蚕蚤

回顧のみ!
11月 3, 2010

実践::企画優勝作品研究

Posted by : reader
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 企画で優勝したことはありますか? 私はありません。第1回から参加してますが、最高で『斜陽』の5位。参加作品が10作品と少しの回、具体的には駄作企画やらリテイク企画やらでもこれ以上の順位はありません。14作参加して3作参加していてもです。
 具体的にどのような作品が優勝するのだろう。ちょっと分析してみました。以下、ネタバレがあります。

33 アリゲータの恋と愛
http://m-seek.net/kako/event/messe02/1047713096.html

・文章:きわめて平易
・ストーリー:公園にいるワニに謎の肉を与える石川。その肉の正体は…

 これだけの短編なのに謎が二転三転します。最初はワニ。いきなりワニ。ワニを見てなにごともなかったかのようになごむ石川。何故の嵐です。石川はワニに餌を与えます。このエサの正体は? 読者は石川の正気を疑います。奇しくも日常描写のように描かれる後藤の卒業=失踪。あの肉の正体はまさか。しかし作者はそこでも齟齬を与えます。石川の認識してる現実とほんとうの現実とが噛み違ってることを、石川の頑固な性格を描写するかのように読者に提示します。これまでワニだの肉だので石川が異常かもしれないと予感している読者は実にあっさり、石川の記述が信用できないことを悟ってます。しかし作者は更にもう一歩踏み込んで、石川が目を逸らし続けている『事実』が読者の前に提示します。それは―――暴かれる石川の秘密とは―――
 所謂CPものの文法によって書かれた話です。
 しかしCP作品というのはしばしば「CP」そのものが目的であるために物語の配置が退屈なものになってしまいがちです。この作品はCPを「原因」とすることによって結果の状況が構築され、CPをうかがわす余地のまったくない結果から原因を探る風に物語が配置されているので、最後まで飽きずに読者の興味を引っ張ることができ、読者は最後に「そうだったのか!」とカタルシスさえ感じるのです。決して、多くのCPをテーマにした作品の感想で抱きがちな、最初から想定されているCPが見えてしまうことによる、「見え見えだ、つまらん」となったりはしないわけです。
 ところで駄作屋さんの作品は、いしごまCPのものが非常に好きです。作者の、石川さんに後藤さんはやらん!(吉澤や市井なら許す)という感じが透けて見えるせいかもしれません。決して成就することのない石川の壊れた慕情が非常に切なく興味深く思えるのです。

 ところでこの作品は企画優勝ではなく2位だったかもしれません。1位は確か『夜行』でした。

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One Comment so far ...

[…] それはともかくとして、上海さんがなにやら面白そうなことをはじめました。がんばって光の回くらいまではたどり着いてほしいです。個人的には「投票行って外食しよう企画」の優勝作を取り上げてほしいですね。 […]

ピンバック on 11月 4, 2010 07:02 pm
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