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101 : えいえんの娘。A (75) 
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【101:75】  えいえんの娘。A
1 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/05/12(土) 21:48
※注意書き※
陰鬱になるテーマを扱っているため、この先、体調悪化や興奮を引き起こす可能性があります。
そうなったときは、ブラウザのタブかウィンドウを素早く閉じてください。
読み進めようとして何度も上記を繰り返す場合、この物語の存在を忘れ他の物語に没頭してください。


73 名前:5.To be or not to be. 投稿日:2017/08/05(土) 00:22
授業終了のチャイムが鳴る。
これからお昼を含めた四十五分間の休憩時間だ。
五分前に授業を終わらせ、準備室に置いておいた弁当袋を取り出し、亀井のもとへ向かおうとする。
しかし、準備室を出た廊下には四時限目の授業を受けてた三年生がニヤニヤしながら待っていた。

「やる気にあふれてる先生見るの去年以来」
「もっと言うなら後藤先生と恋に落ちて以来」
「今度は誰に恋したの?」

など好き勝手に生徒にいじられながら、否定せず足早に向かう。
二年生が大変だって噂になってる、と教えられた上に頑張ってねと廊下へと送り出される始末だった。
きっと他人事だから楽しんで見守っていられるのだろう。
音大を受けたいという生徒も今年はいないようで、中澤はその分気が楽だった。

「待たせた」

教室は閑散としていた。紺野の姿もない。
亀井は一人でお弁当に箸をつけるところだ。

「来るって言うたやん」

昨日の亀井と比べると明らかに元気がないように思えた。
そこへドタドタと教室へ入ってくる足音が聞こえる。

「私も入っていいですか?」

おっじゃましまーすと亀井の近くにある机とつきあわせて勝手に座ったのは隣のクラスの新垣だ。
何でも、いつも一緒に食べてる辻の元気がなくて参ってしまうのと中澤が出入りしてるのを不審に思い、偵察しにきたというわけだ。
亀井は驚いたのか、元から交流がないのか、無言で食べ進めている。
おにぎりと簡単にタッパーに詰めたおかずを交互に口にし、中澤が頷く暇はないほど、新垣のマシンガントークが続く。

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

74 名前:5.To be or not to be. 投稿日:2017/08/18(金) 23:07
午前中の診察終了間際に保田医師から午後は検査しようと提案があった。
加護の体に不安がつきまとう。
その表情を見てか、大丈夫だよ治療にも関係があるからねと真剣に諭され、了承した。
結果は、妊娠初期だった。
産むか堕胎か考えてと言われたが、すぐに堕胎を決めた。
どうしてだろう。ずっと避妊してたのに。
医師からはコンドームによる避妊は絶対安全ではないと教わった。

いや、それよりもずっと子どもの体のままだと過信していた。
若い子の肌は弾力があるからいいという客もいる。
十、二十代でないと弾力は失われるという。
だからこそ、妊娠って結婚が決まった大人がなるもので、まだまだ春を売っていきたい加護にとっては無縁の話でありたい。

通称クソチビこと矢口を元締めとして春の売買は成立している。
よく大笑いしながら、酒を大量に飲み干す姿が目撃されているクソチビだ。
危険だから直接的な金銭のやりとりをしないよう彼女が請け負っている。
クソチビ曰く、女がやってたらサツだって油断するよ、だそうだ。
本当かどうかはわからない。
クソチビが金髪で下部で二つ縛りにし、キャップを目深に被る。
それが商売の合図。平日、土日構わず客は買いに来る。
待ち合わせ場所の指示が電話で入る。
相手の要求は、ただ散歩するだけだったり一緒にごはんを食べるだけだったりカラオケだったり、体を重ねたり、と様々である。
お互いの寂しさをお金で埋めあう時間。
大好きな父の面影を追いかけて、あの時間をもう一度味わい直すように何度も何度も売った。
幼い頃より多く入手できるお金の使い道。
買い食いでは消費できなくなり、メイク用品から最近はブランドもののバッグやアクセサリーと買えるものはたくさんある。
好きなものが買えても、心の隙間まで埋めることはできない。
心につけた傷を表面化させるように、手首に傷を作り腕にも切り傷をつくる。
二年生になったばかりのある日。

75 名前:5.To be or not to be. 投稿日:2017/08/18(金) 23:07
加護はいつものようにクソチビから連絡を受け、待ち合わせ場所へと向かう途中だった。
笑みをたたえた紺野が目の前に現れる。

「高校生に見えない化粧、光にかざせばキラリと輝く透明なマニキュア、夕方出て夜遅くまで帰ってこない仕事、高価になっていくアクセサリー類」
「なぁ、急いでんねん。また今度な!」
「高いお団子二つ結びやいつも切り揃えられた前髪、必要以上に幼く見られたいのね」

一つ一つが思い当たる言葉だった。
紺野が見せた携帯電話の画面には、頭頂部の髪が薄い小太りのおじさんと腕を組んでラブホテルに入っていく加護が写っている。

「何やこれ……」
「先生にも家族にも、誰にも告げ口なんかしないから。ちょっと協力して欲しいの」

怯える加護とは対照的に、紺野は何か楽しいことが始まる前触れのように微笑んでいた。
こんなことが起きたから、紺野とつるむようになる。
一年生の頃は挨拶や雑談をするぐらいであったが、現学年はトイレや特別教室への移動なども一緒に行動するように変わる。
そして、いじめのターゲットは最初から亀井に決まっていたようだ。
紺野はいじめだとは一言も言わず、遊びだとか奴隷だとか散々亀井をなぶり、欲求のおもむくままに弄んでいるように思えた。
二人の間に何があったのか聞く気はない。
きっと亀井が謝っても解決しないだろうし、もし逆らうようなことをしたら母や学校に告げ口されるだろうと考えたからだ。

――だから、わたしは汚い。

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