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101 : えいえんの娘。A (91) 
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【101:91】  えいえんの娘。A
1 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/05/12(土) 21:48
※注意書き※
陰鬱になるテーマを扱っているため、この先、体調悪化や興奮を引き起こす可能性があります。
そうなったときは、ブラウザのタブかウィンドウを素早く閉じてください。
読み進めようとして何度も上記を繰り返す場合、この物語の存在を忘れ他の物語に没頭してください。


89 名前:6.人間はなんて美しいんでしょう。素晴らしい新世界。 投稿日:2017/11/06(月) 01:24
中澤がお弁当を持って教室へ入ると、道重亀井とともに高橋が二人と会話している。

「あーしは、あさ美ちゃんがあんなことしたいなんて思ってへんから」

思いが手に伝わるように、高橋の右手は道重の手首を掴んでいる。
そして、道重の唇が小さく動き、手をパッと振り払われる。
高橋の言葉は、友達への親切という大きな思い込みばかりだった。
紺野が何をしてたか知っていて、したくないことをしていると思い込む。
そうやって被害者を追い込んでいくことも知らずに、小さな親切は大きなお世話だ。

「すまん、高橋。席、外してくれるか」

割って入ってきた中澤を見ることなく、高橋は放課後待ってるからと声をかける。
二人はぎゅっとお互いの手を探りあい、握って見つめあう。
行く? 行かない。
目だけで会話してるように中澤には思えた。
教室は良い環境でないのは確かだ。

「待ったか?」

中澤の問いかけに道重は首を横へ振った。
まばたきの多いうるんだ瞳が切なさを訴えてくる。
無言で手をあわせ、食べ始める二人に会話はなく昼食の時間は進む。

90 名前:6.人間はなんて美しいんでしょう。素晴らしい新世界。 投稿日:2017/11/06(月) 01:25
「次、音楽やから」

沈黙に耐えきれなくなる。二人は、ほっとした表情で笑った。
中澤はこの笑顔を見たいために頑張ってきた。
大きく頷いた道重は弁当箱を片付け、鞄からすぐに教科書と筆記用具を取り出す。

「行こ」

道重が亀井に声をかけると、こちらもうんと笑って立ち上がる。
こうやって若者の早さについていけなくなっていくんだろう。

軽やかな足取りで音楽室へと向かう。
音楽準備室の扉を開けると、二人はくっつくように入ってきた。

「お邪魔します」
「お邪魔しまぁす」

どこか間延びした亀井の語尾をいとおしく感じながら、次の授業の準備を続ける。

「チャイム鳴る前に準備室から出たほうがええで」

91 名前:6.人間はなんて美しいんでしょう。素晴らしい新世界。 投稿日:2017/11/06(月) 01:26
二人からの返事はない。
中澤は肩をすくめてため息をつくと音楽室へ移動し、窓をあけてまわる。
晴天続きの空は高く、水平線まで青いだろう。
乾燥した秋風が熱気のこもった教室を吹き抜けていく。
涼しさを感じながら、いくつかの窓をまたしめる。
なんといっても喉に乾燥は禁物だ。
カタカタと窓を開け締めして風の通り道をチェックしていると、二人は準備室の扉から顔だけを覗かせていた。
だが、亀井がニコニコと道重の腰をつんつんとつっつくと逃げるように身をねじり、お腹から出す大きな笑い声をあげながら準備室と音楽室を行ったり来たりし始める。
あの二人、何やってんのや。
呆れたものの、一瞬であれが彼女らの関係なのかと思い直す。
鍵盤蓋を持ち上げ、お尻のポケットからクリーナーを取り出すと
鍵盤を拭いていく。
長い休み時間のあとには欠かせない。
音楽準備室に鍵はかかるが、普段の音楽室は鍵をかけない。
保健室みたく音楽好きの生徒のためにどこか逃げ込める場所であって欲しいとの想いがあるからだ。
この高校には音楽系の部活がないのも寂しさを感じる一因だった。

クリーナーが鍵盤に触れる度に出される小さなピアノの音で、呼ばれるまで気づけない。

「先生」

背中を押された道重がピアノの前に立っていた。
先週のことが思い出されて、少しだけ身構えてしまう。

「どした」

いつもと変わらず冷静に問うよう心がける。

「今日も補習しますか」
「ええよ。やろうや」
「……はいっ!」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

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