらぬらと白く光っていた。

「ごめん、桃子。ちょっと痛くしすぎちゃったね。
でも、新婚初夜だから、今日は俺の気持ちを全部伝えたくて。」
「ううん、大丈夫。やっぱりあなたと結ばれて本当に良かったって思ってる。」
激しい息遣いが続く中そう言うと、桃子は俺の首に両腕を回し、キスをした。
抱きしめあったまま、2人はいつしか眠りに落ちていた。
329 :セル :2016/06/19(日) 22:17
===

窓から、春の優しい光が射し込む。
「何時だろう?」桃子がスマホを見ると、時計よりも別の表示に目が行った。
「りーちゃんからメールが来てる。」
桃子のあまりの嬉しそうな表情に、俺は少し嫉妬した。

だが、嬉しそうだった桃子の表情は、すぐに真剣なものに変わり、
そして、目頭が熱くなっていくのが、俺にも伝わってきた。
「どうしたの?」
俺は桃子の肩に手をやり、優しく声をかけた。
メールの内容を読み上げようとする桃子だったが、
声にまったくならず、スマホを俺に差し出した。

<つづく>
330 :名無し飼育さん :2016/06/19(日) 22:30
再びエロキテたーーーー!!!!
今までで一番エロかった
331 :セル :2016/06/20(月) 21:59
>>330
そ そうですかね
自然な流れで書いたんですが
私の願望が出てしまったかもw
332 :セル :2016/06/20(月) 22:00
<つづき>

「ももとは、もう何年の付き合いになるかな。
ずっと一緒だったから、なんか本当の姉妹みたいに思ってた。
でも、見た目も性格も全然ちがくて、だから、ときどきイラッとしちゃって、
けっこうひどい態度も、とっちゃってたかも。

BKを辞めたいって言ったとき、ももが一生懸命説得してくれた。
でも、私の気持ちが変わらないって分かったら、そのことを尊重してくれた。
ケンカになっちゃったよね、みんな。
でも、その時ももが、
『もう、1人でも欠けたらBKじゃなくなっちゃうから。
これまでの思い出を胸にしまって、みんな、それぞれ、新しい道を進もう。』って、
反対するみんなを説得してくれた。
333 :セル :2016/06/20(月) 22:00
それ時以外も、私、ずっとわがままで迷惑ばかりかけてたのに、
いつも優しく接してくれて、気にかけてくれていたのに・・・。
本当は、ももに甘えてたんだって、活動を停止して、少ししてからやっと気づいて。
だから、合わせる顔がなかった。
それで、疎遠になっちゃって。

そしたら、日本で結婚式するって連絡があって。
どうしようかって、ずっと迷ってて。
でも、これで行かなかったら、もう2度と会えないような気がしたから。
こんな私なのに、今日は笑顔で迎えてくれてありがとう。」

梨沙子のメールには、そう書かれていた。
334 :セル :2016/06/20(月) 22:01
冷静さを取り戻した桃子にスマホを返したが、
その時点では、俺が冷静ではなくなり、目頭を熱くしていた。
桃子は、
「ずっと私の妹だよ。わがまま言ってくれていいし、いつでも甘えに来てね。」と
返信していた。

そんな桃子が、ベッドの脇に置かれた包みを発見する。
「これ、なんだろう?知ってる?」
「開けてみたら。」俺がそう答えると、
桃子は包み紙を外して中身を確認した。
「お誕生日おめでとう。けっきょく、1日遅れになっちゃったけれどね。
それに、その梨沙子さんのメールを読んだ後じゃ、なんだかなぁ。」
俺がそう言うと、
「そんなことないよ。」桃子は再び目頭を熱くし、俺の胸に顔をうずめた。
俺は優しく桃子を抱きしめ、既にしわくちゃになっているベッドに倒れこんだ。
335 :セル :2016/06/20(月) 22:02
===

結婚式から2か月後、俺たちは3人目の子供が、
桃子のおなかの中で動き始めたことを知る。
それから2か月後、安定期に入ったこともあり、仲間に公表。
みんなから、たくさんのお祝いメッセージが届く。
さらに2か月後、おなかの子供が女児と判明。
妊娠を伝えたとき以上に、BKとCGのメンバーから、祝福攻めにあった。
だが、梨沙子から、お祝いとは別の内容のメールを、桃子は受信していた。
その数日後、「ねえ、お願いがあるんだけれど。」と、
真剣な表情で桃子は俺に相談を持ち掛けた。
336 :セル :2016/06/20(月) 22:03
===

結婚式から10か月後、桃子は無事、自宅で出産した。
この日は元日だった。
その1週間後、知らせを聞いたBKとCGのメンバーが、お祝いにやってくる。
しかし、約束の時間の1時間以上も前に、梨沙子は1人、自宅を訪ねてきた。

「ありがとう。早く来てくれて。」
まだあまり動くことのできない桃子が、長女の隣で横になったまま、
梨沙子に感謝の気持ちを伝える。
「もも、おめでとうございます。私こそ、急に変なお願いをしちゃってごめんね。」
梨沙子はそう言うと、1枚の紙を取り出した。
和紙に、つたないながらも一生懸命に筆で書かれた文字。
梨沙子は、命名書を書き上げてきてくれていた。
「どうかな?この名前。」
梨沙子はおそるおそる、俺たちに尋ねる。
「とってもいい名前!ね、あなた。」
桃子はそう言って、俺に命名書を手渡す。
「うん。俺もいい名前だと思う。」
俺も率直な感想を語った。
337 :セル :2016/06/20(月) 22:04
「生まれてくる娘の名前、梨沙子につけさせてあげてほしい。」
桃子から以前、相談を受けたとき、俺は、
「なにを考えてるんだ?」と、正直思った。
だが、彼女が真剣な表情で俺に頭を下げる姿を見て、
「きっとなにかを確信しての決断だったのだろう。」
と思い、俺もそれを承諾した。
命名書を見ると、梨沙子の桃子への思いがひしひしと伝わってくる。
俺も、「賛成してよかった」と、今では幸せな気持ちになれていた。
338 :セル :2016/06/20(月) 22:05
「やっぱり『子』がつくんだね。」
桃子は嬉しそうに梨沙子に語りかけた。
「だって、BKとCGのメンバーで、唯一、私たち二人だけが共通で持つ文字だもの。」
「そうだね。やっぱり最後は『子』じゃないとね。」
桃子は、以前のように梨沙子と普通に会話ができることを、
心の底から喜んでいるようだった。

「もも。メールでも書いたけれど、本当にごめんなさい。」
梨沙子は、詫び始めた。
「もう、いいよ。」
「でも、直接は謝れてない。」そう言って梨沙子は涙した。
「りーちゃんが泣いちゃダメ。」と諭す桃子の目にも、涙が光っていた。

そのとき、風に吹かれて、1枚の白い羽と黒い羽とが、
換気のために開けておいた天窓からひらひらと舞い降りてきた。
339 :セル :2016/06/20(月) 22:06
しばらくの後、他のメンバーたちが、連れだってやってきた。
桃子はまだあまり動けないため、俺と梨沙子が玄関まで出迎える。
「あれ?りーちゃん。先に来てたんだ。
用事があるっていうから、遅れてくるのかと思ってた。」
雅がそう言うと、
「うん。その予定だったんだけれど、なんかうまく片付いちゃって。」
梨沙子が晴れやかな表情で答える。
「なんか、嬉しそうだね。いいことでもあった〜。」
千奈美は梨沙子の腕を、指先でつんつんとつついた。

「玄関で立ち話もなんだろうから、さ、どうぞどうぞ。」
と俺が案内すると、BKとCGのメンバーは、
「お邪魔しま〜す。」と声をそろえて、桃子の待つ部屋へと向かった。
ただ、CGのメンバーは、なにか遠慮がちというか、怖がっているようにすら見えた。
340 :セル :2016/06/20(月) 22:06
「かわいい〜〜」みんなが口をそろえる。
「え〜、やっぱり〜。3児の母になってもかわいいか〜。
そうだよね〜。基がいいもんね〜。」
「ももちのことじゃないよ。」友理奈が鋭くつっこむ。
「あ〜か〜ちゃんがっ。」茉麻も追い打ちをかける。
「まあまあ。おめでたい場なんだからさ。2人ともかわいいということにしとこう。」
そう言って、佐紀がその場を収めた。

「名前は?決まった。」雅が桃子に尋ねる。
「うん、決まったよ!」
しかし、桃子はもったいぶって、なかなか発表しようとしないでいると、
「じゃあ、私がつけてあげるよ。」と千奈美が挙手して、突然言い出す。
「いや、だからもう決まってるんだってば。」
さすがに千奈美のこの発言には、茉麻も黙っていられなかった。
341 :セル :2016/06/20(月) 22:08
「発表するね。」桃子はそう言うと、
みんなに悟られないように梨沙子と視線と視線を合わせ、そして名前を発表した。
みんなが、いい名前だと絶賛する。
桃子は再び梨沙子と視線を合わせると、二人でそっと微笑んだ。

「あ、あの。ところで、名付け親はどなたなんですか?」
意を決したように、梨沙が尋ねた。
考えてみると、あいさつ以外でCGのメンバーが発言したのは、これが最初だった。
すると、堰を切ったように、CGのみんながしゃべりだす。
けっきょく、梨沙の質問は自然封印されてしまった。
が、ひとしきりしゃべり、その場が少し落ち着いたところで、
梨沙子が目を閉じて深呼吸し、普段よりも大きく高めの声で話し始めた。

<つづく>
342 :名無し飼育さん :2016/06/21(火) 01:05
なんか普通にいい話だな
343 :セル :2016/06/21(火) 21:58
>>342
そう言っていただけると 書いたかいがあります
344 :セル :2016/06/21(火) 22:00
<つづき>

「去年の3月に、久しぶりにみんなに会って、私やっとわかった。みんなが大好きだって。」
「いまさらどうしたの?」雅が嬉しくもあり、驚いた表情も見せる。
「長い期間、全員一緒では会わなくて、私、好きなことやってきた。
それが楽しいって思ってた。でもね、違ったの。
結婚式で、みんなで集まって、
たわいもない話をしているとき、歌やダンスの話をしているとき。」
そう言うと、梨沙子は緊張からか黙り込んだ。

「そうだよね〜。ステージでのキラッキラとした雰囲気、楽しいよね〜。
私もまた立ちた〜い。」
なにかを感じた桃子が、梨沙子にパスを出すと、
「我がままなのは分かってる。本当にごめんなさい。
でも私、またBKをみんなと一緒にやりたい。ううん、絶対にやる!」
梨沙子がそう高らかに宣言すると、BKのメンバー全員は、最高の笑顔を見せた。
そして、一瞬の沈黙の後、CGメンバーが、嵐のような拍手を始めた。
345 :セル :2016/06/21(火) 22:01
びっくりした長女がべそをかいたので、慌てて静かになったが、
横になっている桃子が右腕を上に伸ばすと、
桃子の腕を中心に、全員が右腕を伸ばして円陣を組み、活動再開の約束を交わした。

「あ、あの〜、そのときはCGもぜひ前座をやらせていただけると・・・。」
愛香が恐る恐るそう尋ねると、
「愛香ちゃん、間が悪いよ。ちゃんと空気読んで。」
と桃子から厳しい指導が入り、その場は爆笑に包まれた。
が、再びびっくりした長女がべそをかいたので、慌てて静かになる。
「私も、空気読めるようにならなくちゃねぇ。」
小声でそういう桃子に、みんなは笑いをこらえていた。
346 :セル :2016/06/21(火) 22:02
===

この年の11月、期間限定で活動再開したBKの
ファイナルコンサートが日本武道館であった。
活動再開ツアーのチケットは、全公演即日完売。
そのため、俺も一度も観に行くことができなかったが、
武道館公演は特別席に招待されていた。
子供たちの入場も許され、左右に長男と次男、膝の上には長女が座り、
子供たちにとって、いや、俺にとっても初となる、BKのライブを鑑賞した。

「おかあさん、キラキラしてる!」次男が嬉しそうに叫んだ。
長男は無言のまま、食い入るようにステージに見入っている。
長女は、ものすごい雰囲気に驚いていた様子だったが、じきに慣れて、
“だぁだあー”と、桃子の姿を見つけて興奮し、
ライブの雰囲気を楽しんでいるようにすら見えた。
347 :セル :2016/06/21(火) 22:03
今日のこの日の記憶は、いつか忘れ去られてしまうときがくるだろう。
しかし、華やかなステージの色彩、
深みと優しさとが感じられるサウンド、
会場から伝わるにおい、
BKとファンとが作り出す熱気、
それらの五感で受けた感覚は自らに取り込まれ、
そして、DNAに刻み込まれて、永遠に生き続けるだろう。

どこから入り込んできたのだろうか。
すっかり色づいたもみじの葉が、ステージの桃子や俺たちの近くで舞った。
俺は3人の子供達を抱きしめ、ステージで輝いている桃子たちの勇姿を目に焼き付けた。


<全編完結>
348 :セル :2016/06/21(火) 22:04
長い間お付き合いいただき
ありがとうございました
少しでも楽しんでいただけたのであれば嬉しいです
また 別の作品でお会いしましょう
349 :名無し飼育さん :2016/06/21(火) 22:04
パパドルはいるけどママドルはすごいな
乙!楽しかったよ!
350 :名無し飼育さん :2016/06/22(水) 00:06
終わっちゃったのか
エロは良かったし、読むのも楽しかった
ありがとう
351 :名無し飼育さん :2016/06/22(水) 12:33
エロ目的で読んでたけど
最後のほうはマジで感動したわ
寂しくなっちゃうが ほんと感謝
でも「別の作品で」ってことは また書いてくれるんだろ
楽しみにしてるよ

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